(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段(5)は、前記測定手段(6)に含まれるセンサで測定された、前記混合手段(3)の速度又は前記ミキサ(1)によって変形する産物に関する少なくとも1つの情報、及び前記タンク(2)の又は前記産物の温度に関する少なくとも1つの情報に基づいて、前記混合手段(3)が備える混合用のシャフト(30)を直接又は間接的に駆動するモータ(31)の速度、及び前記加熱手段(41)の前記第1循環路(8)内での第1ポンプ(81)による熱交換率を制御することを特徴とする、請求項5に記載のミキサ(1)。
前記冷却手段(42)は、前記第2接続部において、前記第2の循環路(9)とエネルギを交換する際に、前記制御手段(5)は、前記冷却手段(42)の前記第2循環路(9)における第2ポンプ(91)による熱交換率を制御することを特徴とする、請求項3に記載のミキサ(1)。
前記制御手段(5)は、前記第1循環路(8)に熱を加えるか若しくは前記第1循環路(8)から熱を除去する第1調節器(82)、及び/又は前記第2循環路(9)から熱を除去するか若しくは前記第2循環路(9)に熱を加える第2調節器(92)を制御するように設けた、請求項7に記載のミキサ(1)。
前記測定手段(6)は、前記タンク(2)内のペーストの運動を特徴づける、前記タンクの底で可動に設置された可動部品(60)のための回転速度センサの形態のモーションセンサ(64)と、前記モーションセンサ(64)に連結される前記混合物又は前記ペースト内部の温度センサ(65)とを含むことを特徴とする、請求項5に記載のミキサ(1)。
前記測定手段(6)は、前記混合手段(3)が備える前記タンク(2)の前記底に近い前記混合用のシャフト(30)上の温度センサ(67)を含むことを特徴とする、請求項5〜9のいずれか1項に記載のミキサ(1)。
35〜54容量%のポリマー基材、40〜55容量%のワックス混合物及び10容量%の界面活性剤を含む結合剤を含む原料の混合物から、セラミック系供給原料ペレットを製造するための、請求項11に記載のミキサ(1)の利用。
前記温度低下中又は温度低下後に、前記小型の塊を、100℃未満の温度で前記混合手段の速度が700rpm以上のタンク(2)内で破砕することを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1項に記載の混合方法。
粉末形態の前記産物から微粉を得るために、前記破砕は1000rpm超の速度で実行され、スクリュを用いたスクリュ押出による排出及びペレットの形成が達成されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
前記方法は、76〜96重量%の無機粉末及び4〜24重量%の前記結合剤を含む、成形された金属又はセラミック状の部品の製造を目的とした射出成形組成物(供給原料)を用いて実装され、
前記無機粉末及び前記成形組成物は、酸化物、窒化物、炭化物若しくは金属の粉末又は前記粉末の混合物を含む群から選択される
ことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
前記無機粉末は、アルミナ粉末、酸化ジルコニウム粉末、炭化クロム粉末、炭化チタン粉末若しくは炭化タングステン粉末、タングステン金属若しくは窒化ケイ素粉末、ステンレス鋼粉末、チタン金属粉末又は前記粉末の混合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【背景技術】
【0006】
宝石製造及び時計製造産業のための、又は例えば医療、電子、電話若しくは工具産業、加工用切削インサート、消費財産業等の技術的応用のための硬質材料の製造、特に無機「セラミックス」の総称で一般に呼ばれる硬質材料の製造では、粉末冶金技術
に準じた技術が使用されている。得られる無機合成材は、それがサファイア、ルビー、人工ダイヤモンド、サファイアガラス、セラミック、微小磁石、金属、合金又はその他であっても、材料の性質に関係なく、本明細書では「セラミック」と称する。
【0007】
基材原料は様々な性質のものであり、製造を保護するために公開されていないものもある。使用される原料は一般に、少なくともセラミック粉末及び有機結合剤を含み、この有機結合剤は、射出可能であり、また生成される組成物が全ての原料の混合物と結合できるような樹脂又は可塑性材料等である。混合物は他の添加剤を含んでいてもよい。原料は、固体、粉末、液体又はペーストといった様々な構成となり得ることが分かる。構造物の生成中に、特に(限定されるものではないが)樹脂の相補的な成分が重合反応する場合に、混合物の構造が変化する場合がある。
【0008】
無機セラミック成分の製造手順全体は、少なくとも以下の工程:
−原料を準備する工程;
−原料を混合する工程、又は/及び必要であれば2つずつ(又はそれ以上)予混合する工程;
−均質混合する工程;
−粒化する工程;
−上記混合及び粒化から得られた所定量の粉末又は供給原料ペレットを特に成形チャンバ内で成形して、「グリーン」成分を生成する工程(この成形は、特に混合及び粒化から得られた上記所定量の粉末又は供給原料ペレットを加熱する手段を備えたスクリュインジェクタで、加圧しながら射出することにより実行できる);
−結合剤として機能する混合物の一部の成分を焼き切る及び/若しくは分解するために熱脱脂する工程、「グリーン」成分を熱処理する工程、又は焼結する工程;
−焼結によって完成した成分に最終的な稠度を与えるために、脱脂後「グリーン」成分を熱処理する工程(この熱処理は寸法収縮を引き起こし、この寸法収縮により、最終的な寸法を有する成分を得ることができる);
−成分の表面仕上げ処理をする工程。
【0009】
本方法のこの簡略化された説明は、原料の各混合物に特有の、並びにその物理的特性、特に耐摩耗性及び外観に応じて並びにその機械的及び化学的性質に応じて仕上げ処理された各種成分に特有の、開発の真の複雑さを明らかにしていない。
【0010】
各工程の実行には注意が必要であり、そして正確なパラメータに忠実であることが求められ、これを怠った場合には、混合物、射出された「グリーン」成分、脱脂された「グリーン」成分又は焼結成分の特性に不可逆的変化が生じる恐れがある。
【0011】
均質混合する工程は、処理の次の工程のために特に重要である。この混合の工程は、場合によっては、原料を混合する以前の工程と組み合わされることがあり、これは、本明細書で「ミキサ」と呼ばれる製造プラントで直接実行されることもある。
【0012】
実際、混合の間に原料の一部の間で反応が生じ、これらの反応が混合されている混合物の物理的条件を即時に変化させる。特に制御及び補償されない発熱反応は、混合物の完全な変化をもたらす恐れがあり、この場合混合物は、所期の仕上げ処理された成分の製造に使用できなくなる。温度、速度及びトルクのパラメータは、全て厳密に監視される必要がある。最終的に得られる物理的特性の再現性を得ることが不可欠であり、従って混合を完全に調節し、生じる反応を予測及び制御する必要がある。
【0013】
特に、この種の混合物がミキサの回転ブレードで混合されるとき、混合物の要素の温度は、摩擦の影響で急速に上昇し、要素の融解温度を超えてペースト状で要素を混合させる。1秒につき数℃程度、特に1秒につき10℃、融解温度(単数又は複数)に接近するときには、混合物の極めて大きな温度勾配に問題がある。従って、効果的な冷却を実施して熱暴走及び混合物の温度劣化を防止することは、非常に困難である。
【0014】
日東電工株式会社名義の特許文献1は、非常に固有な配置により、パドルミキサで樹脂を製造する装置及び方法を記載している。この文献は、タンク下端の材料の出力に関し、下端は、破砕前に合成樹脂の進行性の固化を制御するために冷却を使用した熱交換手段を備える湾曲した断面形状である。材料は、摩擦のみによって融解される。この文献は、ポリマー樹脂に特有のものであり、混合粉体を対象としておらず、供給原料の製造に不適当である。
【0015】
LOEDIGE MASCHINENBAU社名義の特許文献2は、金属又はセラミック粉末及び有機結合剤によって形成された、射出成形のための中間産物を製造するための方法を記載している。ミキサが、注入可能な粉末を得るために混合された材料の環を生成し、そして機械的処理を実行して、材料間の摩擦によって引き起こされる温度の増加以外のいかなる加熱もせずに、有機結合剤を融解する。
【0016】
ADVANCED MATERIALS TECH名義の特許文献3は、少なくとも95重量%のアルミニウム粉及び酸化物又は添加剤の混合物による焼結材料で、射出成形したアルミニウム合金を製造するための方法に関し、このような混合物のための非常に固有なパラメータを記載している。この文献は、材料を加熱する手段を記載していない。
【0017】
MORRIS ROBERT CRAIG名義の特許文献4は、固有のパラメータによる、特に非常に低温での、サーメット供給原料の製造を記載している。この製造は、回動システムを使用しないが、スクリュ押出機に供給をする追加タンクでの予混合を伴う。
【0018】
また、本発明の目的は、制御された収縮係数により再現性の高い品質の産物を得るために、セラミック又は金属を得る
混合を促進する、射出成形組成物に対して最適化された結合剤を提供することである。
【0019】
焼結性無機粉末及びポリマー有機結合剤を含有する成形セラミック部品を製造するための熱可塑性材料(供給原料)は、例えば特許文献5から、既に公知である。このポリマー有機結合剤は、ポリオキシメチレンの並びにポリオキシメチレン及びポリオキソランコポリマーの混合物から本質的に形成される。
【0020】
しかしながら、これらの供給原料には、例えば射出成形に不十分な流動性といった多くの欠点、及び亀裂又は層状化した成形形状を保持する製品に関する問題があることが分かった。これは、特に複雑な形状を有する部品の場合に顕著であった。また、これらの供給原料は、特に有機相の最終除去において、硝酸等の攻撃的な製品を使用する必要性によって引き起こされる環境問題の原因となる。更に、有機結合剤除去処理での水の使用は、供給原料に敢えて酸化する金属材料を含有させる場合に問題となる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の範囲でより具体的に用いられるセラミックと呼ばれる粉末は、
酸化物若しくはサーメット若しくは金属若しくは窒化物
の各要素の内少なくとも1つの要素を含む無機粉末又は少なくとも1つの上記要素
の化合物を含む無機粉末である。
【0034】
例えば、非限定的ではあるが、この無機粉末としては、ジルコニア又はアルミナ、炭化物又は窒化物等を挙げることができる。
【0035】
これらの要素又は酸化物を選択して、劣化のない、高い硬度、高い耐摩耗性、高い機械的応力耐性、及び経年劣化しない並外れた性能を確保する。
【0036】
樹脂又は可塑性材料等の使用する有機結合剤は、変形を回避するのに十分な耐性を依然として提供しながら、型に注入するのに十分な粘度で、この無機粉末をプレス又は射出成形作業に提供することを可能にする。
【0037】
以下で説明する混合手順を実施するための本発明によるミキサは多用途であり、
これらの実施例は、その潜在的用途を制限するものではない。例えば、「MIM」(金属射出成形)の実施も可能である。
【0038】
混合の目的は、均質なペーストを得るように結合剤(単数又は複数)で粉末の粒子を被覆することである。
【0039】
混合が完全なときには、この均質なペーストは、冷却後小型の塊になる。続いて、この小型の塊を破砕により破壊し、均質な組成及び較正された寸法の供給原料と呼ばれるペレットを得る。供給原料は、例えば、射出成形機に供給するためにすぐに使用できる状態である。
【0040】
本発明の特定の及び非限定的な実装形態では、ミキサ1を使用して、少なくとも1つの無機粉末と少なくとも1つの有機結合剤とを含むセラミック系供給原料ペレットを製造する。ミキサ1は、少なくとも1つのタンク2を備えている。少なくとも1つの混合手段3は、ミキサ1で移動可能で、対応するタンク2内に下げられるか又は図に示されるようにこのようなタンク2の底から突出している。
【0041】
ミキサ1は、流体がタンク2の二重壁を循環するか又はタンク2に浸されたコイル管を循環する等の、少なくとも1つの循環路を備えることが可能な熱交換手段4を備えている。
【0042】
ミキサ1は有利には、測定手段6及び製造される材料の種類に従った温度パラメータをメモリに記憶する手段7に接続された制御手段5を備えている。
【0043】
上記制御手段5は、熱交換手段4を介して、タンク2の温度、及びタンク2とタンク2外部の少なくとも1つの媒体との間の熱の交換を調節するように配設されている。
【0044】
最も簡略化された型式では、制御手段5は手動で制御され、そしてタンク2の各熱交換循環路に位置した温度プローブ又は手動若しくは自動でペースト内に入れられる温度計等の、測定手段6によって表示される情報に従って、各混合手段3の回転速度、並びに温度及び/若しくは流れ又は各熱交換循環路を制御する手段を備えている。
【0045】
より自動化された製造では、制御手段5は、「セラミック」と呼ばれる製造される各タイプの無機材料のための記憶された製造プログラムに従って、これらの動作を実行できる少なくとも1つのプログラム可能な自動制御システムを備えている。
【0046】
特に、これらの制御手段5は、設備の自動化の程度に従って、測定されたシャフト回転速度及び/又は小型の塊の流量の値、測定された小型の塊及び/又はタンクの温度と関連づけて、並びに、特に所定の産物の製造によって加えられる温度に対する、閾値と関連づけて、熱交換手段4を制御できる。記憶手段7に記憶された所定の産物のための全てのパラメータにより、有利には、あらゆる所望の時間調整を含む全製造サイクルを制御することが可能となる。
【0047】
本発明によると、熱交換手段4は、加熱手段41を備え、加熱手段41は、それを超えると所定の種類のセラミックに対応する混合物がペースト状となる低温TINFと、結合剤の分解を防止するために所定の種類のセラミックに対応する混合物をそれ未満に保つ必要がある高温TSUPとの間に含まれる温度に、タンク2及び/又はその内容物を加熱するように設けられている。
【0048】
この低温TINF及び高温TSUPは、所定の種類のセラミックに対応する混合物のために、記憶手段7のメモリに記憶される。ミキサ制御の手動型式では、記憶手段は、各段階の温度限界及び各段階の時間範囲を含む許容値を伴った、ミキサに装填される組成の配合表を含む集計表からなる。
【0049】
これらの加熱手段41は、第1接続部において、タンク2外部の第1熱交換及び混合温度保守循環路8とエネルギを交換する。第1循環路8の熱慣性は、混合物を満載したタンク2の熱慣性より大きい。好ましくは、第1循環路8の熱慣性は、2より大きな係数K1だけ大きい。
【0050】
加熱循環路のこの熱慣性の特性は本発明の本質的特徴であり、これによって非常に短いサイクル時間を得ることができる。
【0051】
タンク2及びその内容物の加熱は、従来技術の前提に反する。加熱は、平均温度に対する少ないばらつき、及び温度勾配の完全な制御を可能にする。高速で混合シャフトを回転させて、成分間の摩擦により成分の融解温度を得ることは、もはや必要ない。得られる製造出力はより均質となる。これは、焼結の間の収縮係数の完全な制御を意味するため、
最も重要である。この係数は混合の質に左右される。例えば、酸化ジルコニウム粉末ZrO2といった原料に基づくセラミックの製造に対して、従来技術では、各20kgの5つのバッチの1日の出力のために、1.2850と1.2920間の範囲の収縮係数を得ることが可能であった。一方、全ての条件を同一にして、本発明によるミキサ及び関連混合手順を実施することにより、1.2875と1.2895間の範囲、又はそれぞれ1.2880と1.2890間の範囲までこの係数を回復することが可能である。分散の相対振幅は、従来技術の1000分の5.4とは対照的にこの場合1000分の1.6、それぞれ1000分の0.8であり、即ち約3.5倍、それぞれ7倍であるため、この結果は優れている。従って、製造は再現可能である。
【0052】
図3、8に示される本発明の特定の実装形態では、熱交換手段4は、タンク2及び/又はその内容物を冷却する冷却手段42を備えている。これらの冷却手段42は、
図3、8に示されるように、加熱手段41とは異なる。この変形例では、冷却手段42は、第2接続部において、タンク2外部の周囲温度である第2循環路9とエネルギを交換する。第2循環路9の熱慣性は、混合物を満載したタンク2の熱慣性よりはるかに大きく、好ましくは2より大きい第2係数K2だけ大きくなる。加熱循環路についてと同様に、冷却循環路のこの熱慣性の特性は本発明の重要な特徴であり、これによって非常に短いサイクル時間を得ることができる。
【0053】
それぞれがタンク及びその内容物の熱慣性よりはるかに大きな熱慣性を有する加熱循環路及び冷却循環路の特定の使用は、一方では従来技術と比較して極めて大幅に減少させることが可能なサイクル時間の制御を、他方では温度勾配の制御を可能にする。つまり、外部循環路との熱交換によって確実となる温度の安定化は、結合剤を融解するための摩擦の使用に基づく、一般に1秒につき10℃以上であった、従来技術の制御不能な勾配を回避する。
【0054】
本発明は、高温で産物を制御することを可能にする。
【0055】
本発明はまた、要素の分解の不在による収縮の制御を確実にする。この分解の問題は、代表的な結合剤の融解温度(ワックスにおける50℃から、パラフィン等における165〜180℃)の範囲のために複雑となる。多くの要素の分解及び性質の損失点は融点に非常に近いことを理解する必要がある。そのため、約180℃の融解温度を有するパラフィンは、融点より20℃だけ高い約200℃で完全に分解し、1秒につき約10℃の勾配で制御するのは、明らかに不可能である。同じ現象がアクリル化合物にも当てはまる。従って、高温での(即ち、本発明が具体的に目的とするセラミック供給原料のための150〜200℃での)この制御は、再現可能な方法で質の高い産物を得るための基本となる。
【0056】
本発明の特定の実装形態では、制御手段5は、冷却手段42のみ又は加熱手段41のみを使用して、所定の時間でタンク2との熱交換を活性化するように、熱交換手段4を制御する。
【0057】
熱源又は冷却源と熱を交換するために交互に行われるタンクの単一の熱交換循環路の使用は、所望の温度曲線の実現を可能にする。2つの異なった循環路を有する第2実施形態は、循環路の1つをタンクに直接接続でき、はるかに大きな熱慣性を有する循環路と瞬間的に接触してタンク2を配することにより、タンク2が熱慣性の影響を克服することを可能にし、その結果、処理の円滑な実施をもたらす温度範囲内にタンクを急速に安定させ、従って、全体のサイクル時間を大きく減少させる。
【0058】
混合手段3は、非限定的ではあるが、好ましくは、タンク2の内側にパドル33及び/又はブレードを支える回転シャフト30を備えている。各混合するためのシャフト30は、好ましくは、変速機を制御する制御手段5に接続された無段変速機を取り付けたモータ31によって、ベルト等を介して駆動される。シャフト30は、好ましくは、制御手段5にシャフト30の実回転速度を伝達する回転速度計発電機63を装備する。
図2は、カンチレバー配置の、タンク2の下で駆動される混合用のシャフト30を示す。混合用のシャフト30は、タンク2を貫通している。上記シャフト30は、従来技術より高い回転速度に到達する必要が少ないならば、より大きなトルクを得るように、ベルト312等で連結したプーリモータ311の直径より大きな直径を有するプーリ310を装備する。
【0059】
図1〜3は、測定手段6に含まれるセンサで測定された、混合手段3の速度又はミキサ1によって変形する産物に関する少なくとも1つの情報、及びタンク2の又は上記産物の温度に関する少なくとも1つの情報に基づく、直接的又は間接的に混合用のシャフト30を駆動するモータ31の速度を制御し、そして加熱手段41の第1循環路8における、特に第1ポンプ81による熱交換率を制御する制御手段5の動作を示す。
【0060】
第2実施形態の特定の方法では、冷却手段42が第2接続部において第2循環路9とエネルギを交換するときに、制御手段5が同様に、冷却手段42の第2循環路9の第2ポンプ91に作用する。
【0061】
制御手段5はクロック51を備え、記憶手段7に入力された処理のためのパラメータに忠実に従うことを可能にする。
【0062】
測定手段6は、非限定的ではあるが、具体的に以下のセンサの全部又は一部を備える:
−好ましくはタンク2内にある又はタンクに可能な限り近い、加熱手段41の第1循環路8の温度センサ61。加熱手段41のみを備える第1変形例の場合には、1つのセンサが、好ましくは加熱システムの出力に配置され、別のセンサが、同じ循環路の入力に配置される;
−第2変形例の場合には、好ましくはタンク2内にある又はタンクに可能な限り近い、冷却手段42の第2循環路9の温度センサ62;
−混合シャフト30の回転速度を測定するための回転速度計発電機63;
−タンク内のペーストの運動を特徴づけるモーションセンサ64。特に、タンクの底等において車軸上に可動に設置されたウォームスクリュ又は歯車のための回転速度センサ;
−特に上記モーションセンサ64に接続される混合物又はペースト内部の温度センサ65;
−好ましくはタンク2の内面とちょうど同一平面の、好ましくはタンクの底に近い、タンク2の一内面上の少なくとも1つの(好ましくは2つの)温度プローブ66;
−好ましくはタンク2の底に近いシャフトの端部に向いた、混合用のシャフト30の温度センサ67;
−第1交換循環路8の大型タンクの温度センサ68;
−第2交換循環路9の大型タンクの温度センサ69。
【0063】
また、制御手段5は、第1循環路8に熱を加える(又は第1循環路8から熱を除去する)第1調節器82に作用してもよく、及び/又は第2循環路9から熱を除去する(又は第2循環路9に熱を加える)第2調節器92に作用してもよい。これらの第1及び第2調節器82、92は、発熱体及び/又は冷却ユニットを備えさせることができる。好ましくは、第1循環路8はオイルを搬送し、第2循環路9は水と不凍液等との混合物を搬送する。
【0064】
特定の実施形態では、ミキサ1は、このように装備されたいくつかのタンク2を備え、これらのタンクは、例えばホッパ等の供給器31によって原料が注入される上流タンクから、特に小型の混合塊の最終的な破砕の役割を果たす下流タンクに、互いに接続される。また、この下流タンクは、混合タンク及び破砕タンクとしての2つの機能を果たしてもよい。つまり、混合のための原料が、上流タンクから下流タンクに注入され、少なくとも1つの混合用のシャフトが適切な形状のパドル及び/又はブレードを使用して実際の混合を実行して、混合タンクでペースト状の塊を撹拌しそしてそれを切断及び分離する。最終的な破砕を、場合に応じて、この種の混合用のシャフト30によって、又は小型の凝固した塊を細分化するのに適したブレード22を装備する少なくとも1つの破砕用のシャフトによって、実行できる。必要に応じて、追加的な破砕器を、所望の粒度を得るために下流で使用してもよい。
【0065】
図は、単一のタンク2の非限定的な場合を示す。このタンクにおいて、混合処理が、原料の導入から「ケーキ」と呼ばれる冷却された混合塊の破砕まで、供給原料ペレット又は微粉末を得るために実行される。
【0066】
より具体的には、
図2に示されるように、シャフト30は垂直で、好ましくはいくつかの平行面に分散された、パドル33を特に備えている。
【0067】
パドル及び/又はブレードの配置は、好ましくは、小さな負荷及びより大きな負荷の両方に効率的であるように調整可能である。つまり、混合用のシャフト30全体を、連結器32で変化させるか、又は混合用のシャフト30がパドル若しくはブレードを支える一連のソケットを備えさせることができる。ソケットのパドル又はブレードは、
図3、4で確認できるような特定の構成を得るために互いに支持され、必要ならばスペーサ35によって分離される。例えば
図3、4では、シャフト30は、高位パドル34が上に存在する3セットの低位パドル33A、33B、33Cを備えている。実質的に平坦な高さのパドル又はブレードの配置が最も一般的であるが、特に大きな負荷に適した最高の高さのために、シャフトの軸に対する実質的な円錐エンベロープ内でパドル34又はブレードを使用することも可能である。用語「パドル」は、最初は原料、続いてペーストの混合のために特定の運動を可能にする形状を有する放射羽根を実質的に意味する。用語「ブレード」は、特にペースト状の塊を切断及び移動させるために鋭い先端を有する、より細い断面の同様の形状の羽根を意味する。しかしながら、鋭い端部はペースト用の駆動パドルより摩耗しやすいために、非生産的であると判明する恐れがある。この摩耗は、供給原料組成の精度に損害を与える汚染の原因となり、結果としていかなる鋭い端部にも製造の監視の増加が必要となる。有利には、タンクの底に最も近い「下位」パドル又はブレードは、タンクと同様の形状を採用するか、それ以外の場合には、円錐状、円環状又は球状の面に内接させてタンクの底でペーストを擦り落す機能を果たす。
【0068】
パドル及びブレードは、好ましくは、あるセットから次のセットまで角度をつけて並置される。つまり、様々なセットが、特に共鳴及びノイズの問題を防ぐために、異なる角度位置を有する様々な数のパドル又はブレードを備えさせることができる。
【0069】
2本のアームを有する別々のパドルの場合には、2つの隣接したセットが、約90°の角度で並置される。
【0070】
公知の方法では、パドル及び/又はブレード33は、好ましくは、シャフト30の軸直角平面に対して、僅かな入射角を有する。この入射角を、上に示されるようなソケットに取り付けられた1つのブレードセットを交換することによって非常に簡便に、又は大きな設備では、ペーストの運動によって引き起こされる摩耗を招きやすいが復帰機構を使用することによって調整してもよい。場合に応じて入射角をシャフトの回転方向に従って調整して、小型の塊をタンクの底へと押すか、又は反対に上昇させることができる。つまり、混合実施形態は、より多くの電力を確実に消費することになるが、ペーストをタンクの底から上昇させる傾向がある上位ブレードセットは混合を促進し、ペーストをタンクの底に向かって押し込む傾向がある下位ブレードセットは、特に処理の最終工程では、ペースト状の小型の塊が冷めた後に得られたケーキを細分するために有利である。
【0071】
また、混合用のシャフト30を垂直方向に取り除いた後、
図8に示すように、タンク2の底の溝39に設けられたウォームスクリュ37と垂直軸周辺に関節接続されたブレード36の組み合わせ動作によってケーキを破砕できる。続いて、破砕された供給原料ペレットが、ウォームスクリュの方向を逆転させサービングステーション38へ搬送することによって除去される。
【0072】
別の変形例では、微粉が得られるまで破砕が続けられる。この微粉は、下流の追加的な造粒プラントで変形する。即ち、造粒プラントで、最初に圧縮されて押出成形体を形成し、前進するにつれてペレットへと切り分けられる。
【0073】
各タンク2は、好ましくは、少なくとも1つの弁又は過圧排出オリフィスを備えた閉鎖手段を装備している。
【0074】
混合が実行されるタンク内側での熱交換により、以下が可能となる:
−温度の増加による、最大軟化温度閾値未満での一部の結合剤の軟化;
−約±2〜3℃のペースト内の温度分散での、ペーストの非常に優れた均質化;
−満載したタンクの熱慣性よりはるかに大きな熱慣性の第1熱交換及び混合温度保守循環路8を一定の温度に維持することによる、冷却手段のみを備えた従来技術のミキサでの1秒につき約10℃の勾配と比較して、混合物の成分の摩擦下で1分当たり3℃未満の値での、タンク内の小型の塊の温度勾配の制御。本発明の実施によって得られたこの低い温度勾配は、低速の混合を可能にする;
−特に、発熱反応が一部の結合剤要素間で発生するとき及び/又は混合速度があまりにも速いとき及び/又は混合物での若しくはパドル/ブレードとの若しくはタンクとの摩擦があまりにも大きいときの、温度の低下による、性質の劣化を防止するために定められた混合物に固有の最大閾値未満での、ペースト温度の維持;
−熱交換及び混合温度保守循環路の解放に従った温度の急低下による、凝固させるための、前もって混合した小型の塊の冷却。この温度の急低下を、熱交換手段4を第2周囲温度循環路9に接続することにより得てもよい。循環路9の熱慣性は、満載したタンクの熱感性よりはるかに大きい。
【0075】
少なくとも1つの混合用のシャフトの回転速度の制御により、以下が可能となる:
−減速による、上記の摩擦の減少;
−最終段階での減速による、「ケーキ」の形で凝固するまでの、小型の塊の漸進的な硬化;
−加速による、少なくとも1つの酸化物若しくはサーメット若しくは金属若しくは窒化物系要素又は少なくとも1つの上記要素の少なくとも1つの化合物の無機粉末の周囲への、結合剤要素の凝集の改善;
−加速による、供給原料ペレットを製造するための、ケーキの形で前もって凝固させた小型の塊の細分化。
【0076】
従って、熱交換手段及び混合速度の時間の経過に伴う挙動は、中間産物に固有のパラメータ、特にその粘度だけでなく、最終産物の質を決定する。この挙動を正確に管理することにより、ミキサのサイクル時間、従って、製造コスト及び設備の償却費が必然的に決定される。
【0077】
一般的に、温度及び混合速度の両方を各混合物に対する固有の限界値に維持するように努力する必要がある。
【0078】
また、ミキサ1は、タンク内側の小型の塊の活動速度を測定する手段を、例えば、タンク内側の塊に浸されたウォームスクリュ又は遊動輪等の可動部分60に装備してもよい。この可動部分の回転速度が、ペーストモーションセンサ64で測定され、そして有利には、小型のペースト状の塊の内部の温度が、ペースト温度センサ65で測定される。
【0079】
小型の塊の温度を測定する手段を、上記可動部分60か、及び/又はタンク2の底にタンク2の内部表面上の温度センサ66によって、及び/又は混合シャフト30周辺の、好ましくはタンク2の底に近接した下位部に温度センサ67によって構成できる。
【0080】
本発明はまた、以下の成分:
−35〜54容量%のポリマー基材;
−40〜55容量%のワックス混合物;
−約10容量%の界面活性剤
を含む、射出成形組成物のための特定の結合剤に関する。この組成物では、ポリマー基材は、エチレン及びメタクリル酸若しくはアクリル酸のコポリマー、又はエチレン及び酢酸ビニルのコポリマー、又は無水マレイン酸を含むエチレンのコポリマー、又はこれらのコポリマーの混合物並びにポリエチレン、ポリプロピレン及びアクリル樹脂を含有する。
【0081】
好ましくは、本発明の結合剤は、2〜7容量%の上記コポリマーの1つ又はこれらの混合物、約25容量%のポリエチレン、2〜15容量%のポリプロピレン及び6〜15容量%のアクリル樹脂を含む。
【0082】
好ましい方法によると、エチレン及びメタクリル酸のコポリマーは、3〜10重量%のメタクリル又はアクリルコモノマーを含有し、エチレン及び酢酸ビニルのコポリマーは、7〜18重量%の酢酸ビニルコモノマーを包含し、そしてエチレン及び無水物のコポリマーは、100〜110℃の融点を有するエチレン及び無水マレイン酸のランダムコポリマー又は130〜134℃の融点を有するHDポリエチレン及び変性無水物のコポリマーである。
【0083】
好ましくは、アクリル樹脂は、50000〜220000の分子量及び0.21〜0.83の粘度を有し、イソブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート及びN−ブチルメタクリレートのポリマー並びにイソブチルメタクリレート及びN−ブチルメタクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー又はこれらのポリマー及び/若しくはコポリマーの混合物を含む群から選択される。
【0084】
有利には、ワックスは、カルナウバワックス若しくはパラフィンワックス、若しくはパーム油、又はこれらの要素の混合物である。
【0085】
別の好ましい特徴によると、界面活性剤は、N,N’−エチレンビス−ステアルアミド若しくはステアリン酸及びパルミチン酸の混合物(ステアリン)又はこれらの要素の混合物である。
【0086】
本発明はまた、76〜96重量%の無機粉末及び4〜24重量%の以下の成分:
−35〜54容量%のポリマー基材;
−40〜55容量%のワックス混合物;及び
−約10容量%の界面活性剤
を含む結合剤を含む、金属又はセラミック状の部品の製造を目的とした射出成形組成物(供給原料)に関する。この結合剤のポリマー基材は、エチレン及びメタクリル酸若しくはアクリル酸のコポリマー、又はエチレン及び酢酸ビニルのコポリマー、又は無水マレイン酸を含むエチレンのコポリマー、又はこれらのコポリマーの混合物並びにポリエチレン、ポリプロピレン及びアクリル樹脂を含有する。
【0087】
特定の特徴によると、射出成形組成物の無機粉末を、酸化物、窒化物、炭化物若しくは金属粉末又は上記粉末の混合物を含む群から選択できる。好ましくは、無機粉末は、アルミナ粉末、酸化ジルコニウム粉末、炭化クロム粉末、炭化チタン粉末若しくは炭化タングステン粉末、タングステン金属若しくは窒化ケイ素粉末、ステンレス鋼粉末、チタン金属粉末又はこれらの粉末の混合物を含む群から選択される。
【0088】
射出成形組成物の好ましい実施形態によると、射出成形組成物は、以下のいずれかを重量%で含有する:
・76〜88%のアルミナ及び12〜24%の上述の本発明による結合剤;又は
・76〜88%のアルミナ、0.1〜0.6%の酸化マグネシウム及び12〜24%の本発明の結合剤;又は
・58〜86.5%の酸化ジルコニウム、3.9〜4.6%の酸化イットリウム、0.18〜18.5%のアルミナ及び9〜22%の本発明の結合剤;又は
・61.5〜84%の酸化ジルコニウム、3.9〜4.6%の酸化イットリウム、0.2〜9%のアルミナ、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化亜鉛若しくは上記酸化物の混合物を含むリストからの2〜5.5%の無機顔料、及び9〜22%の本発明の結合剤;又は
・88〜91%の炭化クロム若しくは炭化チタン及び9〜12%の本発明の結合剤;又は
・93〜96%の炭化タングステン若しくはタングステン金属及び4〜7%の本発明の結合剤;又は
・78〜85%の窒化ケイ素及び15〜22%の本発明の結合剤。
【0089】
ここで、本発明が、以下の非限定的な実施例によってより詳細に説明する。
【実施例】
【0090】
実施例1
結合剤のポリマー部分を(St. Gobain Zir Black等の)黒色酸化ジルコニウム粉末と約150℃の温度で混合して、プレミックスを生成する。上記プレミックスに、ワックス及び界面活性剤を添加した後、温度を約180℃まで更に上昇させて、一種の均質なペーストを形成する。次に、このペーストを凝固するまで冷却及び粒化し、公知の技術に従った射出による成形加工済部品の製造に使用することが可能な供給原料を形成するために保持する。
【0091】
この実施例1では、より具体的には、17.2kgのジルコニウム粉末(86重量%)及び2.8kgの結合剤(約14重量%)を、以下の容量組成:
−24%のHDポリエチレン;
−10%のポリプロピレン;
−(例えばデュポン社の「Nucrel(登録商標)」のような種類のメタクリル酸を6.5重量%有する)4%のエチレン及びメタクリル酸のコポリマー;
−(例えばLucite International社の「Elvacite(登録商標)2045」のような種類の)195,000の分子量を有する10%のイソブチルメタクリレートコポリマー樹脂;
−(例えばLucite International社の「Elvacite(登録商標)2046」のような種類の)165,000の分子量を有する1%のイソブチルメタクリレート及びN−ブチルコポリマー樹脂;
−11%のカルナウバワックス;
−(例えばAlpha Wax BV社の「Carisma 54 T(登録商標)」のような種類の)31%のパラフィンワックス;
−6%のN,N’−エチレンビス−ステアルアミド;
−(例えばStearine Duboisのような種類の)3%のステアリン酸及びパルミチン酸のミックス
で使用した。
【0092】
実施例2
上記実施例1と同種の供給原料を、黒色酸化ジルコニウムを白色酸化ジルコニウムに置き換えて調製する。以下に具体的に示すように、僅かに異なる量の結合剤の様々な成分を使用する:
−26%のHDポリエチレン;
−10%のポリプロピレン;
−4%のエチレン及びメタクリル酸のコポリマー;
−11%の「Elvacite 2045」樹脂;
−1%の「Elvacite 2046」樹脂;
−11%のカルナウバワックス;
−29%のパラフィンワックス;
−8%のN,N’−エチレンビス−ステアルアミド。
【0093】
実施例3
同じ有機結合剤要素を、僅かに異なる容量割合で再び使用することにより、他の供給原料を、様々なセラミック又は金属粉末で、より具体的には、以下の表のように1.19又は1.30(半透明)の収縮指数のアルミナ、又は炭化クロム若しくは炭化チタン、(様々な品質の)炭化タングステン及びタングステン金属で調製する。
【0094】
【表1】
【0095】
特に、
酸化物若しくはサーメット若しくは金属若しくは窒化物
の各要素の内少なくとも1つの要素を含む無機粉末又は少なくとも1つの
前記要素
の化合物を含む無機粉末と、少なくとも1つの有機結合剤
とを含む
混合物から、所定の種類のセラミックの供給原料ペレットを製造するための、本発明による
原料を混合する方法は、少なくとも以下の工程:
−混合物を、少なくとも1つの混合手段3を備えたミキサ1のタンク2に加える工程;
−熱交換手段4を第1熱交換及び混合温度保守循環路8に接続することによって、関連する混合物に固有の、それを超えると上記混合物がペースト状となる低温TINFと、関連する混合物に固有の、結合剤の分解を防止するためにそれ未満に上記混合物を保つ必要がある高温TSUPとの間に含まれる混合温度近辺の温度に、タンク2及びその内容物の温度を安定化させる工程;
−混合手段3を、700rpm以下の速度で動かす工程;
−混合物を、小型の均質な塊が得られるまで、混合する工程;
−温度の低下が認められたタンク2及びその内容物の高温安定処理を、関連する混合物に固有の、小型の均質な塊の特性を示す温度T5以上の温度で停止する工程
を含んで実行される。
【0096】
図2、6に示される変形例では、熱交換手段4が単一の加熱循環路を備えている。加熱循環路は、加熱手段41を備え、第1熱交換及び混合温度保守循環路8に接続されている。加熱手段41は、例えば、「HB Therm」といった種類の少なくとも1つの温度調節器を備え、5barの最大圧力下で、オイル、制御された温度を使用して、プラスの温度勾配又はマイナスの温度勾配を可能にする。この温度調節器を、引き続きタンク2の温度の低下を制御するために使用できる。
【0097】
本発明の特定の実装形態によると、タンク2及びその内容物の高温安定処理を、関連する混合物に対して固有の、小型の均質な塊の特性を示す温度以上の温度で停止する場合には、タンク2及びその内容物の温度を、自然に、又は熱交換手段を約20℃の第2周囲温度循環路に接続することにより低下させる。
【0098】
特に、ミキサ1が第2冷却循環路9を装備する場合、熱交換手段4を、約20℃の周囲温度のこの第2循環路9に接続して、温度を低下させることができる。
【0099】
タンク2は、好ましくは、混合物の何らかの汚染を防止するために、密閉蓋39を装備し、混合物の様々な要素の割合が維持されることを確実にする。
【0100】
本発明の別の特定の実装形態によると、上記の温度低下中又は温度低下後に、上記小型の塊を、100℃未満の温度で混合手段3の速度が700rpm以上のタンク2か、又はミキサ1に付設された破砕プラントで破砕する。
【0101】
高い回転速度を有する後者の実施形態の実装のために、タンク2は、有利には、ダイヤモンド又はガラス等の耐摩耗コーティングで内側が被覆されている。
【0102】
酸化ジルコニウム系セラミックの約5kgの塊(即ち約10リットルの容量)の製造単位の例に対する、ミキサ1の使用のための特定の順序を以下に提示し、以下の工程により、特に、低速、高速及び高温が何を意味しているのかを特定する:
−工程100:特に粉末及びポリマープラスチックを含む粉末及び構造剤の第1装填部分を、タンク2又は供給器21に直接装填する;加熱手段41の稼働及び冷却手段42の休止によって、125〜180℃、好ましくは約125℃の最大温度T0でタンク温度調節器を起動する;150〜300rpmのV0での混合シャフト30の回転を開始する。
−工程110:温度T1=145〜150℃、回転速度V1=300rpmに到達した後、特にワックス基材を含む結合剤装填残部を含む第2部分を装填する。
−変形例では、工程110を、300〜700回転数/分の速度V1で実行する。別の変形例では、この第2装填部分の装填後、工程115において回転速度制御を約700rpmで再開する。
−工程120:温度T2=160℃に到達した後に、シャフト30の回転を停止して、タンク2を検査のために開放し、必要に応じて壁及びパドル/ブレードを擦り落す(カメラを用いてこの検査段階を補助してよいが、汚染からの保護は困難である。タンク2内及びパドル33、34の破砕の最善の点検は、記憶手段7に記憶された参照製造の設定点値を参照して、トルク又はモータ31に吸収される力を測定することによって、実行できる)。
−工程130:回転を再開する;温度T3=168℃、回転速度V3=700rpmに到達した後に、シャフト30の回転を停止して、タンクを開放する;検査工程135;必要であれば工程136に従って、壁及びパドル/ブレードを擦り落す。
−工程140:回転を再開する;温度TINF=T4=170℃、回転速度V4=700rpmに到達した後に、混合を既定の時間D4だけ継続する。
−工程150:小型の塊の温度を測定する;この温度は、178〜185℃、特に約180℃のT5と、TSUP=T6=190℃との間に含まれる必要があり(試験工程155)、この温度範囲に到達するまで、混合を継続する。
−工程160:シャフト30の回転を停止して、加熱手段41を休止させ冷却手段42を稼働させることにより、冷却を行う。
−工程170:T7=150℃とT8=180℃との間の、好ましくは160℃以上の温度に到達した(試験工程175)後に、小型の塊を回転させて、パドル/ブレードの障害を除去する及び/又は剪断を改善する;タンクのセンサに表示される温度と、それより高い混合塊の温度との間に、20℃程度の重大な差が発生し得るため、熱慣性を点検しなければならない;段階160と170との間の時間間隔は、全サイクル時間と比較して長く、特に約10分とすることができる。
−工程180:300〜700rpm、好ましくは約700rpmのV9で時折発生する回転により「ケーキ」を形成し、T9=95℃とT10=110℃との間の温度に冷却する;この冷却は、第1変形例では、温度調節システムを冷却モードに切り替えることによって、1分につき約−2℃のマイナス勾配で、又は第2変形形態では、加熱手段41を休止させ冷却手段42を稼働させることによって、実行される。
−工程190:汚染がないことの点検、及び汚染がある場合の回転の完全停止。続いて工程195:「ケーキ」切断の手作業による仕上げ。
【0103】
酸化ジルコニウム系セラミックの約10kgの塊(即ち約20リットルの容量)の製造単位での変形例では、最適な出力のためにパラメータを以下のように変化させる:
−工程100:好ましくは約180℃の温度T0及び約150〜189rpmの速度V0;
−工程110:115での、350rpm未満、好ましくは300rpm未満の速度V1;
−工程130:約300rpmの速度V3;
−工程140:約300〜350rpmの速度V4;
−工程180:約300rpmの速度V9。
【0104】
以下の工程は、「ケーキ」切断、破砕手段及び摩耗に対するタンク2保護手段に関するミキサ1の装備に依存する。
【0105】
特定の手段が提供されない場合には、ケーキから切断されたブロックは手動で除去され、破砕は追加的な手段で実行される。
【0106】
タンク2が摩耗から保護する内部コーティングを装備するときは、以下の工程が、混合タンクで直接実行されてもよい。
−工程200:700rpmを超えるV11、特に1000rpmを超える速度での破砕;この速度は装備によってのみ制限され、特に、10000rpmに到達してよい。
−工程210:シャフト30の回転の停止。
−工程220:V12=2000rpm未満及びT12=85℃未満での排出;100rpmの高速化によって、一般に産物を粉末状にする;このような産物は、特にスクリュ押出又は排出によって容易に再加工でき、特に上記粉末をスクリュで圧縮することによって形成された本体を切断することにより、ペレット等にされる。
−有利には、押出機又はペレット切断機の出力で、様々な大きさのペレットが生成される。射出成形機に供給するために使用する場合、射出成形機内で瓦状に重ねることができるため、更に下流においては様々な量が有利である。この結果、多大な時間節約を達成できる。例えば時計の中央部分用のセラミック混合物に関して、25秒であったものが18秒となる。
【0107】
5kg装填のこの例では、全モータサイクル時間は20〜30分、全冷却時間は15〜30分、そして全排出時間は5〜15分である。
【0108】
本方法は具体的には、76〜96重量%の無機粉末及び4〜24重量%の以下の成分:
−35〜54容量%のポリマー基材;
−40〜55容量%のワックス混合物;及び
−約10容量%の界面活性剤;
を含む結合剤を含む、金属又はセラミック状の部品の製造を目的とした射出成形組成物(供給原料)のために実施される。この結合剤のポリマー基材は、エチレン及びメタクリル酸若しくはアクリル酸のコポリマー、又はエチレン及び酢酸ビニルのコポリマー、又は無水マレイン酸を含むエチレンのコポリマー、又はこれらのコポリマーの混合物並びにポリエチレン、ポリプロピレン及びアクリル樹脂を含有する。
【0109】
この種の順序は、特に、構造マトリクスを形成している50容量%の材料、流動化マトリクスを形成している42%の材料及び界面活性剤マトリクスを形成している8%の材料をそれ自体含む、14質量%の結合剤を含む原料の混合に適している。
【0110】
本方法は具体的には、特に以下の成分:
−35〜54容量%のポリマー基材;
−40〜55容量%のワックス混合物;及び
−約10容量%の界面活性剤
を含む、本発明による上述の複数の種類の結合剤のうちの1つを使用して実施される。この結合剤のポリマー基材は、エチレン及びメタクリル酸若しくはアクリル酸のコポリマー、又はエチレン及び酢酸ビニルのコポリマー、又は無水マレイン酸を含むエチレンのコポリマー、又はこれらのコポリマーの混合物並びにポリエチレン、ポリプロピレン及びアクリル樹脂を含有する。
【0111】
ミキサ1と共に使用される、上で定義したこの動作範囲により、従来技術によって発生する多くの問題を防止でき:
−あらゆる温度勾配が制御され、正確なものとなり;
−混合物及び小型の塊の温度の増加が、ここではTSUP=T6=190℃に等しい、既定の最大閾値に厳しく制限され;
−小型の塊の冷却を可能にする熱交換手段の結果として、冷却時間が減少し;
−タンクを介して小型の塊の加熱又は冷却を可能にする熱交換手段の結果として、シャフトの回転が停止したときに、小型の塊の温度を、所定の値に維持でき;
−タンクの温度が小型の塊の温度に正確に近似され(この小型の塊の温度は、浸されたセンサを用いて、つまり手動検査によって又はロボットアームで動作するセンサを用いて、非常に適確に決定される);
−要素の常温予混合の間の、パドルの回転速度の低速制御の結果として、混合物内の粉末が、加熱の間タンクの壁に付着せず;
−調節によって、タンクの壁及びパドル/ブレードの摩耗を制限でき、これによって汚染が大きく減少し、装備の摩耗の進行が非常に遅くなり;
−閉鎖されたタンクを用いて処理を実行でき、特にカメラによる光学監視によって、タンクの壁を擦り落す何らかの必要性を決定でき、タンクは、温度の漸増及びペーストの回転速度の制御により、理論上、従来技術より詰まらなくなり;
−小型の塊の混合の均質化は十分であり、結果として、供給原料ペレットが、射出成形の間、同一の再現可能な挙動を呈し;
−駆動、加熱及び冷却のための電力消費が減少する。