(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957141
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】タッチスクリーンおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20160714BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
G06F3/041 660
G06F3/044 120
【請求項の数】24
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-506092(P2015-506092)
(86)(22)【出願日】2013年7月6日
(65)【公表番号】特表2015-513752(P2015-513752A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】CN2013078942
(87)【国際公開番号】WO2014146382
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2013年9月17日
(31)【優先権主張番号】201310090345.6
(32)【優先日】2013年3月20日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513232406
【氏名又は名称】南昌欧菲光科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANCHANG O−FILM TECH. CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 菲
【審査官】
加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/169848(WO,A2)
【文献】
実開昭62−001250(JP,U)
【文献】
特開2007−293865(JP,A)
【文献】
特開2012−238275(JP,A)
【文献】
特開2010−191504(JP,A)
【文献】
特表2012−508937(JP,A)
【文献】
特表2012−515967(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/012260(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンであって、ガラス基板と、導電層と、基材層とを含み、前記ガラス基板の1つの表面はプラズマボンバードメント処置によるSi−O−基を有し、前記ガラス基板の前記表面の粗さは5〜10nmであり、前記基材層は前記表面上に配置されるとともに前記Si−O−基に結合され、前記基材層はゼリーを硬化することにより形成され、前記基材層は、前記ガラス基板から離れたその側上に深さ対幅の比が1より大きいトレンチを規定し、前記導電層は前記トレンチ内に配置され、前記導電層は金属ワイヤーから構成されるメッシュであり、前記メッシュは複数のメッシュセルを含み、前記メッシュセルは、複数のメッシュ縁部と、2つの隣接する縁部を接続することにより形成される接続点とを含み、前記導電層は、感知領域と、前記感知領域に電気的に接続されるワイヤー領域とを含み、前記感知領域は、複数の第1の感知パターンと複数の第2の感知パターンとを含み、前記第1の感知パターンおよび前記第2の感知パターンは互いに隣接するとともに電気的に絶縁されており、各第1の感知パターンにおける前記メッシュセルは互いに電気的に接続され、各第2の感知パターンにおける前記メッシュセルは互いに電気的に接続される、タッチスクリーン。
【請求項2】
前記第1の感知パターンは、2次元座標の第2軸に沿って延在する第1の主線と、前記第1の主線に沿って横方向に延在する複数の第1の側枝とを含み、前記第2の感知パターンは、前記2次元座標の第2軸に沿って延在する第2の主線と、前記第2の主線に沿って横方向に延在する複数の第2の側枝とを含み、前記第1の側枝と前記第2の側枝とは間隔を置いて交互に配される、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
前記第1の側枝および前記第2の側枝は、2次元座標系の第1軸に沿って延在し、前記第1の主線および前記第2の主線は平行である、請求項2に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記導電層はさらに、前記感知領域および前記ワイヤー領域とともに補足的なパターンを形成する配色線を含む、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項5】
前記配色線はメッシュを形成し、前記配色線によって形成される前記メッシュのメッシュセルは、前記第1の感知パターンおよび前記第2の感知パターンの前記メッシュの前記メッシュセルと同じ形状および長さの縁部を有する、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項6】
隣接する前記第1の感知パターンと第2の感知パターンとの間の前記配色線は、絶縁路と交わるメッシュ縁部を失う、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項7】
隣接する前記第1の感知パターンと第2の感知パターンとの間の前記配色線は、前記メッシュ縁部の中央から断絶される、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項8】
隣接する前記第1の感知パターンと第2の感知パターンとの間の前記配色線は、前記第1の感知パターンと前記第2の感知パターンとが隣接する前記メッシュの接続点から断絶される、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項9】
前記ワイヤー領域は複数のワイヤークラスタを含み、前記ワイヤークラスタは互いに絶縁されており、各ワイヤークラスタは互いに接続される単一列のメッシュセルによって形成され、各ワイヤークラスタの一端部は前記第2の感知パターンの1つに電気的に接続される、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項10】
各ワイヤークラスタは、前記第2の感知パターンに対して2つの共通の接続点を有する、請求項9に記載のタッチスクリーン。
【請求項11】
ワイヤークラスタの部分は幹部分を含み、前記幹部分における隣接するメッシュセルは1つの共通の接続点によって互いに接続される、請求項9に記載のタッチスクリーン。
【請求項12】
いくつかの前記ワイヤークラスタはさらに、前記幹部分に接続される分岐部分を含み、前記分岐部分における隣接するメッシュセルは、1つの共通のメッシュ縁部によって互いに接続し、前記隣接するメッシュセルは2つの共通の接続点を含み、前記分岐部分の一端部上のメッシュセルは、共通のメッシュ縁部によって前記幹部分の一端部上のメッシュセルに接続する、請求項11に記載のタッチスクリーン。
【請求項13】
隣接する2つの前記ワイヤークラスタの前記幹部分の間の前記配色線は、前記メッシュ縁部の中央から断絶される、請求項11に記載のタッチスクリーン。
【請求項14】
前記断絶の長さは2〜20μmである、請求項7に記載のタッチスクリーン。
【請求項15】
前記断絶の長さは3〜9μmである、請求項14に記載のタッチスクリーン。
【請求項16】
前記幹部分は前記メッシュが前記配色線に隣接する前記接続点から断絶される、請求項11に記載のタッチスクリーン。
【請求項17】
いくつかの前記ワイヤークラスタの部分の前記隣接するメッシュセルは、共通のメッシュ縁部によって互いに接続され、隣接する2つの前記メッシュセルは2つの共通の接続点を含む、請求項10に記載のタッチスクリーン。
【請求項18】
前記メッシュの前記メッシュセルは菱形である、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項19】
前記感知領域は、相互に分離される左側感知領域と右側感知領域とを含み、前記左側感知領域および右側感知領域の各々は、複数の第1の感知パターンと複数の第2の感知パターンとを含み、前記ワイヤー領域は、前記左側感知領域と前記右側感知領域との間に配置される、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項20】
前記トレンチは、事前に設定された突出部を有するエンボス型のエンボスにより形成される、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項21】
前記トレンチの深さは、前記導電層の厚さ以上である、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項22】
前記基材層の厚さは、前記ガラス基板の厚さよりも薄い、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項23】
前記基材層と前記導電層とを覆う保護層をさらに含む、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項24】
タッチスクリーンを製造する方法であって、
ガラス基板を設けるステップと、
前記ガラス基板の表面上にてSi−O−基を露出するよう、前記表面をプラズマによりボンバードすることで、前記ガラス基板の前記表面の粗さを5〜10nmとするステップと、
プラズマによってボンバードされた前記ガラス基板の前記表面上にゼリーをコーティングおよび硬化し、基材層を形成するステップとを含み、前記ゼリーは硬化の間に、前記ガラス基板上の前記Si−O−基に結合され、前記方法はさらに、
エンボス型により前記基材層をエンボスし、前記ガラス基板の反対の前記基材層の表面上に深さ対幅の比が1より大きいトレンチを形成するステップと、
前記トレンチ中に金属を充填し、導電層として金属メッシュを形成するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、タッチスクリーンに関し、タッチスクリーン製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
タッチスクリーンは、入力信号を受け取り得るタッチ感応装置である。タッチスクリーンは、情報交換に新しい局面を与えており、新しい魅力的な情報インタラクティブ装置である。タッチスクリーン技術の発展は、国内および外国の情報メディアの広い関心を引き起こしており、光電子産業における新しい発展しているハイテクフォースとなっている。
【0003】
現在、ITO(インジウム錫酸化物)層は、タッチスクリーンモジュールの決定的に重要な部分である。たとえば投影型静電容量方式スクリーンといったように、タッチスクリーン製造技術は急速に進歩しているが、ITO層をキャパシタンス誘導導電層とする基本的な製造プロセスは近年あまり変わっておらず、常にITOコーティングを必要とし、ITOのパターニングが避けられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の製造方法は、エッチングプロセスを用いることが避けられず、多量のITOおよび金属材料が無駄になってしまう。
【0005】
発明の概要
これに基づき、導電層材料を節約し得るタッチスクリーン製造方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
タッチスクリーンを製造する方法は、ガラス基板を設けるステップと、ガラス基板の表面上にてSi−O−基を露出するよう、表面をプラズマによりボンバードするステップと、プラズマによってボンバードされるガラス基板の表面上にゼリーをコーティングおよび硬化し、基材層を形成するステップとを含み、ゼリーは硬化の間に、ガラス基板上のSi−O−基に結合され、当該方法はさらに、エンボス型により基材層をエンボスし、ガラス基板の反対の基材層の表面上にトレンチを形成するステップと、トレンチ中に金属を充填し、導電層として金属メッシュを形成するステップとを含む。
【0007】
一実施例では、プラズマによってボンバードされるガラス基板の表面の粗さは5〜10nmである。
【0008】
タッチスクリーンは、ガラス基板と、導電層と、基材層とを含み、ガラス基板の1つの表面はプラズマボンバードメント処置によってSi−O−基を形成し、基材層は表面上に配置されるとともにSi−O−基に結合され、基材層はゼリーを硬化することにより形成され、基材層は、ガラス基板から離れたその側上にトレンチを規定し、導電層はトレンチ内に配置され、導電層は金属ワイヤーから構成されるメッシュであり、メッシュは複数のメッシュセルを含み、メッシュセルは、複数のメッシュ縁部と、2つの隣接する縁部を接続することにより形成される接続点とを含み、導電層は、感知領域と、感知領域に電気的に接続されるワイヤー領域とを含み、感知領域は、複数の第1の感知パターンと複数の第2の感知パターンとを含み、第1の感知パターンおよび第2の感知パターンは互いに隣接するとともに電気的に絶縁されており、各第1の感知パターンにおけるメッシュセルは互いに電気的に接続され、各第2の感知パターンにおけるメッシュセルは互いに電気的に接続される。
【0009】
一実施例では、プラズマによってボンバードされるガラス基板の表面の粗さは5〜10nmである。
【0010】
一実施例では、第1の感知パターンは、2次元座標の第2軸に沿って延在する第1の主線と、第1の主線に沿って横方向に延在する複数の第1の側枝とを含み、第2の感知パターンは、2次元座標の第2軸に沿って延在する第2の主線と、第2の主線に沿って横方向に延在する複数の第2の側枝とを含み、各第2の主線は、ヘッドと端部との間に相互間隔を有しており、第1の側枝と第2の側枝とは間隔を置いて交互に配される。
【0011】
一実施例では、第1の側枝および第2の側枝は、2次元座標系の第1軸に沿って延在し、第1の主線および第2の主線は平行である。
【0012】
一実施例では、導電層はさらに、感知領域およびワイヤー領域とともに補足的なパターンを形成する配色線を含み、感知領域およびワイヤー領域は電気的に絶縁される。
【0013】
一実施例では、配色線はメッシュを形成し、配色線によって形成されるメッシュのメッシュセルは、第1の感知パターンおよび第2の感知パターンのメッシュのメッシュセルと同じ形状および長さの縁部を有する。
【0014】
一実施例では、隣接する第1の感知パターンと第2の感知パターンとの間の配色線は、絶縁路と交わるメッシュ縁部を失う。
【0015】
一実施例では、隣接する第1の感知パターンと第2の感知パターンとの間の配色線は、メッシュ縁部の中央から断絶される。
【0016】
一実施例では、隣接する第1の感知パターンと第2の感知パターンとの間の配色線は、第1の感知パターンと第2の感知パターンとが隣接するメッシュの接続点から断絶される。
【0017】
一実施例では、ワイヤー領域は複数のワイヤークラスタを含み、ワイヤークラスタは互いに絶縁されており、各ワイヤークラスタは互いに接続される単一列のメッシュセルによって形成され、各ワイヤークラスタの一端部は第2の感知パターンの1つに電気的に接続される。
【0018】
一実施例では、各ワイヤークラスタは、第2の感知パターンに対して2つの共通の接続点を有する。
【0019】
一実施例では、ワイヤークラスタの部分は幹部分を含み、幹部分における隣接するメッシュセルは1つの共通の接続点によって互いに接続される。
【0020】
一実施例では、いくつかのワイヤークラスタはさらに、幹部分に接続される分岐部分を含み、分岐部分における隣接するメッシュセルは、1つの共通のメッシュ縁部によって互いに接続し、隣接するメッシュセルは2つの共通の接続点を含み、分岐部分の一端部上のメッシュセルは、共通のメッシュ縁部によって幹部分の一端部上のメッシュセルに接続する。
【0021】
一実施例では、隣接する2つのワイヤークラスタの幹部分の間の配色線は、メッシュ縁部の中央から断絶される。
【0022】
一実施例では、断絶の長さは2〜20μmである。
一実施例では、断絶の長さは3〜9μmである。
【0023】
一実施例では、幹部分はメッシュが配色線に隣接する接続点から断絶される。
一実施例では、いくつかのワイヤークラスタの部分の隣接するメッシュセルは、共通のメッシュ縁部によって互いに接続され、隣接する2つのメッシュセルは2つの共通の接続点を含む。
【0024】
一実施例では、メッシュのメッシュセルは菱形である。
一実施例では、感知領域は、相互に分離される左側感知領域と右側感知領域とを含み、左側感知領域および右側感知領域の各々は、複数の第1の感知パターンと複数の第2の感知パターンとを含み、ワイヤー領域は、左側感知領域と右側感知領域との間に配置される。
【0025】
一実施例では、トレンチは、事前に設定された突出部を有するエンボス型のエンボスにより形成される。
【0026】
一実施例では、トレンチは、深さ対幅の比が1より大きい。
一実施例では、トレンチの深さは、導電層の厚さ以上である。
【0027】
一実施例では、基材層の厚さは、ガラス基板の厚さよりも薄い。
一実施例では、タッチスクリーンは基材層と導電層とを覆う保護層をさらに含む。
【発明の効果】
【0028】
上記のタッチスクリーン製造方法および上記のタッチスクリーンは、エンボス製造プロセスを用いる。ITOを導電層として用いる従来のプロセスと比較して、メッシュ形状は1ステップで形成され得、当該プロセスはシンプルであり、歩留率は高い。さらに、材料コストは、ITOの代わりに金属を用いることにより非常に低減される。エッチングプロセスを用いていないので、導電材料は無駄にされず、廃棄物における重金属排出を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施例におけるタッチスクリーンの概略図である。
【
図4A】ワイヤー領域と、当該ワイヤー領域および感知領域における配色線の概略的な構造の図である。
【
図5】
図4Bにおける第2の感知パターンに接続されるワイヤークラスタの概略図である。
【
図6A】
図1におけるゾーン1の部分拡大図である。
【
図7】一実施例においてワイヤークラスタ絶縁を実現する配色線の絶縁構造の概略図である。
【
図8】別の実施例においてワイヤークラスタ絶縁を実現する配色線の絶縁構造の概略図である。
【
図9A】第1の感知パターンおよび第2の感知パターン絶縁をそれぞれ実現する配色線の絶縁構造の概略図である。
【
図9B】第1の感知パターンおよび第2の感知パターン絶縁をそれぞれ実現する配色線の絶縁構造の概略図である。
【
図9C】第1の感知パターンおよび第2の感知パターン絶縁をそれぞれ実現する配色線の絶縁構造の概略図である。
【
図9D】第1の感知パターンおよび第2の感知パターン絶縁をそれぞれ実現する配色線の絶縁構造の概略図である。
【
図10】一実施例におけるタッチスクリーン製造方法の概略図である。
【
図11A】製造におけるタッチスクリーンの断面図である。
【
図11B】製造におけるタッチスクリーンの断面図である。
【
図11C】製造におけるタッチスクリーンの断面図である。
【
図11D】製造におけるタッチスクリーンの断面図である。
【
図11E】製造におけるタッチスクリーンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施例の詳細な説明
容易な理解のために、図面を用いて本発明を詳細に説明する。本発明の好ましい実施例は図面に与えられている。しかしながら本発明は、異なる態様で実施され得、ここで記載される実施例に限定されない。反対に、これらの実施例を提供する目的は、より入念かつ包括的に本発明の内容を開示することである。
【0031】
すなわち、ある構成要素が別の構成要素上に「固定される」と記載される場合、当該構成要素が別の構成要素の上に直接的に存在するか、またはそれらの間にさらに別の構成要素が存在し得る。ある構成要素が別の構成要素に「接続される」と考えられる場合、当該構成要素は、別の構成要素に直接的に接続され得るか、または同時にそれらの間にさらに別の構成要素が存在してもよい。本願明細書において、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横」、「縦」、および同様の表現の使用は、例示のみを目的とする。
【0032】
他に規定しない限り、本願明細書において用いられる技術用語および科学用語は、当業者に共通に理解されるような意味と同じ意味を有する。本発明の本願明細書において用いられるこれらの用語の目的は、本発明を限定するのではなく、特定の実施例を説明するためである。本願明細書において用いられる「および/または」という文言は、1つ以上の関連する項目の組合せを含む。
【0033】
図1は、一実施例におけるタッチスクリーンの概略図である。
図2は、このタッチスクリーンの断面図である。タッチスクリーンは、ガラス基板10と、導電層100と、基材層20とを含む。
【0034】
ガラス基板10は、カルシウムシリケートガラスまたはアルミノシリケートガラスである。ガラス基板10は、基材層20に結合される結合面21を含み、結合面21は、プラズマボンバードメント処置によりSi−O−基を露出する。結合面21の粗さは5〜10nmである。
【0035】
基材層20は、結合面21上に配置される。基材層20は、ゼリーを硬化することにより形成され、その厚さは、ガラス基板10の厚さよりも薄い。硬化の際、ゼリーの遊離基はSi−O−基に結合され、基材層20とガラス基板10とが堅く統合する。
【0036】
この実施例では、基材層20を形成するゼリーは、溶媒のないUV硬化アクリル樹脂である。他の実施例では、基材層20を形成するゼリーは、他の光硬化可能な接着剤、熱硬化接着剤、および自己接着性接着剤であり得る。上記の光硬化可能な接着剤は、30〜50%、40〜60%、1〜6%、および0.2〜1%といったモル比に従った、プレポリマー、モノマー、光開始剤、および添加剤の組合せである。プレポリマーは、エポキシアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、およびアクリル樹脂の少なくとも1つである。モノマーは、一官能価(たとえばIBOA、IBOMA、およびHEMAなど)、二官能価(たとえばTPGDA、HDDA、DEGDA、およびNPGDAなど)、三官能価(たとえばTMPTAおよびPETAなど)の少なくとも1つである。光開始剤は、ベンゾフェノンおよびデソキシベンゾインなどである。より具体的には、モル比が0.2〜1%である助剤が、上記の組合せに加えられ得る。当該助剤は、ヒドロキノン、メトキシフェノール、ベンゾキノン、および2,6ジターブチルフェノールなどであり得る。
【0037】
図11Dを参照して、基材層20はトレンチ23を規定する。トレンチ23は、事前に設定された突出部を有するエンボス型のエンボスにより形成される。トレンチ23には金属ワイヤーが収容される。トレンチ23は、深さ対幅の比が1より大きい。トレンチ23の深さは、導電層の厚さ以上であるので、基材層20は導電層100を保護し得る。
【0038】
導電層100の金属は、純金属か、または金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、および亜鉛のうちのいずれか2つもしくはそれ以上の合金である。
【0039】
導電層100は、金属ワイヤーから構成されるメッシュであり、このメッシュは、複数のメッシュセルを含む。メッシュセルは、複数のメッシュ縁部と、2つの隣接する縁部同士を接続することにより形成される接続点とを含む。この実施例では、当該メッシュの各メッシュセルは菱形であり、他の実施例では、メッシュセルはたとえば長方形および三角形などといった他の形状であり得る。
【0040】
導電層100は、感知領域110と、この感知領域に電気的に接続されるワイヤー領域120とを含む。
【0041】
この実施例では、色差を低減するとともにより良好な表示効果を得るために、導電層100はさらに、感知領域110およびワイヤー領域120とともに補足的なパターンを形成する配色線を含む。配色線は、感知領域110およびワイヤー領域120に対して電気的に絶縁されている。他の実施例では、配色線は省略され得る。この実施例では、感知領域110と、ワイヤー領域120と、配色線とのメッシュセルは同じ形状および周期を有しており、他の実施例では、たとえば、配色線がジグザグまたは破線であり得るといったように、異なり得る。
【0042】
図1における導電層100は軸対称である。導電層100は、垂直二等分線の1つと軸対称であり、他の実施例では、導電層100は、軸対称以外の任意の他の構造であり得る。さらに
図3Bを参照して、感知領域110は、第1の感知パターン111の少なくとも1つと、第2の感知パターン113の少なくとも1つとを含む。第1の感知パターン111および第2の感知パターン113は隣接しており、互いに電気的に絶縁される。各第1の感知パターン111におけるメッシュセルは、互いに電気的に接続されており、各第2の感知パターン113におけるメッシュセルは互いに電気的に接続されている。さらに
図3Aを参照して、この実施例では、軸対称である導電層100により、感知領域110は、相互に分離した左側感知領域112と右側感知領域114とを含む。左側感知領域112および右側感知領域114は軸対象であり、左側感知領域112および右側感知領域114の各々は、第1の感知パターン111の少なくとも1つと第2の感知パターン113の少なくとも1つとを含む。
【0043】
図3Bを参照して、第1の感知パターン111は、2次元座標の第2軸に沿って延在する第1の主線111aと、当該第1の主線111aに沿って横方向に延在する複数の第1の側枝111bとを含む。第2の感知パターン113は、2次元座標の第2軸に沿って延在する第2の主線113aと、第2の主線113aに沿って横方向に延在する複数の第2の側枝113bとを含む。各第2の主線113aは、ヘッドと端部との間に相互間隔を有する。第1の側枝111bと第2の側枝113bとは、間隔を置いて交互に配されており、これにより第2の感知パターン113と第1の感知パターン111との間に相互インダクタンスが形成される。第1の側枝111bおよび第2の側枝113bは、2次元座標系の第1軸に沿って延在しており、第1の主線111aと第2の主線113aとは平行である。
【0044】
これらの図面における詳細な実施例では、2次元座標系はXOY直交座標系であり、第1軸はX軸であり、第2軸はY軸である。他の実施例では、2次元座標系は、任意の他の座標系であり得、たとえば2次元斜交座標系であり得る。
【0045】
ワイヤー領域120は、左側感知領域112と右側感知領域114との間に配置される。
図4Aは、ワイヤー領域120、およびワイヤー領域120と感知領域110との間の配色線構造を示す図である。ワイヤー領域120と配色線とを比べて容易に識別するために、
図4Bは、対称軸に対して右側の配色線を省略し、対称軸に対して左側の配色線を維持している。
【0046】
ワイヤー領域120は、第2の感知パターンの数と等しい複数のワイヤークラスタを含む。各ワイヤークラスタは、第2の感知パターン113に対応して接続される。各ワイヤークラスタは互いに絶縁されている。
【0047】
ワイヤークラスタは、第2の感知パターン113の傍で分散しており、各ワイヤークラスタの一端部は第2の感知パターン113の1つと電気的に接続され、他端部は、基材層20の内側の縁部に延在する。この実施例では、各ワイヤークラスタは、互いに接続される単一列のメッシュセルによって形成される。ワイヤークラスタの位置は、タッチスクリーン上のタッチ不感ゾーンであり、これらの単一に配置されたワイヤー構造は、タッチ不感ゾーンのエリアを低減し、タッチスクリーンのタッチ感度を向上する。
図5を参照して、各ワイヤークラスタは、第2の感知パターン113に対する2つの共通の接続点1132を有する。
【0048】
図6Aは、
図1におけるゾーンIの部分拡大図である。
図6Bは、配色線のない
図6Aの概略図である。さらに
図6Aおよび
図6Bを参照して、各ワイヤークラスタは、そこを通って第2の感知パターン113に接続される分岐部分122を含む。分岐部分122における隣接するメッシュセルは、1つの共通のメッシュ縁部1222によって互いに接続され、隣接するメッシュセルは2つの共通の接続部を含む。この実施例では、ワイヤークラスタ122はさらに、幹部分124を含む。各ワイヤークラスタの幹部分124は平行であり、分岐部分122は、幹部分124を介して導電層100の縁部に接続され、次いでワイヤを介してPCBに接続され、感知領域110によるキャパシタンス変化によって作り出される信号をPCBプレートに転送する。各幹部分124における隣接するメッシュセルは、1つの共通の接続点により互いに接続される。分岐部分122の一端部上のメッシュセルは、幹部分124の一端部上のメッシュセルに共通のメッシュ縁部により接続する。共通のメッシュ縁部は、
図6Bにおいて破線により示される。
【0049】
幹部分124の主な機能は、分岐部分を導電層100の下側縁部に導くことであり、したがって、導電層100の下側縁部の近傍の第2の感知パターン113は、分岐部分122によって導電層100の縁部に導かれ得る。これは、対応するワイヤークラスタが幹部分124を含んでいないことを意味しており、ワイヤークラスタにおける隣接するメッシュセルは、1つの共通のメッシュ縁部によって互いに接続され、隣接するメッシュセルは2つの共通の接続点を含む。
【0050】
菱形の形状を有するメッシュセルの2つの対角線は、2次元直交座標系のX軸およびY軸にそれぞれ沿って延在する。幹部分124は、Y軸に沿って延在する。図面を参照して、ワイヤー領域120も軸対象である。対称軸に対して左側のワイヤークラスタは、左側感知領域112に接続され、対称軸に対して右側のワイヤークラスタは右側感知領域114に接続される。
【0051】
上述したように、導電層100はさらに配色線を含む。タッチスクリーンの作動原理に従うと、各第1の感知パターン111および第2の感知パターン113は互いに絶縁であり、各ワイヤークラスタ間も絶縁である。したがって本発明は、配色線を断絶することにより絶縁を実現している。
【0052】
より具体的には、本発明は複数の断絶手段を提供する。以下の図面は、ワイヤークラスタの絶縁を実現する配色線の構造の概略図を示す。
【0053】
(1)隣接する2つのワイヤークラスタの幹部分124の間の配色線の1つの列が除去される。
図6Bを参照して、これは、第1の線131と交わるメッシュ縁部を失うことと等価である。第1の線131は、幹部分124に平行な軸に沿って、換言すると、Y軸に沿って延在する仮想線である。この断絶された構造は、メッシュ周期を変更することなく、元々のメッシュに基づき複数のメッシュ縁部を失うことと等価であり、したがってタッチスクリーン表示の間の大きな色差へとはつながらない。
【0054】
(2)隣接する2つのワイヤークラスタの幹部分124の間の配色線は、メッシュ縁部の中央から断絶される。
図7を参照して、この断絶部分は、口部121を形成しており、この断絶の長さは2〜20μmであり、より良好な断絶の長さは3〜9μmであり、1つの好ましい実施例では、断絶の長さは6μmである。隣接する2つのワイヤークラスタの幹部分124の間の間隔が広く、配色線の複数の列を含む場合、理論上、配色線の各メッシュ縁部を断絶する必要はない。たとえば配色線(たとえば第1の線131に交わる)のただ1つの列が断絶される。設計された断絶部分の状態について考慮することは、製造プロセスの間の不良による接着である。より多くの配色線が断絶されるよう設計され得る。たとえば、隣接するワイヤークラスタの幹部分124の配色線の各メッシュ縁部は、絶縁を確実にするよう中央で断絶される。
【0055】
(3)幹部分124は、隣接する配色線との隣接するメッシュセルの接続点から断絶される。
図8を参照して、メッシュセル123上にて断絶される。クラスタの各幹部分124は、メッシュセルの接続点上の左側または右側の隣接する配色線から断絶されると、絶縁を実現し得るということが理解され得るが、製造プロセスの間に接着が発生した場合に絶縁を確実にするために、幹部分124の左側および右側の接続点はともに断絶され得る。
【0056】
図6Aにおける実施例は(2)および(3)の組合せであり、幹部分124が、隣接するメッシュセル接続点123上の隣接する配色線から断絶される。断絶されたメッシュセル接続点123の間のメッシュ縁部は、中央で断絶されており、口部121を形成する。
【0057】
断絶部分のサイズによる絶縁構造(2)、(3)および
図6Aの実施例の絶縁構造は、メッシュ縁部と比較した場合、無視され得、さらに色差を低減し得る。
【0058】
以下に、第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線の絶縁を実現する絶縁構造を紹介する。
【0059】
(4)隣接する第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線は、絶縁路と交わるメッシュ縁部を失う。
図9Aを参照して、
図9Aは、一実施例の断絶による絶縁を実現する配色線の絶縁構造の概略図である。導電層100上の位置は、
図1におけるゾーンIIに対応する。絶縁路11は、隣接する第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間のギャップにおける線(破線または曲線であってもよい)である。容易な理解のために、
図3Bはさらに絶縁路11を示す。絶縁路は、この実施例の破線であり、X軸に沿って延在する部分と、Y軸に沿って延在する別の部分とを含む。
図9Aの実施例では、第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線は、単一行/列構造であるので、第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線のすべてが失われる。この絶縁構造(4)は、メッシュ周期を変更することなく、元々のメッシュに基づき複数のメッシュ縁部を失うことと等価であり、したがってタッチスクリーン表示の間の大きな色差へとはつながらない。
【0060】
(5)隣接する第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線は、メッシュ縁部の中央から断絶されている。
図9Bを参照して、この断絶部分は口部13を形成しており、この断絶の長さは2〜20μmであり、より良好な断絶の長さは3〜9μmであり、1つの好ましい実施例では、断絶の長さは6μmである。隣接する第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の間隔が広く、配色線の複数の行/列を含む場合、理論上、配色線の各メッシュ縁部を断絶する必要はない。たとえば配色線(たとえば絶縁路に交わる配色線)のただ1つの行/列が断絶される。設計された断絶部分の状態について考慮することは、製造プロセスの間の不良による接着である。より多くの配色線が断絶されるよう設計され得る。たとえば、隣接する第1の感知パターン111および第2の感知パターン113の配色線の各メッシュ縁部は、絶縁を確実にするよう中央で断絶される。
【0061】
(6)隣接する第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線は、第1の感知パターン111および第2の感知パターンが隣接するメッシュ接続点の中央から断絶される。
図9Cを参照して、メッシュ接続点15から断絶される。隣接する第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線のみが、第1の感知パターン111に隣接するか、または第2の感知パターン113に隣接するメッシュ接続点から断絶される必要があり、絶縁を実現するということが理解され得る。設計された断絶部分の状態について考慮することは、製造プロセスの間の不良による接着である。配色線は、第1の感知パターン111および第2の感知パターン113に隣接する両方の接続点から断絶され得る。
【0062】
図1の実施例では、(5)および(6)の手段が組み合されている。
図9Dを参照して、隣接する第1の感知パターン111と第2の感知パターン113との間の配色線は、第1の感知パターン111および第2の感知パターン113に隣接するメッシュ接続点15から断絶される。断絶されたメッシュ接続点15の間のメッシュ縁部は、中央から断絶され、口部13を形成する。
【0063】
断絶部分のサイズによる上記の絶縁構造(5)、(6)および
図9Dの実施例の絶縁構造は、メッシュ縁部と比較した場合、無視され得、さらに色差を低減し得る。
【0064】
導電層は、エンボスプロセスによって製造され得る金属メッシュの構造を有する。ITOを導電層として用いる従来のプロセスと比較して、メッシュ形状は1ステップで形成され得、当該プロセスはシンプルであり、歩留率は高い。さらに、材料コストは、ITOの代わりに金属を用いることにより非常に低減される。エッチングプロセスを用いていないので、導電材料は無駄にされず、廃液における重金属排出を低減する。
【0065】
図2を参照して、タッチスクリーンはさらに保護層30を含む。保護層30は基材層20と導電層100とを覆う。
【0066】
図10を参照して、本発明はさらに、以下のステップを含むタッチスクリーンの製造方法を提供する。
【0067】
S110では、ガラス基板を設ける。
図11Aに示されるようにガラス基板を設けるステップでは、ガラス基板10はカルシウムシリケートガラスまたはアルミノシリケートガラスである。
【0068】
S120では、Si−O−基を表面上で露出するよう、プラズマによりガラス基板の表面をボンバードする。
【0069】
図11Bを参照して、この実施例では、プラズマ63は、ガラス基板10の表面をボンバードするのに用いられ、結合面21を形成する。プラズマ洗浄マシンが用いられ得、好ましい粗さは5〜10nmである。プラズマボンバードメントプロセスの主な機能は、ガラス表面を洗浄することと、Si−O−基を露出すること(Si−O−Si→Si−O−)である。ガラスは極性材料であり、基材層20は非極性材料であるので、ガラス基板10と基材層20との間の接着は当該プロセスがなければ制限され、接着剤は、取り外しの間に動くことになる。プロセスの後、結合面21はSi−O−基を露出し、基材層20に結合するとともに、ガラス基板10と基材層20との間の接着を向上させることを補助する。
【0070】
S130では、プラズマによりボンバードされたガラス基板の表面上にゼリーをコーティングおよび硬化して、基材層を形成する。
【0071】
図11Cを参照して、基材層は、エンボス接着剤であり、その材料はPMMAまたは光硬化性である。この実施例では、基材層20は溶媒のないUV硬化アクリル樹脂である。他の実施例では、基材層20を形成するゼリーは、他の光硬化可能な接着剤、熱硬化接着剤、および自己接着性接着剤であり得る。上記の光硬化可能な接着剤は、30〜50%、40〜60%、1〜6%、および0.2〜1%といったモル比に従った、プレポリマー、モノマー、光開始剤、および添加剤の組合せである。プレポリマーは、エポキシアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、およびアクリル樹脂の少なくとも1つである。モノマーは一官能価(たとえばIBOA、IBOMA、およびHEMAなど)、二官能価(たとえばTPGDA、HDDA、DEGDA、およびNPGDAなど)、三官能価(たとえばTMPTAおよびPETAなど)の少なくとも1つである。光開始剤は、ベンゾフェノンおよびデソキシベンゾインなどである。より具体的には、モル比が0.2〜1%である助剤が、上記の組合せに加えられ得る。当該助剤は、ヒドロキノン、メトキシフェノール、ベンゾキノン、および2,6ジターブチルフェノールなどであり得る。
【0072】
S140では、エンボス型61により基材層をエンボスし、ガラス基板にの反対の基材層の表面にトレンチを形成する。
【0073】
図11Dを参照して、基材層20はエンボス接着剤であり、事前に設定された突出部を有するエンボス型によりエンボスされ、トレンチ23を形成する。この実施例では、トレンチ23の深さは3μmであり、幅は2.2μmである。他の実施例では、トレンチのサイズは、実際の必要性に従って変更され得る。
【0074】
S150では、金属でトレンチを充填し、導電層として金属メッシュを形成する。
図11Eを参照して、導電層100は、上述したように、タッチスクリーンの導電性構造を用い得る。導電層100の金属は、純金属か、または金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、および亜鉛のうちのいずれか2つもしくはそれ以上の合金である。トレンチ23をナノ銀インクで充填するのに掻取技術が用いられ得、次いで150℃での焼結により、ナノ銀インク中のAgが導電性ワイヤーへと焼結されることになる。当該銀インクの固体部の含有率は35%であり、溶媒は焼結プロセスで揮発する。
【0075】
上記の実施例は単に本発明の複数の実施例を開示しているだけであり、その記載は具体的かつ詳細であるが、本発明の特許の範囲を限定するものではない。なお、本発明の概念の前提がある当業者であれば、さらに複数の変形および改善を行い得、これらのすべては、本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲に基づく。