【実施例】
【0032】
以下に実施例により本発明の実施態様を例示するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
以下の実施例において、以下の化合物を使用した。
ビフェニル(BP、東京化成工業社製 純度99.5%品)
ジフェニレンオキサイド(DPNO、東京化成工業社製 純度97%品)
ナフタレン(NA、東京化成工業社製 純度98%品)
アントラセン(AN、東京化成工業社製 純度97%品)
o‐トリフェニル(o−TER、東京化成工業社製 純度99%品)
m‐トリフェニル(m−TER、東京化成工業社製 純度98%品)
p‐トリフェニル(p‐TER)東京化成工業社製 純度99%品)
フェナントレン(PH、アルドリッチ社製 純度98%品)
ジフェニルエーテル(DPO、東京化成工業社製 純度99%品)
o‐ヒドロキシビフェニル(OPP、和光純薬社製 純度99%品)
1,1−ジフェニルエタン(DPE、JX日鉱日石エネルギー社製)
ベンジルトルエン異性体混合物(BT、試作品:o−体4質量%、m−体59質量%、p−体37質量%)
ジベンジルトルエン(DBT、総研テクニクス社製 NeoSK-OIL 1400)
フェニルキシリルエタン(PXE、JX日鉱日石エネルギー社製)
3−エチルビフェニル(EBP、東京化成工業社製 純度98%品)
【0034】
(実施例1)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレン、アントラセン、o‐トリフェニル、m‐トリフェニル、p−トリフェニルを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物1を調製した。内径14mm、幅65mm、高さ158mmのU字配管に熱媒体組成物を20g詰め、U字配管内に窒素を封入して圧力を2MPaに調整した後、430℃で96時間熱安定性試験を行った。試験前の熱媒体組成物の25℃、30℃、35℃での外観を目視で判別し(○:液状、×:固形分あり)、試験後の熱媒体組成物についてガスクロマトグラフィー質量分析を行い、分解率(%)、分解フェノール量(%)および圧力上昇を求めた。結果を表1に示す。
【0035】
(実施例2)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレン、フェナントレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物2を調製した。調製した熱媒体組成物2を用いた以外、実施例1と同様に試験を行なった。結果を同じく表1に示す。
【0036】
(実施例3)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物3を調製した。調製した熱媒体組成物3を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。
【0037】
(実施例4)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレン、フェナントレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物4を調製した。調整した熱媒体組成物4を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。
【0038】
(実施例5)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレン、フェナントレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物5を調製した。調製した熱媒体組成物5を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。
【0039】
(実施例6)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレン、フェナントレン、ジフェニルエーテルを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物6を調製した。調整した熱媒体組成物6を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。ジフェニルエーテルを5質量%含む熱媒体組成物6は、わずかに分解フェノールが生成するものの(0.02%)、十分な熱安定性を示す。
【0040】
(実施例7)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、アントラセン、o‐トリフェニル、m‐トリフェニル、フェナントレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物7を調製した。調製した熱媒体組成物7を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。
【0041】
(比較例1)
米国特許第1882809号公報に開示される処方、すなわち、ビフェニル、ジフェニルエーテルを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。分解率が6.4%となり、実施例のどれよりも熱安定性が低く、分解フェノールも0.34質量%生成した。
【0042】
(比較例2)
特開平1−261490号公報に開示される処方、すなわち、ビフェニル、o‐トリフェニル、m‐トリフェニル、ジフェニルエーテルを下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。分解率が5.3%となり、実施例のどれよりも熱安定性が低く、分解フェノールも0.27質量%生成した。
【0043】
(比較例3)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。ビフェニルの割合が50質量%より多い比較例3の熱媒体組成物は、30℃で液状ではないことが確認された。
【0044】
(比較例4)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。ジフェニレンオキサイドの割合が40質量%より多い比較例4の熱媒体組成物は、30℃で液状ではないことが確認された。
【0045】
(比較例5)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ナフタレン、フェナントレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。芳香族化合物(C)、すなわちナフタレンおよびフェナントレンの合計量が75質量%より多い比較例5の熱媒体組成物は、30℃で液状ではないことが確認された。
【0046】
(比較例6)
ビフェニル、フェナントレン、o―ヒドロキシビフェニルを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。熱分解試験後の圧力上昇が実施例のどれよりも高いことがわかった。
【0047】
(比較例7)
1,1−ジフェニルエタンを用いて、400℃の試験温度で実施した以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。熱分解試験後の圧力上昇が実施例のどれよりも高いことがわかった。
【0048】
(比較例8)
特開平1−200510号の参考製造例の追試において得られたベンジルトルエン異性体混合物を用いて、400℃の試験温度で実施した以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。熱分解試験後の圧力上昇が実施例のどれよりも高いことがわかった。
【0049】
(比較例9)
ジベンジルトルエンを用いて、400℃の試験温度で実施した以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。熱分解試験後の圧力上昇が実施例のどれよりも高いことがわかった。
【0050】
(比較例10)
フェニルキシリルエタンを用いて、380℃の試験温度で実施した以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。熱分解試験後の圧力上昇が実施例のどれよりも高いことがわかった。
【0051】
(比較例11)
3−エチルビフェニルを用いて、400℃の試験温度で実施した以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。熱分解試験後の圧力上昇が実施例のどれよりも高いことがわかった。
【0052】
(比較例12)
米国特許第1882809号公報に開示される処方、すなわち、ビフェニル、ジフェニルエーテルを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。分解率が7.0%となり、実施例のどれよりも熱安定性が低く、分解フェノールも0.37質量%生成した。
【0053】
(比較例13)
特開平05−009465号公報に開示される処方、すなわち、ビフェニル、ジフェニレンオキサイド、ジフェニルエーテルを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。分解率が6.8%となり、実施例のどれよりも熱安定性が低く、分解フェノールも0.33質量%生成した。
【0054】
(比較例14)
特開平1−261490号公報に開示される処方、すなわち、ビフェニル、o‐トリフェニル、m‐トリフェニル、ジフェニルエーテルを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。分解率が3.9%となり、実施例のどれよりも熱安定性が低く、分解フェノールも0.20質量%生成した。
【0055】
(比較例15)
ビフェニル、ジフェニレンオキサイドを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。比較例15の熱媒体組成物は、30℃で液状ではないことが確認された。
【0056】
(比較例16)
ジフェニレンオキサイド、ナフタレン、フェナントレンを、下記表1の割合(質量%)となるように配合して熱媒体組成物を調製した。調整した熱媒体組成物を用いた以外、実施例1と同様に実施した。結果を同じく表1に示す。比較例16の熱媒体組成物は、30℃で液状ではないことが確認された。
【0057】
【表1】