(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
すべての前記交線は、前記凹部の開口縁部における接線を母線とする第2仮想円錐面に対して径方向の外側に位置する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光束制御部材。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの透過型画像表示装置では、バックライトとして直下型の面光源装置を使用することがある。近年、光源として複数の発光素子を有する、直下型の面光源装置が使用されるようになってきている。
【0003】
たとえば、直下型の面光源装置は、基板、複数の発光素子、複数の光束制御部材および光拡散部材を有する。複数の発光素子は、基板上にマトリックス状に配置されている。各発光素子の上には、各発光素子から出射された光を基板の面方向に拡げる光束制御部材が配置されている。光束制御部材から出射された光は、光拡散部材により拡散され、被照射部材(例えば液晶パネル)を面状に照らす(たとえば、特許文献1)。
【0004】
図1は、特許文献1に係る面光源装置を示す図である。
図1Aは、基板と光束制御部材との間に間隙がない場合の面光源装置の段面図および光路図である。
図1Bは、基板と光束制御部材との間に間隙がある場合の面光源装置の段面図および光路図である。
図1Aに示されるように、特許文献1に係る面光源装置10は、基板20と、基板20上に配置された発光素子30(発光チップ)と、発光素子30を覆うように基板20上に隙間なく配置され、発光素子30から出射された光の配光を制御する光束制御部材40(レンズ)と、光束制御部材40から出射された光を拡散させつつ透過させる光拡散部材50と、を有する。光束制御部材40は、発光素子30から出射された光を入射する入射面42と、入射面42から入射した光を外部に出射する出射面44と、出射面44の反対側に形成された裏面46と、を有する。
【0005】
図1Aに示されるように、発光素子30から出射された光は、入射面42から光束制御部材40に入射する。光束制御部材40に入射した光は、出射面44に到達し、出射面44から外部に出射される。このとき光は、出射面44の形状により屈折して、光拡散部材50に略均一に照射される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明に係る面光源装置の代表例として、液晶表示装置のバックライトなどに適する面光源装置について説明する。これらの面光源装置は、面光源装置からの光を照射される被照射部材(例えば液晶パネル)と組み合わせることで、表示装置として使用されうる。
【0017】
(実施の形態1)
[面光源装置および発光装置の構成]
図2〜6は、実施の形態1に係る面光源装置の構成を示す図である。
図2Aは、実施の形態1に係る面光源装置の平面図であり、
図2Bは、正面図である。
図3Aは、
図2Bに示されるA−A線の断面図であり、
図3Bは、
図2Aに示されるB−B線の断面図である。
図4は、
図3Bの一部を拡大した部分拡大断面図である。
【0018】
図2,3に示されるように、実施の形態1に係る面光源装置100は、筐体110、光拡散部材120および複数の発光装置200を有する。複数の発光装置200は、筐体110の底板130上にマトリックス状に配置されている。底板130の内面は、拡散反射面として機能する。また、筐体110の天板には、開口部が設けられている。光拡散部材120は、この開口部を塞ぐように配置されており、発光面として機能する。発光面の大きさは、特に限定されないが、例えば約400mm×約700mm(32インチ)である。
【0019】
図4に示されるように、複数の発光装置200は、それぞれ基板140上に固定されている。複数の基板140は、それぞれ筐体110の底板130上の所定の位置に固定されている。複数の発光装置200は、それぞれ発光素子300および光束制御部材400を有している。
【0020】
発光素子300は、面光源装置100の光源であり、基板140上に実装されている。発光素子300は、例えば白色発光ダイオードなどの発光ダイオード(LED)である。
【0021】
光束制御部材400は、発光素子300から出射された光の配光を制御する拡散レンズであり、基板140上に固定されている。光束制御部材400は、その中心軸CAが発光素子300の光軸LAに一致するように、発光素子300の上に配置されている。なお、後述する光束制御部材400の第1入射面420および出射面440は、いずれも回転対称(円対称)であり、かつこれらの回転軸は一致する。この第1入射面420および出射面440の回転軸を「光束制御部材の中心軸CA」という。また、「発光素子の光軸LA」とは、発光素子300からの立体的な出射光束の中心の光線を意味する。発光素子300が実装された基板140と光束制御部材400の裏面450との間には、発光素子300から発せられる熱を外部に逃がすための間隙d1が形成されている。
【0022】
光束制御部材400は、一体成形により形成されている。光束制御部材400の材料は、所望の波長の光を通過させ得る材料であれば特に限定されない。たとえば、光束制御部材400の材料は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)などの光透過性樹脂、またはガラスである。
【0023】
本実施の形態に係る面光源装置100は、光束制御部材400の構成に主たる特徴を有する。そこで、光束制御部材400の詳細については、後述する。
【0024】
光拡散部材400は、光拡散性を有する板状の部材であり、発光装置200からの出射光を拡散させつつ透過させる。通常、光拡散部材120は、液晶パネルなどの被照射部材とほぼ同じ大きさである。たとえば、光拡散部材120は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、スチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂(MS)などの光透過性樹脂により形成される。光拡散性を付与するため、光拡散部材120の表面に微細な凹凸が形成されているか、または光拡散部材120の内部にビーズなどの光拡散子が分散している。
【0025】
本実施の形態に係る面光源装置100では、各発光素子300から出射された光は、各光束制御部材400により光拡散部材120の広範囲を照らすように拡げられる。各光束制御部材400から出射された光は、さらに光拡散部材120により拡散される。その結果、本実施の形態に係る面光源装置100は、面状の被照射部材(例えば液晶パネル)を均一に照らすことができる。
【0026】
[光束制御部材の構成]
図5は、実施の形態1に係る光束制御部材400の構成を示す図である。
図5Aは、実施の形態1に係る光束制御部材400の平面図であり、
図5Bは、
図5Aに示されるC−C線の断面図であり、
図5Cは、正面図であり、
図5Dは、底面図である。
図6は、
図5Bの部分拡大断面図である。
図6Aは、第2入射面430近傍の部分拡大断面図であり、
図6Bは、第2入射面430の構造を説明するための図である。なお、
図6Aでは、第2入射面430の説明のために、発光素子300を図示している。
【0027】
図5,6に示されるように、光束制御部材400は、凹部410、第1入射面420、第2入射面430、出射面440、裏面450、鍔部460および複数の脚部470を有する。
【0028】
凹部410は、光束制御部材400の裏側(発光素子300側)の中央部に形成されている。凹部410の内面は、第1入射面420として機能する。第1入射面420は、発光素子300から出射された光の大部分を、その進行方向を制御しつつ光束制御部材400の内部に入射させる。第1入射面420は、光束制御部材400の中心軸CAと交わり、中心軸CAを軸として回転対称(円対称)である。
【0029】
第2入射面430は、発光素子300から出射された光のうち、第1入射面420に入射しなかった光の大部分を、その進行方向を制御しつつ光束制御部材400の内部に入射させる。第2入射面430は、中心軸CAを取り囲むように、凹部410の開口縁部より外側に配置されている。第2入射面430には、複数の環状の溝432が形成されている。第2入射面430は、複数の環状の溝432の内面434を含む。第2入射面430は、最も外側の溝432と裏面450との間に別の面をさらに有していてもよい。すなわち、最も外側の溝432と裏面450とは、接していなくてもよい。
【0030】
図6A,Bに示されるように、環状の溝432は、隣接する環状の溝432と交線433を形成している。すなわち、環状の溝432は、第1の溝432と、隣接する第2の溝432との間に面を有していない。また、第2入射面430の外縁部を通り、かつ中心軸CAに直交する仮想平面P1を基準面としたとき、複数の溝432は、中心軸CAからの距離が離れるにつれて交線433が仮想平面P1(基準面)に近づくように配置されている。より具体的には、複数の溝432は、各交線433が同一の第1仮想円錐面L1上に位置するように配置されている。このとき、すべての交線433は、凹部410の開口縁部における接線を母線とする第2仮想円錐面L2に対して径方向の外側に位置する。第1仮想円錐面L1および第2仮想円錐面L2は、いずれの交線433よりも表側の位置で中心軸CAと交わる。
【0031】
各環状の溝432の光軸LAを含む断面形状は、曲率中心が光束制御部材400の外側(発光素子300側)にある弧であれば特に限定されない。たとえば、環状の溝432の光軸LAを含む断面形状の例には、真円の一部である円弧(
図6B参照)、および楕円の一部である弧が含まれる。また、各環状の溝423において、断面形状がいずれの場所においても同一であってもよいし、場所ごとに異なっていてもよい、すなわち、各環状の溝423は、光軸LAを軸とした回転対称(円対称)であってもよいし、回転対称(円対称)でなくてもよい。
【0032】
また、第2入射面430は、第1入射面420に入射する光よりも光軸LAに対して大きな角度で発光素子300から出射した光を光束制御部材400内に入射させることができる範囲に形成されている。第2入射面430の形成範囲は、以下のように設定されうる。
【0033】
まず、第2入射面430を形成せずに、裏面450を径方向内側に延長した光束制御部材において、第1入射面420および裏面450全体(延長部分も含む)を遮光する。この光束制御部材に発光素子300の出射光を入射させ、表側に配置された光軸LAに直交する被照射面(例えば、面光源装置における拡散板など)上の照度を確認する。第1入射面420および裏面450全体が遮光された状態では、被照射面上の照度は0(lx)である。ところが、裏面450の中央部に遮光を取り除いた円環状の開口部(中心は光軸LA)を形成すると、被照射面上の照度は大きくなる。このとき、開口部の外径が大きくなるにつれて、被照射面上の照度は漸増する。そして、開口部の外径が所定の大きさに到達すると、それ以上外径を大きくしても照度が変化しなくなる。このような所定の外径を、第2入射面430の形成範囲の最外径として設定すれば、第2入射面430の形状が輪帯状の明部の緩和に十分に機能する。このようにして算出される最外径よりも第2入射面430の形成範囲が広い場合、または狭い場合であっても、第2入射面430は、効果の差はあるものの輪帯状の明部の緩和の機能を有する。
【0034】
出射面440は、光束制御部材400の表側(光拡散部材120側)に、鍔部460から突出するように形成されている。出射面440は、光束制御部材400内に入射した光を、進行方向を制御しつつ外部に出射させる。出射面440は、中心軸CAと交わり、中心軸CAを軸として回転対称(円対称)である。
【0035】
出射面440は、中心軸CAを中心とする所定範囲に位置する第1出射面441と、第1出射面441の周囲に連続して形成される第2出射面442と、第2出射面442と鍔部460とを接続する第3出射面443とを有する(
図5B参照)。第1出射面441は、裏側(発光素子300側)に凸の滑らかな曲面である。第1出射面441の形状は、球面の一部を切り取ったような凹形状である。第2出射面442は、第1出射面441の周囲に位置する、表側(光拡散部材120側)に凸の滑らかな曲面である。第2出射面442の形状は、円環状の凸形状である。第3出射面443は、第2出射面442の周囲に位置する曲面である。
図5Bに示される断面において、第3出射面443の断面は、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。
【0036】
裏面450は、裏側に位置し、第2入射面430の外縁部から径方向の外側に延在する面である。本実施の形態では、裏面450は、第2入射面430の外縁部から、中心軸CAに直交する方向に延在する平面である。
【0037】
鍔部460は、出射面440の外周部と裏面450の外周部との間に位置し、中心軸CAを中心とした径方向外側に突出している。鍔部460の形状は、略円環状である。鍔部460は、必須の構成要素ではないが、鍔部460を設けることで、光束制御部材400の取り扱いおよび位置合わせが容易になる。鍔部460の厚みは、特に限定されず、出射面440の必要面積や鍔部460の成形性などを考慮して決定される。
【0038】
複数の脚部470は、裏面450から突出している略円柱状の部材である。複数の脚部470は、発光素子300に対して適切な位置に光束制御部材400を支持する。
【0039】
図7は、実施の形態1に係る光束制御部材400の第2入射面430近傍における光路図である。前述したように、実施の形態1に係る光束制御部材400では、発光素子300から出射した光の大部分は、第1入射面420から入射する。そこで、
図7では、第1入射面420から入射しなかった光の光路を示している。
図7に示されるように、光束制御部材400では、発光素子300から出射した光の一部であり、溝432の内面434の外縁部に入射した光l1は、光束制御部材400の内部を通り、外側に隣接する溝432の内面434によって、出射面440に向けて進行方向が制御される。また、内面434の外縁部でない領域から入射した光l2,l3は、外側の溝432の影響を受けることなく、出射面440に向けて進行方向が制御される。中心軸CAを含む溝432の断面形状が弧であるため、入射光の角度に対する内面434の角度は、徐々に変化する。このように、本発明の光束制御部材400では、入射光の角度に対して内面423の傾斜角度がそれぞれ異なるため、内面432から入射した光は、進行方向がそれぞれ異なるように屈折角度が制御される。すなわち、光束制御部材400から出射された光が集中して、リング状の明部ができることがない。
【0040】
[光束制御部材の配光特性]
複数種の光束制御部材を用いて、面光源装置の光拡散部材上における明るさの分布についてシミュレーションを行った。実施の形態1に係る光束制御部材400を有する発光装置200が1つ固定された面光源装置100(以下「本実施の形態に係る面光源装置」という)を用いて、光拡散部材の外側表面から0.5mm離して配置された被照射面における照度を算出した。被照射面は、光拡散部材を透過した光によって照らされることを想定した仮想面であり、シミュレーションによって得られる照度分布は、光拡散部材上の輝度分布とほぼ同等である。また、比較のため、本実施の形態の光束制御部材400の代わりに
図8A〜Cに示す各光束制御部材をそれぞれ有する面光源装置(以下「比較例の面光源装置」という)についても、同様のシミュレーションを行った。
【0041】
図8は、比較例1〜3の光束制御部材の断面図である。
図8Aは、第2入射面を有さない光束制御部材の光路図であり、
図8Bは、第2入射面が傾斜面である光束制御部材の光路図であり、
図8Cは、
図8Aに示される光束制御部材の裏面に複数の溝を有する光束制御部材の光路図である。
図9は、面光源装置における発光素子が単一の場合のシミュレーションの結果である。
図9Aは、
図8Aに示す光束制御部材を用いた場合の結果であり、
図9Bは、
図8Bに示す光束制御部材を用いた場合の結果であり、
図9Cは、
図8Cに示す光束制御部材を用いた場合の結果である。
図9A〜Cの横軸(D)は光束制御部材の中心軸からの距離であり、縦軸(I)は照度を示している。
【0042】
図8Aに示されるように、比較例1の光束制御部材は、第2入射面を有していない。比較例1の光束制御部材は、第1入射面の開口縁部から径方向に裏面が形成されている点において、実施の形態1の光束制御部材400と異なる。比較例1の光束制御部材では、光軸LAに対して角度の大きい光が裏面から光束制御部材に入射すると、直上方向に屈折し、出射面から出射される。このため、
図9Aに示されるように、比較例1の光束制御部材では、被照射面に輝線が形成される。
【0043】
また、
図8Bに示されるように、比較例2の光束制御部材は、第2入射面が傾斜面である。比較例2の光束制御部材の第2入射面は、裏面に対する傾斜角度が一定である。比較例2の光束制御部材は、第2入射面が傾斜面である点において、実施の形態1の光束制御部材400と異なる。比較例2の光束制御部材では、光軸LAに対して角度の大きい光は、裏面に対する角度が一定の傾斜面から光束制御部材に入射する。この場合も、比較例1の光束制御部材と同様に、入射した光は、直上方向に屈折し、出射面から出射される。このため、
図9Bに示されるように、比較例2の光束制御部材でも、被照射面に輝線が形成される。
【0044】
さらに、
図8Cに示されるように、比較例3の光束制御部材は、比較例1の光束制御部材の裏面に複数の環状の溝を有している。中心軸CAを含む環状の溝の断面形状は、光束制御部材の外側に曲率中心がある円弧である。比較例3の光束制御部材は、裏面に環状の溝が形成されている点と、第1の溝および隣接する第2の溝の間に面を有する点とにおいて、実施の形態1の光束制御部材400と異なる。比較例3の光束制御部材では、溝の内面から入射した光は、光束制御部材の内部を通って隣接した溝の内面に反射して、直上方向に屈折し、出射面から出射される。または、第1の溝の内面から入射した光は、光束制御部材の内部を通って隣接した溝の内面から一度出射し、再度、第2の溝の内面から入射して、直上方向に屈折し、出射面から出射される。このため、
図9Cに示されるように、比較例3の光束制御部材では、比較例1および比較例2のように、被照射面に輝線が形成されることはないが、中心軸CAの直上領域の被照射面の照度が著しく上昇する。
【0045】
一方、
図10に示されるように、本実施の形態の光束制御部材400を有する面光源装置100では、比較例1〜3の面光源装置より、急激な照度の変化がなくなる。これは、前述したように、第2入射面430に対する入射角度が徐々に変化することによるものと考えられる。
【0046】
[効果]
以上のように、実施の形態1に係る光束制御部材400では、中心軸CAを含む断面における溝432の断面形状が弧状であるため、入射位置によって発光素子300からの光の偏向方向が変化する。このため、面光源装置100において、輪帯状の明部(明帯)が生じない。また、交線433が光軸LAからの距離が離れるにつれて発光素子300の発光面を含む仮想平面P1に近づくように、複数の溝432が配置されているため、溝432の内面434から入射した光がその外側に隣接する溝432に干渉されることが少ない。また、従来と比較して、基板140(発光素子300)と、光束制御部材400との間に大きなスペースが形成されるため、発光素子300由来の放熱を促進することができる。
【0047】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1に係る光束制御部材400の機能に加えて、第1入射面から入射し、出射面から出射せずに裏面に向かって反射(フレネル反射)した光を、裏面側で側方に反射させることもできる光束制御部材500について説明する。
【0048】
本発明の実施の形態2に係る面光源装置は、実施の形態1に係る光束制御部材400の代わりに実施の形態2に係る光束制御部材500を有する点において、実施の形態1の面光源装置100と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態2に係る光束制御部材500についてのみ説明する。なお、実施の形態2に係る光束制御部材500は、反射部580を有する点および裏面550が第1裏面551と第2裏面552を有する点において実施の形態1に係る光束制御部材400と異なる。そこで、実施の形態1に係る光束制御部材400と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
[光束制御部材の構成]
図11は、実施の形態2に係る光束制御部材500の構成を示す図である。
図11Aは、実施の形態2に係る光束制御部材の底面図であり、
図11Bは、
図11Aに示されるD−D線の断面図であり、
図11Cは、斜視図である。なお、
図11Cでは、裏面550に設けられた脚部470を省略している。
【0050】
図11に示されるように、光束制御部材500は、凹部410、第1入射面420、第2入射面430、出射面440、裏面550、鍔部460および複数の脚部470に加え、反射部580を有する。
【0051】
反射部580は、裏面550に配置されている。反射部580は、中心軸CAを取り囲むように円環状に配置されている。反射部580には、複数の凸条581が形成されている。複数の凸条581は、それぞれ後述する稜線584に垂直な断面が略三角形状であり、かつ中心軸CAに対して回転対称(凸条581の数をnとしたときn回対称)となるように形成されている。各凸条581は、平面状の第1反射面582と、平面状の第2反射面583と、第1反射面582と第2反射面583との交線である稜線584とを有しており、全反射プリズムのように機能する。
図11Cにおいて破線で示されるように、稜線584を含む仮想直線L3は、稜線584よりも表側(光拡散部材120側)の位置で中心軸CAと交わる。すなわち、各凸条581は、裏側(発光素子300側)よりも表側(光拡散部材102側)の方が中心軸CAに近づくように、中心軸CAに対し所定の角度(例えば45°)で傾いている。
【0052】
裏面550は、第1裏面551と、第2裏面552とを有する。第1裏面551は、第2入射面430の周縁部と反射部580の内側の開口縁部との間に延在する平面である。また、第2裏面552は、反射部580の外側の開口縁部から径方向に延在する平面である。第1裏面551と、第2裏面552とは、同一平面上に配置されている。
【0053】
反射部580の位置は特に限定されないが、出射面440でフレネル反射した光が多く到達する領域に複数の凸条581が形成されていることが好ましい。出射面440で反射した光の到達位置は、出射面440の形状など様々な要因により変化するが、
図11に示される本実施の形態に係る光束制御部材500では、第1入射面420から入射して出射面440でフレネル反射した光の大部分は、裏面550内でも円環状の所定の領域に到達する。なお、特に図示しないが、光束制御部材500(裏面の外径15.5mm)を用いて基板140上の裏面550に対向する領域における照度分布をシミュレーションしたところ、中心軸CAから5〜6mmの領域で最も高い照度値が得られることがわかっている。この領域は、第1入射面420から入射して出射面440でフレネル反射した光が集中して到達し易い位置であると推察される。したがって、この光束制御部材550では、少なくとも中心軸CAから5〜6mmの領域には、複数の凸条581を形成することが好ましい。
【0054】
(変形例)
本実施の形態の変形例に係る光束制御部材600では、第2入射面430および第1裏面551の位置が実施の形態2に係る光束制御部材500と異なる。そこで、実施の形態2に係る光束制御部材500と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
[光束制御部材の構成]
図12は、実施の形態2に係る光束制御部材600の変形例を示す図である。
図12Aは、実施の形態2に係る光束制御部材600の変形例の底面図であり、
図12Bは、
図12Aに示されるE−E線の断面図であり、
図12Cは、斜視図であり、
図12Dは、断面斜視図である。
【0056】
図12に示されるように、光束制御部材600は、凹部410、第1入射面420、第2入射面430、出射面440、裏面550、反射部580、鍔部460および複数の脚部470を有する。
【0057】
変形例に係る光束制御部材600の第2入射面430は、実施の形態1に係る光束制御部材500と比較して、上側(光拡散部材120側)に配置されている。このため、第1裏面551は、第2裏面552よりΔh上側に配置されている。なお、この場合の第2入射面430も、光軸LAに対して大きな角度で出射された発光素子300からの光を入射させることができるように形成されている。
【0058】
[効果]
実施の形態2に係る光束制御部材500,600は、実施の形態1に係る光束制御部材400の効果に加え、傾斜面に凸条581(全反射プリズム)を設けているため、出射角が大きい光線の出射面440でのフレネル反射光を側方方向へ反射させることができる。したがって、本実施の形態に係る光束制御部材500,600では、出射面440で反射した光が側方方向へ向かう光となるため、出射面440で反射した光が基板140で反射されたり、基板140に吸収されたりする光の損失を抑制することができる。