(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
赤道上空の静止軌道に配置された静止衛星を観測する観測地点において前記静止衛星の方位及び仰角をそれぞれ示す観測地点衛星方位及び観測地点衛星仰角を検出する静止衛星位置検出装置であって、
半円状の外周部を有し、角度測定の基準となる第1の角度中心点から前記半円状の外周部の頂点に向かう方向が真北及び真南のいずれか一方に向かう方向に配置され、前記観測地点衛星方位を示すための第1の分度器と、
前記観測地点の経度に対応する点を頂点とする半楕円状の外周部を有し、角度測定の基準となる第2の角度中心点から前記半楕円状の外周部の頂点に向かう方向が前記一方に向かう方向に配置され、赤道における前記静止衛星の方位を示すための第2の分度器と、
前記第1及び前記第2の角度中心点を回転中心として回転し、前記第1及び前記第2の分度器が示す方位を読み取るための方位読取線と、前記方位読取線に沿って前記回転中心をゼロとし前記観測地点衛星仰角を示す仰角目盛と、を有する方位読取スライドと、
予め計算により求められた前記観測地点衛星方位及び前記観測地点衛星仰角に基づいて描かれた仰角曲線であって、前記方位読取線が前記第1の分度器の所定の方位に合わせられたとき、前記方位読取線に沿った前記回転中心からの距離が前記所定の方位にある静止衛星の観測地点衛星仰角と対応するよう描かれた仰角曲線を有する仰角曲線表示盤と、
を備え、
所定の静止衛星の赤道上の方位が前記方位読取線により前記第2の分度器において設定されると、前記所定の静止衛星の観測地点衛星方位が前記方位読取線により前記第1の分度器において示され、前記所定の静止衛星の観測地点衛星仰角が前記方位読取線と前記仰角曲線との交点として前記仰角目盛により示されることを特徴とする静止衛星位置検出装置。
前記第2の分度器は、前記観測地点の緯度をθ°で表すとき、地心を通る軸を基準として赤道面をθ°だけ回転させて得られる前記観測地点を頂点とする半円弧に対し、前記半円弧の中心線をCOS(90°−θ°)に相当する比率だけ縮小した形状に相似する分度器であることを特徴とする請求項1に記載の静止衛星位置検出装置。
赤道上空の静止軌道に配置された静止衛星を観測する観測地点において前記静止衛星の方位及び仰角をそれぞれ示す観測地点衛星方位及び観測地点衛星仰角を検出する静止衛星位置検出装置を実現するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータを、
半円状の外周部を有し、角度測定の基準となる第1の角度中心点から前記半円状の外周部の頂点に向かう方向が真北及び真南のいずれか一方に向かう方向に配置され、前記観測地点衛星方位を示すための第1の分度器、
前記観測地点の経度に対応する点を頂点とする半楕円状の外周部を有し、角度測定の基準となる第2の角度中心点から前記半楕円状の外周部の頂点に向かう方向が前記一方に向かう方向に配置され、赤道における前記静止衛星の方位を示すための第2の分度器、
前記第1及び前記第2の角度中心点を回転中心として回転し、前記第1及び前記第2の分度器が示す方位を読み取るための方位読取線と、前記方位読取線に沿って前記回転中心をゼロとし前記観測地点衛星仰角を示す仰角目盛と、を有する方位読取スライド、及び、
予め計算により求められた前記観測地点衛星方位及び前記観測地点衛星仰角に基づいて描かれた仰角曲線であって、前記方位読取線が前記第1の分度器の所定の方位に合わせられたとき、前記方位読取線に沿った前記回転中心からの距離が前記所定の方位にある静止衛星の観測地点衛星仰角と対応するよう描かれた仰角曲線を有する仰角曲線表示盤、
として機能させるためのプログラムであり、
所定の静止衛星の赤道上の方位が前記方位読取線により前記第2の分度器において設定されると、前記所定の静止衛星の観測地点衛星方位が前記方位読取線により前記第1の分度器において示され、前記所定の静止衛星の観測地点衛星仰角が前記方位読取線と前記仰角曲線との交点として前記仰角目盛により示されることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0014】
(第1実施形態)
まず、本発明に係る静止衛星位置検出装置の第1実施形態における構成について説明する。
【0015】
なお、以下の説明において、静止衛星を観測する観測地点は日本国内とする。また、観測地点における静止衛星の方位及び仰角を、それぞれ、観測地点衛星方位及び観測地点衛星仰角と呼ぶ。また、観測地点衛星方位は、一般に、真北を0°、真東を90°、真南を180°、真西を270°とし、真北を基準とした方位で表されるが、本実施形態では、使用者に直感的に認識させ易くするため、真西を0°、真南を90°、真東を180°、真北を270°とし、真西を基準とした方位で表す。
【0016】
図1に示すように、本実施形態における静止衛星位置検出装置1は、持ち手10、観測地方位指示盤20、衛星方位指示盤30、仰角曲線表示盤40、方位読取スライド50、方位磁石14、固定部15を備えている。
【0017】
図示の例では、持ち手10の上面に、順次、観測地方位指示盤20、衛星方位指示盤30、仰角曲線表示盤40、方位読取スライド50が重ねられ、これらは互い固定部15によって固定されている。ただし、各構成要素は、完全に固定されているわけではなく、固定部15を回転中心として回転可能な程度に固定されるのが望ましい。以下、各構成要素について、
図2〜
図6を用いて説明する。
【0018】
まず、持ち手10について説明する。持ち手10は、
図2に示すように、細長い矩形の板状に形成された本体11と、本体11の長手方向に沿って描かれた基準線12と、基準線12上の所定の位置に形成され固定部15(
図1参照)が挿入される貫通孔13と、本体11の面上に固定された方位磁石14と、を備えている。
【0019】
方位磁石14は、中心軸14aと、中心軸14a回りに回転自在に支持された磁針14bと、文字盤14cと、磁針14bを磁北に向けるための磁北目印14dと、を備えている。また、方位磁石14は、持ち手10の基準線12上に中心軸14aが位置し、文字盤14cに表示された南北方向が基準線12と一致するよう持ち手10に固定されている。なお、方位磁石14及び磁北目印14dは、方向検出手段の一例である。
【0020】
磁北目印14dは、観測地点における偏角(偏西角又は偏東角)を補正するための目印である。図示のように、磁針14bのN極が磁北目印14dを指す状態においては、持ち手10の基準線12と磁針14bが指向する方向とがなす角度αは、偏角に相当する。
図2では、角度αは偏西角に相当する。
【0021】
次に、観測地方位指示盤20について説明する。観測地方位指示盤20は、
図3に示すように、半円状の外周部21と、貫通孔23と、を有し、角度測定の基準となる角度中心点22から半円状の外周部21の頂点24に向かう方向が真南(南半球では真北)に向かう方向に配置されるようになっている。この観測地方位指示盤20は、観測地の緯度、経度に関わらず使用可能なものである。なお、観測地方位指示盤20は、第1の分度器の一例であり、例えば、市販の分度器で構成することもできる。また、観測地方位指示盤20の形状は半円状に限定されず、例えば円形であってもよい。
【0022】
半円状の外周部21には、最小角度を0.5°とした角度目盛が付されている。角度目盛に沿って、真西を基準とした西基準方位目盛数字25と、真東を基準とした東基準方位目盛数字26と、が記載されている。例えば、衛星方位設定対象のパラボラアンテナが、初期状態で西を向く形式のものでは西基準方位目盛数字25を採用し、東を向く形式のものでは東基準方位目盛数字26を採用することができる。例えば、西基準方位目盛数字25を用いる場合には、0°は真西、90°は真南、180°は真東を示す。
【0023】
貫通孔23は、角度中心点22を中心として形成され、固定部15(
図1参照)が挿入されるようになっている。
【0024】
次に、衛星方位指示盤30について説明する。衛星方位指示盤30は、観測地点の緯度に応じて観測地点及び地心を含む観測地点平面に赤道面を投影した形状に基づいて形成されたもので、
図4を用いて説明する。
【0025】
図4に示すように、地球と観測地点の接平面である観測地点平面と地球とは、観測地点の1点で接している。赤道に沿って地球を輪切りにしたときに現れる面を赤道面とすると、観測地点平面と赤道面とのなす角度は、(90°−観測地点緯度)である。
【0026】
一方、赤道上空の静止軌道に連なる静止衛星の方位は、衛星直下の経度で呼ぶことになっているので、赤道面に分度器を当てたときの角度と等しい。静止衛星の方位角を含む赤道面が観測地点平面に対して(90°−観測地点緯度)だけ傾いているので、赤道面は観測地点平面にCOS(90°−観測地点緯度)で投影される。したがって、地心から観測地点までに相当する長さをCOS(90°−観測地点緯度)だけ縮小した長さにすると半楕円状の形状36が得られる。この半楕円状の形状36に相似する形状に基づいて衛星方位指示盤30は形成されている。
【0027】
具体的には、衛星方位指示盤30は、
図5に示すように、観測地点の経度に対応する点を頂点34とする半楕円状の外周部31と、貫通孔33と、西基準方位目盛数字35と、を有し、角度測定の基準となる角度中心点32から半楕円状の外周部の頂点34に向かう方向が真南(南半球では真北)に向かう方向に配置され、赤道における静止衛星の方位を示すようになっている。なお、衛星方位指示盤30は、第2の分度器の一例であり、例えばパーソナルコンピュータを用いて容易に作製することができる。
【0028】
半楕円状の外周部31には、最小角度を0.5°とした角度目盛が付されている。例えば、観測地点の経度が東経130°である場合には、頂点34は130°の目盛となって静止衛星観測時には真南に指向され、時計回りに90°回転した40°の目盛は真西に指向し、反時計回りに90°回転した220°の目盛は真東に指向する。
【0029】
貫通孔33は、角度中心点32を中心として形成され、固定部15(
図1参照)が挿入されるようになっている。
【0030】
次に、仰角曲線表示盤40について説明する。仰角曲線表示盤40は、
図6(a)に示すように、予め計算により求められた観測地点衛星方位及び観測地点衛星仰角に基づいて描かれた仰角曲線41と、観測地方位指示盤20(
図3参照)が示す方位と対応する方位線42と、方位線42の方位線中心点43と、貫通孔44と、を有する。
【0031】
貫通孔44は、方位線中心点43を中心として形成され、固定部15(
図1参照)が挿入されるようになっている。
【0032】
仰角曲線41の作成方法について
図7に基づき説明する。
図7は、観測地点を北緯33.88°、東経130.87°とし、その観測地点で観測可能な一部の静止衛星の名称と、静止衛星の位置と、真北基準の観測地点衛星方位と、真西基準の観測地点衛星方位と、観測地点衛星仰角と、を示している。
【0033】
静止衛星の位置は、静止衛星直下の赤道上の経度(
図7の場合は東経)で示されている。真北基準の観測地点衛星方位は、公知の計算式により、一般に利用される真北基準で静止衛星の位置を観測地点における方位として求めたデータである。真西基準の観測地点衛星方位は、真北基準の観測地点衛星方位を真西基準に変換したデータである。例えば、衛星位置=東経166°の静止衛星は、真北基準の観測地点衛星方位が128.4°であるので、真西基準の観測地点衛星方位=270°−128.4°=141.6°が得られる。観測地点衛星仰角は、公知の計算式により求めた仰角である。本実施形態では、静止衛星の方位を真西基準で観測することにしているので、真西基準の観測地点方位及び観測地点衛仰角を使用する。
【0034】
図7に示した各静止衛星について、真西基準の観測地点方位及び観測地点衛仰角のデータを用いて、以下に示すように仰角曲線41を作図する。なお、この説明において、「真西基準の観測地点方位」を単に「方位」、「観測地点衛仰角」を単に「仰角」という。
【0035】
例えば、
図6(b)に示すように、仰角曲線41における方位は、方位線中心点43を基準とした角度βで表し、仰角は、方位線中心点43からの距離L(単位mm)で表す。なお、角度βは、方位線中心点43を基準とするので、観測地方位指示盤20(
図3参照)が示す方位と等しい。
【0036】
衛星位置=東経55°の静止衛星は、方位=8.0°、仰角=3.0°であるので、β=8.0°、L=3.0mmで定まる点61をプロットする。
【0037】
衛星位置=東経83°の静止衛星は、方位=26.8°、仰角=26.0°であるので、β=26.8°、L=26.0mmで定まる点62をプロットする。
【0038】
衛星位置=東経105°の静止衛星は、方位=49.0°、仰角=41.9°であるので、β=49.0°、L=41.9mmで定まる点63をプロットする。
【0039】
衛星位置=東経128°の静止衛星は、方位=84.9°、仰角=50.5°であるので、β=84.9°、L=50.5mmで定まる点64をプロットする。
【0040】
衛星位置=東経166°の静止衛星は、方位=141.6°、仰角=35.7°であるので、β=141.6°、L=35.7mmで定まる点65をプロットする。
【0041】
同様に、
図7では記載を省略した各静止衛星についても方位と仰角とで定まる点をプロットし、プロットした各点を結ぶことにより、
図6(a)に示した仰角曲線41が得られる。なお、前述の手順をパーソナルコンピュータに実行させることにより、仰角曲線41は容易に得られる。
【0042】
次に、方位読取スライド50について説明する。方位読取スライド50は、
図8に示すように、透明性の材料で形成されたスライド本体51と、スライド本体51の長手方向に沿って幅方向の中央に描かれた方位読取線52と、方位読取線52に沿って目盛が付された仰角目盛53と、方位読取線52上の所定の位置に形成され固定部15(
図1参照)が挿入される貫通孔54と、を有している。
【0043】
スライド本体51は、貫通孔54の中心点55を中心として、すなわち、観測地方位指示盤20の角度中心点22(
図3参照)及び衛星方位指示盤30の角度中心点32(
図5参照)を中心として回転するようになっている。
【0044】
方位読取線52は、観測地方位指示盤20及び衛星方位指示盤30が示す方位を読み取るためのものである。
【0045】
仰角目盛53は、方位読取線52と仰角曲線41との交点が示す仰角を読み取るためのものであり、貫通孔54の中心点55を仰角=0°としている。本実施形態では、仰角目盛53の目盛はミリメートル(mm)の単位で付されている。
【0046】
次に、本実施形態における静止衛星位置検出装置1を用いて静止衛星の位置を検出する手順について説明する。この説明では、観測地点を北緯33.88°、東経130.87°とする。また、観測対象の静止衛星は衛星位置=東経166°(
図7参照)を対象とする。
【0047】
まず、衛星方位指示盤30の166°の目盛位置に方位読取スライド50の方位読取線52を合わせる。次いで、方位読取線52が示す観測地方位指示盤20の角度目盛を読み取る。その結果、観測地点衛星方位として141.6°が得られる。また、方位読取線52と仰角曲線41との交点を仰角目盛53により読み取れば、観測地点衛星仰角として35.7°が得られる。
【0048】
この状態で、持ち手10の背面が地面と水平になるよう持ち手10を手に持ち、方位磁石14により方位を確認する。次いで、方位磁石14の磁針14bのN極が磁北目印14dを指すよう持ち手10を水平方向に回転する。その結果、持ち手10の基準線12の長さ方向が正しく真南方向を向くことになり、方位読取スライド50の方向は、正しく衛星位置=東経166°の静止衛星の方向を示すことになる。
【0049】
前述のように求めた観測地点衛星仰角は、パラボラアンテナが静止衛星に向く軸と錘を吊るした鉛直線とがなす角度で確認することができる。
【0050】
以上のように、本実施形態における静止衛星位置検出装置1は、観測地方位指示盤20と、衛星方位指示盤30と、仰角曲線表示盤40と、方位読取スライド50と、持ち手10と、を備えている。この構成により、本実施形態における静止衛星位置検出装置1は、方位読取スライド50の方位読取線52により観測対象の静止衛星の方位を衛星方位指示盤30で合わせることにより、観測地方位指示盤20によって観測対象の静止衛星の観測地点衛星方位を容易に得ることができ、仰角曲線表示盤40によって観測地点衛星仰角を容易に得ることができる。さらに、この状態で持ち手10を真南に向けることにより、観測対象の静止衛星の方位を方位読取スライド50が向いている方向により容易に把握することができる。
【0051】
したがって、本実施形態における静止衛星位置検出装置1は、静止衛星の位置を簡易な構成で使用者に正確かつ直感的に認識させることができる。
【0052】
また、本実施形態における静止衛星位置検出装置1は、一般の電子機器を用いた検出装置と比べ、静止衛星の位置計算において電力も必要とせず、温度や湿度などの影響も受けないので、例えば、非常時の劣悪な環境や、電力供給が困難な場所等においても使用可能である。
【0053】
また、本実施形態における静止衛星位置検出装置1は、例えば、市街地の高層ビルの谷間から覗く静止衛星を容易に特定でき、衛星放送の受信設定が容易に可能である。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における携帯端末装置について
図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態における携帯端末装置70のブロック構成図である。
【0055】
図9に示すように、本実施形態における携帯端末装置70は、入力部71、GPS72、ジャイロコンパス73、タッチパネル74、制御部80を備えている。
【0056】
制御部80は、真北検出部81、静止衛星情報記憶部82、画像生成部83、画像表示制御部84、プログラム記憶部85を備えている。この制御部80は、例えばコンピュータで構成され、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース等で構成される。
【0057】
入力部71は、使用者が操作し、観測地点の偏角情報や、方位の表示を西基準方とするか東基準とするかという方位基準方法等を入力するようになっている。GPS72は、観測地点の緯度及び経度の情報を取得するようになっている。ジャイロコンパス73は、磁北を検出するようになっている。
【0058】
真北検出部81は、入力部71によって入力された偏角の情報と、ジャイロコンパス73によって検出された磁北の情報とに基づいて、真南又は真北を検出するようになっている。なお、ジャイロコンパス73及び真北検出部81は、真北方向検出手段の一例である。
【0059】
静止衛星情報記憶部82は、全静止衛星の赤道直下の経度の情報を記憶している。
【0060】
画像生成部83は、入力部71によって入力された方位基準情報と、GPS72によって取得された緯度及び経度の情報とに基づいて、第1実施形態で説明した観測地方位指示盤20、衛星方位指示盤30、仰角曲線表示盤40及び方位読取スライド50の各画像(以下、「静止衛星位置検出画像」という。)を生成するようになっている。また、画像生成部83は、真北検出部81によって検出された真北の情報に基づいて、真南(南半球では真北)を示すカーソル画像を生成するようになっている。
【0061】
画像表示制御部84は、画像生成部83によって生成された静止衛星位置検出画像及びカーソル画像をタッチパネル74に表示するための制御を行うようになっている。
【0062】
タッチパネル74は、静止衛星位置検出画像及びカーソル画像を表示するとともに、使用者のタッチ操作を検出するようになっている。このタッチパネル74は、表示手段の一例である。
【0063】
タッチパネル74は、特に、使用者が方位読取スライド50の画像を指でスライドして回転させる場合には、その操作情報を画像生成部83に出力するようになっている。この場合には、画像生成部83は、スライド操作に応じて方位読取スライド50の画像を、方位読取スライド50の中心点55(
図8参照)を中心に回転させる処理を行って、処理後の画像データを画像表示制御部84に出力するようになっている。すなわち、画像生成部83は、スライド画像回転手段の一例である。
【0064】
プログラム記憶部85は、静止衛星位置検出画像を生成する処理、静止衛星位置検出画像をタッチパネル74に表示する処理、使用者のスライド操作に応じて方位読取スライド50の画像を回転させる処理、真南又は真北を検出する処理、真南に指向するカーソル画像を生成する処理等を実行するためのプログラムや、各処理に必要なデータ等を記憶している。
【0065】
図10は、本実施形態における携帯端末装置70が、静止衛星位置検出画像91と、真南に指向するカーソル画像92と、静止衛星位置検出画像の基準線93と、をタッチパネル74に表示した表示例を示している。なお、タッチパネル74に表示されるのは各構成要素の画像であるが、便宜上、第1実施形態における各構成要素と同じ符号を付している。
【0066】
使用者が、例えば、方位読取スライド50の画像上に指を接触させた状態で指をスライドさせて方位読取スライド50の画像を、方位読取スライド50の中心点55(
図8参照)を中心に回転させ、方位読取スライド50の方位読取線52を所望する静止衛星の方位になるよう衛星方位指示盤30の目盛に合わせ、方位読取線52が示す観測地方位指示盤20の目盛を読み取ることにより、所望の静止衛星の観測地点衛星方位が得られる。また、この状態で方位読取線52と仰角曲線表示盤40に描かれた仰角曲線との交点を方位読取スライド50の仰角目盛により読み取れば、観測地点衛星仰角が得られる。
【0067】
さらに、使用者が、カーソル画像92が静止衛星位置検出画像の基準線93と一致するよう携帯端末装置70を水平方向に回転することにより、方位読取スライド50の画像が示す方向に所望の静止衛星があることを容易に把握することができる。
【0068】
前述のように、本実施形態における携帯端末装置70は、第1実施形態の静止衛星位置検出装置1と同様に、静止衛星の位置を簡易な構成で使用者に正確かつ直感的に認識させることができる。