特許第5957164号(P5957164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5957164情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5957164
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160714BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20160714BHJP
【FI】
   G06Q30/02 350
   G06Q30/06 330
【請求項の数】11
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-513569(P2016-513569)
(86)(22)【出願日】2015年11月24日
(86)【国際出願番号】JP2015082951
【審査請求日】2016年3月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勲
【審査官】 佐藤 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−30106(JP,A)
【文献】 特表2002−521754(JP,A)
【文献】 特開2003−331105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に対するユーザの操作履歴をユーザ毎に記憶する記憶手段から、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品とをユーザ毎に特定する商品特定手段と、
前記対象商品の取引条件と前記比較商品の取引条件とを前記ユーザ毎に比較し、前記比較商品の取引条件が前記対象商品の取引条件より優位である場合、前記比較商品の取引条件より優位または同等になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更する条件変更手段と、
前記取引条件が変更された前記対象商品それぞれに対応する前記ユーザのうちから、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さいユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定するユーザ決定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ決定手段は、前記価額が相対的に小さいユーザであって前記対象商品に対する購入期待値が相対的に高いユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象商品に対するユーザの操作履歴に基づいて当該対象商品に注目しているユーザの注目人数を算出し、当該注目人数に応じた許容額であって前記対象商品の取引条件の変更に許容される許容額を決定する許容額決定手段を更に備え、
前記条件変更手段は、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が、前記許容額決定手段により決定された許容額以下になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記許容額決定手段は、前記特定の売主により提供される商品の転換率と、前記対象商品の在庫数とに基づいて前記対象商品の在庫が無くなるために必要な必要人数を算出し、当該必要人数に対して前記注目人数が少ないほど前記許容額を大きく決定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象商品に対するユーザの購入期待値に応じた許容額であって前記対象商品の取引条件の変更に許容される許容額を決定する許容額決定手段を更に備え、
前記条件変更手段は、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が、前記許容額決定手段により決定された許容額以下になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件変更手段は、商品に対するユーザの操作履歴に示される購入実績に基づいて、複数種類の変更内容のうちから、当該ユーザによる商品の購入に寄与した変更内容を1以上の前記ユーザについて決定し、当該決定した変更内容に基づいて前記対象商品の取引条件を変更することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記条件変更手段は、前記対象商品の取引条件に含まれる取引項目のうち、前記比較商品の取引条件に含まれない取引項目を対象項目として特定し、特定した対象項目を削除する変更内容を1以上の前記ユーザについて決定し、当該決定した変更内容に基づいて前記対象商品の取引条件を変更することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記条件変更手段は、前記比較商品の取引条件に含まれる取引項目のうち、前記対象商品の取引条件に含まれない取引項目を対象項目として特定し、特定した対象項目を追加する変更内容を1以上の前記ユーザについて決定し、当該決定した変更内容に基づいて前記対象商品の取引条件を変更することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記商品特定手段は、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品と、前記対象商品及び前記比較商品以外の他の商品とを1以上の前記ユーザについて特定し、
前記条件変更手段は、前記他の商品の取引条件に含まれる取引項目に基づいて、前記対象項目を特定することを特徴とする請求項7または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
商品に対するユーザの操作履歴をユーザ毎に記憶する記憶手段から、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品とをユーザ毎に特定する商品特定ステップと、
前記対象商品の取引条件と前記比較商品の取引条件とを前記ユーザ毎に比較し、前記比較商品の取引条件が前記対象商品の取引条件より優位である場合、前記比較商品の取引条件より優位または同等になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更する条件変更ステップと、
前記取引条件が変更された前記対象商品それぞれに対応する前記ユーザのうちから、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さいユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定するユーザ決定ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
商品に対するユーザの操作履歴をユーザ毎に記憶する記憶手段から、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品とをユーザ毎に特定する商品特定手段と、
前記対象商品の取引条件と前記比較商品の取引条件とを前記ユーザ毎に比較し、前記比較商品の取引条件が前記対象商品の取引条件より優位である場合、前記比較商品の取引条件より優位または同等になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更する条件変更手段と、
前記取引条件が変更された前記対象商品それぞれに対応する前記ユーザのうちから、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さいユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定するユーザ決定手段として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に対するユーザの閲覧履歴等に基づいて当該商品の取引条件を変更するシステム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗によって広告対象として登録された商品の中から、広告対象となるユーザの関心に応じた商品の情報を提供する技術が知られている。例えば、特許文献1には、閲覧要求対象のページ情報の特徴語の上位概念の語句を当該ページ情報の閲覧要求元の人格として判定し、当該人格に対応する広告情報を閲覧要求対象のページ情報に付加して閲覧要求元に送信する技術が開示されている。また、特許文献2には、オークションサイトとは異なるブログサイトを閲覧しているユーザに対して、当該ユーザがウォッチリストに登録している商品の情報を当該ブログサイト上にバナー表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-138046号公報
【特許文献2】特開2014-157560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ある商品について競争関係にある複数の売主が存在する場合、各売主は他の売主に対する競争力を高めるために、自らが販売する商品の販売価格を下げるなどの取引条件を変更することがある。しかし、このような取引条件の変更により売主に与える負担(原資負担)は、できるだけ少なくなることが望ましい。従来技術では、売主の負担がより少ない変更で、当該変更による販促効果が相対的に高いユーザを決定することは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、売主の負担がより少ない変更で、当該変更による販促効果が相対的に高いユーザを、対象商品の変更後の取引条件の通知対象として決定することが可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、商品に対するユーザの操作履歴をユーザ毎に記憶する記憶手段から、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品とをユーザ毎に特定する商品特定手段と、前記対象商品の取引条件と前記比較商品の取引条件とを前記ユーザ毎に比較し、前記比較商品の取引条件が前記対象商品の取引条件より優位である場合、前記比較商品の取引条件より優位または同等になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更する条件変更手段と、前記取引条件が変更された前記対象商品それぞれに対応する前記ユーザのうちから、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さいユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定するユーザ決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、売主の負担がより少ない変更で、当該変更による販促効果が相対的に高いユーザを、対象商品の変更後の取引条件の通知対象として決定することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記ユーザ決定手段は、前記価額が相対的に小さいユーザであって前記対象商品に対する購入期待値が相対的に高いユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、売主の負担がより少ない変更で、対象商品を購入する期待値が高くて当該変更による販促効果が相対的に高いユーザを、対象商品の変更後の取引条件の通知対象として決定することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理装置において、前記対象商品に対するユーザの操作履歴に基づいて当該対象商品に注目しているユーザの注目人数を算出し、当該注目人数に応じた許容額であって前記対象商品の取引条件の変更に許容される許容額を決定する許容額決定手段を更に備え、前記条件変更手段は、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が、前記許容額決定手段により決定された許容額以下になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、対象商品の成約を促進することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、前記許容額決定手段は、前記特定の売主により提供される商品の転換率と、前記対象商品の在庫数とに基づいて前記対象商品の在庫が無くなるために必要な必要人数を算出し、当該必要人数に対して前記注目人数が少ないほど前記許容額を大きく決定することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、対象商品の売れ残りを低減することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理装置において、前記対象商品に対するユーザの購入期待値に応じた許容額であって前記対象商品の取引条件の変更に許容される許容額を決定する許容額決定手段を更に備え、前記条件変更手段は、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が、前記許容額決定手段により決定された許容額以下になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、対象商品の成約を促進することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置において、 前記条件変更手段は、商品に対するユーザの操作履歴に示される購入実績に基づいて、複数種類の変更内容のうちから、当該ユーザによる商品の購入に寄与した変更内容を1以上の前記ユーザについて決定し、当該決定した変更内容に基づいて前記対象商品の取引条件を変更することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、ユーザの意向にあった販促効果の高い変更内容を決定することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置において、 前記条件変更手段は、前記対象商品の取引条件に含まれる取引項目のうち、前記比較商品の取引条件に含まれない取引項目を対象項目として特定し、特定した対象項目を削除する変更内容を1以上の前記ユーザについて決定し、当該決定した変更内容に基づいて前記対象商品の取引条件を変更することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、売主の負担をより低減しつつ、対象商品の成約を促進することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報処理装置において、前記条件変更手段は、前記比較商品の取引条件に含まれる取引項目のうち、前記対象商品の取引条件に含まれない取引項目を対象項目として特定し、特定した対象項目を追加する変更内容を1以上の前記ユーザについて決定し、当該決定した変更内容に基づいて前記対象商品の取引条件を変更することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、対象商品の成約を促進することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の情報処理装置において、前記商品特定手段は、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品と、前記対象商品及び前記比較商品以外の他の商品とを1以上の前記ユーザについて特定し、前記条件変更手段は、前記他の商品の取引条件に含まれる取引項目に基づいて、前記対象項目を特定することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、ユーザの意向にあった取引項目を特定することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、商品に対するユーザの操作履歴をユーザ毎に記憶する記憶手段から、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品とをユーザ毎に特定する商品特定ステップと、前記対象商品の取引条件と前記比較商品の取引条件とを前記ユーザ毎に比較し、前記比較商品の取引条件が前記対象商品の取引条件より優位である場合、前記比較商品の取引条件より優位または同等になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更する条件変更ステップと、前記取引条件が変更された前記対象商品それぞれに対応する前記ユーザのうちから、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さいユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定するユーザ決定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項11に記載の発明は、コンピュータを、商品に対するユーザの操作履歴をユーザ毎に記憶する記憶手段から、前記ユーザの操作履歴に示される複数の商品であって、特定の売主により提供される対象商品と、当該特定の売主とは異なる売主により提供される商品であって前記対象商品と比較対象となる比較商品とをユーザ毎に特定する商品特定手段と、前記対象商品の取引条件と前記比較商品の取引条件とを前記ユーザ毎に比較し、前記比較商品の取引条件が前記対象商品の取引条件より優位である場合、前記比較商品の取引条件より優位または同等になるように前記対象商品の取引条件を前記ユーザ毎に変更する条件変更手段と、前記取引条件が変更された前記対象商品それぞれに対応する前記ユーザのうちから、前記対象商品の変更前の前記取引条件と変更後の前記取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さいユーザを優先して、前記特定の売主の売主条件を満たすように、複数のユーザを前記変更後の前記取引条件の通知対象として決定するユーザ決定手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、売主の負担がより少ない変更で、当該変更による販促効果が相対的に高いユーザを、対象商品の変更後の取引条件の通知対象として決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成例を示す図である。
図2】(A)は、本実施形態に係る情報提供サーバSAの概要構成例を示すブロック図である。(B)は、システム制御部4における機能ブロックの一例を示す図である。
図3】(A)は、商品の取引条件の変更内容の類型の一例を示す図である。(B)は、集計情報データベース25の内容の一例を示す図である。
図4】対象商品の取引項目の属性値と、比較商品の取引項目の属性値とを比較可能に対応付けたテーブル例を示す図である。
図5】(A)は、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額と、対象ユーザUnとして決定される優先順位との関係の一例を候補ユーザUn毎に示す図である。(B)は、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額と、候補ユーザUnの購入期待値と、対象ユーザUnとして決定される優先順位との関係の一例を候補ユーザUn毎に示す図である。
図6】情報提供サーバSAのシステム制御部4により実行される情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
図7】セッション継続中のユーザ端末UTnのWebブラウザのウインドウに表示中のWebページ上に通知情報が表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.情報提供システムの構成及び機能概要]
【0029】
先ず、図1等を参照して、本実施形態に係る情報提供システムSの構成及び概要機能について説明する。図1は、本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、情報提供システムSは、複数の売主端末STm(m=1,2,3・・・)、複数のユーザ端末UTn(n=1,2,3・・・)、及び情報提供サーバSA等を含んで構成される。売主端末STm、ユーザ端末UTn、及び情報提供サーバSAは、夫々、ネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築される。
【0030】
売主端末STmは、商品を販売(提供)する売主SHm(m=1,2,3・・・)により使用される端末装置である。売主SHmは、情報提供システムSを通じて商品を販売する提供主体である。本実施形態では、売主SHmとして、個人、法人、または団体により経営される店舗(各種施設も含む)を例にとって説明する。本実施形態における商品とは、取引対象となるアイテムである。このような商品のカテゴリ(商品カテゴリ)の例として、家電(例えば、テレビ、オーディオ、パソコン、カメラ等)、食品、ファッション、インテリア、書籍、雑貨、車、デジタルコンテンツ、チケットなどが挙げられるが特に限定されるものではない。例えば、商品には、宿泊施設や旅行代理店等により販売される宿泊プランや旅行プラン、さらには、ゴルフ施設や遊戯施設等により販売される利用プラン等も該当する。ユーザ端末UTnは、商品の購入を検討(または商品を購入)するユーザUn(n=1,2,3・・・)により使用される端末装置である。
【0031】
売主端末STm、及びユーザ端末UTnは、それぞれ、操作・表示部、通信部、記憶部、及び制御部等を備える。操作・表示部は、例えば、人の指やペン等による操作(ユーザ操作)を受け付ける入力機能と、情報を表示画面に表示する表示機能を有するタッチパネルを備える。なお、ユーザ操作の種別として、検索操作、閲覧操作、ブックマーク登録操作、買い物カゴ登録操作等がある。通信部は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部は、オペレーティングシステム(OS),アプリケーションプログラム,Webブラウザプログラム等を記憶する。制御部は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等を備え、OS上でアプリケーションプログラムやWebブラウザプログラム等を実行する。なお、売主端末STm、及びユーザ端末UTnには、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末 (PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話機と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、または携帯ゲーム機等が適用可能である。売主端末STm、及びユーザ端末UTnは、それぞれ、通信部及びネットワークNWを介して情報提供サーバSAにアクセスし、情報提供サーバSAと通信可能になっている。売主端末STm、及びユーザ端末UTnは、それぞれ、例えば、情報提供サーバSAへの要求により当該情報提供サーバSAから送信された例えばWebページをWebブラウザのウインドウに表示する。
【0032】
情報提供サーバSAは、本発明の情報処理装置の一例であり、例えばショッピングサイト、オークションサイト、旅行予約サイト、宿泊予約サイト、施設利用予約サイト等のWebサイトを提供するサーバである。図2(A)は、本実施形態に係る情報提供サーバSAの概要構成例を示すブロック図である。図2(A)に示すように、情報提供サーバSAは、通信部1、記憶部2(記憶手段の一例)、入出力インターフェース部3、及びシステム制御部4等を備える。システム制御部4と入出力インターフェース部3とは、システムバス5を介して接続される。通信部1は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部2は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム(OS),サーバプログラム(本発明の情報処理プログラムを含む)等を記憶する。なお、サーバプログラムは、所定のサーバから情報提供サーバSAにダウンロードされる。或いは、サーバプログラムは、CD、DVDなどの記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部2に記憶されるようにしてもよい。また、記憶部2には、例えばWebページ等を構成する電子データ等が記憶される。更に、記憶部2には、売主情報データベース(DB)21、ユーザ情報データベース(DB)22、商品情報データベース(DB)23、参照情報データベース(DB)24、及び集計情報データベース(DB)25等が構築される。
【0033】
売主情報データベース21は、本情報提供システムSの利用会員となった売主SHmの情報を格納するデータベースである。売主情報データベース21には、例えば、売主SHmの売主ID、パスワード、売主名、及び売主商品情報が売主SHm毎に対応付けられて格納されている。売主IDは、売主SHm毎に固有の識別情報である。売主ID及びパスワードは、売主SHmがシステムにログインするために必要な認証情報である。売主商品情報には、例えば、売主SHmにより販売可能な商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品の名称、当該商品の販促予算額、当該商品の属性情報(例えば、販売価格、仕様等)、当該商品の在庫数、当該商品の売上目標(目標額、目標数)、及び当該商品の売上実績(売上額、売上数)等が含まれる。商品IDは、例えば各売主SHmにより同一仕様(同一型式)の商品に固有の識別情報であり、当該システムSにおいて重複しないコードである。また、同一仕様の商品であっても、販売する売主SHmが異なれば、商品IDは異なることになる。例えば、あるメーカにより生産された同一仕様のコンパクトカメラ(型式:C−123)という商品であっても、販売する売主SHmが異なれば商品IDが異なり、当該商品の販売価格も売主SHmが個別により設定するので様々である。
【0034】
共通商品コードは、商品毎に固有のコード(例えば、商品の型式、または当該型式に応じて固有の商品番号)であり、複数の売主SHm間で共通するコード(売主を跨いで通用するコード)である。例えば、あるメーカにより生産された商品(例えば、家電)を店舗が販売するというようなケース(つまり、商品の生産主と販売主が同一主体でないケース)では、商品の仕様及びメーカ価格(定価)が同一の商品には、同一の共通商品コードが付与される。また、宿泊施設等の店舗により生成された商品(例えば、宿泊プラン)を当該店舗が販売するというようなケース(つまり、商品の生成主と販売主が同一主体であるケース)では、当該商品には共通商品コードが付与されないこともある。
【0035】
また、商品の販促予算額(予算額の一例)は、商品の取引条件の変更内容(例えば、販売価格の値引き)に応じて拠出される拠出額の原資である。販促予算額は、売主SHmにより任意に決定されるものであり、売主SHmの規模(例えば、資本金)によって異なる。また、商品の属性情報は、複数種類の属性項目に区分されており、それぞれの属性項目の属性値を含む。属性項目の種類は、商品カテゴリによって異なる場合がある。例えば、コンパクトカメラの属性情報には、販売価格、画素数、ズーム倍率、寸法、質量、オプション、及びポイント等の属性項目毎に属性値が設定されている。画素数、ズーム倍率、寸法、及び質量は、商品の仕様である。このオプションの例として、カメラケース、カメラストラップ、メモリカードなどが挙げられ、これらの属性値は、オプションの額(価額)を示す。また、ポイントは、ユーザUnによる商品購入の報酬(商品の販売価格の例えば数%)として当該ユーザUnに付与される特典であり、その属性値は、ポイントの値(例えば、10ポイント)を示す。なお、ポイントは、当該ユーザUnのその後の商品の決済(支払い)時に使用可能である。また、宿泊プランの属性情報には、販売価格、食事、風呂、オプション、及びポイント等の属性項目毎に属性値が設定される。このオプションの例として、特定の飲物の飲み放題、特定の食べ物(例えば、カニ)の食べ放題、マッサージなどが挙げられ、これらの属性値は、オプションの額を示す。また、属性項目のうち、販売価格、オプション、及びポイントは、商品の変更可能な取引条件として用いられる取引項目の一例である。
【0036】
図3(A)は、商品の取引条件の変更内容の類型の一例を示す図である。図3(A)の例では、変更内容の類型として、オプション削除、オプション追加、値引き(販売価格の値引き)、及びポイントアップが示されている。ここで、オプション削除(オプション外し)では、削除されるオプションの額に応じた値引きを伴うため、その分、売上の低下が見込まれるが、販促予算額からの拠出はないため、売主SHmの原資負担がない。オプション追加では、販売価格は維持されるため、売上の維持が見込まれるが、追加されるオプションの額が販促予算額から拠出されるため、売主SHmの原資負担がある。値引き(割引)では、販売価格が低下するため、その分、売上の低下が見込まれ、さらに、低下分の額(価額)が販促予算額から拠出されるため、売主SHmの原資負担がある。ポイントアップでは、販売価格は維持されるため、売上の維持が見込まれるが、アップされるポイントの値に応じた額(価額)が販促予算額から拠出されるため、売主SHmの原資負担がある。また、売主SHmによっては、売主SHmの目的に応じて、売上を増やすことを重視する(以下、「売上重視」という)か、或いは、原資負担を少なくすることを重視する(以下、「原資負担重視」という)かによって、上記変更内容の優先度が決められている。例えば、売上重視の場合、上記オプション追加及びポイントアップの優先度が、上記オプション削除及び値引きの優先度より高く設定される。また、原資負担重視の場合、オプション削除の優先度が最も高く設定され、上記オプション追加及びポイントアップの優先度が、上記値引きの優先度より高く設定される。このような売主SHmの目的による変更内容の優先度は、売主IDに対応付けられて売主情報データベース21に格納されてもよい。
【0037】
なお、売主商品情報は、例えば、情報提供サーバSAにアクセスした売主端末STmからの格納要求に応じて格納される。売主商品情報に含まれる商品の在庫数、及び商品の売上実績は、例えば、商品の取引が成立(つまり、商品の販売が完了)する度または所定時間間隔で更新される。なお、1つの売主SHmで、商品の属性情報が異なる複数種類の商品を販売する場合、売主情報データベース21には、複数種類の商品の売主商品情報が格納されることになる。
【0038】
次に、ユーザ情報データベース22は、本情報提供システムSの利用会員となったユーザUnの情報を格納するデータベースである。ユーザ情報データベース22には、例えば、会員となったユーザUnのユーザID、パスワード、性別、年齢、電子メールアドレス、ブックマークリスト、買い物カゴリスト、検索履歴、閲覧履歴、登録履歴、及び購入履歴等がユーザUn毎に対応付けられて格納されている。なお、ブックマークリストへの登録内容(登録履歴)、買い物カゴリストへの登録内容、検索履歴、閲覧履歴、及び購入履歴は、それぞれ、商品に対するユーザUnの操作履歴(行動履歴)の一例である。ユーザUnの検索履歴、閲覧履歴、及び購入履歴は、ユーザ情報データベース22とは別に設けられた履歴情報データベースに、ユーザUn毎のユーザIDに対応付けられて格納されてもよい。ユーザIDは、ユーザUn毎に固有のユーザ識別情報である。ユーザID及びパスワードは、ユーザUnがシステムにログインするために必要な認証情報である。
【0039】
ブックマークリストは、ユーザUnのブックマーク登録操作により指定された商品を登録するためのリストである(お気に入りリストという場合もある)。ユーザUnのブックマーク登録操作により指定される商品は、当該ユーザUnが関心(興味)を持った商品として、後から参照したい参照対象となる商品と言うことができる。つまり、ブックマークリストに登録(以下、「ブックマーク登録」という)された商品は、参照対象として登録された商品である。ブックマークリストには、例えば、ブックマーク登録時刻、ブックマーク登録操作により指定された商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品を販売する売主SHmの売主IDと売主名、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、及び当該商品の属性情報等の情報が対応付けられて含まれる。ここで、ブックマーク登録時刻とは、例えば、ブックマーク登録操作により指定された商品のブックマーク登録要求(当該商品の商品ID等を含む)が情報提供サーバSAにより受信された時刻、またはブックマーク登録要求された商品がブックマークリストに登録された時刻である。ブックマーク登録時刻は、日+時刻で表されてもよいし、月日+時刻で表されてもよいし、年月日+時刻で表されてもよい(後述する買い物カゴ登録時刻、検索時刻、閲覧時刻、及び購入時刻についても同様)。ブックマーク登録操作には、例えば、商品の情報を表示する画面(例えば、Webページやアプリケーションの画面)上に設けられたブックマーク登録ボタンを指定(例えば、マウスでクリック、指等でタップ)することが該当する。なお、ブックマーク登録とは、ブックマークリストを記憶するメモリ領域に商品の情報が格納されることを意味する。また、ブックマーク登録は、ユーザUnのブックマーク登録解除操作により解除することができる。ブックマーク登録解除操作には、例えば、ブックマーク登録された商品の情報を表示する画面上に設けられた商品削除ボタンを指定することが該当する。例えば、ブックマーク登録解除操作により指定された商品のブックマーク登録解除要求が情報提供サーバSAにより受信された場合、ブックマーク登録解除対象となった商品の情報はブックマークリストから削除される。
【0040】
買い物カゴリストは、ユーザUnの買い物カゴ登録操作により指定された商品を登録するためのリストである(ショッピングカートリストという場合もある)。ユーザUnの買い物カゴ登録操作により指定される商品は、当該ユーザUnが購入するつもりの商品、または購入を検討している商品として、後から参照したい参照対象となる商品と言うことができる。つまり、買い物カゴリストに登録(以下、「買い物カゴ登録」という)された商品は、参照対象として登録された商品と言うことができる。買い物カゴリストには、例えば、買い物カゴ登録時刻、買い物カゴ登録操作により指定された商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品を販売する売主SHmの売主IDと売主名、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、及び当該商品の属性情報等の情報が対応付けられて含まれる。ここで、買い物カゴ登録時刻とは、例えば、買い物カゴ登録操作により指定された商品の買い物カゴ登録要求(当該商品の商品ID等を含む)が情報提供サーバSAにより受信された時刻、または買い物カゴ登録要求された商品が買い物カゴリストに登録された時刻である。買い物カゴ登録操作には、例えば、商品の情報を表示する画面上に設けられた買い物カゴ登録ボタンを指定することが該当する。なお、買い物カゴ登録とは、買い物カゴリストを記憶するメモリ領域に商品の情報が格納されることを意味する。また、買い物カゴ登録は、ユーザUnの買い物カゴ登録解除操作により解除することができる。買い物カゴ登録解除操作には、例えば、買い物カゴ登録された商品の情報を表示する画面上に設けられた商品削除ボタンを指定することが該当する。例えば、買い物カゴ登録解除操作により指定された商品の買い物カゴ登録解除要求が情報提供サーバSAにより受信された場合、買い物カゴ登録解除対象となった商品の情報は買い物カゴリストから削除される。
【0041】
検索履歴には、検索時刻、検索クエリ、セッションID、及び検索結果等が対応付けられて含まれる。ここで、検索時刻とは、例えば、検索クエリを含む検索要求が情報提供サーバSAにより受信された時刻、または情報提供サーバSAにより検索が実行された時刻である。検索クエリは、商品の絞りこみ条件であり、検索語(例えば、1または複数の品詞)から構成される。検索語は、ユーザUnの検索操作により指定される。検索操作には、例えば、商品を検索する画面上に設けられた検索語入力欄に上記検索語が入力された後(或いは商品カテゴリの一覧から上記検索語が選択された後)、検索ボタンを指定することが該当する。セッションIDは、1セッション毎に固有の識別コードである。1セッションとは、例えば、ユーザ端末UTnのWebブラウザから情報提供サーバSAへアクセスした時からWebブラウザを閉じるまで(或いは、アプリケーションを終了するまで)である。検索結果には、検索クエリに基づく検索によりヒットした商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品を販売する売主SHmの売主名、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、及び当該商品の属性情報等の情報が対応付けられて含まれる。検索クエリに基づく検索によりヒットした商品とは、検索クエリ(例えば、“カメラ&コンパクト”)を満たす商品である(ここで、“&”は、通常、スペース(空白)で指定される)。このような検索履歴は、例えば、ユーザ端末UTnからの検索クエリを含む検索要求毎に区別されるレコードから構成される。このレコードの数が商品ID毎にカウントされることで商品ID毎の検索回数が算出される。なお、検索クエリに基づく検索により商品がヒットしなかった場合、検索結果にはヒットしなかったことを示す情報(NULL)が含まれる。
【0042】
閲覧履歴には、閲覧時刻、セッションID、閲覧時間(長さ)、ユーザUnの閲覧操作により閲覧された商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品を販売する売主SHmの売主IDと売主名、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、及び当該商品の属性情報等が対応付けられて含まれる。ここで、閲覧時刻とは、例えば、閲覧操作により指定された商品の詳細情報の閲覧要求(当該商品の商品ID等を含む)が情報提供サーバSAにより受信された時刻、または閲覧要求された商品の詳細情報を情報提供サーバSAからユーザ端末UTnへ送信した時刻である。なお、閲覧時刻は、閲覧要求された商品の詳細情報が画面に表示、または商品の詳細情報を表示する商品詳細表示ページがWebブラウザのウインドウに表示された時刻であってもよい。閲覧操作には、例えば、検索クエリによる検索結果を表示する画面(例えば、検索結果表示ページ)上の商品の名称や商品の画像等に設定された商品リンクを指定すること、及び、例えばWebページ上に設けられたバナー広告エリアに設定された商品リンクを指定することなどが該当する。商品リンク(ハイパーリンク)には、商品の詳細情報の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)が含まれる。閲覧時間は、例えば、商品の表示開始時刻(上記閲覧時刻)から表示終了時刻である。表示終了時刻は、例えば画面遷移(例えばページ遷移)が行われた時刻、または画面の表示が終了した時刻である。このような閲覧履歴は、例えば、ユーザ端末UTnからの閲覧要求毎に区別されるレコードから構成される。このレコードの数が商品ID毎にカウントされることで商品ID毎の閲覧回数が算出される。特に、過去所定時間の範囲内におけるレコードの数が商品ID毎にカウントされることで商品ID毎の閲覧頻度が算出される。
【0043】
なお、閾値(例えば、10秒)以上の閲覧時間を含むレコードの数が商品ID毎にカウントされることで商品ID毎の閲覧回数が算出されてもよい。また、閲覧履歴には、閲覧操作の対象となった商品リンクの種別が含まれてもよい。商品リンクの種別は、検索結果を表示する画面(例えば、検索結果表示ページ)上の商品の名称や商品の画像等に設定された商品リンクと、バナー広告エリアに設定された商品リンクとの何れか一方を示す。商品リンクの種別として、バナー広告エリアに設定された商品リンクが示される場合、このバナー広告を識別するIDが閲覧履歴に含まれる。商品リンクの種別として、バナー広告エリアに設定された商品リンクが示される閲覧履歴を含むレコードの数が商品ID毎にカウントされることで商品ID毎の指定数(クリック数及びタップ数が該当)が算出される。なお、商品ID毎に上記指定数を、バナー広告エリアに設定された商品リンクの表示回数で割ることで指定率が算出される。指定数及び指定率は、広告効果測定のために用いることができる。
【0044】
購入履歴には、購入時刻、セッションID、購入額、購入された商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品を販売する売主SHmの売主IDと売主名、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、及び当該商品の属性情報等の情報が対応付けられて含まれる。ここで、購入時刻とは、例えば、購入操作により指定された商品の購入要求(当該商品の商品ID等を含む)が情報提供サーバSAにより受信された時刻、または購入要求された商品の決済処理が完了した時刻である。購入操作には、例えば、買い物カゴリストに登録された商品の情報を表示する画面(例えば、購入手続ページ)に設けられた購入ボタンを指定することが該当する。このような購入履歴は、例えば、ユーザ端末UTnからの購入要求毎に区別されるレコードから構成される。また、商品の取引条件の変更から当該商品の購入に繋がった場合、当該商品の購入履歴には、当該取引条件の変更内容(図3(A)に示す変更内容の類型でもよい)、及び当該取引条件の変更時刻等が当該商品の商品IDに対応付けられて含まれてもよい。これにより、当該商品の取引条件の変更による販促効果を評価することができる。また、バナー広告エリアに設定された商品リンクの指定から当該商品の購入(これを、転換(コンバージョン)という)に繋がった場合、当該商品の購入履歴には、転換を示すフラグが含まれる。転換を示すフラグが含まれる購入履歴を含むレコードの数が商品ID毎にカウントされることで商品ID毎の転換数(コンバージョン数)が算出される。この転換数は、広告効果測定のために用いることができる。
【0045】
次に、商品情報データベース(アイテムデータベース)23は、売主情報データベース21に格納された売主商品情報に示される商品のうち、売主SHmから取引対象として出品された商品の情報を格納するデータベースである。商品情報データベース23には、例えば、売主SHmから取引対象として出品された商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、当該商品の属性情報、当該商品の在庫数(出品した売主SHmにおける当該商品の在庫数)、当該売主SHmの売主ID及び売主名等が商品毎に対応付けられて格納されている。なお、商品情報データベース23には、商品の取引項目のうち変更(取引条件の変更)が許可される取引項目、及び当該変更に許容される許容額が、当該商品の商品IDに対応付けられて格納されてもよい。例えば、当該変更に許容される許容額として\7,000(初期設定は\8,000)が格納される。なお、変更が許可される取引項目と、当該変更に許容される許容額は、例えば、当該商品の売主SHmにより任意に設定される。
【0046】
次に、参照情報データベース24は、ユーザUnの参照対象として登録された商品の参照情報を格納するデータベースである。参照情報データベース24には、ユーザUnの参照対象として登録された商品の参照情報、当該商品の登録時刻、及び当該ユーザUnのユーザIDがユーザUn毎に対応付けられて格納されている。参照情報には、例えば、ブックマークリストと買い物カゴリストの少なくとも何れか一方に登録された商品の商品ID、当該商品の共通商品コード、当該商品を販売する売主SHmの売主IDと売主名、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、当該商品の属性情報、及び当該商品の在庫数等の情報が対応付けられて含まれる。なお、商品の共通商品コード、当該商品を販売する売主SHmの売主IDと売主名、当該商品が属する商品カテゴリ、当該商品の名称、当該商品の属性情報、及び当該商品の在庫数は、上記商品の商品IDをキーとして商品情報データベース23等から取得できるので、参照情報には、商品IDだけが含まれるように構成してもよい。商品の登録時刻とは、当該商品がブックマークリストまたは買い物カゴリストに登録された時刻である。商品の参照情報、及び当該商品の登録時刻は、例えばブックマークリストまたは買い物カゴリストに商品が登録される度に参照情報データベース24に格納され、ブックマークリストまたは買い物カゴリストから商品が登録解除される度に参照情報データベース24から削除される。或いは、所定時間(例えば12時間)間隔で、ユーザID毎に、ブックマークリスト及び買い物カゴリストの内容が確認され、その確認結果が参照情報データベース24に反映されてもよい。また、ブックマークリスト及び買い物カゴリストに登録されていない商品であっても、ユーザUnの閲覧操作により閲覧された商品の閲覧履歴により特定される閲覧時間または閲覧回数が所定の閲覧条件を満たす商品は、当該閲覧履歴に対応するユーザUnの参照対象として登録(自動登録)される。この場合、自動登録された商品の参照情報、当該商品の登録時刻、及び当該ユーザUnのユーザIDは、参照情報データベース24に格納されることになる。
【0047】
次に、集計情報データベース25は、出品された商品に対するユーザUnの操作履歴に基づく集計情報を格納するデータベースである。集計情報には、検索情報、閲覧情報、指定情報、及び転換情報が含まれる。図3(B)は、集計情報データベース25の内容の一例を示す図である。集計情報データベース25には、例えば、図3(B)に示すように、検索情報、閲覧情報、指定情報、転換情報、商品の商品ID、及び当該商品を販売する売主SHmの売主IDが商品毎に対応付けられて格納されている。ここで、検索情報には、商品が検索された被検索回数が含まれる。被検索回数は、複数のユーザUnの検索履歴から特定される検索回数を集計することで算出される。閲覧情報には、商品が閲覧された被閲覧回数及び被閲覧時間が含まれる。被閲覧回数は、複数のユーザUnの閲覧履歴から特定される閲覧回数を合計することで算出される。被閲覧時間は、複数のユーザUnの閲覧履歴から特定される閲覧時間を合計することで算出される。指定情報には、バナー広告エリアに設定された商品リンクが指定された被指定数(CT)及び被指定率(CTR)が含まれる。被指定数は、複数のユーザUnの閲覧履歴から特定される指定数を合計することで算出される。被指定率は、商品ID毎に上記被指定数を、バナー広告エリアに設定された商品リンクの表示回数で割ることで算出される(被指定率=被指定数/表示回数)。転換情報には、商品の転換数(CV)及び転換率(CVR)が含まれる。転換数は、複数のユーザUnの購入履歴から特定される転換数を合計することで算出される。転換率は、商品ID毎に上記転換数を上記指定数で割ることで算出される(転換率=転換数/指定数)。なお、情報提供サーバSAは、バナー広告エリアに設定された商品リンクが指定される度にこれをカウントして指定数、さらには指定率を算出して集計情報データベース25に格納してもよい。また、情報提供サーバSAは、バナー広告エリアに設定された商品リンクが指定及び転換される度にこれをカウントして転換数、さらには転換率を算出して集計情報データベース25に格納してもよい。
【0048】
コンピュータとしてのシステム制御部4は、CPU41(プロセッサ),ROM42,及びRAM43(記憶手段の一例)等を備え、OS上でサーバプログラム等を実行する。図2(B)は、システム制御部4における機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部4(システム制御部4内のプロセッサ)は、サーバプログラム等の実行により、図2(B)に示すように、売主特定部41a、商品特定部41b、条件変更部41c、許容額決定部41d、対象ユーザ決定部41e、及び対象ユーザ通知部41f等として機能する。なお、商品特定部41bは、商品特定手段の一例である。条件変更部41cは、条件変更手段の一例である。許容額決定部41dは、許容額決定手段の一例である。対象ユーザ決定部41eは、ユーザ決定手段の一例である。
【0049】
売主特定部41aは、出品された商品を販売する売主SHm毎に、当該商品に対するユーザUnの操作履歴に基づいて当該商品の集計項目の項目値を取得する。ここで、集計項目の例として、被閲覧回数、被閲覧時間、被指定数、被指定率、転換数、及び転換率等が挙げられる。どの集計項目が用いられるかは任意に設定可能である。例えば、売主特定部41aは、システム管理者等により設定された集計項目の項目値を集計情報データベース25から売主SHm(つまり、売主ID)毎に取得する。例えば、集計項目が被指定数である場合、図3(B)の例では、“90”,“70”,“140”,“80”,“95”がそれぞれ取得される。なお、1つの売主IDに対応付けられて複数の商品の集計項目の項目値が集計情報データベース25に格納されている場合、例えば、複数の商品の集計項目の項目値の平均値(標準偏差値、または中央値であってもよい)が集計項目の項目値として取得される。そして、売主特定部41aは、売主SHm毎に取得した項目値の中で相対的に小さい項目値に対応する商品(例えば、項目値が最も小さい方から数えて所定順番以内の商品)を販売する売主SHmを、対象売主SHm(特定の売主の一例)として特定する。これにより、競争力が低い商品を販売する売主SHmをプロモーション対象とすることができる。なお、売主特定部41aは、予め設定された基準と比較して項目値が相対的に低い売主SHmを、対象売主SHmとして特定してもよい。或いは、売主特定部41aは、上記項目値が上記基準を満たしていないすべての売主SHmを優先して特定してもよい。ここで、売主として特定される基準(ハードル)は、売主SHm毎に異なるように構成してもよい。
【0050】
次に、商品特定部41bは、売主特定部41aにより特定された対象売主SHmにより販売される商品に対する各ユーザUn(以下、「候補ユーザUn」という)の操作履歴に示される複数の商品の中から、当該対象売主SHmにより販売される対象商品と、当該対象売主SHmとは異なる売主SHmにより販売される商品であって上記対象商品と比較対象となる比較商品とを候補ユーザUn毎に特定する。つまり、対象商品と比較商品との組(以下、「商品組」という)が、候補ユーザUn毎に特定される。各商品組において、対象商品の商品IDと比較商品の商品IDとは、同じユーザIDに対応付けられている。なお、対象売主SHmにより販売される商品が複数ある場合、複数の商品のうち、例えば所定の集計項目(例えば、対象売主SHmに特定時に用いられた集計項目)の項目値が最も小さい商品、または項目値が最も小さい方から数えて10番以内の商品が対象商品として特定される。或いは、この場合、複数の商品のうち、例えば所定の集計項目(例えば、対象売主SHmに特定時に用いられた集計項目)の項目値が、複数の売主SHm全体としての全体項目値(項目値の平均値、標準偏差値、または中央値)以下の商品が対象商品として複数特定されてもよい。
【0051】
また、各商品組において、対象商品と比較対象となる比較商品には、当該対象商品に関連する関連商品が該当する。例えば、対象商品に関連する関連商品とは、当該対象商品と同一の商品カテゴリに属する商品であり、当該対象商品の名称の一部(例えば、コンパクトカメラ)を含む商品である。或いは、対象商品に関連する関連商品は、当該対象商品と競合する商品として予めデータベースに登録(例えば、対象商品を販売する売主SHmの登録操作によって登録)された商品であってもよい。或いは、対象商品に関連する関連商品は、当該対象商品の共通商品コードと同一の共通商品コードが付与された商品であってもよい。
【0052】
また、対象商品と比較対象となる比較商品には、当該対象商品に関連する関連商品で、且つ、当該対象商品と閲覧タイミングが近い商品が該当してもよい。ここで、閲覧タイミングが近いとは、対象商品の閲覧時刻と関連商品の閲覧時刻との時間差が閾値(例えば、30分)以内であることを意味する。或いは、対象商品と比較対象となる比較商品には、当該対象商品に関連する関連商品で、且つ、当該対象商品と閲覧頻度(または閲覧時間)が近い商品が該当してもよい。ここで、閲覧頻度が近いとは、対象商品の閲覧頻度と、関連商品の閲覧頻度との差が閾値(例えば、3回)以内であることを意味する。また、閲覧時間が近いとは、対象商品の閲覧時間と、関連商品の閲覧時間との差が閾値(例えば、10分)以内であることを意味する。
【0053】
また、比較商品に該当する商品(関連商品等)が複数ある場合、これらの複数の商品の中で、取引条件が最も優位な商品が比較商品として特定される。ここで、取引条件が最も優位な商品には、例えば、取引条件に含まれる販売価格が最も安い商品が該当する。また、取引条件に含まれる販売価格が最も安い商品が複数ある場合、取引条件が最も優位な商品には、例えば、当該取引条件にオプションが含まれる商品が該当する。また、取引条件に含まれる販売価格が最も安い商品が複数あり、且つ、当該取引条件にオプションが含まれる商品が複数ある場合、取引条件が最も優位な商品には、当該取引条件に含まれるオプションの額(オプションが複数の場合、複数のオプションの額の総和)が最も高い商品が該当する。さらに、このような商品が複数ある場合、取引条件が最も優位な商品には、当該取引条件に含まれるポイントの値が最も大きい商品が該当する。なお、取引条件に含まれる販売価格が最も安い商品が複数ある場合、取引条件が最も優位な商品には、例えば、当該取引条件に含まれるポイントの値が最も大きい商品が該当してもよい。或いは、取引条件に含まれる販売価格が最も安い商品が複数ある場合、取引条件が最も優位な商品には、例えば、当該取引条件にポイントの値に応じた額とオプションの額の総和が最も高い商品が該当してもよい。
【0054】
このようにして、商品特定部41bは、対象商品と比較対象となる比較商品を1つに絞ることが処理上望ましいが、比較商品として特定されなかった関連商品を、参考商品(他の商品の一例)として特定してもよい。つまり、この場合、商品特定部41bは、候補ユーザUnの操作履歴に示される複数の商品であって、対象売主SHmにより販売される対象商品と、当該対象商品と比較対象となる比較商品と、当該対象商品及び当該比較商品以外の参考商品とを、商品組として1以上の候補ユーザUnについて特定する。こうして特定された参考商品の取引条件は、後述する変更内容の決定の際に用いられる。
【0055】
次に、条件変更部41cは、上記特定された対象商品の取引条件(つまり、取引項目の属性値)と、上記特定された比較商品の取引条件(つまり、取引項目の属性値)とを候補ユーザUn毎(つまり、各候補ユーザUnの商品組)に比較する。例えば、条件変更部41cは、対象商品の取引項目と比較商品の取引項目とを比較可能に対応付けたテーブルを用いて、それぞれの取引項目の属性値を比較する。図4は、対象商品の取引項目の属性値と、比較商品の取引項目の属性値とを比較可能に対応付けたテーブル例を示す図である。図4(A)〜(D)のテーブル例では、4人分のユーザUnそれぞれに対応する対象商品の取引項目の属性値と、比較商品の取引項目の属性値とに加えて、参考商品の取引項目の属性値とを比較可能に対応付けてられている。本実施形態では、1つの売主SHmの商品毎(商品ID毎)に販促予算額が対応付けられているため、図4(A)〜(D)に示すように、何れのユーザUnの対象商品の商品IDは同一になっている(比較対象及び参考商品の商品IDは同一であるとは限らない)。ただし、1つの売主SHmの全商品に対して販促予算額が対応付けられている場合、各ユーザUnの対象商品の商品IDは異なっていても構わない。
【0056】
そして、条件変更部41cは、各商品組において、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位である場合、当該比較商品の取引条件より優位または同等になるように対象商品の取引条件を変更する。このような変更に際して、条件変更部41cは、まず、上述した複数種類の変更内容(例えば、「オプション削除」、「オプション追加」、「値引き」、及び「ポイントアップ」)のうちから、変更すれば比較商品の取引条件より優位または同等になる変更内容を候補ユーザUn毎に1つ以上決定する。そして、条件変更部41cは、決定した変更内容に基づいて、比較商品の取引条件より優位または同等になるように対象商品の取引条件を候補ユーザUn毎に変更する。
【0057】
ここで、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位である場合の例として、(a)比較商品の販売価格(つまり、比較商品の取引条件に含まれる販売価格の属性値)が対象商品の販売価格より安い場合、(b)比較商品の販売価格が対象商品の販売価格と同じであり、且つ比較商品の取引条件中に対象商品の取引条件にはないオプションが含まれる場合、(c)比較商品の販売価格が対象商品の販売価格と同じであり、且つ比較商品の取引条件に含まれるポイントの値が対象商品の取引条件に含まれるポイントの値より大きい場合などの態様が挙げられる。ここで挙げた場合以外の態様も、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位である場合に該当することもある。比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位である場合の態様を示すデータは、例えば、条件変更部41cにより参照可能なテーブルに予め格納されておくとよい。上記(a)〜(c)等の態様の何れの場合も、変更すれば比較商品の取引条件より優位または同等になる変更内容としては、「オプション削除(値引きを伴う)」、「オプション追加」、「値引き」、及び「ポイントアップ」の少なくとも何れか1つが該当する。
【0058】
例えば、(a)比較商品の販売価格が対象商品の販売価格より安い場合、条件変更部41cは、比較商品の販売価格と対象商品の販売価格との差分に対応する額以上の「値引き」(対象商品の値引き)を変更内容として決定する。この変更内容の場合、図4(A)の例では、対象商品“Item001”の販売価格“¥10,000”が、比較商品“Item002”の販売価格と同等になるように“¥9,000”に変更されるか、または比較商品“Item002”の販売価格より優位になるように“¥8,500”に変更される。或いは、(a)の場合において、対象商品の取引条件に含まれるオプションのうち比較商品の取引条件に含まれないオプションがあり、当該オプションの額が上記差分に対応する額以上である場合、条件変更部41cは、このオプションを削除対象項目として特定し、特定した削除対象項目を削除する「オプション削除(オプションの額に応じた値引きを伴う)」を変更内容として決定してもよい。これにより、対象売主SHmの原資負担をより低減しつつ、対象商品の成約を促進することができる。この変更内容の場合、図4(A)の例では、対象商品“Item001”の取引条件に含まれるオプション1〜オプション3のうち、何れか2つのオプションが削除対象項目として特定される。そして、削除対象項目として特定された2つのオプションが対象商品“Item001”の取引条件から削除され、削除されたオプションの総額“¥1,000”が、対象商品“Item001”の販売価格“¥10,000”から差し引かれることで、対象商品“Item001”の販売価格は比較商品“Item002”の販売価格“¥9,000”と同等になるように変更される。また、この場合、条件変更部41cは、商品特定部41bにより特定された参考商品(対象商品と同じ候補ユーザUnの商品組に含まれる参考商品に限る)の取引条件に含まれるオプションに基づいて、当該オプション以外のオプションを削除対象項目として特定するとよい。この場合、図4(A)の例では、対象商品“Item001”の取引条件に含まれるオプション1〜オプション3のうち、オプション2は参考商品1及び2の取引条件に含まれるので、当該オプション2以外のオプション1及び3が削除対象項目として特定される。つまり、参考商品の取引条件に含まれるオプションは、候補ユーザUnが気にしている可能性があるため、このようなオプションを優先して取引条件中に残しておくのである。これにより、ユーザの意向にあった取引項目を残しておくことができる。
【0059】
また、図4(B)の例では、比較商品“Item006”の取引条件に含まれるオプション4は、対象商品“Item001”の取引条件には含まれない。この場合、2つの削除対象項目の総額“¥1,000”が対象商品“Item001”の販売価格“¥10,000”から差し引かれることで、対象商品“Item001”の販売価格が“¥9,000”になったとしても、比較商品“Item006”の取引条件に含まれるオプション4が候補ユーザUnにとって興味を引くオプションであると仮定すると、当該オプション4が対象商品“Item001”の取引条件に含まれるとよい。このため、条件変更部41cは、対象商品の取引条件に含まれるオプションを削除する「オプション削除(オプションの額に応じた値引きを伴う)」を変更内容と、比較商品の取引条件に含まれるオプションを追加する「オプション追加」とを変更内容として決定してもよい。これにより、図4(B)の例では、削除対象項目として特定された2つのオプション1及び3が対象商品“Item001”の取引条件から削除される。そして、当該削除されたオプションの総額“¥1,000”が対象商品“Item001”の販売価格“¥10,000”から差し引かれることで対象商品“Item001”の販売価格が“¥9,000”になり、さらに、オプション4が対象商品“Item001”の取引条件に追加される。
【0060】
また、(b)比較商品の販売価格が対象商品の販売価格と同じであり、且つ比較商品の取引条件中に対象商品の取引条件にはないオプションが含まれる場合、条件変更部41cは、比較商品の取引条件に含まれるオプションのうち対象商品の取引条件に含まれないオプションを追加対象項目として特定し、特定した追加対象項目を追加する「オプション追加」を変更内容として決定する。これにより、対象商品の成約を促進することができる。この変更内容の場合、図4(C)の例では、比較商品“Item007”の取引条件に含まれるオプション1〜オプション5のうち、対象商品“Item001”の取引条件には含まれないオプション4及び5が追加対象項目として特定され、特定されたオプション4及び5が対象商品“Item001”の取引条件に追加される。或いは、(b)の場合、条件変更部41cは、比較商品の販売価格と対象商品の販売価格との差分に対応する額を超える「値引き」(対象商品の値引き)を変更内容と、比較商品の取引条件に含まれるオプションを追加する「オプション追加」とを変更内容として決定してもよい。この変更内容の場合、図4(C)の例では、対象商品“Item001”の販売価格“¥10,000”が、比較商品“Item007”の販売価格より優位になるように“¥9,500”に変更されると共に、対象商品“Item001”の取引条件には含まれないオプション4及び5のうち、何れか1つのオプションが追加対象項目として特定され、特定されたオプションが対象商品“Item001”の取引条件に追加される。また、この場合、条件変更部41cは、商品特定部41bにより特定された参考商品の取引条件に含まれるオプションに基づいて、当該オプションを追加対象項目として特定するとよい。この場合、図4(C)の例では、対象商品“Item001”の取引条件には含まれないオプション4及び5のうち、オプション4は参考商品2及び3の取引条件に含まれるので、当該オプション4が追加対象項目として特定される。つまり、参考商品の取引条件に含まれるオプションは、候補ユーザUnが気にしている可能性があるため、このようなオプションを優先して取引条件中に残しておくのである。これにより、候補ユーザUnの意向にあった取引項目を追加対象項目として特定することができ、対象商品の成約を促進することができる。
【0061】
また、例えば、(c)比較商品の販売価格が対象商品の販売価格と同じであり、且つ比較商品の取引条件に含まれるポイントの値が対象商品の取引条件に含まれるポイントの値より大きい場合、条件変更部41cは、比較商品の取引条件に含まれるポイントの値と対象商品の取引条件に含まれるポイントの値との差分に応じたポイントを加算する「ポイントアップ」を変更内容として決定する。この変更内容の場合、図4(D)の例では、対象商品“Item001”の取引条件に含まれるポイント“100”が、対象商品“Item010”の取引条件に含まれるポイント“1000”と同等になるように変更(つまり、“1000”にポイントアップ)される。或いは、(c)の場合、条件変更部41cは、例えば許容額以下の「値引き」(対象商品の値引き)を変更内容として決定してもよい。また、(c)の場合において、さらに、比較商品の取引条件中に対象商品の取引条件にはないオプションが含まれる場合、条件変更部41cは、上述したように、「ポイントアップ」に加えて、比較商品の取引条件に含まれるオプションのうち対象商品の取引条件に含まれないオプションを追加する「オプション追加」を変更内容として決定してもよい。
【0062】
なお、決定可能な変更内容が複数ある場合、条件変更部41cは、売主特定部41aにより特定された売主SHmの売主SHmの目的に応じた優先度に基づいて、複数種類の変更内容のうちから、変更内容を決定してもよい。例えば、条件変更部41cは、売主特定部41aにより特定された売主SHmの売主IDに対応付けられた変更内容の優先度を売主情報データベース21から取得し、当該取得された優先度が相対的に高い変更内容を決定する。ここで、優先度が最も高い変更内容(例えば、「オプション削除」)が1つ決定されてもよいし、優先度が最も高い変更内容(例えば、「オプション削除」)と優先度がその次に高い変更内容(例えば、「ポイントアップ)」)との2つが決定されてもよい。こうして決定された変更内容は、各候補ユーザUnの商品組に対して適用される。或いは、決定可能な変更内容が複数ある場合、条件変更部41cは、候補ユーザUnの購入履歴に示される購入実績に基づいて、複数種類の変更内容のうちから、当該候補ユーザUnによる商品(対象商品以外の商品)の購入に寄与した変更内容を1以上の候補ユーザUnについて決定してもよい。例えば、条件変更部41cは、候補ユーザUnのユーザIDに対応付けられている購入履歴に、過去に商品の取引条件の変更から当該商品の購入に繋がったときの変更内容が含まれている場合、当該変更内容を商品の購入に寄与した変更内容として決定する。これにより、候補ユーザUnの意向にあった販促効果の高い変更内容を決定することができる。
【0063】
以上説明した変更において、条件変更部41cは、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が、当該対象商品の取引条件の変更に許容される許容額以下になるように(言い換えると、所定の変更幅内に収まるように)対象商品の取引条件を候補ユーザUn毎に変更するとよい。ここで、変更内容が「オプション削除」である場合、「差分に対応する価額」は、対象商品の取引条件から削除されるオプションの額に応じた額(つまり、対象商品の販売価格から減算した額)となる。また、変更内容が「オプション追加」である場合、「差分に対応する価額」は、対象商品の取引条件に追加されるオプションの額に応じた額となる。また、変更内容が「値引き」である場合、「差分に対応する価額」は、対象商品の販売価格から減算される額となる。また、変更内容が「ポイントアップ」である場合、「差分に対応する価額」は、対象商品の取引条件に含まれるポイントの値に加算されるポイントの値に応じた額となる。また、変更内容が「オプション削除」及び「オプション追加」である場合、「差分に対応する価額」は、対象商品の取引条件から削除されるオプションの額に応じた額と、対象商品の取引条件に追加されるオプションの額に応じた額との合計額となる。また、変更内容が「値引き」及び「オプション追加」である場合、「差分に対応する価額」は、対象商品の販売価格から減算される額と、対象商品の取引条件に追加されるオプションの額に応じた額との合計額となる。また、「差分に対応する価額が、許容額以下になるように」とは、当該価額が許容額以下であれば当該価額分の変更が確定する一方、当該価額が許容額を超えた場合は当該価額が当該許容額に置き換えられ(つまり、許容額に抑えられ)た上で当該価格分の変更が確定する。なお、当該比較商品の取引条件より優位または同等になるように変更すると、当該差分に対応する価額が上記許容額を超えることになる場合、取引条件の変更は行われない。
【0064】
また、上記許容額は、例えば、対象商品の商品IDをキーとして、商品情報データベース23から取得される。或いは、上記許容額は、対象売主SHmの販売状況(売上実績)に基づいて決定されてもよい。この場合、許容額決定部41dは、対象商品の商品IDに対応付けられた売上実績に含まれる売上額、または売上数を売主情報データベース21から取得し、売上額または売上数に応じた許容額を決定する。例えば、売上額または売上数が少ないほど許容額が大きく決定される。つまり、売上額または売上数が少なくて販売状況が厳しいほど許容額が大きくなる。これにより、対象商品の成約を促進することができる。或いは、許容額決定部41dは、対象商品の商品IDに対応付けられた在庫数を売主情報データベース21から取得し、在庫数が多いほど許容額を大きく決定する。つまり、在庫が残っていて販売状況が厳しいほど許容額が大きくなる。これにより、対象商品の成約を促進することができる。
【0065】
また、別の例として、上記許容額は、対象商品に注目しているユーザUnの注目人数に基づいて決定されてもよい。この場合、許容額決定部41dは、対象商品に対するユーザUnの操作履歴に基づいて当該対象商品に注目しているユーザUnの注目人数を算出し、当該算出した注目人数に応じた許容額(この場合、候補ユーザUn間で共通の許容額)を決定する。例えば、注目人数が少ないほど許容額が大きく決定される。これによっても、対象商品の成約を促進することができる。ここで、注目人数は、例えば対象商品を閲覧したユーザUnの数、または対象商品をブックマークリスト(買い物カゴリストでもよい)に登録したユーザの数である。そのため、注目人数は、対象商品の商品IDが閲覧履歴(ブックマークリストまたは買い物カゴリストでもよい)に含まれるユーザUnの数をカウントすることで算出することができる。
【0066】
また、許容額決定部41dは、対象売主SHmにより販売される商品の転換率(例えば、10%)と、対象商品の在庫数(例えば、10個)とに基づいて対象商品の在庫が無くなるために必要な必要人数(100人=在庫数:10個/転換率:0.1)を算出し、当該必要人数に対して上記注目人数が少ないほど許容額(この場合も、候補ユーザUn間で共通の許容額)を大きく決定してもよい。例えば、必要人数が100人であるのに対して、注目人数が80人しかいない場合、理論上、対象商品は2個売れ残ってしまう。このようなことを防ぐために、当該必要人数に対して前記注目人数が少ないほど許容額を大きくするのである。これにより、対象商品の売れ残りを低減することができる。ここで、商品の転換率は、例えば、対象売主SHmにより販売される複数の商品のうち、対象商品と同一の商品カテゴリに属する各商品の転換率の平均値(または、標準偏差値や中央値でもよい)である。対象商品と同一の商品カテゴリに属する各商品の転換率は、対象売主SHmの売主IDに対応付けられた商品IDをキーとして、集計情報データベース25から取得することができる。
【0067】
さらに、別の例として、上記許容額は、候補ユーザUn毎の購入期待値(対象商品が購入される期待度合いを定量的に示す値)に基づいて決定されてもよい。この場合、許容額決定部41dは、候補ユーザUnの操作履歴に基づいて対象商品に対する候補ユーザUnの購入期待値を決定し、当該決定した購入期待値に応じた許容額を候補ユーザUn毎に決定する。例えば、購入期待値が高いほど許容額が大きく決定される。これによっても、対象商品の成約を促進することができる。
【0068】
ここで、購入期待値は、候補ユーザUnによる商品の購入間隔に基づいて決定される。この場合、例えば、許容額決定部41dは、候補ユーザUnのユーザIDに対応付けられた購入履歴から、商品の購入間隔(例えば、購入間隔の平均値)を特定する。そして、最新の購入時刻から現時点までの経過時間が上記購入間隔(例えば、1週間)以下である場合、許容額決定部41dは、当該経過時間と購入間隔との差が小さいほど購入期待値を高く決定する。さらに、最新の購入時刻から現時点までの経過時間が上記購入間隔(例えば、1週間)を超えている場合、許容額決定部41dは、上記決定された購入期待値に対して、上記経過時間に応じた値を加算して購入期待値を決定する(つまり、経過時間が長いほど購入期待値が増す)。或いは、購入期待値は、候補ユーザUnによる対象商品の購入検討レベル(初期であるか、或いは後期であるか)に基づいて決定されてもよい。この場合、例えば、許容額決定部41dは、候補ユーザUnのユーザIDに対応付けられた閲覧履歴から、対象商品の閲覧時間と閲覧回数の少なくとも一方を含む閲覧状況と、過去に商品の購入に至ったときまでの閲覧時間と閲覧回数(例えば、閲覧時間または閲覧回数の平均値)の少なくとも一方を含む購入時閲覧実績とを特定する。そして、許容額決定部41dは、対象商品の閲覧状況に含まれる閲覧時間または閲覧回数が、購入時閲覧実績に含まれる閲覧時間または閲覧回数未満であれば、購入検討レベルが初期であるとして第1の購入期待値(想定的に低い値)に決定する一方、対象商品の閲覧状況に含まれる閲覧時間または閲覧回数が、購入時閲覧実績に含まれる閲覧時間または閲覧回数以上であれば、購入検討レベルが後期であるとして第1の購入期待値より高い第2の購入期待値に決定する。
【0069】
或いは、購入期待値は、候補ユーザUnによる対象商品の閲覧開始時刻(または検索開始時刻)からの経過時間に基づいて決定されてもよい。この場合、例えば、許容額決定部41dは、候補ユーザUnのユーザIDに対応付けられた閲覧履歴(または検索履歴)から、対象商品の閲覧開始時刻(または検索開始時刻)を特定する。なお、この閲覧開始時刻(または検索開始時刻)は、対象商品を初めて閲覧(検索)した時刻である。そして、許容額決定部41dは、上記閲覧開始時刻(または検索開始時刻)から現時点までの経過時間が短いほど購入期待値を高く決定する。つまり、対象製品が1ヶ月前に閲覧された場合よりも、1週間前に閲覧した場合の方が、購入期待値が高い。或いは、購入期待値は、取引条件の変更に対する候補ユーザUnの反応度合(低反応であるか、或いは高反応であるか)に基づいて決定されてもよい。この場合、例えば、許容額決定部41dは、候補ユーザUnのユーザIDに対応付けられた購入履歴から、上記決定された変更内容と同じ変更内容(過去に、商品の取引条件の変更から当該商品の購入に繋がったときの当該取引条件の変更内容)及び変更時刻と、当該商品の購入時刻とを特定する。そして、許容額決定部41dは、当該変更時刻から当該購入時刻までの経過時間が短いほど購入期待値を高く決定する。つまり、変更時刻から購入時刻までの経過時間が短いほど、候補ユーザUnの反応度合は高反応であるので、購入期待値が高く決定される。
【0070】
次に、対象ユーザ決定部41eは、取引条件が変更された対象商品それぞれに対応する候補ユーザUnのうちから、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さい候補ユーザUnを優先して、対象売主SHmの売主条件を満たすように、複数の対象ユーザUnを変更後の取引条件の通知対象として決定する。ここで、対象売主SHmの売主条件は、売主SHm毎に指定された条件であり、例えば売主IDに対応付けられて売主情報データベース21に格納されていてもよい。対象売主SHmの売主条件には、例えば、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額の総和が対象売主SHmの販促予算額の範囲内に収まることを示す条件が含まれる。
【0071】
図5(A)は、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額と、対象ユーザUnとして決定される優先順位との関係の一例を候補ユーザUn毎に示す図である。対象ユーザ決定部41eは、上記差分に対応する価額が小さい候補ユーザUnから順に(図5(A)に示すように、優先順位が1位から順番に)、対象ユーザUnとして決定していき、対象売主SHmの販促予算額に達した場合に当該決定を終了する。或いは、対象売主SHmの売主条件には、例えば、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額の総和が対象売主SHmの販促予算額の範囲内に収まること、及び所定人数分の複数の候補ユーザUnを特定することを示す条件が含まれる。この場合、対象ユーザ決定部41eは、販促予算額を上記所定人数で割ることで1人あたりの予算額を決定し、上記差分に対応する価額が当該予算額以下である候補ユーザUnを所定人数分、対象ユーザUnとして決定する。ここで、所定人数は、対象商品の在庫が無くなるために必要な必要人数であるように決定されるとよい。この必要人数は、上述したように、対象売主SHmにより販売される商品の転換率と、対象商品の在庫数とに基づいて算出される。なお、上記所定人数は、対象売主SHmにより任意に指定された人数であってもよい。
【0072】
また、対象ユーザ決定部41eは、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さい候補ユーザUnであって当該対象商品に対する購入期待値が相対的に高い候補ユーザUnを優先して、例えば当該価額の総和が対象売主SHmの販促予算額の範囲内に収まるように、所定人数分の対象ユーザUnを決定するとよい。これにより、売主の負担がより少ない変更で、当該変更による販促効果が相対的に高い候補ユーザUnを、対象商品の変更後の取引条件の通知対象として決定することができる。図5(B)は、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額と、候補ユーザUnの購入期待値と、対象ユーザUnとして決定される優先順位との関係の一例を候補ユーザUn毎に示す図である。図5(B)に示すように、例えば、対象ユーザ決定部41eは、上記差分に対応する価額が同一の候補ユーザUnが複数いる場合、上述したように決定される購入期待値が高い候補ユーザUnを優先して(優先順位を高くして)対象ユーザUnとして決定することになる。
【0073】
次に、対象ユーザ通知部41fは、対象ユーザ決定部41eにより決定されたそれぞれの対象ユーザUnに対して、当該対象ユーザUnそれぞれに対応する変更後の取引条件と対象商品の名称等を含む通知情報を通知する。ここで、通知情報は、テキストデータと画像データの少なくとも何れか一方から構成される。対象ユーザ通知部41fは、例えば、上記通知情報が本文に記述された電子メールを、対象ユーザUnそれぞれのユーザIDに対応付けられた電子メールアドレス宛てに送信することで各対象ユーザUnへ当該通信情報を通知する。或いは、対象ユーザ通知部41fは、それぞれの対象ユーザUnのユーザ端末UTn(セッション継続中のユーザ端末UTn)へ上記通知情報を送信することで各対象ユーザUnに当該通信情報を通知する。この場合、例えば、対象ユーザ通知部41fは、セッション継続中のユーザ端末UTnへ上記通知情報を送信することでWebブラウザにプラグインされたツールバー上に当該通知情報を表示させる。或いは、対象ユーザ通知部41fは、セッション継続中のユーザ端末UTnへ上記通知情報を送信することでWebブラウザのウインドウに表示中のWebページ上に当該通知情報を表示させる。或いは、対象ユーザ通知部41fは、セッション継続中のユーザ端末UTnへ上記通知情報を表すWebページを送信することでWebブラウザのウインドウに当該Webページを表示させてもよい。
[2.情報提供システムSの動作]
【0074】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る情報提供システムSの動作について説明する。図6は、情報提供サーバSAのシステム制御部4により実行される情報提供処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す情報提供処理は、例えば所定時間間隔で実行される。
【0075】
図6に示す情報提供処理が開始されると、システム制御部4(売主特定部41a)は、複数の売主SHmの売主IDを売主情報データベース21から特定し、特定した売主IDに対応付けられている商品IDを商品情報データベース23から売主ID毎に特定し、売主ID毎に特定した商品IDのうち、ユーザ情報データベース22に格納されている操作履歴に含まれる商品IDを売主ID毎に特定する(ステップS1)。なお、システム制御部4は、売主情報データベース21から特定した売主IDに対応付けられている商品IDを商品情報データベース23から売主ID毎に特定し、売主ID毎に特定した商品IDのうち、ユーザUnの参照対象として登録された商品の商品IDを参照情報データベース24から売主ID毎に特定してもよい。
【0076】
次いで、システム制御部4(売主特定部41a)は、ステップS1で特定された商品IDに対応付けられた集計項目の項目値を集計情報データベース25から売主ID毎に取得する(ステップS2)。なお、上述したように、1つの売主IDに対して複数の商品の集計項目の項目値が集計情報データベース25に格納されている場合、例えば、複数の商品の集計項目の項目値の平均値(標準偏差値、または中央値であってもよい)が集計項目の項目値として取得される。
【0077】
次いで、システム制御部4(売主特定部41a)は、ステップS2で売主ID毎に取得された項目値の中で相対的に小さい項目値に対応する商品ID(例えば、被閲覧回数が少ない商品の商品ID)に対応付けられた売主IDを、対象売主SHmの売主IDとして特定する(ステップS3)。ここで、システム制御部4(売主特定部41a)は、売主ID毎に取得したそれぞれの項目値を商品カテゴリ毎に集計して、複数の売主SHm全体としての全体項目値(項目値の平均値、標準偏差値、または中央値)を商品カテゴリ毎に算出し、特定の商品カテゴリ(例えばシステム管理者等により設定された商品カテゴリ)の全体項目値より小さい項目値に対応する商品IDに対応付けられた売主IDを、対象売主SHmの売主IDとして特定するとよい。或いは、システム制御部4(売主特定部41a)は、売主ID毎に算出したそれぞれの項目値を商品カテゴリ毎に集計して、複数の売主SHm全体としての全体項目値(項目値の合計値)を商品カテゴリ毎に算出し、特定の商品カテゴリの全体項目値に対して占める割合が相対的に小さい項目値に対応する商品IDに対応付けられた売主IDを、対象売主SHmの売主IDとして特定してもよい。なお、システム制御部4(売主特定部41a)は、売主情報データベース21を参照して、商品の販促予算額が所定額以上あり、当該商品の売上目標額に達していない売主SHmの売主IDを対象売主SHmの売主IDとして特定してもよい。
【0078】
次いで、システム制御部4は、ステップS3で特定された売主ID(対象売主SHmの売主ID)を1つ選定する(ステップS4)。次いで、システム制御部4は、ステップS4で選定された売主IDに対応付けられている商品IDを1つ選定する(ステップS5)。ここで選定された商品IDは、上述した対象商品の商品IDである。
【0079】
次いで、システム制御部4は、ステップS5で選定された商品IDを含む操作履歴に対応付けられたユーザIDを複数特定する(ステップS6)。ここで特定されたユーザIDは、候補ユーザUnのユーザIDである。次いで、システム制御部4は、ステップS6で特定されたユーザIDそれぞれに対応する候補ユーザUnの購入期待値を、ユーザUn(ユーザID)毎に決定する(ステップS7)。ここで、候補ユーザUnの購入期待値は、候補ユーザUnの商品の購入間隔、候補ユーザUnによる対象商品の購入検討レベル、候補ユーザUnによる対象商品の閲覧開始時刻からの経過時間、または取引条件の変更に対する候補ユーザUnの反応度合に基づいて決定される。
【0080】
次いで、システム制御部4は、ステップS7で決定された購入期待値が閾値以上である候補ユーザUnのユーザIDを特定する(ステップS8)。これにより、多くの候補ユーザUnの中から、対象商品の購入することが期待される候補ユーザUnに絞り込むことができる。ステップS6で決定されたユーザIDが所定人数に満たない場合、ステップS7及びS8の処理は行うことなく、ステップS9の処理へ進むように構成してもよい。次いで、システム制御部4は、ステップS8(またはステップS6)で特定されたユーザID(候補ユーザUnのユーザID)を1つ選定する(ステップS9)。
【0081】
次いで、システム制御部4(商品特定部41b)は、ステップS9で選定された候補ユーザUnの操作履歴に示される複数の商品IDの中から、ステップS4で選定された売主ID(対象売主SHmの売主ID)に対応付けられた商品ID(対象商品の商品ID)と、当該対象売主SHmの売主IDとは異なる売主IDに対応付けられた商品ID(比較商品の商品ID)とを特定する(ステップS10)。
【0082】
次いで、システム制御部4(条件変更部41c)は、ステップS10で特定された、対象商品の商品IDに対応付けられた取引条件(対象商品の取引条件)と、ステップS10で特定された、比較商品の商品IDに対応付けられた取引条件(比較商品の取引条件)とを比較する(ステップS11)。これにより、例えば、対象商品の取引項目の項目値から、比較商品の取引項目の項目値を引いた値が比較結果として取引項目(販売価格、オプション、ポイント)毎に得られる。次いで、システム制御部4(条件変更部41c)は、ステップS11の比較結果に基づいて、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位であるか否かを判定する(ステップS12)。例えば、ステップS11の比較結果として得られた値が、正の値であるか、0であるか、或いは負の値であるかが、取引項目毎に判定される。例えば、判定対象となった販売価格について比較結果として得られた値が正の値であれば、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位であると判定される。また、判定対象となった販売価格について比較結果として得られた値が0であり、且つ、判定対象となったオプションについて比較結果として得られた値が負の値であれば、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位であると判定される。また、判定対象となった販売価格について比較結果として得られた値が0であり、且つ、判定対象となったポイントについて比較結果として得られた値が負の値であれば、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位であると判定される。また、判定対象となった販売価格について比較結果として得られた値が0であり、且つ、判定対象となったオプションについて比較結果として得られた値が0であり、且つ、判定対象となったポイントについて比較結果として得られた値が負の値であれば、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位であると判定される。なお、上記例では、ステップS11の処理とステップS12の処理とを分けているが、ステップS11の処理とステップS12の処理とを統合してもよい。システム制御部4(条件変更部41c)は、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位であると判定した場合(ステップS12:YES)、処理をステップS13へ進める。一方、システム制御部4(条件変更部41c)は、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位でないと判定した場合(ステップS12:NO)、処理をステップS17へ進める。
【0083】
ステップS13では、システム制御部4(条件変更部41c)は、当該対象商品の取引条件の変更内容を決定する。ここで、変更内容は、上述したように、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位である場合の態様に応じて1つ以上決定される。なお、決定可能な変更内容が複数ある場合、変更内容は、上述したように、対象売主SHmの目的に応じた優先度、候補ユーザUnの購入実績、または候補ユーザUnによる商品の購入に寄与した変更内容に基づいて決定されてもよい。次いで、システム制御部4(条件変更部41c)は、当該対象商品の取引条件の変更に許容される許容額を取得する(ステップS14)。ここで、許容額は、上述したように、対象売主SHmの販売状況、ユーザUnの注目人数、または候補ユーザUn毎の購入期待値に基づいて決定されることで取得される。或いは、許容額は、対象商品の商品IDをキーとして商品情報データベース23から取得されてもよい。
【0084】
次いで、システム制御部4(条件変更部41c)は、ステップS13で決定された変更内容とステップS14で取得された許容額とに基づいて、比較商品の取引条件より優位または同等になるように対象商品の取引条件を変更する(ステップS15)。このとき、システム制御部4(条件変更部41c)は、当該対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が、ステップS13で取得された許容額以下になるように当該対象商品の取引条件を変更する。なお、許容額の初期値として、対象商品の商品IDをキーとして商品情報データベース23から取得された許容額が設定されてもよい。この場合、上記差分に対応する価額が、初期値として設定された許容額を超える場合に限り、対象売主SHmの販売状況、ユーザUnの注目人数、または候補ユーザUn毎の購入期待値に基づいて決定された許容額が新たに設定される。そして、システム制御部4(条件変更部41c)は、当該対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が、新たに設定された許容額以下になるように当該対象商品の取引条件を変更する。
【0085】
次いで、システム制御部4(条件変更部41c)は、ステップS9で選定されたユーザID(候補ユーザUnのユーザID)と、ステップS15で取引条件が変更された対象商品の商品IDと、変更前の取引条件と、変更後の取引条件とを対応付けてRAMの所定領域に記憶し(ステップS16)、処理をステップS17へ進める。なお、比較商品の取引条件より優位または同等になるように変更すると、当該差分に対応する価額が上記許容額を超えることになる場合、ステップS15及びS16の処理は行われずに、ステップS17へ移行される。
【0086】
ステップS17では、システム制御部4は、ステップS8(またはステップS6)で特定されたユーザIDのうち、まだ選定されていないユーザIDがあるか否かを判定する。システム制御部4は、まだ選定されていないユーザIDがあると判定した場合(ステップS17:YES)、処理をステップS9に戻し、まだ選定されていないユーザIDを1つ選定して、ステップS10以降の処理を実行する。一方、システム制御部4は、まだ選定されていないユーザIDがないと判定した場合(ステップS17:NO)、処理をステップS18へ進める。
【0087】
ステップS18では、システム制御部4(対象ユーザ決定部41e)は、ステップS16で記憶されたユーザIDが示す候補ユーザUn(取引条件が変更された対象商品に対応する候補ユーザUn)のうちから、ステップS16で記憶された変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さい候補ユーザUnを優先して、対象売主SHmの売主条件を満たすように、複数の対象ユーザUnのユーザIDを決定する。この決定方法は、上述したとおりであるが、ステップS18では、システム制御部4(対象ユーザ決定部41e)は、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さい候補ユーザUnで、なおかつ、当該対象商品に対する購入期待値が相対的に高い候補ユーザUnを優先して、対象売主SHmの売主条件を満たすように、複数の対象ユーザUnのユーザIDを決定してもよい。
【0088】
次いで、システム制御部4(対象ユーザ通知部41f)は、ステップS18で決定されたそれぞれのユーザIDが示す対象ユーザUnに対して、当該対象ユーザUnそれぞれに対応する変更前と変更後の取引条件と対象商品の名称等を含む通知情報を通知する(ステップS19)。
【0089】
図7は、セッション継続中のユーザ端末UTnのWebブラウザのウインドウに表示中のWebページ上に通知情報が表示された画面の一例を示す図である。図7に示す画面には、Webブラウザのツールバー51及びウインドウ52が設けられており、ウインドウ52には、Webページが表示されている。このWebページには、コンテンツ表示領域52a、及び広告表示領域52bが設けられている。なお、Webページは、ユーザUnのスクロール操作によるスクロールバー53の移動に応じて、ウインドウ52上をスクロールするようになっている。コンテンツ表示領域52aに表示されるコンテンツはWebページの種類によって異なる。例えば、コンテンツ表示領域52aには、ブログの記事、商品の検索結果、ニュース等が表示される。広告表示領域52bには、通知情報が表示されている。この通知情報には、対象商品の名称、及び変更前の販売価格と変更後の販売価格等が含まれている。また、広告表示領域52bには、対象商品の商品詳細表示ページへの商品リンクが設定されている。なお、通知情報は、セッション継続中のユーザ端末UTnへ送信されることでWebブラウザにプラグインされたツールバー51上に表示されてもよい。
【0090】
次いで、システム制御部4は、ステップS4で選定された売主IDに対応付けられている商品IDのうち、まだ選定されていない商品IDがあるか否かを判定する(ステップS20)。システム制御部4は、まだ選定されていない商品IDがあると判定した場合(ステップS20:YES)、処理をステップS5に戻し、まだ選定されていない商品IDを1つ選定して、ステップS6以降の処理を実行する。一方、システム制御部4は、まだ選定されていない商品IDがないと判定した場合(ステップS20:NO)、処理をステップS21へ進める。
【0091】
ステップS21では、システム制御部4は、ステップS3で特定された売主IDのうち、まだ選定されていない売主IDがあるか否かを判定する。システム制御部4は、選定されていない売主IDがあると判定した場合(ステップS21:YES)、処理をステップS4に戻し、まだ選定されていない売主IDを1つ選定して、ステップS5以降の処理を実行する。一方、システム制御部4は、まだ選定されていない売主IDがないと判定した場合(ステップS21:NO)、処理を終了する。
【0092】
以上説明したように、上記実施形態によれば、システム制御部4は、対象売主SHmにより販売される商品に対する候補ユーザUnの操作履歴に示される複数の商品の中から、当該対象売主SHmにより販売される対象商品と、当該対象売主SHmとは異なる売主SHmにより販売される比較商品とを候補ユーザUn毎に特定し、上記特定された対象商品及び比較商品の取引条件を候補ユーザUn毎に比較する。そして、システム制御部4は、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位である場合、当該比較商品の取引条件より優位または同等になるように対象商品の取引条件を変更し、当該取引条件が変更された対象商品それぞれに対応する候補ユーザUnのうちから、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さい候補ユーザUnを優先して、対象売主SHmの売主条件を満たすように、複数の対象ユーザUnを変更後の取引条件の通知対象として決定するように構成したので、対象売主SHmの負担がより少ない変更で、当該変更による販促効果が相対的に高いユーザUnを、対象商品の変更後の取引条件の通知対象として決定することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 通信部
2 記憶部
3 入出力インターフェース部
4 システム制御部
STm 売主端末
UTn ユーザ端末
SA 情報提供サーバ
【要約】
システム制御部4は、対象売主SHmにより販売される商品に対する候補ユーザUnの操作履歴に示される複数の商品の中から、当該対象売主SHmにより販売される対象商品と、当該対象売主SHmとは異なる売主SHmにより販売される比較商品とを候補ユーザUn毎に特定し、上記特定された対象商品及び比較商品の取引条件を候補ユーザUn毎に比較する。そして、システム制御部4は、比較商品の取引条件が対象商品の取引条件より優位である場合、当該比較商品の取引条件より優位または同等になるように対象商品の取引条件を変更し、当該取引条件が変更された対象商品それぞれに対応する候補ユーザUnのうちから、対象商品の変更前の取引条件と変更後の取引条件との差分に対応する価額が相対的に小さい候補ユーザUnを優先して、対象売主SHmの売主条件を満たすように、複数の対象ユーザUnを変更後の取引条件の通知対象として決定する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7