特許第5956963号(P5956963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956963
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20160714BHJP
【FI】
   G06F3/0482
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-177941(P2013-177941)
(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-46098(P2015-46098A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2015年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】徳永 智治
【審査官】 間野 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−029893(JP,A)
【文献】 特開2008−276573(JP,A)
【文献】 特開2004−110739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/048−3/0489
G06F21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に表示されたメニューの選択を通じて操作入力を行う画像形成装置において、
複数のメニューを属性に応じて階層化されたツリー構造として管理するメニュー管理部と、
前記ツリー構造に基づき各メニューに関連付けられた一つ下の下位階層メニューを前記各メニューの選択に応じて前記画面上に表示する表示処理部と、
前記ツリー構造とは異なる属性に応じて分類される前記ツリー構造内の特定メニューを擬似的な一つ下の下位階層メニューとして関連付けた別属性メニューを管理する別属性メニュー管理部と、
前記別属性メニューに下位階層メニューとして関連付けられた前記特定メニューへの前記ツリー構造上での選択経路を示すパス情報を管理するパス情報管理部とを備え、
前記表示処理部は、前記別属性メニューの下位階層メニューが選択された際に、前記パス情報を参照して前記ツリー構造に基づき前記選択された前記別属性メニューの下位階層メニューに対して一つ下の下位階層のメニューを前記画面上に表示し、前記パス情報中の前記特定メニューより上位の階層にユーザー認証を要求する認証メニューが存在する場合に、前記別属性メニューの下位階層メニューの選択に応じて前記認証メニューを前記画面上に表示する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記パス情報は、前記選択経路中に存在するメニューをスタックしたデータ構造を有し、
前記表示処理部は、前記スタックされたメニューを上位のメニューから順次読み出して最後に読み出した前記特定メニューについて前記画面上に表示する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
前記別属性メニュー管理部及び前記パス情報管理部は、それぞれ前記別属性メニュー及び前記パス情報を接続されたサーバー装置又は外部記憶装置から取得して管理する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜の何れか一項に記載の画像形成装置であって、
前記別属性メニューは、前記ツリー構造の任意の階層に挿入され、前記別属性メニューの下位階層メニューは、対応する前記特定メニューのツリー構造上の階層よりも上位の階層に位置する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
画面上に表示されたメニューの選択を通じて画像形成装置に対する操作入力を行わせる表示プログラムであって、
複数のメニューを属性に応じて階層化されたツリー構造として管理するメニュー管理機能と、
前記ツリー構造に基づき各メニューに関連付けられた一つ下の下位階層メニューを前記各メニューの選択に応じて前記画面上に表示する表示処理機能と、
前記ツリー構造とは異なる属性に応じて分類される前記ツリー構造内の特定メニューを擬似的な一つ下の下位階層メニューとして関連付けた別属性メニューを管理する別属性メニュー管理部機能と、
前記別属性メニューに下位階層メニューとして関連付けられた前記特定メニューへの前記ツリー構造上での選択経路を示すパス情報を管理するパス情報管理機能部と、
をコンピューターに実現させ、
前記表示処理機能は、前記別属性メニューの下位階層メニューが選択された際に、前記パス情報を参照して前記ツリー構造に基づき前記選択された前記別属性メニューの下位階層メニューに対して一つ下の下位階層のメニューを前記画面上に表示し、前記パス情報中の前記特定メニューより上位の階層にユーザー認証を要求する認証メニューが存在する場合に、前記別属性メニューの下位階層メニューの選択に応じて前記認証メニューを前記画面上に表示する
ことを特徴とする表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上に表示されたメニューの選択を通じて操作入力を行う画像形成装置及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機等の画像形成装置は、複数のメニューを階層化したツリー構造として管理し、画面上に表示されたメニューを選択すると、その選択されたメニューの下の階層のメニューが画面上に表示されるようになっている。
【0003】
これにより、複数のメニューを階層順に辿って所望のメニューを表示し、機器設定のための操作入力等が可能となる。
【0004】
しかし、ローエンドの画像形成装置では、画面の制約上、階層毎のメニュー以外の情報を表示することができないことがあり、複数のメニュー内で所望のメニューまで辿ることが困難なことがある。このため、階層化されているメニューを行ったり来たりするケースが増える等、効率的なメニュー操作ができないという問題があった。
【0005】
これに対し、特許文献1及び2には、電子データにより提供される操作マニュアルを実装或いはネットワーク等から取得し、必要な箇所を出力する画像形成装置が開示されている。
【0006】
これら特許文献1及び2の技術では、出力された操作マニュアルをユーザーに参照させることで、複数のメニュー内で所望のメニューまで容易に辿ることを可能とする。
【0007】
しかし、ユーザーにとっては、必要な箇所のみであっても操作マニュアルを参照しながら操作入力を行うことは煩わしく、また、操作マニュアルを出力する際にも、複数のメニュー内で所望のメニューまで辿る必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−034410公報
【特許文献2】特開2006−119975公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする問題点は、階層化された複数のメニューから所望のメニューを表示する場合に、操作マニュアルを参照しないと効率的なメニュー操作が行えない点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、階層化された複数のメニューから所望のメニューを表示する場合に、操作マニュアルを参照しなくても効率的なメニュー操作を行わせるため、画面上に表示されたメニューの選択を通じて操作入力を行う画像形成装置において、複数のメニューを属性に応じて階層化されたツリー構造として管理するメニュー管理部と、前記ツリー構造に基づき各メニューに関連付けられた一つ下の下位階層メニューを前記各メニューの選択に応じて前記画面上に表示する表示処理部と、前記ツリー構造とは異なる属性に応じて分類される前記ツリー構造内の特定メニューを擬似的な一つ下の下位階層メニューとして関連付けた別属性メニューを管理する別属性メニュー管理部と、前記別属性メニューに下位階層メニューとして関連付けられた前記特定メニューへの前記ツリー構造上での選択経路を示すパス情報を管理するパス情報管理部とを備え、前記表示処理部は、前記別属性メニューの下位階層メニューが選択された際に、前記パス情報を参照して前記ツリー構造に基づき前記選択された前記別属性メニューの下位階層メニューに対して一つ下の下位階層のメニューを前記画面上に表示し、前記パス情報中の前記特定メニューより上位の階層にユーザー認証を要求する認証メニューが存在する場合に、前記別属性メニューの下位階層メニューの選択に応じて前記認証メニューを前記画面上に表示することを画像形成装置の最も主な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、ツリー構造内に点在する特定メニューを本来の属性とは異なる属性に応じて別属性メニューの下位階層メニューとしてまとめることができ、それら特定メニューに対して操作マニュアルを参照しなくても効率的なメニュー操作をアシストすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像形成装置の構成を示すブロック図である(実施例1)。
図2】複数のメニューが階層化されたツリー構造を示す図表である(実施例1)。
図3】各メニューへの下位階層メニューの関連付けを示す画面移動情報の概念図である(実施例1)。
図4】ガイドメニューの階層化されたツリー構造を示す図表である(実施例1)。
図5】ガイドメニューへの下位階層メニューの関連付けを示す画面移動情報の概念図である(実施例1)。
図6】パス情報のデータ構造を示す概念図である(実施例1)。
図7図1の画像形成装置による表示処理を示すフローチャートである(実施例1)。
図8】ガイドメニューからのメニュー選択に応じた移行画面の表示例である(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
階層化された複数のメニュー中から所望のメニューを表示する場合に、操作マニュアルを参照しなくても効率的なメニュー操作を行わせるという目的を、複数のメニューを属性に応じて階層化されたツリー構造として管理すると共に、ツリー構造とは異なる属性に応じて分類されるツリー構造内の特定メニューを擬似的な一つ下の下位階層メニューとして別属性メニューに関連付ける画像形成装置により実現した。
【0014】
別属性メニューの下位階層メニューとして特定メニューを関連付ける際は、特定メニューへのツリー構造上での選択経路を示すパス情報を管理する。そして、別属性メニューの下位階層メニューが選択された場合には、パス情報を参照してツリー構造に基づき選択された別属性メニューの下位階層メニューに対して一つ下の下位階層のメニューを画面上に表示する。
【0015】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0016】
[画像形成装置の構成]
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施例の画像形成装置10は、例えばデジタル複合機等であり、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の各種の機能を備えている。画像形成装置10は、それらの機能に応じた構成の他に、パネルユニット20及びメイン制御ユニット30等を備えている。なお、図1では、上述した各種機能に応じた構成は省略している。
【0018】
パネルユニット20は、操作部21、表示画面22、及びパネル制御部23等を備えている。
【0019】
操作部21は、テンキー(数字キー)を含む各種操作キーを有し、各操作キーにより画像形成装置10に対して押下による入力操作を行わせるものである。
【0020】
表示画面22は、液晶表示装置等であり、画像形成装置10に対する操作部21からの入力結果や装置状態等の表示を行わせるものである。
【0021】
パネル制御部23は、プロセッサー等の演算装置である。パネル制御部23は、プログラムを実行することにより、操作入力部24及び表示実行部25として動作する。
【0022】
操作入力部24は、操作入力機能を実現し、操作部21の操作キーの押下操作及び押下解除によって、その操作に応じた入力を受け付ける。受け付けられた入力は、メイン制御ユニット30側に通知される。
【0023】
表示実行部25は、表示実行機能を実現し、操作入力部24が受け付けた入力に基づくメイン制御ユニット30での処理結果を表示画面22上に表示する。
【0024】
メイン制御ユニット30は、画像形成装置10全体の制御を行うもので、制御部31と記憶部33とを有している。
【0025】
制御部31は、CPU(Central processing Unit)等の演算装置である。記憶部33は、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域としてのRAM(Rondom Access Memory)、補助記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)等である。
【0026】
本実施例の画像形成装置10では、制御部31が記憶部33内の表示プログラムを実行することにより、メニュー管理部311、表示処理部312、別属性メニュー管理部313、パス情報管理部314として動作する。
【0027】
メニュー管理部311は、メニュー管理機能を実現し、表示画面22に表示される複数のメニュー(メニュー情報)を属性に応じて階層化されたツリー構造として管理する。
【0028】
図2は、メニュー管理部311が管理するメニューの階層化されたツリー構造を示す。図2に示すように、メニュー管理部311の管理対象となる階層化メニュー情報35は、複数のメニューが属性に応じて階層化されたツリー構造の形態を有している。
【0029】
図2の例では、階層化メニュー情報35は第1〜第7の階層に階層化され、第1階層(最上位階層)の「Menu」メニューから順に第2階層の「Device Common」、第3階層の「Language」、「Def.Screen(BOX)」、「Date Setting」、「Timer Setting」等のように属性毎に分類されて階層化されている。階層化メニュー情報35は、例えば記憶部33内に記憶されている。
【0030】
図1の表示処理部312は、表示処理機能を実現し、図2に示したツリー構造に基づき、各メニューに関連付けられた一つ下の下位階層メニューを各メニューの選択に応じて表示画面22上に表示する。表示処理部312による表示画面22上への表示処理は、パネルユニット20の表示実行部25を通じて行われる。以下において表示処理部312が行う表示処理は、表示実行部25を通じて行われることを意味する。
【0031】
各メニューへの下位階層メニューの関連付け情報(ツリー構造を構築する情報)は、画面移動情報として管理されている。
【0032】
図3は、図2のツリー構造内の各メニューへの下位階層メニューの関連付けを示す画面移動情報の概念図である。図3に示すように、本実施例の画面移動情報351は、階層化メニュー情報35のツリー構造内の各メニューに対して、画面識別情報(以下、画面IDという)とサブ構造情報としての一つ下の下位階層メニューの画面IDとを関連付けて記憶部33内に記憶されている。なお、画面移動情報351では、複数の下位階層メニューの画面IDが画面IDリストとして、各メニューの画面IDに関連付けられている。
【0033】
これにより、表示処理部312は、図2に示す階層化メニュー情報35内のいずれかのメニューが表示画面22上に表示されて選択された場合、図3に示す画面移動情報351に基づいて、選択されたメニューの一つ下の下位階層のメニューを選択可能なものとして表示画面22上に表示することができる。
【0034】
図1の別属性メニュー管理部313は、別属性メニュー管理機能を実現し、本来のツリー構造とは異なる属性に応じて分類されるツリー構造内の特定メニューを、擬似的な一つ下の下位階層メニューとして関連付けた別属性メニューを管理する。別属性メニューは、例えば、記憶部33内にガイドメニュー36の下位階層メニューとして記憶されている。以下、「特定メニュー」と称するときは、基本的に別属性メニューに下位階層メニューとして関連付けられたツリー構造上の特定メニューを意味する。
【0035】
図4は、別属性メニュー管理部313が管理するガイドメニュー36の階層化されたツリー構造を示す。図4に示すように、ガイドメニュー36は、図2に示す階層化メニュー情報35のツリー構造内で任意の階層に挿入される。図2においては、第2階層に挿入されている。
【0036】
ガイドメニュー36には、その下位階層の第3階層のメニューとして、例えば「Energy Saving Set(省エネ設定)」、「Print Report(印刷レポート出力)」、「Language Set(言語設定)」等が関連付けられている。
【0037】
これら下位階層のメニューは、それぞれ別属性メニューを構成し、ガイドメニュー36を含めて、上記本来のツリー構造には存在しない属性に応じて分類されている。
【0038】
各別属性メニューには、その属性に応じてツリー構造内の特定メニューが擬似的に一つ下の下位階層メニューとして関連付けられている。例えば、「Energy Saving Set」には、省エネ属性に応じて、本来のツリー構造の第4階層にある「Sleep Timer」、第5階層にある「Sleep Level」及び「Status」が、擬似的に一つ下の第4階層のメニューとして関連付けられている。このため、「Sleep Level」及び「Status」は、本来のツリー構造上の階層よりも上位の階層に位置することになる。なお、別属性メニューへの特定メニューの関連付けは、図3の画面移動情報351と同様の画面移動情報355(図5参照)により行われる。
【0039】
パス情報管理部314は、パス情報管理機能を実現し、別属性メニューに下位階層メニューとして関連付けられた「Sleep Timer」、「Sleep Level」及び「Status」等の特定メニューへのツリー構造上での選択経路を示すパス情報を管理する。
【0040】
本実施例のパス情報は、例えば記憶部33に設けられるスタック構造のデータ保存領域、すなわちスタック部37に記憶されている。具体的には、パス情報としては、階層化メニュー情報35のツリー構造上の最上位のメニューから特定メニューまで、選択経路中に存在するメニューの画面IDを順次記憶されている。
【0041】
図6は、パス情報のデータ構造を示す概念図である。図6の例では、第4階層の「Sleep Timer」、第5階層の「Sleep Level」及び「Status」のパス情報例を示している。
【0042】
図6(A)のように、属性別メニューの第5階層の「Sleep Level」のバス情報371Aとしては、スタック部37の最初(図6(A)の底)のスタック領域から「Sleep Level」の画面ID(5H)、第4階層の「Sleep Level Set.」の画面ID(4J)、第3階層の「Timer Setting」の画面ID(3D)、第2階層の「Device Common」の画面ID(2A)、第1階層の「Menu」の画面ID(1A)が順次記憶されている。
【0043】
同様に、図6(B)のように、第5階層の「Status」のバス情報371Bとしては、スタック部37の最初のスタック領域に「Status」の画面ID(5I)が記憶され、それ以降は図6(A)と同様の第4〜第1階層までの各画面IDが順次記憶されている。
【0044】
また、図6(C)のように、第4階層の「Sleep Timer」のバス情報371Cとしては、最初のスタック領域に「Sleep Timer」の画面ID(4K)が記憶され、次のスタック領域に第3階層の「Timer Setting」の画面ID(3D)が記憶され、それ以降は図6(A)及び(B)と同様の第2階層及び第1階層の各画面IDが順次記憶されている。
【0045】
これら図6(A)〜(C)に例示したようなパス情報を参照して、本実施例の表示処理部312は、表示画面22上に表示されている別属性メニューの擬似的な下位階層メニューへの移行を可能とする。
【0046】
図6(A)〜(C)のパス情報371A、371B、及び371Cにより説明すると、別属性メニュー「Energy Saving Set」に対する表示中の下位階層メニューである第4階層の「Sleep Timer」、第5階層の「Sleep Level」又は「Status」が選択されると、表示処理部312は、スタック部37の最後(図6(A)〜(C)の最上部)のスタック領域から順に画面IDを読み出して行く。
【0047】
そして、表示処理部312は、スタック部37が空になった時に読み出した最初(図6(A)〜(C)の最下部)のスタック領域の画面IDと画面移動情報351(ツリー構造)とに基づき、第4階層の「Sleep Timer」、第5階層の「Sleep Level」又は「Status」の画面へと移行する。このときに表示される画面としては、第4階層の「Sleep Timer」、第5階層の「Sleep Level」又は「Status」の内容を示す一つ下の下位階層のメニューとなる。
[表示処理]
図7は、本実施例のメニュー選択による表示処理を示すフローチャートである。
【0048】
本実施例の表示処理は、パネルユニット20の操作部21のメニューキー(操作キー)等が押下されることで開始される。
【0049】
ステップS1では、「初期メニュー画面の表示」が行われる。この処理では、まず、パネルユニット20の操作入力部24がメニューキー等の押下を受け付けて、それをメイン制御ユニット30側に通知する。この通知に応じて、メイン制御ユニット30では、表示処理部312がメニュー選択用の初期メニュー画面を表示画面22上に表示する。
【0050】
具体的には、表示処理部312がメイン制御ユニット30側からの通知を受けると、ツリー構造を構築する図3のような画面移動情報351を参照して、ツリー構造の最上位階層の「Menu」に関連付けられている下位階層の「Device Common」や「Guide Menu」の画面IDを取得する。
【0051】
そして、表示処理部312は、記憶部33内から取得した画面IDに対応する画像データ(本実施例では文字列)を取得し、表示画面22上に画像データに基づく「Device Common」や「Guide Menu(ガイドメニュー)」等を表示することになる。
【0052】
こうして初期メニュー画面の表示が完了するとステップS2に移行する。
【0053】
ステップS2では、「ガイドメニューの選択受付?」が行われる。この処理では、表示処理部312が、操作部21のキー操作による初期メニュー画面中のメニュー選択を受け付け(通知され)、これによりガイドメニュー36が選択されたか否かを判定する。
【0054】
具体的には、初期メニュー画面上で選択されたメニューの画面IDを、表示処理部312がステップS1と同様にして画面移動情報351及び355を参照して取得する。取得した画面IDに基づき、表示処理部312は、選択されたメニューがガイドメニュー36であるか否かを判定する。
【0055】
この結果、ガイドメニュー36以外の「Device Common」等が選択された場合は、ステップS3へ移行し(NO)、ガイドメニュー36が選択された場合は、ステップS4に移行する(YES)。
【0056】
ステップS3では「通常の画面移動処理」が行われる。この処理では、表示処理部312が、ステップS1と同様に、画面移動情報351を参照して選択されたメニューの一つ下の下位階層メニューの画像IDを取得し、これに対応する画像データによるメニュー表示画面22上に表示する。以下、表示されている各メニューが選択されれる毎に、一つ下の下位階層メニューが表示画面22上に表示されることになる。
【0057】
一方、ステップS4では、「ガイドメニュー画面表示」が行われる。この処理では、表示処理部312が、画面移動情報355に基づき表示画面22にガイドメニュー画面を表示させる。
【0058】
すなわち、表示処理部312は、ステップS1と同様に、画面移動情報355を参照し、ガイドメニュー36に関連付けられている下位階層の別属性メニューである「Energy Saving Set.」、「Print Report」、「Language Set」等の画面IDを取得し、これに対応する画像データによるガイドメニュー(図8(A)参照)を表示画面22上に表示する。
【0059】
こうしてステップS4が完了すると、ステップS5に移行する。
【0060】
ステップS5では「別属性メニューの選択受付」が行われる。この処理では、表示処理部312が、操作部21でのキー操作によりガイドメニュー画面上の別属性メニューの選択を受け付け、ステップS6へ移行する。
【0061】
ステップS6では、「別属性メニュー画面表示」が行われる。この処理では、表示処理部312が、ステップS4と同様にして、画面移動情報355を参照し、別属性メニューに(例えば「Energy Saving Set.」)に関連付けられている擬似的な下位階層メニュー(例えば、「Sleep Level」、「Status」、及び「Sleep Timer」等)の画面IDを取得し、これに対応する画像データによる別属性メニュー画面(例えば、省エネ設定画面〔図8(B)参照〕)を表示画面22上に表示する。
【0062】
こうしてステップS6が完了すると、ステップS7へ移行する。
【0063】
ステップS7では、「擬似的な下位階層メニューの選択受付」が行われる。この処理では、表示処理部312が、操作部21でのキー操作により別属性メニュー画面上の擬似的な下位階層メニューの選択を受け付け、ステップS8へ移行する。
【0064】
ステップS8では、「パス情報の読み込み」が行われる。この処理では、別属性メニュー(例えば「Energy Saving Set.」)に対する下位階層メニュー(例えば、「Sleep Level」、「Status」、又は「Sleep Timer」)に対し、例えば図6(A)〜(C)のようなスタック部37にスタックされたパス情報(371A、371B、又は371C)を読み込む。
【0065】
すなわち、表示処理部312は、ステップS6で取得した画面IDに基づいて、スタック部37にスタックされたパス情報(371A、371B及び371C)を最後のスタック領域から順に画面IDを読み出していき、最終的に最初のスタック領域の各画面IDを読み込む。
【0066】
こうしてステップS8が完了すると、ステップS9に移行する。
【0067】
ステップS9では「パス情報に基づく画面表示」が行われる。この処理では、表示処理部312が、最初のスタック領域から読み取った画面ID及び画面移動情報355に基づき、対応する画像データを取得して表示画面22上に表示する(図8(C)〜(E)参照)。
【0068】
こうしてステップS9が完了すると、本実施例の表示処理が終了する。その後は、通常の画面移動処理と同様にして、表示されている各メニューが選択されれる毎に、選択されたメニューの一つ下の下位階層メニューが表示画面22上に表示されることになる。
[メニュー選択に応じた移行画面例]
図8は、ガイドメニュー36からのメニュー選択に応じた移行画面例を示している。
【0069】
なお、図8(A)〜(H)の例では、画面221A〜221Hが、カーソル50の移動方向を示すカーソルキー51、決定の指示を入力するための「OK」キー52、終了の指示を入力する「EXIT」キー53を有している。
【0070】
図8(A)のガイドメニュー画面221Aは、上記ステップS4で表示されるもので、選択メニュー(選択可能アイテム)として「Energy Saving Set(省エネ設定)」、「Print Report(印刷結果出力)」、「Language Set(言語設定)」のガイドメニューが表示される。
【0071】
ガイドメニュー画面221A中の別属性メニューは、パネルユニット20の操作部21のキー操作によってカーソル50を移動させて選択可能であり、「OK」キー52のキー操作により選択を実行することができる。
【0072】
ガイドメニュー画面221A上では、例えば[01]番の「Energy Saving Set(省エネ設定)」を選択すると、上記ステップS6の別属性メニュー画面として図8(B)の省エネ設定画面221Bが表示される。
【0073】
省エネ設定画面221Bには、「Sleep Level(スリープレベル)」、「Status(状態)」、「Sleep Timer(スリープタイマー)」が、「Energy Saving Set(省エネ設定)」の擬似的な下位階層メニューとして表示される。
【0074】
「Sleep Level(スリープレベル)」、「Status(状態)」、「Sleep Timer(スリープタイマー)」は、本来のツリー構造上にそれぞれ異なる属性に基づいて点在しているが、本実施例の省エネ設定画面221B上で択一的な選択が可能となる。このように構成しても、本実施例では、パス情報(図6参照)を参照することで、本来のツリー構造を利用して「Sleep Level(スリープレベル)」、「Status(状態)」、「Sleep Timer(スリープタイマー)」の各メニューへアクセスできる。
【0075】
従って、省エネ設定画面221B上からは、それぞれ上記ステップS9のパス情報に基づく画面として、図8(C)〜(E)のスリープレベル設定画面221C、ステータス設定画面221D、及びスリープタイマー設定画面221Eへ移行可能となっている。
【0076】
スリープレベル設定画面221Cは、例えば省エネ設定画面221B上の[01]番の「Sleep Level(スリープレベル)」が選択されることで表示される。なお、スリープレベル設定画面221Cでは、「01」又は「02」の選択により、「Quick Recovery」又は「Energy Saver」を設定可能となっている。
【0077】
ステータス設定画面221Dは、省エネ設定画面221B上で[02]番の「Status(状態)」が選択されることで表示され、同様にスリープタイマー設定画面221Eは、[03]番の「Sleep Timer(スリープタイマー)」が選択されると表示される。
【0078】
ステータス設定画面221Dからは、[01]番の「Network(網設定)」を選択すると図8(F)の網設定画面221Fへ移行し、[02]番の「USB Cable(USBケーブル設定)」を選択すると、図8(G)のUSBケーブル設定画面221Gへ移行し、[03]番の「Card Reader(カードリーダー設定)」を選択すると、図8(H)のカードリーダー設定画面221Hへ移行する。
【0079】
網設定画面221F、USBケーブル設定画面221G、及びカードリーダー設定画面221Hでは、それぞれ[01]又は[02]の選択により、ネットワーク、USBケーブル、カードリーダーの機能をON/OFF設定できる。
【0080】
スリープタイマー設定画面221Eでは、表示中の暫定設定値(この例では「120」)を所望の値に変更し、「OK」キー52を押下することによりスリープタイマーを変更後の値に設定することができる。
[実施例1の効果]
本実施例の画像形成装置1は、複数のメニューを属性に応じて階層化されたツリー構造として管理するメニュー管理部311と、ツリー構造に基づき各メニューに関連付けられた一つ下の下位階層メニューを各メニューの選択に応じて表示画面22上に表示する表示処理部312と、ツリー構造とは異なる属性に応じて分類されるツリー構造内の特定メニューを擬似的な一つ下の下位階層メニューとして関連付けたガイドメニュー36内の別属性メニューを管理する別属性メニュー管理部313と、ガイドメニュー36内の別属性メニューに下位階層メニューとして関連付けられた特定メニューへのツリー構造上での選択経路を示すパス情報を管理するパス情報管理部314とを備えている。
【0081】
そして、表示処理部312は、別属性メニューの下位階層メニューが選択された際に、パス情報を参照して、ツリー構造に基づき選択された別属性メニューの下位階層メニューに対して一つ下の下位階層の特定メニューを表示画面22上に表示する構成を有する。
【0082】
従って、本実施例では、ツリー構造内に点在する特定メニューを本来の属性とは異なる属性に応じて別属性メニューの下位階層メニューとしてまとめることができ、ユーザーの効率的なメニュー操作をアシストすることができる。
【0083】
すなわち、本実施例では、別属性メニューを選択するだけで特定メニューを表示できるので、ツリー構造の階層を一つずつ順番に辿ってメニュー選択する場合に比べて、特定メニューのメニュー選択に迷うことがなく効率的にメニュー操作を行わせることができる。同時に、操作数を減少させることが可能となり、この点からも効率的なメニュー操作を行わせることができる。
【0084】
しかも、本実施例では、特定メニューに対するパス情報を参照することで、本来のツリー構造を利用した形で特定メニューの表示を行うことができる。
【0085】
また、本実施例では、パス情報が上記選択経路中に存在するメニューをスタックしたデータ構造を有し、表示処理部312がスタックされたメニューを上位のメニューから順次読み出して最後に読み出した特定メニューについて画面上に表示する処理を行う。
【0086】
従って、本実施例では、容易且つ確実に本来のツリー構造を利用した形で特定メニューの表示を行うことができる。
【0087】
別属性メニューは、ツリー構造上の任意の階層に挿入され、別属性メニューの下位階層メニューは、対応する特定メニューのツリー構造上の階層よりも上位の階層に位置させる。
【0088】
このように構成すれば、ツリー構造の階層を一つずつ順番に辿ってメニュー選択する場合に比べて、操作数を確実に減少することができる。
[変形例]
本実施例の変形例としては、別属性メニュー管理部313及びパス情報管理部314が、それぞれガイドメニュー及びパス情報を接続されたサーバー装置又は外部記憶装置から取得して管理する構成とすることが可能である。
【0089】
この場合、サーバー装置及び外部記憶装置は、複数の機種にそれぞれ対応するガイドメニュー及びパス情報を格納し、画像形成装置10側において自装置の機種に適合するものを取得することができる。
【0090】
こうすることで、画像形成装置10でガイドメニュー及びパス情報を生成する必要がなく、ガイドメニュー及びパス情報の生成や管理を容易に行わせることができる。
【0091】
また、他の変形例としては、図6のようなパス情報中に、特定メニューより上位の階層にユーザー認証を要求する認証メニューが存在する場合、別属性メニュー(例えば、「Energy Saving Set(省エネ設定)」)の下位階層メニュー(「Sleep Level(スリープレベル)」、「Status(状態)」、又は「Sleep Timer(スリープタイマー)」)の選択に応じて認証メニューを表示画面22に表示する。
【0092】
別属性メニューの下位階層メニューとしての特定メニューは、ユーザー認証を経てから選択可能となるものもあり、そのような場合には、パス情報中の特定メニューの前にユーザー認証用の認証メニューの画面IDがスタックされている状態となる。
【0093】
そして、パス情報管理部314は、パス情報のスタックされている画面IDを順次読み出す構成であるから、認証メニューの画面IDを特定メニューの前に読み出して認証メニューを表示することを可能とする。
【0094】
従って、本変形例では、追加したガイドメニュー36からツリー構造とは異なる属性分類のメニュー選択による表示処理に入ったとしても、ユーザー認証を確実に行ってセキュリティの維持が図れる。なお、認証画面を表示するか否かは、事前にユーザーが設定できる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 画像形成装置
20 パネルユニット
21 操作部
22 表示画面
311 メニュー管理部
312 表示処理部
313 別属性メニュー管理部
314 パス情報管理部
図1
図2
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図7
図8