(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、アキュムレータを作動させて、前記サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の試験装置。
前記定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、リリーフバルブを作動させて、前記サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成したことを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の試験装置。
前記実働波試験モードにおいて、前記流量変動パターンに基づく可変容量ポンプの作動停止と、前記油圧式のアクチュエータの作動停止とを連動させるように構成したことを特徴とする請求項4に記載の試験装置。
前記定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、アキュムレータを作動させて、前記サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるようにすることを特徴とする請求項8に記載の試験装置の制御方法。
前記定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、リリーフバルブを作動させて、前記サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるようにすることを特徴とする請求項8から9のいずれかに記載の試験装置の制御方法。
【背景技術】
【0002】
従来、試験装置として、例えば、金属材料、樹脂材料、複合材料などの材料について、また、自動車部品(駆動系や足回りの金属部品やゴム部品、ショックアブソーバなど)などの機械部品について、これらの自動車完成品などの完成品について、さらに、土木関係(橋桁、橋梁や建物用の免震ゴムなど)の構造物について、材料試験、振動試験、疲労試験、特性試験などを行うための材料試験装置、振動試験装置、疲労試験装置など各種の試験装置がある。
【0003】
以下、本明細書において、「試験装置」とは、これらの各種の試験を行うための油圧式のアクチュエータを備えた試験装置を包含した意味で用いられる。
【0004】
従来、油圧式のアクチュエータを備えた試験装置として、例えば、油圧式のアクチュエータである加振装置を備えた試験装置として、
図15に示したような構造の試験装置100が提案されている。
【0005】
すなわち、
図15に示したように、従来の試験装置100は、試験を行うための試験装置本体102を備えている。この試験装置本体102は、試験の一例として、加振装置から構成されている。
【0006】
図15に示したように、試験装置本体102は、架台フレーム104を備えており、この架台フレーム104の下方に油圧式のシリンダからなるアクチュエータ106を備えている。このアクチュエータ106には、テストピースAを載荷するためのピストン108と、変位を検出するための変位検出器110とを備えている。
【0007】
また、架台フレーム104の上方に立設されるように、ガイドロッド112が設けられている。
【0008】
そして、ガイドロッド112の下方と上方フレーム118との間には、油圧シリンダ114が設けられており、油圧シリンダ114により、ピストン108に対して、上下動可能なクロスヘッド116が設けられている。また、このクロスヘッド116には、ピストン108と対峙するように、荷重検出器120が設けられている。
【0009】
このように構成される試験装置100では、以下のように試験が行われる。
【0010】
すなわち、
図15に示したように、ピストン108の上面に、例えば、ショックアブソーバなどのテストピースAを載荷して、図示しない駆動機構によって、油圧シリンダ114により、ピストン108に対してクロスヘッド116を下降して、ピストン108の上面とクロスヘッド116の下面との間にテストピースAを挟持する(
図15の点線参照)。
【0011】
そして、図示しない制御装置に予め記憶されたプログラムに基づいて、試験条件などの設定、試験の実施、試験データの収集が行われるようになっている。
【0012】
すなわち、
図15に示したように、制御装置によって、油圧源よりアクチュエータ(サーボバルブ)に圧油を供給した上で、制御装置に接続されたサーボバルブを所定の条件で駆動させると、アクチュエータ106が所定の条件で駆動して、テストピースAに対して一定の振動を与えるようになっている(
図15の矢印参照)。
【0013】
そして、アクチュエータ106に設けられた変位検出器110によって、テストピースAの変位が検出され、テストピースAの変位データが、制御装置に入力されるようになっている。一方、クロスヘッド116に設けられた荷重検出器120によって、テストピースAにかかる荷重が検出され、テストピースAにかかる荷重データが、制御装置に入力されるようになっている。
【0014】
また、制御装置のプログラムに基づいて、制御装置から油圧源よりアクチュエータ(サーボバルブ)に圧油を供給した上で、制御装置に接続されたサーボバルブを所定の条件で駆動させて、アクチュエータ106を所定の条件で駆動させるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来、特許文献1(特開2011−185755号公報)、特許文献2(特開2004−150985号公報)に開示されているように、このような試験装置100は、
図16のブロック図に示したような構成となっている。
【0017】
すなわち、試験装置本体102には、試験装置本体102を制御するために用いられるサーボバルブ122が接続されている。
【0018】
そして、サーボバルブ122に対して、油圧源124から圧油を供給するための定量吐出ポンプ126を備えており、この定量吐出ポンプ126には、定量吐出ポンプ126を駆動するためのモータ128が接続されている。
【0019】
また、サーボバルブ122と定量吐出ポンプ126との間には、
定量吐出ポンプ126からサーボバルブ122に供給される圧油に、別途蓄積された圧油を供給するアキュムレータ130が配設されている。
【0020】
さらに、サーボバルブ122と定量吐出ポンプ126との間には、定量吐出ポンプ126からサーボバルブ122に供給される圧油の一部を、油圧源124に還流するためのリリーフバルブ132が配設されている。
【0021】
このように構成される従来の試験装置100では、モータ128の回転によって、定量吐出ポンプ126を作動させて、油圧源124から流路134、圧油供給流路136を介して、一定の流量、圧力でサーボバルブ122に圧油が供給されて、試験装置本体102が作動されるようになっている。
【0022】
そして、定量吐出ポンプ126からの圧油の流量が不足する場合には、アキュムレータ130から圧油供給流路138を介して、圧油供給流路136に、アキュムレータ130に別途蓄積された圧油が供給されるようになっている。
【0023】
一方、定量吐出ポンプ126からの圧油の流量が過剰である場合には、リリーフバルブ132が作動して、圧油還流経路140を介して、余分な圧油が油圧源124に還流されるようになっている。
【0024】
ところで、油圧式のアクチュエータを備えた試験装置100では、定量吐出ポンプ126によって常に最大能力を出す流量を供給している。しかしながら、通常の使用では最大能力を出さないことが多く、試験条件によっては大部分の圧油をリリーフバルブ132の作動によって、圧油還流経路140を介して、油圧源124に還流されるように構成されている。
【0025】
このように、定量吐出ポンプ126によって常に最大能力を出す流量を供給すると、リリーフバルブ132からタンクである油圧源124への還流が仕事をしない余分な流量となり、その分のモータ128のモータ駆動に電力が余分にかかり、コストも高くつくことになっていた。
【0026】
また、試験装置100では、
(1)試験時に必要な流量が一定の周期で変動する定常波試験モード、
(2)必要な流量がランダム且つ高周波で変動する実働波試験モード
の2つのモードで試験が行われる。
【0027】
(1)の定常波試験モードでは、従来の特許文献1〜特許文献3の試験装置100では、制御装置から、試験条件と試験機パラメータを用いる複雑な計算を経て算出された指令を送って、必要最低限の流量を吐出するように制御する必要があり、複雑な計算が必要で、時間もかかることになっていた。
【0028】
また、(2)の実働波試験モードでは、従来の特許文献1〜特許文献3の試験装置100では、実働波加振の1サイクルにおいて吐出量、リリーフ量を測定して、1サイクルの最大の流量に合わせて吐出することで消費電力を低減させており、1サイクル中に不要な流量を低減することができず、消費電力が余分にかかり、コストも高くつくことになっていた。
【0029】
さらに、(1)の定常波試験モード、(2)の実働波試験モードのいずれの場合でも、特許文献1、特許文献2の試験装置100のように、モータ128の回転数を変えることで流量を可変させる手段では、ポンプの最低回転数の制限から流量を最大の約50%程度までしか可変できず、待機時などの必要流量が少ないときにも消費電力が大きくなって、コストが高くつくことになっていた。
【0030】
本発明は、このような現状に鑑み、複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる試験装置および試験装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0031】
また、本発明は、(2)の実働波試験モードにおいて、1サイクル中に不要な流量を低減することができ、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる油圧式のアクチュエータを備えた試験装置および試験装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0032】
さらに、本発明は、待機時などの必要流量が少ないときにも消費電力を低減することができ、コストも低減することができる試験装置および試験装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の試験装置は、
油圧式のアクチュエータを備えた試験装置であって、
前記油圧式のアクチュエータを制御するために用いられるサーボバルブと、
前記サーボバルブに対して、油圧源から圧油を供給するための可変容量ポンプと、
前記サーボバルブと可変容量ポンプとの間に配設され、前記可変容量ポンプからサーボバルブに供給される圧油に、別途蓄積された圧油を供給するアキュムレータと、
前記サーボバルブと可変容量ポンプとの間に配設され、前記可変容量ポンプからサーボバルブに供給される圧油の一部を、油圧源に還流するためのリリーフバルブとを備え、
前記可変容量ポンプの圧力と流量を制御するための油圧源制御装置を
備え、
必要な流量がランダム且つ高周波で変動する実働波試験モードを備え、実働波試験モードにおいて、
前記油圧源制御装置において、試験装置の動きと時間の関係を示す試験波形から、必要流量波形を算出し、
前記必要流量波形から包絡線を求めて、可変容量ポンプの流量制御性能に合わせた流量変動パターンを算出し、
前記流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプを作動させるように構成したことを特徴とする。
【0034】
また、本発明の試験装置の制御方法は、
油圧式のアクチュエータを備えた試験装置の制御方法であって、
前記油圧式のアクチュエータを制御するために用いられるサーボバルブと、
前記サーボバルブに対して、油圧源から圧油を供給するための可変容量ポンプと、
前記サーボバルブと可変容量ポンプとの間に配設され、前記可変容量ポンプからサーボバルブに供給される圧油に、別途蓄積された圧油を供給するアキュムレータと、
前記サーボバルブと可変容量ポンプとの間に配設され、前記可変容量ポンプからサーボバルブに供給される圧油の一部を、油圧源に還流するためのリリーフバルブとを備え、
油圧源制御装置によって、前記可変容量ポンプの圧力と流量を制御
するとともに、
必要な流量がランダム且つ高周波で変動する実働波試験モードを備え、実働波試験モードにおいて、
前記油圧源制御装置において、試験装置の動きと時間の関係を示す試験波形から、必要流量波形を算出し、
前記必要流量波形から包絡線を求めて、可変容量ポンプの流量制御性能に合わせた流量変動パターンを算出し、
前記流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプを作動させることを特徴とする。
【0035】
このように構成することによって、可変容量ポンプを用いており、油圧源制御装置によって、可変容量ポンプの圧力と流量を適切に制御するので、常に最大能力を出す流量を供給する必要がなく、試験条件によっても、大部分の圧油をリリーフバルブの作動によって、油圧源に還流する必要がなくなる。
【0036】
また、可変容量ポンプを用いており、油圧源制御装置によって、可変容量ポンプの圧力と流量を適切に制御するので、必要に応じて、流量を10%以下まで変えることが可能になり、待機時などの必要流量が少ないときにも消費電力が小さく、コストも低減することができる。
【0037】
従って、従来のように複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0038】
また、本発明では、試験時に必要な流量が一定の周期で変動する定常波試験モードを備え、定常波試験モードにおいて、
前記油圧源制御装置によって、可変容量ポンプからサーボバルブに対して供給される圧油が、所定の圧力となるように可変容量ポンプの流量を制御するように構成したことを特徴とする。
【0039】
このように構成することによって、油圧源制御装置によって、可変容量ポンプからサーボバルブに対して供給される圧油が、所定の圧力となるように可変容量ポンプの流量を制御するので、常に最大能力を出す流量を供給する必要がなく、試験条件によっても、大部分の圧油をリリーフバルブの作動によって、油圧源に還流する必要がなくなる。
【0040】
従って、従来のように、制御装置から、試験条件と試験機パラメータを用いる複雑な計算を経て算出された指令を送って、必要最低限の流量を吐出するように制御する必要がない。そのため、複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0041】
また、本発明では、前記定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、アキュムレータを作動させて、前記サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成したことを特徴とする。
【0042】
すなわち、一般の可変容量ポンプでの圧力制御機能(カットオフ機能)だけでは油圧試験機の定常波試験に必要な圧力を安定に供給しきれないので、定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、適切な容量とガス圧に設定されたアキュムレータを作動させて、サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成している。
【0043】
このように構成することによって、定常波試験モードにおいて、変動する必要流量に対して、可変容量ポンプの圧力制御機能の遅れ分を補うことができ、安定した圧油を供給することができる。
【0044】
また、本発明では、前記定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、リリーフバルブを作動させて、前記サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成したことを特徴とする。
【0045】
すなわち、定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、リリーフバルブの動作圧力設定を適切に設定し、作動させることによって、サーボバルブに供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成している。
【0046】
このように構成することによって、突発的な急変動する流量圧力を抑えてさらに安定した圧油を供給することができる。
【0048】
また、本発明によれば、実働波試験モードにおいて、試験装置の動きと時間の関係を示す試験波形から、必要流量波形を算出し、必要流量波形から包絡線を求めて、可変容量ポンプの流量制御性能に合わせた流量変動パターンを算出し、流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプを作動させるだけで良い。
【0049】
従って、従来のように、制御装置から、試験条件と試験機パラメータを用いる複雑な計算を経て算出された指令を送って、必要最低限の流量を吐出するように制御する必要がない。そのため、複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0050】
また、流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプを作動させるので、必要に応じて、流量を10%以下まで変えることが可能になり、待機時などの必要流量が少ないときにも消費電力が小さく、コストも低減することができる。
【0051】
さらに、流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプを作動させるので、1サイクル中に不要な流量を低減することができ、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0052】
従って、従来のように複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0053】
また、本発明では、前記実働波試験モードにおいて、前記流量変動パターンに基づく可変容量ポンプの作動停止と、前記油圧式のアクチュエータの作動停止とを連動させるように構成したことを特徴とする。
【0054】
このように実働波試験モードにおいて、前記流量変動パターンに基づく可変容量ポンプの作動停止と、前記油圧式のアクチュエータの作動停止とを連動することができるので、遅れが生じることがなく、適切な圧力、流量で正確な圧油を供給できるとともに、リアルタイムに試験を行うことができ、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0055】
また、本発明では、前記試験波形から、必要流量波形を算出する方法が、
(1)前記油圧式のアクチュエータ側からの試験波形X(t)を微分して試験速度V(t)にするステップと、
(2)前記油圧式のアクチュエータの有効断面積Aと、前記試験速度V(t)の絶対値から、下記の式、
流量Q(t)=有効断面積A×速度の絶対値|V(t)|
を用いて算出するステップ、
を備えることを特徴とする。
【0056】
このように構成することによって、複雑な計算処理をすることなく、簡単に必要流量波形を算出することができ、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、可変容量ポンプを用いており、油圧源制御装置によって、可変容量ポンプの圧力と流量を適切に制御するので、常に最大能力を出す流量を供給する必要がなく、試験条件によっても、大部分の圧油をリリーフバルブの作動によって、油圧源に還流する必要がなくなる。
【0058】
また、可変容量ポンプを用いており、油圧源制御装置によって、可変容量ポンプの圧力と流量を適切に制御するので、必要に応じて、流量を10%以下まで変えることが可能になり、待機時などの必要流量が少ないときにも消費電力が小さく、コストも低減することができる。
【0059】
従って、従来のように複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【実施例1】
【0062】
図1は、本発明の試験装置を、試験の一例として、加振試験を行う加振試験装置に適用した実施例を示す概略図、
図2は、
図1の試験装置本体の使用状態を説明する正面図、
図3は、本発明の試験装置の概略を示すブロック図、
図4は、本発明の試験装置の制御方法の概略を説明する概略図である。
【0063】
図1において、符号10は、全体で本発明の試験装置を示している。
【0064】
図1〜
図2に示したように、本発明の試験装置10は、試験を行うための試験装置本体12を備えている。この試験装置本体12は、この実施例では、試験の一例として、加振試験を行う加振試験装置から構成されている。
【0065】
図1に示したように、試験装置本体12は、架台フレーム14を備えており、この架台フレーム14の下方に油圧式のシリンダからなるアクチュエータ16を備えている。このアクチュエータ16には、例えば、自動車などの車輛のショックアブソーバなどのテストピースAを載荷するためのピストン18と、変位を検出するための変位検出器20とを備えている。
【0066】
また、架台フレーム14の上方に立設されるように、ガイドロッド22が設けられている。
【0067】
そして、ガイドロッド22の下方と上方フレーム28との間には、油圧シリンダ24が設けられており、油圧シリンダ24により、ピストン18に対して、上下動可能なクロスヘッド26が設けられている。また、このクロスヘッド26には、ピストン18と対峙するように、荷重検出器30が設けられている。
【0068】
また、
図1に示したように、本発明の試験装置10は、試験装置本体12に接続され、試験装置本体12に対して、試験条件などの設定、試験の実施、試験データの収集などを行うための試験制御装置として機能する制御装置32を備えている。
【0069】
この実施例では、制御装置32は、制御装置本体36のみから構成することができ、試験条件などの設定をすることができる。この制御装置32には、例えば、ハードディスクから構成される内部メモリーが内蔵されている。なお、制御装置本体36に、操作用の専用コンピュータ(PC)76を接続し、この専用コンピュータ(PC)76に、画面表示を行うためのモニタ34と、キーボード38と、マウス40が接続されている場合がある。
【0070】
そして、試験装置本体12のアクチュエータ16の変位検出器20と、制御装置本体36が接続されるとともに、試験装置本体12の荷重検出器30と、制御装置本体36が接続されている。
【0071】
一方、本発明の試験装置10では、制御装置32の制御装置本体36に接続されるとともに、試験装置本体12のアクチュエータ16に接続されたアクチュエータ動力源44が設けられている。
【0072】
このように構成される本発明の試験装置10では、以下のように試験が行われる。
【0073】
すなわち、
図2に示したように、ピストン18の上面にテストピースAを載荷して、図示しない駆動機構によって、油圧シリンダ24により、ピストン18に対してクロスヘッド26を下降して、ピストン18の上面とクロスヘッド26の下面との間にテストピースAを挟持する(
図2の点線参照)。
【0074】
そして、制御装置32に予め記憶されたプログラムに基づいて、試験条件などの設定、試験の実施、試験データの収集が行われるようになっている。
【0075】
すなわち、
図1に示したように、制御装置32によって、油圧源
54よりアクチュエータ
16(サーボバルブ
50)に圧油を供給した上で、制御装置
32に接続されたサーボバルブ
50を所定の条件で駆動させると、アクチュエータ動力源44に接続されたアクチュエータ16が所定の条件で駆動して、テストピースAに対して一定の振動を与えるようになっている(
図2の矢印参照)。
【0076】
そして、アクチュエータ16に設けられた変位検出器20によって、テストピースAの変位が検出され、テストピースAの変位データが、制御装置32の制御装置本体36に入力されるようになっている。一方、クロスヘッド26に設けられた荷重検出器30によって、テストピースAにかかる荷重が検出され、テストピースAにかかる荷重データが、制御装置32の制御装置本体36に入力されるようになっている。
【0077】
また、制御装置32の制御装置本体36のプログラムに基づいて、制御装置32からサーボバルブ50にフィードバック指令信号が出力され、アクチュエータ16を所定の条件で駆動させるようになっている。
【0078】
さらに、本発明の試験装置10では、
図1〜
図3に示したように、アクチュエータ16を制御するために用いられるサーボバルブ50が接続されている。
【0079】
そして、図示しない試験装置本体12のアクチュエータ16の変位検出器20と、サーボバルブ50は、それぞれ制御装置32に接続されている。
【0080】
そして、
図3に示したように、サーボバルブ50に対して、油圧源54から圧油を供給するための可変容量ポンプ56を備えており、この可変容量ポンプ56には、可変容量ポンプ56を駆動するためのモータ58が接続されている。
【0081】
また、サーボバルブ50と可変容量ポンプ56との間には、
可変容量ポンプ56からサーボバルブ50に供給される圧油に、別途蓄積された圧油を供給するアキュムレータ60が配設されている。
【0082】
さらに、サーボバルブ50と可変容量ポンプ56との間には、可変容量ポンプ56からサーボバルブ50に供給される圧油の一部を、油圧源54に還流するためのリリーフバルブ62が配設されている。
【0083】
このように構成される従来の試験装置10では、モータ58の回転によって、可変容量ポンプ56を作動させて、油圧源54から流路64、圧油供給流路66を介して、一定の流量、圧力でサーボバルブ50に圧油が供給されて、試験装置本体12が作動されるようになっている。
【0084】
そして、可変容量ポンプ56からの圧油の流量が不足する場合には、アキュムレータ60から圧油供給流路68を介して、圧油供給流路66に、アキュムレータ60に別途蓄積された圧油が供給されるようになっている。
【0085】
一方、可変容量ポンプ56からの圧油の流量が過剰である場合には、リリーフバルブ62が作動して、圧油還流経路70を介して、余分な圧油が油圧源54に還流されるようになっている。
【0086】
ところで、試験装置10では、
(1)試験時に必要な流量が一定の周期で変動する定常波試験モード、
(2)必要な流量がランダム且つ高周波で変動する実働波試験モード
の2つのモードで試験が行われる。
【0087】
この実施例の試験装置10では、(1)の定常波試験モードにおいて、
図4に示したように、油圧源制御装置72によって、圧力制御、いわゆる「カットオフ制御」を行って、可変容量ポンプ56の圧力制御を行い、最低限の流量を自動で吐出するように構成されている。
【0088】
すなわち、油圧源制御装置72によって、可変容量ポンプ56からサーボバルブ50に対して供給される圧油が、所定の圧力となるように可変容量ポンプ56の流量を制御するように構成している。
【0089】
このように構成することによって、油圧源制御装置72によって、可変容量ポンプ56からサーボバルブ50に対して供給される圧油が、所定の圧力となるように可変容量ポンプ56の流量を制御するので、常に最大能力を出す流量を供給する必要がなく、試験条件によっても、大部分の圧油をリリーフバルブ62を作動させることによって、油圧源に還流する必要がなくなる。
【0090】
従って、従来のように、制御装置から、試験条件と試験機パラメータを用いる複雑な計算を経て算出された指令を送って、必要最低限の流量を吐出するように制御する必要がない。そのため、複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0091】
また、本発明の試験装置10では、定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、アキュムレータ60を作動させて、サーボバルブ50に供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成している。
【0092】
すなわち、一般の可変容量ポンプでの圧力制御機能(カットオフ機能)だけでは油圧試験機の定常波試験に必要な圧力を安定に供給しきれないので、定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、適切な容量とガス圧に設定されたアキュムレータ60を作動させて、サーボバルブ50に供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成している。
【0093】
このように構成することによって、定常波試験モードにおいて、変動する必要流量に対して、可変容量ポンプ56の圧力制御機能の遅れ分を補うことができ、安定した圧油を供給することができる。
【0094】
また、本発明の試験装置10では、定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、リリーフバルブ62を作動させて、サーボバルブ50に供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成している。
【0095】
すなわち、定常波試験モードにおいて定常波試験に伴う周期的な流量変動を、リリーフバルブ62の動作圧力設定を適切に設定し、作動させることによって、サーボバルブ50に供給される圧油の圧力が所定の圧力となるように構成している。
【0096】
このように構成することによって、突発的な急変動する流量圧力を抑えてさらに安定した圧油を供給することができる。
【実施例2】
【0097】
図5は、本発明の試験装置の概略を示すブロック図であり、油圧源制御装置72と試験機制御装置32との関係を具体的に示したブロック図、
図6は、本発明の試験装置の制御方法の概略を説明するフローチャートであり、
図5に関連して説明したフローチャート、
図7(A)は、本発明の試験装置の制御方法の概略を説明する試験装置の動きと時間の関係を示す試験波形を示すグラフ、
図7(B)は、本発明の試験装置の制御方法の概略を説明する必要流量と時間の関係を示す必要流量波形を示すグラフ、
図7(C)は、必要流量波形から包絡線を求める方法を示すグラフである。
【0098】
この実施例の試験装置10は、
図1〜
図4に示した実施例1の試験装置10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0099】
この実施例の本発明の試験装置10では、前述した(2)の実働波試験モードを行うためのものである。なお、この実働波試験モードは、例えば、自動車部品(駆動系や足回りの金属部品やゴム部品、ショックアブソーバなど)などの機械部品について、揺れなどの影響を試験するための試験モードである。
【0100】
このために、
図5に示したように、油圧源制御装置72は、ポンプ専用アンプ74を介して、可変容量ポンプ56に接続されている。また、試験装置本体12側の制御装置32は、別の専用コンピュータ(PC)76を介して、油圧源制御装置72に通信可能に接続されている。
【0101】
一方、油圧源制御装置72内には、試験装置10の動きと時間の関係を示す試験波形(例えば、加振波形)から必要流量波形を算出するための演算処理部78を備えている。
【0102】
また、試験機側の専用コンピュータ(PC)76から、試験波形(例えば、加振波形)の受信、試験開始、終了などの試験機状態信号の受信、油圧源54の状態信号の送信を行う通信部80を備えている。
【0103】
さらに、試験波形(例えば、加振波形)、後述する方法で演算処理部78で算出された流量変動パターンなどを記憶するための記憶部82を備えている。
【0104】
また、流量変動パターンをポンプ専用アンプ74に対して、アナログ信号へ変換して出力するためのDA変換部84を備えている。
【0105】
このように構成される本発明の本発明の試験装置10では、
図6のフローチャートのように作動される。
【0106】
すなわち、実働波試験モードにおいて、ステップS1において、試験装置本体12のアクチュエータ16の試験装置10の動きと時間の関係を示す試験波形(例えば、実働波加振の加振波形(加振機の動きの時間変化を表したもの))を、試験装置本体12側の制御装置32において作成する。
【0107】
この時、油圧源制御装置72では、予め設定されたプログラムに基づいて、ステップS2において、可変容量ポンプ56における圧油の流量が、試験時の待機時の少ない流量に設定されている。
【0108】
次に、油圧源制御装置72、試験装置本体12側の制御装置32のいずれも、同時にステップS3において、準備段階に移行する。
【0109】
すなわち、試験装置本体12側の制御装置32において、ステップS4において、試験実行準備がなされ、この指令が同時に、油圧源制御装置72に出力される。そして、ステップS5において、油圧源制御装置72において、ステップS1において作成された制御装置32内の試験波形が、試験機側の専用コンピュータ(PC)76を介して、油圧源制御装置72内の通信部80に受信され、記憶部82に記憶される。
【0110】
次に、ステップS6において、油圧源制御装置72内の演算処理部78において、下記のような演算処理がなされる。
【0111】
先ず、
図7(A)のグラフに示したように、油圧源制御装置72の記憶部82に記憶された試験装置の動きと時間の関係を示す試験波形から、
図7(B)のグラフに示したように、必要流量波形を算出する。
【0112】
次に、
図7(C)のグラフに示したように、必要流量波形から包絡線を求めて、可変容量ポンプの流量制御性能に合わせた流量変動パターン(
図7(C)の太線で示した)を算出して、記憶部82に記憶される。
【0113】
これにより、油圧源制御装置72において、可変容量ポンプ56への信号出力準備が完了する。そして、油圧源制御装置72の通信部80から、試験機側の専用コンピュータ(PC)76を介して、試験装置本体12側の制御装置32に準備完了信号が送信される。
【0114】
これに基づいて、ステップS7において、試験装置本体12側の制御装置32で、試験開始が選択される。
【0115】
次に、ステップS8において、試験装置本体12側の制御装置32で試験が開始される。これと同期して、ステップS9において、油圧源制御装置72において、記憶部82に記憶された流量変動パターンが、DA変換部84を介して、アナログ信号へ変換されて、ポンプ専用アンプ74に対して出力される。これにより、可変容量ポンプ56へ信号出力されて、可変容量ポンプ56において、流量変動パターンで圧油がサーボバルブ50に吐出される。
【0116】
そして、ステップS10において、油圧源制御装置72において、所定の流量変動パターンで圧油が吐出されて停止される。これと同期して、ステップS11において、試験装置本体12側の制御装置32で、試験装置本体12において所定の試験が完了して停止される。
【0117】
なお、
図6のフローチャートに示したように、その後、ステップS12において、油圧源制御装置72において、予め設定されたプログラムに基づいて、可変容量ポンプ56における圧油の流量が、再び試験時の待機時の少ない流量に設定される。
【0118】
また、
図6のフローチャートに示したように、油圧源制御装置72においては、ステップS2から、ステップS8の流量変動パターンで圧油がサーボバルブ50に吐出されるまでの間は、試験時の待機時の少ない流量のままに設定されている。
【0119】
このようにして、1サイクルの試験が行われ、必要に応じて、複数サイクルの試験が実施される。
【0120】
なお、上記のように、油圧源制御装置72内での自動計算とともに、別途モニタ上でグラフ表示をしてもよいが、油圧源制御装置72内で自動計算のみ行うようにすることももちろん可能である。
【0121】
このように構成することによって、試験装置本体12の動きと時間の関係を示す試験波形から、必要流量波形を算出し、必要流量波形から包絡線を求めて、可変容量ポンプ56の流量制御性能に合わせた流量変動パターンを算出し、流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプ56を作動させるだけで良い。
【0122】
従って、従来のように、制御装置から、試験条件と試験機パラメータを用いる複雑な計算を経て算出された指令を送って、必要最低限の流量を吐出するように制御する必要がない。そのため、複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0123】
また、流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプ56を作動させるので、必要に応じて、流量を10%以下まで変えることが可能になり、待機時などの必要流量が少ないときにも消費電力が小さく、コストも低減することができる。
【0124】
さらに、流量変動パターンに基づいて、可変容量ポンプ56を作動させるので、1サイクル中に不要な流量を低減することができ、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0125】
従って、従来のように複雑な計算が不要で、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0126】
さらに、このように実働波試験モードにおいて、流量変動パターンに基づく可変容量ポンプ56の作動停止と、試験装置本体12(油圧式のアクチュエータ)の作動停止とを連動することができるので、遅れが生じることがなく、適切な圧力、流量で正確な圧油を供給できるととこに、リアルタイムに試験を行うことができ、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【実施例3】
【0127】
上記のステップS6において、油圧源制御装置72内の演算処理部78における演算処理は、例えば、下記のようにして実施される。以下については、試験装置本体12として、加振試験装置を用いて、加振試験を行った場合について説明する。
【0128】
なお、以下において、それぞれの記号は、下記の事項を示している。
X:加振変位
V:加振速度
Q:加振流量
A:加振機有効断面積
Th:ホールド時間(ポンプ応答性能に合わせた時間を設定 0.5〜数秒を想定 例えば、Th=0.5秒)
QA:加振流量のホールド時間Thごとの最大値をつないだもの
QB:QAにホールド時間Th区間毎の移動平均処理を行ったもの
QC:QBにL.P.F(Low Pass Filter)処理
S:吐出流量安全係数 (1.1〜1.3程度を想定 例えば、S=1.1)
QZ:加振以外必要流量(他使用の一定流量、例えば、バルブのリーク分)
QD:流量変動パターン波形
【0129】
(1)X(t) 試験機側より与えられる試験波形
先ず、油圧源制御装置72の記憶部82に記憶された試験装置の動きと時間の関係を示す試験波形(加振波形)は、
図8に示したグラフのようになる。
【0130】
すなわち、
T0,X0
T1,X1
…
Tn,Xn
によって求められる。
【0131】
(2)微分して試験速度V(t)にする
次に、
図9のグラフに示したように、試験波形のデータに基づいて、アクチュエータ16の側からの試験波形X(t)を微分して試験速度V(t)にする。
【0132】
すなわち、
T0,V0
T1,V1
…
Tn,Vn
によって求められる。
【0133】
(3)流量Q(t)=有効断面積A×速度の絶対値|V(t)|
そして、
図10のグラフに示したように、アクチュエータ16の有効断面積Aと、前記試験速度V(t)の絶対値から、下記の式、
【0134】
流量Q(t)=有効断面積A×速度の絶対値|V(t)|
を用いて算出する。
【0135】
すなわち、
T0,Q0=A・|V0|
T1,Q1=A・|V1|
…
Tn,Qn=A・|Vn|
によって求められる。
【0136】
(4)QA(t):加振流量のポンプの応答性能に合わせたホールド時間ごとの最大値をつなぐ
次に、
図11のグラフにおいて、階段状の実線で示したように、QA(t):加振流量のポンプの応答性能に合わせたホールド時間ごとの最大値をつなぎあわせる。
【0137】
すなわち、
T0,QA0=max[Q0:QTh]
【0138】
但し、ホールド時間内の最大値=max[Q0:QTh]
T1,QA1=max[Q(1−Th):Q(1+Th)]
…
Ti,QAi=max[Q(i−Th):Q(i+Th)]
…
Tn,QAn=max[Q(n−TH):Qn]
によって求められる。
【0139】
(5)QB(t):QA(t)にポンプ応答性能に合わせたホールド時間Th区間ごとの移動平均を算出
そして、
図12のグラフにおいて、曲線状の実線で示したように、QB(t):QA(t)にポンプ応答性能に合わせたホールド時間Th区間ごとの移動平均を算出する。
【0140】
すなわち、
T0,QB0=average[QA0:QA(Th)]
T1,QB1=average[QA(1−Th):QA(1+Th)]
…
Ti,QBi=average[QA(i−Th):QA(i+Th)]
…
Tn,QBn=average[QA(n−TH):QAn]
によって求められる。
【0141】
(6)QBにL.P.F(Low Pass Filter)をかけより滑らかな曲線QCにする
次に、
図13のグラフにおいて、滑らかな曲線状の実線で示したように、QBにL.P.F(Low Pass Filter)をかけより滑らかな曲線QCにする。
【0142】
すなわち、
T0,QC0
T1,QC1
…
Tn,QCn
によって求められる。
【0143】
(7)流量変動パターンQDの算出
最後に、
図14のグラフにおいて、最も外側の滑らかな曲線状の実線で示したように、QCに安全係数Sをかけ、加振以外必要流量QZを加えて、流量変動パターンQDを算出する。
【0144】
すなわち、
T0,QD0=QC0*S+QZ
T1,QD1=QC1*S+QZ
…
Tn,QDn=QCn*S+QZ
によって求められる。
【0145】
このように構成することによって、複雑な計算処理をすることなく、簡単に必要流量波形を算出することができ、時間もかかることがなく、消費電力が余分にかからず、コストも低減することができる。
【0146】
なお、QA〜QCまでの信号処理は、あくまで簡単に滑らかな吐出パターンを求める例で、上記の算出方法は一例を示したものであって、他の包絡線算出方法によって行う方法でも可能である。
【0147】
また、上記のように、油圧源制御装置72内での自動計算とともに、別途モニタ上でグラフ表示をしてもよいが、油圧源制御装置72内で自動計算のみ行うようにすることももちろん可能である。
【0148】
また、上記実施例では、試験装置本体12と、制御装置32と、アクチュエータ動力源44を別体のもので構成して、本発明の試験装置10としたが、これらが一体となった試験装置10とすることも可能である。
【0149】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の試験装置10は、試験装置として、例えば、自動車部品(駆動系や足回りの金属部品やゴム部品、ショックアブソーバなど)などの機械部品について、これらの自動車完成品などの完成品について、さらに、土木関係(橋桁、橋梁や建物用の免震ゴムなど)の構造物について、材料試験、振動試験、疲労試験、特性試験などを行うための材料試験装置、振動試験装置、疲労試験装置など各種の試験装置に適用することが可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。