特許第5957320号(P5957320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5957320寄附金付振込システムおよび寄附金付振込方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957320
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】寄附金付振込システムおよび寄附金付振込方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20160714BHJP
   G06Q 40/02 20120101ALI20160714BHJP
【FI】
   G06Q20/08
   G06Q40/02
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-156886(P2012-156886)
(22)【出願日】2012年7月12日
(65)【公開番号】特開2014-21557(P2014-21557A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 修
(72)【発明者】
【氏名】庄司 恵美子
【審査官】 木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−167598(JP,A)
【文献】 特開平07−225801(JP,A)
【文献】 特開2013−196656(JP,A)
【文献】 特開2002−230232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振込依頼人が振込手続を行う際に、所望の寄附先への寄附を受け付ける寄附金付振込システムであって、
寄附先番号、寄附先名および寄附先口座情報を格納する寄附先記憶部と、
振込手数料額に合わせて寄附先に関連付けられた寄附金額を格納する振込手数料記憶部と、
寄附先番号、寄附日、寄附金額および寄附人名を格納する寄附金記憶部と、
銀行の入出金を格納する銀行勘定記憶部と、
振込端末からの振込処理開始指示を受信して、寄附金付振込処理を行うか否かの確認要求を前記振込端末に送信し、前記確認要求に対する応答が寄附金付振込処理である場合、前記寄附先記憶部から寄附先を取得して、当該取得した寄附先のリストを前記振込端末に提供し、前記振込端末から、前記寄附先のリストから選択された寄附先、振込先情報および振込金額を含む振込データを受信して、前記振込手数料記憶部を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定し、前記振込金額、前記決定した手数料額および寄附金額を含む出金データを前記振込端末に提供する振込処理開始手段と、
前記振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信して、前記銀行勘定記憶部に、前記手数料額および前記寄附金額を含む手数料情報を入金として登録し、前記寄附金記憶部に寄附金レコードを登録する寄附金情報受付手段と、
寄附処理開始指示を受信して、前記寄附金記憶部から所定期間の寄附金額を寄附先別に集計し、当該集計した寄附先別寄附金合計額を前記銀行勘定記憶部に出金として登録し、前記寄附先記憶部に格納されている前記寄附先口座情報に基づいて、前記寄附先別寄附金合計額を指定の口座に振り込む寄附処理実行手段と
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記振込依頼人の口座情報に関連付けて、寄附金付振込処理を行うか否かを示す寄附金フラグを格納する口座情報記憶部をさらに備え、
前記振込処理開始手段は、前記振込端末から前記振込処理開始指示を受信した後、当該振込処理開始指示が出金口座情報を含み、かつ、前記出金口座情報により特定される口座の寄附金フラグが寄附金付振込処理を行うことを示すと判定する場合、前記確認要求の送信を省略して、前記寄附先のリストを前記振込端末に提供することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
振込依頼人が振込手続を行う際に、所望の寄附先への寄附を受け付ける寄附金付振込システムであって、
前記振込依頼人の口座情報を格納する口座情報記憶部と、
前記口座情報記憶部の任意の口座に関連付けて、被振込口座情報を格納する被振込口座情報記憶部であって、前記被振込口座情報は、当該任意の口座から当該被振込口座への振込処理が寄附金付振込処理であるか否かを示す寄附金フラグを含む、被振込口座情報記憶部と、
寄附先番号、寄附先名および寄附先口座情報を格納する寄附先記憶部と、
振込手数料額に合わせて寄附先に関連付けられた寄附金額を格納する振込手数料記憶部と、
寄附先番号、寄附日、寄附金額および寄附人名を格納する寄附金記憶部と、
銀行の入出金を格納する銀行勘定記憶部と、
振込端末から振込処理開始指示、振込先情報および振込金額を受信して、当該振込処理開始指示が出金口座情報を含む場合、前記被振込口座情報記憶部に、前記出金口座情報により特定される口座に関連付けて、前記振込先情報により特定される口座が被振込口座として格納されているか否か、および、被振込口座として格納されている場合に当該被振込口座の寄附金フラグが寄附金付振込処理であることを示すか否かを判定し、被振込口座として格納され、かつ、寄附金フラグが寄附金付振込処理であることを示す場合、前記寄附先記憶部から寄附先を取得して、当該取得した寄附先のリストを前記振込端末に提供し、前記振込端末から、前記寄附先のリストから選択された寄附先を受信して、前記振込手数料記憶部を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定し、前記振込金額、前記決定した手数料額および寄附金額を含む出金データを前記振込端末に提供する振込処理開始手段と、
前記振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信して、前記銀行勘定記憶部に、前記手数料額および前記寄附金額を含む手数料情報を入金として登録し、前記寄附金記憶部に寄附金レコードを登録する寄附金情報受付手段と、
寄附処理開始指示を受信して、前記寄附金記憶部から所定期間の寄附金額を寄附先別に集計し、当該集計した寄附先別寄附金合計額を前記銀行勘定記憶部に出金として登録し、前記寄附先記憶部に格納されている前記寄附先口座情報に基づいて、前記寄附先別寄附金合計額を指定の口座に振り込む寄附処理実行手段と
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項4】
寄附先番号、寄附先名および寄附先口座情報を格納する寄附先記憶部と、振込手数料額に合わせて寄附先に関連付けられた寄附金額を格納する振込手数料記憶部と、寄附先番号、寄附日、寄附金額および寄附人名を格納する寄附金記憶部と、銀行の入出金を格納する銀行勘定記憶部とを備えた寄附金付振込システムにおいて、振込依頼人が振込手続を行う際に、所望の寄附先への寄附を受け付ける方法であって、
前記寄附金付振込システムの振込処理開始手段が、振込端末からの振込処理開始指示を受信して、寄附金付振込処理を行うか否かの確認要求を前記振込端末に送信するステップと、
前記確認要求に対する応答が寄附金付振込処理である場合、前記振込処理開始手段が、前記寄附先記憶部から寄附先を取得して、当該取得した寄附先のリストを前記振込端末に提供するステップと、
前記振込処理開始手段が、前記振込端末から、前記寄附先のリストから選択された寄附先、振込先情報および振込金額を含む振込データを受信して、前記振込手数料記憶部を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定するステップと、
前記振込処理開始手段が、前記振込金額、前記決定した手数料額および寄附金額を含む出金データを前記振込端末に提供するステップと、
前記寄附金付振込システムの寄附金情報受付手段が、前記振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信して、前記銀行勘定記憶部に、前記手数料額および前記寄附金額を含む手数料情報を入金として登録するステップと、
前記寄附金情報受付手段が、前記寄附金記憶部に寄附金レコードを登録するステップと、
前記寄附金付振込システムの寄附処理実行手段が、寄附処理開始指示を受信して、前記寄附金記憶部から所定期間の寄附金額を寄附先別に集計するステップと、
前記寄附処理実行手段が、前記集計した寄附先別寄附金合計額を前記銀行勘定記憶部に出金として登録するステップと、
前記寄附処理実行手段が、前記寄附先記憶部に格納されている前記寄附先口座情報に基づいて、前記寄附先別寄附金合計額を指定の口座に振り込むステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記振込依頼人の口座情報に関連付けて、寄附金付振込処理を行うか否かを示す寄附金フラグを格納する口座情報記憶部をさらに備え、
前記振込処理開始手段は、前記振込端末から前記振込処理開始指示を受信した後、当該振込処理開始指示が出金口座情報を含み、かつ、前記出金口座情報により特定される口座の寄附金フラグが寄附金付振込処理を行うことを示すと判定する場合、前記確認要求の送信を省略して、前記寄附先のリストを前記振込端末に提供することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
振込依頼人の口座情報を格納する口座情報記憶部と、前記口座情報記憶部の任意の口座に関連付けて、被振込口座情報を格納する被振込口座情報記憶部であって、前記被振込口座情報は、当該任意の口座から当該被振込口座への振込処理が寄附金付振込処理であるか否かを示す寄附金フラグを含む、被振込口座情報記憶部と、寄附先番号、寄附先名および寄附先口座情報を格納する寄附先記憶部と、振込手数料額に合わせて寄附先に関連付けられた寄附金額を格納する振込手数料記憶部と、寄附先番号、寄附日、寄附金額および寄附人名を格納する寄附金記憶部と、銀行の入出金を格納する銀行勘定記憶部とを備えた寄附金付振込システムにおいて、振込依頼人が振込手続を行う際に、所望の寄附先への寄附を受け付ける方法であって、
前記寄附金付振込システムの振込処理開始手段が、振込端末から振込処理開始指示、振込先情報および振込金額を受信して、当該振込処理開始指示が出金口座情報を含む場合、前記被振込口座情報記憶部に、前記出金口座情報により特定される口座に関連付けて、前記振込先情報により特定される口座が被振込口座として格納されているか否かを判定するステップと、
被振込口座として格納されている場合に、前記振込処理開始手段が、当該被振込口座の寄附金フラグが寄附金付振込処理であることを示すか否かを判定するステップと、
被振込口座として格納され、かつ、寄附金フラグが寄附金付振込処理であることを示す場合、前記振込処理開始手段が、前記寄附先記憶部から寄附先を取得して、当該取得した寄附先のリストを前記振込端末に提供するステップと、
前記振込処理開始手段が、前記振込端末から、前記寄附先のリストから選択された寄附先を受信して、前記振込手数料記憶部を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定するステップと、
前記振込処理開始手段が、前記振込金額、前記決定した手数料額および寄附金額を含む出金データを前記振込端末に提供するステップと、
前記寄附金付振込システムの寄附金情報受付手段が、前記振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信して、前記銀行勘定記憶部に、前記手数料額および前記寄附金額を含む手数料情報を入金として登録するステップと、
前記寄附金情報受付手段が、前記寄附金記憶部に寄附金レコードを登録するステップと、
前記寄附金付振込システムの寄附処理実行手段が、寄附処理開始指示を受信して、前記寄附金記憶部から所定期間の寄附金額を寄附先別に集計するステップと、
前記寄附処理実行手段が、前記集計した寄附先別寄附金合計額を前記銀行勘定記憶部に出金として登録するステップと、
前記寄附処理実行手段が、前記寄附先記憶部に格納されている前記寄附先口座情報に基づいて、前記寄附先別寄附金合計額を指定の口座に振り込むステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寄附金付振込システムおよび寄附金付振込方法に関し、より詳細には、振込依頼人が振込手続を行う際に、振込手続と同時に、所望の寄附先への寄附を受け付けることを可能とした寄附金付振込システムおよび寄附金付振込方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、社会には多くの社会貢献活動団体が存在する。これらの社会貢献活動団体は、例えば、世界の子どもたちの生命と権利を守る活動を支援する団体、紛争や災害救援等の人道活動を行う団体、緊急医療・人道援助活動に取り組む団体など、それぞれの団体が、独自の理念を持ち、支援活動を行っている。
【0003】
また日本では、東日本大震災を通じて、より多くの人々が社会貢献活動に対する高い意識を持ち、義援金への協力、ボランティア参加など、様々な形で社会貢献活動に携わる人が増えている。
【0004】
寄附の方法としては、様々なチャネルが存在する。街頭や店舗に設置される募金箱への募金、電話を利用したダイヤルQ2(登録商標)募金、ネットワークを利用したクリック募金、寄附金つき商品の購入、指定口座への寄附金の振込など、多岐に渡って寄附の機会を設けることにより、寄附金の増加が望まれている。
【0005】
しかし、上記した寄附の方法には、それぞれ課題が存在している。例えば、街頭などで募金を行う際は、一部の悪意ある人たちによって行われる募金詐欺を懸念し、募金を見合わせる人も少なくない。また、ダイヤルQ2募金は、ダイヤルQ2サービスを利用した寄附であり、その利用には固定電話が必要となる。クリック募金は、ウェブサイト上の募金ボタンをクリックすることにより、スポンサー企業が寄附する仕組みであり、自身が寄附を行いたいと思う寄附希望者にはそぐわない。寄附金つき商品は、商品によっては、購入機会が限られる、また、継続した商品購入が望めないなど、スポット的な要素が強い。
【0006】
ここで、指定口座への寄附金の振込は、社会貢献活動団体が公表する指定口座へ直接振込を行うため、詐欺の心配はない。また、固定電話など、特定の手段を用意する必要もない。さらには、寄附希望者自身が所望の団体に対して、所望のタイミングで、所望の金額の寄附が可能である点において、一定の利点を有する。一方、指定口座への寄附金の振込は、あらかじめ指定口座の情報を確認する必要がある。また、ATMやインターネットバンキングを介して振込手続を行う必要があり、他の寄附の方法と比較して手続が煩雑であった。
【0007】
特許文献1には、募金機関の募金機関サーバと、募金依頼者のユーザ端末とがネットワークを介して接続され、募金機関とは独立した課金機関(例えば、携帯電話会社など)を経由して、募金依頼者が募金機関に募金を支払うよう構成した募金システムが開示されている。特許文献1に記載の募金システムでは、募金機関とは独立した課金機関を経由して、募金依頼者が募金機関に募金を支払うよう構成することで、募金機関へのお金の出入りが明確化され、募金の流れに高い信用性を持たせることに成功している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−230232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1は、実施形態として、課金サーバの提供するネットワークシステムの中に、募金機関のホームページが課金対象として公式登録されており、アクセスしたユーザ端末を募金機関サーバが個別認識でき、募金機関のホームページ上で募金依頼者が募金を実行した場合に、その認識した情報を元に募金機関サーバと課金機関サーバが自由にデータ交信できるような環境、また、募金機関のホームページの一部が、課金機関サーバにリンクしており、募金依頼者が募金を実行した場合、課金に必要な情報を課金機関サーバが取得できるような環境が挙げられている。すなわち、課金機関サーバと募金機関サーバとの間で募金依頼者の識別が可能であり、課金機関サーバが、課金に必要な情報を募金機関サーバから取得できることが条件となる。
【0010】
また、特許文献1に記載の募金システムでは、依頼プロセスにおいて、ユーザ端末が募金機関サーバに形式データを要求し、この要求に応答して、募金機関サーバがユーザ端末に形式データを送信する。すなわち、募金機関サーバが、ユーザ端末の規格に合った形式データを送信し得るよう構成する必要がある。
【0011】
上記のような環境を構築するためには、まず、課金機関側だけでなく、募金機関側もシステム要件を備えるための投資が必要となる。また、課金機関が複数存在する場合、募金機関サーバは、複数の課金機関サーバとの間でそれぞれ、募金依頼者の識別処理、および課金に必要な情報交換処理に対応する必要がある。同様に、課金機関サーバは、複数の募金機関を募金先として提供するためには、複数の募金機関サーバとの間でそれぞれ、識別処理および情報交換処理に対応する必要がある。
【0012】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたもので、振込依頼人が振込手続を行う際に、複数の寄附先のうちの1つの寄附先を選択することに応答して、振込手続と同時に、選択された所望の寄附先への寄附を受け付けることにより、寄附先の指定口座情報を有さない振込依頼人が、シンプルな操作ステップで所望の寄附先に寄附を行うことができる寄附金付振込システムおよび寄附金付振込方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明に係る寄附金付振込システムは、寄附先番号、寄附先名および寄附先口座情報を格納する寄附先記憶部と、振込手数料額に合わせて寄附先に関連付けられた寄附金額を格納する振込手数料記憶部と、寄附先番号、寄附日、寄附金額および寄附人名を格納する寄附金記憶部と、銀行の入出金を格納する銀行勘定記憶部と、振込端末からの振込処理開始指示を受信して、寄附金付振込処理を行うか否かの確認要求を前記振込端末に送信し、前記確認要求に対する応答が寄附金付振込処理である場合、前記寄附先記憶部から寄附先を取得して、当該取得した寄附先のリストを前記振込端末に提供し、前記振込端末から、前記寄附先のリストから選択された寄附先、振込先情報および振込金額を含む振込データを受信して、前記振込手数料記憶部を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定し、前記振込金額、前記決定した手数料額および寄附金額を含む出金データを前記振込端末に提供する振込処理開始手段と、前記振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信して、前記銀行勘定記憶部に、前記手数料額および前記寄附金額を含む手数料情報を入金として登録し、前記寄附金記憶部に寄附金レコードを登録する寄附金情報受付手段と、寄附処理開始指示を受信して、前記寄附金記憶部から所定期間の寄附金額を寄附先別に集計し、当該集計した寄附先別寄附金合計額を前記銀行勘定記憶部に出金として登録し、前記寄附先記憶部に格納されている前記寄附先口座情報に基づいて、前記寄附先別寄附金合計額を指定の口座に振り込む寄附処理実行手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る全体ネットワーク構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る寄附金付振込システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る口座情報記憶部に格納された情報の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る寄附先記憶部に格納された情報の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る振込手数料記憶部に格納された情報の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る寄附金記憶部に格納された情報の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る口座元帳記憶部に格納された情報の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る被振込口座情報記憶部に格納された情報の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る寄附金付振込処理を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係る寄附処理を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態に係る寄附金付振込処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る寄附金付振込システムおよび寄附金付振込方法を詳細に説明する。
【0016】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る全体ネットワーク構成を示す図である。図1において、コンビニエンスストアなどに設置されたATM 101、家庭などに設置されたエレクトロニックバンキング(EB)システム102および銀行に設置された営業店端末103と、寄附金付振込システム105とが、ネットワーク104を介して通信を行うよう構成されている。
【0017】
寄附金付振込システム105は、ATM 101、EBシステム102および紙媒体を使用した店頭窓口での受付などの種々の取引チャネルを通じて振込依頼人から被振込口座への振込データを受信して振込処理を実行するが、この際、所望の寄附先への寄附を受け付けることを可能とする。
【0018】
次に、図2のブロック図を参照して、上記した寄附金付振込システムの構成を詳細に説明する。なお、図2では、単一のコンピュータシステムを想定し、必要な機能構成だけを示しているが、寄附金付振込システム105を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
【0019】
寄附金付振込システム105は、CPU201に、システムバス202を介してRAM203、入力装置204、出力装置205、通信制御装置206および不揮発性記憶媒体(ROMやHDDなど)で構成される記憶装置207が接続された構成を有する。記憶装置207は、上記した機能を奏するためのソフトウェアプログラムを格納するプログラム格納領域と、随時取得するデータや処理結果としてのデータ等を格納するデータ格納領域とを備えている。以下に説明するプログラム格納領域の各手段は、実際は独立したソフトウェアプログラム、そのルーチンやコンポーネントなどであり、CPU201によって記憶装置207から呼び出されRAM203のワークエリアに展開されて、データベース等を適宜参照しながら順次実行されることで、各機能を奏するものである。
【0020】
データ格納領域は、口座情報記憶部208、寄附先記憶部209、振込手数料記憶部210、寄附金記憶部211、口座元帳記憶部212および被振込口座情報記憶部213を備える。何れも、記憶装置207内に確保された一定の記憶領域である。
【0021】
口座情報記憶部208は、図3に示されるように、銀行番号、支店番号、科目(普通科目の場合は「0」、当座科目の場合は「1」)、口座番号、口座名義などの口座に関する情報を格納する。一実施形態では、口座情報記憶部208は、口座名義人連絡先も格納する。
【0022】
寄附先記憶部209は、図4に示されるように、寄附先番号、寄附先名および寄附先の口座情報を格納する。一実施形態では、寄附先の口座情報として、銀行番号、支店番号、科目、口座番号および口座名義を格納する。振込依頼人は、寄附先記憶部209に記憶される複数の寄附先のうち、所望の寄附先を選択して寄附を行うことができる。
【0023】
振込手数料記憶部210は、各種振込手数料を格納し、振込手数料額に合わせて寄附先に関連付けられた寄附金額を格納する。一般的に振込手数料は、振込先によって、同行の同一店あてであるか、同行の他店あてであるか、他行あてであるかの3つに分類され、さらに、振込金額によって、3万円未満であるか、3万円以上であるかの2つに分類され、計6つのケースに分けられる。
【0024】
本実施形態では、図5に示されるように、同行の同一店あてであり、かつ振込金額が3万円未満である場合の手数料1、同行の他店あてであり、かつ振込金額が3万円未満である場合の手数料2、他行あてであり、かつ振込金額が3万円未満である場合の手数料3、同行の同一店あてであり、かつ振込金額が3万円以上である手数料4、同行の他店あてであり、かつ振込金額が3万円以上である手数料5、および、他行あてであり、かつ振込金額が3万円以上である手数料6が設けられている。
【0025】
さらに、本実施形態では、振込手数料記憶部210は、寄附先に関連付けられた寄附金額を格納するために、寄附先番号、寄附先名を格納し、手数料X(Xは1〜6)の内訳として手数料額と寄附金額とを格納する。同図に示されるように、寄附先が異なる場合であっても、各手数料の手数料額は同一である。例えば、財団法人Aの手数料1の手数料額およびNPO法人Bの手数料1の手数料額は同一である。
【0026】
一方、寄附先に関連付けられる寄附金額は、自由に設定することができる。一実施形態では、手数料1〜6において、統一した寄附金額とすることができる。別の実施形態では、振込金額が3万円未満の手数料1〜3については100円、振込金額が3万円以上の手数料4〜6については200円など、異なる寄附金額を設定することもできる。さらに、別の実施形態では、振込金額に応じた割合(例えば0.1%)の寄附金額を設定することもできる。
【0027】
寄附金記憶部211は、図6に示されるように、寄附先番号、寄附先名、寄附日、寄附金額、寄附人名、寄附人連絡先を格納する。寄附先番号、寄附先名には、振込依頼人が選択した寄附先番号、寄附先名が格納され、寄附日には振込処理を実行した日付が格納される。寄附金額には、振込手数料記憶部210に格納されている手数料のうち、対象となる寄附金先に関連付けられ、かつ、手数料1〜6のうち振込処理に対応する手数料Xの寄附金額が格納される。寄附人名および寄附人連絡先は、振込依頼人の情報が格納される。
【0028】
また、一実施形態では、寄附金記憶部211は、寄附人出金口座情報を格納する。本実施形態では、寄附先の口座情報として、銀行番号、支店番号、科目、口座番号および口座名義を格納する。後述するように、寄附金記憶部211に寄附人出金口座情報を格納することで、特定の口座について、寄附金付振込を行った履歴を確認することができる。
【0029】
口座元帳記憶部212は、図7に示されるように、取引日、出金金額、入金金額、取引情報および残高を格納する。本実施形態では、口座元帳記憶部212には、寄附金付振込処理の実行に伴い、出金金額に振込金額を格納したレコードと、出金金額に手数料を格納したレコードとが格納される。手数料には、手数料額および寄附金額を含む。一実施形態では、手数料を格納するレコードの取引情報に、寄附金額を示す内訳情報を含めることができる。
【0030】
被振込口座情報記憶部213は、図8に示されるように、口座情報記憶部208の任意の口座に関連付けて、振込先の口座情報を格納する。具体的には、被振込口座情報記憶部213は、振込依頼人の口座情報(銀行番号、支店番号、科目、口座番号)に関連付けて、被振込口座の口座情報(銀行番号、支店番号、科目、口座番号、口座名義など)を格納する。本実施形態では、被振込口座情報記憶部213は、寄附金付振込処理を行うか否かを示す寄附金フラグ(寄附金付振込処理を行わない場合は「0」、寄附金付振込処理を行う場合には「1」)を、さらに格納する。
【0031】
プログラム格納領域に格納されているソフトウェアプログラムは、本発明に関連するものだけを列挙すると、振込処理開始手段214、寄附金情報受付手段215、寄附処理実行手段216および照会手段217を備えている。
【0032】
振込処理開始手段214は、ATM 101、EBシステム102、営業店端末103など(以下、振込端末と呼ぶ。)を介して送信される振込処理開始指示を受信して、振込処理を開始する。振込処理開始手段214は、振込処理開始指示の受信に応答して、寄附金付振込処理を行うか否かの確認要求を振込端末に送信する。確認要求に対する応答が寄附金なしの振込処理である場合、振込処理開始手段214は、通常の振込手続に移行する。
【0033】
一方、確認要求に対する応答が寄附金付振込処理である場合、振込処理開始手段214は、寄附先記憶部209から登録済みの寄附先を取得して、取得した寄附先のリストを振込端末に提供する。振込端末を介して寄附先リストの中から1つの寄附先が選択されると、振込端末において、続けて振込先情報、振込金額、また、必要に応じて振込依頼人の入力を求める。出金口座を指定して振込処理を開始する場合には、出金口座に関連付けられた口座名義および口座名義人連絡先を利用することができるため、振込依頼人の入力は省略される。
【0034】
振込端末が、選択された寄附先、振込先情報、振込金額、振込依頼人情報を含む振込データを送信すると、振込処理開始手段214は、選択された寄附先、振込先情報および振込金額に基づいて、振込手数料記憶部210を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定する。振込処理開始手段212は、振込金額、手数料額および寄附金額を含む出金データを振込端末に提供する。
【0035】
寄附金情報受付手段215は、振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信して、(現金ではなく)口座からの振込か否かを判定する。口座からの振込の場合、寄附金情報受付手段215は、指定された出金口座の口座元帳記憶部212に出金情報を登録する。具体的には、口座元帳記憶部212に、振込金額用のレコードおよび手数料用のレコードを登録する。前述したように、寄附金情報受付手段215は、手数料用のレコードの登録に際し、取引情報に内訳情報を含めることができる。
【0036】
寄附金情報受付手段215は、次に、銀行勘定記憶部(図示せず)に、(手数料額および寄附金額を含む)手数料情報を入金として登録する。また、寄附金情報受付手段215は、寄附金記憶部211に、寄附金レコードを登録する。前述したように、本実施形態では、寄附金記憶部211に、寄附人出金口座情報を格納する。
【0037】
寄附処理実行手段216は、寄附処理開始指示を受信して、寄附処理を実行する。寄附処理実行手段216は、寄附金記憶部211から所定期間の寄附金額を寄附先別に集計する。本実施形態では、集計開始日付および集計終了日付を含む寄附処理開始指示を受信して、指定された集計期間の寄附金額を寄附先別に集計する。一実施形態では、寄附金記憶部211は、処理フラグ(未処理の場合は「0」、処理済みの場合は「1」)をさらに格納し、寄附処理実行手段216は、処理フラグが「0」の寄附金レコードのみを集計対象とするようにすることもできる。
【0038】
寄附処理実行手段216は、銀行勘定記憶部に寄附金合計額を出金として登録する。また、寄附処理実行手段216は、寄附先記憶部209に格納されている寄附先口座情報に基づいて、集計した寄附金合計額を指定の口座に振り込む。寄附金記憶部211が処理フラグを有する実施形態では、寄附処理実行手段216は、寄附処理を実行したレコードについて、処理フラグに「1」をセットする。
【0039】
照会手段217は、所定の口座に対する寄附金明細照会の要求に応答して、寄附金記憶部211から寄附先名、寄附日および寄附金額を取得して、照会用寄附金データを営業店端末103などに提供する。
【0040】
(第1の実施形態)
次に、図9のフローチャートを参照して、一実施形態に係る寄附金付振込処理を説明する。寄附金付振込サービスを提供する銀行1が、図4に示される寄附先について、図5に示される寄附金額を設定しているものとする。
【0041】
振込依頼人Aが振込端末であるEBシステム102を介して振込処理開始指示を寄附金付振込システム105に送信する(S901)。本実施形態では、振込依頼人Aの預金口座である「銀行番号:AAA」、「支店番号:A01」、「科目:0」および「口座番号:111-1234567」により特定される口座を出金口座として指定する振込処理開始指示を送信したものとする。寄附金付振込システム105の振込処理開始手段214は、振込処理開始指示の受信に応答して、寄附金付振込処理を行うか否かの確認要求を振込端末に送信する(S902)。
【0042】
確認要求に対する応答が寄附金付振込処理であるか否かを判定して(S903)、寄附金なしの振込処理である場合、振込処理開始手段214は、通常の振込手続に移行する。一方、寄附金付振込処理である場合、振込処理開始手段214は、寄附先記憶部209から登録済みの寄附先を取得して、取得した寄附先のリストを振込端末に提供する(S904)。本実施形態では、振込依頼人AはEBシステム102を介して寄附金付振込処理の応答を寄附金付振込システム105に送信し、S904に進むものとする。S904で、振込処理開始手段214は、「001 財団法人A」、「002 NPO法人B」、「003 ボランティア団体C」、・・・を含む寄附先リストをEBシステム102に提供する。
【0043】
振込端末を介して寄附先リストの中から1つの寄附先が選択されると(S905)、振込端末において、続けて振込先情報、振込金額、また、必要に応じて振込依頼人の入力を求める(S906)。本実施形態では、振込依頼人Aは、EBシステム102を介して財団法人Aを寄附先として選択して、続けて振込先情報として「銀行番号:AAA」、「支店番号:A02」、「科目:0」、「口座番号:777-7777777」、振込金額として「24,000円」を入力するものとする。なお、本実施形態では、出金口座を指定して振込処理を開始しているので、振込依頼人の入力は省略される。
【0044】
振込端末が、選択された寄附先、振込先情報、振込金額、振込依頼人情報を含む振込データを送信すると(S907)、振込処理開始手段214は、選択された寄附先、振込先情報および振込金額に基づいて、振込手数料記憶部210を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定する(S908)。本実施形態では、選択された寄附先の寄附先番号「001」、振込情報および振込金額から「同行の他店あてであり、かつ振込金額が3万円未満である」ことに基づいて、振込手数料記憶部210から「手数料額:105円」および「寄附金額:100円」を含む手数料を決定する。振込処理開始手段212は、振込金額、手数料額および寄附金額を含む出金データを振込端末に提供する(S909)。
【0045】
続いて、寄附金付振込システム105の寄附金情報受付手段215は、振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信した後、(現金ではなく)口座からの振込か否かを判定する(S910)。口座からの振込の場合、寄附金情報受付手段215は、指定された出金口座の口座元帳記憶部212に出金情報を登録する(S911)。本実施形態では、振込依頼人AがEBシステム102を介して、出金データを確認したうえで寄附金付振込処理実行指示を送信して、寄附金情報受付手段215は、口座からの振込であると判定してS911に進む。S911で、寄附金情報受付手段215は、図7に示されるような振込金額用のレコードおよび手数料用のレコードを、口座元帳記憶部212に登録する。寄附金情報受付手段215は、手数料用のレコードの登録に際し、取引情報に内訳情報「寄附金:100円」を含めることができる。
【0046】
寄附金情報受付手段215は、次に、銀行勘定記憶部に、(手数料額および寄附金額を含む)手数料情報を入金として登録する(S912)。本実施形態では、寄附金情報受付手段215は、銀行勘定記憶部に手数料情報「205円」を入金として登録する。また、寄附金情報受付手段215は、寄附金記憶部211に、寄附金レコードを登録する(S913)。本実施形態では、図6の1行目に示されるような寄附金レコードが、寄附金記憶部211に登録される。
【0047】
その後、通常の振込処理(被振込口座への入金情報の登録など)を行う。
【0048】
同様に、寄附金付振込システム105は、振込依頼人Bが振込端末であるATM 101を介して送信した振込処理開始指示を図9フローチャートに従って処理し、本実施形態では、振込依頼人Bの預金口座である「銀行番号:AAA」、「支店番号:A01」、「科目:0」および「口座番号:112-1234567」により特定される口座を出金口座として、図6の2行目に示されるような寄附金レコードが、寄附金記憶部211に登録される。
【0049】
次に、図10のフローチャートを参照して、一実施形態に係る寄附処理を説明する。銀行1では、月次で寄附処理を実行するものとする。
【0050】
寄附金付振込システム105の寄附処理実行手段216は、寄附処理開始指示を受信すると(S1001)、寄附金記憶部211から所定期間の寄附金額を寄附先別に集計する(S1002)。本実施形態では、「集計開始日付:2012/08/01」および「集計終了日付:2012/08/31」を含む寄附処理開始指示を受信して、指定された集計期間の寄附金額を寄附先別に集計する。
【0051】
寄附処理実行手段216は、S1002で集計した寄附先別寄附金合計額を、銀行勘定記憶部に出金として登録する(S1003)。また、寄附処理実行手段216は、寄附先記憶部209に格納されている寄附先口座情報に基づいて、寄附先別寄附金合計額を指定の口座に振り込む(S1004)。寄附金記憶部211が処理フラグを有する実施形態では、寄附処理実行手段216は、寄附処理を実行したレコードについて、処理フラグに「1」をセットする(S1005)。
【0052】
以上、本発明によれば、社会貢献活動団体は、寄附金を受け付けるチャネルを1つ増やすことができる。システムの修正、また新たなシステムの構築を行う必要はなく、莫大なコストをかけずに寄附金の増加につなげることができる。
【0053】
銀行1についても、社会貢献活動団体側のシステムとの連携を必要とせずに、新たな社会貢献活動団体を寄附先として登録することができる。様々な理念を持つ複数の社会貢献活動団体を寄附先として設けることで、振込依頼人に幅広い選択肢を提供することができる。
【0054】
振込依頼人は、自身で寄附先の指定口座情報を確認すること、および指定口座情報を入力する煩わしさから解放され、シンプルな操作ステップで所望の寄附先に寄附を行うことができる。寄附先には複数の社会貢献活動団体が登録されているので、振込依頼人は、自身の意向に沿った寄附先を選択して寄附を行うことができる。
【0055】
さらには、日常生活において既に多くの人が活用している振込を寄附の機会とすることで、人々は、社会に協力したいと思ったタイミングを逃さずに、安心して寄附を行うことができる。
【0056】
なお、照会手段217は、所定の口座に対する寄附金明細照会の要求に応答して、寄附金記憶部211から寄附先名、寄附日および寄附金額を取得して、照会用寄附金データを営業店端末103などに提供することができる。このような構成とすることで、出金口座を指定して振込処理を開始した振込依頼者に対し、寄附を行った履歴を提供することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、振込依頼人が振込を行う都度、寄附金付振込処理であるか否かを確認して(図9のS902、S903)、振込処理を行うものである。第2の実施形態では、特定の口座が出金口座となる場合は、すべて寄附金付振込処理であるものと判断する。
【0058】
第2の実施形態では、口座情報記憶部208は、例えば、常に寄附金付振込処理を行うか否かを示す寄附金フラグ(都度確認する場合は「0」、常に寄附金付振込処理を行う場合には「1」)を、さらに格納する。振込処理開始手段214は、振込端末から振込処理開始指示を受信(S901)した後、寄附金付振込処理であるか否かを確認する前に、まず、振込処理開始指示が出金口座情報を含むか否かを判定する。出金口座情報を含む場合には、口座情報記憶部208を参照して、対象となる出金口座の寄附金フラグを取得する。寄附金フラグが「1」の場合、図9のS904に進み、振込処理開始指示が出金口座情報を含まない場合、また、振込処理開始指示に含まれる出金口座情報の寄附金フラグが「0」の場合、図9のS902に進む。以降の処理は、第1の実施形態と同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0059】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、特定の振込先に振込を行う場合に、寄附金付振込処理であるものと判断する。本実施形態では、寄附金付振込システム105は、口座情報記憶部208の任意の口座に関連付けて振込先の口座情報を格納する被振込口座情報記憶部213をさらに備える。第3の実施形態を、図11のフローチャートを参照して説明する。第1の実施形態と同様に、寄附金付振込サービスを提供する銀行1が、図4に示される寄附先について、図5に示される寄附金額を設定しているものとする。
【0060】
振込依頼人Cが振込端末であるEBシステム102を介して振込処理開始指示を寄附金付振込システム105に送信する(S1101)。本実施形態では、振込依頼人Cの預金口座である「銀行番号:AAA」、「支店番号:A01」、「科目:0」および「口座番号:113-1234567」により特定される口座を出金口座として指定する振込処理開始指示を送信したものとする。
【0061】
寄附金付振込システム105の振込処理開始手段214は、受信した振込処理開始指示に基づいて、(現金ではなく)口座からの振込か否かを判定する(S1102)。口座からの振込でない場合、振込処理開始手段214は、図9のS902に進む。一方、口座からの振込である場合、S1103に進み、振込端末において、振込先情報および振込金額の入力を求める。本実施形態では、S1103に進み、振込依頼人Cは、EBシステム102を介して、振込先情報として「銀行番号:AAA」、「支店番号:A01」、「科目:0」、「口座番号:888-2222222」、振込金額として「105,000円」を入力するものとする。
【0062】
振込端末が、振込先情報および振込金額を含む振込データを送信すると(S1104)、振込処理開始手段214は、振込先情報により特定される振込先が寄附金付振込の対象であるか否か判定する(S1105)。具体的には、S1101で受信した振込処理開始指示に含まれる出金口座情報に基づいて被振込口座記憶部213を参照して、S1104で受信した振込先情報により特定される口座が被振込口座として格納されているか否か判定する。被振込口座として格納されている場合には、被振込口座の寄附金フラグを取得して、寄附金フラグが「1」の場合、振込処理開始手段214は、振込先が寄附金付振込の対象であると判定する。一方、振込先情報により特定される口座が被振込口座として格納されていない場合、また、被振込口座の寄附金フラグが「0」の場合、通常の振込手続に移行する。
【0063】
本実施形態では、出金口座情報「銀行番号:AAA」、「支店番号:A01」、「科目:0」および「口座番号:113-1234567」により特定される口座に関連付けられて、被振込口座記憶部213に、振込先情報「銀行番号:AAA」、「支店番号:A01」、「科目:0」、「口座番号:888-2222222」により特定される口座が被振込口座として格納されており、被振込口座の寄附金フラグが「1」であるため、振込先が寄附金付振込の対象であると判定する。
【0064】
振込処理開始手段214は、寄附先記憶部209から登録済みの寄附先を取得して、取得した寄附先のリストを振込端末に提供する(S1106)。寄附先リストは、「001 財団法人A」、「002 NPO法人B」、「003 ボランティア団体C」、・・・を含むものとする。
【0065】
振込端末を介して寄附先リストの中から「002 NPO法人B」が選択、送信されると(S1107)、振込処理開始手段214は、選択された寄附先、振込先情報および振込金額に基づいて、振込手数料記憶部210を参照して手数料額および寄附金額を含む手数料を決定する(S1108)。本実施形態では、選択された寄附先の寄附先番号「002」、振込情報および振込金額から「同行の同一店あてであり、かつ振込金額が3万円以上である」ことに基づいて、振込手数料記憶部210から「手数料額:0円」および「寄附金額:50円」を含む手数料を決定する。振込処理開始手段212は、振込金額、手数料額および寄附金額を含む出金データを振込端末に提供する(S1109)。
【0066】
続いて、振込端末から寄附金付振込処理実行指示を受信した後、寄附金情報受付手段215は、指定された出金口座の口座元帳記憶部212に出金情報を登録する(S1110)。S1110で、寄附金情報受付手段215は、振込金額用のレコードおよび手数料用のレコードを、口座元帳記憶部212に登録する。寄附金情報受付手段215は、手数料用のレコードの登録に際し、取引情報に内訳情報「寄附金:50円」を含めることができる。
【0067】
寄附金情報受付手段215は、次に、銀行勘定記憶部に、(手数料額および寄附金額を含む)手数料情報を入金として登録する(S1111)。本実施形態では、寄附金情報受付手段215は、銀行勘定記憶部に手数料情報「50円」を入金として登録する。また、寄附金情報受付手段215は、寄附金記憶部211に、寄附金レコードを登録する(S1112)。本実施形態では、図6の3行目に示されるような寄附金レコードが、寄附金記憶部211に登録される。
【0068】
その後、通常の振込処理(被振込口座への入金情報の登録など)を行う。
【0069】
なお、第3の実施形態の変形例として、被振込口座情報記憶部213の寄附金フラグの代わりに、寄附先番号を格納するように構成することもできる。例えば、寄附金付振込の対象としない振込先の寄附先番号には、空値を示すnullを格納し、寄附金付振込の対象とする振込先には、所望の寄附先番号を格納することができる。この場合、振込端末から振込情報を受信することで1)振込先が寄附金付振込の対象であるか否か、および2)寄附金付振込の対象である場合の寄附先、が特定できるため、S1106、S1107の処理は省略される。
図1
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