特許第5957068号(P5957068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957068
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】防波堤構造物及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/14 20060101AFI20160714BHJP
   E02B 3/06 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   E02B3/14
   E02B3/06 301
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-262771(P2014-262771)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-132156(P2015-132156A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2014年12月25日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0003236
(32)【優先日】2014年1月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514180720
【氏名又は名称】ソク−ムン,キム
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ソク−ムン,キム
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−318610(JP,A)
【文献】 特開2000−336629(JP,A)
【文献】 特開2000−352080(JP,A)
【文献】 実開平05−087020(JP,U)
【文献】 国際公開第2004/081292(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04−3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底に設置され、上面に所定の間隔で離隔して配列されるように多数の溝が形成される底プレートと、
複数の柱が格子形状を成す底フレームと、前記底フレームの周囲で複数の柱が垂直に形成されてなる側面フレームと、前記底フレームの上側を覆うように周囲が前記の側面フレームの上段に連結され、複数の柱が格子形状を成す上部フレームと、前記底フレーム、側面フレーム及び上部フレームの間に形成される空間部を有し、多数が前記底プレート上に配列及び積層される単位ブロックと、
柱形状からなり、前記単位ブロックの上部フレーム及び底フレームの格子の間のホールを貫いて下段が前記底プレートの溝に挿入固定されることによって前記単位ブロックの水平流動を制限できる多数の固定体を含む、防波堤構造物。
【請求項2】
前記単位ブロックの底フレーム、側面フレーム及び上部フレームは、それぞれ円柱で構成され、前記固定体は、円柱形状からなることを特徴とする、請求項1に記載の防波堤構造物。
【請求項3】
前記固定体は、外面に長さ方向に長く形成されて相互所定間隔で離隔する多数の凹部を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の防波堤構造物。
【請求項4】
前記単位ブロックの最上層を覆うカバープレートをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の防波堤構造物。
【請求項5】
前記固定体は、上段が前記単位ブロックの最上層の上部に露出され、前記カバープレートの下面に結合されることを特徴とする、請求項4に記載の防波堤構造物。
【請求項6】
前記カバープレートは、下面に前記固定体の上段が付着した形態で一体形成されることを特徴とする、請求項4に記載の防波堤構造物。
【請求項7】
請求項5の底プレート、単位ブロック、固定体及びカバープレートをそれぞれ成型して現場に運ぶ段階と、
前記底プレートを海底に設置する段階と、
前記底プレートの上面に多数の単位ブロックを安着配列し、多層に積層する段階と、
前記積層された単位ブロックの格子の間のホールに前記固定体をはめ込んだ後、前記固定体の下段を前記底プレートの溝にはめ込んで固定させる段階と、
前記カバープレートを前記固定体の上段に安着結合させて前記単位ブロックの最上層を覆う段階を含む、防波堤構造物施工方法。
【請求項8】
請求項6の底プレート、単位ブロック及び固定体をそれぞれ成型して現場に運ぶ段階と、
前記底プレートを海底に設置する段階と、
前記底プレートの上面に多数の単位ブロックを安着配列し、多層に積層する段階と、
前記積層された単位ブロックの格子の間のホールに前記固定体の下段をはめ込んだ後、前記固定体の下段を前記底プレートの溝にはめ込んで固定させる段階と、
前記単位ブロックの最上層の上側に型枠を設置し、コンクリートを打設した後、養生して下面に前記固定体の上段が付着した形態態にカバープレートを成型することによって前記単位ブロックの最上層を覆う段階を含む、防波堤構造物施工方法。
【請求項9】
海底に設置され、上面に所定の間隔で離隔して配列されるように多数の突出部が形成される底プレートと、
複数の柱が格子形状を成す底フレームと、前記底フレームの周囲で複数の柱が垂直に形成されてなる側面フレームと、前記底フレームの上側を覆うように周囲が前記の側面フレームの上段に連結され、複数の柱が格子形状を成す上部フレームと、前記底フレーム、側面フレーム及び上部フレームの間に形成される空間部を有し、多数が前記底プレート上に安着配列される第1単位ブロックを含み、前記第1単位ブロックの底フレームの格子の間のホールに前記底プレートの突出部がはめ込まれることによって前記第1単位ブロックの水平流動が制限される、防波堤構造物。
【請求項10】
前記第1単位ブロックの上側に多層に積層される第2単位ブロックと、柱形状からなり、前記第2単位ブロックの上部フレーム及び底フレームの格子の間のホールを貫いて下段が前記底プレートの突出部と固定されることによって前記単位ブロックの水平流動を制限できる多数の固定体を含む、請求項9に記載の防波堤構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防波堤構造物及びその施工方法に関し、さらに詳細には施工が容易でかつ消波性能に優れる防波堤構造物及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
防波堤構造物は、港湾または漁港の近辺に設置される構造物であって、外海から押し寄せる波浪エネルギから港内の棚やその他施設を保護する役割を果たす。このような防波堤構造物は、海岸線の長さ、波高、地盤の特性などの様々な要素を考慮して設計され、波に対する消波機能及び経済性の側面を共に満足させる方式を適切に選択して施工する。
【0003】
一般的に防波堤構造物は、ある程度の波を防ぐことができる高さに設置し、防波堤が設置される区間の内海と外海を遮断させることによって内海を保護する方法が主に使用されている。しかし、このような方法は内海に海水を閉じ込めるため、高くなり、海水の流出入が円滑に行われないため、内海側の海水が汚染され、各種汚物が積もり、酷い場合は悪臭が発生する問題があり、これによって内海側の干潟や海底の生態系が破壊される問題点があった。さらには、防波堤構造物にあたった海水に反発力が発生し、相次いで押し寄せる海水が加わり、さらに大きいエネルギで防波堤構造物に当たるため、その結果、波高がますます高くなり、防波堤を越えて内海に入り、被害を与える場合も発生する問題があった。
【0004】
一方、このような問題点を解決するため、海水が流通できるようにする多様な構造の防波堤が提案されている。その一例として韓国登録特許第770238号による「防波堤構築用の単位ブロック」を利用した防波堤構造物が開示されている。しかし、このような「単位ブロック」を利用した防波堤構造物は、海水流通が可能で、かつ優れた消波性能を有する長所があるが、その施工方法において水の中で単位ブロックの突起と溝をはめ合わせて積層しければならないため、正確に結合され難い問題があった。また、単位ブロックを積層、結合する途中に結合部位が破損する場合が多く発生し、外海からの波浪エネルギが高い場合、ブロック全体のサイズに比べて突起が相対的に小さいため、揚力によって分離される問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたものであり、消波性能に優れ、かつ施工が容易な防波堤構造物を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した本発明の目的は、海底に設置され、上面に所定の間隔で離隔して配列されるように多数の溝が形成される底プレートと、複数の柱が格子形状を成す底フレームと、前記底フレームの周囲で複数の柱が垂直に形成されてなる側面フレームと、前記底フレームの上側を覆うように周囲が前記の側面フレームの上段に連結され複数の柱が格子形状を成す上部フレームと、前記底フレーム、側面フレーム及び上部フレームの間に形成される空間部を有し、多数が前記底プレート上に配列及び積層される単位ブロックと、柱形状からなり、前記単位ブロックの上部フレーム及び底フレームの格子の間のホールを貫いて下段が前記底プレートの溝に挿入固定されることによって前記単位ブロックの水平流動を制限できる多数の固定体を含む防波堤構造物を提供することによって達成される。
【0007】
本発明の好ましい特徴によれば、前記単位ブロックの底フレーム、側面フレーム及び上部フレームはそれぞれ円柱で構成され、前記固定体は円柱形状からなる。
【0008】
本発明の他の好ましい特徴によれば、前記固定体は外面に長さ方向に長く形成されて相互所定の間隔で離隔する多数の凹部を有することができる。
【0009】
本発明のまた他の好ましい特徴によれば、前記単位ブロックの最上層を覆うカバープレートをさらに含み得る。
【0010】
本発明のまた他の好ましい特徴によれば、前記固定体は上段が前記単位ブロックの最上層の上部に露出され、前記カバープレートの下面に結合され得る。
【0011】
本発明のまた他の好ましい特徴によれば、前記カバープレートは下面に前記固定体の上段が付着した形態で一体形成され得る。
【0012】
また、前述した本発明の目的は、海底に設置され、上面に所定の間隔で離隔して配列されるように多数の突出部が形成される底プレートと、複数の柱が格子形状を成す底フレームと、前記底フレームの周囲で複数の柱が垂直に形成されてなる側面フレームと、前記底フレームの上側を覆うように周囲が前記の側面フレームの上段に連結され、複数の柱が格子形状を成す上部フレームと、前記底フレーム、側面フレーム及び上部フレームの間に形成される空間部を有し、多数が前記底プレート上に安着配列される第1単位ブロックを含み、前記第1単位ブロックの底フレームの格子の間のホールに前記底プレートの突出部がはめ込まれることによって前記第1単位ブロックの水平流動が制限される防波堤構造物を提供することによっても達成され得る。
【0013】
ここで、防波堤構造物は、前記第1単位ブロックの上側に多層に積層される第2単位ブロックと、柱形状からなり、前記第2単位ブロックの上部フレーム及び底フレームの格子の間のホールを貫いて、下段が前記底プレートの突出部と固定されることによって前記単位ブロックの水平流動を制限できる多数の固定体を含み得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明による防波堤構造物によれば、海水の流れが遮断されない構造を有するため、港内の環境汚染を防止することができる。
【0015】
また、本発明による防波堤構造物によれば、垂直、水平方向への曲面形状が繰り返される構造からなり、波の方向転換及び摩擦エネルギの生成が有利である。
【0016】
また、本発明による防波堤構造物によれば、上下に固定体がはめ込まれる方式であるため、施工が容易で、かつ堅固に固定することができる。
【0017】
また、本発明による防波堤構造物によれば、固定体の直径、数量及び固定体間の距離調節が簡単であるため、最適の防波堤の設計が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による防波堤構造物の斜視図である。
図2図1に示す防波堤構造物の分解斜視図。
図3図1に示す防波堤構造物の単位ブロックの斜視図である。
図4A図1に示す防波堤構造物の固定体の斜視図である。
図4B図1に示す防波堤構造物の固定体の斜視図である。
図5図1に示す防波堤構造物の単位ブロックに固定体が挿入されること示す図である。
図6図1に示す防波堤構造物の設置状態を示す図である。
図7】本発明の他の実施形態による防波堤構造物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では本発明の実施形態に係り、添付する図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が、発明を簡単に実施できる程度に詳細に説明するためであり、これによって本発明の保護範囲が限定されることを意味するものではない。また、本発明のいくつかの実施形態を説明することにおいて、同じ技術的特徴を有する構成要素に対し、同じ符号を使用する。
【0020】
図1から図5を参照して本発明の一実施形態による防波堤構造物について説明する。図示するように、本発明の一実施形態による防波堤構造物は、底プレート100、単位ブロック200、固定体300を含み、カバープレート400、基礎ブロック500をさらに含み得る。
【0021】
底プレート100は、図5に図示するように、海底に設置され、防波堤構造物の基礎を成す。底プレート100は上面に多数の溝110が形成さ、溝110は互いに所定の間隔で離隔して配列され、溝110には固定体300の下段が挿入固定される。
【0022】
底プレート100は、海底の床面に直接設置され、海底の床面の地形が不安定な場合は水平設置するための別途の基礎ブロック500が設けられる。このような底プレート100及び基礎ブロック500はコンクリート材質からなるが、これに限定されず、多様な材質が適用され得る。
【0023】
単位ブロック200は、底プレート100の上側に複数が積層配列され、防波堤構造物の本体を成す。単位ブロック200は、図3に図示するように、全体的に六面体の形状を有し、内部に海水が通過できるように格子形状の構成と内部の空間部(図示せず)を有する。単位ブロック200は、複数が積層配列され、互いに積層された単位ブロック200は固定体300によって固定される。この際、単位ブロック200は互いに一列配列され、積層され得、必要に応じてジグザグ配列され、積層されることもできる。
【0024】
このような単位ブロック200は、底フレーム210、側面フレーム220、上部フレーム230からなり、底フレーム210は単位ブロック200の床面を成し、複数の円柱が格子形状からなる。側面フレーム220は底フレーム210の周囲に形成され、底フレーム210に垂直に形成され、底フレーム210と同じように円柱からなる。上部フレーム230は、底フレーム210と同じ形態の複数の円柱が格子形状を成し、底フレーム210の上側すなわち、側面フレーム220によって形成される単位ブロック200の内部空間部(図示せず)の上方を覆うように形成される。
【0025】
単位ブロック200の上部フレーム230及び底フレーム210の格子の間のホール(図示せず)には固定体300が貫通される。したがって、それぞれの単位ブロック200は固定体300によって側面からの外力によって水平流動されることが防止され得る。
【0026】
したがって、本発明の一実施形態による防波堤構造物は、単位ブロック200が本体を成し、単位ブロック200は複数の円柱が格子形状を成して構成され、内部の空間部を形成させることによって単位ブロック200の空間部を通して海水が円滑に流通され得、円柱が水平、垂直に網のように互いに連結されているため、3次元方向に不規則に流動する波のエネルギを四方に変えることによって効果的に減衰させ得る。また、水平、垂直方向に曲面の形状をなすことによって波の方向を効果的に分散させると共に摩擦エネルギを効果的に生成させる。
【0027】
また、単位ブロック200が固定体300によって水平移動が制限されるため、防波堤構造物が安定的に維持され得る。
【0028】
固定体300は、図2に図示するように柱形状からなり、底プレート100の溝110に挿入固定され得る。このような固定体300は、図4Aに図示するように、単なる円柱の形状を有し、図4Bに図示するように、基本的に円柱形状からなるが、外面に長さ方向に長く多数の凹部310が形成され得る。この際、多数の凹部310は、互いに所定の間隔で離隔して形成されが、固定体300の凹部310の断面は半円形状からなる。したがって、外海から押し寄せる波浪エネルギは凹部310によって容易に方向転換がされると共にエネルギが減衰され得る。
【0029】
固定体300は、単位ブロック200の内部を貫くが、単位ブロック200が複数が積層された場合、それぞれの単位ブロック200の上部フレーム230の格子の間のホールを貫いて底フレーム210の格子の間を通過することによって複数の単位ブロック200を固定させる。この際、設置される場所の特性によって設計値を変更できるが、のような設計値によって固定体300の直径、数量及び固定体300間の距離が変更される。
【0030】
例えば、波高及び波力が低い場所では固定体300の直径を小さくしたり固定体300間の距離を大きくすることで流通する海水の量を増やすと共に孔隙率を高め、設置費用を節減することができ、波高と波力が高い場所では固定体300をさらに細かく設置することによって波浪エネルギの減衰力を高めることができる。一方、このような固定体300は一つの長い柱からなり、場合によって複数の短い柱が連結される形を有し得る。
【0031】
固定体300は、単位ブロック200を貫いて、側面流動を制限することによって防波堤構造物の安全性を向上させ得、また縦方向の円柱形状の固定体300によって上下方向の水が移動できるガイド形態の構造となり、防波堤の体積空間を利用して波のエネルギを減衰させることによって波浪エネルギの減衰効率を向上させ得る。
【0032】
また、固定体300のサイズ及び数量などの変更が容易であるため、設置場所に応じる設計変更が容易であり、単位ブロック200の間に固定体300を貫通させる簡単な作業により設置できるため、容易な防波堤構造物の施工が可能である。
【0033】
カバープレート400は単位ブロック200の上方を覆うように形成される。この際、カバープレート400は単位ブロック200の最上層の上部で自体の重量で単に安着される方式で結合され得、他の方法としては、カバープレート400の下側に複数の穴(図示されないこと)が形成され、固定体300の上部がはめ込まれる方式で結合される。また他の方式としては、固定体300を最上段の単位ブロック200の上方に突出するようにした後、単位ブロック200の最上層の上側に型枠を形成した後、コンクリート打設及び養生することによって固定体300の上段が付着したカバープレート400の下面に付着した形態態で成型されることもできる。
【0034】
基礎ブロック500は、図5に図示するように、底プレート100の設置の際、海底の床面が不安定な場合に設置される部材であって、海底の床面に固定され、上面に底プレート100が安着できるように平たい構造からなる。このような基礎ブロック500の下側には海底の床面に固定される突出部510が形成される。
【0035】
図6を参照して本発明の一実施形態による防波堤構造物の施工方法について説明する。本発明の一実施形態による防波堤構造物の施工方法は、底プレート100、単位ブロック200、固定体300及びカバープレート400をそれぞれ成型し、現場に運ぶ段階と、底プレート100を海底に設置する段階と、底プレート100の上面に多数の単位ブロック200を安着配列し、多層に積層する段階と、積層された単位ブロック200の格子の間のホールに前記固定体300をはめ込んだ後、前記固定体300の下段を底プレート100の溝110にはめ込んで固定させる段階と、カバープレート400を固定体300の上段に安着結合させ、単位ブロック200の最上層を覆う段階を含む。
【0036】
本発明の一実施形態による防波堤構造物を施工する場合、まず、底プレート100、単位ブロック200、固定体300及びカバープレート400をそれぞれ成型して現場に運ぶ。次に、海底の床面に施工のための基礎ブロック500を設置するが、この過程は海底床面の状態よって省略できる。
【0037】
次に、基礎ブロック500または海底の上面に底プレート100を安着させる。このような底プレート100の上面には複数の溝110が形成され、溝110には複数の固定体300が垂直な方向にはめ込まれて固定される。
【0038】
次に、底プレート100の上面に複数の単位ブロック200が一列またはジグザグ配列され、積層される。この際、単位ブロック200は設計の高さに応じて様々な層に積層され、設置される。
【0039】
次に、複数の固定体300が積層された単位ブロック200の上方から下方に貫くように設置されるが、この際、固定体300の下段は底プレート100の溝110に挿入固定される。
【0040】
次に、積層された単位ブロック200の最上段にカバープレート300を安着結合させることによって設置が完了し、これで防波堤構造物としての機能を遂行する。
【0041】
一方、施工方法の他の例として、カバープレート400を固定体300と一体成型できるが、具体的にはカバープレート400を成型して運ばず、施工過程中にカバープレート400を成型する方法がある。
【0042】
この際、前述した段階のうち積層された単位ブロック200の最上段にカバープレート300を安着結合させる段階を省略し、その代わり、固定体300の上側に型枠を設置した後、コンクリートを打設した後養生し、固定体300の上段が下面に付着する形態でカバープレート400を成型することによって単位ブロック300の最上層を覆う段階が追加される。
【0043】
図7を参照して本発明の他の実施形態による防波堤構造物について説明する。本発明の他の実施形態による防波堤構造物は底プレート100、第1単位ブロック200’を含み、第2単位ブロック200''、固定体300、カバープレート400、基礎ブロック500をさらに含み得る。ここで、底プレート100、第1単位ブロック200’、第2単位ブロック200''、固定体300、カバープレート400、基礎ブロック500は前述した本発明の一実施形態による防波堤構造物の底プレート100、単位ブロック200、固定体300、カバープレート400、基礎ブロック500と技術的特徴がほぼ同様であるため、詳細な説明は省略し、違いがある部分についてのみ説明する。
【0044】
底プレート100は海底の床面に設置され、防波堤構造物の基礎となる。底プレート100の上面には、図7に図示するように、複数の突出部120が形成され、突出部120は第1単位ブロック200’の底フレーム210の格子の間のホールにはめ込まれる。
【0045】
第1単位ブロック200’は前述した本発明による一実施形態の単位ブロック200と同じであり、ただし、底プレート100の上側に複数の層に積層されず、一つの層を成すように配列され、底フレーム210に底プレート100の突出部120がはめ込まれることによって水平流動が制限されるという違いがあるだけである。
【0046】
第2単位ブロック200''は、前述した本発明による一実施形態に単位ブロック200と実質的に同様であり、ただし、第1単位ブロック200’の上側に配列、積層される単位ブロック200を第2単位ブロック200''と命名したものである。
【0047】
このような本発明の他の実施形態による防波堤構造物を施工する方法について説明する。本発明の他の実施形態による防波堤構造物を施工する方法は、本発明の一実施形態による防波堤構造物の施工方法と大きく変わらない。ただし、第1単位ブロック200’が一つの層として積層され、この際、第1単位ブロック200’に底プレート100の突出部120がはめ込まれるようにするという点おいて違う。また、第1単位ブロック200’の上方に配列、積層される単位ブロック200を第2単位ブロック200''と命名した点と、固定体300が底プレート100の突出部120と固定されるという点において違いがあるだけである。
【0048】
一方、前述した本発明の他の実施形態による防波堤構造物が波高が低いところに設置される場合、第2単位ブロック200''とカバープレート400なしで設置されることもできる。
【0049】
このような過程によりユーザは本発明による防波堤構造物を施工することができる。すなわち、海水の流れを遮断しないため、港内の環境汚染を防止することができ、垂直、水平方向にの曲面形状が繰り返される構造からなり、波の方向転換及び摩擦エネルギの生成に有利な防波堤構造物を施工することができる。
【0050】
また、上下に固定体がはめ込まれる方式であるため、施工が容易で、かつ堅固に結合することが可能であり、固定体の直径、数量及び固定体間の距離調節が容易で、かつ固定体の密度調節が容易な防波堤構造物を施工することができる。
以上で本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の特許請求の範囲から外れず、多様に変形して実施できるであろう。
【符号の説明】
【0051】
100:底プレート
200:単位ブロック
300:固定体
400:カバープレート
500:基礎ブロック
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7