【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のような噴射計測装置によれば、密閉容器に充填された燃料と密閉容器内に噴射される燃料に温度差があるため、密閉容器内の燃料に温度の不均一が生じ易い。
そして、このために、上述のように単純に密閉容器内の燃料の温度を測定すると共に測定した温度に応じた燃料の体積弾性係数を補正するのみでは、必ずしも正しく燃料の体積弾性係数を補正することができず、結果、精度の良い計測が行えない。
また、上述の密閉容器に既知の体積変化を与えると共に当該体積変化に伴う圧力変化から燃料の体積弾性係数を算出する技術によれば、同様に、密閉容器内の燃料の温度の不均一さが存在すると、各温度における体積弾性係数を精度良く算出することができない。
そこで、本発明は、密閉容器内の燃料の温度の不均一さに起因する、燃料の噴射量や噴射率の計測誤差や、体積弾性係数の算出誤差の発生を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、燃料を充填した密閉容器内の温度を測定し、測定した温度に応じて燃料の体積弾性係数を算出すると共に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、測定した圧力変化と前記体積弾性係数より、燃料の噴射量と噴射率との少なくとも一方を計測する噴射計測装置に、前記燃料が充填される前記密閉容器の内部空間内に配置された攪拌部材と、当該攪拌部材を運動させ、前記内部空間に充填された燃料を攪拌する駆動部とを設けたものである。
【0007】
ここで、このような噴射計測装置は、より具体的には、前記攪拌部材を回転翼とし、前記駆動部を、前記回転翼を回転駆動する、前記内部空間の外側に配置された、前記回転翼とマグネットカップリングを介して連結したモータとしてもよい。
このような噴射計測装置によれば、密閉容器に充填された燃料を攪拌して、当該燃料の温度を空間的に均一化し、燃料の噴射量や噴射率の計測誤差の発生を抑制することができるようになる。
また、前記課題達成のために、本発明は、燃料を充填した密閉容器内の温度を測定し、測定した温度に応じて燃料の体積弾性係数を算出すると共に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、測定した圧力変化と前記体積弾性係数より、燃料の噴射量と噴射率との少なくとも一方を計測する噴射計測装置であって、前記密閉容器の前記燃料が充填される内部空間の上部から前記燃料は当該内部空間に向かって噴射され、前記内部空間の下部には、当該密閉容器から前記燃料を排出するための排出路が連結されているものを提供する。ただし、当該噴射計測装置は、前記排出路に連結された排出弁と、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定する度に、前記排出弁を開いて燃料を、前記密閉容器内の燃料の圧力が所定の圧力となるように排出する背圧制御手段を備えているものである。
このような噴射計測装置によれば、排出弁を開いて密閉容器から燃料を排出する度に、密閉容器内の燃料を全体的に攪拌する流れが生じ、密閉容器内の燃料の温度を空間的に均一化することができ、燃料の噴射量や噴射率の計測誤差の発生を抑制することができるようになる。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、燃料を充填した密閉容器内の温度を測定し、測定した温度に応じて燃料の体積弾性係数を算出すると共に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、測定した圧力変化と前記体積弾性係数より、燃料の噴射量と噴射率との少なくとも一方を計測する噴射計測装置において、前記密閉容器の前記燃料が充填される内部空間の形状を球形状とし、前記密閉容器に、前記燃料の前記内部空間への通路となる導入路を、前記燃料が、前記内部空間の球形状の壁面に沿って当該内部空間内に噴射されるように設けたものである。
このような噴射計測装置によれば、噴射された燃料が密閉容器の内部空間の球形状の壁面に沿って内部空間内を巡ることによって、内部空間内の燃料が攪拌され、密閉容器内の燃料の温度が空間的に均一化されるようになり、燃料の噴射量や噴射率の計測誤差の発生を抑制することができるようになる。
【0009】
また、前記課題達成のために、本発明は、燃料を充填した密閉容器内の温度を測定し、測定した温度に応じて燃料の体積弾性係数を算出すると共に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、測定した圧力変化と前記体積弾性係数より、燃料の噴射量と噴射率との少なくとも一方を計測する噴射計測装置において、前記密閉容器に、前記燃料が充填される当該密閉容器の内部空間の周囲を通過する温調用流路を形成すると共に、当該噴射計測装置に、温調した液体を前記温調用流路に通す温調用ポンプを設けたものである。
このような噴射計測装置によれば、密閉容器内に噴射される燃料の温度と、密閉容器内の燃料の温度との温度差が大きく、密閉容器内の燃料の温度に強度の温度ムラが発生してしまうことを防止して、密閉容器内の燃料に発生する温度の不均一の程度を抑制することができ、結果、燃料の噴射量や噴射率の計測誤差の発生を抑制することができるようになる。
【0010】
ここで、本発明は、前記課題達成のために、密閉容器内に充填された燃料の体積弾性係数を計測する体積弾性係数計測装置に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、前記密閉容器内の燃料の圧力が所定の圧力となるように前記密閉容器から燃料を排出して当該排出した燃料量を計測し、計測した燃料量と測定した圧力変化とに基づいて当該密閉容器内の燃料の体積弾性係数を算定する体積弾性係数算定手段と、前記燃料が充填される前記密閉容器の内部空間内に配置された攪拌部材と、当該攪拌部材を運動させ、前記内部空間に充填された燃料を攪拌する駆動部とを設けたものである。
【0011】
ここで、このような体積弾性係数計測装置は、より具体的には、前記攪拌部材を回転翼とし、前記駆動部を、前記回転翼を回転駆動する、前記内部空間の外側に配置された、前記回転翼とマグネットカップリングを介して連結したモータとしてもよい。
このような体積弾性係数計測装置によれば、密閉容器に充填された燃料を攪拌して、当該燃料の温度を空間的に均一化し、燃料の体積弾性係数の算出誤差の発生を抑制することができるようになる。
【0012】
また、前記課題達成のために、本発明は、密閉容器内に充填された燃料の体積弾性係数を計測する体積弾性係数計測装置に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、前記密閉容器内の燃料の圧力が所定の圧力となるように前記密閉容器から燃料を排出して当該排出した燃料量を計測し、計測した燃料量と測定した圧力変化とに基づいて当該密閉容器内の燃料の体積弾性係数を算定する体積弾性係数算定手段を設けると共に、前記密閉容器の前記燃料が充填される内部空間の上部から前記燃料を当該内部空間に向かって噴射し、前記内部空間の下部に、当該密閉容器からの前記燃料の前記排出を行うための排出路を連結したものである。
このような体積弾性係数計測装置によれば、排出弁を開いて密閉容器から燃料を排出する度に、密閉容器内の燃料を全体的に攪拌する流れが生じ、密閉容器内の燃料の温度を空間的に均一化することができ、燃料の体積弾性係数の算出誤差の発生を抑制することができるようになる。
【0013】
また、前記課題達成のために、本発明は、密閉容器内に充填された燃料の体積弾性係数を計測する体積弾性係数計測装置に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、前記密閉容器内の燃料の圧力が所定の圧力となるように前記密閉容器から燃料を排出して当該排出した燃料量を計測し、計測した燃料量と測定した圧力変化とに基づいて当該密閉容器内の燃料の体積弾性係数を算定する体積弾性係数算定手段を備えると共に、前記密閉容器の前記燃料が充填される内部空間の形状を球形状とし、前記密閉容器に、前記燃料の前記内部空間への通路となる導入路を、前記燃料が、前記内部空間の球形状の壁面に沿って当該内部空間内に噴射されるように設けたものである。
このような体積弾性係数計測装置によれば、噴射された燃料が密閉容器の内部空間の球形状の壁面に沿って内部空間内を巡ることによって、内部空間内の燃料が攪拌され、密閉容器内の燃料の温度が空間的に均一化されるようになり、燃料の体積弾性係数の算出誤差の発生を抑制することができるようになる。
【0014】
また、前記課題達成のために、本発明は、密閉容器内に充填された燃料の体積弾性係数を計測する体積弾性係数計測装置において、前記密閉容器に、前記燃料が充填される当該密閉容器の内部空間の周囲を通過する温調用流路を形成すると共に、当該噴射計測装置に、前記密閉容器内へ燃料を噴射して当該噴射による密閉容器内の燃料の圧力変化を測定し、前記密閉容器内の燃料の圧力が所定の圧力となるように前記密閉容器から燃料を排出して当該排出した燃料量を計測し、計測した燃料量と測定した圧力変化とに基づいて当該密閉容器内の燃料の体積弾性係数を算定する体積弾性係数算定手段と、温調した液体を前記温調用流路に通す温調用ポンプとを設けたものである。
このような体積弾性係数計測装置によれば、密閉容器内に噴射される燃料の温度と、密閉容器内の燃料の温度との温度差が大きく、密閉容器内の燃料の温度に強度の温度ムラが発生してしまうことを防止して、密閉容器内の燃料に発生する温度の不均一の程度を抑制することができ、結果、燃料の体積弾性係数の算出誤差の発生を抑制することができるようになる。