特許第5957079号(P5957079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957079
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】スライドファスナー用止部の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A44B 19/36 20060101AFI20160714BHJP
   A44B 19/60 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   A44B19/36
   A44B19/60
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-522049(P2014-522049)
(86)(22)【出願日】2012年7月20日
(65)【公表番号】特表2014-521422(P2014-521422A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】EP2012064344
(87)【国際公開番号】WO2013014108
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2014年1月23日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2011/062952
(32)【優先日】2011年7月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100192474
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 健次
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(72)【発明者】
【氏名】福山 貴博
(72)【発明者】
【氏名】明和 優介
(72)【発明者】
【氏名】石井 隼人
(72)【発明者】
【氏名】古里 太
(72)【発明者】
【氏名】林 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】マッシミリアーノ ディ ジロラミ
(72)【発明者】
【氏名】山縣 将通
【審査官】 西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−125737(JP,A)
【文献】 米国特許第02884691(US,A)
【文献】 特開昭54−146143(JP,A)
【文献】 実開昭58−098810(JP,U)
【文献】 特開昭62−148116(JP,A)
【文献】 特開2011−177514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 19/36
A44B 19/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続ポスト(12)により横方向中間位置で相互に一体的に連結される上側プレート(10)および下側プレート(11)を包含する、スライドファスナー(1)のための止部(4)の製造方法であって、
記上側プレート(10)の上側及び下側が平坦であり、前記下側プレート(11)前記接続ポスト(12)から離れる方向に傾斜する一対の脚部(11a)を有し、前記一対の脚部(11a)が前記上側プレート(10)の方向に向く端部フランジ(13)をそれぞれ有する断面形状のバー状のワイヤー部材(200)を連続的に成形するワイヤー部材成形工程と、
前記ワイヤー部材(200)から複数の前記止部(4)が得られるように、前記ワイヤー部材(200)を所望の長手方向サイズに切断するワイヤー部材切断工程と、を包含し、
前記上側プレート(10)が無変形状態であって、前記下側プレートの前記一対の脚部(11a)のみを変形させることにより、前記止部(4)がファスナーテープ(2,6)に圧着され、
前記止部(4)が前記ファスナーテープ(2,6)に圧着された後の状態において、前記上側プレート(10)と前記一対の脚部(11a)との間にファスナーテープ(2,6)が保持される、止部の製造方法
【請求項2】
前記止部(4)が前記ファスナーテープ(2,6)に圧着された後の状態において、前記下側プレート(11)の下側が平坦となるように前記下側プレート(11)が成形される、請求項1に記載の止部の製造方法
【請求項3】
前記止部(4)が前記ファスナーテープ(2,6)に圧着された後の状態において、前記下側プレート(11)の各脚部(11a)の上側が、それぞれの前記端部フランジ(13)から前記脚部(11)の基端部分に向けて延在する傾斜面(11d)を有するように、前記下側プレート(11)が成形される、請求項1または請求項2に記載の止部の製造方法
【請求項4】
前記傾斜面(11d)は、前記ワイヤー部材成形工程において、上側プレート(10)の下面に対して平となるように成形される、請求項に記載の止部の製造方法
【請求項5】
前記ワイヤー部材切断工程の前に、前記上側プレート(10)の前記上側面(10a)の平坦面にロゴまたはデザイン刻印する刻印工程を更に包含する、請求項1〜のいずれかに記載の止部の製造方法
【請求項6】
前記下側プレート(11)の下側面(11b)に凹凸部材(20)が形成される凹凸部材形成工程を更に包含し
前記止部(4)の前記上側プレート(10)に確定された上縁部(10t)および下縁部(10b)を識別することを可能にする、請求項に記載の止部の製造方法
【請求項7】
前記凹凸部材形成工程において、前記凹凸部材(20)が前記止部(4)の一端部の縁部(11t)に形成される、請求項に記載の止部の製造方法
【請求項8】
前記凹凸部材形成工程において、所定方向に対して傾いた傾斜面(20a)を前記凹凸部材(20)が有するように、前記凹凸部材(20)が形成される請求項6または請求項7に記載の止部の製造方法
【請求項9】
前記ワイヤー部材切断工程において、前記上側プレート(10)側に配置される切断プレス部材(301)と、前記下側プレート(11)側に配置され、前記止部(4)の所望の長手方向サイズと等しい長さの孔を備えて、前記切断プレス部材(301)と協働するダイ(302)と、により前記ワイヤー部材(200)は切断され、
前記上側プレート(10)の前記上側面(10a)が尖鋭な上縁部および下縁部(10t,10b)を有し、前記下側プレート(11)の前記下側面(11b)が丸い上縁部(11f)および下縁部(11g)を有する、請求項のいずれかに記載の止部の製造方法
【請求項10】
請求項のいずれかに記載の止部の製造方法により製造された止部(4)が所定の態様で方向付されているかどうかを検出する方法であって、
前記止部(4)の前記下側面を光学的にスキャンし、前記凹凸部材(20)の位置によって前記上縁部(10t)および下縁部(10b)が所定の相対位置に配置されているかどうかを判断できるようにする信号を提供することを包含する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドファスナーのスライダの摺動を停止させるための、スライドファスナー用止部の製造方法に関連する。
【0002】
より詳しく述べると、本発明は、接続ポストにより横方向中間位置で相互に連結される上側プレートおよび下側プレートを包含するスライドファスナー用止部に関連し、止部は、それぞれのコアまたはコードを備えるファスナテープの側方部分に圧着されるためのものである。
【0003】
本発明はまた、このような止部が装着されるスライドファスナーに関連する。
【0004】
この説明および添付の請求項では、上側プレートと下側プレートとを有する止部に言及される。「上側」プレートおよび「下側」プレートにより、衣服その他に使用される際にそれぞれその外側および内側に面する止部のプレート部材が意味される。
【0005】
以下では、使用時にスライダの移動方向に対して本質的に垂直である縁部を指すため、止部、すなわちその上側プレートの「上縁部」および「下縁部」にも言及される。すなわち、「上縁部」はファスナエレメントまたは務歯に対向する縁部であり、「下縁部」は反対方向に面するものである。
【背景技術】
【0006】
米国特許出願番号US2008/0115337A1は、かなり複雑な形状を有するスライドファスナー用下端止部を開示しており、上側プレートの下面は下側プレートの方を向くフランジを備え、下側プレートの上面は上側プレートの方を向くフランジを同様に備えている。
【0007】
上記の米国出願に開示されている第1実施形態では、上側プレートの下面はさらに、下側プレートの上面から上向きに突出する対応の突部の方へ下向きになった突部を備える。
【0008】
このような先行技術のスライドファスナー用止部は一般的に、ダイカストにより製造され得る。
【0009】
上記の米国出願に開示されている第2実施形態では、文字、マーク、および/またはデザインなどの装飾を備えるのに適した上方平坦面を上側プレートが有する。
【0010】
上記の米国特許出願に開示されているすべての止部で、使用時に例えば衣服の内側になる下側プレートの下面は、かなり凹凸があって深い中央溝が刻まれた全面を有し、それが止部の滑らかな感触を妨げることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1の目的は、かなり単純な断面形状を有するが顕著な保持強度を保証するスライドファスナー用止部を提供することである。
【0012】
本発明の第2の目的は、例えば衣服その他に使用される時に、使用時に滑らかな感触のするスライドファスナー用止部を提供することである。
【0013】
本発明の第3の目的は、長手方向配向の自動化検出を可能にする止部を提供することである。
【0014】
本発明の第4の目的は、改良止部を備えるスライドファスナーを提供することである。
【0015】
本発明の第5の目的は、このような止部の製造のための改良方法を提案することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、スライドファスナーのテープへの装着の点から見て底部止部が正しく配向されているかどうかを検出するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
接続ポストにより横方向中間位置で相互に連結される上側プレートおよび下側プレート、を包含する、スライドファスナーのための止部の製造方法であって、
側プレートの上側及び下側が平坦であり、下側プレート接続ポストから離れる方向に傾斜する一対の脚部を有し、一対の脚部が上側プレートの方向に向く端部フランジをそれぞれ有する断面形状のバー状のワイヤー部材を連続的に成形するワイヤー部材成形工程と、
ワイヤー部材から複数の止部が得られるように、ワイヤー部材を所望の長手方向サイズに切断するワイヤー部材切断工程と、を包含し、
上側プレートが無変形状態であって、下側プレートの一対の脚部のみを変形させることにより、止部がファスナーテープに圧着され、
止部がファスナーテープに圧着された後の状態において、上側プレートと一対の脚部との間にファスナーテープが保持される、
止部の製造方法によって、上述した第1の目的が本発明により達成される。
【0018】
このような止部はかなり単純な断面形状を有し、圧延により半加工ワイヤー部材を成形してから成形ワイヤー部材を所望のサイズの止部に切断することによる複数の止部の製造を可能にする。
【0019】
使用状態では下面が実質的に平坦となるように下側プレートが成形される上記の止部によって、上述した第2の目的が本発明により達成される。
【0020】
ゆえに、止部の下側プレートの下面も使用時には実質的に平坦であるので、止部は全体として完全に滑らかな心地よい感触を与える。
【0021】
本発明の一態様によれば、上側プレートの上側面は実質的に平坦であって、ロゴまたはデザインなどの装飾がこれに付着されることを可能にする。
【0022】
本発明の別の態様によれば、下側プレートの各脚部の近位部分は、接続ポストに隣接して凸状突部を形成する。
【0023】
このような構成は、上側および下側プレートとポストとにより画定されるテープ収納受容部においてファスナテープのコア(コード)と接続ポストとの間での間隙の形成の回避を可能にする。ゆえに、より確実かつ密接にテープエッジがここに包囲される。
【0024】
本発明のまた別の態様によれば、下側プレートの各脚部の上面は、それぞれのフランジから脚部の近位部分まで延在する傾斜面を有する。
【0025】
この構成は、使用の際に圧着状態のテープエッジの弱化を回避可能にしており、止部からファスナテープを引き抜こうとする、ファスナテープが受ける応力に対する抵抗を与える。
【0026】
上で予想されるように、本発明の重要な態様によれば、半加工ワイヤー部材を圧延することにより止部が形成されると好都合であるが、従来のダイカスト技術によってこのような止部を製造することも可能である。
【0027】
上側プレートの上面の下の表面に形成される凹凸部材を有して、止部の上側プレートに確定される上縁部および下縁部を識別することを可能にする下止部によって、上述した第3の目的が本発明により達成される。
【0028】
凹部または凸部であるとよいこのような凹凸部材は、下側プレートの接続ポストと反対の側で、例えば、止部の一端部のエッジ位置、好ましくはその下側プレートに、より好ましくは下側プレートの中心に形成されるとよい。
【0029】
このような凹凸部材は、所定方向に対して傾いた傾斜面を備えると好都合であり、スライドファスナーのテープへの装着の点から見て底部止部が正しく配向されているかどうかを検出するため、例えばCCDカメラにより容易に検出されることが可能である。
【0030】
本発明による止部が装着されるそれ自体周知のデザインのスライドファスナーによって、上述した第4の目的が本発明により達成され、止部の上側プレートの下面は実質的に平坦であり、下側プレートの脚部は上側プレートと協働してファスナテープを間に保持する。
【0031】
半加工ワイヤー部材を所望の断面形状に圧延して、圧延ワイヤー部材を止部のサイズに切断すること、
を包含する、複数の止部を形成するための方法によって、上述した第5の目的が本発明により達成される。
【0032】
下止部の裏側部分に凹凸部材が形成される方法によって、上述したさらに別の目的が本発明により達成され、裏側部分が自動的に走査されて凹凸部材を検出し、止部の上縁部および下縁部が所定の相対位置に配置されているかどうかを判断できるようにする信号を提供する。
【0033】
横方向水平軸に対して対称的であるデザインまたはロゴを備える止部部材がファスナテープへの装着という点から見て正しく配向されているかどうかを評価するのに、このような方法は特に有益である。
【0034】
本発明のさらなる目的、特徴、態様、長所は、添付図面を参照して純粋に非限定的な例として挙げられた以下の説明から明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による止部を備えるスライドファスナーの部分的上面図である。
図2】スライドファスナーのテープに付着される本発明による止部を示す部分的斜視図である。
図3】スライドファスナーのテープに圧着される前に示された本発明による止部の横方向断面図である。
図4】スライドファスナーのテープに圧着された後の図3の止部を示す横方向断面図である。
図5】本発明による止部の製造のための、ワイヤー部材を圧延する装置の概略図を示す。
図6】本発明による方法で複数の止部を形成する圧延ワイヤー部材の切断作業を図示する斜視図である。
図7】本発明による止部の代替的実施形態の斜視底面図である。
図8図7の実施形態による止部の製造のための装置の概略図である。
図9図8の装置で製造された図7による止部の長手方向断面図である。
図10】間違って配向された図7および9による種類の止部を検出するための装置の概略図である。
図11図7および9による下止部を備えるスライドファスナーの部分的上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は端止部に関連する。図面では下止部のみが見られるが、本発明による止部は、所望であれば両端部に止部を有するクローズドスライドファスナーで使用されてもよい。
【0037】
図1および2には、一対のファスナストリンガとスライダ3と下端止部4とを包含するそれ自体周知の種類のスライドファスナー1が示されている。
【0038】
ファスナストリンガは、長さ方向の側方縁に装着される複数のファスナエレメントまたは務歯5を有するそれぞれのテープ2を包含する。
【0039】
スライダ3はファスナエレメント5の通過を可能にし、これによりスライダがエレメント5上を摺動するとこれを係合/解離させる。
【0040】
下端止部4はスライドファスナー1の下端部側に位置し、最下部ファスナエレメント5に隣接して装着される。この下端止部4は、スライダ3がファスナエレメント5から下向きに滑落するのを防止する。
【0041】
ファスナエレメント5は、スライドファスナー1の長さ方向に所定のピッチで固定される個別の要素で構成される。好適な例としては、ファスナエレメント5は単体タイプか連続的線形ジグザグタイプであるとよく、その材料は金属または樹脂であるとよい。
【0042】
下端止部4は金属で製作され、ファスナテープ2の一つの側方縁に形成されるコア部分6に圧着することによって装着される。
【0043】
図2図4を参照すると、本発明による止部4は、接続ポストまたはステム12により横方向中間位置で相互に連結される上側プレート10および下側プレート11を包含する。
【0044】
上側プレート10の上面10aは実質的に平坦であることが好ましい。
【0045】
従来通り、止部4の上面10aは文字、マーク、ロゴ、デザインなどの装飾を備えることが可能である。このような装飾は、製造プロセス中に止部4に打抜き加工されるか他の方法で刻印され得る。
【0046】
止部4の上側プレート10にこの装飾を設けるための技術として、レーザ彫刻も使用され得る。
【0047】
特に図3および5に見られるように、下側プレート11は接続ポスト12から下向きに傾斜して、上側プレート10の方を向くそれぞれのフランジ13を備える二つの脚部11aを形成する。
【0048】
脚部11aはそのエッジから上側プレート10の方向に変形可能であって、図2および4に示されているようにファスナテープ2のコア6を間に圧着させる。
【0049】
ファスナテープへの付着に先立って、止部4の下側プレート11は、変形または「密閉」された後、つまり使用状態で、図2および4に示されているようにその下側面11bが実質的に平坦であるように成形される。
【0050】
装飾を支承する可能性のある上側プレート10を変形させずに、成形脚部11aのみに圧力を印加することによって、止部4がファスナテープ2に装着され得る。
【0051】
使用状態において、止部4の上面10aと下面11bの両方が実質的に平坦であるという事実のため、止部4は全体として、先行技術による止部よりも相対的に滑らかである快適な感触を持つ。このような滑らかな感触は、衣服その他での使用時に内側となる下側プレート11の下側面11bとの関係で特に関心が高いものである。
【0052】
上記から予測されるように、上側プレート10の下面は本質的に平坦であり、この下面は下側プレート11の方へ突出するフランジを何も有していない。この特徴は必要な材料を少なくして、止部の製造をより簡単にする。
【0053】
止部の装着プロセスの間に上側プレート10が曲げられないので、その上面に設けられる可能性のある装飾は保護されて一定のままである。
【0054】
図3および4を再び参照すると、各脚部11aの近位部分は接続ポスト12に隣接して凸状突部11cを形成する。この突部11cは、脚部が接続ポスト12から延出する箇所で各脚部11aの上面に形成される。
【0055】
特に図4に見られるように、テープ2のコア6に止部4が装着された時に、コア6は、ファスナの面を幾分外れて下向きに動かされる。
【0056】
テープ2のコア6は実質的に円形の形状であるので、突部11cが存在しないと、接続ポスト12とこのコア6との間に間隙が形成され得る。凸部11cはこの生じ得る間隙を実質的に「充填」して、コア6をより良好に所定位置に保持し、テープ2を止部4から引き抜こうとした時に脚部11aの残部を支持する。
【0057】
すでに上述したように、脚部11aの先端には、上側プレート10の方に上方を向いて対応のコア6およびテープ2を所定箇所に保持するそれぞれのフランジ13が設けられている。各フランジ13の上部は、二つの隣接する本質的な平坦面11d,11eを介して関連の突部11cに結合している。
【0058】
表面11eは、関連の脚部11aの下面11bと実質的に平行である最下面または底面である。
【0059】
図4に示された止部4の変形使用状態において、表面11dは、連続して表面11eと結合する平坦傾斜面としてフランジ3から伸張し、表面11eは、止部4の上側プレート10および下側プレート11と実質的に平行である。
【0060】
突部11cは、接続ポスト12の基部と表面11eとの交点にある。
【0061】
全体として、突部11cの表面と本質的に平坦な表面11d,11eとは、実質的に台形の断面輪郭を有する一種の溝を画定する。この台形状輪郭は、対応するテープ2の変形コア6を囲繞して、周囲に自由間隙が残らないことを保証するように協働し、移動を制限するとともに強力な把持を保証する。
【0062】
本発明による止部の弁別的特徴は、圧延プロセスで半加工鋼線を適切に成形することによる製造をその横方向輪郭が可能にすることである。この技術は金属の品質の容易な制御を可能にし、ダイカストのような従来の技術では金属を加熱および冷却する必要性によるクラッキングによって引き起こされることのある製品の局所的な脆弱性を回避する。
【0063】
図5を参照すると、それ自体周知の圧延装置によって、ファスナテープへ圧着される前の本発明による止部の断面輪郭に対応する最終的な断面形状を取るように、半加工金属ワイヤーが連続的に成形される。
【0064】
図5に部分的かつ概略的に示された上方および下方ローラ100,101と側方ローラ102など適切な形状のローラを使用して、このような塑性変形が実行され得る。
【0065】
このような圧延プロセスの結果は、ファスナテープへの付着の前における所望の止部の横方向断面を有する連続バー200(図6)である。
【0066】
その後、このような圧延ワイヤー部材またはバー200から複数の止部4が得られるように、これが止部のサイズに切断される。
【0067】
圧延プロセスを促進および改良することを目指して、止部4に滑らかな表面のみが設けられるように配慮されて、圧延ワイヤー部材が加圧ローラアセンブリから自由に出られることを保証する。図5を参照すると、上側プレート10の上下面は実質的に平坦で、フランジや他の突部が設けられていないことが理解できる。さらに、傾斜面11dは、上側プレート10の下面の面に対して本質的に平行であるか、若干の角度を成している。
【0068】
上述した方法により得られる止部4がその上側プレート10に装飾を備える場合には、複数の個別止部に切断される前に、バー200の上面にこのような装飾が彫刻されるか、他の方法で設けられる。
【0069】
代替例として、バー200からの切断の後で個別止部4にそれぞれの装飾が設けられてもよい。
【0070】
本発明による底部止部の別の実施形態が、図7および11を参照してこれから説明される。
【0071】
図7および11では、図1図6に関連してすでに説明された部品には、前に利用されたのと同じ参照番号が再び付与されている。
【0072】
特に図7に示されている下止部4は、止部のために確定された「上部」および「下部」の自動化検出を可能にするさらなる改良を表している。
【0073】
上面または前面10aにロゴおよび/またはデザインを備える止部4が設けられる(または設けられる予定である)時に、ロゴおよび/またはデザインが水平軸を中心として対称である場合には、止部の前面の上縁部および下縁部を識別することは特に重要ではない。
【0074】
しかしそうでない場合には、ファスナテープへ装着される前に止部4が面するべき方向を確定することが必要になる。
【0075】
図7図11を参照してこれから説明される実施形態は、この問題を解決することをねらいとする。
【0076】
図7に示された底部止部4は、上側プレート10の前面10aの上縁部10tとその下縁部10bとの区別を可能にするような形状および位置を持つ構造20をその裏側部分に備えている。
【0077】
例として図11を参照すると、前面10aの上縁部10tにより、ファスナエレメントまたは務歯5に隣接する面10aのエッジであることが意味され、下縁部10bにより、反対方向に向く表面10aのエッジであることが意味される。
【0078】
図7に示されているように、構造20は概して凹凸状の部材または表面部分で、具体的には凹部である。
【0079】
代替的実施形態では、凹凸部材20は凸部でよい。
【0080】
凹凸部材20は、接続ポスト12と反対側において、図7に示されているように特に下側プレート11の縁部分11tの中心で、止部の縁部分に設けられると好都合である。
【0081】
図面に示された実施形態では、凹状の凹凸部材20は本質的に溝の形状であり、多かれ少なかれ平行な二つの側面20bの間に延在する傾斜面部分20aを含む。
【0082】
図面に示された実施形態では、止部4の前面または上側面10aに直交する方向に対して傾斜面20aが傾いている。
【0083】
図11に示されているように、止部4がファスナテープ2に付けられた時にエレメントまたは務歯5に隣接して止部の上端部となる止部4の端部に、凹凸部材20が設けられることが好ましい。止部4の上端部分は概して視認が困難で、凹凸部材20のエッジまたは突端が接触しているものを傷付ける可能性を低下させるため、この解決法は有益である。
【0084】
図8は、図9に示されているように各止部4の上側プレートの前面10aに彫刻されるロゴおよび/またはデザイン40を作成するのに適した成形面300aを備える第1プレス部材300を包含する、図7による止部の製造のための例示的装置を示す。
【0085】
図8の装置は、上方打抜き切断プレス部材301と、止部4の所望の長手方向(上部から底部)サイズと等しい長さLを有する孔302aを備える、協働する下方切断プレス部材またはダイ302とをさらに包含する。
【0086】
ダイ302は、止部4に設けられる凹凸部材20に対して本質的に補足的な形状を有する突部302cを除いて概ね平坦である上面302bを有する。
【0087】
突部302cはダイ302の孔302aにすぐ隣接しており、これにより孔は、高さまたはレベルが若干異なる第1尖鋭切断エッジ302dと第2尖鋭切断エッジ302eとを有する。この切断エッジは、距離Lだけ長手方向に分離されている。
【0088】
上方プレス部材301は、本質的に距離Lだけ長手方向に分離された長手方向に対向する打抜き/切断エッジ301d,301eを備える概ね平坦な下面301aを有する。
【0089】
図8の装置は、本質的には、図6を参照してすでに開示された方法にしたがって作動し、ワイヤー部材200から複数の止部4を得るように、ワイヤー部材が止部の側面で順に打抜き/切断される。
【0090】
すなわち、止部4を切断するには、図8に示されたような位置でワイヤー部材200が打抜き/切断プレス部材301および協働するダイ302に対して配置されるため、その先頭端部200aは、図8でεと記された少量だけダイの切断エッジ302dを越えてダイの上面302bより上に延在する。
【0091】
次にプレス部材301がダイ302の方へ動かされ、止部4がワイヤー部材200から打抜かれるか切断される。このプロセスでは、薄い廃棄「スライス」が鋼線200の先頭部分から切除され、続いて打抜かれるか切断されて次の止部4を形成することになる鋼線200の「次の」先頭部分に凹凸部材20が作成される。
【0092】
こうして、各打抜き/切断ステップで新たな止部4が形成され、それぞれの凹凸部材20は直前の打抜き/切断ステップで設けられている。
【0093】
各打抜き/切断作業の前に、上述したのと同じ位置、つまり孔302の切断エッジ302dを量εだけ長手方向に越えて、プレス部材301およびダイ302に対して鋼線200の先頭端部が配置される。
【0094】
こうして、各打抜き/切断ステップで、余剰材料の薄い廃棄「スライス」がワイヤー部材200の先頭端部から切除される。
【0095】
このような切断プロセスにより、こうして得られた止部4が尖鋭な上方の上縁部10tおよび下縁部10b(図9)を確実に備えることになる。
【0096】
上述のプロセスはまた、こうして得られた止部4の下方の上縁部11fおよび下縁部11g(図9)が代わりに丸くされるようなものでもよい。
【0097】
しかし、プレス部材301とダイ302との間でのワイヤー部材200の位置を逆転することにより、止部の前面10aの上縁部10tおよび下縁部10bに丸い切断面が得られて、下方の上縁部11fおよび下縁部11gに尖鋭な切断面が得られてもよい。
【0098】
上記の打抜き/切断プロセスにより、止部4の前面へのロゴおよび/またはデザイン40の作成が、ワイヤー部材200から止部4が分断される前または後に実行され得る。各止部4がワイヤ部材200から打抜き/切断されている間にこれにロゴおよび/またはデザイン40を彫刻するのに適した成形面もプレス部材301が備えているとよい。
【0099】
最後に、図10は、ファスナのストリンガへの止部4の装着の前に、列の各下止部4が正しい位置に配向されているかどうかを識別するためのプロセスの簡易図を示す。
【0100】
図10において、供給装置(示されていないがそれ自体周知である)から対応のスライドファスナーへ止部を装着するための機構まで、右から左に止部4の列が流れることが想定されている。CCDカメラなど周知のタイプのセンサ400が、流れている止部4の列を走査して正しく配向されているかどうかを判断するのに使用される。図10では、最も右の底部止部4が間違って配向されており、センサ400により提供される信号からこれが検出される。その目的のため、センサ400は比較的安価な光センサである。間違った配向の止部4の凹凸部材20の傾斜面20aに衝突する光線は、斜面による光線の偏向のため、センサの集束/検知点に戻らない。
【0101】
当然であるが、発明の原理は同じままにして、添付の請求項に規定される発明の範囲を逸脱せずに、上に説明されて図面に図示されたものに関して様々な詳細が変更されてもよい。
【0102】
ゆえに、例えば、上側プレート10の上面に付加的な異なる材料が装着されてもよい。
【0103】
コーティングまたは着色の追加と除去のいずれかによる金属へのめっき作用によって、異なるデザインが作成され得る。
【0104】
上側プレート10の上面10aは全体が平坦である必要はない。
【0105】
止部の製造に使用される金属については、アルミニウムおよびアルミニウム合金、銅および銅合金、亜鉛および亜鉛合金が検討されると好都合である。アルミニウム(またはアルミニウム合金)と銅(または銅合金)は、請求項に記載の方法での使用に最も好都合である。
【0106】
止部の形状は、デザインのある上面を基に外形が形成されてもよい。
【0107】
金属の「塑性流動」による止部の脚部の不要な変形を防止するため、請求項に記載の方法で圧延後の半加工ワイヤー部材を切断する前にロゴまたはデザインが刻印されると、止部に打抜かれるロゴまたはデザインの良好な品質が達成され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11