【実施例】
【0103】
以下の実施例に示す通り、特定の例示的な実施形態では、化合物を以下の一般手順に従って調製する。一般法は、本発明の特定の化合物の合成を示しているが、以下の一般法および当業者に公知の他の方法が、本明細書に記載のあらゆる化合物、ならびにこれらの化合物のそれぞれのサブクラスおよび種に利用できることを理解されよう。
【0104】
以下の実施例で利用する化合物番号は、上記表1に記載の化合物番号に対応する。
【0105】
提供される化合物は、全体が参考として本明細書に援用される2010年2月4日公開のUS20100029610に詳説されている方法を含む、当業者に公知の方法に従って調製される。
【0106】
(実施例1)
化合物I−11:N−(3−(5−(トリフルオロメチル)−2−(2,3,4−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0107】
【化3】
【0108】
【化4】
ステップ1
磁気撹拌機、Thermo pocketおよびCaCl
2安全管を既に備えた25mLの三つ口RBFに、N−Boc−1,3−ジアミノベンゼン(0.96g)およびn−ブタノール(9.00mL)を入れた。反応混合物を0℃に冷却した。2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジン(1.0g)を、先の反応混合物に0℃で滴下添加した。DIPEA(0.96mL)を、先の反応混合物に0℃で滴下添加し、反応混合物を0℃〜5℃で1時間撹拌した。最後に、反応混合物を室温に温めた。反応混合物を室温でさらに4時間撹拌した。ヘキサン:酢酸エチル(7:3)を使用するTLCによって、反応の完了をモニターした。沈殿した固体を濾別し、1−ブタノール(2mL)で洗浄した。固体を、40℃において減圧下で1時間乾燥した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 1.48(S, 9H), 7.02(m, 1H), 7.26(m, 2H), 7.58(S, 1H), 8.57(S, 1H), 9.48(S, 1H), 9.55(S, 1H)。
【0109】
ステップ2
DCM(25mL)中の先の粗製物(3.1g)に、TFA(12.4mL)をゆっくり0℃で添加した。反応混合物を室温に温めた。反応混合物を、さらに10分間、室温で撹拌した。粗製物を減圧下で濃縮した。
【0110】
ステップ3
濃縮した粗製物を、DIPEA(2.0mL)およびDCM(25mL)に溶解させ、次に−30℃に冷却した。反応混合物に、塩化アクリロイル(0.76g)を−30℃でゆっくり添加した。反応物の塊を、室温に温め、室温で1.0時間撹拌した。ヘキサン:酢酸エチル(7:3)を移動相として使用するTLCによって、反応をモニターした。反応は1時間後に完了した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 5.76(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 6.24(dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 6.48(m, 1H), 7.14(d, J=8.8Hz, 1H), 7.37(t, J=8.0Hz, 1H), 7.94(S, 1H), 8.59(S, 1H), 9.60(S, 1H), 10.26(S, 1H)。
【0111】
ステップ4
実施例1を得るために、ジオキサン(1.0mL)中の中間体1(16mg)および2,3,4−トリメトキシアニリン(20μL)の混合物を、触媒であるトリフルオロ酢酸と共に、50℃で終夜撹拌した。粗製物を減圧下で濃縮し、HPLC(TFAモディファイア)を使用して精製して、標題化合物(17mg)をTFA塩として得た。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.2(S, 1H), 8.94(br, 1H), 8.52(br, 1H), 8.34(S, 1H), 7.78(S, 1H), 7.49(d, J=7.8Hz, 1H), 7.29(m, 2H), 7.14(br, 1H), 6.43(dd, J=10.1, 16.8Hz, 1H) 6.24(dd, J=1.8, 16.8Hz, 1H), 5.75(dd, J=1.8, 10.1Hz, 1H), 3.74(S, 3H), 3.71(S, 3H), 3.70(S, 3H);C
23H
22F
3N
5O
4の質量の計算値:489.2、実測値:490.0(M+H
+)。
【0112】
(実施例2)
化合物I−12:N−(3−(5−クロロ−2−(2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0113】
【化5】
化合物I−12を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4,5−トリクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2−メトキシアニリンを使用して調製した。C
20H
17ClN
4O
3の質量の計算値:396.1、実測値:397.0(M+H
+)。
【0114】
(実施例3)
化合物I−10:N−(3−(5−(トリフルオロメチル)−2−(2,3,4−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0115】
【化6】
化合物I−10を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンを使用し、ステップ4で2,3,4−トリメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.32(S, 1H), 9.08(S, 1H), 8.58(S, 1H), 7.65(S, 1H), 7.52(d, J=8.4Hz, 1H), 7.4(t, J=8.0Hz, 1H), 7.03(m, 1H), 6.97(d, J=7.6Hz, 1H), 6,43(dd, J=10.0, 16.8Hz, 1H), 6.27(dd, J=2.0, 16.8Hz, 1H), 5.78(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 3.74(S, 3H), 3.71(S, 3H), 3.70(S, 3H);C
23H
21F
3N
4O
5の質量の計算値:490.1、実測値:491.5(M+H
+)。
【0116】
(実施例4)
化合物I−9:N−(3−(2−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0117】
【化7】
化合物I−9を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンを使用し、ステップ4で2,4−ジメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.3(S, 1H), 8.92(S, 1H), 8.55(br, 1H), 7.64(S, 1H), 7.54(d, J=7.2Hz, 1H), 7.41(br, 1H), 7.20(d, J=8.4Hz, 1H), 6.96(br, 1H), 6.54(br, 1H), 6.43(dd, J=10.0, 17.2Hz, 1H), 6.27(dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 5.79(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 3.71(S, 6H);C
22H
19F
3N
4O
4の質量の計算値:460.1、実測値:461.4(M+H
+)。
【0118】
(実施例5)
化合物I−8:N−(3−(5−ブロモ−2−(2,3,4−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0119】
【化8】
化合物I−8を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−ブロモピリミジンを使用し、ステップ4で2,3,4−トリメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.34(S, 1H), 8.45(S, 1H), 8.42(S, 1H), 7.63(S, 1H), 7.55(d, J=8.0Hz, 1H), 7.42(t, J=8.0Hz, 1H), 7.09(d, J=9.2Hz, 1H), 6.98(dd, J=1.2, 7.6Hz, 1H), 6.40−6.47(m, 2H), 6.26(dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 5.78(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 3.72(S, 3H), 3.71(s, 3H), 3.70(S, 3H);C
22H
21BrN
4O
5の質量の計算値:500.1、実測値:501.2(M+H
+)。
【0120】
(実施例6)
化合物I−13:N−(3−(5−ブロモ−2−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0121】
【化9】
化合物I−13を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−ブロモピリミジンを使用し、ステップ4で2,4−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
21H
19BrN
4O
4の質量の計算値:470.1、実測値:471.2(M+H
+)。
【0122】
(実施例7)
化合物I−5:N−(3−(5−ブロモ−2−(2,3,4−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0123】
【化10】
化合物I−5を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4−ジクロロ−5−ブロモピリミジンを使用し、ステップ4で2,3,4−トリメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.15(S, 1H), 8.63(S, 1H), 8.17(S, 1H), 7.94(S, 1H), 7.89(S, 1H), 7.52(d, J=9.2Hz, 1H), 7.43(m, 1H), 7.24(m, 2H), 6.51(m, 1H), 6.44(dd, J=10.0, 17.2Hz, 1H), 6.26(dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 5.76(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 3.77(S, 3H), 3.73(S, 3H), 3.72(S, 3H);C
22H
22BrN
5O
4の質量の計算値:499.1、実測値:500.1(M+H
+)。
【0124】
(実施例8)
化合物I−14:N−(3−(5−ブロモ−2−(2,3−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0125】
【化11】
化合物I−14を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4−ジクロロ−5−ブロモピリミジンを使用し、ステップ4で2,3−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
21H
20BrN
5O
3の質量の計算値:469.1、実測値:470.3(M+H
+)。
【0126】
(実施例9)
化合物I−15:NN−(3−(5−クロロ−2−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0127】
【化12】
化合物I−15を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4,5−トリクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2,4−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
21H
19ClN
4O
4の質量の計算値:426.1、実測値:427.3(M+H
+)。
【0128】
(実施例10)
化合物I−7:N−(3−(5−クロロ−2−(2,3,4−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0129】
【化13】
化合物I−7を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4,5−トリクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2,3,4−トリメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.36(S, 1H), 8.44(S, 1H), 8.40(S, 1H), 7.65(1H, s), 7.55(d, J=8.4Hz, 1H), 7.43(t, J=8.0Hz, 1H), 7.09(d, J=9.2Hz, 1H), 6.99(d, J=8.4Hz, 1H), 6.43−6.47(m, 2H), 6.27(dd, J=2.0, 16.8Hz, 1H), 5.79(dd, J=2.0, 11.6Hz, 1H), 3.71(S, 3H), 3.70(S, 3H), 3.69(S, 3H);C
22H
21ClN
4O
5の質量の計算値:456.1、実測値:457.3(M+H
+)。
【0130】
(実施例11)
化合物I−4:N−(3−(5−クロロ−2−(2,3,4−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0131】
【化14】
化合物I−4を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4,5−トリクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2,3,4−トリメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.16(S, 1H), 8.9(S, 1H), 8.1(S, 1H), 8.0(S, 1H), 7.9(S, 1H), 7.49(d, J=8.4Hz, 1H), 7.37(d, J=6.8Hz, 1H), 7.22−7.29(m, 2H), 6.45−6.55(m, 2H), 6.26(dd, J=1.7, 17.0Hz, 1H), 5.75(dd, J=1.7, 9.6Hz, 1H), 3.72(S, 3H), 3.68(S, 3H), 3.67(S, 3H);C
22H
22ClN
5O
4の質量の計算値:455.1、実測値:456.3(M+H
+)。
【0132】
(実施例12)
化合物I−3:N−(3−(2−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0133】
【化15】
化合物I−3を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンを使用し、ステップ4で2,4−ジメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.2(S, 1H), 9.11(br, 1H), 8.62(br, 1H), 8.34(br, 1H), 7.78(S, 1H), 7.46(dd, J=7.8, 16.5Hz, 2H), 7.28(t, J=8.0Hz, 1H), 7.14(br, 1H), 6.57(d, J=1.8Hz, 1H), 6.43(dd, J=10.1, 16.9Hz, 1H), 6.24(dd, J=1.8, 16.9Hz, 1H), 5.74(dd, J=1.8, 10.1, 1H), 3.76(S, 3H), 3.70(S, 3H);C
22H
20F
3N
5O
3の質量の計算値:459.2、実測値:460.2(M+H
+)。
【0134】
(実施例13)
化合物I−16:N−(3−(2−(2,3−ジメトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0135】
【化16】
化合物I−16を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンを使用し、ステップ4で2,3−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
22H
20F
3N
5O
3の質量の計算値:459.2、実測値:460.2(M+H
+)。
【0136】
(実施例14)
化合物I−2:N−(3−(2−(2−メトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0137】
【化17】
化合物I−2を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンを使用し、ステップ4で2−メトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.3(S, 1H), 8.87(S, 1H), 8.62(S, 1H), 7.67(t, J=2.3Hz, 1H), 7.50(d, J=9.2Hz, 1H), 7.41(t, J=8.3Hz, 2H), 7.02(m, 1H), 6.97(t, J=7.3Hz, 1H), 6.65(br, 1H), 6.41(dd, J=10.1, 17.0Hz, 1H), 6.25(dd, J=2.3, 17.0Hz, 1H), 5.77(dd, J=2.3, 10.1Hz, 1H), 3.74(S, 3H);C
21H
17F
3N
4O
3の質量の計算値:430.1、実測値:431.1(M+H
+)。
【0138】
(実施例15)
化合物I−1:N−(3−(2−(2−メトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0139】
【化18】
化合物I−1を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンを使用し、ステップ4で2−メトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.2(S, 1H), 9.1(S, 1H), 8.41(S, 1H), 8.38(S, 1H), 7.8(S, 1H), 7.7(d, J=7.8Hz, 1H), 7.5(d, J=8.2Hz, 1H), 7.3(t, J=8.2Hz, 1H), 7.1(d, J=8.2Hz, 1H), 6.97(S, 2H), 6.62(br, 1H), 6.41(dd, J=10,1, 17.0Hz, 1H), 6.24(d, J=17.0Hz, 1H), 5.74(d, J=10.1Hz, 1H), 3.79(S, 3H);C
21H
18F
3N
5O
2の質量の計算値:429.1、実測値:430.0(M+H
+)。
【0140】
(実施例16)
化合物I−18:N−(3−(5−クロロ−2−(2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0141】
【化19】
化合物I−18を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4,5−トリクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2−メトキシアニリンを使用して調製した。C
20H
18ClN
5O
2の質量の計算値:395.1、実測値:396.1(M+H
+)。
【0142】
(実施例17)
化合物I−19:N−(3−(5−フルオロ−2−(2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0143】
【化20】
化合物I−19を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジンを使用し、ステップ4で2−メトキシアニリンを使用して調製した。C
20H
17FN
4O
3の質量の計算値:380.1、実測値:381.4(M+H
+)。
【0144】
(実施例18)
化合物I−6:N−(3−(5−ブロモ−2−(2,3−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0145】
【化21】
化合物I−6を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−ブロモピリミジンを使用し、ステップ4で2,3−ジメトキシアニリンを使用して調製した。
1H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.35(S, 1H), 8.53(S, 1H), 8.35(S, 1H), 7.69(S, 1H), 7.55(m, 1H), 7.46(m, 1H). 7.11(dd, J=6.4Hz, 1H), 6.96(d, J=7.2Hz, 1H), 6.64(m, 2H), 6.43(dd, J=10.0, 17.0Hz, 1H), 6.26(dd, J=2.0, 17.0Hz, 1H), 5.77(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 3.71(S, 3H), 3.65(S, 3H);C
21H
19BrN
4O
4の質量の計算値:470.1、実測値:471.3(M+H
+)。
【0146】
(実施例19)
化合物I−20:N−(3−(5−ブロモ−2−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0147】
【化22】
化合物I−20を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4−ジクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2,4−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
21H
20BrN
5O
3の質量の計算値:469.1、実測値:469.9(M+H
+)。
【0148】
(実施例20)
化合物I−21:N−(3−(5−クロロ−2−(2,4−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0149】
【化23】
化合物I−21を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4,5−トリクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2,4−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
21H
20ClN
5O
3の質量の計算値:425.1、実測値:426.3(M+H
+)。
【0150】
(実施例21)
化合物I−22:N−(3−(5−ブロモ−2−(2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)
【0151】
【化24】
化合物I−22を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−1,3−ジアミノベンゼンおよび2,4−ジクロロ−5−ブロモピリミジンを使用し、ステップ4で2−メトキシアニリンを使用して調製した。C
20H
18BrN
5O
2の質量の計算値:439.1、実測値:440.1(M+H
+)。
【0152】
(実施例22)
化合物I−23:N−(3−(2−(2,3−ジメトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)
【0153】
【化25】
化合物I−23を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジンを使用し、ステップ4で2,3−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
22H
19F
3N
4O
4の質量の計算値:460.1、実測値:461.1(M+H
+)。
【0154】
(実施例23)
化合物I−17:N−(3−(5−クロロ−2−(2,3−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド
【0155】
【化26】
化合物I−17を、実施例1に記載の経路と類似の経路を経て、ステップ1でN−Boc−3−アミノフェノールおよび2,4,5−トリクロロピリミジンを使用し、ステップ4で2,3−ジメトキシアニリンを使用して調製した。C
21H
19ClN
4O
4の質量の計算値:426.9、実測値:427.3(M+H
+)。
【0156】
生物学的実施例
以下に、WT EGFR(および他のタンパク質キナーゼ)と比較して、変異体EGFRの選択的阻害剤として提供される化合物の生物学的活性を測定するために使用したアッセイを記載する。
【0157】
(実施例24)
EGFR(WT)およびEGFR(T790M/L858R)活性酵素に対する効力を評価するためのOmniaアッセイプロトコル
以下に、EGFR−WTおよびEGFR−T790M/L858Rを使用する生化学アッセイプロトコルを記載する。
【0158】
アッセイプラットフォームの機構は、販売者(Invitrogen、Carlsbad、CA)によって、以下のURLのウェブサイトに最もよく記載されている。www.invitrogen.com/content.cfm?pageid=11338またはwww.invitrogen.com/site/us/en/home/Products−and−Services/Applications/Drug−Discovery/Target−and−Lead−Identification−and−Validation/KinaseBiology/KB−Misc/Biochemical−Assays/Omnia−Kinase−Assays.html。
【0159】
簡潔には、Invitrogen製のEGFR−WT(PV3872)およびBPS Bioscience(San Diego、CA)製のEGFR−T790M/L858R(40350)の10×原液、1.13×ATP(AS001A)、ならびに適切なTyr−Soxコンジュゲートペプチド基質(KCZ1001)を、20mMのTris、pH7.5、5mMのMgCl
2、1mMのEGTA、5mMのβ−グリセロリン酸、5%グリセロール(10×原液、KB002A)および0.2mMのDTT(DS001A)からなる1×キナーゼ反応バッファ中で調製した。各酵素5μLを、Corning製(#3574)384ウェルの、非結合表面白色マイクロタイタープレート(Corning、NY)中、体積0.5μLの50%DMSOおよび50%DMSOで調製した連続希釈化合物と共に、25℃で30分間プレインキュベートした。キナーゼ反応を、ATP/Tyr−Soxペプチド基質ミックス45μLを添加して開始させ、BioTek(Winooski、VT)製のSynergy
4プレートリーダーで、60分間かけて71秒毎にλ
ex360/λ
em485でモニタした。各アッセイの最後に、各ウェルのプログレス曲線を、線形反応速度および適合統計量(R
2、95%信頼区間、絶対平方和)について調査した。各反応の初期速度(0分〜約30分)を、相対的蛍光単位と時間(分)のプロットの傾斜から決定し、次に阻害剤濃度に対してプロットして、GraphPad Software(San Diego、CA)製のGraphPad Prismにより、log[阻害剤]と応答可変傾斜(Variable Slope)モデルからIC
50を推定した。
【0160】
[EGFR−WT]=5nM、[ATP]=15μM、[Y12−Sox]=5μM(ATP K
Mapp約12μM)および[EGFR−T790M/L858R]=2.5nM、[ATP]=20μM、[Y12−Sox]=5μM(ATP K
Mapp約20μM)。
【0161】
表3は、前述のEGFR阻害アッセイにおける選ばれた本発明の化合物の活性を示す。表3は、WT EGFRと比較した変異体EGFRのデータを示し、各試験化合物についてWTと変異体の選択性の比を示す。化合物番号は、表1の化合物番号に対応する。
【0162】
【表3】
(実施例25)
細胞培養および抗体
A431ヒト類表皮癌腫、H1975ヒトNSCLCおよびHCC827ヒトNSCLC腺癌細胞を、American Type Culture Center(Manassas、VA)から得た。A431細胞を、10%FBS(HyClone、South Logan、UT)および1%ペニシリン−ストレプトマイシン(P/S、Lonza、Walkersville、MD)を補充したDMEM(Invitrogen、Carlsbad、CA)で増殖させた。H1975およびHCC827細胞を、10%FBSおよび1%P/Sを補充した完全RPMI 1640(Invitrogen)で増殖させた。すべての細胞を、加湿した5%CO
2インキュベーター内で37℃にて単層培養物として維持し、繁殖させた。
【0163】
すべての一次抗体を、Cell Signaling(Danvers、MA)から得、1:1000で使用した。二次抗体を1:10,000で使用した。ヤギ抗マウスIgG IRDye 800CW抗体を、LiCor Biosciences(Lincoln、NE)から得、ヤギ抗ウサギIgG Alexa Fluor 680をInvitrogenから得た。
【0164】
免疫ブロット
細胞を、12−ウェルプレート(Corning、Coring、NY)で90%コンフルエンスまで増殖させ、次に低血清(0.1%FBS)培地で16〜18時間インキュベートした。次に細胞を、低血清(0.1%FBS)培地中、5、1.25、0.31、0.078、0.020または0.005μMの試験化合物で1時間処理した。次に、A431細胞を50ng/mlのEGF(Peprotech、Rocky Hill、NJ)で15分間刺激した。処理後、細胞単層を、冷却したPBS(Invitrogen)で洗浄し、完全プロテアーゼ阻害剤(Roche、Indianapolis、IN)およびPhosphoSTOP(Roche)ホスファターゼ阻害剤を補充した、冷却した細胞抽出バッファ(Invitrogen)60μLに廃棄(scrapping)することによってすぐに溶解させた。
【0165】
溶菌液のタンパク質濃度を、BCAアッセイ(Pierce、Rockford、IL)によって決定し、各溶菌液50μgを4〜12%勾配のSDS−PAGE(Invitrogen)によって分離し、ニトロセルロース膜(Biorad、Hercules、CA)に移し、特異的な抗体でプローブした。りんタンパク質シグナルを、Odyssey Infrared Imaging(Li−Cor Biosciences)を使用して定量化した。
【0166】
phosphor−EGFRシグナル伝達を評価するために、ブロットをウサギ抗Phospho−EGFR(Y1068)およびマウス全抗EGFR抗体でプローブした。Phospho−EGFRシグナルを、各試料について全EGFR発現に対して正規化した。リン光体−S6リボソームタンパク質のシグナル伝達を評価するために、ブロットを、マウス抗リン光体−S6リボソームタンパク質およびウサギ全抗S6リボソームタンパク質でプローブした。ブロットを、先に示した通り標準化した。結果を、DMSO対照の%として示す。正規化データを、S字型曲線分析プログラム(Graph Pad Prism version 5)を使用して、可変Hill傾斜を用いてフィットさせて、EC
50値を決定した。
【0167】
この実験の結果を、
図1および
図2および表4に示す。結果は、試験化合物I−3およびI−7が、H1975細胞ではpEGFRおよびその下流標的であるS6リボソームタンパク質だけを阻害し、A431細胞ではWT−EGFRに関して完全節約的(sparing)であることによって、変異体に選択的であることを示している。
【0168】
表4は、WT EGFR(A431細胞)と比較した、H1975(二重変異L858R/T790M)およびHCC827(delE746−A750変異)細胞の変異体EGFRのデータを示す。表4に引用した化合物番号は、表1の化合物番号に対応する。
【0169】
【表4】
(実施例26)
細胞増殖
細胞を、96ウェルの組織培養プレート(Corning)中、1ウェル当たり3,000個の細胞密度で、5%FBSおよび1%P/Sを補充した増殖培地に蒔いた。細胞を4時間かけて定着させ、次に5、1.25、0.31、0.078、0.020または0.005μMの試験化合物で72時間処理した。細胞生存率をCellTiter Glo(Promega、Madison、WI)によって決定し、その結果を、標準曲線を使用して細胞数に変換した。増殖阻害(GI50)値を、Graph Pad Prismによって決定した。
【0170】
この実験の結果を表5に示す。結果は、H1975(二重変異L858R/T790M)およびHCC827(delE746−A750欠失変異)細胞では変異体選択的な阻害を示したが、WT−EGFR A431細胞では示さなかったことを示している。
【0171】
【表5】
(実施例27)
EGFR欠失/T790M変異を含有するH1975細胞におけるウォッシュアウト実験
細胞を、12ウェルの組織培養プレート中、1ウェル当たり2.0×10
5個の細胞密度で、10%FBSおよび1%P/Sを補充した増殖培地に蒔いた。細胞を4時間かけて定着させ、次に低血清(0.1%FBS)培地にて終夜維持した。
【0172】
翌朝、培地を除去し、細胞を、低血清培地にて1時間、500nMの試験化合物で処理した。細胞から、PBS(Invitrogen)を用いて化合物を2回洗い流した。一組の細胞を、先に示した通り、0時間の時点としてすぐに溶解させた。残りの細胞を、完全RPMI−1640増殖培地(10%FBS)で1、3、6および24時間インキュベートした。最初の1時間に、細胞をPBSで30分毎に2回洗浄した。DMSO(0.5%)対照を、0、3、6および24時間の時点で収集した。
【0173】
この実験の結果を、
図3に示す。
図3は、試験化合物I−1、I−2およびI−3の作用持続期間が長いことを示している。
【0174】
(実施例28)
変異体EGFRの質量分析
無傷EGFR T790M/L858R(BPS Bioscience San Diego、CA)を、10倍過剰の化合物I−1と共に37℃において60分間インキュベートした。一定分量3μLの試料を、15μLの0.2%TFAで希釈した後、シナピン酸(0.1%TFA:アセトニトリル50:50中10mg/mL)を脱着マトリックスとして使用して、MALDI標的プレート上にC4−Ziptipを用いて直接処理した。上パネルは、EGFR T790M/L858Rタンパク質(m/z=88,573Da)のトレースを示し、下パネルはI−1(429.40Da)で30分間インキュベートした後のトレースを示しており、m/z=89,061Daである。
図4に示されている通り、488Da(113%)の質量シフトが観測され、このことは、I−1が30分以内にEGFR T790M/L858Rを完全に修飾することを示している。
【0175】
化合物I−2、I−3およびI−7も同様に試験すると、タンパク質を共有結合により修飾したことが見出された。
【0176】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に記載してきたが、基本的な実施例を変更して、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供できることが明らかである。したがって、本発明の範囲は、例示として示してきた具体的な実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることが理解される。