特許第5957480号(P5957480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5957480ゲーム用記録媒体、ゲームシステム、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957480
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】ゲーム用記録媒体、ゲームシステム、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/95 20140101AFI20160714BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20160714BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20160714BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20160714BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20160714BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20160714BHJP
【FI】
   A63F13/95 A
   A63F13/825
   A63F13/20 A
   A63F13/45
   A63F13/69 510
   A63F13/58
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-50822(P2014-50822)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-173750(P2015-173750A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2015年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−46746(JP,A)
【文献】 特開2007−244847(JP,A)
【文献】 特開2008−194398(JP,A)
【文献】 特開2013−198520(JP,A)
【文献】 特開2006−247166(JP,A)
【文献】 特開2000−334173(JP,A)
【文献】 特開2004−329356(JP,A)
【文献】 オレカバトル 第4章 チビムウス 魔王のトリタマゴ 入手方法 作成方法 作り方 出現方法,モンスター烈伝 オレカバトルのブログ オレカゲットだぜ〜!,2013年 9月 8日,URL,http://shihousyoshiham.seesaa.net/article/374284927.html
【文献】 オレカバトル 第4章 チヴィエール 魔王のヒメタマゴ 入手方法 作成方法 作り方 出現方法,モンスター烈伝 オレカバトルのブログ オレカゲットだぜ〜!,2013年 9月14日,URL,http://shihousyoshiham.seesaa.net/article/374807452.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムによって前記ゲーム要素を前記ゲーム内に実現するために使用されるゲーム用記録媒体であって、
前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を前記ゲームシステムが特定するための媒体情報が記録され、
前記示唆情報は、前記媒体情報を介して前記ゲームシステムによって特定されるとともに、更に視認可能に表示され
前記変化情報は、前記ゲームシステムが前記ゲーム要素の変化対象を決定するために実行する抽選に関連することにより各候補への変化を方向付けるように構成されている一方で、視認されない、ことを特徴とするゲーム用記録媒体。
【請求項2】
前記媒体情報は、前記ゲーム要素を定義する定義情報を含み、
前記定義情報は、前記示唆情報を含み、当該示唆情報としても機能する、請求項に記載のゲーム用記録媒体。
【請求項3】
前記定義情報は、前記ゲーム要素を示す要素画像の情報を含み、
前記要素画像は、前記複数の候補に応じて複数種類に分類されることにより前記示唆情報として機能するように視認可能に表示されている、請求項に記載のゲーム用記録媒体。
【請求項4】
前記定義情報は、前記変化情報を更に含み、当該変化情報としても機能する、請求項又はに記載のゲーム用記録媒体。
【請求項5】
前記定義情報を含むように所定の規格に準拠して生成されたコードが表示され、
前記媒体情報は、前記コードを介して前記定義情報を含み、
前記変化情報は、前記コードを介して視認されないように記録されている、請求項に記載のゲーム用記録媒体。
【請求項6】
前記複数の候補は、複数の分類に分類され、
前記示唆情報として、前記複数の分類のいずれかを示す情報が利用されている、請求項1〜のいずれか一項に記載のゲーム用記録媒体。
【請求項7】
前記ゲーム要素として、前記ゲームの進行に使用されるプレイ媒体が利用されている、請求項1〜のいずれか一項に記載のゲーム用記録媒体。
【請求項8】
前記変化として、前記プレイ媒体の進化が採用され、
前記プレイ媒体は、前記変化条件を満たした場合に、前記進行に与える影響が変化前よりも大きくなるように、前記複数の候補のいずれかに進化する、請求項に記載のゲーム用記録媒体。
【請求項9】
変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を提供する媒体情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手段と、
を備え、
前記示唆情報は、前記媒体情報を介して前記ゲームシステムによって特定されるとともに、更に視認可能に表示され
前記変化情報は、前記ゲームシステムが前記ゲーム要素の変化対象を決定するために実行する抽選に関連することにより各候補への変化を方向付けるように構成されている一方で、視認されない、ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
前記ゲーム用記録媒体の前記媒体情報を介して前記変化情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記変化情報に基づいて、前記変化条件を満たしている場合に、前記ゲーム要素を前記複数の候補のいずれかに変化させる要素変化手段と、
前記変化情報に基づいて前記抽選を実行する抽選実行手段と、
を更に備え、
前記情報提供手段は、前記要素変化手段の変化結果に基づいて、前記ゲーム要素が変化した後の変化後ゲーム要素を実現する変化後媒体情報を記録する変化後ゲーム用記録媒体が生成されるように、前記変化後媒体情報を更に提供する、請求項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記要素変化手段は、所定の条件を満たした場合には、前記変化情報の内容を更に変化させる、請求項10に記載のゲームシステム。
【請求項12】
変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を提供する媒体情報を生成する情報生成手順と、
前記情報生成手順の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手順と、
を実行させ、
前記示唆情報は、前記媒体情報を介して前記ゲームシステムによって特定されるとともに、更に視認可能に表示され
前記変化情報は、前記ゲームシステムが前記ゲーム要素の変化対象を決定するために実行する抽選に関連することにより各候補への変化を方向付けるように構成されている一方で、視認されない、制御方法。
【請求項13】
変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を提供する媒体情報を生成する情報生成手段、及び前記情報生成手段の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手段として機能させるように構成され、
前記示唆情報は、前記媒体情報を介して前記ゲームシステムによって特定されるとともに、更に視認可能に表示され
前記変化情報は、前記ゲームシステムが前記ゲーム要素の変化対象を決定するために実行する抽選に関連することにより各候補への変化を方向付けるように構成されている一方で、視認されない、ゲームシステム用のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム要素をゲーム内に実現するために使用されるゲーム用記録媒体等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム要素の一例として、ゲーム内で使用されるプレイ媒体をゲーム内に再現するゲーム用記録媒体が存在する。また、このようなプレイ媒体として、ゲーム内に登場するキャラクタが使用される場合もある。さらに、このようなキャラクタを再現するゲーム用記録媒体の一例として、キャラクタカードが使用される場合もある。そして、このようなキャラクタカードを利用してゲーム内にキャラクタを再現し、そのキャラクタを利用してゲームを提供するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、キャラクタカードの通りにゲーム内にキャラクタが再現される。この場合、キャラクタカードは、予想通りの影響をゲームに与えるに過ぎない。したがって、ユーザの期待以上の影響を与えることはできない。一方、ゲーム結果に応じて変化する内容をカードとして生成するゲーム装置も存在する。さらに、このようなゲーム装置において、カードの生成時に生成されるカードの内容を一時的に隠す演出がされる場合もある。これにより、このようなゲーム装置では、カードの生成時にユーザの期待感が煽られる。そして、このような演出により、ゲームの興趣性の向上が図られている。しかし、この場合、ユーザの期待感はカード生成時の一時的なものでしかなく、持続性がない。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの期待感を持続させることができるゲーム用記録媒体等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム用記録媒体は、変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムによって前記ゲーム要素を前記ゲーム内に実現するために使用されるゲーム用記録媒体であって、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を提供する媒体情報が記録されている、ものである。
【0007】
本発明のゲームシステムは、変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムであって、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を提供する媒体情報を生成する情報生成手段と、前記情報生成手段の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手段と、を備えている。
【0008】
本発明の制御方法は、変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を提供する媒体情報を生成する情報生成手順と、前記情報生成手順の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手順と、を実行させるものである。
【0009】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報を提供する媒体情報を生成する情報生成手段、及び前記情報生成手段の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手段として機能させるように構成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムとして機能するゲーム機の外観を概略的に示す図。
図2】ゲーム機の制御系の要部の構成を示す図。
図3】ゲーム機が生成するゲーム用カードの一例を説明するための説明図。
図4】開示型キャラクタカードの内容の一例を模式的に示す図。
図5】未開示型キャラクタカードの内容の一例を模式的に示す図。
図6】開示型キャラクタカードの分類の一例を説明するための説明図。
図7図6の例の分類が適用された場合の未開示型キャラクタカードの変化を説明するための説明図。
図8】再現処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
図9】未開示型初回発行処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
図10】カード発行処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
図11】卵画像の変化の他の例を説明するための説明図。
図12】示唆情報の他の例を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムとして機能するゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムとして機能するゲーム機の外観を概略的に示す図である。図1のゲーム機GMは、所定の対価の消費と引き換えに、その対価に応じた範囲でユーザにゲームをプレイさせる業務用(商業用)のゲーム機として構成されている。一例として、ゲーム機GMは、所定の対価の消費と引き換えにカードゲームを提供する。
【0012】
図1に示すように、ゲーム機GMは、筐体6を備えている。筐体6の上部には、コントロールパネルCPと、モニタMOと、スピーカSPとが設けられている。モニタMOは、コントロールパネルCPの上方に配置されている。また、スピーカSPは、モニタMOの更に上方に配置されている。なお、ゲーム機GMには、コントロールパネルCPの他にも、ボリューム操作スイッチ、電源スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0013】
コントロールパネルCPには、方向を選択可能な方向選択操作部CP1と、決定等に利用可能なボタンCP2と、コードリーダ7と、コイン投入口SOとが設けられている。コードリーダ7は、二次元コードの読み取り及び読み取り結果に応じた信号の出力が可能に構成されている。コードリーダ7には、各種のゲーム用カード8が挿入される。ゲーム用カード8には、二次元コードが印刷されている。コードリーダ7は、この二次元コードを読み取る。また、筐体6の前面には、カード排出口EO1と、コイン排出口EO2とが設けられている。カード排出口EO1は、筐体6の内部で生成されたゲーム用カード8の排出に利用される。なお、コントロールパネルCPには、その他にも操作の決定等に利用可能なボタン等の各種操作部が設けられていているが、それらの図示を省略している。
【0014】
次に、カードゲームを実現するためのゲーム機GMの制御系の要部について説明する。図2は、ゲーム機GMの制御系の要部の構成を示す図である。図2に示すように、ゲーム機GMには、コンピュータとしての制御ユニット10と、記憶ユニット11と、上述のコードリーダ7と、プリンタ12と、が設けられている。記憶ユニット11、コードリーダ7及びプリンタ12は、いずれも制御ユニット10に接続されている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。なお、制御ユニット10には、上述のコントロールパネルCP、モニタMO、スピーカSPに加え、その他にも公知のゲーム機と同様に、コイン認証装置或いはカード読み取り装置等の各種の入力装置或いは出力装置が接続され得るが、それらの図示は省略した。
【0015】
コードリーダ7は、二次元コードを読み取るための周知の装置である。コードリーダ7は、例えば、ゲーム用カード8の二次元コードを読み取って、その読み取り結果に応じた信号を制御ユニット10に出力する。プリンタ12は、画像や記号(二次元コード含む)、文字等を所定の記録媒体に印刷するための周知の印刷装置である。プリンタ12は、制御ユニット10からの出力信号に基づいてカード状の紙媒体(被記録媒体)に、画像や記号、文字等を印刷することにより、ゲーム用カード8を生成する。
【0016】
記憶ユニット11は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気記録媒体や光記録媒体、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶ユニット11には、ゲームプログラム14及びゲームデータ15が記憶されている。ゲームプログラム14は、ゲーム機GMがカードゲームを提供するために必要なコンピュータプログラムである。ゲームプログラム14の実行に伴って、制御ユニット10の内部には、ゲーム提供部16が設けられる。ゲーム提供部16は、カードゲームを提供するために必要な各種処理を実行する。ゲーム提供部16は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0017】
ゲームデータ15は、ゲームプログラム14の実行に伴って参照され得るデータである。ゲームデータ15は、例えば、画像データ、イメージデータを含んでいる。また、画像データは、ゲーム(ゲーム用カード8の生成を含む)に必要な各種画像を表示するためのデータである。画像データは、フォーマットデータを更に含んでいる。フォーマットデータは、後述のキャラクタカード、イベントカード及び鍵カード等のゲーム用カード8の固定的部分(一例として、後述の基本フォーマット)を定義するためのデータである。イメージデータは、後述の合成画像を表現するためのデータである。合成画像は、キャラクタカード、イベントカード及び鍵カード等のゲーム用カード8の印刷に使用される画像である。なお、ゲームデータ15は、例えば、その他にも楽曲等、各種の音声を再生するための効果音データ、過去の実績をゲームに反映するためのプレイデータ及びユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データ等を含んでいてよい。
【0018】
次に、ゲーム機GMによって生成されるゲーム用カード8について説明する。図3は、ゲーム機GMが生成するゲーム用カード8の一例を説明するための説明図である。図3に示すように、ゲーム機GMが生成するゲーム用カード8は、鍵カードSC、キャラクタカードKC、及びイベントカードECを含んでいる。そして、これらのカードは、互いに種類が異なっている。また、これらのカードは、物理的にも互いに相違している。
【0019】
キャラクタカードKCは、ゲーム機GMが提供するカードゲーム内で使用されるキャラクタに対応するカードである。キャラクタカードKCには、媒体情報としてのキャラクタ情報が記録されている。キャラクタ情報は、キャラクタに関連する情報である。具体的には、キャラクタ情報は、例えば、定義情報としてのパラメータの情報、及びユーザIDの情報等を含んでいる。
【0020】
パラメータは、カードゲーム内で使用されるキャラクタを定義する情報である。一例として、キャラクタカードKCは、パラメータの情報を介して、カードゲームで使用されるキャラクタを定義するカードとして機能する。そして、キャラクタカードKCは、このようなパラメータの情報を含むキャラクタ情報を介して、各キャラクタの記録及び再現に使用される。一方、ユーザIDは、各ユーザを識別するための情報である。ユーザIDは、各キャラクタと各ユーザとを対応付けるために使用される。
【0021】
また、キャラクタカードKCは、開示型キャラクタカードKCa及びゲーム用記録媒体としての未開示型キャラクタカードKCbを含んでいる。開示型キャラクタカードKCaは、キャラクタカードKCによってゲーム内に再現されるキャラクタが開示されているタイプのカードである。一方、未開示型キャラクタカードKCbは、キャラクタカードKCによってゲーム内に再現されるキャラクタが開示されていないタイプのカードである。未開示型キャラクタカードKCbによって再現されるキャラクタは、カードゲームの進行に従って開示される。また、未開示型キャラクタカードKCbは、第1未開示型キャラクタカードKCb1、第2未開示型キャラクタカードKCb2、及び第3未開示型キャラクタカードKCb3を含んでいる。開示型キャラクタカードKCa及び未開示型キャラクタカードKCbの詳細は、更に後述する。
【0022】
イベントカードECは、ゲームの進行に利用されるイベントを再現するためのカードである。イベントカードECには、イベントの再現に使用されるイベント情報が記録されている。イベント情報は、例えば、イベントを定義するための各種のイベント定義用情報及びユーザIDの情報を含んでいる。イベントの一例として、イベント定義用情報によって、特別な敵キャラクタ(いわゆるボスキャラクタ)と対戦するイベントが定義されてもよい。この場合、イベントカードECによって、カードゲーム内に特別な敵キャラクタとの対戦が追加される。
【0023】
一方、鍵カードSCは、主として各ユーザを特定するために使用される。キャラクタカードKC及びイベントカードECがゲームをプレイする(進行させる)ために直接的に使用されるのに対し、鍵カードSCはプレイの補助のために使用される。鍵カードSCには、各ユーザを識別するために使用される識別用情報が記録されている。識別用情報は、例えば、ユーザIDの情報及び各ユーザの個別情報(例えば、名前、性別、生年月日、年齢等)の内容に応じて変化する装飾情報を含んでいる。そして、鍵カードSCは、プレイの補助の一例として、ユーザIDに基づいて各ユーザに対応するプレイデータの内容をゲームに反映するために使用される。
【0024】
次に、ゲーム用カード8の一例として、キャラクタカードKCの詳細を説明する。より具体的には、図4及び図5を参照して、ゲーム用カード8の一例として、開示型キャラクタカードKCa及び未開示型キャラクタカードKCbの詳細を説明する。図4は、開示型キャラクタカードKCaの内容の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、開示型キャラクタカードKCaには、合成画像CIaが印刷される。また、合成画像CIaは、基礎情報領域BA、画像領域IA、及び特徴情報領域FAを含んでいる。これらの領域BA、IA、FAには、カードゲーム内のキャラクタを定義するパラメータとして機能する各項目の情報が表示される。
【0025】
具体的には、基礎情報領域BAには、キャラクタの名称の項目(“キク”)やカードを所有するユーザの名前の項目(“ショウジ”)、或いは攻撃力等(“HP”、“AT”、“SP”)のキャラクタの基礎項目の情報等が表示される。また、特徴情報領域FAには、キャラクタがゲーム内で実行可能なオプション項目(“コウゲキ”等)、キャラクタのレベル項目(“Lv4”)といったキャラクタを特徴付ける項目の情報が表示されている。
【0026】
一方、画像領域IAには、キャラクタの画像項目として、キャラクタ画像MGが表示される。キャラクタ画像MGは、キャラクタカードKCによってゲーム中に再現されるキャラクタの画像に対応している。ゲーム内には、プレイ媒体のキャラクタとしてキャラクタ画像MG若しくは合成画像CIa(後述の二次元コードCGの表示は含まれていなくてもよい)自体が表示される。
【0027】
また、上述のように、開示型キャラクタカードKCaの画像領域IAには、キャラクタ画像MGが表示されている。したがって、開示型キャラクタカードKCaの場合、画像領域IAのキャラクタ画像MGを通じて、使用に伴ってゲーム内に再現されるキャラクタが開示されている。そして、キャラクタ画像MGを通じて、ユーザにもそのキャラクタが認識される。
【0028】
合成画像CIaは、更にコード情報領域CAを含んでいる。コード情報領域CAには、コードとしての二次元コードCGが表示される。二次元コードCGは、キャラクタ情報(キャラクタ画像MGの情報としては、例えば、このキャラクタ画像MGを特定するための情報)を含むように所定の規格に準拠して生成されるコードである。つまり、開示型キャラクタカードKCaは、二次元コードCGを介してキャラクタ情報を記録している。そして、この二次元コードCGを通じて、キャラクタカードKCは、ゲーム機GMに、パラメータの各項目の情報を含むキャラクタ情報を提供する。また、後述するように、ゲーム結果に応じて、キャラクタを定義するためのパラメータの内容は変化する。そして、その変化した後の変化後のパラメータの内容に基づいてキャラクタカードKCは生成される。このため、これらの領域BA、CA、IA、FAは、可変領域として構成されている。つまり、これらの領域BA、CA、IA、FAに表示されるべき情報(或いは画像)は、ゲーム結果に応じて変化する。
【0029】
一方、これらの領域BA、CA、IA、FAの位置や範囲は変化しない。これらの領域BA、CA、IA、FAは、基本フォーマットにより固定的に定義される。より具体的には、これらの領域BA、CA、IA、FAを互いに区切る境界線は、固定的部分として基本フォーマットにより定義される。そして、合成画像CIaは、パラメータの情報が各領域BA、CA、IA、FAの可変領域に配置されるように、パラメータの情報と基本フォーマットの画像とが合成されることにより構成されている。
【0030】
なお、二次元コードCGは、合成画像CIaに表示されないパラメータの項目の情報を含んでいてもよい。つまり、例えば、キャラクタを定義するパラメータの一部の項目は合成画像CIaに表示されていなくてもよい。したがって、例えば、二次元コードCGは、合成画像CIaに表示されるパラメータの各項目の情報以外の情報を含んでいてもよい。同様に、例えば、合成画像CIaが二次元コードCGに含まれないパラメータの項目の情報を含んでいてもよい。この場合、例えば、二次元コードCGに含まれないパラメータの項目は、ゲームで使用されなくてもよい。したがって、例えば、パラメータは、ゲームで使用されない項目或いは情報を含んでいてもよい。
【0031】
一方、図5は、未開示型キャラクタカードKCbの内容の一例を模式的に示す図である。図5に示すように、未開示型キャラクタカードKCbでは、画像領域IAに卵画像EGが表示される。つまり、未開示型キャラクタカードKCbの合成画像CIbは、画像領域IAにキャラクタ画像MGの代わりに卵画像EGを含んでいる。そして、画像領域IAに卵画像EGが表示される構成が、未開示型キャラクタカードKCbと開示型キャラクタカードKCaとの間の主な相違である。したがって、開示型キャラクタカードKCaと共通する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
卵画像EGは、画像領域IAに本来表示されるべきキャラクタ画像MGを隠すための画像である。より具体的には、未開示型キャラクタカードKCbでは、キャラクタカードKCによって再現されるキャラクタが卵画像EGによって秘匿される。つまり、未開示型キャラクタカードKCbは、再現するキャラクタをユーザに隠すように構成されている。したがって、未開示型キャラクタカードKCbの場合、ユーザは画像領域IAの画像を見ても再現されるキャラクタを認識することができない。そして、未開示型キャラクタカードKCbが使用された場合には、キャラクタに対応する画像の代わりに、この卵画像EGに対応する画像がプレイ媒体としてゲーム内で使用される。つまり、未開示型キャラクタカードKCbが使用された場合、卵画像EGに対応する仮のキャラクタがプレイ媒体としてゲーム内に再現される。また、このような仮のキャラクタとして、例えば、卵画像EG(動画化された画像を含む)或いは合成画像CIbが使用されてよい。このため、この場合、卵画像EGが本発明のゲーム要素及び要素画像として機能する。
【0033】
また、卵画像EGの一例として、複数種類の画像が使用される。したがって、未開示型キャラクタカードKCbは、画像領域IAに表示される卵画像EGの種類に応じて複数の種類に分類される。具体的には、未開示型キャラクタカードKCbは、例えば、卵画像EGの種類に応じて、第1未開示型キャラクタカードKCb1〜第3未開示型キャラクタカードKCb3に分類される。一例として、卵画像EGは、赤、青、黄色といった配色によって複数の種類に分類される。この場合、卵画像EGの配色によってユーザには未開示型キャラクタカードKCbの種類が開示される。
【0034】
卵画像EGの種類は、秘匿するキャラクタに応じて決定される。より具体的には、まずカードゲーム内の秘匿対象のキャラクタはいくつかの分類に分類さている。また、卵画像EGの種類は、秘匿するキャラクタが属する分類に応じて決定される。そして、各卵画像EGによる秘匿は、変化条件を満たした場合に、解除される。つまり、あたかも各卵画像EGが各キャラクタに変化するように、秘匿するキャラクタが開示される。結果として、卵画像EGの配色は、未開示型キャラクタカードKCbに対応するキャラクタの候補を示す情報として機能する。各卵画像EGの種類と各キャラクタの各分類との間の関係は更に後述する。また、卵画像EGの配色が変化候補のキャラクタが属する分類を示すことにより、卵画像EGが本発明の示唆情報として更に機能する。
【0035】
なお、図5の例において、卵画像EG以外のパラメータにも卵画像EGに対応する仮のキャラクタの情報が使用されてよい。つまり、キャラクタの名称(例えば、“邪心のタマゴ”)やHP(“100”)等の情報として、秘匿されるキャラクタの名称等の情報ではなく、卵画像EGに対応する仮のキャラクタの名称等の情報が使用されてよい。また、このようなパラメータの情報は、卵画像EGの種類に依存し、秘匿されるキャラクタとは無関係に決定されてもよい。つまり、秘匿されるキャラクタがどのようなキャラクタであっても同じ種類の卵画像EGが使用される場合には、同じ名称やHP等が使用されてよい。また、このようなキャラクタの名称の項目等、他の情報もゲーム結果に応じて変化してよい。そして、これらの情報も卵画像EGがキャラクタ画像MGに変化する際に、つまりキャラクタの秘匿が解除される際に、秘匿されるキャラクタの名称等の情報に変化してよい。このような場合、キャラクタの名称の項目等も示唆情報として機能してもよい。或いは、卵画像EG以外のキャラクタの名称やHP等の情報には秘匿されるキャラクタの情報が使用されてもよい。この場合、これらの情報は、例えば、“?”マーク等により隠されていてもよい。また、変化条件として、各種の条件が採用されてもよい。例えば、変化条件として、プレイ回数が所定回数を越した場合に満たされる条件、又はゲーム内において所定のボスを攻略した場合に満たされる条件、或いは所定の得点を獲得した場合に満たされる条件等、所定のゲーム条件が採用されてもよい。
【0036】
同様に、未開示型キャラクタカードKCbの二次元コードCGは、画像領域IAに表示されるべき卵画像EGの種類を示す卵種類情報を含んでいる。この場合の二次元コードCGは、更に変化情報を含んでいる。変化情報は、卵画像EGのキャラクタへの変化の方向付けに使用される情報である。より具体的には、変化情報は、卵画像EGが各分類のいずれのキャラクタに変化すべきか方向づけるために使用される。また、変化情報は、二次元コードCGにのみ含まれ、未開示型キャラクタカードKCb上には表示されていない。つまり、ユーザは、変化情報を視認できない。したがって、変化情報は、ユーザに認識されない情報である。
【0037】
次に、ゲーム機GMが提供するカードゲームについて説明する。ゲーム機GMは、鍵カードSCを通じてユーザIDを取得した後に、カードゲームを提供する。つまり、ゲーム機GMは、プレイ中のユーザを特定しつつカードゲームを提供する。なお、初回等、ユーザIDを有していない場合には、ゲーム機GMは新しいユーザIDをユーザに提供してもよい。また、ユーザIDが提供されていない場合には、カードゲームの一部機能(例えば、ゲーム後のキャラクタカードKCの生成等)が制限されてもよい。
【0038】
カードゲームは、ユーザが用意したキャラクタカードKCによって定義されるキャラクタをゲーム中に再現して、それをプレイ媒体として使用するタイプのゲームである。ゲーム内では、キャラクタカードKCによって再現されたキャラクタを通じてバトルが実行される。バトルには、ゲーム内に用意された敵キャラクタとの対戦及び他のユーザのキャラクタとの対戦が含まれる。
【0039】
バトルは、複数のキャラクタによって実行される場合もある。このような場合、複数のキャラクタカードKCがキャラクタの再現に使用されてよい。さらに、それらのバトルを通じてキャラクタが成長する。より具体的には、ゲームの進行への影響が成長前よりも大きくなるように進化することにより、キャラクタが成長する。つまり、キャラクタカードKCによって再現されたキャラクタの育成もゲームの一部として提供される。そして、ゲームのプレイを通じて成長したキャラクタが更にキャラクタカードKCとして生成される。したがって、キャラクタカードKCを通じて継続的にゲーム中のキャラクタが育成される。また、キャラクタカードKCは、ゲーム結果に基づいて生成されるので、ユニーク性が高い。
【0040】
また、キャラクタカードKCは、上述のように開示型キャラクタカードKCa及び未開示型キャラクタカードKCbを含んでいる。キャラクタカードKCとして、開示型キャラクタカードKCaが使用された場合には、キャラクタ画像MGに対応するキャラクタの画像がゲーム内に再現される。そして、そのキャラクタはゲーム結果に応じて変化し、プレイ後には変化後のキャラクタに対応するキャラクタ画像MG等が印刷された開示型キャラクタカードKCaが生成される。
【0041】
一方、未開示型キャラクタカードKCbは、一例として、所定の発行条件を満たした場合に生成される。所定の発行条件は、例えば、プレイ回数が所定回数(例えば、ユーザIDに基づいて判断される)を超える毎に、或いはカードゲーム内で所定のゲーム状況を獲得した場合(例えば、特定のボスキャラクタを倒した場合等)に、満たされる。なお、所定の発行条件として、各種の条件が採用されてよい。例えば、未開示型キャラクタカードKCbを発行するための専用のゲームがカードゲームとは別に用意され、そのプレイ結果に応じて未開示型キャラクタカードKCbが発行されてもよい。つまり、所定の発行条件の他の例として、専用のゲームのプレイ結果に応じて満たされる条件が使用されてよい。また、このような専用ゲームとして、抽選ゲーム(例えば、いわゆるガチャゲーム)が採用されてもよい。
【0042】
未開示型キャラクタカードKCbは、上述のようにキャラクタ画像MGが隠されたカードである。より具体的には、未開示型キャラクタカードKCbは、変化条件が満たされるまでキャラクタ画像MGが秘匿されるカードである。このため、未開示型キャラクタカードKCbが使用された場合には、変化条件が満たされるまでは、上述のようにカードゲームでは卵画像EG(或いは合成画像CIbでもよい)がプレイ媒体として使用される。つまり、未開示型キャラクタカードKCbに対応するキャラクタを示す画像の代わりに、卵画像EGが使用される。また、変化条件を満たすまでは、HP等のキャラクタの基礎項目の情報は変化するが、卵画像EGは変化しない。したがって、未開示型キャラクタカードKCbが使用された場合、変化条件を満たすまでは、プレイ後も未開示型キャラクタカードKCbが生成される。
【0043】
一方、変化条件を満たした場合には、未開示型キャラクタカードKCbのキャラクタ画像MGの秘匿が解除され、そのキャラクタ画像MGが開示される。より具体的には、卵画像EGは、変化条件を満たした場合に複数のキャラクタ候補のいずれかに変化(成長)する。そして、プレイ後には、そのキャラクタ候補のいずれかに対応するキャラクタ画像MGが卵画像EGに代わって画像領域IAに印刷された開示型キャラクタカードKCaが生成される。
【0044】
図6及び図7を参照して、未開示型キャラクタカードKCbの変化について更に説明する。まずカードゲーム内の秘匿対象の各キャラクタは、複数の分類に分類される。結果として、それらのキャラクタに対応する開示型キャラクタカードKCaも複数の分類に分類される。図6は、開示型キャラクタカードKCaの分類の一例を説明するための説明図である。図6に示すように、開示型キャラクタカードKCaは、一例として、A分類、B分類、及びC分類に分類される。各分類には、複数のキャラクタが分類される。また、同じキャラクタが複数の分類に重複して属していてもよい。図6の例では、A分類及びB分類に特定のキャラクタが重複して属している。B分類及びC分類についても同様である。なお、同じキャラクタが各分類に重複して属する形態に限定されない。各キャラクタは、各分類にユニークに分類されてもよい。
【0045】
また、各キャラクタの分類の一例として、希少性(レアリティ)が使用されてよい。希少性は、一例として、カードゲーム内での出現率を基準に決定される。具体的には、出現率が高いほど希少性が低い。そして、カードゲームの各キャラクタ及びそれらに対応する各開示型キャラクタカードKCaは、このような希少性に応じて、一例としてA分類〜Cに分類されてよい。具体的には、A分類、B分類、C分類の順に希少性が低い。つまり、A分類が最も希少性が高く、C分類が最も希少性が低い。また、一般的に希少性は、開示型キャラクタカードKCaの価値に反映される場合が多い。したがって、このような場合、各開示型キャラクタカードKCaの価値もA分類、B分類、C分類の順に高くなる傾向にある。
【0046】
一方、未開示型キャラクタカードKCbは、一例として、上述のように3種類に分類される。そして、一例として、これらの3種類の未開示型キャラクタカードKCbがキャラクタの分類にそれぞれ対応付けられている。具体的には、未開示型キャラクタカードKCbは、一例として、第1未開示型キャラクタカードKCb1、第2未開示型キャラクタカードKCb2、及び第3未開示型キャラクタカードKCb3を含み、これらは、キャラクタの分類のいずれかにそれぞれ対応付けられている。そして、未開示型キャラクタカードKCbの種類とキャラクタの分類との間の関係は、上述のように卵画像EGの種類を通じて示唆されている。
【0047】
図7を参照して、卵画像EGの種類とキャラクタの分類との間の関係を更に説明する。図7は、図6の例の分類が適用された場合の未開示型キャラクタカードKCbの変化を説明するための説明図である。図7に示すように、第1未開示型キャラクタカードKCb1には第1卵画像EG1が、第2未開示型キャラクタカードKCb2には第2卵画像EG2が、第3未開示型キャラクタカードKCb3には第3卵画像EG3が、それぞれ表示されている。そして、未開示型キャラクタカードKCb1は、これらの3種類の卵画像EG1〜EG3によって3種類に分類されている。
【0048】
また、第1卵画像EG1はA分類に、第2卵画像EG2はB分類に、第3卵画像EG3はC分類に、それぞれ対応付けられている。つまり、秘匿するキャラクタが属する分類として、第1卵画像EG1はA分類を、第2卵画像EG2はB分類を、第3卵画像EG3はC分類を、それぞれ示している。そして、第1卵画像EG1はA分類に属するいずれかのキャラクタへの変化が、第2卵画像EG2はB分類に属するいずれかのキャラクタへの変化が、第3卵画像EG3はC分類に属するいずれかのキャラクタへの変化が、それぞれ予想される。このように、卵画像EGは、秘匿が解除された後に変化するキャラクタの手掛かり(ヒント)を暗に示している。
【0049】
そして、第1未開示型キャラクタカードKCb1は、第1卵画像EGを介してA分類に対応付けられている。第2未開示型キャラクタカードKCb2及び第3未開示型キャラクタカードKCb3についても同様である。つまり、未開示型キャラクタカードKCbは、卵画像EGの種類を介して、秘匿が解除された後に変化する開示型キャラクタカードKCaを暗に示している。
【0050】
結果として、例えば、第1未開示型キャラクタカードKCb1は、A分類のいずれかのキャラクタに対応する開示型キャラクタカードKCaに変化する可能性のある未開示型キャラクタカードKCbとして機能する。また、第1未開示型キャラクタカードKCb1の二次元コードCGには、このような卵画像EG1の種類に対応する変化情報として、A分類を示す情報が含まれている。第2未開示型キャラクタカードKCb2及び第3未開示型キャラクタカードKCb3についても同様である。
【0051】
各卵画像EGは、所定の確率で各分類のいずれのキャラクタに変化する。例えば、図7の例において、第1卵画像EG1は、30%の確率で左側のキャラクタに、70%の確率で右側のキャラクタに、それぞれ変化してよい。つまり、各分類内の各キャラクタにも希少性が設定されていてよい。なお、所定の確率は適宜に設定されてよい。また、所定の確率は分類毎に相違していてもよい。
【0052】
二次元コードCGに含まれる変化情報は、各分類を示す情報に加え、複数のキャラクタ候補のうちのいずれかを示す情報を含んでいてもよい。つまり、二次元コードCGは、変化情報として、秘匿解除後に各分類のいずれのキャラクタに変化するかを示す情報を更に含んでいてもよい。なお、変化情報は、秘匿解除後に変化するキャラクタの情報を含んでいなくてもよい。この場合、例えば、変化条件を満たした場合に、所定の確率に応じて各分類のいずれのキャラクタに変化するか決定されてよい。
【0053】
次に、再現処理、未開示型初回発行処理、及びカード発行処理について説明する。再現処理は、キャラクタカードKCに基づいて、そのキャラクタカードKCに対応するキャラクタをゲーム内に再現するための処理である。未開示型初回発行処理は、未開示型キャラクタカードを初回に発行するための処理である。一方、カード発行処理は、ゲーム結果を反映した新たなキャラクタカードKC等を発行するための処理である。
【0054】
一例として、これらの処理は、図8図10のルーチンを通じてゲーム機GMの制御ユニット10によって実現される。より具体的には、図8図10のルーチンは、一例として、制御ユニット10のゲーム提供部16を通じて実行される。なお、ゲーム機GMの制御ユニット10は、これらの処理の他にも各種の周知な処理等を実行する。しかし、それらの詳細な説明は省略する。
【0055】
図8は、再現処理を実現する再現処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図8のルーチンは、一例として、コードリーダ7がキャラクタカードKCを読み取る毎に実行される。図8のルーチンが開始されると、ゲーム提供部16は、まずステップS11にて、キャラクタカードKCのキャラクタ情報を取得する。具体的には、コードリーダ7から出力される信号に基づいて、キャラクタカードKCの二次元コードCGに含まれるキャラクタ情報を取得する。
【0056】
次のステップS12において、ゲーム提供部16は、ステップS11で取得したキャラクタ情報に基づいて、ゲーム中にキャラクタカードKCにて定義されるキャラクタを再現するための再現用データを生成する。この再現用データには、例えば、キャラクタ情報に基づいて取得したキャラクタ画像MG或いは卵画像EGに対応する画像データが含まれる。また、再現用データには、ステップS11で取得したキャラクタ情報に含まれるその他のパラメータの情報も含まれる。
【0057】
次のステップS13において、ゲーム提供部16は、ステップS12で生成した再現用データを所定の記憶領域に出力して、今回のルーチンを終了する。所定の記憶領域として、例えば、制御ユニット10の内部記憶装置或いは記憶ユニット11といったゲームで利用可能な各種データが少なくとも一時的に記憶される領域が利用されてよい。再現用データは、所定の記憶領域に記憶され、ゲームの展開等、状況に応じて適宜に利用される。これにより、キャラクタカードKCにて定義される特性等を有するキャラクタ(卵画像EGによって秘匿されるキャラクタを含む)がキャラクタカードKCの表示と同様の画像にてゲーム中に再現される。
【0058】
図9は、未開示型初回発行処理を実現する未開示型初回発行処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図9のルーチンは、例えば、所定の発行条件を満たした場合に、ユーザによって未開示型キャラクタカードKCbの発行を希望する所定の操作が行われる毎に実行される。図9のルーチンが開始されると、ゲーム提供部16は、まずステップS21において、変化情報を生成する。具体的には、ゲーム提供部16は、変化情報として、A分類等のキャラクタの分類を示す情報を生成する。また、この変化情報は、秘匿解除後に変化するキャラクタとして各分類内の特定のキャラクタを指定する情報を含んでいてよい。そして、その特定のキャラクタを指定する情報は、所定の確率に基づいて生成されてよい。
【0059】
続くステップS22において、ゲーム提供部16は、ステップS21で生成した変化情報に対応する卵画像EGを生成する。一例として、ゲーム提供部16は、ステップS21で生成した変化情報に含まれる分類を示す情報に基づいて、その分類に対応する種類の卵画像EGを画像データから取得することにより、ステップS22の生成を実現する。
【0060】
続くステップS23において、ゲーム提供部16は、ステップS21で生成した変化情報及びステップS22で生成した卵画像EGを再現するための情報を含むキャラクタ情報を生成する。次のステップS24において、ゲーム提供部16は、ステップS23で生成したキャラクタ情報を含む合成画像CIbを表現するためのイメージデータを生成する。より具体的には、ゲーム提供部16は、画像領域IAにステップS21で生成した卵画像EGが表示されるとともに、二次元コードCGにステップS21で生成した変化情報を含む合成画像CIbを表現するためのイメージデータを生成する。
【0061】
続くステップS25において、ゲーム提供部16は、ステップS24で生成したイメージデータに基づいて合成画像CIbが被記録媒体に印刷され、新たに未開示型キャラクタカードKCbが生成されるように、イメージデータをプリンタ12に出力(提供)する。つまり、ゲーム提供部16は、合成画像CIbを介して、変化情報及び卵画像EGを再現するための情報を含むキャラクタ情報が未開示型キャラクタカードKCbに記録されるように、イメージデータをプリンタ12に提供する。結果として、例えば、変化情報及び卵画像EGを再現するための情報を含むキャラクタ情報が合成画像CIbを介して未開示型キャラクタカードKCbに記録される。そして、ゲーム提供部16は、ステップS25の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。これにより、ユーザに認識されないように変化情報を二次元コードCGに含むとともに、変化の方向を示唆するように卵画像EGを表示する未開示型キャラクタカードKCbが生成される。
【0062】
一方、図10は、カード発行処理を実現するカード発行処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図10のルーチンは、例えば、バトル等のゲーム終了後において、キャラクタカードKC等の印刷を希望する所定の操作が行われる毎に実行される。図10のルーチンが開始されると、ゲーム提供部16は、まずステップS31において、使用時のキャラクタ情報等(イベントカードECが使用された場合はイベント情報)を取得する。また、キャラクタ情報には変化情報も含まれる。したがって、ゲーム提供部16は、ステップS31において、キャラクタ情報を介して変化情報も取得する。
【0063】
続くステップS32において、ゲーム提供部16は、ゲーム結果を取得する。次のステップS33において、ゲーム提供部16は、使用されたキャラクタカードKCが未開示型キャラクタカードKCbの場合に、変化条件を満たすか否か判別する。この判別結果が肯定的結果の場合、つまり使用されたキャラクタカードKCが未開示型キャラクタカードKCbであって変化条件を満たす場合、ステップS34に進む。
【0064】
ステップS34において、ゲーム提供部16は、卵画像EGが変化した後のキャラクタの画像、つまり秘匿解除後のキャラクタに対応するキャラクタ画像MG(以下、解除後のキャラクタ画像MGと呼ぶことがある)を表現する画像データを取得して、ステップS35に進む。一方、ステップS33の判別結果が否定的結果の場合、つまり使用されたキャラクタカードKCが未開示型キャラクタカードKCbでない場合或いは変化条件を満たしていない場合には、ゲーム提供部16は、ステップS33に続いてステップS35に進む。
【0065】
ステップS35において、ゲーム提供部16は、ステップS32で取得したゲーム結果に基づいて、ゲーム結果を反映した使用後のキャラクタ情報等を生成する。具体的には、例えば、ゲーム提供部16は、ステップS34の処理をスキップした場合には、ゲーム結果に基づいてレベルアップ等の変更を反映した後の変更後のパラメータの情報等を含む変更後のキャラクタ情報を使用後のキャラクタ情報として生成する。また、未開示型キャラクタカードKCbの場合には、ステップS35において、再度卵画像EGを表現する情報を含む変化後のキャラクタ情報が生成される。一方、ステップS34の処理が実行された場合には、ゲーム提供部16は、卵画像EGに代えてステップS34で取得した解除後のキャラクタ画像MGの情報を含むように変化後のキャラクタ情報を生成する。
【0066】
次のステップS36において、ゲーム提供部16は、ステップS35で生成した変化後のキャラクタ情報を含む合成画像CIa若しくはCIbを表現するためのイメージデータを生成する。より具体的には、ゲーム提供部16は、開示型キャラクタカードKCaが使用された場合には画像領域IAに変化後のキャラクタ画像MGを、未開示型キャラクタカードKCbが使用された場合でも変化条件を満たしていない場合には画像領域IAに卵画像EGを、それぞれ表示する合成画像CIa若しくはCIbを表現するイメージデータを生成する。さらに、ゲーム提供部16は、この合成画像CIa若しくはCIbの二次元コードCGが変化後のパラメータの情報(未開示型キャラクタカードKCbの場合には変化情報を含む)を含むようにイメージデータを生成する。一方、ゲーム提供部16は、変化条件を満たしている場合には、画像領域IAに卵画像EGに代えて解除後のキャラクタ画像MGが表示されるとともに二次元コードCGに変化後のパラメータの情報を含む合成画像CIaを表現するためのイメージデータを生成する。
【0067】
続くステップS37において、ゲーム提供部16は、ステップS36で生成したイメージデータに基づいて合成画像CIa若しくはCIbが被記録媒体に印刷され、新たにプレイ後の開示型キャラクタカードKCa又は未開示型キャラクタカードKCbが生成されるように、イメージデータをプリンタ12に出力(提供)する。結果として、例えば、変化条件を満たさない場合には、ゲーム結果を反映した開示型キャラクタカードKCa或いは未開示型キャラクタカードKCbが生成される。一方、変化条件を満たした場合には、画像領域IAに卵画像EGに代えて解除後のキャラクタ画像MGが表示された開示型キャラクタカードKCaが生成される。そして、ゲーム提供部16は、ステップS37の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。
【0068】
図10のルーチンにより、ゲーム結果を反映した開示型キャラクタカードKCa又は未開示型キャラクタカードKCbが生成されるとともに、変化条件を満たした場合には卵画像EGがキャラクタ画像MGにあたかも成長するように未開示型キャラクタカードKCbが変化した開示型キャラクタカードKCaが生成される。これにより、解除後のキャラクタ画像MGが本発明の変化後ゲーム要素として、変化後のパラメータの情報が本発明の変化後定義情報として、開示型キャラクタカードKCaが本発明の変化後ゲーム用記録媒体として、それぞれ機能する。
【0069】
以上に説明したように、この形態によれば、所定の発行条件を満たした場合に、未開示型キャラクタカードKCbを生成することができる。未開示型キャラクタカードKCbは、具体的なキャラクタが秘匿されたカードである。つまり、未開示型キャラクタカードKCbがいずれのキャラクタに対応する開示型キャラクタカードKCaに変化するか予め明らかでない。一方で、未開示型キャラクタカードKCbには、キャラクタ画像MGの代わりに、これを秘匿するための卵画像EGが変化候補の分類を示す情報として表示されている。これにより、卵画像EGを通じて、変化の手掛かりを提供することができる。また、未開示型キャラクタカードKCbには変化情報も記録されているが、ユーザには認識されない。このため、具体的な変化の方向付けをユーザに隠すことができる。これにより、変化御を予測するための情報としてユーザに提供される情報を卵画像EGに限定することができる。また、卵画像EGの種類を通じて、ユーザの予測を分類単位で制御することができる。結果として、ユーザの予測を分類内で分散させつつも分類単位の予測を促すことができる。これにより、変化条件を満たすまで、未開示型キャラクタカードKCbに対するユーザの期待感を持続させることができる。また、分類単位で変化の方向を示唆する卵画像EGを通じて、ユーザの期待感を適切に制御することができる。
【0070】
また、変化の方向を示唆する情報として、最も目につきやすく、見る者に与える影響が大きい卵画像EGが使用されている。これにより、変化の方向を示唆する情報を目立たせることができる。結果として、この情報をユーザに印象付けることができる。これにより、変化の予測をユーザに促すことができるので、ユーザの期待感の向上を促進することができる。
【0071】
以上の形態において、ゲーム機GMの制御ユニット10が、ゲーム提供部16を通じて図9のルーチンを実行することにより本発明の情報生成手段として機能する。また、ゲーム機GMの制御ユニット10が、ゲーム提供部16を通じて図10のルーチンを実行することにより本発明の情報取得手段及び要素変化手段として機能する。そして、ゲーム機GMの制御ユニット10が、ゲーム提供部16を通じて図9及び図10の両方のルーチンを実行することにより本発明の情報提供手段として更に機能する。
【0072】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。例えば、上述の形態では、ゲーム要素としてキャラクタが使用されている。しかし、ゲーム要素は、このような形態に限定されない。ゲーム要素として、ゲーム内の各種の要素が利用されてよい。例えば、ゲーム要素として、アイテム等のキャラクタ以外のプレイ媒体が使用されてもよい。さらに、例えば、ゲーム要素として、アイテムやキャラクタ等のプレイ媒体ではなく、イベントが利用されてもよい。つまり、イベントの内容を変化条件が満たされるまで秘匿するイベントカードがゲーム用記録媒体として採用されてもよい。
【0073】
上述の形態では、卵画像EGは、キャラクタに成長(進化)するように変化している。しかし、卵画像EGの変化は、このような成長に限定されない。図11は、卵画像EGの変化の他の例を説明するための説明図である。図11に示すように、卵画像EGは、種類が変わるように変化してもよい。そして、そのような種類間で変化した後に最終的にキャラクタに変化してもよい。具体的には、図11の例のように、例えば、卵画像EGは、第1卵画像EG1、第2卵画像EG2、第3卵画像EG3の順に変化してもよい。また、このような変化に対応して、未開示型キャラクタカードKCbとして、第1未開示型キャラクタカードKCb1、第2未開示型キャラクタカードKCb2、第3未開示型キャラクタカードKCb3が順に発行されてもよい。そして、卵画像EGは、このように所定回数変化した後に最後の卵画像EGに対応する分類のキャラクタのいずれかに変化してよい。なお、卵画像EGの種類の変化の順番は、このような形態にも限定されない。卵画像EGの種類は、適宜の順番で変化してもよい。また、この場合、卵画像EG(つまり示唆情報)の変化に伴って変化情報の内容が変化してもよい。具体的には、例えば、卵画像EGがA分類、B分類、C分類と順に変化するに従って変化情報の内容もA分類、B分類、C分類の各分類のキャラクタを示す情報に変化してもよい(或いは、変化情報の内容に応じて卵画像EGの種類が変化してもよい)。つまり、ゲーム結果等の所定の条件を満たした場合に変化情報の内容が変化してもよい。一方、卵画像EGの種類は変化しつつも変化情報の内容は変化しなくてもよい。つまり、一例として、卵画像EGの種類が順に変化する変化を方向づける情報が変化情報として使用されてもよい。さらに、例えば、卵画像EGは、キャラクタに限定されず、イベント等の別のゲーム要素に変化してもよい。このように、ゲーム要素の変化として、成長に限定されず、各種の変化が採用されてよい。
【0074】
また、上述の形態では、ゲーム要素及び示唆情報として、卵画像EGが利用されている。つまり、ゲーム要素及び示唆情報として、同じ卵画像EGが機能している。しかし、ゲーム要素及び示唆情報は、このような形態に限定されない。例えば、変化するゲーム要素と示唆情報とは互いに異なっていてもよい。図12は、示唆情報の他の例を説明するための説明図である。図12に示すように、例えば、ゲーム要素として、基礎情報のHPの最大値が採用されてもよい。具体的には、HPの最大値の変化の候補として、例えば、通常よりも少し良い形態(例えば、通常の最大値が“100”のところ“101”)、通常よりも良い形態(例えば、“102”)、及び通常よりも大きく良い形態(例えば、“102”)が用意されていてもよい。そして、例えば、左から順に通常よりも少し良い形態の候補、通常よりも良い形態の候補、及び通常よりも大きく良い形態の候補として機能してよい。また、この場合において、ゲーム要素の情報を示すHPの背景色が示唆情報として機能してもよい。そして、例えば、HPの背景色に応じて所定の確率でこれらの形態の最大値に変化してよい。具体的には、例えば、HPの背景色が青の場合に所定の確率(例えば、30%)で通常よりも少し良い形態(つまりHPの最大値が“101”)に、黄色の場合に所定の確率で通常よりも良い形態に、赤の場合に所定の確率で通常よりも大きくよい形態に、それぞれ変化してもよい。つまり、HPの背景色に応じてHPの最大値の候補が示されてもよい。また、このようなHP等の変化は、最大値に限定されず、適宜な時期(例えば、HPが最大値の中間に該当する値に到達した場合)に生じてよい。このような場合、例えば、変化条件はHPが最大値や中間値に変化するレベルに変化した場合に満たされてよい。このように、ゲーム要素及び示唆情報として、各種の態様が採用されてよい。
【0075】
上述の形態では、キャラクタカードKCのゲーム用カード8には、キャラクタ情報等を含むコードとして、二次元コードCGが印刷されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、このようなコードとして、バーコードが利用されてもよい。即ち、ゲーム用カード8には、所定の規格に準拠して生成されることにより各種の情報を含む各種のコードが利用されてよい。また、各種の情報がコードとして記録媒体に記録される形態にも限定されない。例えば、記録媒体として、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、或いはEEPROM等の不揮発性半導体メモリが利用されてもよい。このような記憶媒体は、例えば、ICカードを含む。また、これらの記録媒体が利用される場合、例えば、合成画像が印刷される代わりに、合成画像を表現するためのイメージデータ自体がこれらの媒体に記録されてもよい。また、このようなデータは、赤外線通信等により記憶媒体に提供されてもよい。さらに、一つの記録媒体が複数種類のゲーム用カード8として機能してもよい。つまり、例えば、開示型キャラクタカードKCa及び未開示型キャラクタカードKCbとして、物理的に同じ一つの記録媒体が共用されてもよい。
【0076】
上述の形態では、ゲーム機GMが本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、このような形態に限定されない。例えば、本発明のゲームシステムは、上述のようなカードゲームを提供するゲーム機、及びこのようなゲーム機にネットワークを通じて接続され、そのゲーム機に各種のサービスを提供するサーバ装置を含んでいてもよい。そして、上述のゲーム機GMが提供する少なくとも一部のサービスがサーバ装置の提供するサービスによって実現されてもよい。
【0077】
また、ゲームシステムがサーバ装置等を含む場合、パラメータ等の情報がゲーム用カード8に直接記録されている形態にも限定されない。例えば、キャラクタカードKC等には、パラメータの情報を特定するためのユニークな情報(例えば、シリアルナンバー等)が記録されていてもよい。そして、ゲーム機は、例えば、そのユニークな情報に基づいて特定されるパラメータの情報をサーバ装置から取得してもよい。つまり、一例として、パラメータの情報(変化情報及び示唆情報を含む)は、キャラクタカードがそのユニークな情報をゲーム機GMに提供することによりキャラクタカードを介して取得されてもよい。或いは、キャラクタカードには、ネットワーク上に保存されたパラメータの情報の保存先のアドレスが記録されていてもよい。そして、パラメータの情報は、キャラクタカードがそのアドレスを提供する(例えば、二次元コード等を利用)ことによりキャラクタカードを介して取得されてもよい。つまり、変化情報及び示唆情報は直接キャラクタカードに記録されていなくてもよい。
【0078】
上述の形態では、各ゲーム機GMは、カードゲームを提供している。しかし、各ゲーム機GMが提供するゲームは、このようなカードゲームに限定されない。例えば、ゲーム機GMは、変化条件を満たした場合にゲーム要素が複数の候補のいずれかに変化する限り、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム等の各種のゲームを提供してよい。
【0079】
同様に、ゲーム機GMは、業務用のゲーム機に限定されない。ゲーム機GMとして、例えば、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機等、適宜の形態が採用されてよい。また、上述の形態では、制御ユニット10及び記憶ユニット11がゲーム機GMに設けられている。しかし、本発明のゲーム機は、このような形態に限定されない。例えば、クラウドコンピューティングを利用してネットワーク上に論理的に制御ユニット10及び記憶ユニット11が設けられてもよい。つまり、ゲーム機GMは、ネットワークを通じて制御ユニット10処理結果を表示して提供する端末として構成されていてもよい。
【0080】
以下に、上述の内容から得られる本発明の一例を記載する。なお、以下の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0081】
本発明のゲーム用記録媒体は、変化条件を満たした場合にゲーム要素(EG)が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステム(GM)によって前記ゲーム要素を前記ゲーム内に実現するために使用されるゲーム用記録媒体(KCb)であって、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報(EG)を提供する媒体情報(例えば、キャラクタ情報)が記録されている、ものである。
【0082】
本発明によれば、ゲーム内に実現されるゲーム要素は、変化条件を満たした場合に複数の候補のいずれかに変化する。また、このような変化は、変化情報によって方向付けられる。つまり、ゲーム要素が複数の候補のいずれに変化するか予め明らかではない。これにより、ユーザの予測を分散させることができる。一方で、媒体情報を通じて示唆情報が提供される。このため、示唆情報を通じて、ユーザに変化の手掛かりを提供することができる。結果として、ユーザの予測を分散させつつも一定の予測を促すことができる。これにより、変化条件を満たすまで、ゲーム用記録媒体に対するユーザの期待感を持続させることができる。
【0083】
本発明のゲーム用記録媒体の一態様において、前記媒体情報は、前記変化情報が視認されない一方で、前記示唆情報が視認されるように前記変化情報及び前記示唆情報を提供してもよい。この場合、変化情報、つまり変化を方向付ける情報をユーザに対して隠すことができる。一方で、示唆情報は視認されるように提供される。結果として、変化を予測するための情報としてユーザに提供される情報を示唆情報に限定することができる。これにより、ユーザの期待感をより適切に制御することができる。
【0084】
示唆情報は、どのように提供されてもよい。例えば、本発明の示唆情報が視認される態様において、前記媒体情報は、前記ゲーム要素を定義する定義情報(例えば、パラメータの情報)を含み、前記定義情報は、前記示唆情報を含み、当該示唆情報としても機能してよい。また、この態様において、前記定義情報は、前記ゲーム要素を示す要素画像(EG)の情報を含み、前記要素画像は、前記複数の候補に応じて複数種類(例えば、青色、黄色、赤色)に分類されることにより前記示唆情報として機能するように視認可能に表示されていてもよい。この場合、要素画像が示唆情報として視認可能に表示されている。一般的に画像は、目につきやすく、見る者に与える影響が大きい。したがって、この場合、示唆情報を目立たせることができる。結果として、示唆情報をユーザに印象付けることができる。これにより、変化の予測をユーザに促すことができるので、ユーザの期待感の向上を促進することができる。
【0085】
また、変化情報もどのように提供されてもよい。例えば、本発明の媒体情報が視認できないように変化情報を提供する態様において、前記定義情報は、前記変化情報を更に含み、当該変化情報としても機能してもよい。さらに、この態様において、前記定義情報を含むように所定の規格に準拠して生成されたコード(CG)が表示され、前記媒体情報は、前記コードを介して前記定義情報を含み、前記変化情報は、前記コードを介して視認されないように記録されていてもよい。
【0086】
本発明のゲーム用記録媒体の一態様において、前記複数の候補は、複数の分類(例えば、A分類〜C分類)に分類され、前記示唆情報として、前記複数の分類のいずれかを示す情報が利用されていてもよい。この場合、ユーザの予測を分類単位で制御することができる。これにより、変化の候補の分類を利用して、ユーザの期待感を適切に制御することができる。
【0087】
ゲーム要素として、どのようなものが採用されてもよい。例えば、本発明のゲーム用記録媒体の一態様において、前記ゲーム要素として、前記ゲームの進行に使用されるプレイ媒体が利用されていてもよい。
【0088】
また、ゲーム要素の変化として、各種の態様が採用されてよい。例えば、ゲーム要素としてプレイ媒体が利用される本発明の一態様において、前記変化として、前記プレイ媒体の進化が採用され、前記プレイ媒体は、前記変化条件を満たした場合に、前記進行に与える影響が変化前よりも大きくなるように、前記複数の候補のいずれかに進化してもよい。
【0089】
本発明のゲームシステムは、変化条件を満たした場合にゲーム要素(EG)が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステム(GM)であって、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報(EG)を提供する媒体情報(例えば、キャラクタ情報)を生成する情報生成手段(10)と、前記情報生成手段の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体(KCb)が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手段(10)と、を備えている。本発明によれば、本発明のゲーム用記録媒体を生成することができる。
【0090】
また、本発明のゲームシステムの一態様として、前記ゲーム用記録媒体の前記媒体情報を介して前記変化情報を取得する情報取得手段(10)と、前記情報取得手段によって取得された前記変化情報に基づいて、前記変化条件を満たしている場合に、前記ゲーム要素を前記複数の候補のいずれかに変化させる要素変化手段(10)と、を更に備え、前記情報提供手段は、前記要素変化手段の変化結果に基づいて、前記ゲーム要素が変化した後の変化後ゲーム要素(例えば、解除後のキャラクタ画像MG)を実現する変化後媒体情報(例えば、変化後のキャラクタ情報)を記録する変化後ゲーム用記録媒体(例えば、開示型キャラクタカードKCa)が生成されるように、前記変化後媒体情報を更に提供する態様が採用されてもよい。これにより、ゲーム用記録媒体によって実現されるゲーム要素を複数の候補のいずれかに変化させることができる。また、そのように変化させた変化後ゲーム要素を記録する変化後ゲーム用記録媒体を更に生成することができる。さらに、この態様において、前記要素変化手段は、所定の条件を満たした場合には、前記変化情報の内容を更に変化させてもよい。この場合、ゲーム要素の変化をより多様化することができる。
【0091】
本発明の制御方法は、変化条件を満たした場合にゲーム要素(EG)が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステム(GM)に組み込まれるコンピュータ(10)に、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報(EG)を提供する媒体情報(例えば、キャラクタ情報)を生成する情報生成手順と、前記情報生成手順の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体(KCb)が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手順と、を実行させるものである。
【0092】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、変化条件を満たした場合にゲーム要素(EG)が複数の候補のいずれかに変化するゲームを提供するゲームシステム(GM)に組み込まれるコンピュータ(10)を、前記ゲーム要素の各候補への変化を方向付ける変化情報及び前記変化の手掛かりとなる示唆情報(EG)を提供する媒体情報(例えば、キャラクタ情報)を生成する情報生成手段、及び前記情報生成手段の生成結果に基づいて、前記媒体情報を記録するゲーム用記録媒体(KCb)が生成されるように、前記媒体情報を提供する情報提供手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法若しくはコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0093】
10 制御ユニット(コンピュータ、情報生成手段、情報提供手段、情報取得手段、要素変化手段)
GM ゲーム機(ゲームシステム)
KCa 開示型キャラクタカード(変化後ゲーム用記録媒体)
KCb キャラクタカード(ゲーム用記録媒体)
EG 卵画像(ゲーム要素、プレイ媒体、示唆情報、要素画像)
CG 二次元コード(コード)
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