(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下位ショットローラによる筒状フィルムの下方向の送出速度を、前記上位ショットローラによる筒状フィルムの下方向の送出速度より大きくした請求項1に記載のフィルム被嵌装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したようなラベル被嵌装置90では、マンドレル91の下端まで搬送したラベルLの下端部を、ローラ94とマンドレル91との間に挟み込んだ状態で待機させ、ボトル容器Bがラベル被嵌位置を通過する際に、その通過タイミングに合わせて、ローラ94を回転させて、ラベルLを周方向に回転させながら、マンドレル91の下方側に送出するといった具合に、ローラ94を間欠駆動させているので、
図16に示すように、ローラ94が回転し始めてから、被嵌速度(ラベルLの下方向の移動速度)に対応する、ラベル送出方向の周速に換算した最終送出周速V0に到達するまでには、ある程度の加速時間Δtが必要となる。
【0007】
このように、ローラ94が回転し始めてから、最終送出周速V0に到達するまでの間は、ラベルLを被嵌速度(最終送出周速V0)で下方側に送出することができないので、ラベルLの送出を開始した後、ボトル容器Bの胴部に被嵌するまでに要する時間(被嵌時間)toを短縮するには限界がある。
【0008】
上述したように、ボトル容器Bをラベル被嵌位置で停止させずに、移動させながらラベルLを被嵌する場合、ラベルLの被嵌時間が長くなると、ラベルLをボトル容器Bに被嵌し始めてから、被嵌し終わるまでの間のボトル容器Bの移動距離が大きくなるので、
図17(a)に示すように、ラベルLをボトル容器Bに確実に被嵌するためには、ラベルLの折径(直径D1)を大きくしなければならない。逆に、ラベルLの被嵌時間が短くなると、ラベルLをボトル容器Bに被嵌し始めてから、被嵌し終わるまでの間のボトル容器Bの移動距離が小さくなるので、同図(b)に示すように、ラベルLの折径(直径D2)を小さくしても、ラベルLをボトル容器Bに確実に被嵌することができる。しかしながら、上述したようなラベル被嵌位置では、被嵌時間を短縮するには限界があるので、折径を小さくするのにも限界があるということになる。
【0009】
そこで、この発明の課題は、筒状フィルムを被嵌体に被嵌するために要する被嵌時間を短縮することができるフィルム被嵌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
筒状の長尺フィルムを順次切断することによって形成された所定長の筒状フィルムをマンドレルに被嵌することによって開口しながら、マンドレルに被嵌された筒状フィルムを下方側に順次送出することで、マンドレルの直下を通過する被嵌体に筒状フィルムを被嵌するようにしたフィルム被嵌装置において、
長尺フィルムを所定長の筒状フィルムにカッタにより切断するフィルム切断手段と、前記フィルム切断手段と同期を取りながら、筒状フィルムまたは長尺フィルムを下方側に移送するフィルム移送手段と、前記フィルム切断手段及び前記フィルム移送手段の下方側に配設され、マンドレルに被嵌された筒状フィルムを
、マンドレルとの間に挟み込ん
だ待機状態から、被嵌体の通過タイミングに合わせて所定の送出速度で下方側に送出する
動作を行う間欠回転する上位ショットローラと、
前記上位ショットローラによって下方側に送出された筒状フィルムをマンドレルとの間に常時挟み込める状態で配置され、上位ショットローラによって下方側に
所定の送出速度で送出された筒状フィルムをマンドレルとの間に挟み込むことによって受け取り
連続して下方側に送出することで、マンドレルの直下を通過する被嵌体に筒状フィルムを被嵌する
動作を行う連続回転する下位ショットローラとを備え、
前記上位ショットローラによる筒状フィルムの挟込位置と、下位ショットローラによる筒状フィルムの挟込位置との間隔が、筒状フィルムの長さより大きく設定されており、前記下位ショットローラは、その回転軸が前記マンドレルの軸芯に対して傾いた状態で配設されており、筒状フィルムを前記マンドレルとの間に挟み込んでいるときは、筒状フィルム送出方向の周速に換算した送出方向換算周速が
予め設定された被嵌速度に対応する回転速度で
定速回転していることを特徴とするフィルム被嵌装置を提供するものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のフィルム被嵌装置において、前記下位ショットローラによる筒状フィルムの下方向の送出速度を、前記上位ショットローラによる筒状フィルムの下方向の送出速度より大きくしたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、
筒状の長尺フィルムを順次切断することによって形成された所定長の筒状フィルムをマンドレルに被嵌することによって開口しながら、マンドレルに被嵌された筒状フィルムを下方側に順次送出することで、マンドレルの直下を通過する被嵌体に筒状フィルムを被嵌するようにしたフィルム被嵌装置において、
長尺フィルムを所定長の筒状フィルムにカッタにより切断するフィルム切断手段と、前記フィルム切断手段と同期を取りながら、筒状フィルムまたは長尺フィルムを下方側に移送するフィルム移送手段と、前記フィルム切断手段及び前記フィルム移送手段の下方側に配設され、マンドレルに被嵌された筒状フィルムを
、マンドレルとの間に挟み込ん
だ待機状態から、被嵌体の通過タイミングに合わせて所定の送出速度で下方側に送出する
動作を行う間欠回転する上位ショットローラと、
前記上位ショットローラによって下方側に送出された筒状フィルムをマンドレルとの間に常時挟み込める状態で配置され、上位ショットローラによって下方側に
所定の送出速度で送出された筒状フィルムをマンドレルとの間に挟み込むことによって受け取り
連続して下方側に送出することで、マンドレルの直下を通過する被嵌体に筒状フィルムを被嵌する
動作を行う連続回転する下位ショットローラとを備え、下位ショットローラは、その回転軸がマンドレルの軸芯に対して傾いた状態で配設されており、筒状フィルムを上位ショットローラから受け取る時点では、上位ショットローラの筒状フィルム送出方向の周速に換算した送出方向換算周速と下位ショットローラの筒状フィルム送出方向の周速に換算した送出方向換算周速とが略一致しており、下位ショットローラは、受け取った筒状フィルムが上位ショットローラから離れた後に増速するようになっていることを特徴とするフィルム被嵌装置を提供するものである。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1、2または3に係る発明のフィルム被嵌装置において、前記上位ショットローラは、その回転軸が前記マンドレルの軸芯に対して傾いた状態で配設されていることを特徴としている。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1、2、3または4に係る発明のフィルム被嵌装置において、被嵌体は、その頭部が胴部よりも小径であり、前記マンドレルの下端部には、被嵌体の搬送方向に延びる溝部が形成されており、被嵌体が前記マンドレルの直下を通過する際は、被嵌体の小径の頭部が前記溝部内を通過するようになっていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、請求項1に係る発明のフィルム被嵌装置では、マンドレルに被嵌された筒状フィルムを被嵌体に被嵌する
動作を行う連続回転する下位ショットローラが、筒状フィルムをマンドレルとの間に挟み込んでいるときは、筒状フィルム送出方向の周速に換算した送出方向換算周速が
予め設定された被嵌速度に対応する回転速度で
定速回転しているので、ショットローラを間欠駆動させているため、ショットローラが回転し始めてから、所定の被嵌速度(ショットローラの最終送出周速)に到達するまでには、ある程度の加速時間が必要となる従来のフィルム被嵌装置とは異なり、筒状フィルムを送出開始時点から被嵌速度で送出することができ
、加えて、筒状フィルムを周方向に回転させながら下方側に送出できる。
【0016】
従って、従来のフィルム被嵌装置に比べて、筒状フィルムの送出開始後、筒状フィルムを被嵌体に被嵌するまでに要する時間(被嵌時間)を短縮することができ、これに伴って、筒状フィルムの折径を小さくすることができるという効果が得られる。
【0017】
また、請求項2に係る発明は、下位ショットローラによる筒状フィルムの下方向の送出速度を、上位ショットローラによる筒状フィルムの下方向の送出速度より大きくしたので、被嵌時間をさらに短縮することができると共に、筒状フィルムの折径をさらに小さくすることができる。
【0018】
また、請求項3に係る発明は、
連続回転する下位ショットローラが
間欠回転する上位ショットローラから
筒状フィルムを受け取る時点では、下位ショットローラの筒状フィルム送出方向の周速に換算した送出方向換算周速が上位ショットローラの筒状フィルム送出方向の周速に換算した送出方向換算周速と略一致しており、下位ショットローラは、筒状フィルムを受け取った後に
筒状フィルムを周方向に回転させながら増速するようになっているので、ショットローラを間欠駆動させているため、停止状態から被嵌速度まで加速させる従来のフィルム被嵌装置とは異なり、所定の被嵌速度に到達するまでに要する加速時間が短くなり、その結果、従来のフィルム被嵌装置に比べて被嵌時間を短くすることができ、これに伴って、筒状フィルムの折径を小さくすることができるという効果が得られる。
【0019】
また、請求項4に係る発明では、双方の回転軸がマンドレルの軸芯に対して傾いた状態で上位ショットローラ及び下位ショットローラが配設されているので、筒状フィルムが周方向に回転しながら、上位ショットローラから下位ショットローラに引き渡されることになり、筒状フィルムの上位ショットローラから下位ショットローラへの受け渡しを円滑に行うことができる。
【0020】
ところで、この種のフィルム被嵌装置では、シート状に折り畳まれた筒状フィルムを、マンドレルに被嵌することによって開口しているので、マンドレルから飛び出した筒状フィルムの下端部側は、折目のスプリングバックによって、元のシート状に戻ろうとしてすぼんでしまい、頭部が胴部よりも小径の被嵌体に筒状フィルムを被嵌する場合は、筒状フィルムの下端部が被嵌体の肩部に当接して、筒状フィルムを円滑かつ確実に被嵌体に被嵌することができないといった問題がある。
【0021】
しかしながら、請求項5に係る発明のフィルム被嵌装置では、マンドレルの下端部に、被嵌体の搬送方向に延びる溝部が形成されており、被嵌体がマンドレルの直下を通過する際は、被嵌体の小径の頭部が溝部内に入り込んだ状態となっているので、被嵌体がマンドレルの直下を通過するときは、マンドレルの下端と被嵌体の大径の胴部とが接近した状態となっている。従って、マンドレルから飛び出した筒状フィルムは、その下端部が大きくすぼまない状態で被嵌体の胴部に被嵌され始めるので、筒状フィルムの下端部が被嵌体の肩部に当接しにくく、筒状フィルムを円滑かつ確実に被嵌体に被嵌することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び
図2は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなる厚さ15〜40μmのシュリンクフィルムに印刷等を施して形成された筒状のラベルLをボトル容器Bの胴部に被嵌するラベル被嵌装置1を示している。このラベル被嵌装置1は、同図に示すように、筒状のラベルLが連続的に繋がった、シート状に折り畳まれた状態のラベル形成基材LMから個別のラベルLを切り離しながら、このラベルLをラベル被嵌位置αに順次送出することで、ボトル搬送装置2によって所定の搬送ピッチでラベル被嵌位置αに順次搬送されてくるボトル容器Bの胴部に被嵌するようになっており、筒状ラベル供給装置に装着されたラベルロール(図示せず)から繰り出されたラベル形成基材LMを切断位置に断続的に送出する駆動ローラ11及び従動ローラ12からなる基材送出ユニット10と、この基材送出ユニット10によって送出されてきたラベル形成基材LMを被嵌することによって所定状態に開口するマンドレル20と、基材送出ユニット10とマンドレル20との間に配設された、ラベル形成基材LMを所定のカットピッチで順次切断することで、個別のラベルLを形成する固定刃31及び可動刃32からなるギロチン方式の基材切断ユニット30と、マンドレル20に被嵌した状態で切り離されたラベルLをマンドレル20の下方側に断続的に移送するラベル移送手段40と、このラベル移送手段40によって移送されてきたラベルLを受け取ってマンドレル20の下端側に送出する一対の上位ショットローラ50と、この上位ショットローラ50によって送出されてきたラベルLを受け取ってラベル被嵌位置αに送出する一対の下位ショットローラ60とを備えている。
【0024】
前記マンドレル20は、
図1〜
図3に示すように、上端側が先細楔状のラベル開口部21と、このラベル開口部21の下部に連設された断面円形状のラベル整形部25とを備えており、ラベル開口部21の上端部に被嵌されたラベル形成基材LMがラベル開口部21の下方側に移送されることによって徐々に開口されていき、個別のラベルLに切り離された後、ラベル整形部25に被嵌されることで円筒状に整形されるようになっている。
【0025】
前記ラベル開口部21の下半部には、ボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側の側面に、周面が僅かに突出した状態で、一対の上位ローラ22、一対の中位ローラ23及び一対の下位ローラ24がそれぞれ回転可能に取り付けられており、ラベル開口部21の両側面には、各中位ローラ23の周面下部を露出させる窪み部21aが形成されている。
【0026】
前記ラベル整形部25の外周面には、ラベルLとの接触面積を少なくするために、多数の縦溝VGが形成されており、ラベル整形部25の上半部25aの下端には、ボトル容器Bの搬送方向に直交する位置に、一対の上位ショットローラ50との間にラベルLを挟み込む一対のローラ26が、その周面が僅かに突出した状態で、回転可能に取り付けられていると共に、ラベル整形部25の下半部25bの下端には、ボトル容器Bの搬送方向に直交する位置に、一対の下位ショットローラ60との間にラベルLを挟み込む一対のローラ27が、その周面が僅かに突出した状態で、回転可能に取り付けられている。
【0027】
また、ローラ26とローラ27との間隔は、上位ショットローラ50と下位ショットローラ60とが同一のラベルLを同時に挟み込まないように、ラベルLの長さより僅かに大きく設定されている。
【0028】
また、ボトル容器Bの搬送方向の上流側には、反射型の光電センサからなるラベル検出センサ70が配設されていると共に、マンドレル20におけるラベル整形部25の上半部25aの下端には、ラベル検出センサ70から射出された光を反射する反射鏡71が取り付けられており、ラベル移送手段40によってマンドレル20の下端位置まで移送されてきたラベルLを検出するようになっている。
【0029】
また、
図4に示すように、ラベル被嵌位置α付近におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側には、ボトル容器Bの搬送経路を挟んでその両側に、反射型の光電センサからなるボトル検出センサ72と、このボトル検出センサ72から射出された光を反射する反射鏡73とが配設されており、ボトル搬送装置2によって搬送されてくるボトル容器Bを、ラベル被嵌位置αの直前位置で検出するようになっている。
【0030】
前記ラベル移送手段40は、
図1及び
図2に示すように、マンドレル20のラベル開口部21に被嵌した状態で、基材切断ユニット30によってラベル形成基材LMから切り離されたラベルLを、ラベル開口部21との間に挟み込んでラベル整形部25に移送する、マンドレル20におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ配設されたフィードベルトユニット40A、40Bから構成されており、フィードベルトユニット40A、40Bは、それぞれ駆動プーリ41と4個の従動プーリ42、43、44、45と、これらに掛け渡されるフィードベルト46とから構成されている。
【0031】
前記駆動プーリ41及び従動プーリ44、45は、マンドレル20におけるラベル開口部21の下位ローラ24及び上位ローラ22、中位ローラ23に対応する位置にそれぞれ配設されており、下位ローラ24及び上位ローラ22、中位ローラ23との間にフィードベルト46を介して、ラベルLを挟み込むようになっている。
【0032】
フィードベルトユニット40A、40Bの駆動プーリ41及び従動プーリ44、45は、それぞれ同一の支持部材に回転可能に支持されており、従動プーリ45が、マンドレル20におけるラベル開口部21に形成された窪み部21aに入り込むことで、中位ローラ23を介して、マンドレル20を支持するようになっている。
【0033】
前記フィードベルト46は、基材送出ユニット10の駆動ローラ11と同期を取りながら、基材送出ユニット10によるラベル形成基材LMの送出速度と同一速度でラベル形成基材LMをマンドレル20のラベル整形部25に移送するが、基材送出ユニット10によるラベル形成基材LMの送出が停止され、基材切断ユニット30がラベル形成基材LMを切断した後は、切り離されたラベルLを、基材送出ユニット10によるラベル形成基材LMの送出速度より速い速度でマンドレル25のラベル整形部25に移送するようになっている。
【0034】
一対の上位ショットローラ50及び一対の下位ショットローラ60は、
図1及び
図2に示すように、それぞれ一方がボトル容器Bの搬送方向の下流側に向かって下がり傾斜に、他方がボトル容器Bの搬送方向の上流側に向かって下がり傾斜になるように、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して30度傾いた状態、即ち、マンドレル20の軸芯に対して上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60が60度傾いた状態で、ボトル容器Bの搬送経路を挟んで両側に配設されており、
図3(a)に示すように、マンドレル20におけるラベル整形部25の各ローラ26及び各ローラ27も対応する一対の上位ショットローラ50及び一対の下位ショットローラ60と同方向に傾斜するように、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して30度傾いた状態でラベル整形部25にそれぞれ取り付けられている。
【0035】
各上位ショットローラ50及び各下位ショットローラ60は、サーボモータからなるショットローラモータ51、61の回転軸にそれぞれ直結されており、各ショットローラモータ51、61を、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して逆方向に30度傾斜させた状態で支持することにより、各上位ショットローラ50及び各下位ショットローラ60を、それぞれ逆方向に傾斜させた状態で、それぞれの外周面をラベル整形部25の対応するローラ26、27の外周面に略接触させるようになっている。
【0036】
従って、マンドレル20に被嵌されたラベルLを、上位ショットローラ50や下位ショットローラ60と、マンドレル20のラベル整形部25との間に挟み込んで上位ショットローラ50や下位ショットローラ60を回転させると、ラベルLが周方向に回転しながら下方側に送出されることになる。
【0037】
図5は、このラベル被嵌装置1及びボトル搬送装置2から構成されるラベル装着システムの電気的構成を示すブロック図である。このラベル装着システムは、容器搬送制御装置2A及びラベル制御装置1Aを備えており、容器搬送制御装置2Aには、ラベル制御装置1Aが接続され、容器搬送制御装置2A及びラベル制御装置1Aの間では、ラベル装着動作に関するデータ及び制御信号等が互いに入出力されるようになっている。
【0038】
前記容器搬送制御装置2Aには、ボトル搬送装置2のコンベア2aを動作させるためのコンベアモータ2bを駆動するインバータ81が接続されており、コンベア2aを動作させるための制御信号をインバータ81に出力すると、インバータ81からコンベアモータ2bに対して駆動信号が出力され、これにより、コンベアモータ2bが回転駆動され、コンベア2aがラベル被嵌装置1に向けてボトル容器Bを搬送する。
【0039】
また、容器搬送制御装置2Aには、ボトル搬送装置2に搭載されたスクリュー等の容器ピッチ切り装置2cを動作させるための容器ピッチ切りモータ2dを駆動するインバータ82が接続されており、容器ピッチ切り装置2cを動作させるための制御信号をインバータ82に出力すると、インバータ82から容器ピッチ切りモータ2dに対して駆動信号が出力され、これにより、容器ピッチ切りモータ2dが回転駆動され、容器ピッチ切り装置2cがボトル容器Bを所定の搬送ピッチで搬送する。
【0040】
また、容器搬送制御装置2Aは、コンベアモータ2b及び容器ピッチ切りモータ2dの回転速度を変化させることが可能とされ、これらの回転速度が変化されることにより、ボトル容器Bの搬送速度を変化させることができる。
【0041】
前記ラベル制御装置1Aは、図示しないマイクロコンピュータを備えており、容器搬送制御装置2Aからの指令及び予め記憶された動作プログラムに基づいて、基材送出ユニット10の駆動ローラ11、基材切断ユニット30の可動刃32、ラベル移送手段40のフィードベルト46、上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の各動作を制御するものである。ラベル制御装置1Aには、各種のデータを記憶するための図示しないメモリが備えられている。
【0042】
また、ラベル制御装置1Aには、操作表示装置83が接続されており、センサアンプ88、89を介して、ラベル検出センサ70及びボトル検出センサ72が接続されている。
【0043】
前記ラベル制御装置1Aには、基材送出ユニット10の駆動ローラ11を回転駆動するためのサーボモータからなるピッチ送りモータ10aを制御するサーボアンプ84が接続されており、ラベル検出センサ70及びボトル検出センサ72から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、駆動ローラ11を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ84に出力すると、サーボアンプ84からピッチ送りモータ10aに対して駆動信号が出力され、これにより、ピッチ送りモータ10aが駆動して、駆動ローラ11が回転する。
【0044】
前記ラベル制御装置1Aには、可動刃32を駆動するためのサーボモータからなる可動刃モータ30aを制御するサーボアンプ85が接続されており、ラベル検出センサ70及びボトル検出センサ72から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、可動刃32を進退動作させるための制御信号をサーボアンプ85に出力すると、サーボアンプ85から可動刃モータ30aに対して駆動信号が出力され、これにより、可動刃モータ30aが駆動して、可動刃32が固定刃31に対して進退する。
【0045】
前記ラベル制御装置1Aには、フィードベルト46が掛け渡された駆動プーリ41を回転駆動するためのサーボモータからなるフィードベルトモータ40aを制御するサーボアンプ86が接続されており、ラベル検出センサ70及びボトル検出センサ72から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、駆動プーリ41を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ86に出力すると、サーボアンプ86からフィードベルトモータ40aに対して駆動信号が出力され、これにより、フィードベルトモータ40aが回転駆動され、駆動プーリ41が回転してフィードベルト46が循環移動する。
【0046】
前記ラベル制御装置1Aには、上位ショットローラ50を回転駆動するためのショットローラモータ51を制御するサーボアンプ87aが接続されており、ラベル検出センサ70及びボトル検出センサ72から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、上位ショットローラ50を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ87aに出力すると、サーボアンプ87aからショットローラモータ51に対して駆動信号が出力され、これにより、ショットローラモータ51が回転駆動され、上位ショットローラ50が回転する。
【0047】
前記ラベル制御装置1Aには、下位ショットローラ60を回転駆動するためのショットローラモータ61を制御するサーボアンプ87bが接続されており、下位ショットローラ60を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ87bに出力すると、サーボアンプ87bからショットローラモータ61に対して駆動信号が出力され、これにより、ショットローラモータ61が回転駆動され、下位ショットローラ60が回転する。
【0048】
以下、このラベル被嵌装置1の動作について、
図6に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。まず、
図1及び
図2に示す待機状態において、上述したボトル検出センサ72によってボトル容器Bが検出されると(T0)、上位ショットローラ50が回転を開始し、ラベル整形部25の上半部25aに被嵌されているラベルL(L1)を周方向に回転させながらラベル整形部25の下半部25bに送出し始める。上位ショットローラ50は、最終周速Vcまで急速に加速した後、最終周速Vcで所定時間回転し、ラベルLが上位ショットローラ50から離れた後に回転を停止する(T1)。
【0049】
前記下位ショットローラ60は、装置の運転中は、上位ショットローラ50の最終周速Vcの約3倍の周速Vdで、常時、定速回転しており、ラベルL(L1)の上端がショットローラ50から離れた瞬間に、下位ショットローラ60がマンドレル20との間に挟み込むことによってラベルL(L1)を受け取り、周方向に回転させながら下方側に送出することで、ラベル被嵌位置αを通過するボトル容器Bにタイミングを合わせて、その胴部に被嵌する。
【0050】
また、ボトル検出センサ72によってボトル容器Bが検出されると(T0)、ラベル移送手段40も駆動を開始し、マンドレル20のラベル開口部21との間に把持している次のラベルL(L2)をマンドレル20のラベル整形部25に移送し始め、ラベルL(L2)の下端部が上位ショットローラ50に把持される直前位置まできたときに、ラベルLの移送動作を一旦停止する(T2)。このとき、ラベルL(L2)の上端部は、ラベル移送手段40のフィードベルト46とラベル開口部21との間に把持された状態となっている。
【0051】
また、ラベル移送手段40が駆動を開始した後、ラベルLの移送動作を一旦停止するまでの間(T0〜T2)に、基材送出ユニット10がラベル形成基材LMを下方側に送出することで、ラベル形成基材LMがマンドレル20のラベル開口部21に被嵌され、ラベル移送手段40によって、その下端部がラベル開口部21の下半部当りまで移送されており、切断位置からラベル形成基材LMの下端までの距離がラベル長に一致している。そして、ラベル移送手段40が駆動を停止している間に、基材切断ユニット30がラベル形成基材LMを切断することで、ラベル移送手段40のフィードベルト46とラベル開口部21との間に把持された状態で、ラベルLが切り離される。
【0052】
ラベル移送手段40が駆動を停止した後、所定時間が経過した時点(T3)において、ラベル移送手段40及び上位ショットローラ50が共に駆動を再開し、マンドレル20に被嵌されている上位及び下位の2枚のラベルLが僅かに下方側に移送され、下位のラベルL(L2)がラベル移送手段40から上位ショットローラ50に引き渡される。このとき、ラベル移送手段40のフィードベルト46の移動速度Vb1と、上位ショットローラ50の周速Vc1の1/2が略等しくなるように設定されている。
【0053】
なお、上述したように、マンドレル20の軸芯に対してθ=60度傾いた状態で配設されている上位ショットローラ50を回転させると、マンドレル20と上位ショットローラ50との間に挟み込まれたラベルLは、上位ショットローラ50の周速Vc1×cosθ=Vc1/2で下方側に送出されるのでラベル移送手段40と上位ショットローラ50との間のラベルLの受渡速度が、ラベル移送手段40と上位ショットローラ50とで一致することになる。
【0054】
ただし、このラベル被嵌装置1では、ラベルLをラベル移送手段40のフィードベルト46から上位ショットローラ50に引き渡す際、フィードベルト46と上位ショットローラ50とがラベルLを同時に把持することはなく、ラベルLがフィードベルト46から離れた後に、上位ショットローラ50がラベルLを受け取ることができるように、ラベル移送手段40と上位ショットローラ50との間隔が設定されている。
【0055】
また、ラベル移送手段40は、ラベルLがフィードベルト46から離れると同時に停止動作(減速−停止)を実行するが、上位ショットローラ50は、ラベル検出センサ70によってラベルLの下端部が検出されるまで定速回転を継続し、ラベル検出センサ70によってラベルLが検出された時点(T4)において、ショットローラ50の停止信号が出力され、停止動作(減速−停止)を実行する。
【0056】
このようにして、
図1及び
図2に示す待機状態となり、以下、同様の動作を繰り返すことになる。
【0057】
なお、上述したように、マンドレル20の中心軸に対する上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の傾斜角度が60°であるので、上位ショットローラ50や下位ショットローラ60の周速をVとすると、上位ショットローラ50や下位ショットローラ60によるラベルLの下方側への送出速度Vf=V×cos60°、ラベルLの回転速度(周速)Vr=V×sin60°となり、下方側への送出速度Vfを上位ショットローラ50や下位ショットローラ60の「送出方向換算周速」と呼ぶことにする。
【0058】
以上のように、このラベル被嵌装置1では、
図7(a)、(b)に示すように、従来のラベル被嵌装置の被嵌速度に対応するショットローラの送出方向換算周速である最終送出周速V0よりも大きい送出方向換算周速である被嵌周速V1で、常時、定速回転している下位ショットローラ60によってマンドレル20に被嵌されたラベルLをボトル容器Bの胴部に被嵌するようにしているので、同図(b)に示すように、単一のショットローラを間欠駆動させているため、ショットローラが回転し始めてから、所定の被嵌速度(ショットローラの最終送出周速V0)に到達するまでには、ある程度の加速時間が必要となる従来のラベル被嵌装置とは異なり、ラベルLを被嵌開始時点から被嵌速度(下位ショットローラ60の被嵌周速V1)で送出することができる。従って、従来のラベル被嵌装置の被嵌時間tに比べて、このラベル被嵌装置1の被嵌時間Tを大きく短縮することができ、これに伴って、ラベルLの折径を小さくすることができるという効果が得られる。具体的に説明すると、例えば、長さ160mmのラベルLを従来のラベル被嵌装置で被嵌する場合、被嵌時間tが40.5msで、その間のボトル容器の移動距離は8.3mmであるが、このラベル被嵌装置1を用いて同様のラベルLをボトル容器Bに被嵌すると、その被嵌時間Tは7.6msで、その間のボトル容器Bの移動距離は1.57mmとなる。従って、このラベル被嵌装置1を使用すると、従来の装置を使用する場合に比べて、ラベルLの折径を3.5mm程度小さくすることができる。なお、
図7(a)、(b)におけるそれぞれの網掛け表示部分の面積がラベルを被嵌する際のラベルの移動距離を示しており、同図(a)に示すラベル被嵌装置1における網掛け表示部分と、同図(b)に示す従来の被嵌装置における網掛け表示部分とは同一面積になっている。
【0059】
従来のラベル被嵌装置のように、間欠回転する単一のショットローラによって、ラベルLをボトル容器Bの胴部に被嵌する場合は、間欠回転するショットローラの最終送出周速V0に対応する回転速度を極端に大きくすることはできないが、このラベル被嵌装置1では、間欠回転する上位ショットローラ50によって送出したラベルLを連続回転する下位ショットローラ60が受け取ってボトル容器Bの胴部に被嵌するダブルショットローラ方式を採用しているので、連続回転する下位ショットローラ60の回転速度を間欠回転する上位ショットローラ50の回転速度の3倍程度まで増速することが可能となり、従来のラベル被嵌装置に比べて、ラベルLの被嵌時間を飛躍的に短縮することができる。
【0060】
また、このラベル被嵌装置1では、上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の双方を、マンドレル20の軸芯に対してそれぞれ同一角度だけ傾けているので、ラベルLが周方向に回転しながら、上位ショットローラ50から下位ショットローラ60に引き渡されることになり、ラベルLの上位ショットローラ50から下位ショットローラ60への受け渡しを円滑に行うことができる。
【0061】
なお、上述した実施形態では、下位ショットローラ60が、従来のラベル被嵌装置の被嵌速度に対応するショットローラの最終送出周速V0の約3倍の被嵌周速V1で、常時、定速回転しているが、これに限定されるものではなく、
図8(a)、(b)に示すように、下位ショットローラ60の周速を従来のラベル被嵌装置におけるショットローラの最終送出周速V0に一致させることも可能であり、その場合も、被嵌時間T1を、従来のラベル被嵌装置の被嵌時間tに比べて短縮することができ、これに伴って、ラベルLの折径を小さくすることができるという効果が得られる。なお、
図8(a)、(b)についても、それぞれの網掛け表示部分の面積がラベルを被嵌する際のラベルの移動距離を示しており、同図(a)に示すラベル被嵌装置における網掛け表示部分と、同図(b)に示す従来の被嵌装置における網掛け表示部分とは同一面積になっている。
【0062】
また、上述した各実施形態では、下位ショットローラ60が、常時、被嵌速度に対応する被嵌周速V1またはV0で定速回転しているが、これに限定されるものではなく、
図9に示すように、下位ショットローラ60が、上位ショットローラ50の最終送出周速Vmと略同一の送出方向換算周速でラベルLを受け取った後、被嵌速度に対応する送出方向換算周速である最終周速Vhまで増速し、ラベルLを完全に被嵌し終わった後に徐々に減速しながら、上位ショットローラ50の最終送出周速Vmと略同一周速まで減速させるようにしてもよい。
【0063】
また、
図10に示すように、下位ショットローラ60が、上位ショットローラ50の最終送出周速Vmと略同一の送出方向換算周速でラベルLを受け取った後、最終周速Vhまで増速する途中で被嵌作業を完了するようにしてもよい。
【0064】
このように、下位ショットローラ60が上位ショットローラ50の最終送出周速Vmと略同一の送出方向換算周速でラベルLを受け取った後に増速させるようにしておくと、ショットローラを停止状態から被嵌速度まで加速させる従来のフィルム被嵌装置とは異なり、所定の被嵌速度に到達するまでに要する加速時間が短くなり、その結果、従来のフィルム被嵌装置に比べて被嵌時間を短くすることができ、これに伴って、筒状フィルムの折径を小さくすることができるという効果が得られる。
【0065】
また、これらの実施形態では、下位ショットローラ60がラベルLを受け取ると同時に、ラベルLが上位ショットローラ50から離れ、直ちに下位ショットローラ60が増速を開始するようになっているが、上位ショットローラ50と下位ショットローラ60とが略同一周速で回転している区間であれば、上位ショットローラ50からラベルLが離れる少し前の時点で下位ショットローラ60がラベルLを受け取り、ラベルLが上位ショットローラ50から離れた後に、下位ショットローラ60が増速を開始するようにしてもよい。
【0066】
また、上述した各実施形態では、シート状に折り畳まれたラベルLを、マンドレル20に被嵌することによって開口し、下位ショットローラ60によって、マンドレル20に被嵌されたラベルLを周方向に回転させながら下方側に送出しているので、筒状のラベルLが径方向外側に広がって、マンドレル20から飛び出したラベルLの下端部側が先すぼみしにくいが、
図11及び
図12に示すラベル被嵌装置1aのように、マンドレル20におけるラベル整形部25(下半部25b)の下端部に、ボトル容器Bの搬送方向に延びる、ボトル容器Bの頭部が通過可能な溝部28を形成しておくと、ボトル容器Bがマンドレル20の直下を通過する際は、ボトル容器Bの小径の頭部が溝部28内に入り込んだ状態となるので、ボトル容器Bがマンドレル20の直下を通過するときは、マンドレル20(ラベル整形部25)の下端とボトル容器Bの大径の胴部とが接近した状態となり、マンドレル20から飛び出したラベルLが全く先すぼみしない状態で、ボトル容器Bの胴部に被嵌され始めるので、ラベルLをより確実にボトル容器Bに被嵌することができる。
【0067】
また、上述した実施形態では、マンドレル20の上流側にギロチン方式の基材切断ユニット30を配設しているが、これに限定されるものではなく、例えば、
図13及び
図14に示すラベル被嵌装置1bのように、マンドレル20によって開口されたラベル形成基材LMを所定長に切断するサークルカッタ30Aを、マンドレル20を取り囲むように配設することも可能である。
【0068】
このラベル被嵌装置1bでは、上述したラベル被嵌装置1に搭載された、ラベルLをベルト搬送するラベル移送手段40に替えて、上下2個のローラ47、48からなるローラユニット40C、40Dを備えたラベル移送手段40が採用されており、切断位置からラベル形成基材LMの下端までの距離がラベルLの長さと同じになるように、ラベル移送手段40によってラベル形成基材LMを送出した状態で、ラベル形成基材LMの下端と上位ショットローラ50との間に僅かな間隔(例えば、5mm程度)が形成されるように、上位ショットローラ50の高さ位置が設定されている。
【0069】
このラベル被嵌装置1bでは、以下のようにしてラベルLが上位ショットローラ50に引き渡される。先ず、ラベル形成基材LMの下端から切断位置までの距離がラベルLの長さと同じになるように、ラベル移送手段40がラベル形成基材LMを所定量だけ送出した後にその送出動作を停止し、続いて、サークルカッタ30Aによって、ラベル形成基材LMからラベルLが切り離される。その後、ラベル移送手段40がラベル形成基材LMを僅かに送出することで、切り離されたラベルLがラベル形成基材LMによって下方側に僅かに押し出され、切断後のラベル移送手段40の送出動作の開始と同時に回転駆動を開始した上位ショットローラ50に把持され、ラベルLの受け渡しが完了する。なお、ラベルLを受け取った上位ショットローラ50は回転を停止して、その後の被嵌タイミングまでラベルLを把持した状態で待機することになる。
【0070】
また、上述した各実施形態では、上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60をマンドレル20の軸芯に対して60度傾斜させているが、これに限定されるものではない。上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の傾斜角度は、5〜85度程度で設定することができるが、送出速度を得ながら、遠心力を得るためには、30〜70度が好ましく、45〜70度がより好ましい。
【0071】
また、上述した各実施形態では、上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の双方の傾斜角度を同一角度に設定しているが、これに限定されるものではなく、上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60で傾斜角度を変えることも可能である。ただし、上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の傾斜角度を同一角度に設定すると共に、上位ショットローラ50から下位ショットローラ60にラベルLを受け渡す際の上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の周速を同一速度に設定しておくと、上位ショットローラ50から下位ショットローラ60へのラベルLの受け渡しを円滑かつ確実に行うことができることは言うまでもない。
【0072】
また、上述した各実施形態では、上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60の双方をマンドレル20の軸芯に対して傾斜させているが、これに限定されるものではなく、上位ショットローラ50については、全く傾斜させない状態、即ち、上位ショットローラ50の回転軸とマンドレル20の軸芯とが90度になる状態であってもよい。
【0073】
また、上述した各実施形態では、同一径の上位ショットローラ50及び下位ショットローラ60を使用しているが、これに限定されるものではなく、下位ショットローラの周速を上げるために、下位ショットローラ60の径を上位ショットローラ50の径より大きくしてもよい。
【0074】
また、上述した各実施形態では、下位ショットローラ60がマンドレル20の下端位置に配設されているが、下位ショットローラ60の配設位置は、マンドレル20の下方位置であればよく、マンドレル20の下端位置に限定されるものではない。
【0075】
また、マンドレルは、全体が剛性のある金属体等によって形成されている必要はなく、例えば、上述した実施形態におけるラベル整形部25の下端に、垂下する板バネを連設し、下位ショットローラがこの板バネとの間にラベルを挟み込む構成を採用する場合は、その板バネもマンドレルの構成要素に含まれる。
【0076】
また、上述した実施形態では、長尺のラベル形成基材LMからラベルLを切り離して、ボトル容器Bの胴部に被嵌するラベル被嵌装置1、1a、1bについて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のフィルム被嵌装置は、例えば、容器の口部に筒状のキャップシールを被嵌するキャップシール被嵌装置等、シート状に折り畳まれた筒状フィルムを開口しながら、容器等の被嵌体に被嵌する種々の装置に適用することができる。