特許第5957104号(P5957104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957104
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/72 20110101AFI20160714BHJP
   H01R 12/73 20110101ALI20160714BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   H01R12/72
   H01R12/73
   G06K7/00 026
   G06K7/00 030
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-18313(P2015-18313)
(22)【出願日】2015年2月2日
(62)【分割の表示】特願2014-79932(P2014-79932)の分割
【原出願日】2014年4月9日
(65)【公開番号】特開2015-201425(P2015-201425A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2015年2月2日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】三川 和弥
(72)【発明者】
【氏名】松永 章宏
(72)【発明者】
【氏名】島田 昌明
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4844927(JP,B2)
【文献】 特開2009−129890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/72
G06K 7/00
H01R 12/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を有するカードを後方向に沿って挿入可能であると共に前方向に沿って前記カードを抜去可能なコネクタであって、
保持部材と、前記保持部材に保持されたコンタクトとを備えており、
前記コンタクトは、前記保持部材に保持固定される被固定部と、前記被固定部から延びる第1バネ部と、第2バネ部とを有しており、
前記第1バネ部は、2つの被押圧部と、可動起点部と、移動可能な可動端部とを有しており、
前記被押圧部は、前記可動端部と前記被固定部との間に位置しており、
前記後方向及び前記前方向の一方である移動方向に沿って前記カード又は前記カードと同じ外部形状を有する枠体のカードアダプタからなる挿入物が移動する際に、前記被押圧部は、前記挿入物の有する押圧部に押圧されて前記移動方向と直交する下方向に移動するものであり、
前記被押圧部が前記下方向に移動するとき、前記可動起点部は前記下方向に移動し、
前記第2バネ部は、前記可動起点部から延びており、
前記移動方向及び前記下方向と直交する横方向における前記第2バネ部の位置は、前記横方向における2つの前記被押圧部の間に位置しており、
前記第2バネ部には、自由端と、前記カードの前記電極と接触するための接点とが設けられており、
前記接点は、前記自由端と前記可動起点部との間に位置しており、
前記挿入物が前記移動方向に移動した際、前記可動起点部の移動に伴って前記第2バネ部は前記下方向に移動し、それによって、前記挿入物が前記第2バネ部の前記自由端に接触することが防止されており、
前記保持部材には、金属製の受止部であって、前記押圧部に前記被押圧部が押圧されて前記コンタクトが変形した際に前記可動端部を移動可能に受け止める受止部が組み込まれており、
前記第1バネ部は、第1梁部と、第2梁部と、前記横方向において前記第1梁部と前記第2梁部とを連結する連結部とを有しており、
前記被押圧部は、前記第1梁部の一部及び前記第2梁部の一部として設けられており、
前記可動起点部は、前記連結部の一部として設けられており、
前記第1梁部と前記第2梁部と前記連結部は、H字形状を有している
コネクタ。
【請求項2】
電極を有するカードを後方向に沿って挿入可能であると共に前方向に沿って前記カードを抜去可能なコネクタであって、
保持部材と、前記保持部材に保持されたコンタクトとを備えており、
前記コンタクトは、前記保持部材に保持固定される被固定部と、前記被固定部から延びる第1バネ部と、第2バネ部とを有しており、
前記第1バネ部は、2つの被押圧部と、可動起点部と、移動可能な可動端部とを有しており、
前記被押圧部は、前記可動端部と前記被固定部との間に位置しており、
前記後方向及び前記前方向の一方である移動方向に沿って前記カード又は前記カードと同じ外部形状を有する枠体のカードアダプタからなる挿入物が移動する際に、前記被押圧部は、前記挿入物の有する押圧部に押圧されて前記移動方向と直交する下方向に移動するものであり、
前記被押圧部が前記下方向に移動するとき、前記可動起点部は前記下方向に移動し、
前記第2バネ部は、前記可動起点部から延びており、
前記移動方向及び前記下方向と直交する横方向における前記第2バネ部の位置は、前記横方向における2つの前記被押圧部の間に位置しており、
前記第2バネ部には、自由端と、前記カードの前記電極と接触するための接点とが設けられており、
前記接点は、前記自由端と前記可動起点部との間に位置しており、
前記挿入物が前記移動方向に移動した際、前記可動起点部の移動に伴って前記第2バネ部は前記下方向に移動し、それによって、前記挿入物が前記第2バネ部の前記自由端に接触することが防止されており、
前記コネクタは、回路基板の搭載面上に固定されるものであり、
前記回路基板の前記搭載面の一部は、前記押圧部に前記被押圧部が押圧されて前記コンタクトが変形した際に前記可動端部を移動可能に受け止める受止部として機能し、
前記第1バネ部は、第1梁部と、第2梁部と、前記横方向において前記第1梁部と前記第2梁部とを連結する連結部とを有しており、
前記被押圧部は、前記第1梁部の一部及び前記第2梁部の一部として設けられており、
前記可動起点部は、前記連結部の一部として設けられており、
前記第1梁部と前記第2梁部と前記連結部は、H字形状を有している
コネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタであって、
前記コネクタは、回路基板の搭載面上に固定されるものであり、
前記第2バネ部の前記自由端は、前記カードの前記電極が前記接点と接触している状態において前記回路基板の前記搭載面まで達しないように、設けられている
コネクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記コンタクトを前記横方向に沿って見た場合に、前記第2バネ部の前記自由端は前記第1梁部の上面及び前記第2梁部の上面より下側に位置している
コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記可動端部は、前記第1梁部の前端部と前記第2梁部の前端部とを備えている
コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記第1バネ部は、前記第1梁部の前端部と前記第2梁部の前端部とを接続する接続端部を有しており、
前記可動端部は、前記接続端部の一部として形成されている
コネクタ。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記移動方向は、前記後方向であり、
前記押圧部は、前記カードの先端又は前記カードアダプタの先端である
コネクタ。
【請求項8】
請求項7記載のコネクタであって、
前記コネクタは、前記保持部材に保持された後側コンタクトを備えていると共に、前記コンタクトとして前側コンタクトを備えており、
前記前側コンタクトは、前記後側コンタクトよりも前側に位置しており、
前記第2バネ部は、前記可動起点部から前側に延びており、前記自由端として前端を有している
コネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記挿入物は、前記カードアダプタであり、
前記移動方向は、前記前方向であり、
前記押圧部は、前記枠体の内壁の一部であり、前記前方向と交差している
コネクタ。
【請求項10】
請求項9記載のコネクタであって、
前記コネクタは、前記保持部材に保持された前側コンタクトを備えていると共に、前記コンタクトとして後側コンタクトを備えており、
前記前側コンタクトは、前記後側コンタクトよりも前側に位置しており、
前記第2バネ部は、前記可動起点部から後側に延びており、前記自由端として後端を有している
コネクタ。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記コネクタは、前記保持部材に取り付けられて、前記挿入物を少なくとも部分的に収容する収容部を前記保持部材と共に構成するシェルを更に備えており、
前記保持部材は、前記収容部の底面を構成する主面を有しており、
前記第2バネ部の前記自由端は、前記収容部に前記挿入物が収容されていない状態において前記保持部材の前記主面よりも上側に位置している
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SIM(Subscriber Identity Module)カードのようなカードと接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコネクタとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。図16に示されるように、特許文献1のコネクタは、保持部材と、その保持部材に保持されたコンタクトとを備えている。コンタクトは、山形形状の接点と、接点よりも前側に位置するシュー部とを有している。保持部材には、サポート部が設けられている。コネクタにカードが挿入されると、カードによって接点が押圧されて弾性変形し、シュー部がサポート部の上をスライドする。これにより、コネクタの低背化が進んだ場合であっても、カードの電極に対するコンタクトの接触力を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−129890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のコネクタを実現すると、コンタクトの長さをかなり長くしなければならず、コネクタの小型化の要請に応えられない。
【0005】
本発明は、カードの電極に対するコンタクトの十分な接触力を確保しつつコネクタ全体の小型化を図ることのできるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特許文献1のコンタクトからシュー部を除いてしまえば、コンタクトの長さを短くすることができる。また、コンタクトの接点の初期位置を上側に位置させることとすれば接点の移動距離が稼げることから接触力も得ることができる。しかし、このような構成とすると、コンタクトが座屈してしまう恐れがある。そこで、本発明においては、接点の十分な移動距離を確保しつつコンタクトの座屈を防止するために、挿入されたカードによって押圧されて弾性変形する部位と接点とを機能的に分けることとした。具体的には、本発明は、上述した課題を解決するための手段として、以下のコネクタを提供する。
【0007】
即ち、本発明は、第1のコネクタとして、
電極を有するカードを後方向に沿って挿入可能であると共に前方向に沿って前記カードを抜去可能なコネクタであって、
保持部材と、前記保持部材に保持されたコンタクトとを備えており、
前記コンタクトは、前記保持部材に保持固定される被固定部と、前記被固定部から延びる第1バネ部と、第2バネ部とを有しており、
前記第1バネ部は、2つの被押圧部と、可動起点部と、移動可能な可動端部とを有しており、
前記被押圧部は、前記可動端部と前記被固定部との間に位置しており、
前記後方向及び前記前方向の一方である移動方向に沿って前記カード又は前記カードと同じ外部形状を有する枠体のカードアダプタからなる挿入物が移動する際に、前記被押圧部は、前記挿入物の有する押圧部に押圧されて前記移動方向と直交する下方向に移動するものであり、
前記被押圧部が前記下方向に移動するとき、前記可動起点部は前記下方向に移動し、
前記第2バネ部は、前記可動起点部から延びており、
前記移動方向及び前記下方向と直交する横方向における前記第2バネ部の位置は、前記横方向における2つの前記被押圧部の間に位置しており、
前記第2バネ部には、自由端と、前記カードの前記電極と接触するための接点とが設けられており、
前記接点は、前記自由端と前記可動起点部との間に位置しており、
前記挿入物が前記移動方向に移動した際、前記可動起点部の移動に伴って前記第2バネ部は前記下方向に移動し、それによって、前記挿入物が前記第2バネ部の前記自由端に接触することが防止されている
コネクタを提供する。
【0008】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記保持部材には、前記押圧部に前記被押圧部が押圧されて前記コンタクトが変形した際に前記可動端部を移動可能に受け止める受止部が形成されている
コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記保持部材には、金属製の受止部であって、前記押圧部に前記被押圧部が押圧されて前記コンタクトが変形した際に前記可動端部を移動可能に受け止める受止部が組み込まれている
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第1乃至第3のいずれかのコネクタであって、
前記第1バネ部は、第1梁部と、第2梁部と、前記横方向において前記第1梁部と前記第2梁部とを連結する連結部とを有しており、
前記被押圧部は、前記第1梁部の一部及び前記第2梁部の一部として設けられており、
前記可動起点部は、前記連結部の一部として設けられている
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記コンタクトを前記横方向に沿って見た場合に、前記第2バネ部の前記自由端は前記第1梁部の上面及び前記第2梁部の上面より下側に位置している
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第4又は第5のコネクタであって、
前記可動端部は、前記第1梁部の前端部と前記第2梁部の前端部とを備えている
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第4又は第5のコネクタであって、
前記第1バネ部は、前記第1梁部の前端部と前記第2梁部の前端部とを接続する接続端部を有しており、
前記可動端部は、前記接続端部の一部として形成されている
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第1乃至第7のいずれかのコネクタであって、
前記移動方向は、前記後方向であり、
前記押圧部は、前記カードの先端又は前記カードアダプタの先端である
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第8のコネクタであって、
前記コネクタは、前記保持部材に保持された後側コンタクトを備えていると共に、前記コンタクトとして前側コンタクトを備えており、
前記前側コンタクトは、前記後側コンタクトよりも前側に位置しており、
前記第2バネ部は、前記可動起点部から前側に延びており、前記自由端として前端を有している
コネクタを提供する。
【0016】
また、本発明は、第10のコネクタとして、第1乃至第7のいずれかのコネクタであって、
前記挿入物は、前記カードアダプタであり、
前記移動方向は、前記前方向であり、
前記押圧部は、前記枠体の内壁の一部であり、前記前方向と交差している
コネクタを提供する。
【0017】
また、本発明は、第11のコネクタとして、第10のコネクタであって、
前記コネクタは、前記保持部材に保持された前側コンタクトを備えていると共に、前記コンタクトとして後側コンタクトを備えており、
前記前側コンタクトは、前記後側コンタクトよりも前側に位置しており、
前記第2バネ部は、前記可動起点部から後側に延びており、前記自由端として後端を有している
コネクタを提供する。
【0018】
また、本発明は、第12のコネクタとして、第1乃至第11のいずれかのコネクタであって、
前記コネクタは、前記保持部材に取り付けられて、前記挿入物を少なくとも部分的に収容する収容部を前記保持部材と共に構成するシェルを更に備えており、
前記保持部材は、前記収容部の底面を構成する主面を有しており、
前記第2バネ部の前記自由端は、前記収容部に前記挿入物が収容されていない状態において前記保持部材の前記主面よりも上側に位置している
コネクタを提供する。
【0019】
また、本発明は、第13のコネクタとして、第1乃至第12のいずれかのコネクタであって、
前記コネクタは、回路基板の搭載面上に固定されるものであり、
前記第2バネ部の前記自由端は、前記カードの前記電極が前記接点と接触している状態において前記回路基板の前記搭載面まで達しないように、設けられている
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0020】
挿入物(カード又はカードアダプタ)の移動によって主として弾性変形する第1バネ部と接点が設けられた第2バネ部とを区別しうるように構成すると共に、挿入物が移動した際に、第2バネ部が下方向に移動して、挿入物が第2バネ部の自由端に接触しないように形成されている。そのため、接点の十分な移動距離を確保しつつコンタクトの座屈を防止することができる。
【0021】
なお、従来、挿入物としてカードのみが考慮され且つ注意していたカードの移動方向は後方向(挿入方向)であったが、挿入物がサイズ変換用のカードアダプタである場合にであってカードアダプタの移動方向が前方向(抜去方向)である場合も、同様の概念を利用して、コンタクトの座屈を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態によるコネクタを示す分解斜視図である。
図2図1のコネクタを示す斜視図である。
図3図2のコネクタを示す上面図である。
図4図2のコネクタを示す正面図である。
図5図2のコネクタを示す背面図である。
図6図3のコネクタをVI--VI線に沿って示す断面図である。
図7図1のコネクタに含まれる前側コンタクトを示す斜視図である。
図8図1のコネクタに含まれる後側コンタクトとその近傍を拡大して示す斜視図である。
図9図4のコネクタの一部を拡大して示す正面図である。
図10図5のコネクタの一部を拡大して示す背面図である。
図11図6のコネクタの一部を示す断面図である。カードがコネクタにカード(二点鎖線で示す)が挿入され、前側コンタクトは変形している。コネクタは、回路基板(点線で示す)の搭載面上に搭載固定されている。
図12図2のコネクタに接続可能なカードを示す斜視図である。
図13図12のカードに対応するカードアダプタを示す斜視図である。
図14】変形例によるコネクタの一部を示す断面図である。
図15】他の変形例によるコネクタの一部を示す断面図である。
図16】特許文献1のコネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1乃至図6を参照すると、本発明の実施の形態によるコネクタ10は、カード20(図12参照)と接続するために用いられるものであり、図2に示されるように、カード20を部分的に収容可能な収容部12を有している。換言すると、コネクタ10は、カード20を後方向(−X方向)に沿って挿入可能であると共に前方向(+X方向)に沿ってカード20を抜去可能なものである。図11に示されるように、本実施の形態のコネクタ10は、回路基板50の搭載面52上に固定されるものである。
【0024】
図12に示されるカード20は、マイクロSIMカードであり、複数の電極24を有している。即ち、コネクタ10は、マイクロSIM用のものである。図13には、カードアダプタ30が示されている。このカードアダプタ30は、マイクロSIMカードよりもサイズの小さいナノSIMカードをコネクタ10(図2参照)に接続するためのサイズ変換用のものである。具体的には、カードアダプタ30は、カード20(図12参照)と同じ外部形状を有する枠体からなるものであり、枠体の内側には、ナノSIMカード(図示せず)の外部形状に対応する空間32が形成されている。カードアダプタ30の空間32にナノSIMカード(図示せず)を嵌め込み、カードアダプタ30とナノSIMカードを共にコネクタ10に挿入することにより、ナノSIMカードをコネクタ10に接続することができる。
【0025】
これらのことから理解されるように、本実施の形態のコネクタ10(図2参照)には、カード20(図12参照)とカードアダプタ30(図13参照)とが挿入物として挿入され得る。コンタクトの座屈防止の観点から着目すべき部位は、カード20を挿入する場合、カード20の挿入方向(即ち、後方向:−X方向)の先端22であり、カードアダプタ30を挿入する場合、カード20の挿入方向(即ち、後方向:−X方向)の先端34である。これに加えて、ナノSIMカード(図示せず)を嵌めることなくカードアダプタ30単体をコネクタ10に挿入してしまった場合には、抜去方向(即ち、前方向:+X方向)に沿ってカードアダプタ30を抜去する際に先端34に近い内壁36によりコンタクトが座屈してしまうことを防止する必要がある。特に考慮すべきは、カードアダプタ30の4つの内壁36のうち前方向と交差しているものである。
【0026】
以上より、「挿入物」としてカード20やカードアダプタ30を想定し、その挿入物の「移動方向」を後方向と想定した場合には、カード20の先端22やカードアダプタ30の先端34が「押圧部」としてコンタクトを座屈してしまわないようにコネクタ10を構成する必要がある。また、「挿入物」としてカードアダプタ30を想定し、その挿入物の「移動方向」を前方向と想定した場合には、カードアダプタ30の内壁36のうち前方向と交差しているものが「押圧部」としてコンタクトを座屈してしまわないようにコネクタ10を構成する必要がある。
【0027】
本実施の形態のコネクタ10は、座屈防止構造の特徴は、カード20の先端22やカードアダプタ30の先端34を「押圧物」とした場合もカードアダプタ30の内壁36を「押圧物」とした場合も基本的には同じであるが、「移動方向」が互いに逆方向となるため、特徴となる構造の配置が前後方向(X方向)において逆になる。以下、この点も含め、本実施の形態のコネクタ10の構造について、より具体的に説明する。
【0028】
図1に示されるように、主として絶縁体からなる保持部材100と、金属製のシェル200と、金属製の前側コンタクト(コンタクト)300と、金属製の後側コンタクト(コンタクト)400とを備えている。
【0029】
保持部材100は、前側コンタクト300及び後側コンタクト400を保持しており、それによって、前側コンタクト300は後側コンタクト400の前側に位置している。本実施の形態において、前側コンタクト300と後側コンタクト400は、インサート成型法により、保持部材100の樹脂を成型する際に保持部材100に組み込まれている。
【0030】
シェル200と保持部材100とは組み合わせられ、上述した収容部12を構成している。図1及び図2から理解されるように、保持部材100の主面102は収容部12の底面を構成している。図1及び図6に示されるように、保持部材100には、後述するように前側コンタクト300の一部と後側コンタクト400の一部を夫々受け止める受止部110F,110Rが設けられている。なお、本実施の形態の保持部材100には、金属製の補強部材120が埋め込まれている。そのため、保持部材100の厚みを薄くしつつ強度を保つことができる。
【0031】
図6及び図7から理解されるように、前側コンタクト300は、保持部材100に保持固定される被固定部310と、被固定部310から延びる第1バネ部320と、第1バネ部320から延びる第2バネ部370とを有している。
【0032】
図7に示されるように、第1バネ部320は、第1梁部330と、第2梁部340と、連結部350と、接続端部360とを有している。
【0033】
図7に示されるように、第1梁部330と第2梁部340の夫々は、概略、前後方向(X方向)に延びている。第1梁部330は、被押圧部334と、前端部336とを有している。図6に示されるように、被押圧部334は、初期状態(カード20やカードアダプタ30の未挿入時)において後方向と交差している。図6及び図7から理解されるように、第2梁部340は、被押圧部344と、前端部346とを有しており、被押圧部344は、初期状態において後方向と交差している。被押圧部334,344が初期状態において後方向と交差していることから、挿入物(図12のカード20や図13のカードアダプタ30)が移動方向(後方向)に沿って移動する際に、被押圧部334,344は、挿入物の有する押圧部(即ち、先端22や先端34)に押圧されて下方向(−Z方向)に移動する。
【0034】
図7に示されるように、連結部350は、横方向(Y方向)において、第1梁部330と第2梁部340とを連結している。即ち、第1梁部330と第2梁部340と連結部350は、H字形状を有している。本実施の形態において、連結部350の横方向の中心は、可動起点部352として機能する。即ち、可動起点部352は、連結部350の一部として設けられている。この可動起点部352は、被押圧部334,344が下方向に移動するとき、第1梁部330及び第2梁部340の移動に連動して下方向に移動する。
【0035】
接続端部360は、第1梁部330の前端部336と第2梁部340の前端部346とを接続している。接続端部360には、単一の可動端部362が設けられている。図6図7及び図11から理解されるように、可動端部362は、被押圧部334,344よりも前側(+X側)に位置している。即ち、被押圧部334,344は、可動端部362と被固定部310との間に位置している。特に、本実施の形態の被押圧部334,344は、可動端部362と連結部350との間に位置している。図6に示されるように、初期状態において、可動端部362は受止部110Fから離れて位置している。図6図7及び図11から理解されるように、挿入物(図12のカード20や図13のカードアダプタ30)が収容部12に収容され、押圧部(先端22や先端34)に被押圧部334,344が押圧されて前側コンタクト300が変形した際に、可動端部362は上述した保持部材100の受止部110Fに受け止められ、受止部110Fの上をスライドしながら移動する。
【0036】
本実施の形態においては、第1梁部330の前端部336と第2梁部340の前端部346とが接続端部360によりまとめられており、可動端部362も一つだけとなっている。このため、カード20(図12参照)を後方向と斜交する方向に挿入した場合であっても、第1バネ部320が破損してしまうことがない。
【0037】
図6及び図7を参照して、第2バネ部370は、可動起点部352から前側に延びている。第2バネ部370には、自由端である前端372と、カード20(図12参照)の電極24と接触するための接点374とが設けられている。接点374は、前端372と可動起点部352との間に位置している。図7に示されるように、横方向における第2バネ部370の位置は、横方向における2つの被押圧部334,344の間に位置している。
【0038】
図6及び図7から理解されるように、第2バネ部370の前端372は、被押圧部334,344よりも後側(−X側)に位置している。従って、挿入物(図12のカード20や図13のカードアダプタ30)が移動方向(後方向)に移動した際、挿入物は前端372のある位置に到達する前に被押圧部334,344に当たって被押圧部334,344を下方向に押し下げることとなる。上述したように、被押圧部334,344の押し下げにより、可動起点部352が下方向に移動すると、可動起点部352の移動に伴って第2バネ部370は下方向に移動する。このようにして、本実施の形態においては、前後方向において挿入物が第2バネ部370の位置に到達する頃には、第2バネ部370は初期状態から下方向に移動しており、挿入物が第2バネ部370の前端372に接触することはない。従って、挿入物の挿入により第2バネ部370を含む前側コンタクト300が座屈してしまうことを防止することができる。
【0039】
初期状態において、前側コンタクト300を横方向に沿って見た場合に、本実施の形態の第2バネ部370の前端372は、第1梁部330の上面332及び第2梁部340の上面342より下側(−Z側)に位置している。換言すると、第1梁部330の上面332及び第2梁部340の上面342にて形成される面(曲面)よりも、第2バネ部370の前端372は下側に潜っている。従って、より確実に座屈防止をすることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではなく、挿入物が第2バネ部370の前端372に接触しない限り、初期状態において、第2バネ部370の前端372が第1梁部330の上面332及び第2梁部340の上面342より上側(+Z側)に位置していてもよい。
【0040】
図4図6及び図9に示されるように、第2バネ部370の前端372は、収容部12に挿入物(図12のカード20や図13のカードアダプタ30)が収容されていない状態において保持部材100の主面102よりも上側(+Z側)に位置している。これにより、接点374の位置も高くすることができ、接点374の移動距離も大きくとることができる。従って、カード20(図12参照)の電極24に対する接点374の接触力も十分確保することができる。
【0041】
図11に示されるように、第2バネ部370の前端372は、カード20(図12参照)の電極24が接点374と接触している状態において回路基板50の搭載面52まで達しないように、設けられている。従って、第2バネ部370の前端372が回路基板50に突き当り回路基板50を傷付けてしまったり、逆に回路基板50に前端372が突き当たることで第2バネ部370が変形してしまったりすることを避けることができる。
【0042】
図6及び図8から理解されるように、後側コンタクト400は、保持部材100に保持固定される被固定部410と、被固定部410から延びる第1バネ部420と、第1バネ部420から延びる第2バネ部470とを有している。
【0043】
図8に示されるように、第1バネ部420は、第1梁部430と、第2梁部440と、連結部450と、追加連結部460とを有している。
【0044】
図8に示されるように、第1梁部430と第2梁部440の夫々は、概略、前後方向に延びている。第1梁部430は、被押圧部434と、前端部436とを有している。図6に示されるように、被押圧部434は、初期状態において前方向と交差している。図6及び図8から理解されるように第2梁部440は、被押圧部444と、前端部446とを有しており、被押圧部444は、初期状態において前方向と交差している。被押圧部434,444が初期状態において前方向と交差していることから、挿入物(図13のカードアダプタ30)が移動方向(前方向)に沿って移動する際に、被押圧部434,444は、挿入物の有する押圧部(即ち、内壁36)に押圧されて下方向に移動する。
【0045】
図8に示されるように、連結部450は、横方向において、第1梁部430と第2梁部440とを連結している。同様に、追加連結部460は、横方向において、第1梁部430と第2梁部440とを連結している。即ち、第1梁部430と第2梁部440と連結部450と追加連結部460は、2段梯子形状を有している。本実施の形態において、連結部450の横方向の中心は、可動起点部452として機能する。即ち、可動起点部452は、連結部450の一部として設けられている。この可動起点部452は、被押圧部434,444が下方向に移動するとき、第1梁部430及び第2梁部440の移動に連動して下方向に移動する。
【0046】
第1梁部430の前端部436と第2梁部440の前端部446は、夫々、可動端部として機能する。即ち、本実施の形態の後側コンタクト400は、2つの可動端部436,446を有している。図6及び図8から理解されるように、可動端部436,446は、被押圧部434,444よりも前側(+X側)に位置している。即ち、被押圧部434,444は、可動端部436,446と被固定部410との間に位置している。特に、本実施の形態の被押圧部434,444は、被固定部410と連結部450との間に位置している。図6に示されるように、初期状態において、可動端部436,446は受止部110Rから離れて位置している。図6及び図8から理解されるように、挿入物(図13のカードアダプタ30)が抜去方向(前方向)に移動して、押圧部(内壁36)に被押圧部434,444が押圧されて後側コンタクト400が変形した際に、436,446は上述した保持部材110の受止部110Rに受け止められ、受止部110Rの上をスライドしながら移動する。
【0047】
本実施の形態において、2つの可動端部436,446が受止部110Rに受け止められることから、可動端部436,446にかかる応力を分散することができる。
【0048】
図6及び図8を参照して、第2バネ部470は、可動起点部452から後側に延びている。第2バネ部470には、自由端である後端472と、カード20(図12参照)の電極24と接触するための接点474とが設けられている。接点474は、後端472と可動起点部452との間に位置している。図8に示されるように、横方向における第2バネ部470の位置は、横方向における2つの被押圧部434,444の間に位置している。
【0049】
図6及び図8から理解されるように、第2バネ部470の後端472は、被押圧部434,444よりも前側(+X側)に位置している。従って、挿入物(図13のカードアダプタ30)が移動方向(前方向)に移動した際、挿入物の押圧部(内壁36)が後端472のある位置に到達する前に被押圧部434,444に当たって被押圧部434,444を下方向に押し下げることとなる。上述したように、被押圧部434,444の押し下げにより、可動起点部452が下方向に移動すると、可動起点部452の移動に伴って第2バネ部470は下方向に移動する。このようにして、本実施の形態においては、前後方向において挿入物の押圧部(内壁36)が第2バネ部470の位置に到達する頃には、第2バネ部470は初期状態から下方向に移動しており、挿入物の押圧部が第2バネ部470の後端472に接触することはない。従って、挿入物の抜去により第2バネ部470を含む後側コンタクト400が座屈してしまうことを防止することができる。
【0050】
初期状態において、後側コンタクト400を横方向に沿って見た場合に、本実施の形態の第2バネ部470の後端472は、第1梁部430の上面432及び第2梁部440の上面442より下側(−Z側)に位置している。換言すると、第1梁部430の上面432及び第2梁部440の上面442にて形成される面(曲面)よりも、第2バネ部470の後端472は下側に潜っている。従って、より確実に座屈防止をすることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではなく、挿入物の押圧部(内壁36)が第2バネ部470の後端472に接触しない限り、初期状態において、第2バネ部470の後端472が第1梁部430の上面432及び第2梁部440の上面442より上側(+Z側)に位置していてもよい。
【0051】
図5図6及び図10に示されるように、第2バネ部470の後端472は、初期状態において保持部材100の主面102よりも上側(+Z側)に位置している。これにより、接点474の位置も高くすることができ、接点474の移動距離も大きくとることができる。従って、カード20(図12参照)の電極24に対する接点474の接触力も十分確保することができる。
【0052】
上述した前側コンタクト300の場合(図11参照)と同様に、後側コンタクト400の第2バネ部470の後端472は、カード20(図12参照)の電極24が接点474と接触している状態において回路基板50の搭載面52まで達しないように、設けられている。従って、第2バネ部470の後端472が回路基板50に突き当り回路基板50を傷付けてしまったり、逆に回路基板50に後端472が突き当たることで第2バネ部470が変形してしまったりすることを避けることができる。
【0053】
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、様々な変形等が可能である。例えば、前側コンタクト300の第1バネ部320や後側コンタクト400の第1バネ部420は、鼓形状のようなアウトラインを有していてもよい。
【0054】
上述した実施の形態において、初期状態において、可動端部362は受止部110Fから離れて位置しており、可動端部436,446は受止部110Rから離れて位置していたが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、初期状態において、可動端部362が受止部110Fに接していてもよいし、可動端部436,446が受止部110Rに接していてもよい。
【0055】
上述した実施の形態において、前側コンタクト300の第1梁部330と第2梁部340とは接続端部360により一つにまとめられていたが、後側コンタクト400の第1梁部430と第2梁部440のように、接続端部360を設けずに第1梁部330の前端部336と第2梁部440の前端部436とを可動端部としてもよい。この場合、応力分散という効果は得られるが、カード20(図12参照)の斜め挿入により前側コンタクト300が破損してしまう可能性がある。従って、上述した実施の形態のように、接続端部360を設けることが好ましい。
【0056】
上述した実施の形態において、前側コンタクト300の第2バネ部370は、連結部350の可動起点部352から前側に延びていたが、後側コンタクト400のように、第2バネ部370を連結部350の可動起点部352から後側に延びるように構成してもよい。その場合、前側コンタクトの座屈防止は、カードアダプタ30単体を抜去する場合を考慮すべきであるので、被押圧部334,344も後側コンタクト400の被押圧部434,444のように第2バネ部370の後端(自由端)より後側に位置させる必要がある。
【0057】
上述したように、本実施の形態の保持部材100には、受止部110F,110Rが設けられていたが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、図14に示されるように、変形例によるコネクタ10Aの保持部材100Aには、受止部に相当する部位が設けられていない。同様に、受止部110Rを設けなくともよい。この場合、回路基板50(図11参照)の搭載面52の一部が受止部と同じ機能を提供することとなる。但し、受止部が設けられていないと、コネクタ10の回路基板50への搭載状態によって接点374の移動量が変わることになる。従って、一定の接触力を確保するためには、上述した実施の形態のような構成が好ましい。
【0058】
また、図15に示されるように、他の変形例によるコネクタ10Bの保持部材100Bには、金属製の受止部110Mが組み込まれている。この受止部110Mは、押圧部(図12のカード20の先端22や図13のカードアダプタ30の先端34)に被押圧部334,344が押圧されて前側コンタクト300が変形した際に可動端部362を移動可能に受け止める。受止部110Mは、前側コンタクト300の形状を変更して、その変更した前側コンタクトの一部を利用して構成してもよいし、補強部材120の一部を利用して構成してもよい。図15には、前側の受止部110Mのみが示されているが、後側の受止部も同様に構成することとしてもよい。
【0059】
上述した実施の形態において、前側コンタクト300の第1バネ部320は、第1梁部330、第2梁部340及び連結部350からなるH字形状の部位を有するものであったが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、第1バネ部320は、二股に分かれた腕部を有するY字状のものであってもよい。その場合、第2バネ部370は、2つの腕部の根元(二股分岐点)から延びており、また、被押圧部334,344は、2つの腕部に夫々設けられる。後側コンタクト400の第1バネ部420についても同様に変形可能である。
【0060】
上述した実施の形態において、コネクタ10は、マイクロSIMカード用のものであったが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、カード20を標準SIMカードとしてもよい。即ち、コネクタ10を標準SIMカード用のコネクタとしてもよい。この場合、カードアダプタ30は、例えば、マイクロSIMカードをコネクタ10に接続するためのものとなる。
【0061】
上述した実施の形態においては、構造上理解されるように、コネクタ10からカード20やカードアダプタ30を抜去するためには、作業者が指でカード20やカードアダプタ30を前方向に押し出す必要があったが、カード20やカードアダプタ30を後方向に押し込んだ後にカード20やカードアダプタ30を離すことによりカード20やカードアダプタ30を排出させるプッシュプッシュ機構をコネクタ10に設けることとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10,10A,10B コネクタ
12 収容部
20 カード(挿入物)
22 先端(押圧部)
24 電極
30 カードアダプタ(挿入物)
32 空間
34 先端(押圧部)
36 内壁(押圧部)
50 回路基板
52 搭載面
100,100A,100B 保持部材
102 主面
110F,110R,110M 受止部
120 補強部材
200 シェル
300 前側コンタクト(コンタクト)
310 被固定部
320 第1バネ部
330 第1梁部
332 上面
334 被押圧部
336 前端部
340 第2梁部
342 上面
344 被押圧部
346 前端部
350 連結部
352 可動起点部
360 接続端部
362 可動端部
370 第2バネ部
372 前端(自由端)
374 接点
400 後側コンタクト(コンタクト)
410 被固定部
420 第1バネ部
430 第1梁部
432 上面
434 被押圧部
436 前端部(可動端部)
440 第2梁部
442 上面
444 被押圧部
446 前端部(可動端部)
450 連結部
452 可動起点部
460 追加連結部
470 第2バネ部
472 後端(自由端)
474 接点
−X 後方向(移動方向、挿入方向)
+X 前方向(移動方向、抜去方向)
Y 横方向
−Z 下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16