(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956798
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】バッテリモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20160714BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20160714BHJP
H01M 2/30 20060101ALI20160714BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20160714BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20160714BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20160714BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20160714BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20160714BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20160714BHJP
H01M 10/6566 20140101ALI20160714BHJP
【FI】
H01M2/10 S
H01M2/20 A
H01M2/30 D
H01M10/48 301
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6555
H01M10/6557
H01M10/6566
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-67769(P2012-67769)
(22)【出願日】2012年3月23日
(65)【公開番号】特開2013-200976(P2013-200976A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2015年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕
【審査官】
藤原 敬士
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/042914(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 2/30
H01M 10/48
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
H01M 10/6555
H01M 10/6557
H01M 10/6566
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面の左右対称な位置に一対の電極端子が設けられている複数の扁平箱形のバッテリセルと、該各バッテリセル間に介装する放熱性を有するセパレータとを備えるバッテリモジュールにおいて、
前記セパレータを一体に有すると共に前記バッテリセルを保持する絶縁性の保持部を有する第1セル保持枠と、
前記セパレータを一体に有すると共に前記バッテリセルを前記一側面視で左右反転した状態で保持する絶縁性の前記保持部を有する第2セル保持枠と
を有し、
前記第1セル保持枠と前記第2セル保持枠とが該各セル保持枠に設けられている前記保持部に支持されて交互に積層されると共に、
前記第1セル保持枠の前記保持部に設けられて該第1セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子と前記第2セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子とを直列接続する第1バスバーと、
前記第2セル保持枠の前記保持部に設けられて該第2セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子と前記第1セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子とを直列接続する第2バスバーと
を備えていることを特徴とするバッテリモジュール。
【請求項2】
前記各保持部の上下面の一方に位置決め用凸部が設けられ、他方に該位置決め用凸部に嵌合自在な位置決め用凹部が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記第1バスバーが設けられている前記保持部と前記第2バスバーが設けられている前記保持部に、該第1バスバーと該第2バスバーに接続するバッテリ電圧端子がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1或いは2記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
前記各セル保持枠に設けられている前記保持部の少なくとも1つにバッテリ温度センサが設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のバッテリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリセルを、放熱性を有するセパレータを介して積層したバッテリモジュールに関する
【背景技術】
【0002】
従来、モータジェネレータを駆動源とするハイブリッド車両や電気自動車等の開発が進んでいる。これらの車両は高電圧バッテリを搭載し、高電圧バッテリからモータジェネレータに駆動電流を供給することでモータジェネレータを高出力で回転駆動(力行駆動)し、これにより車両を走行させるようにしている。
【0003】
高電圧バッテリは、多数のバッテリセルを直列に接続して高電圧を確保している。例えば、特許文献1(特開2012−33419号公報)には、箱形に形成された複数のバッテリセルを、放熱性を有するセパレータを介して積層することでバッテリモジュールを形成し、このバッテリモジュールの両側をバインドバーで挟持固定する技術が開示されている。
【0004】
この文献に開示されている技術では、バッテリセル同士の電気的な配線は、各バッテリセルを一体化した後、バスバーを行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−33419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した文献に開示されている技術では、積層された各バッテリセルに設けられている一対の電極端子を、1つずつバスバー等を用いて直列接続するようにしているため、手間がかかり、作業性が悪いという問題がある。
【0007】
又、積層されたバッテリセル間を、バスバーを用いて電気的に接続する作業は、不慣れな作業者が行う場合もあり、単純な配線ミスや配線忘れが生じ易い。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、バッテリセルを、セパレータを挟んで積層した後の配線を、配線ミスや配線忘れを生じることなく正確で、しかも効率よく行うことのできるバッテリモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一側面の左右対称な位置に一対の電極端子が設けられている複数の扁平箱形のバッテリセルと、該各バッテリセル間に介装する放熱性を有するセパレータとを備えるバッテリモジュールにおいて、前記セパレータを一体に有すると共に前記バッテリセルを保持する絶縁性の保持部を有する第1セル保持枠と、前記セパレータを一体に有すると共に前記バッテリ
セルを前記一側面視で左右反転した状態で保持する絶縁性の前記保持部を有する第2セル保持枠とを有し、前記第1セル保持枠と前記第2
セル保持枠とが該各セル保持枠に設けられている前記保持部に支持されて交互に積層されると共に、前記第1セル保持枠の前記保持部に設けられて該第1セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子と前記第2セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子とを直列接続する第1バスバーと、前記第2セル保持枠の前記保持部に設けられて該第2セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子と前記第1セル保持枠に保持されている前記バッテリセルの電極端子とを直列接続する第2バスバーとを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、セパレータを一体形成するセル保持枠に設けたバッテリセルを保持する保持部を絶縁性とし、この保持部に積
層されるバッテリセルに設けた電極端子を直列接続するバスバーを設けたので、交互に積層された第1セル保持枠と第2セル保持枠とに保持されているバッテリセル間の配線を行うに際し、配線ミスや配線忘れを生じることなく正確で、しかも効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態によるバッテリモジュールの正面図
【
図4】同、セル保持枠に設けたセパレータの要部拡大図であり、(a)はその一部断面平面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(a)のC-C断面図
【
図5】同、セル保持枠の要部拡大図であり、(a)はその一部断面平面図、(b)は(a)のB-B断面図
【
図6】第2実施例によるセル保持枠を示し、(a)はその要部平面図、(b)は正面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1〜
図5に本発明の第1実施形態を示す。
図1に示すバッテリモジュール1は、モータジェネレータを駆動源とするハイブリッド車両や電気自動車に搭載されている。
【0014】
図1、
図2に示すように、このバッテリモジュール1は、複数(図においては5個)のバッテリセル2と、このバッテリセル2を設置する第1、第2セル保持枠3.4とを有した積層構造を成している。尚、この両セル保持枠3,4の基本構造は同一であるが、バスバー7,8の取付け位置が相違している。
【0015】
この各セル保持枠3,4は、アルミニウム板等、高い放熱性を有するセパレータ5と、その四隅に設けた保持部としてのコーナ保持部材6とを有している。このコーナ保持部材6は、樹脂製の射出成形品であり、絶縁性を有している。尚、隣接する各コーナ保持部材6は対称形状で、構成は共通しているため、便宜的に同一符号を付して説明を簡略化する。
【0016】
図3、
図4に示すように、セパレータ5は内部に、一方の端面から対向する他方の端面に貫通する複数の通気孔5aが平行に穿設されている。又、セパレータ5の四隅には、後述するコーナ保持部材6を射出成形する際に鋳込まれるフランジ片5bが形成されており、このフランジ片5bに射出成形時の樹脂が流れ込んで一体的に保持する保持孔5cが穿設されている。
【0017】
又、
図2に示すように、コーナ保持部材6は本体部6aと、この本体部6aからセパレータ5の側辺に沿って延出する舌片部6bとを有し、この舌片部6bの内面と本体部6aの内面部とでコーナ受部6cが形成されている。そして、各コーナ受部6cによって、バッテリセル2の四隅が保持される。
【0018】
バッテリセル2は扁平箱形の直方体に形成されており、外周を覆う外装体2aが絶縁性を有する樹脂製であり、又、一側面である前面に一対の電極端子としての正極ターミナル2bと負極ターミナル2cとが配設されている。この両ターミナル2b,2cは、バッテリセル2の高さH方向の中央で、且つ左右対称な位置に設けられている。更に、このバッテリセル2の高さHが、セパレータ5の上面からコーナ保持部材6の上面までの高さH’と同じか、やや低く形成されている。
【0019】
第1セル保持枠3と第2セル保持枠4とに設置されるバッテリセル2は同一のものであるが、第1セル保持枠3に保持されているバッテリセル2に対し、第2セル保持枠4に保持されるバッテリセル2は正面視で左右が反転されている。従って、例えば、
図1、
図2に示すように、1段目の第1セル保持枠3にバッテリセル2が、その正極ターミナル2bを正面視左側に設置した場合、2段目に設置する第2セル保持枠4に保持されているバッテリセル2’は、正面視左側が負極ターミナル2cとなる。尚、以下においては、便宜的に、第2セル保持枠4に設置されるバッテリセル2をバッテリセル2’として説明する。
【0020】
又、第1セル保持枠3に第1バスバー7が設けられ、第2セル保持枠4に第2バスバー8が設けられている。このバスバー7,8は、第1セル保持枠3に保持されたバッテリセル2の正極ターミナル2bと、第2セル保持枠4に保持されたバッテリセル2’に設けられている負極ターミナル2cとを電気的に接続するものであり、アルミニウム板や銅板等の導電性を有する平板をプレス加工することで形成されている。この両バスバー7,8は対称形状を成しており、第1バスバー7を反転させて第2バスバー8としている。
【0021】
各バスバー7,8は、バスバー本体7a,8aと、このバスバー本体7a,8aの基部一側に突出するフランジ部7b,8bとを有している。更に、第1バスバー7のバスバー本体7aに、第1セル保持枠3に設置されたバッテリセル2の正極ターミナル2bと、その上段の第2セル保持枠4に設置されているバッテリセル2’の負極ターミナル2cとを連結するターミナル締結孔7cが穿設されている。一方、第2バスバー8のバスバー本体8aに、第2セル保持枠4に設置されたバッテリセル2’の正極ターミナル2bと、その上段の第1セル保持枠3に設置されているバッテリセル2の負極ターミナル2cとを連結するターミナル締結孔8cが穿設されている。又、両バスバー7,8に形成されているフランジ部7b,8bが、コーナ保持部材6の本体部6aに鋳込み成形されて一体化されている。
【0022】
この各バスバー本体7a,8aにて、積層された各バッテリセル2の正極ターミナル2bと負極ターミナル2cとを交互に接続することで、各バッテリセル2が直列接続される。尚、最下段のバッテリセル2に設けられている負極ターミナル2cと最上段のバッテリセル2に設けられている正極ターミナル2bとが、図示しないインバータを介して発電機及びモータに接続される。
【0023】
更に、各コーナ保持部材6の本体部6aに、上下に貫通するボルト挿通孔11が穿設されている。又、このコーナ保持部材6には、バスバー7,8に接続する配線と、この配線に接続するバッテリ電圧端子9とが鋳込み成形されている。このバッテリ電圧端子9に電圧計(電圧センサ)を接続することで、バッテリ電圧を簡単に検出することができる。尚、このコーナ保持部材6は絶縁性を有する射出成形品であるため、バッテリ温度センサ等の各種センサ類を取付ける取付部を予め形成しておくことも可能である。
【0024】
図1、
図2に示すように、本実施形態では、バッテリセル2を5段に積層した態様が示されており、最上部のバッテリセル2の上面に固定板12が載置されている。この固定板12は、鉄板、アルミニウム板等、高い放熱性を有する板材であり、両セル保持枠3,4の四隅に固設されているコーナ保持部材6の上面を覆う形状に形成されている。この固定板12の四隅の、各コーナ保持部材6に穿設されているボルト挿通孔11と同一の位置にボルト挿通孔13が穿設されている。
【0025】
バッテリセル2を所定に保持する第1、第2セル保持枠3,4を交互に載置し、最上部に固定板12を載置した状態で、各ボルト挿通孔11,13にボルト14を挿通し、反対側に突出したねじ部をナット15で締結することで、各セル保持枠3,4が固定される。
【0026】
又、
図1に一点鎖線で示すように、左右のバスバー7,8を、絶縁性を有するバスバーカバー16で覆うようにしても良い。この場合、各バスバー7,8が鋳込まれているコーナ保持部材6の前面に、バスバーカバー16を、ねじ(図示せず)を介して固定するねじ孔6dを穿設する。
【0027】
次に、このような構成による本実施形態の作用について説明する。先ず、第1セル保持枠3にバッテリセル2を設置し、又、第2セル保持枠4にバッテリセル2を反転させた状態で設置する。すると、バッテリセル2,2’の四隅が、各セル保持枠3,4の四隅に形成されているコーナ保持部材6のコーナ受部6cに係合して平面方向が位置決めされ、又、各バッテリセル2,2’の正極ターミナル2bと負極ターミナル2cとが逆配列となる。
【0028】
そして、各バッテリセル2,2’の正面に設けられている正極ターミナル2bを第1、第2バスバー7,8の下段側のターミナル締結孔7c,8cに挿通しナット締めする。その結果、各バッテリセル2,2’がセル保持枠3,4にそれぞれ仮固定される。
【0029】
次いで、第1セル保持枠3と第2セル保持枠4とを交互に積み上げる。
図1には、最下段に第1セル保持枠3を配設した5段構造のバッテリモジュール1が示されている。
【0030】
同図の積層順に従えば、最下段の第1セル保持枠3上に第2セル保持枠4を載置し、最上段が第1セル保持枠3を載置する。そして、第1セル保持枠3から上方へ延出する第1バスバー7の上段側のターミナル締結孔7cに、第2セル保持枠4に設置されているバッテリセル2’の負極ターミナル2cを挿通し、ナットで仮止めする。又、第2セル保持枠4から上方へ延出する第2バスバー8の上段側のターミナル締結孔8cに、第1セル保持枠3に設置されているバッテリセル2の負極ターミナル2c挿通し、ナットで仮止めする。
【0031】
その後、最上段の第1セル保持枠3上に固定板12を載置し、この固定板12の四隅に穿設されているボルト挿通孔13と各セル保持枠3,4の四隅に設けたコーナ保持部材6に穿設されているボルト挿通孔11とを同軸上に位置合わせし、ボルト14を挿通する。そして、最下段の第1セル保持枠3の底部から突出したボルト14の先端をナット15で締付けて、各セル保持枠3を固定する。その際、各バッテリセル2,2’の高さHが、各セル保持枠3,4に設けられているセパレータ5の上面からコーナ保持部材6の上面までの高さH’と同じか、やや低く形成されているため、各バッテリセル2,2’の上下方向の移動が規制されて位置決めされる。その後、各ターミナル2b,2cを仮止めしているナットを締結して、バスバー本体7a,8aと各ターミナル2b,2cとを固定する。
【0032】
又、
図1に一点鎖線で示すように、左右に配設されている第1バスバー7と第2バスバー8を必要に応じてバスバーカバー16で覆うようにしても良い。この場合、バスバーカバー16はコーナ保持部材6の本体部6aに穿設されているねじ孔6dに対してタッピンネジ等を用いて固定する。
【0033】
このように、本実施形態では、セル保持枠3(4)にバッテリセル2(2’)を個別に設置した状態で、このセル保持枠3(4)に設けられているバスバー7(8)に挿通したターミナル2b(2c)を、ナットを用いてバスバー7(8)に締結して仮固定しておくことができるので、バッテリモジュール1の組立てに際しては、第1セル保持枠3と第2セル保持枠4とを交互に積み上げるだけで良く、従来のように、バッテリセルの間にセパレータを挟んで積層する必要がなくなり、作業性が良い。
【0034】
又、バッテリセル2,2’は直列接続の場合、反転して配列する必要があるが、第1セル保持枠3に設置されているバッテリセル2に対し、第2セル保持枠4に設置されているバッテリセル2’は予め反転された状態で仮固定されているため、バッテリモジュール1を組立てる際に、バッテリセル2,2’の組み間違いが発生せず、作業ミスの発生を低減することができる。
【0035】
更に、積層されたバッテリセル2,2’を電気的に接続するバスバー7,8がセル保持枠3,4に予め一体化されているため、配線ミスや、配線忘れが無くなり、配線の際の接続作業の効率化を実現することができる。
【0036】
又、例えば、第1セル保持枠3上に、誤って第1セル保持枠3を載置しようとしても、第1セル保持枠3に設けられている第1バスバー7同士が干渉するため、組み付けることができず、セル保持枠3,4を積載する際の組み間違いを未然に防止することができる。
【0037】
更に、各セル保持枠3,4に固定されるバッテリセル2,2は、その上下面が放熱性の高いセパレータ5(最上面は固定板12)に接触しているため、高い放熱特性を得ることができる。
【0038】
[第2実施形態]
図6に本発明の第2実施形態を示す。上述した第1実施形態では、第1セル保持枠3と第2セル保持枠4とを積層した状態で各セル保持枠3,4の四隅に形成されているボルト挿通孔11にボルト14を挿通することで、各セル保持枠3,4の位置決めをするようにしているが、本実施形態では、各コーナ保持部材6に穿設されているボルト挿通孔11の外周に位置決め用凸部としての位置決め用ダボ17aとこれを係入する位置決め用凹部としてのダボ穴17bを形成したものである。
【0039】
すなわち、本実施形態では、コーナ保持部材6に設けられている本体部6aの上面に位置決め用ダボ17aを、ボルト挿通孔11と同心円状に形成し、底面に位置決め用ダボ17aを係入するダボ穴17bを形成する。尚、図示しないが、最上段に載置する固定板12の四隅の底面には、ダボ穴17bがボルト挿通孔13と同軸上に形成されている。
【0040】
そして、
図6に示すように、第1セル保持枠3上に第2セル保持枠4を載置すると、第2セル保持枠4の底面に形成されているダボ穴17bが第1セル保持枠3の上面に突設されている位置決め用ダボ17aに係入して位置決めされ、各セル保持枠3,4のボルト挿通孔11が同心上に配列される。従って、ボルト14の挿通が容易となり、組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0041】
尚、本発明は、上述した各実施形態に限るものではなく、例えば第1セル保持枠3に設けられているコーナ保持部材6と第2セル保持枠4に設けられているコーナ保持部材6とを色分けすることで、各セル保持枠3,4を目視にて峻別できるようにしても良い。
【0042】
又、セパレータ5、固定板12は、アルミニウム板等の金属に限らず、放熱性、電気絶縁性に優れる、所謂放熱樹脂製であっても良い。
【符号の説明】
【0043】
1…バッテリモジュール、
2,2’…バッテリセル、
2b…正極ターミナル、
2c…負極ターミナル、
3…第1セル保持枠、
4…第2セル保持枠、
5…セパレータ、
6…コーナ保持部材、
6a…本体部、
6c…コーナ受部、
7,8…バスバー、
9…バッテリ電圧端子、
17a…位置決め用ダボ、
17b…ダボ穴