特許第5957503号(P5957503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ ユニバーシティー オブ モンタナの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957503
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】ヒドロキシポリアミドゲル形成剤
(51)【国際特許分類】
   C08G 69/26 20060101AFI20160714BHJP
   C08L 77/06 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   C08G69/26
   C08L77/06
【請求項の数】13
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-203028(P2014-203028)
(22)【出願日】2014年10月1日
(62)【分割の表示】特願2010-534268(P2010-534268)の分割
【原出願日】2008年11月17日
(65)【公開番号】特開2015-28183(P2015-28183A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2014年10月10日
(31)【優先権主張番号】61/003,444
(32)【優先日】2007年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500212295
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティー オブ モンタナ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】カイリー ドナルド イー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス タイラー エヌ.
【審査官】 安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/082977(WO,A1)
【文献】 米国特許第05312967(US,A)
【文献】 特表2006−509092(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/052959(WO,A1)
【文献】 特開昭50−117895(JP,A)
【文献】 特開昭48−032997(JP,A)
【文献】 米国特許第06894135(US,B1)
【文献】 特表2007−526941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C08L 1/00 − 101/14
C08K 3/00 − 13/08
C08G 69/00 − 69/50
DB名 CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシポリアミド生成物、および液体成分を含むゲルであって、
前記ヒドロキシポリアミド生成物が、それぞれ同一の重合過程で生成されるヒドロキシポリアミド成分および塩成分を含み;
前記ヒドロキシポリアミド成分が、少なくとも一つのエステル化されたポリ酸および少なくとも一つのポリアミン塩に由来し;
前記少なくとも一つのエステル化されたポリ酸および少なくとも一つのポリアミン塩が、ポリ酸およびポリアミンで形成される少なくとも一つの塩に由来し;
前記ポリ酸およびポリアミンで形成される少なくとも一つの塩が、少なくとも一つのポリ酸および少なくとも一つのポリアミンに由来し;
前記少なくとも一つのポリ酸が、少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する少なくとも一つの有機ポリ酸に由来し;
前記少なくとも一つのポリアミンが、少なくとも一つの有機ポリアミンに由来し;
前記重合過程が、前記エステル化されたポリ酸および前記ポリアミン塩を、(i)三級アミンよりも強い塩基、および(ii)三級アミン塩基で処理する工程を含み
溶液中でゲルを形成するために必要な前記ヒドロキシポリアミド生成物の最低濃度(wgt/vol)が、0.75重量%以下であり;
ここで、前記溶液は、少なくとも75%水を含む溶液であり;
前記最低濃度(wgt/vol)は、溶液の体積に対するヒドロキシポリアミドの重量(%)を意味し;ならびに
前記ヒドロキシポリアミド成分は、
開始時のポリアミンモル比が1:4のポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);
開始時のポリアミンモル比が1:3、および1:2のポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);
開始時のポリアミンモル比が1:4、および1:3のポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);
開始時のポリアミンモル比が1:2のポリ(3’,6’‐ジオキサオクタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);および
開始時のポリアミンモル比が1:1のポリ(2‐メチルペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)
からなる群より選択される、
ゲル。
【請求項2】
前記少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する少なくとも一つの有機ポリ酸が、脂肪族ポリ酸、炭素環式ポリ酸、複素環式ポリ酸、アリールアルキルポリ酸;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および/または置換されたアリール基水素以外の原子からなる群より選択される少なくとも一つの置換基を有する該ポリ酸;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリ酸;エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、およびシアノ基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換されている該ポリ酸からなる群より選択される、請求項1記載のゲル。
【請求項3】
前記少なくとも一つの有機ポリ酸が、タルトロン酸;酒石酸;キシラル酸;アラビナル酸;リバル酸;リキサル酸;グルカル酸;マンナル酸;ガラクタル酸;イダル酸;およびクエン酸からなる群より選択される、請求項1記載のゲル。
【請求項4】
前記少なくとも一つのポリアミンが、アルキレンポリアミン;アルケニレンポリアミン;アルキニレンポリアミン;アルキルアリールポリアミン;アルケニルアリールポリアミン;アルキニルアリールポリアミン;炭素環式ポリアミン;複素環式ポリアミン;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および置換されたアリール基水素以外の原子の少なくとも一つで置換された該ポリアミン;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリアミン;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、およびシアノからなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換された該ポリアミンからなる群より選択される、請求項1記載のゲル。
【請求項5】
前記少なくとも一つのポリアミンが、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2‐メチルペンタメチレンジアミン、4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン、3’,6’‐ジオキサオクタメチレンジアミン、L‐リジン、およびトリス(2‐アミノエチル)アミンからなる群より選択される、請求項1記載のゲル。
【請求項6】
前記液体成分が、水、非水性有機液体、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1記載のゲル。
【請求項7】
前記液体成分が、塩、有機化合物、ポリマー、細胞、および体液からなる群より選択される物質を含み、それにより該物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、請求項1記載のゲル。
【請求項8】
前記液体成分が、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、および銀からなる群より選択される少なくとも一つの陽イオン、ならびにフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、グルカル酸イオン、および酢酸イオンからなる群より選択される、少なくとも一つの陰イオンを含む塩を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、請求項1記載のゲル。
【請求項9】
前記液体成分が、尿素、多糖、ポリペプチド、タンパク質、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、およびポリビニルアルコールからなる群より選択される有機化合物を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、請求項1記載のゲル。
【請求項10】
前記液体成分が、哺乳動物細胞、植物細胞、真菌細胞、および細菌からなる群より選択される細胞を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、請求項1記載のゲル。
【請求項11】
前記液体成分が、尿、血液、および粘液からなる群より選択される哺乳動物体液を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、請求項1記載のゲル。
【請求項12】
前記液体成分が薬剤を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、請求項1記載のゲル。
【請求項13】
前記液体成分が、肥料、殺虫剤、除草剤、栄養分、微量金属、有機物質、非有機物質、およびその組み合わせからなる群より選択される剤を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、請求項1記載のゲル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年11月15日に提出された米国仮出願第61/003,444号の恩典を主張し、その全ての図面、表、および描画を含む、その全内容の開示が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
連邦政府により支援された研究または開発に関する声明
本発明は、USDA CREESより授与された許可番号2004-34463-14477;2005-34463-15561;および2006-34463-16886により政府より支援された。政府は本発明における特定の権利を有する。
【0003】
コンパクトディスクにより提出した配列表、表、またはコンピュータプログラムリスト出力の添付物の参照
該当なし。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
ゲル形成剤は、液体または液状の物質と接触すると、その液体または液状の物質のゲル化を引き起こす物質である。ゲル形成物質の適用としては、おむつ(特に、使い捨ておむつ)における尿の吸収(Buchholz, 1994(非特許文献1);Buchholz, 1996(非特許文献2))、健康管理用品におけるその他の体液とのゲル形成、様々な個人的衛生用品における使用、医療処置における液体吸収での使用、徐放性薬物送達における使用(Jeong, 1997(非特許文献3))、細胞培養(von Recum, 1998(非特許文献4);Kisiday, 2002(非特許文献5))および組織再生(増殖)(Lee, 2001(非特許文献6))における使用、ならびに水(Huttermann, 1999(非特許文献7))、肥料(Karadag, 2000(非特許文献8))、および殺虫剤(Rudziniski, 2002(非特許文献9))の制御放出などの農業技術における使用が含まれる。新規のゲル形成剤は、現在用いられているものよりも改良されているか、それと異なるゲル形成の性質を示すものであれば、商業的実体として興味深い。
【0005】
本明細書において参照または引用される全ての特許、特許出願、仮特許出願、および刊行物は、それらが本明細書の教示と矛盾しない程度に、それらの全体が参照により組みいれられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Buchholz, 1994
【非特許文献2】Buchholz, 1996
【非特許文献3】Jeong, 1997
【非特許文献4】von Recum, 1998
【非特許文献5】Kisiday, 2002
【非特許文献6】Lee, 2001
【非特許文献7】Huttermann, 1999
【非特許文献8】Karadag, 2000
【非特許文献9】Rudziniski, 2002
【発明の概要】
【0007】
発明の簡単な概要
ヒドロキシポリアミドおよびヒドロキシポリアミド生成物を説明し、それらのゲル形成剤としての使用を主張する。これらのヒドロキシポリアミドまたはヒドロキシポリアミド生成物を、水性液体または非水性液体と合わせて、ゲルを生成する。公知の方法を用いて、ゲル形成剤としての役割を果たすことが可能なヒドロキシポリアミドを調製することができる。優れたゲル形成能力を有するヒドロキシポリアミド生成物は、三級アミンよりも強い塩基を用いた塩基化工程を含む改変された重合法により調製される。液状媒体中に溶解した塩の存在により、いくつかのヒドロキシポリアミドのゲル形成特性が改善された。
以下に、本発明の基本的な諸特徴および種々の態様を列挙する。
[1]
ヒドロキシポリアミド成分および塩成分を含むヒドロキシポリアミド生成物であって、各成分は同一の重合過程で生成され、ヒドロキシポリアミド成分は少なくとも一つの有機ポリ酸および少なくとも一つのポリアミンに由来し、ここで少なくとも一つの有機ポリ酸および/または一つのポリアミンは少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する、ヒドロキシポリアミド生成物。
[2]
前記少なくとも一つの有機ポリ酸が、脂肪族ポリ酸、炭素環式ポリ酸、複素環式ポリ酸、アリールアルキルポリ酸;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および/または置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子からなる群より選択される少なくとも一つの置換基を有する該ポリ酸;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリ酸;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、およびシアノ基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換されている該ポリ酸からなる群より選択される、[1]記載のヒドロキシポリアミド生成物。
[3]
前記少なくとも一つの有機ポリ酸が、タルトロン酸;酒石酸;キシラル酸;アラビナル酸;リバル酸;リキサル酸(lyxaric acid);グルカル酸;マンナル酸;ガラクタル酸;イダル酸;およびクエン酸からなる群より選択される、[1]記載のヒドロキシポリアミド生成物。
[4]
前記少なくとも一つのポリアミンが、アルキレンポリアミン;アルケニレンポリアミン;アルキニレンポリアミン;アルキルアリールポリアミン;アルケニルアリールポリアミン;アルキニルアリールポリアミン;炭素環式ポリアミン;複素環式ポリアミン;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子の少なくとも一つで置換された該ポリアミン;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリアミン;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、シアノ、およびその他の一般的な基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換された該ポリアミンからなる群より選択される、[1]記載のヒドロキシポリアミド生成物。
[5]
前記少なくとも一つのポリアミンが、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2‐メチルペンタメチレンジアミン、4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン、3’,6’‐ジオキサオクタメチレンジアミン、L‐リジン、およびトリス(2‐アミノエチル)アミンからなる群より選択される、[1]記載のヒドロキシポリアミド生成物。
[6]
前記塩成分が、少なくとも一つの無機または有機陽イオン、および少なくとも一つの無機または有機陰イオンを含む、[1]記載のヒドロキシポリアミド生成物。
[7]
前記塩成分が、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、および銀からなる群より選択される少なくとも一つの陽イオン、ならびにフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、およびリン酸イオンからなる群より選択される、少なくとも一つの陰イオンを含む、[1]記載のヒドロキシポリアミド生成物。
[8]
ヒドロキシポリアミド成分および塩成分を含むヒドロキシポリアミド生成物を製造する方法であって、各成分は同一の重合過程で生成され、該ヒドロキシポリアミド成分は少なくとも一つの有機ポリ酸および少なくとも一つのポリアミンに由来し、ここで少なくとも一つの有機ポリ酸および/または一つのポリアミンは少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する、以下の工程を含む方法:
a)有機ポリ酸およびポリアミンより化学量論的にモル濃度の釣り合った(1:1)塩を形成する工程;
b)酸源を含むアルコール中、一つまたは複数の有機ポリ酸:ポリアミン塩のカルボキシレート部分をエステル化し、かつポリアミン部分を酸源のポリアミン塩に変換する工程;ならびに
c)塩基を含む溶媒中、エステル化された有機ポリ酸:ポリアミン塩を処理することによりヒドロキシポリアミド生成物を形成する工程であって、ここで該塩基が三級アミンよりも強い、工程。
[9]
前記ヒドロキシポリアミド成分が、脂肪族ポリ酸、炭素環式ポリ酸、複素環式ポリ酸、アリールアルキルポリ酸;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および/または置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子からなる群より選択される少なくとも一つの置換基を有する該ポリ酸;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリ酸;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、およびシアノ基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換されている該ポリ酸からなる群より選択される少なくとも一つの有機ポリ酸に由来する、[8]記載の方法。
[10]
前記ヒドロキシポリアミド成分が、タルトロン酸;酒石酸;キシラル酸;アラビナル酸;リバル酸;リキサル酸;グルカル酸;マンナル酸;ガラクタル酸;イダル酸;およびクエン酸からなる群より選択される少なくとも一つの有機ポリ酸に由来する、[8]記載の方法。
[11]
前記ヒドロキシポリアミド成分が、アルキレンポリアミン;アルケニレンポリアミン;アルキニレンポリアミン;アルキルアリールポリアミン;アルケニルアリールポリアミン;アルキニルアリールポリアミン;炭素環式ポリアミン;複素環式ポリアミン;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子の少なくとも一つで置換された該ポリアミン;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリアミン;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、シアノ、およびその他の一般的な基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換された該ポリアミンからなる群より選択される少なくとも一つのポリアミンに由来する、[8]記載の方法。
[12]
前記ヒドロキシポリアミド成分が、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2‐メチルペンタメチレンジアミン、4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン、3’,6’‐ジオキサオクタメチレンジアミン、L‐リジン、およびトリス(2‐アミノエチル)アミンからなる群より選択される少なくとも一つのポリアミンに由来する、[8]記載の方法。
[13]
前記アルコールが、メタノール、エタノール、2‐プロパノール、1‐プロパノール、t‐ブチルアルコール、1‐ブタノール、および1‐ヘキサノールからなる群より選択される、[8]記載の方法。
[14]
前記酸源が、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、リン酸、および硫酸からなる群より選択される鉱酸である、[8]記載の方法。
[15]
前記溶媒が、メタノール、エタノール、2‐プロパノール、1‐プロパノール、1‐ブタノール、t‐ブチルアルコール、sec‐ブタノール、1‐ペンタノール、2‐ペンタノール、3‐ペンタノール、2‐メチル‐1‐ブタノール、1‐ヘキサノール、2‐ヘキサノール、3‐ヘキサノール、エチレングリコール、グリセロール、ジメトキシエタン、ジグリム、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、N‐メチルピロリドン、およびジメチルスルホキシドからなる群より選択される、[8]記載の方法。
[16]
前記三級アミンよりも強い塩基が下記を含む金属アルコキシドである、[8]記載の方法:
a)ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、およびマグネシウムからなる群より選択される金属陽イオン;ならびに
b)メタノール、エタノール、2‐プロパノール、1‐プロパノール、t‐ブチルアルコール、1‐ブタノール、および1‐ヘキサノールからなる群より選択されるアルコールに由来するアルコキシド。
[17]
少なくとも一つの有機ポリ酸および少なくとも一つのポリアミンに由来し、ここで少なくとも一つの有機ポリ酸および/またはポリアミンが少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する、ゲル形成剤として使用するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。
[18]
前記少なくとも一つの有機ポリ酸が、脂肪族ポリ酸、炭素環式ポリ酸、複素環式ポリ酸、アリールアルキルポリ酸;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および/または置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子からなる群より選択される少なくとも一つの置換基を有する該ポリ酸;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリ酸;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、およびシアノ基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換されている該ポリ酸からなる群より選択される、[17]記載のヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。
[19]
前記少なくとも一つの有機ポリ酸が、タルトロン酸;酒石酸;キシラル酸;アラビナル酸;リバル酸;リキサル酸;グルカル酸;マンナル酸;ガラクタル酸;イダル酸;およびクエン酸からなる群より選択される、[17]記載のヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。
[20]
前記少なくとも一つのポリアミンが、アルキレンポリアミン;アルケニレンポリアミン;アルキニレンポリアミン;アルキルアリールポリアミン;アルケニルアリールポリアミン;アルキニルアリールポリアミン;炭素環式ポリアミン;複素環式ポリアミン;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子の少なくとも一つで置換された該ポリアミン;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリアミン;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、シアノ、およびその他の一般的な基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換された該ポリアミンからなる群より選択される、[17]記載のヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。
[21]
前記少なくとも一つのポリアミンが、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2‐メチルペンタメチレンジアミン、4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン、3’,6’‐ジオキサオクタメチレンジアミン、L‐リジン、およびトリス(2‐アミノエチル)アミンからなる群より選択される、[17]記載のヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。
[22]
開始時のポリアミンモル比が1:5、1:4、1:3、および1:2のポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:4、1:3、1:2、および1:1のポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:1のポリ(テトラメチレン:オクタメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が4:1のポリ(テトラメチレン:ドデカメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:4、1:3、1:2、2:3、および1:1のポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:2のポリ(3’,6’‐ジオキサオクタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:1のポリ(2‐メチルペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:3のポリ[(S)‐1‐カルボキシルペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド];開始時のポリアミンモル比が1:4のポリ(トリス[エチレン]アミノ:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリ酸モル比が1:6のポリ(ヘキサメチレンキシラルアミド:D‐グルカルアミド);開始時のポリ酸およびポリアミンのモル比が1:4のポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレン/キシラルアミド:D‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:3のポリ[ナトリウム(S)‐1‐カルボキシラートペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド];および開始時のポリアミンモル比が1:4、1:3、および1:2のポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)塩酸塩からなる群より選択される、[17]記載のヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。
[23]
ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ポリヒドロキシポリアミド成分、および液体成分を含むゲルであって、前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミドが、少なくとも一つの有機ポリ酸および少なくとも一つのポリアミンに由来し、ここで少なくとも一つの有機ポリ酸および/またはポリアミンは少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する、ゲル。
[24]
前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミド成分が、脂肪族ポリ酸、炭素環式ポリ酸、複素環式ポリ酸、アリールアルキルポリ酸;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および/または置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子からなる群より選択される少なくとも一つの置換基を有する該ポリ酸;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリ酸;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、およびシアノ基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換されている該ポリ酸からなる群より選択される少なくとも一つの有機ポリ酸に由来する、[23]記載のゲル。
[25]
前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミド成分が、タルトロン酸;酒石酸;キシラル酸;アラビナル酸;リバル酸;リキサル酸;グルカル酸;マンナル酸;ガラクタル酸;イダル酸;およびクエン酸からなる群より選択される少なくとも一つの有機ポリ酸に由来する、[23]記載のゲル。
[26]
前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミド成分が、アルキレンポリアミン;アルケニレンポリアミン;アルキニレンポリアミン;アルキルアリールポリアミン;アルケニルアリールポリアミン;アルキニルアリールポリアミン;炭素環式ポリアミン;複素環式ポリアミン;アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、アリール基、および置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子の少なくとも一つで置換された該ポリアミン;少なくとも一つの炭素原子の代わりに少なくとも一つのヘテロ原子を有する該ポリアミン;アルコール、エステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、シアノ、およびその他の一般的な基からなる群より選択される少なくとも一つのペンダント基で置換された該ポリアミンからなる群より選択される少なくとも一つのポリアミンに由来する、[23]記載のゲル。
[27]
前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミド成分が、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2‐メチルペンタメチレンジアミン、4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン、3’,6’‐ジオキサオクタメチレンジアミン、L‐リジン、およびトリス(2‐アミノエチル)アミンからなる群より選択される少なくとも一つのポリアミンに由来する、[23]記載のゲル。
[28]
前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミド成分が、開始時のポリアミンモル比が1:5、1:4、1:3、および1:2のポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:4、1:3、1:2、および1:1のポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:1のポリ(テトラメチレン:オクタメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が4:1のポリ(テトラメチレン:ドデカメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:4、1:3、1:2、2:3、および1:1のポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:2のポリ(3’,6’‐ジオキサオクタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:1のポリ(2‐メチルペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:3のポリ[(S)‐1‐カルボキシルペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド];開始時のポリアミンモル比が1:4のポリ(トリス[エチレン]アミノ:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド);開始時のポリ酸モル比が1:6のポリ(ヘキサメチレンキシラルアミド:D‐グルカルアミド);開始時のポリ酸およびポリアミンのモル比が1:4のポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレン/キシラルアミド:D‐グルカルアミド);開始時のポリアミンモル比が1:3のポリ[ナトリウム(S)‐1‐カルボキシラートペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド];および開始時のポリアミンモル比が1:4、1:3、および1:2のポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)塩酸塩からなる群より選択される、[23]記載のゲル。
[29]
前記液体成分が、水、非水性(有機)液体、およびその組み合わせからなる群より選択される、[23]記載のゲル。
[30]
前記液体成分が、塩、有機化合物、ポリマー、細胞、および体液からなる群より選択される物質を含み、それにより該物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、[23]記載のゲル。
[31]
前記液体成分が、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、および銀からなる群より選択される少なくとも一つの陽イオン、ならびにフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、グルカル酸イオン、および酢酸イオンからなる群より選択される、少なくとも一つの陰イオンを含む塩を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、[23]記載のゲル。
[32]
前記液体成分が、尿素、多糖、ポリペプチド、タンパク質、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、およびポリビニルアルコールからなる群より選択される有機化合物を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、[23]記載のゲル。
[33]
前記液体成分が、哺乳動物細胞、植物細胞、真菌細胞、および細菌からなる群より選択される細胞を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、[23]記載のゲル。
[34]
前記液体成分が、尿、血液、および粘液からなる群より選択される哺乳動物体液を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、[23]記載のゲル。
[35]
前記液体成分が薬剤を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、[23]記載のゲル。
[36]
前記液体成分が、肥料、殺虫剤、除草剤、栄養分、微量金属、有機物質、非有機物質、およびその組み合わせからなる群より選択される剤を含み、それにより前記物質が該液体成分に溶解されている、かつ/または溶解されていない、[23]記載のゲル。
[37]
少なくとも一つのヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミド、および少なくとも一つの液体を混合する工程を含む、ゲルを製造する方法であって、ここでヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミドは少なくとも一つの有機ポリ酸および少なくとも一つのポリアミンに由来し、ここで、少なくとも一つの有機ポリ酸および/またはポリアミンは少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する、方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明は、ゲル形成剤としてのヒドロキシポリアミドおよびヒドロキシポリアミド生成物の調製および使用に関わる。また、ヒドロキシポリアミド生成物の調製方法のための、改善された塩基化工程を開示する。また、ゲルを作るため、特に、尿などの体液を含む水溶液または水とのゲル形成によるハイドロゲル作製のために重要な液体吸収材としてのこれらヒドロキシポリアミドおよびヒドロキシポリアミド生成物の使用も開示する。
【0009】
ゲル形成剤は、ゲルとして知られる変形可能な半固体物質として液体/または流体(以下、液体と呼ぶ)を固定化することが可能な化学物質としてここに定義される。ゲルは更に、強いゲルや弱いゲルに分類される。強いゲルは、ゲルの容器を逆さにしてもその容器中のゲルの形状および位置が維持された。ゲル形成剤は、強いゲルを作るために必要な物質の量に応じて、非常に良好、良好、または中程度に分類された。即ち、非常に良好なゲル形成剤は、強いゲルを形成するために最も少ない量のゲル形成剤を必要とした。
【0010】
対象のゲル形成物質は、土壌中(Jahns, 2006)および水溶液系において良好な自然分解性を示し、これは再生可能な糖鎖に部分的に由来するものであり、また採用される技術から得られる物質の構造的多様性に基づく様々な用途を提供する。これらの物質は、現在利用されているいくつかのゲル形成用途に改善を提供し、現在の重合体ゲル形成剤が土壌中および水中において自然分解されないかごく僅かにしかされないいくつかのゲル形成用途に改善を提供し、および現在の分解生成物が土壌中および水中において植物および/または動物に対して毒性を示すいくつかのゲル形成用途に改善を提供する。
【0011】
本明細書に記載の技術により、構造的に多様なゲル形成剤が作製されている。これらの剤は、土壌中および/または水中で比較的に急速に分解し、環境に適合した物質(Jahns, 2006)とみなすことができる。報告された例としては、a)糖鎖二酸に部分的に由来するヒドロキシポリアミドの調製およびb)ゲル形成剤としてのヒドロキシポリアミドの使用が含まれる。
【0012】
ゲル形成剤のための商業市場は、高吸収性ポリマー(SAPs)(Buchholz, 1994;Buchholz, 1996)の非常に大きな市場を含み、これは使い捨ておむつ、およびその他のヒト体液吸収への適用、並びに、農業および園芸への適用のための水/肥料送達系(Huttermann, 1999;Karadag, 2000;Rudziniski, 2002)に利用される。
【0013】
ポリ酸(二つ以上のカルボン酸官能基を有するカルボン酸)および/またはカルボキシル基が活性化されたポリ酸のポリアミン(二つ以上のアミン官能基を有するアミン)との重合による、様々なヒドロキシポリアミドの調製が説明されており(米国特許第6,894,135 B2号;Kiely, 1994;および米国特許第4,833,230号)、ここで一部のポリ酸モノマーおよび/または一部のポリアミンモノマーは、一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する。
【0014】
報告されている重合方法より得られるヒドロキシポリアミド(米国特許第6,894,135 B2号;Kiely, 1994;および米国特許第4,833,230号)並びに本明細書に報告されているヒドロキシポリアミド生成物を、水系および有機系の液体の両方を用いて、ゲル化剤として評価した。液体は、単一物質の液体、または固体および/または液体物質が溶解した液体であった。
【0015】
一般的に、ゲル形成用途のためのポリマー生成物を作るために採用される手順は、ポリアミン/ポリカルボン酸の組み合わせを含む、幅広い種類のアミンおよび有機酸を縮合する(組み合わせる)ことにより得ることができる。具体的には、重合におけるモノマーとして使用されるアミンは、下記の種類のものである:アルキレンポリアミン;アルケニレンポリアミン;アルキニレンポリアミン;アルキルアリールポリアミン;アルケニルアリールポリアミン;アルキニルアリールポリアミン;炭素環式ポリアミン;複素環式ポリアミン;アルキル、アルケニル、またはアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、またはアルキニル基、アリール基、または置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子の一つ以上で置換された任意の前記ポリアミン;一つ以上の炭素原子の代わりに、N、O、P、またはSを含むが、これに限定されない、一つ以上のヘテロ原子を有する任意の前記ポリアミン;および、一つ以上のヒドロキシル基、またはエステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、シアノ、およびその他の一般的な基を含むが、これに限定されない、他のペンダント基で置換された前記ポリアミン。
【0016】
より具体的には、重合におけるモノマーとして使用されるカルボン酸は、以下の種類のものである:脂肪族ポリ酸、炭素環式ポリ酸、複素環式ポリ酸、アリールアルキルポリ酸;アルキル、アルケニル、またはアルキニル基、置換されたアルキル、アルケニル、またはアルキニル基、アリール基、および/または置換されたアリール基、その他の基、水素以外の原子を含む置換基を有する前記ポリ酸;一つ以上の炭素原子の代わりに、N、O、P、またはSを含むが、これに限定されない、一つ以上のヘテロ原子を有する前記ポリ酸;および一つ以上のヒドロキシル基、またはエステル、エーテル、ケトン、チオール、チオエーテル、ニトロ、ニトリル、シアノ、およびその他の一般的な基を含むが、これに限定されない、他のペンダント基で置換された前記ポリ酸。
【0017】
異なるゲル化特性を含む異なる特性を有する異なるヒドロキシポリアミドおよびヒドロキシポリアミド生成物は、一つ以上のポリアミンと一つ以上のポリ酸の組み合わせに由来する。
【0018】
本明細書に記載の優れたゲルを形成するヒドロキシポリアミド生成物は、旧来の調製方法(Kiely, 1994;および米国特許第4,833,230号)と比べると、最近報告されたヒドロキシポリアミドの調製方法(米国特許第6,894,135 B2号)を改変したものを用いて、思いがけなく形成された。ヒドロキシポリアミドは、ビス一級アミンとエステル化されたアルダル酸を極性溶媒中で反応させることにより形成できることが最初に報告された(米国特許第4,833,230号)。このポリアミド調製法の欠点は、高分子量の縮合重合体を作るための重要な必要条件である、酸モノマーおよびアミンモノマー間が化学量論的に同等となる状態を達成することが困難であることである。最近の報告において、先ず対応するアミン:酸塩を糖酸およびジアミンまたはポリアミンより直接作り出すことにより、二種のモノマー間が化学量論的に同等となる状態を達成する手順が説明されている(米国特許第6,894,135 B2号)。次に、この生成物をアルコール中にて無機酸(HX)で処理することによりエステル化された酸:アンモニウム/X塩を得る。例えば、アルダル酸およびアルキレンジアミンより塩を形成した場合、アルコール中における無機酸(HX)による処理から得られる生成物は、エステル化されたアルダル酸:アルキレンジアンモニウム二X塩である。次に、この混合物を塩基化し、ジアミンを得、これがエステル化されたアルダル酸と縮合する。以前は、塩基化は、三級アミン塩基のみを使用して行われていたが(米国特許第6,8984,135 B2号)、アンモニウム単位の脱プロトン化のために比較的に強い塩基(例えば、アルコキシド)並びにそれよりも弱い三級アミン塩基の組み合わせを採用した、改変された塩基化過程が開発された。
【0019】
塩基化の工程には、大部分のアンモニウム塩(>90mol%)を脱プロトン化し、遊離アミンの形態とするために、より強い塩基(例えば、アルコキシド)が使用される。また、塩基化媒体にはいくらかの三級アミンも含まれる(米国特許第6,894,135 B2号)。これらの塩基を使用することにより、三級アミンのみを塩基として採用した場合、またはポリアミンをエステル化されたヒドロキシポリ酸と直接縮合した場合に得られるものよりも高分子量のヒドロキシポリアミドが作製される。このように作製されたヒドロキシポリアミドは、同じヒドロキシポリ酸/ポリアミンに由来しているにもかかわらず、高分子量であることに加えて、以前の方法(Kiely, 1994;米国特許第4,833,230号;米国特許第6,894,135 B2号;米国特許第5,434,233号;およびMorton, 2000)に従って調製されたヒドロキシポリアミドといくらか異なっており、これらはヒドロキシポリアミド生成物と表示される。第二の顕著な違いは、ヒドロキシポリアミド生成物が少量(<10%)の無機塩(塩化ナトリウム)を含むことであり、これは、ヒドロキシポリアミド生成物の調製方法に、三級アミンよりも強い塩基、例えばナトリウムメトキシド、により得られたアンモニウム塩(塩化物)の脱プロトン化が含まれている結果である。これらの違いは、一般的に二塩/改変型塩基化の方法より得られるヒドロキシポリアミド生成物は、以前の方法により形成された対応するヒドロキシポリアミドと比較して優れたゲル形成特性を有するという、思いがけない結果として現れた。
【0020】
前述のポリアミド調製法(米国特許第6,894,135 B2号)においては、プレ‐ポリマー(プレ‐ヒドロキシポリアミド)およびポスト‐ポリマー(ポスト‐ヒドロキシポリアミド)の両方が記載されており、ポスト‐ポリマーはプレ‐ポリマーの重合により作られ、より高い分子量を有する。セクション0014に示すように、ヒドロキシポリアミド生成物の持つ、以前に報告された方法により調製したヒドロキシポリアミドのものよりも優れたゲル形成能力は、単にヒドロキシポリアミド生成物のより高い分子量に起因しているだけではない、これらの物質間の違いに由来すると見られている。これは、更に高い分子量を有するポスト‐ヒドロキシポリアミドが前記のヒドロキシポリアミド生成物よりも劣るゲル形成能力を示すという所見により支持される。一方で、一般的には、ポスト‐ポリアミドのゲル形成性能は、添加された無機塩および/または有機塩の存在下で向上した。使い捨ておむつに使用されるポリアクリル酸系SAP等のハイドロゲル形成物質は、尿やその他の水溶液よりも水を、はるかに効率的に吸収する。即ち、尿やその他の水溶液を吸収するには、同じ体積の水を吸収する場合よりも相当に多くのポリアクリル酸系ポリマーを要する。これらSAPの性能は、塩基性緩衝液(例えばpH10)および酸性緩衝液(例えばpH4)である水溶液においても、ひどく減少する。本発明のヒドロキシポリアミドゲル形成物質の性能は、ハイドロゲル形成において水、水性塩溶液、水性酸溶液、水性塩基溶液、水性酸緩衝液、または水性塩基緩衝液が使用された場合、同程度である。一般的に、SAPのハイドロゲル形成性能は、溶解塩の存在下において大幅に損なわれる一方で、ヒドロキシポリアミドまたはヒドロキシポリアミド生成物系ゲル形成物質のハイドロゲル形成性能は、同じ条件下において改善される、不変である、または最悪でも最小限にしか低下しない。ヒドロキシポリアミドまたはヒドロキシアミド生成物系ゲル形成物質は、広範囲のpH、および水性媒体中、実用的かつ改善したハイドロゲルの応用を提供する性質を与える溶解物質の存在下で、有効性を示すことができる。
【0021】
いくつかのヒドロキシポリアミドまたはヒドロキシポリアミド生成物は、先ずは少量が有機溶媒に溶解され、次に水または水溶液と合わさることによりゲルを形成することが分かった。他のハイドロゲル形成剤は、直接水または水溶液に溶解されることにより機能した。他のゲルは、直接非水性液体中で形成された。
【0022】
水または水溶液に易溶性のいくつかのヒドロキシポリアミドまたはヒドロキシポリアミド生成物は、結果として得られる水溶液を塩基性にした際にゲルを形成することが分かった。ゲルは、塩または非塩である一つまたは複数の溶解した物質を含む有機液体、水性/有機液体溶液、および水溶液より形成することができる。
【0023】
本発明のヒドロキシポリアミドおよびヒドロキシポリアミド生成物は液体と接触した場合にゲルを形成する。液体は、水性(水)および/または非水性(有機)液体であり得る。液体は、水性または非水性の単一の液体であり得る。液体は、水性および/または非水性の複数の液体であり得る。液体は、組み合わせた水性および非水性液体であり得る。
【0024】
液体は、溶解されているおよび/または溶解されていない一つ以上の物質、固体、および/または液体を含む水性および/または非水性の単一の液体であり得る。液体は、溶解されている、または溶解されていない一つ以上の物質、固体、および/または液体を含む水性および/または非水性の複数の液体であり得る。溶解されている、または溶解されていない物質は、尿、血液、粘液、またはその他の体液を含むが、それらに限定されない、哺乳動物体液であり得る。溶解されている、または溶解されていない物質は、生物系に適用した場合にその適切な生物系にいくらかの変化、特に有益な変化、をもたらすことが可能な有機物質、非有機物質、または有機:非有機の複合物質、またはその混合物である薬剤などの剤であり得る。溶解されている、または溶解されていない物質は、肥料または肥料成分、殺虫剤または殺虫剤成分、除草剤または除草剤成分、栄養分、微量金属またはその他の物質、有機物質、非有機物質、または有機/非有機を組み合わせた物質、またはそれらの組み合わせなどの剤であり得、適用した場合に、いくらかの化学的、物理的、または生化学的変化を適用した場所の周囲の環境(土壌、地面、地下、並びに小川、川、池、湖、および海水を含む水系を含むがそれらに限定されない、水塊)にもたらし、特に、その環境に見られる生物系にいくらかの有益な変化をもたらすことが可能である。これらの生物系は、植物界および/または動物界からのものであり得る。
【0025】
ゲル形成特性は、既に報告されている調製方法により形成されたヒドロキシポリアミド(米国特許第6,894,135 B2号;Kiely, 1994;米国特許第5,434,233号;Morton, 2000;Smith, 2006;およびSmith, 2007)またはここに記載のヒドロキシポリアミド生成物によるものである。既に報告されている調製方法(米国特許第6,894,135 B2号;およびKiely, 1994)により形成されたプレ‐ヒドロキシポリアミドにおいて、中程度から非常に良好なハイドロゲル形成特性が見出されている。重合を開始するためにトリエチルアミン等の三級アミンよりも強力な塩基をアンモニウムの脱プロトン化工程において使用する最近の調製方法(米国特許第6,894,135 B2号)を改変した方法により形成されたヒドロキシポリアミド生成物において、非常に良好なハイドロゲル形成特性が見出されている(Smith, 2006;およびSmith, 2007)。三級アミンよりも強力な塩基である好ましい塩基はアルコキシド塩基である。アルコキシド塩基の好ましい陽イオン部分は、金属陽イオンである。しかしながら、アルコキシド塩基の陽イオン部分は、金属陽イオンに限定されず、有機陽イオンであり得る。金属陽イオンは、ナトリウム、カリウム、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、およびカルシウム陽イオンを含むがこれらに限定されない。
【0026】
ポスト‐ヒドロキシポリアミド(米国特許第6,894,135 B2号)のハイドロゲル形成特性は、無機塩および/もしくは有機塩ならびに/または無機および有機構造成分により構成される塩を含む添加された塩の存在下において改善することができる。ポスト‐ヒドロキシポリアミドのハイドロゲル形成の特徴を改善する無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウム塩を含むが、これらに限定されない。ポスト‐ヒドロキシポリアミドのハイドロゲル形成の特徴を改善する有機塩は、アルキレンジアンモニウム二X塩(ここで二Xは、二つの塩化物イオン等の二つの一般的なモノアニオン、または硫酸塩等の一つの一般的なジアニオン)、カルボン酸、ジカルボン酸、およびポリカルボン酸由来の塩を含むが、これらに限定されない。
【0027】
水性液体および有機液体用のゲル化剤として有用な、本明細書で開示されるヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドには、一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する一つのポリ酸および一つのポリアミン、例えば、ヘキサメチレンジアミンおよびD‐グルカル酸、に由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが含まれる。
【0028】
更に、本発明によれば、一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する一つのポリ酸および二つ以上のポリアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドは有用である。その例としては、D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:5、1:4、1:3、および1:2のエチレンジアミン/ヘキサメチレンジアミン;D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:4、1:3、1:2、および1:1のテトラメチレンジアミン/ヘキサメチレンジアミン;D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:1のテトラメチレンジアミン/オクタメチレンジアミン;D‐グルカル酸およびポリアミン比が4:1のテトラメチレンジアミン/ドデカメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが含まれる。
【0029】
一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する二つ以上のポリ酸および一つのポリアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドもゲル形成剤として有用であり、ポリ酸比が1:6のキシラル酸/D‐グルカル酸およびヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドを含むが、これらに限定されない。
【0030】
また、一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する二つ以上のポリ酸および二つ以上のポリアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドも本発明によれば有用である。例えば、ポリ酸およびポリアミン比が1:4であるキシラル酸/D‐グルカル酸およびテトラメチレン/ヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが挙げられる。
【0031】
本発明による有用なポリマーには、一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する一つ以上のポリ酸および一つのポリアミンに由来し、ジアミンまたはポリアミン中の一つ以上のメチレン単位がN、O、P、またはS等のヘテロ原子に交換されている、ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが含まれる。
【0032】
一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する一つのポリ酸および二つ以上のポリアミンに由来し、ポリアミン中の一つ以上のメチレン単位がN、O、P、またはS等のヘテロ原子に交換されている、ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドもゲル形成剤として有用である。その例としては、D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:4、1:3、1:2、2:3、および1:1の4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン/ヘキサメチレンジアミン;D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:2の3’,6’‐ジオキサオクタメチレンジアミン/ヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが挙げられる。
【0033】
一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する二つ以上のポリ酸および二つ以上のポリアミンに由来し、ポリアミン中の一つ以上のメチレン単位がN、O、P、またはS等のヘテロ原子に交換されている、ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。
【0034】
D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:1の2‐メチルペンタメチレンジアミン/ヘキサメチレンジアミン;D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:3のL‐リジン/ヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドを含むが、それに限定されない、一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する一つ以上のポリ酸およびポリアミン中の炭素またはヘテロ原子上に一つ以上のペンダント基を含む一つ以上のポリアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドも本発明によれば有用である。
【0035】
少なくとも一つのペンダントヒドロキシル基を有する一つまたは複数のポリ酸、および少なくとも一つのポリアミンモノマーが二つ以上の反応性アミノ基を含む一つ以上のポリアミンに由来する分岐ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドも本発明によれば有用である。その例としては、D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:4のトリス(2‐アミノエチル)アミン/ヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが挙げられる。
【0036】
一つ以上のペンダントヒドロキシル基を有する一つのポリ酸および二つ以上のポリアミンに由来する荷電ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドは本発明によれば有用である。その例としては、D‐グルカル酸およびポリアミン比が1:4、1:3、および1:2の4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン/ヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドの塩酸塩;およびD‐グルカル酸およびポリアミン比が1:3のL‐リジン/ヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドのナトリウム塩が挙げられる。
【0037】
電荷を化学的に変化させた際にゲルが形成される、一つ以上のポリ酸および一つ以上のポリアミンに由来する荷電ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミド。その例としては、塩基で処理された、D‐グルカル酸およびポリアミン比が2:3、および1:2の4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアミン/ヘキサメチレンジアミンに由来するヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドの塩酸塩の溶液が挙げられる。
【0038】
前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドは、溶解されているかまたは溶解されていない、無機物質、有機物質、生体物質、またはその組み合わせを含む物質と組み合わせてゲル形成剤として利用できる。
【0039】
更に、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、および銀の群より得られる一つ以上の陽イオン、ならびにフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、グルカル酸イオン、および酢酸イオンの群より得られる一つ以上の陰イオンからなる、陽イオン陰イオンの組み合わせを含むがこれに限定されない塩と組み合わせたヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドは、ゲル形成剤として使用できる。その例としては、塩化ナトリウムと組み合わせた前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが挙げられる。
【0040】
尿を含有する水溶液用のゲル形成剤としては、前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドが挙げられる。
【0041】
一カリウムリン酸塩および硝酸カリウム等の一般的な肥料の成分を含む水溶液のためのゲル形成剤は、前記ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドを含む。
【0042】
以下の実施例は、本発明の構成および方法の両方を更に説明するために示すものであり、制限するものではない。
【実施例】
【0043】
ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト‐ヒドロキシポリアミドの合成、およびこれらを用いたゲル調製の実験手順
一般的方法
一カリウムD‐グルカル酸塩およびナトリウムメトキシド溶液(NaOMe)(メタノール中0.5M)は市販の製品を使用した。メチルD‐グルカル酸1,4‐ラクトンは、以前にも述べられているとおりに(Kiely, 1994)調製された。いくつかの糖鎖二酸およびジアミンまたはポリアミンは、必要に応じて調製された。その他の市販の化学物質および溶媒は、更に精製することなく使用した。溶液は、回転式蒸発装置および30℃の水浴を使用し、減圧(15〜20mbar)下で濃縮した。pHは、Micro Essential Laboratory(米国、ニューヨーク州、ブルックリン)製のpHydrion紙を用いて見積もられた。
【0044】
ゲル形成および分類
ゲル形成は、4mLのねじ口バイアル中で実施した。バイアルを逆さにした際に安定を保持すれば、混合物は、ゲルとして分類された。ゲルは更に、ゲルを作るために必要な物質の量に応じて、非常に良好、良好、および中程度に分類された。非常に良好なゲルは、液体の量、約99.25%(体積)以上、と比較して、約0.75%(重量)以下のゲル形成物質を使用して形成された。良好なゲルは、液体の量、約99.2%〜98.5%(体積)、と比較して、約0.8%〜1.5%(重量)のゲル形成物質を使用して形成された。中程度のゲルは、液体の量、約98.4%〜95.0%(体積)、と比較して、約1.6%〜5.0%(重量)のゲル形成物質を使用して形成された。
【0045】
アルダル酸アルキレンジアンモニウムまたはその誘導体からのヒドロキシポリアミド生成物の合成の代表例
工程1―アルダル酸アルキレンジアンモニウム、またはアルキレンジアンモニウム単位の一つ以上のメチレン単位が一つ以上のヘテロ原子に交換されたアルダル酸アルキレンジアンモニウムの調製。工程2―工程1より得られる塩生成物のエステル化および塩基化。
【0046】
実施例1:ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド生成物
工程1:D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム
陽イオン交換樹脂(70mL、0.14mol、Dowex 50WX8-100、2.1meq/mL)の酸は、脱イオン水(3×150mL)で洗い流した。一カリウムD‐グルカル酸塩(20.00g、80.57mmol)を洗浄した樹脂の水懸濁液(100mL)に加え、この混合物を10分間振動させた。濾過することにより樹脂を取り除き、これを水(3×20mL)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液にヘキサメチレンジアミン(9.77g、84.1mmol)を加え、その結果得られた溶液を3時間攪拌し、次に粘稠性のシロップとなるまで濃縮した。このシロップにメタノール(200mL)を加え、全てのオイルが微細な白色固体として沈殿するまで(18時間)この混合物を攪拌した。濾過することにより沈殿物を単離し、メタノール(3×20mL)で洗浄し、減圧下で18時間乾燥させることにより、D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(24.02g、73.60mmol、91.33%)を得た。
【0047】
工程2:ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド生成物
塩化アセチル(2.0mL、28mmol)を0℃でメタノール(45mL)に滴下して加え、この溶液を室温まで昇温させ(10分)、その後D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(2.29g、7.02mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した後、濃縮し固体とした。減圧下で18時間にわたり乾燥させた後、固体を再度メタノールに溶解した(20mL)。このメタノール溶液にナトリウムメトキシド溶液(26mL、13mmol)およびトリエチルアミン(Et3N)(0.49mL、3.5mmol)を加えると30分以内に沈殿物が見られた。この混合物を室温で24時間攪拌した後、濾過することにより沈殿物を単離し、これをメタノール(3×10mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させ、ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ポリヒドロキシポリアミド生成物(1.52g、5.24mmol、74.6%)を得た。
【0048】
ポリ(Cx:CyD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド生成物の代表的な合成
CxおよびCyは、様々な非環式または環式アルキレン単位または非環式アルキレン単位またはアルキル化されたかあるいは別の置換基を有するアルキレン単位、および/または一つ以上のヘテロ原子(例えば、N、O、P、またはS等)で交換されたアルキレン単位、および/または未置換および/またはアルキル化されたかあるいは別の置換基を有するペンダントメチレン単位を有するアリールアルキル単位、および/または未置換および/またはアルキル化されたかあるいは別の置換基を有するペンダントメチレン単位を有する様々な構造を有する炭素環式または複素環式単位を表す。置換されていてもよいメチレン単位はそれぞれ、ポリアミド中のアミド単位の窒素原子に連結している。
【0049】
実施例2:ポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミド生成物
工程1:D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウムおよびD‐グルカル酸エチレンジアンモニウム
実施例1、工程1の方法を参照されたい。
【0050】
工程2:ポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミド生成物
塩化アセチル(1.0mL、14mmol)を0℃でメタノール(25mL)に滴下して加えた。この溶液を室温まで昇温させ(10分)、その後D‐グルカル酸エチレンジアンモニウム(0.19g、0.70mmol)およびD‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(0.92g、2.8mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した後、濃縮し固体とした。減圧下で18時間にわたり乾燥させた後、固体を再度メタノール(10mL)に溶解した。このメタノール溶液にナトリウムメトキシド溶液(13mL、6.5mmol)およびトリエチルアミン(0.25mL、1.8mmol)を加えると45分以内に沈殿が見られた。この混合物を室温で24時間攪拌した後、濾過することにより沈殿物を単離し、これをメタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させ、ポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミド生成物(0.70g、71%)を得た。
【0051】
実施例3:ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド生成物
工程1:D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウムおよびD‐グルカル酸4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアンモニウム
実施例1、工程1の方法を参照されたい。
【0052】
工程2:ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド生成物
塩化アセチル(1.0mL、14mmol)を0℃でメタノール(25mL)に滴下して加えた。この溶液を室温まで昇温させ(10分)、その後D‐グルカル酸4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレンジアンモニウム(0.50g、1.4mmol)およびD‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(0.69g、2.1mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した後、濃縮し固体とした。減圧下で18時間にわたり乾燥させた後、固体を再度メタノールに溶解した(10mL)。このメタノール溶液にナトリウムメトキシド溶液(13mL、6.5mmol)およびトリエチルアミン(0.25mL、1.8mmol)を加えると45分以内に沈殿物が見られた。この混合物を室温で24時間攪拌した後、濾過することにより沈殿物を単離し、メタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させ、ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド生成物(0.54g、49%)を得た。
【0053】
実施例4:ポリ(トリス[エチレン]アミノ:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミド生成物
工程1a:D‐グルカル酸トリス(エチレンアンモニウム)アミノ
陽イオン交換樹脂(8.0mL、17mmol、Dowex 50WX8-100、2.1meq/mL)の酸は、脱イオン水(3×15mL)で洗い流した。一カリウムD‐グルカル酸塩(2.49g、10.0mmol)を洗浄した樹脂の水懸濁液(20mL)に加え、この混合物を10分間振動させた。濾過することにより樹脂を取り除き、これを水(3×10mL)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液にトリス(2‐アミノエチル)アミン(1.0mL、6.7mmol)を加え、その結果得られた溶液を3時間攪拌し、次に粘稠性のシロップとなるまで濃縮した。このシロップにメタノール(20mL)を加え、全てのオイルが微細な白色固体として沈殿するまで(18時間)この混合物を攪拌した。濾過することにより沈殿物を単離し、メタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間乾燥させることにより、D‐グルカル酸トリス[エチレンアンモニウム]アミノ(2.77g、90%)を得た。
【0054】
工程1b:D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム
実施例1、工程1の方法を参照されたい。
【0055】
工程2:ポリ(トリス[エチレン]アミノ:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミド生成物
塩化アセチル(1.0mL、14mmol)を0℃でメタノール(25mL)に滴下して加えた。この溶液を室温まで昇温させ(10分)、その後D‐グルカル酸トリス(エチレンアンモニウム)アミノ(0.32g、0.7mmol)およびD‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(0.92g、2.8mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した後、濃縮し固体とした。減圧下で18時間にわたり乾燥させた後、固体を再度メタノールに溶解した(11mL)。このメタノール溶液にナトリウムメトキシド溶液(14mL、7.0mmol)およびトリエチルアミン(0.49mL、3.5mmol)を加えると5分以内に沈殿物が見られた。この混合物を室温で24時間攪拌した後、濾過することにより沈殿物を単離し、これをメタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させることにより、ポリ(トリス[エチレン]アミノ:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミド生成物(0.75g、68%)を得た。
【0056】
ポリ(Cx:Am:An)ヒドロキシポリアミド生成物の代表的な合成
AmおよびAnは、様々な非環式または環式アルキレン単位または非環式アルキレン単位またはアルキル化されたかあるいは別の置換基を有するアルキレン単位、および/または一つ以上のヘテロ原子(例えば、N、O、P、またはS等)で交換されたアルキレン単位、および/または未置換および/またはアルキル化された、あるいは別の置換基を有するペンダントメチレン単位を有するアリールアルキル単位、および/または未置換および/またはアルキル化されたかあるいは別の置換基を有するペンダントメチレン単位を有する様々な構造の炭素環式または複素環式単位を表す。置換されていてもよいメチレン単位はそれぞれポリアミド中のアミド単位のカルボニル炭素原子に連結している。
【0057】
実施例5:ポリ(ヘキサメチレンキシラルアミド:D‐グルカルアミド)(1:6)ヒドロキシポリアミド生成物
工程1a:キシラル酸ヘキサメチレンジアンモニウム
ヘキサメチレンジアミンのメタノール溶液(110mL、0.5M)をキシラル酸のメタノール溶液(100mL、0.5M)に加えた。急速に形成された沈殿物を3時間攪拌し、次にそれを濾過することにより単離し、メタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させることによりキシラル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(13.33g、90%)を得た。
【0058】
工程1b:D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム
実施例1、工程1の方法を参照されたい。
【0059】
工程2:ポリ(ヘキサメチレンキシラルアミド:D‐グルカルアミド)(1:6)ヒドロキシポリアミド生成物
塩化アセチル(2.0mL、28mmol)を0℃でメタノール(50mL)に滴下して加えた。この溶液を室温まで昇温させ(10分)、その後キシラル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(0.31g、1.0mmol)およびD‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(1.95g、5.97mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した後、濃縮し固体とした。減圧下で18時間にわたり乾燥させた後、固体を再度メタノールに溶解した(24mL)。このメタノール溶液にナトリウムメトキシド溶液(26mL、13mmol)およびトリエチルアミン(0.49mL、3.5mmol)を加えると20分以内に沈殿物が見られた。この混合物を室温で24時間攪拌した後、沈殿物を濾過することにより単離し、これをメタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させることにより、ポリ(ヘキサメチレンキシラルアミド:D‐グルカルアミド)(1:6)ヒドロキシポリアミド生成物(1.51g、60%)を得た。
【0060】
ポリ(Cx:Cy/Am:An)ヒドロキシポリアミド生成物の代表的な合成
実施例6:ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレン/キシラルアミド:D‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミド生成物
工程1a:キシラル酸テトラメチレンジアンモニウム
実施例1、工程1の方法を参照されたい。
【0061】
工程1b:D‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム
実施例1、工程1の方法を参照されたい。
【0062】
工程2:ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレン/キシラルアミド:D‐グルカルアミド)(1:4/1:4)ヒドロキシポリアミド生成物
塩化アセチル(2.0mL、28mmol)を0℃でメタノール(50mL)に滴下して加えた。この溶液を室温まで昇温させ(10分)、その後キシラル酸テトラメチレンジアンモニウム(0.38g、1.5mmol)およびD‐グルカル酸ヘキサメチレンジアンモニウム(1.83g、5.62mmol)を加えた。この溶液を室温で3時間攪拌した後、濃縮し固体とした。減圧下で18時間にわたり乾燥させた後、固体を再度メタノールに溶解した(24mL)。このメタノール溶液にナトリウムメトキシド溶液(26mL、13mmol)およびトリエチルアミン(0.49mL、3.5mmol)を加えると30分以内に沈殿が見られた。この混合物を室温で24時間攪拌した後、沈殿物を濾過することにより単離し、メタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させ、ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレン/キシラルアミド:D‐グルカルアミド)(1:4/1:4)ヒドロキシポリアミド生成物(1.32g、68%)を得た。
【0063】
カルボキシル基が活性化されたアルダル酸、およびアルキレンジアミン、置換されたアルキレンジアミン、またはアルキレン単位の一つ以上のメチレン単位が一つ以上のヘテロ原子に交換されているアルキレンジアミンからのヒドロキポリアミド合成の代表例
実施例7:ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド
ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド
ヘキサメチレンジアミン(HMDA)(0.21g、1.8mmol)をメタノール(25mL)に溶解したメチルD‐グルカル酸1,4‐ラクトン(0.35g、1.7mmol)を加えた。この溶液は15分以内で濁った。24時間攪拌した後、濾過することにより固体であるポリマーを単離し、メタノールで洗浄し(3×5mL)、減圧下で18時間にわたり乾燥させることにより、ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド(0.34g、69%)を得た。
【0064】
実施例8:ポリ[ナトリウム(S)‐2‐カルボキシラート‐ペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド](1:3)ヒドロキシポリアミド
ポリ[ナトリウム(S)‐2‐カルボキシラート‐ペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド](1:3)ヒドロキシポリアミド
ナトリウムメトキシド溶液(4.6mL、2.3mmol)をメタノール(20mL)に懸濁したL‐リジン一塩酸塩(0.21g、1.1mmol)に加えた。固体が溶解した後、メチルD‐グルカル酸1,4‐ラクトン(0.94g、4.6mmol)を加えた。この溶液は25分以内で濁った。2時間後、この混合物にメタノール(25mL)中のヘキサメチレンジアミン(0.40g、3.4mmol)を加えた。急速に更なる沈殿物が形成された。24時間攪拌した後、固体であるポリマーを濾過により単離し、メタノール(3×20mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させることにより、ポリ[ナトリウム(S)‐2‐カルボキシラート‐ペンタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド](1:3)ヒドロキシポリアミド(1.15g、82%)を得た。
【0065】
電荷のあるヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミドの合成の代表例
実施例9:ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド塩酸塩
ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド塩酸塩
ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド(0.11g)を水(2mL)に溶解した。結果として得られた溶液(pH9)にHCl水溶液(0.14mL、1.0M)を加えた。この溶液(pH2)を15分間攪拌し、透明な薄膜となるまで濃縮した。薄膜をメタノールで倍散し、減圧下で18時間にわたって乾燥させることによりポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド塩酸塩(0.064g)を白色無定形固体として得た。
【0066】
ポスト‐ヒドロキシポリアミドの合成の代表例
実施例10:ポリ(ヘキサメチレン:D‐グルカルアミド)ポスト‐ヒドロキシポリアミド
ポリ(ヘキサメチレン:D‐グルカルアミド)ポスト‐ヒドロキシポリアミド
エチレングリコール(4.5mL)およびトリエチルアミン(0.75mL)をジメチルスルホキシド(DMSO)(4.5mL)に溶解したポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド(0.50g)に60℃で加えた。この溶液は15分以内で濁った。60℃で18時間攪拌した後、この混合物をメタノール(15mL)で希釈し、室温まで冷ました。得られた沈殿物を濾過により単離し、メタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させることにより、ポリ(ヘキサメチレン D‐グルカルアミド)ポスト‐ヒドロキシポリアミド(0.41g、82%)を得た。
【0067】
実施例11:ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:1)ポスト‐ヒドロキシポリアミド
ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:1)ポスト‐ヒドロキシポリアミド
エチレングリコール(0.9mL)およびトリエチルアミン(0.15mL)をジメチルスルホキシド(DMSO)(0.9mL)に溶解したポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:1)ヒドロキシポリアミド(0.10g)に60℃で加えた。60℃で18時間攪拌した後、この混合物をメタノール(15mL)で希釈し、室温まで冷ました。得られた沈殿物を濾過により単離し、メタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で18時間にわたり乾燥させることにより、ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:1)ポスト‐ヒドロキシポリアミド(0.06g、60%)を得た。
【0068】
ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミドを用いたゲル調製の代表例
実施例12:ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミドを用いたハイドロゲル調製
水(0.95mL)をDMSO(0.05mL)に溶解したポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド(7.5mg)に加えた。手短に混ぜた後、溶液を静置した。急速に濁りが生じ、典型的には10分以内に不透明なゲルが形成された。
【0069】
実施例13:ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ポスト‐ヒドロキシポリアミドおよび塩化ナトリウムを用いたハイドロゲル調製
ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ポスト‐ヒドロキシポリアミド(7.6mg)をDMSO(0.05mL)に溶解した。この溶液に塩化ナトリウム(4.5mg)を加えた後、水(0.95mL)を加えた。塩化ナトリウムを溶解するために手短に混ぜた後、溶液を静置した。急速に濁りが生じ、10分以内に不透明なゲルが形成された。
【0070】
実施例14:ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミドを用いたオルガノゲル調製
ポリ(ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド(25mg)をエチレングリコール(1mL)に加温(70-80℃)しながら溶解した。その結果得られる溶液は静置し、室温まで冷ました。数分後、濁りが生じ、10分以内に不透明なゲルが形成された。
【0071】
実施例15:ポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミドを用いたハイドロゲル調製
ポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:4)ヒドロキシポリアミドを(7.5mg)を加熱(70〜80℃)しながら水に溶解した。この溶液を静置させると、数時間かけて透明なゲルが形成された。
【0072】
ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミドを用いた、pH依存性ゲル形成の代表例
実施例16:ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:1)ヒドロキシポリアミドを用いたpH依存性ハイドロゲル調製
HCl水溶液(0.28mL、0.1M)を水(0.16mL)に懸濁したポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:1)ヒドロキシポリアミド(25mg)に加えた。結果として得られた溶液(pH2)にNaOH水溶液(0.42mL、0.1M)を加えた。手短に混ぜた後、この溶液(pH8)を静置させると、数時間かけて透明なゲルが形成された。
【0073】
実施例17:ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド塩酸塩を用いたpH依存性ハイドロゲル調製
ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(2:3)ヒドロキシポリアミド塩酸塩(10mg)を室温で水(0.25mL)に溶解した。結果として得られた溶液(pH4)に炭酸ナトリウム水溶液(0.75mL、1%wgt/vol)を加えた。手短に混ぜた後、この溶液(pH10)を静置させると、数時間かけて透明なゲルが形成された。
【0074】
塩水溶液中のヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、またはポスト‐ヒドロキシポリアミドを用いたゲル形成の代表例
実施例18:ポリ(エチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミドおよびヒト尿を用いたハイドロゲル調製
ポリ(エチレン/ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:2)ヒドロキシポリアミド(20mg)を加熱(70〜80℃)しながらヒト尿(1mL)に溶解した。この溶液を静置させると、数時間かけてやや不透明なゲルが形成された。
【0075】
実施例19:ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミドおよび硝酸カリウム溶液を用いたハイドロゲル調製
ポリ(4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:3)ヒドロキシポリアミド(20mg)を加熱(70〜80℃)しながら3%(wgt/vol)硝酸カリウム溶液(1mL)に溶解した。この溶液を静置させると、45分以内にやや不透明なゲルが形成された。
【0076】
実施例20:ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミドおよびリン酸二水素カリウム/硝酸カリウム溶液を用いたハイドロゲル調製
ポリ(テトラメチレン:ヘキサメチレンD‐グルカルアミド)(1:2)ヒドロキシポリアミド(20mg)を加熱(70〜80℃)しながら2%(wgt/vol)リン酸二水素カリウム/1%(wgt/vol)硝酸カリウム溶液(1mL)に溶解した。この溶液を静置させると、45分以内にやや不透明な生成物が形成された。
【0077】
(表1)異なる方法により様々な液状媒体中で調製されたポリ(ヘキサメチレン D-グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド、ヒドロキシポリアミド生成物、およびポスト-ヒドロキシポリアミドのゲル形成能力の比較
(下記表中、上から5〜10行目のゲル形成剤としてHPAPを含む例は、本願発明の実施例であり、その他の例は前記実施例に関する比較例である。
a溶液中でゲルを形成するために必要なポリヒドロキシポリアミドの最低濃度(wgt/vol)に基づく。非常に良好―≦0.75%;良好―0.8から1.5%;中程度―1.6から5.0%。
b実施例7およびKiely, 1994に記載のヒドロキシポリアミド(HPA)合成。
c実施例12に記載のゲル調製。
dポリ(ヘキサメチレン:D-グルカルアミド)に加えて、添加された塩化ナトリウム(3〜5mg)。
e実施例13に記載のゲル調製。
f米国特許第6,894,135 B2号に記載のプレ-ヒドロキシポリアミド(プレ-HPA)の合成
g実施例1に記載のヒドロキシポリアミド生成物(HPAP)の合成
h実施例14に記載のゲル調製
i実施例10および米国特許第6,894,135 B2号に記載のポスト-ヒドロキシポリアミド(ポスト-HPA)の合成

【0078】
(表2)一つのポリ酸および二つのポリアミンに由来するポリ(Cx:CyD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド生成物のハイドロゲル形成能力
(下記表中のポリ(Cx:CyD‐グルカルアミド)ヒドロキシポリアミド生成物はすべて本発明実施例である)
a実施例15に記載のゲル調製。
b表1、ゲル形成能力参照。
cエチレン:ヘキサメチレン
dテトラメチレン:ヘキサメチレン
e4’‐アザ‐4’‐メチルヘプタメチレン:ヘキサメチレン
f3’,6’‐ジオキサオクタメチレン:ヘキサメチレン
g3’‐アザ‐3’‐エチレンペンタメチレン:ヘキサメチレン
h2‐メチルペンタメチレン:ヘキサメチレン
iナトリウム(S)‐2‐カルボキシラート‐ペンタメチレン:ヘキサメチレン
jテトラメチレン:オクタメチレン
kテトラメチレン:ドデカメチレン

【0079】
(表3)二つのポリアミンおよび二つのポリ酸に由来するポリ(Cx:Cy/Am:An)ヒドロキシポリアミド生成物のゲル形成能力
(下記表中のポリ(Cx:Cy/Am:An)ヒドロキシポリアミド生成物はすべて本発明実施例である)
a表1、ゲル形成能力参照。
b実施例12に記載のゲル調製。
cテトラメチレン:ヘキサメチレン。
dキシラルアミド:D‐グルカルアミド。
e実施例15に記載のゲル調製。
【0080】
前記の実施例は単に本発明を説明するためのものであることは、理解されるであろう。採用されている事項および/または方法に特定の改変を行っても、本発明の目的は達成することができる。そのような改変は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内に含まれる。
【0081】

参考文献