(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の電極層が、マンガン酸ランタン・ストロンチウム(LSM)材料を含むカソード層であり、前記第1のボンディング層が、さらに、マンガン酸ランタン・ストロンチウム(LSM)材料を含む、請求項8記載の固体酸化物型燃料電池スタック。
前記第2の電極層が、ニッケルと、イットリア安定化したジルコニアとを含むアノード層であり、前記第1のボンディング層が、さらに、ニッケルを含む、請求項8記載の固体酸化物型燃料電池スタック。
前記第1のボンディング層または前記第2のボンディング層を形成するイットリア安定化したジルコニア粉末の99体積%以上の粒子が、10μm未満の粒径の直径を有する、請求項8記載の固体酸化物型燃料電池スタック。
【発明を実施するための形態】
【0014】
異なる図における同一の参照符号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【0015】
本開示は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)物品、例えば、SOFCスタックおよび、SOFCスタックを形成する方法に関する。特定の粒径分布(PSD)のイットリア安定化したジルコニア(YSZ)を含む材料が、SOFCスタックの異なるSOFCセルにおける相互接続層と電極との間に配置されるボンディング層に使用され得る。このようなYSZ粉末から形成されたボンディング層を含む相互接続セルは、改善された長期性能を示し得る。
【0016】
図1を参照すると、固体酸化物型燃料電池スタックの相互接続セルを形成する方法の具体的な実施形態が説明され、全体として100と指定される。方法100は、102において、未焼成の相互接続セルを形成する工程を含む。具体的な実施形態では、前記未焼成の相互接続セルは、0.7μmより大きくあり得るd
50および1.5μm以上であり得るd
90の、単峰性のPSDを有するYSZ粉末;より好ましくは、1μmより大きくあり得るd
50および2μmより大きくあり得るd
90を有し得るYSZ粉末を含む未焼成のボンディング層を備え得る。一部の実施形態では、前記YSZ粉末は、2μmより大きくあり得るd
50および4μmより大きくあり得るd
90を有し得る。具体的な実施形態では、前記未焼成の相互接続セルは、さらに、前記未焼成のボンディング層を覆う未焼成の相互接続層と、前記未焼成の相互接続層を覆う第2の未焼成のボンディング層とを備える。前記第2の未焼成のボンディング層は、0.7μmより大きくあり得るd
50および1.5μm以上であり得るd
90、より好ましくは、1μmより大きいd
50および2μmより大きいd
90の、単峰性のPSDを有するYSZ粉末を含み得る。一部の実施形態では、前記YSZ粉末は、2μmより大きくあり得るd
50および4μmより大きくあり得るd
90を有し得る。前記ボンディング層における粗い粒子は、パンクチャー効果を有する場合がある。したがって、具体的な実施形態では、前記未焼成のYSZ粉末の99体積%以上の粒子は、10μm未満の粒径の直径を有する。
【0017】
方法100は、さらに、104において、前記未焼成の相互接続セルを焼成して、一体化された、高密度の相互接続セルを形成する工程を含む。具体的な実施形態では、前記未焼成の相互接続セルを焼成する工程は、第1の未焼成のボンディング層、前記未焼成の相互接続層および第2の未焼成のボンディング層を焼成(例えば、自由焼成、加熱プレス)して、前記第1の未焼成のボンディング層、前記未焼成の相互接続層および前記第2の未焼成のボンディング層を一体的に結合する工程を含む。
【0018】
出願人らは、本願明細書における実施形態に基づいて形成されたボンディング層を含むSOFCユニットセル、例えば、相互接続セルが、改善された電気化学的特性を有し得ることを見出した。例えば、前記相互接続セルにおけるクラッキングが低減され得る。別の例として、前記相互接続セルは、動作中における面積固有抵抗(ASR)の低下に関して、改善された性能を示し得る。
【0019】
SOFCスタックにおける相互接続層の1つの機能は、電子が1つのセルから別のものに移動し得るように、電子導電体を提供するためのコネクタとしてのものである。前記相互接続層の別の機能は、前記アノード側における燃料ガス、例えば、H
2またはCH
4が、前記カソード側において、酸化剤、例えば、空気と直接混ざり合わないであろうことを確保するガスセパレータとしてのものである。前記相互接続層におけるあらゆるクラックは、電子伝導面積の低下の原因となる場合があり、ガスのクロスリークをさせる場合があり、電子導電体およびガスセパレータとしてのその機能を低下させる。このため、前記相互接続におけるあらゆるクラックは、防止されるべきである。
【0020】
前記相互接続層は、前記SOFCスタックの性能、例えば、出力密度が、面積固有抵抗(ASR)の用語において、前記相互接続層の抵抗に(部分的に依存して)反比例するように、電子導電体およびガスセパレータを提供する。前記相互接続セルのより高いASRは、前記SOFCスタックのより低い出力密度の原因となる場合がある。前記相互接続セルの経時的なASR低下は、SOFCスタック性能の低下、例えば、出力密度の低下をもたらす場合がある。したがって、低いASRを有する相互接続セルおよび低いASR低下は、SOFCスタックの性能の改善を可能にし得る。電気化学的(「E−chem」)試験は、前記相互接続セルのASRが、経時的に低下する、および/または、安定であるかどうか(すなわち、ASRの低下があるかどうか)を決定するのに使用され得る。
【0021】
本願明細書で使用する時、「定常状態」のASRの用語は、ASRが最も低くなる、長期ASR試験曲線上の領域を意味する。すなわち、ASR(オーム.cm
2)によるASR試験曲線が、Y軸上にプロットされ、時間(時間)が、X軸上にプロットされる。前記定常状態のASRは、おおよそゼロの傾斜を有する曲線の領域におけるASR値である。言い換えれば、前記定常状態のASRは、前記ASR値がY軸に沿って増加し始める時(すなわち、ASR「低下」が始まる時)に近い時間で測定されるASR値である。具体的な実施形態では、相互接続セルは、約600時間以上の動作の期間内に、定常状態のASRに達し得る。
【0022】
具体的な実施形態では、前記相互接続セルのASRは、約600時間以上、例えば、約700時間以上、約800時間以上、約900時間以上、約1000時間以上、約1100時間以上、約1200時間以上、約1300時間以上、約1400時間以上、約1500時間以上、またはさらに、約1600時間以上の期間内に、定常状態のASRに達し得る。
【0023】
本願明細書における実施形態に基づいて記載された層は、例えば、制限されず、キャスティング、堆積、印刷、押出、積層、ダイプレス、ゲル・キャスティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、ロール圧縮、射出成型およびそれらの組合せの技術により形成され得る。1つの具体的な例では、前記各層は、スクリーン印刷により形成され得る。別の実施形態では、前記各層は、テープ・キャスティング法により形成され得る。
【0024】
図2は、実施形態に基づくSOFCスタックにおける2つの電極間に配置された相互接続セル200の図を含む。具体的な実施形態では、
図2の相互接続セル200は、
図1の方法100により形成され得る。
【0025】
図2の相互接続セル200は、相互接続層202と、第1のボンディング層204と、第2のボンディング層206とを備える。第1のボンディング層204は、前記SOFCスタックにおける相互接続層202と第1の電極バルク層208との間に配置され得る。第2のボンディング層206は、前記SOFCスタックにおける相互接続層202と第2の電極バルク層210との間に配置され得る。すなわち、第1のボンディング層204は、相互接続層202を覆い得る。相互接続層202は、第2のボンディング層206を覆い得る。説明された実施形態では、ボンディング層204、206は、相互接続層202と直接接触している。
【0026】
第1の電極バルク層208は、第1のボンディング層204と直接接触し得る。第1のボンディング層204は、相互接続層202と直接接触し得る。相互接続層202は、第2のボンディング層206と直接接触し得る。第2のボンディング層206は、第2の電極バルク層210と直接接触し得る。
図2に説明される、例示となる非限定的な実施形態では、第1の電極バルク層208は、カソード・バルク層を備える。第1のボンディング層204は、カソード・ボンディング層を備える。さらに、第2の電極バルク層210は、アノード・バルク層を備える。第2のボンディング層206は、アノード・ボンディング層を備える。すなわち、
図2に説明される実施形態では、前記カソード・バルク層は、前記2つの電極バルク層間に配置された相互接続層202(および、関連するボンディング層204、206)と共に、前記アノード・バルク層を覆う。または、前記アノード・バルク層は、前記2つの電極バルク層間に配置された相互接続層202(および、関連するボンディング層204、206)と共に、前記カソード・バルク層を覆ってもよい。例示の目的のみのために、第1のボンディング層204および第1の電極バルク層208は、それぞれ、前記カソード・ボンディング層およびカソード・バルク層と呼ばれるであろう。同様に、第2のボンディング層206および第2の電極バルク層210は、それぞれ、前記アノード・ボンディング層およびアノード・バルク層と呼ばれるであろう。
【0027】
具体的な実施形態では、カソード・ボンディング層204の気孔率は、約5体積%以上、例えば、約6体積%以上、約7体積%以上、約8体積%以上、約9体積%以上、約10体積%以上、約11体積%以上、またはさらに、約12体積%以上であり得る。さらに、カソード・ボンディング層204の気孔率は、約60体積%以下、例えば、約55体積%以下、約50体積%以下、約45体積%以下、約43体積%以下、約41体積%以下、またはさらに、約40体積%以下でもよい。カソード・ボンディング層204は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内の気孔率を有してもよいことが理解されるであろう。
【0028】
具体的な実施形態では、アノード・ボンディング層206の気孔率は、約5体積%以上、例えば、約6体積%以上、約7体積%以上、約8体積%以上、約9体積%以上、約10体積%以上、約11体積%以上、またはさらに、約12体積%以上であり得る。さらに、アノード・ボンディング層206の気孔率は、約60体積%以下、例えば、約55体積%以下、約50体積%以下、約45体積%以下、約43体積%以下、約41体積%以下、またはさらに、約40体積%以下でもよい。アノード・ボンディング層206は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内の気孔率を有してもよいことが理解されるであろう。
【0029】
例示となる非限定的な実施形態として、カソード・ボンディング層204は、約100μm以下、例えば、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、またはさらに、約50μm以下の平均厚みを有し得る。さらに、カソード・ボンディング層204は、約5μm以上、約6μm以上、約7μm以上、約8μm以上、約9μm以上、またはさらに、約10μm以上の平均厚みを有してもよい。カソード・ボンディング層204は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内の平均厚みを有してもよいことが理解されるであろう。
【0030】
例示となる非限定的な実施形態として、アノード・ボンディング層206は、約100μm以下、例えば、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、またはさらに、約50μm以下の平均厚みを有し得る。さらに、アノード・ボンディング層206は、約5μm以上、約6μm以上、約7μm以上、約8μm以上、約9μm以上、またはさらに、約10μm以上の平均厚みを有してもよい。アノード・ボンディング層206は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内の平均厚みを有してもよいことが理解されるであろう。
【0031】
カソード・バルク層208は、少なくとも約0.10mm、例えば、少なくとも約0.15mm、例えば、少なくとも約0.20mm、またはさらに、少なくとも約0.25mmの平均厚みを有し得る。さらに、カソード・バルク層208は、約2mm以下、例えば、約1.9mm以下、約1.8mm以下、約1.7mm以下、約1.6mm以下、またはさらに、約1.5mm以下の平均厚みを有してもよい。カソード・バルク層208は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内の平均厚みを有してもよいことが理解されるであろう。
【0032】
アノード・バルク層210は、少なくとも約0.10mm、例えば、少なくとも約0.15mm、例えば、少なくとも約0.20mm、またはさらに、少なくとも約0.25mmの平均厚みを有し得る。さらに、アノード・バルク層210は、約2mm以下、例えば、約1.9mm以下、約1.8mm以下、約1.7mm以下、約1.6mm以下、またはさらに、約1.5mm以下の平均厚みを有してもよい。アノード・バルク層210は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内の平均厚みを有してもよいことが理解されるであろう。
【0033】
具体的な実施形態では、
図2で説明される各層は、未焼成の層として個々に形成され、互いに組み立てられ得る。または、前記層は、互いに連続して未焼成の状態で形成されてもよい。本願明細書において、「未焼成の」物品への言及は、焼きしまりまたは結晶成長に作用する焼成を受けていない材料への言及である。未焼成の物品は、乾燥しており、低含水量を有し得るが、焼成されていない、未焼成の物品である。未焼成の物品は、それ自体および、その上に形成された他の未焼成の層を支持するのに適した強度を有し得る。
【0034】
相互接続層202は、チタン酸ランタン・ストロンチウム(LST)材料を含んでもよい。例えば、相互接続層202は、1つ以上のドーパントを有するドープされたLST材料、例えば、La
0.2Sr
0.8TiO
3を含んでもよい。具体的な実施形態では、前記LST材料は、ニオブドープされたチタン酸ランタン・ストロンチウム(LSTN)材料でもよい。例えば、前記LSTN材料は、約0.01モル%以上、約1モル%以上、約2モル%以上または約3モル%以上のニオブドーパント含有量を有し得る。別の例としては、前記LSTN材料は、約17モル%以下、例えば、約16モル%以下、約15モル%以下、約14モル%以下、約13モル%以下、またはさらに、約12モル%以下のニオブドーパント含有量を有してもよい。前記ニオブドーパント含有量は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内であってもよいことが理解されるであろう。例示となる非限定的な実施形態では、前記ニオブドーパント含有量は、約8モル%(4モル%のNb
2O
5ドープされたLST、LSTN4.0)である。
【0035】
相互接続層202は、材料の、特に薄く、平坦な層であり得る。例えば、相互接続層202は、約100μm以下、例えば、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、またはさらに、約50μm以下の平均厚みを有し得る。さらに、相互接続層202は、約5μm以上、約6μm以上、約7μm以上、約8μm以上、約9μm以上、またはさらに、約10μm以上の平均厚みを有し得る。相互接続層202は、上記いずれの最小値と最大値との間の範囲内にあり得ることが理解されるであろう。
【0036】
相互接続層202は、本願明細書における実施形態に基づく相互接続セル200の形成を容易にする、特定の粒径を有する粉末状の相互接続材料から形成され得る。例えば、前記粉末状の相互接続材料は、約100ミクロン未満、例えば、約50ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、またはさらに、約1ミクロン未満の平均粒径を有し得る。さらに、具体的な例では、前記粉末状の相互接続材料の平均粒径は、少なくとも約0.01ミクロン、少なくとも約0.05ミクロン、少なくとも約0.08ミクロン、少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約0.2ミクロン、またはさらに、少なくとも約0.4ミクロンであり得る。前記粉末状の相互接続材料は、上記いずれの最小値と最大値との範囲内の平均粒径を有してもよいことが理解されるであろう。
【0037】
カソード・バルク層208についての材料としては、一般的には、マンガン酸ランタン材料があげられる。特に、前記カソードは、ペロブスカイト型結晶構造のカソード組成を与える、ドープされたマンガン酸ランタン材料から製造され得る。したがって、前記ドープされたマンガン酸ランタン材料は、式(La
1−xA
x)
yMnO
3−δで表される一般組成を有し、前記式中、前記ドーパント材料は、「A」で指定され、前記ペロブスカイト型結晶構造のA−部位上で、ランタン(La)に関する材料内で置換される。前記ドーパント材料は、アルカリ土類金属、鉛または、一般的には、約0.4と0.9オングストロームとの間の原子比を有する二価のカチオンから選択され得る。したがって、一実施形態に基づいて、前記ドーパント材料は、Mg、Ba、Sr、Ca、Co、Ga、PbおよびZrからなる元素の群から選択される。具体的な実施形態に基づいて、前記ドーパントは、Srであり、カソード・バルク層208は、LSMとして一般的に知られる、マンガン酸ランタン・ストロンチウム材料を含み得る。例示となる実施形態では、カソード・ボンディング層204は、LSM材料とイットリア安定化ジルコニアとを含み得る。前記ボンディング層における粗い粒子は、パンクチャー効果を有する場合がある。したがって、粗い粒子を実質的に含まない未焼成のLSM粉末が、カソード・ボンディング層204を形成するのに使用され得る。典型的な例としては、前記未焼成のLSM粉末における実質的に全て(すなわち、99体積%)のLSM粒子が、10μm未満の粒径の直径を有し得る。
【0038】
前記ドープされたマンガン酸ランタン・カソード材料の化学量論に関して、一実施形態に基づいて、存在する原子の種類、結晶構造内の空孔の割合および、原子の比、特に、前記カソード材料内のLa/Mnの比等のパラメータが、前記燃料電池の動作中に、前記カソード/電解質界面での導電性−制限組成の形成を管理するのに提供される。前記導電性−制限組成の形成は、前記セルの効率を低下させ、前記SOFCの寿命を低下させる。一実施形態に基づいて、前記ドープされたマンガン酸ランタン・カソード材料は、(La
1−xA
x)
yMnO
3−δを含み、xは、約0.5以下であり、yは、約1.0以下であり、La/Mn比は、約1.0以下である。前記ドープされたマンガン酸ランタン組成内のxの値は、前記構造内のLaについて置換されたドーパントの量を表す。さらに、前記カソードの化学量論に関して、前記一般式(La
1−xA
x)
yMnO
3−δにおけるyの値は、前記結晶格子内のA−部位上の原子の占有率を表す。別の考え方では、yの値は、1.0から差し引かれることもでき、前記結晶格子内のA−部位上の原子の空孔の割合を表す。この開示の目的について、1.0未満のyの値を有するドープされたマンガン酸ランタン材料は、前記結晶構造内のA−部位が100%占有でないため、「A−部位欠乏」構造と呼ばれる。
【0039】
具体的な実施形態では、前記ドーパント材料は、Sr(LSMカソード)である。その場合、前記カソードの組成は、(La
1−xSr
x)
yMnO
3−δであり、xが、約0.5以下、例えば、約0.4、0.3、0.2以下、またはさらに、約0.1以下、特に約0.3と0.05との間の範囲内である。具体的な実施形態では、前記yの値は、約1.0以下である。例示となる非限定的な実施形態では、xは、約0.2であり、yは、約0.98である。その場合、カソード・バルク層208は、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成を有するLSM材料を含む。前述の実施形態で提供されたように、A−部位欠乏の、ドープされたマンガン酸ランタン組成を有するカソードは、前記燃料電池の動作中における、前記カソード/電解質界面での導電性−制限組成の形成を低下させ得る。
【0040】
具体的な実施形態では、アノード・バルク層210は、サーメット材料、すなわち、セラミックと金属材料との組合せを含み得る。例えば、アノード・バルク層210は、ニッケルおよびYSZで形成され得る。前記ニッケルは、一般的には、前記アノードの前駆体、例えば、熱処理された未焼成のセラミック組成物に含まれるニッケル酸化物の還元により産生される。すなわち、アノード・バルク層210は、ニッケル酸化物およびYSZ(還元前)、または、ニッケルおよびYSZ(還元後)を含んでもよい。アノード・ボンディング層206も、ニッケル酸化物およびYSZ(還元前)、または、ニッケルおよびYSZ(還元後)を含んでもよい。前記ボンディング層における粗い粒子は、パンクチャー効果を有する場合がある。したがって、粗い粒子を実質的に含まない未焼成のNiO粉末が、アノード・ボンディング層206を形成するのに使用され得る。典型的な例としては、前記未焼成のNiO粉末における実質的に全て(すなわち、99体積%)のNiO粒子が、10μm未満の粒径の直径を有し得る。具体的な実施形態では、アノード・ボンディング層206を形成するのに使用される材料に含まれるYSZ粉末は、アノード・バルク層210を形成するのに使用される材料に含まれるYSZ粉末とは異なる粒径分布を有し得る
。
【0041】
電気化学的試験を、異なるPSD型を有するYSZ粉末から形成されたボンディング層を含む相互接続セルについて行った。前記粒径は、例えば、Horiba(Horiba Instruments,Inc.、Irvine、CA)からのPartica LA−950レーザーによる、レーザー散乱測定により取得され得る。
【0042】
比較例1
「18−5」YSZ粉末(Saint−Gobain Corp.から入手)を、試験用に選択した。前記18−5YSZ粉末は、0.71μmのd
10、3.66μmのd
50、9.31μmのd
90の二峰性のPSD型および1.2m
2/gの比表面積(SSA)を有する。
【0043】
未焼成の相互接続セルを焼成して、一体化された、高密度の相互接続セルを形成した。例示の目的で、
図2を参照すると、カソード・バルク層208は、約1350μmの厚みの、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成を有するLSM材料を含んだ。アノード・バルク層210は、ニッケル酸化物およびYSZを含み、約1350μmの厚みを有した。相互接続層202は、約11μmの合計厚みを有するLSTN4.0の1つの「層」を含んだ。
【0044】
カソード・ボンディング層204を、前記18−5YSZ粉末と、0.58μmのd
10、1.38μmのd
50、2.69μmのd
90および4.23m
2/gのSSAを有する、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成のLSM粉末とから形成した。焼成前の未焼成のカソード・ボンディング層の組成は、36.70重量%のLSM、55.05重量%のYSZおよび8.25重量%のカーボンブラック(焼成中における気孔形成材としてのc−ブラック)を含んだ。前記一体化された、高密度のカソード・ボンディング層204は、約25μmの厚みを有した。
【0045】
アノード・ボンディング層206を、前記18−5YSZ粉末と、0.46μmのd
10、0.74μmのd
50、1.50μmのd
90および3.43m
2/gのSSAのニッケル酸化物粉末とから形成した。焼成前の未焼成のアノード・ボンディング層の組成は、42.0重量%のNiOおよび58.0重量%のYSZを含んだ。前記一体化された、高密度のアノード・ボンディング層206は、約25μmの厚みを有した。
【0046】
図3Aを参照すると、SEM断面画像300は、電気化学的(「E−chem」)試験前の、前記一体化された、高密度の相互接続セルを図示する。
【0047】
前記E−chem試験は、設定された高温、例えば、800℃に、前記相互接続セルを加熱し、ついで、前記アノード側に燃料(H
2)を通過させ、前記カソード側に酸化剤(空気)を通過させて、設定された期間、前記高温で保持することを含んだ。前記アノード・バルク層および前記アノード・ボンディング層におけるNiOは、加熱および保持中に、前記H
2により、金属Niに還元される。一定の電流密度(例えば、0.3A/cm
2)を、2本の導電性ワイヤ(2つのプローブ)により、前記相互接続セルに印加し、2本の更なる導電性ワイヤ(2つの更なるプローブ)を、前記印加した電流により生じた前記相互接続セルの電圧を測定するのに使用した。これは、抵抗を測定する4−プローブ法と呼ばれる。ついで、前記セルの抵抗およびその中でもASR(オーム.cm
2)を、オームの方程式および相互接続セルの活性化領域により算出し得る。ASR低下を決定するために、前記長期試験中の前記電流が印加される間、経時的なASR値を動的にモニターし得る。
【0048】
図3Bを参照すると、SEM断面画像302は、電気化学的試験後の、
図3Aの、前記一体化された高密度の相互接続セルを図示する。短期試験に関して、最初のASRが測定され、ついで、前記相互接続セルを、室温に冷却した(通常、前記試験は、約2日間だけかかる。)。画像302は、前記18−5YSZ粉末の粗い粒子に由来するパンクチャー効果および関連する相互接続のクラッキングを図示する。
【0049】
比較例2
「15−2R2」YSZ粉末(Saint−Gobain Corp.から入手)を、試験用に選択した。前記15−2R2YSZ粉末は、0.62μmのd
10、2.62μmのd
50、9.56μmのd
90の二峰性のPSD型および1.93m
2/gの比表面積(SSA)を有する。
【0050】
未焼成の相互接続セルを焼成して、一体化された、高密度の相互接続セルを形成した。例示の目的で、
図2を参照すると、カソード・バルク層208は、約1400μmの厚みの、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成を有するLSM材料を含んだ。アノード・バルク層210は、ニッケル酸化物およびYSZを含み、約1400μmの厚みを有した。相互接続層202は、約27μmの合計厚みを有するLSTN4.0の1または2つの「層」を含んだ。
【0051】
カソード・ボンディング層204を、前記15−2R2YSZ粉末と、0.58μmのd
10、1.38μmのd
50、2.69μmのd
90および4.23m
2/gのSSAを有する、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成のLSM粉末とから形成した。焼成前の未焼成のカソード・ボンディング層の組成は、36.70重量%のLSM、55.05重量%のYSZおよび8.25重量%のカーボンブラック(焼成中における気孔形成材としてのc−ブラック)を含んだ。前記一体化された、高密度のカソード・ボンディング層204は、約25μmの厚みを有した。
【0052】
アノード・ボンディング層206を、前記15−2R2YSZ粉末と、0.46μmのd
10、0.74μmのd
50、1.50μmのd
90および3.43m
2/gのSSAのニッケル酸化物粉末とから形成した。焼成前の未焼成のアノード・ボンディング層の組成は、42.0重量%のNiOおよび58.0重量%のYSZを含んだ。前記一体化された、高密度のアノード・ボンディング層206は、約25μmの厚みを有した。
【0053】
ついで、前記相互接続セルを、1400時間の期間にわたって、(
比較例1で上記した)電気化学的試験に供した。
図4を参照すると、SEM断面画像400は、長期試験後の、前記一体化された、高密度の相互接続セルを図示する。
図4は、画像400において特定された43個の水平クラックによる相互接続のクラッキング、および、前記粗い粒子に由来するパンクチャー効果を説明する。
【0054】
図5は、前記15−2R2粉末から形成されたボンディング層を含む相互接続セルの面積固有抵抗(ASR)(オーム.cm
2)の、長期試験の結果を説明する。
図5で説明されるように、薄い相互接続層(13μm)を含む1つの相互接続セルは、前記試験開始後約500時間以内に、定常状態のASRに達した。約500時間で、前記定常状態のASRに達した後に、前記ASRは、5.5%/khの速度で低下した。厚い相互接続層(27μm)を含む別の相互接続セルのASRは、1200時間まで連続的に低下した。
【0055】
比較例3
「17−168」YSZ粉末(Saint−Gobain Corp.から入手)を、試験用に選択した。前記17−168YSZ粉末は、0.45μmのd
10、0.77μmのd
50、1.5μmのd
90の単峰性のPSD型および4.32m
2/gの比表面積(SSA)を有する。
【0056】
未焼成の相互接続セルを焼成して、一体化された、高密度の相互接続セルを形成した。例示の目的で、
図2を参照すると、カソード・バルク層208は、約1400μmの厚みの、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成を有するLSM材料を含んだ。アノード・バルク層210は、ニッケル酸化物およびYSZを含み、約1400μmの厚みを有した。相互接続層202は、約13または27μmの合計厚みを有するLSTN4.0の1または2つの「層」を含んだ。
【0057】
カソード・ボンディング層204を、前記17−168YSZ粉末と、0.58μmのd
10、1.38μmのd
50、2.69μmのd
90および4.23m
2/gのSSAを有する、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成のLSM粉末とから形成した。焼成前の未焼成のカソード・ボンディング層の組成は、36.70重量%のLSM、55.05重量%のYSZおよび8.25重量%のカーボンブラック(焼成中における気孔形成材としてのc−ブラック)を含んだ。前記一体化された、高密度のカソード・ボンディング層204は、約25μmの厚みを有した。
【0058】
アノード・ボンディング層206を、前記17−168YSZ粉末と、0.46μmのd
10、0.74μmのd
50、1.50μmのd
90および3.43m
2/gのSSAのニッケル酸化物粉末とから形成した。焼成前の未焼成のアノード・ボンディング層の組成は、42.0重量%のNiOおよび58.0重量%のYSZを含んだ。前記一体化された、高密度のアノード・ボンディング層206は、約25μmの厚みを有した。
【0059】
ついで、前記相互接続セルを、1000時間の期間にわたって、(
比較例1で上記した)電気化学的試験に供した。
図6を参照すると、SEM断面画像600は、長期試験後の、前記一体化された、高密度の相互接続セルを図示する。
図6は、画像600において特定された16個の水平クラックによる相互接続のクラッキングを説明する。
【0060】
図7は、前記17−168粉末から形成されたボンディング層を含む相互接続セルの面積固有抵抗(ASR)(オーム.cm
2)の、長期試験の結果を説明する。
図7で説明されるように、前記相互接続セルは、前記試験開始した実質的に直後に、急速なASR低下を示した。前記ASRは、それぞれ、133%/kh、308%/khおよび493%/khの速度で低下した。
【0061】
比較例4
「16−191」YSZ粉末(Saint−Gobain Corp.から入手)を、試験用に選択した。前記16−191YSZ粉末は、0.45μmのd
10、0.84μmのd
50、1.65μmのd
90の単峰性のPSD型および4.59m
2/gの比表面積(SSA)を有する。
【0062】
未焼成の相互接続セルを焼成して、一体化された、高密度の相互接続セルを形成した。例示の目的で、
図2を参照すると、カソード・バルク層208は、約1350μmの厚みの、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成を有するLSM材料を含んだ。アノード・バルク層210は、ニッケル酸化物およびYSZを含み、約1350μmの厚みを有した。相互接続層202は、約27μmの合計厚みを有するLSTN4.0の2つの「層」を含んだ。
【0063】
カソード・ボンディング層204を、前記16−191YSZ粉末と、0.58μmのd
10、1.38μmのd
50、2.69μmのd
90および4.23m
2/gのSSAを有する、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成のLSM粉末とから形成した。焼成前の未焼成のカソード・ボンディング層の組成は、36.70重量%のLSM、55.05重量%のYSZおよび8.25重量%のカーボンブラック(焼成中における気孔形成材としてのc−ブラック)を含んだ。前記一体化された、高密度のカソード・ボンディング層204は、約25μmの厚みを有した。
【0064】
アノード・ボンディング層1206を、前記16−191YSZ粉末と、0.46μmのd
10、0.74μmのd
50、1.50μmのd
90および3.43m
2/gのSSAのニッケル酸化物粉末とから形成した。焼成前の未焼成のアノード・ボンディング層の組成は、42.0重量%のNiOおよび58.0重量%のYSZを含んだ。前記一体化された、高密度のアノード・ボンディング層206は、約25μmの厚みを有した。
【0065】
ついで、前記相互接続セルを含むSOFCスタックを、1000時間の期間にわたって、(
比較例1で上記した)電気化学的試験に供した。
図8を参照すると、SEM断面画像800は、長期試験後の、前記一体化された、高密度の相互接続セルを図示する。
図8は、画像800において特定された158個の水平クラックによる相互接続のクラッキングを図示する。
【0066】
図9は、前記16−191粉末から形成されたボンディング層を含む相互接続セルの面積固有抵抗(ASR)(オーム.cm
2)の、長期試験の結果を説明する。
図9で説明されるように、前記相互接続セルは、前記試験開始後約200時間以内に、定常状態のASRに達した。約200時間で、前記定常状態のASRに達した後に、前記ASRは、約1.9%/khの速度で低下した。
【0067】
実施
例
YSZ粉末(「18−48」YSZ粉末)を、試験用に選択した。前記18−48YSZ粉末は、0.84μmのd
10、2.14μmのd
50、4.3μmのd
90の単峰性のPSD型および1.69m
2/gの比表面積(SSA)を有する。
【0068】
図10は、例示となる18−48YSZ粉末のSEM画像1000であり、
図11は、
図10の例示となる18−48YSZ粉末の粒径分布を説明するグラフである。さらに、前記例示となる18−48YSZ粉末の粒径分布の詳細は、表1に含まれる。
【0070】
未焼成の相互接続セルを焼成して、一体化された、高密度の相互接続セルを形成した。
図12は、前記一体化された、高密度の相互接続セルの一部を含むSEM断面画像である。前記カソード・バルク層は、約1350μmの厚みの、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成を有するLSM材料を含んだ。前記アノード・バルク層は、ニッケル酸化物およびYSZを含み、約1350μmの厚みを有した。相互接続層1202は、約36μmの合計厚みを有するLSTN4.0の2つの「層」を含んだ。
【0071】
カソード・ボンディング層1204を、前記18−48YSZ粉末と、0.58μmのd
10、1.38μmのd
50、2.69μmのd
90および4.23m
2/gのSSAを有する、(La
0.8Sr
0.2)
0.98MnO
3の組成のLSM粉末とから形成した。焼成前の未焼成のカソード・ボンディング層の組成は、36.70重量%のLSM、55.05重量%のYSZおよび8.25重量%のカーボンブラック(焼成中における気孔形成材としてのc−ブラック)を含んだ。前記一体化された、高密度のカソード・ボンディング層1204は、約25μmの厚みを有した。
【0072】
アノード・ボンディング層1206を、前記18−48YSZ粉末と、0.46μmのd
10、0.74μmのd
50、1.50μmのd
90および3.43m
2/gのSSAのニッケル酸化物粉末とから形成した。カソード・ボンディング層1204は、約25μmの厚みを有した。焼成前の未焼成のアノード・ボンディング層の組成は、42.0重量%のNiOおよび58.0重量%のYSZを含んだ。前記一体化された、高密度のアノード・ボンディング層1206は、約25μmの厚みを有した。
【0073】
図12は、ボンディング層1204、1206を形成するために、前記18−48YSZ粉末を使用することにより、SOFCスタックの性能を改善し得る、微細構造および気孔率をもたらすことを説明する。
【0074】
図12のSEM画像は、実質的に均一な厚みの前記相互接続層(IC)、前記カソード・ボンディング層(CBL)および前記アノード・ボンディング層(ABL)を含む微小構造を図示する。前記微小構造は、さらに、前記IC/ABLとIC/CBLとの間における良好な結合を示し、ならびに、前記ABLおよびCBLにおける材料に起因する、実質的に欠陥が無い、例えば、クラックを含まず、および、パンクチャー効果を示さない高密度のIC層を示す。さらに、前記CBLおよびABLは、還元後に、12体積%と40体積%との間の範囲の、良好な気孔率を有する(ABLの気孔率は、NiOがNiに還元された後に測定されるであろう。)。
【0075】
ABLおよびCBLの両方に関して、還元後の特定の範囲の気孔率(例えば、約12から40体積%)は、SOFCスタックの高い性能を可能にし得る。前記ABLおよびCBLにおいて、高すぎる気孔率は、前記IC/CBLとIC/ABLとの間における乏しい結合および乏しい接触の原因となる場合があり、前記相互接続セルについての高いASRをもたらす。前記ABLにおける低すぎる気孔率は、前記IC/ABLの界面およびABLにおける、前記燃料(例えば、H
2)の分圧を低下させ、前記ABLにおけるNiO還元および前記LSTN還元の速度を低下させ、または、妨げることさえある(LSTN材料は、Ti
4+からTi
3+への還元が還元条件下において好ましいため、空気条件においてより、還元条件において、より高い導電性を有する。)。結果として、還元条件下、例えば、H
2において試験した場合、より多くのTi
3+が存在し、前記還元条件により、空気においてより、燃料ガス(H
2)におけるLSTN材料の高い導電性が説明される。前記CBLにおける低すぎる気孔率は、IC/CBLの界面およびCBLにおける、酸素の分圧を低下させる場合があり、燃料電池の動作中に、前記LSM/YSZ界面において、LSM相の安定性を低下させ、導電性−制限組成の形成を増加させる。
【0076】
気孔率に関して、画像分析ソフトウェアを使用して、カソード・ボンディング層1204の気孔率を、±2.0%の標準偏差を有する16%と推定した。NiO還元前において、アノード・ボンディング層1206の気孔率を、±2.1%の標準偏差を有する12.6%と推定した。
【0077】
図13は、電気化学的試験前の、カソード・ボンディング層1204の孔径分布を説明する。特に、
図13は、カソード・ボンディング層1204における、(ミクロンにおける)特定の最大長を有する孔の発生頻度を説明する。カソード・ボンディング層1204における孔の平均最大長は、±1.28μmの標準偏差を有する1.42μmである。
【0078】
図14は、電気化学的試験前の、アノード・ボンディング層1206の孔径分布を説明する。特に、
図14は、アノード・ボンディング層1206における、(ミクロンにおける)特定の最大長を有する孔の発生頻度を説明する。アノード・ボンディング層1206における孔の平均最大長は、±1.55μmの標準偏差を有する1.59μmである。
【0079】
(
図10の前記例示となるYSZ粉末から形成されたボンディング層を有する)一体化された、高密度の相互接続セルを、3260時間の期間にわたって、(
比較例1で上記した)電気化学的試験に供した。
図15は、長期試験後の相互接続セルを示すSEM断面画像1500である。
図15では、前記相互接続層を、1502と指定する。前記ボンディング層を、1504および1506と指定する。3260時間の試験後、相互接続層1502において、クラッキングは、実質的に観察されなかった。さらに、ボンディング層1504、1506のいずれかに由来する、粗いYSZ粒子に関連するパンクチャー効果は存在しなかった(例えば、
図3Bを参照のこと。)。
【0080】
図15は、1μmより大きいd
50および2μmより大きいd
90の単峰性のPSDを有するYSZ粉末(例えば、実施
例の「18−48」YSZ粉末)を含む材料から形成されたボンディング層を含む相互接続セルが、長期試験後において、前記相互接続層のクラッキングを、実質的に示さない場合があることを説明する。
【0081】
図16は、2つの例示となる相互接続セルの面積固有抵抗(ASR)の、(
比較例1で上記した)長期電気化学的試験の結果を説明する。
【0082】
図16は、約36μmの厚みを有するLSTN4.0(例えば、それぞれ18μmの厚みを有するLSTN4.0の2つの「層」)を含む相互接続層を有する、相互接続セルに関連するASRデータを説明する。約36μmの厚みを有する相互接続層の相互接続セルは、
図15のSEM断面画像において説明された、(ASR試験前の)相互接続セル1500に対応する。
図16に示すように、前記相互接続セルは、前記試験開始後約1700時間以内に、定常状態のASRに達した。すなわち、前記相互接続セルは、最初の約1700時間の試験において、ASR低下を示さなかった。むしろ、前記ASRは、前記試験開始時における0.18と0.20オーム.cm
2との間から、約1700時間における0.16と0.18オーム.cm
2との間に、約5%/khで低下した。約1700時間において定常状態のASRに達した後、前記ASRは、1700時間から3260時間の期間にわたって、約1.9%/khの速度で低下した。
【0083】
図16は、さらに、約18μmの厚みを有するLSTN4.0(例えば、18μmの厚みを有するLSTN4.0の1つの「層」)を含む相互接続層を有する、相互接続セルに関連するASRデータを説明する。この場合、前記相互接続セルは、前記試験開始後約1100時間以内に、定常状態のASRに達した。すなわち、前記相互接続セルは、最初の約1100時間の試験において、ASR低下を示さなかった。むしろ、前記ASRは、前記試験開始時における0.14と0.16オーム.cm
2との間から、約1100時間における0.12と0.14オーム.cm
2との間に、約4%/khの速度で低下した。約1100時間において定常状態のASRに達した後、前記ASRは、1100時間から3260時間の期間にわたって、約3%/khの速度で低下した。
【0084】
図16で説明された実施形態では、前記アノード・ボンディング層および前記カソード・ボンディング層は両方とも、
図10で説明された例示となるYSZ粉末を含む材料から形成された。したがって、ボンディング層において、1μmより大きいd
50および2μmより大きいd
90の単峰性のPSDを有するYSZ粉末(例えば、
図10で説明された例示となるYSZ粉末)を含む材料を使用することは、改善されたASR性能を提供し得る。
【0085】
図17を参照すると、一体化されたSOFCスタックを形成する方法の具体的な実施形態が説明され、全体として1700と指定される。方法1700は、1702において、第1の未焼成の電極層、前記第1の未焼成の電極層を覆う未焼成の電解質層および前記未焼成の電解質層を覆う第2の未焼成の電極層を有する第1の未焼成のセル構造体を形成する工程を含み得る。
【0086】
参考として、
図18は、一体化されたSOFC構成(例えば、およびSOFCスタック)内に形成された、複数の未焼成の層を含む例示となるSOFC物品1800を説明する。定型的な例として、方法1700は、第1の未焼成の電極層1804、第1の未焼成の電極層1804を覆う未焼成の電解質層1806および未焼成の電解質層1806を覆う第2の未焼成の電極層1808を有する第1の未焼成のセル構造体1802を形成する工程を含み得る。
【0087】
方法1700は、1704において、第1の未焼成の電極層、前記第1の未焼成の電極層を覆う未焼成の電解質層および前記未焼成の電解質層を覆う第2の未焼成の電極層を有する第2の未焼成のセル構造体を形成する工程を含み得る。例えば、
図18を参照すると、方法1700は、第1の未焼成の電極層1810、第1の未焼成の電極層1810を覆う未焼成の電解質層1812および未焼成の電解質層1812を覆う第2の未焼成の電極層1814を有する第2の未焼成のセル構造体1809を形成する工程を含み得る。
【0088】
方法1700は、1706において、前記第1の未焼成のセル構造体と前記第2の未焼成のセル構造体との間に配置された未焼成の相互接続セルを形成する工程を含み得る。例えば、
図18を参照すると、方法1700は、第1の未焼成のセル構造体1802と第2の未焼成のセル構造体1809との間に配置された未焼成の相互接続セル1816を形成する工程を含み得る。
【0089】
図18で説明された実施形態では、未焼成の相互接続セル1816は、未焼成の相互接続層1818と、第1の未焼成のボンディング層1820と、第2の未焼成のボンディング層1822とを備える。例示となる、非限定的な実施形態として、未焼成の相互接続層1818は、ニオブドープされたチタン酸ランタン・ストロンチウム(LSTN)材料を含んでもよい。第1の未焼成のボンディング層1820は、未焼成の相互接続層1818と第1の未焼成のセル構造体1802との間に配置され得る。第2の未焼成のボンディング層1822は、未焼成の相互接続層1818と第2の未焼成のセル構造体1809との間に配置され得る。第1および第2の未焼成のボンディング層1820、1822は、1μmより大きいd
50および2μmより大きいd
90の単峰性の粒径分布を有するYSZ粉末を含んでもよい。
【0090】
具体的な実施形態では、前記YSZ粉末は、2.5μmより大きいd
90の単峰性の中程度の粒径分布を有してもよい。さらに、前記YSZ粉末は、0.5μmより大きい、またはさらに、0.6μmより大きいd
10の単峰性の粒径分布を有してもよい。さらに、前記YSZ粉末の実質的に全ての粒子が、10μm未満の粒径の直径を有してもよい。具体的な実施形態では、前記YSZ粉末の比表面積(SSA)は、4m
2/g以下、例えば、3m
2/g以下、またはさらに、2.5m
2/g以下であり得る。
【0091】
方法1700は、さらに、1708において、前記第1の未焼成のセル構造体、前記未焼成の相互接続セルおよび前記第2の未焼成のセル構造体を焼成(例えば、自由焼成、加熱プレス)して、前記第1の未焼成のセル構造体、前記未焼成の相互接続セルおよび前記第2の未焼成のセル構造体を一体的に結合し、高密度の電解質層および相互接続層を含む、一体化されたSOFCスタックを形成する工程を含み得る。例えば、
図18を参照すると、方法1700は、第1の未焼成のセル構造体1802、未焼成の相互接続セル1816および第2の未焼成のセル構造体1809を共に焼成して、第1の未焼成のセル構造体1802、未焼成の相互接続セル1816および第2の未焼成のセル構造体1809を一体的に結合し、高密度の電解質層および相互接続層を含む、一体化されたSOFCセルスタックを形成する工程を含み得る。
【0092】
具体的な例示となる実施形態では、第1の未焼成のセル構造体1802の第1の未焼成の電極層1804は、未焼成のカソード層でもよい。第2の未焼成のセル構造体1809の第2の未焼成の電極層1814は、未焼成のアノード層でもよい。この場合、前記焼成工程は、それぞれ、
図2および12で説明された一体化された、高密度の相互接続セル200および1200の形成をもたらし得る。
【0093】
具体的な実施形態では、前記未焼成のアノード・ボンディング層(例えば、第2の未焼成のボンディング層1822)に含まれる前記YSZ粉末は、前記未焼成のアノード層(例えば、第2の未焼成の電極層1814)の前記YSZ粉末とは異なる粒径分布を有し得る。すなわち、前記未焼成のアノード層に含まれるYSZ粉末は、1μmより大きいd
50および2μmより大きいd
90の単峰性の粒径分布とは異なるPSD型を有し得る。
【0094】
上記開示の主題は、例示であり、制限的でないと見なされるべきである。添付の特許請求の範囲が、本発明の真の範囲に含まれる、全ての上記修飾、改善および他の実施形態に及ぶことを意図する。このため、法律により許容される最大限に、本発明の範囲は、下記特許請求の範囲およびその均等物の最も広い許容可能な解釈により決定されるべきであり、前述の詳細な説明により制限または限定されるべきではない。
【0095】
本開示の要約は、特許請求の範囲の範囲または意味を、解釈または限定するのに使用されないであろうとの理解で提供される。さらに、前述の詳細な説明では、本開示を合理化する目的のために、種々の特徴が共にグループ化され、または、1つの実施形態に記載されている場合がある。この開示は、クレームされた実施形態が、各請求項に明確に列挙された更なる特徴を要求する意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、下記特許請求の範囲を参照する場合、発明の主題は、前記開示された実施形態のいずれかの全ての特徴を対象にしなくてもよい。このため、下記特許請求の範囲は、各請求項が、個々にクレームされた主題を規定するようにそれ自身を主張することにより、前記詳細な説明に包含される。