特許第5957537号(P5957537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957537
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】複素環式ウレア化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/82 20060101AFI20160714BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 239/48 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 241/32 20060101ALI20160714BHJP
   C07D 237/24 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/455 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/505 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20160714BHJP
   C07F 9/40 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/683 20060101ALI20160714BHJP
   C07F 9/38 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20160714BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20160714BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   C07D213/82CSP
   C07D417/12
   C07D239/48
   C07D401/12
   C07D401/14
   C07D413/12
   C07D471/04 108E
   C07D405/12
   C07D471/04 107E
   C07D241/32
   C07D237/24
   A61K31/455
   A61K31/505
   A61K31/506
   A61K31/5377
   A61K31/496
   A61K31/501
   A61K31/4709
   C07F9/40 C
   A61K31/683
   C07F9/38 C
   A61K31/675
   A61K31/541
   A61P31/04
【請求項の数】15
【全頁数】149
(21)【出願番号】特願2014-547632(P2014-547632)
(86)(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公表番号】特表2015-500842(P2015-500842A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】AU2012001579
(87)【国際公開番号】WO2013091011
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年12月10日
(31)【優先権主張番号】61/578,385
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510164407
【氏名又は名称】ビオタ ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BIOTA EUROPE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】ティンダル,エドワード マルコム
(72)【発明者】
【氏名】ツザプルウスキ,ロイド ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュウィック,コリン ウィリアム ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ユール,イアン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,ジェフリー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ケリー ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】ピット,ゲイリー ロバート ウィリアム
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−081863(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/052394(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/068470(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/060199(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/007437(WO,A1)
【文献】 国際公開第01/007020(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 213/82
C07D 237/24
C07D 239/48
C07D 241/32
C07D 401/12〜14
C07D 405/12
C07D 413/12
C07D 417/12
C07D 471/04
C07F 9/38〜40
A61K 31/455〜683
A61P 31/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(I):
【化1】
(式中、
Xは、C(=X1)、S(=O)およびSO2から選択され;
X1は、O、SおよびNR4から選択され;
R1は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリール、CR5(R6)2、NR4SO2R5、OR6、SR6、NH2、NR5R6およびNRaRb(ここで、RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒になって任意に置換された5-10員複素環を形成する)から選択され;
R2は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R3は、任意に置換されたC1-6アルキルであり;
R4は、Hまたは任意に置換されたC1-6アルキルであり;
R5は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;R6は、それぞれ、Hであるか、または任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員へテロアリールから選択され;
tは、0、1、2および3から選択される整数であり、ここで、存在するとき各(CH2)tは独立して、任意に置換されていてもよく;
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、CR7およびNから選択され、ここで、R7は、H、ハロまたは任意の置換基から選択され、さらにZ1、Z2またはZ3の少なくとも1つはNであり;そして
シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロサイクリルおよびヘテロアリールの環は、それぞれ単環式または縮合二環式の環系であってもよい)
の化合物、そのラセミ体、鏡像体または塩。
【請求項2】
XがC(=X1)であり、X1がO、SおよびNR4から選択され、R1がNH2、NR5R6およびNRaRbから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(Ia):
【化2】
(式中、
X1は、O、SまたはNR4から選択され;
R1は、NH2、NR5R6およびNRaRb(ここで、RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒になって任意に置換された5-10員複素環を形成する)から選択され;
R2は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R3は、任意に置換されたC1-6アルキルであり;
R4は、Hまたは任意に置換されたC1-6アルキルであり;
R5は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R6は、Hであるか、または任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員へテロアリールから選択され;
tは、0、1、2および3から選択される整数であり、ここで、存在するとき、(CH2)tのそれぞれは独立して任意に置換されうる;
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、CR7およびNから選択され、ここで、それぞれのR7は、H、ハロ、または任意の置換基から独立して選択され、さらにZ1、Z2またはZ3の少なくとも1つはNである)
の請求項1または2に記載の化合物、そのラセミ体、鏡像体または塩。
【請求項4】
X1がOである、請求項1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項5】
Z1、Z2またはZ3の1つがNであり、残りの2つがそれぞれCR7(ここで、それぞれのR7は、H、ハロまたは任意の置換基から独立して選択される)である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
Z1、Z2またはZ3の2つがNであり、残りの1つがCR7(ここで、R7は、H、ハロまたは任意の置換基から独立して選択される)である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項7】
R1がNRaRbであり、RaおよびRbが、それらが結合するNと一緒になって任意に置換された5-または6-員の複素環を形成する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項8】
R1がNR5R6である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項9】
式(Ib):
【化3】
(式中、
R2は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R5は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R6は、Hであるか、または任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員へテロアリールから選択され;
tは、0、1、2および3から選択される整数であり、ここで、存在するとき、(CH2)tのそれぞれは独立して任意に置換されうる)
の請求項1または2に記載の化合物、そのラセミ体、鏡像体または塩。
【請求項10】
R2が、任意に置換されたシクロヘキシル、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された5-6員ヘテロサイクリルおよび任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環(ここで、tは0または1である)から選択される、請求項1〜9のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項11】
R5が、任意に置換されたC1-3アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された5-6員ヘテロサイクリル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環および任意に置換された9-10員ヘテロアリール環(ここで、tは整数0、1または2である)から選択される、請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項12】
R2およびR5が、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロサイクリル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環および任意に置換された(CH2)t9-10員ヘテロアリール環(ここで、tは整数0、1または2である)からそれぞれ独立して選択され、R6がHである、請求項1〜9のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項13】
次の化合物:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、そのラセミ体、鏡像体または塩。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の化合物、そのラセミ体、鏡像体またはその医薬的に許容な塩を含む抗菌剤。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の化合物、そのラセミ体、鏡像体またはその医薬的に許容な塩および医薬的に許容な賦形剤または担体を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なクラスの化合物、抗菌剤としてのそれらの使用、それらを含む組成物およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
II型トポイソメラーゼは、一つのDNAセグメントをもう一つのものを介して輸送することによってDNAトポイソマーの相互変換を触媒する。細菌は、二つのII型トポイソメラーゼ酵素、DNAジャイレースおよびDNAトポイソメラーゼIVをコードする。ジャイレースは、DNAの超らせん化を制御し、トポロジカルストレス(topological stress)を緩和させる。トポイソメラーゼIVは、複製の後に、娘染色体をデカテネート(decatenate)し、超らせんDNAを緩めることもできる。細菌のII型トポイソメラーゼは、二つのサブユニットから構成されるヘテロ四量複合体を形成する。ジャイレースは、GyrAおよびGyrBからなるA2B2複合体を形成するのに対して、トポイソメラーゼは、ParCおよびParEからなるC2E2複合体を形成する。対照的に、真核生物のII型トポイソメラーゼは、ホモ二量体である。理想的には、細菌II型トポイソメラーゼの阻害に基づく抗生物質は、細菌酵素に対して選択的で、真核生物のII型イソメラーゼに対して比較的不活性ということになるであろう。
【0003】
II型トポイソメラーゼは、広域スペクトルの阻害剤の設計を可能にする高度に保存された酵素である。さらに、GyrBおよびParEサブユニットは、機能的に類似しており、他のサブユニット(それぞれGyrAおよびParC)およびDNAと相互作用する、N-末端領域およびC-末端領域中にATPアーゼ領域を有する。ジャイレースとトポイソメラーゼIVの活性部位間の保存は、該部位の阻害剤が、両方のII型トポイソメラーゼを同時に標的にすることができることを示唆している。そのような二重標的阻害剤は、それらが標的に基づく耐性発現を減少する可能性を有するので、魅力的である。
【0004】
II型トポイソメラーゼは、多くの抗菌剤の標的である。これらの剤の中で最も著名なものは、キノロン類である。初代のキノロン系抗生物質は、ナリジクス酸、シノキサシンおよびオキソリン酸を含んだ。フッ素の付加が新しいクラスの薬物、フルオロキノロン類を生み出し、それは、より幅広い抗菌スペクトルを有し、薬物動態特性を改善した。フルオロキノロン類は、ノルフロキサシン、シプロフロキサシンおよび第4世代のキノロン類、ガチフロキサシンおよびモキシフロキサシンを含む。クマリンとシクロチアリジン類は、II型トポイソメラーゼを阻害するさらなるクラスの抗生物質であるけれども、それらは、細菌への乏しい透過性、真核生物毒性および低い水溶性のために、広く用いられない。そのような抗生物質の例は、ノボビオシンおよびクーママイシンA1、シクロチアリジン、シノジン、ならびにクレロシジンを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、抗生物質耐性の継続的出現は、新規なクラスの抗生物質が開発され続けることおよび細菌のトポイソメラーゼを阻害する代替化合物が必要とされることを要求する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
要旨
第一の観点によれば、次の式(I)の化合物、そのラセミ体、鏡像体および塩が提供される:
【化1】
【0007】
(式中、
Xは、C(=X1)、S(=O)およびSO2から選択され;
X1は、O、SおよびNR4から選択され;
R1は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリール、CR5(R6)2、NR4SO2R5、OR6、SR6、NH2、NR5R6およびNRaRb(ここで、RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒になって任意に置換された5-10員複素環を形成する)から選択され;
R2は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R3は、任意に置換されたC1-6アルキルであり;
R4は、Hまたは任意に置換されたC1-6アルキルであり;
【0008】
R5は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R6は、それぞれ、Hであるか、または任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員へテロアリールから選択され;
tは、0、1、2および3から選択される整数であり、好ましくは0、1または2であり、ここで、存在するとき各(CH2)tは独立して、任意に置換されていてもよく;
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、CR7およびNから選択され、ここで、R7は、H、ハロまたは任意の置換基から選択され、さらにZ1、Z2またはZ3の少なくとも1つはNであり;そして
シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロサイクリルおよびヘテロアリールの環は、それぞれ単環式または縮合二環式の環系であってもよい)。
【0009】
一つの態様において、XはC(=X1)であり、X1は、O、SおよびNR4から選択され、好ましくはOでり、R1は、NH2、NR5R6およびNRaRb、好ましくはNR5R6およびNRaRbから選択される。特に好ましい態様において、R1はNR5R6であり、さらに好ましい態様において、R6はHまたはC1-6アルキルである。
もう一つの態様において、R3は、任意に置換されたC1-3アルキルであり、非置換エチルが特に好ましい。
【0010】
第二の観点によれば、式Iの化合物、そのラセミ体、鏡像体または医薬的に許容な塩の投与を、細菌感染症に罹患している対象に投与することを含む、該感染症の治療方法が提供される。一つの態様において、感染症はグラム陽性菌感染症である。さらなる態様において、グラム陽性感染症は、S.アウレウス(S.aureus)、E.フェカーリス(E.faecalis)およびS.ピオゲネス(S.pyogenes)、さらに好ましくはS.アウレウスから選択される菌種により引き起こされる。もう一つの態様において、感染症は、グラム陰性菌感染症である。さらなる態様において、グラム陰性感染症は、H.インフルエンザ(H.influenzae)の菌種によって引き起こされる。
【0011】
第三の観点によれば、細菌感染症の治療に使用のための、式Iの化合物、そのラセミ体、鏡像体または医薬的に許容な塩が提供される。
【0012】
第四の観点によれば、式Iの化合物、そのラセミ体、鏡像体または医薬的に許容な塩を含む抗菌剤が提供される。
【0013】
第五の観点によれば、式Iの化合物、そのラセミ体、鏡像体または塩および賦形剤または担体を含む組成物が提供される。一つの態様において、前記組成物は医薬組成物であり、前記塩は医薬的に許容な塩であり、賦形剤または担体は医薬的に許容な賦形剤または担体である。。
【0014】
第六の観点によれば、ジャイレース阻害剤として使用のための、式Iの化合物、そのラセミ体、鏡像体または医薬的に許容な塩が提供される。一つの態様において、式Iの化合物はATPアーゼ酵素に対して活性を有する。
【0015】
第七の観点によれば、一般式(II):
【化2】
(式中、R'はハロまたはNH2基である)
の中間体を経るか、または
【0016】
一般式(III):
【化3】
(式中、R"はHまたはC1-6アルキルである)
の中間体を経るか、または
【0017】
一般式(IV):
【化4】
の中間体を経る、式Iの化合物の製造方法が提供される、ここで、式(II)、(III)および(IV)の場合におけるX、R1、R2、R3、Z1、Z2およびZ3は、式(I)で定義されたとおりである。
【0018】
第八の観点によれば、細菌の増殖を阻害するのに十分な量の式Iの化合物、そのラセミ体、鏡像体または医薬的に許容な塩を、基体の細菌汚染部位に適用することを含む、基体の細菌汚染を処置する方法が提供される。
【0019】
第九の観点によれば、対象の細菌感染症の治療のための医薬の製造における、式Iの化合物、そのラセミ体、鏡像体または医薬的に許容な塩の使用が提供される。
【0020】
詳細な説明
本発明は、標的(on-target)ジャイレース酵素活性を示す新しいクラスの化合物の発見に基づいている。従って、一つの態様において、式Iの化合物は、ジャイレースの活性の調節、具体的にはジャイレース阻害剤として役立つ。
【0021】
このクラスの化合物は、抗菌活性、具体的には、ブドウ球菌、腸球菌、連鎖球菌およびヘモフィリ(haemophili)、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)およびインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)のようなグラム陽性および/またはグラム陰性のクラスの菌種に対して抗菌活性も示す。それゆえ、本発明に関与する化合物は、細菌感染症または細菌汚染の処置、例えば、とりわけグラム陽性感染症および市中肺炎の処置に役立つ。したがって、一つの態様において、式(I)の化合物は、グラム陽性菌種によって引き起こされる細菌感染症の治療に役立つ。もう一つの態様において、式(I)の化合物は、グラム陰性菌種によって引き起こされる細菌感染症の治療に役立つ。
【0022】
定義
「C1-6アルキル」の用語は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子またはこれらの整数のいずれか二つを含む範囲を有する、任意に置換された直鎖または分枝鎖の炭化水素基を包含する。例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i-Pr)、ブチル(Bu)、イソブチル(i-Bu)、sec-ブチル(s-Bu)、tert-ブチル(t-Bu)、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等を含む。文脈が異なった要求をしない限り、「C1-6アルキル」の用語は、その基が二つの位置で結合するような一つ少ない水素原子を含む、すなわち二価のアルキル基も包含する。そのような基は、「C1-6アルキレン」とも呼ばれる。C1-3アルキルおよびC1-3アルキレン基が好ましい。
【0023】
「C2-6アルケニル」の用語は、該当する場合、EまたはZのいずれかの立体化学の少なくとも一つの二重結合および2、3、4、5もしくは6個の炭素原子またはそれらの整数のいずれか二つを含む範囲を有する、任意に置換された直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。例は、ビニル、1-プロペニル、1-および2-ブテニル、2-メチル-2-プロペニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ヘキサジエニル、ヘキサトリエニル等を含む。文脈が異なった要求をしない限り、「C1-6アルケニル」の用語は、その基が二つの位置で結合するような一つ少ない水素原子を含む、すなわち二価のアルケニル基も包含する。そのような基は、「C2-6アルケニレン」基とも呼ばれる。C2-3アルケニルおよびC2-3アルケニレン基が好ましい。
【0024】
「C2-6アルキニル」の用語は、少なくとも一つの三重結合および2、3、4、5もしくは6個の炭素原子またはそれらの整数のいずれか二つを含む範囲を有する、任意に置換された直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。例は、エチニル、1-プロピニル、1-および2-ブチニル、2-メチル-2-プロピニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル等を含む。文脈が異なった要求をしない限り、「C2-6アルキニル」の用語は、その基が二つの位置で結合するような一つ少ない水素原子を含む、すなわち二価のアルキニル基も包含する。そのような基は、「C2-6アルキニレン」基とも呼ばれる。C2-3アルキニルおよびC2-3アルキニレン基が好ましい。
【0025】
「C3-8シクロアルキル」の用語は、3、4、5、6、7もしくは8個の炭素原子またはそれらの整数のいずれか二つを含む範囲を有する非芳香族の環状炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル等を含む。シクロアルキル基は、シクロヘキシルのような飽和であるか、またはシクロへキセニルのような不飽和であってもよいことを理解されたい。C3-6シクロアルキル基が好ましい。
「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」の用語は、基-OHを意味する。
「オキソ」の用語は、基=Oを意味する。
【0026】
「C1-6アルコキシ」の用語は、基OC1-6アルキルを意味する。例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ等を含む。酸素原子は、炭化水素鎖に沿って位置してもよく、化合物の残部にその基を結合する原子である必要はない。C1-3アルコキシ基が好ましい。
「アリールオキシ」の用語は、基-Oアリールを意味し、「アルコキシアリール」のようなその変形も含み得る。ここで、アリールは本明細書で定義される。例は、次のものに限定されないが、フェノキシおよびナフトキシおよびベンジルオキシを含む。
【0027】
「ハロ」、「ハロゲン」、「ハロゲン化された」の用語および同様の用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード(F、Cl、Br、I)を意味する。
「C1-6アルキルハロ」の用語は、1以上のハロゲンで置換されたC1-6アルキルを意味する。例えば-CHF2および-CF3のようなC1-3アルキルハロ基が好ましい。
「C1-6アルコキシハロ」の用語は、1以上のハロゲンで置換されたC1-6アルココシを意味する。例えば-OCHF2および-OCF3のようなC1-3アルコキシハロ基が好ましい。
【0028】
「カルボキシレート」または「カルボキシ」の用語は、基-COO-または-COOHを意味する。
「エステル」の用語は、水素が次の基で置き換えられたカルボキシ基を意味し、例えばC1-6アルキル基(「カルボキシC1-6アルキル」または「アルキルエステル」)、アリールまたはアルアルキル基(「アリールエステル」または「アルアルキルエステル)等。例えばメチルエステル(CO2Me)、エチルエステル(CO2Et)およびプロピルエステル(CO2Pr)のようなCO2C1-3アルキル基が好ましく、その逆のエステル(例えば-OCOMe、-OCOEtおよび-OCOPr)を含む。
【0029】
「シアノ」の用語は、基-CNを意味する。
「ニトロ」の用語は、基-NO2を意味する。
「アミノ」の用語は、基-NH2を意味する。
【0030】
「置換されたアミノ」または「第2級アミノ」の用語は、水素が次の基で置き換えられたアミノ基を意味し、例えばC1-6アルキル基(「C1-6アルキルアミノ」)、アリールまたはアルアルキル基(「アリールアミノ」、「アルアルキルアミノ」)等。例えばメチルアミノ(NHMe)、エチルアミノ(NHEt)およびプロピルアミノ(NHPr)のようなC1-3アルキルアミノ基が好ましい。
【0031】
「ジ置換アミノ」または「第3級アミノ」の用語は、2つの水素が次の基で置き換えられたアミノ基を意味し、例えば同一または異なってもよいC1-6アルキル基(「ジアルキルアミノ」)、アリールおよびアルキル基(「アリール(アルキル)アミノ」)等。例えばジメチルアミノ(NMe2)、ジエチルアミノ(NEt2)、ジプロピルアミノ(NPr2)およびその変形(例えばN(Me)(Et)等)のようなジ(C1-3アルキル)アミノ基が好ましい。
【0032】
「アシル」または「アルデヒド」の用語は、基-C(=O)Hを意味する。
「置換されたアシル」または「ケトン」の用語は、水素が次の基で置き換えられたアシルを意味し、例えばC1-6アルキル基(「C1-6アルキルアシル」または「アルキルケトン」または「ケトアルキル」)、アリール基(「アリールケトン」)、アルアルキル基(「アルアルキルケトン」)等。C1-3アルキルアシル基が好ましい。
【0033】
「アミド(amido)」または「アミド(amide)」の用語は、基-C(O)NH2を意味する。
「アミノアシル」の用語は、基-NHC(O)Hを意味する。
【0034】
「置換されたアミド(amido)」または「置換されたアミド(amide)」の用語は、水素原子が次の基で置き換えられたアミド基を意味し、例えばC1-6アルキル基(「C1-6アルキルアミド(amido)」または「C1-6アルキルアミド(amide)」)、アリール(「アリールアミド」)、アルアルキル基(「アルアルキルアミド」)等。例えばメチルアミド(-C(O)NHMe)、エチルアミド(-C(O)NHEt)およびプロピルアミド(-C(O)NHPr)のようなC1-3アルキルアミド基が好ましく、その逆のアミド(例えば-NHMeC(O)-、-NHEtC(O)-および-NHPrC(O)-)を含む。
【0035】
「ジ置換アミド(amido)」または「ジ置換アミド(amide)」の用語は、2つの水素が次の基で置き換えられたアミドを意味し、例えばC1-6アルキル基(「ジ(C1-6アルキル)アミド(amido)」)または「ジ(C1-6アルキル)アミド(amide)」)、アルアルキルおよびアルキル基(「アルキル(アルアルキル)アミド」)等。例えばジメチルアミド(-C(O)NMe2)、ジエチルアミド(-C(O)NEt2)およびジプロピルアミド(-C(O)NPr2)およびその変形(例えば-C(O)N(Me)Et等)のようなジ(C1-3アルキル)アミド基が好ましく、その逆のアミドを含む。
【0036】
「チオール」の用語は、基-SHを意味する。
「C1-6アルキルチオ」の用語は、水素がC1-6アルキル基で置き換えられたチオール基を意味する。例えばチオールメチル、チオールエチルおよびチオールプロピルのようなC1-3アルキルチオ基が好ましい。
「チオキソ」の用語は、基=Sを意味する。
「スルフィニル」の用語は、基-S(=O)Hを意味する。
【0037】
「置換されたスルフィニル」または「スルホキシド」の用語は、水素が次の基で置き換えられたスルフィニル基を意味し、例えばC1-6アルキル基(「C1-6アルキルスルフィニル」または「C1-6アルキルスルホキシド」)、アリール(「アリールスルフィニル」)、アルアルキル(「アルアルキルスルフィニル」)等。例えば-SOメチル、-SOエチルおよび-SOプロピルのようなC1-3アルキルスルフィニル基が好ましい。
【0038】
「スルホニル」の用語は、基-SO2Hを意味する。
「置換されたスルホニル」の用語は、水素が次の基で置き換えられたスルホニル基を意味し、例えばC1-6アルキル基(「スルホニルC1-6アルキル」)、アリール(「アリールスルホニル」)、アルアルキル(「アルアルキルスルホニル」)等。例えば-SO2Me、-SO2Etおよび-SO2PrのようなスルホニルC1-3アルキル基が好ましい。
【0039】
「スルホニルアミド」または「スルホンアミド」の用語は、基-SO2NH2を意味する。
「置換されたスルホンアミド(amido)」または「置換されたスルホンアミド(amide)」の用語は、水素が次の基で置き換えられたスルホニルアミド基を意味し、例えばC1-6アルキル基(「スルホニルアミドC1-6アルキル」)、アリール(「アリールスルホンアミド」)、アルアルキル(「アルアルキルスルホンアミド」)等。例えば-SO2NHMe、-SO2NHEtおよび-SO2NHPrのようなスルホニルアミドC1-3アルキル基が好ましく、その逆のスルホンアミド(例えば-NHSO2Me、-NHSO2Etおよび-NHSO2Pr)を含む。
【0040】
「ジ置換スルホンアミド(amido)」または「ジ置換スルホンアミド(amide)」の用語は、2つの水素が次の基で置き換えられたスルホニルアミド基を意味し、例えば同一または異なってもよいC1-6アルキル基(「スルホニルアミドジ(C1-6アルキル)」)、アルアルキルおよびアルキル基(「スルホンアミド(アルアルキル)アルキル」)等。例えば-SO2NMe2、-SO2NEt2および-SO2NPr2ならびにその変形(例えば-SO2N(Me)Et等)のようなスルホニルアミドジ(C1-3アルキル)基が好ましく、その逆のスルホンアミドを含む。
【0041】
「サルフェート」の用語は、基OS(O)2OHを意味し、水素が次の基で置き換えられた基を含み、例えばC1-6アルキル基(「アルキルサルフェート」)、アリール(「アリールサルフェート」)、アルアルキル(「アルアルキルサルフェート」)等。例えばOS(O)2OMe、OS(O)2OEtおよびOS(O)2OPrのようなC1-3サルフェートが好ましい。
【0042】
「スルホネート」の用語は、基SO3Hを意味し、水素が次の基で置き換えられた基を含む、例えばC1-6アルキル基(「アルキルスルホネート」)、アリール(「アリールスルホネート」)、アルアルキル(「アルアルキルスルホネート」)等。例えばSO3Me、SO3EtおよびSO3PrのようなC1-3スルホネートが好ましい。
【0043】
「ホスフェート」の用語は、基-OP(O)(OH)2を意味し、それぞれの水素が次の基で独立して置き換えられた基を含み、例えばC1-6アルキル基(「アルキルホスフェート」)、アリール(「アリールホスフェート」)、アルアルキル(「アルアルキルホスフェート」)等。
【0044】
「ホスホネート」の用語は、基-P(O)(OH)2を意味し、それぞれの水素が次の基で独立して置き換えられた基を含み、例えばC1-6アルキル基(「アルキルホスホネート」)、アリール(「アリールホスホネート」)、アルアルキル(「アルアルキルホスホネート」)等。
【0045】
「アリール」の用語は、炭素環式(非複素環式)芳香環を含むあらゆる基を意味し、単-、二-または三-環式の環系であってもよい。芳香環または環系は、一般的に6または10個の炭素原子から構成される。そのような基は、縮合環系(例えばナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、アントラセニル等)、結合環系(例えばビフェニル基)を含んでもよく、置換または非置換であってもよい。アリール基の例は、次のものに限定されないが、フェニル、ビフェニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフチルを含む。フェニルが好ましい。
【0046】
「アルアルキル」の用語は、C1-6アルキルで置換されたアリール基を意味する。例はベンジルおよびフェネチルを含む。
「ヘテロサイクリル」の用語は、複素環化合物の環原子から水素原子を除去することによって得られる部分を意味し、その部分は、(特別の定めのない限り)3〜10個の環原子を有し、その1、2、3または4個は環ヘテロ原子であり、それぞれのヘテロ原子はO、SおよびNから独立して選択される。
【0047】
この明細書において、接頭辞3-、4-、5-、6-、7-、8-、9-および10員は、炭素原子、ヘテロ原子にかかわらず、環原子の数または環原子の範囲を意味する。例えば、本明細書で用いられるとき、「3〜10員ヘテロサイクリル」の用語は、3、4、5、6、7、8、9または10個の環原子またはそれらの整数のいずれか2つを含む範囲を有するヘテロサイクリル基に関連する。ヘテロサイクリル基の例は、5-6員単環式ヘテロサイクリルおよび9-10員縮合二環式ヘテロサイクリルを含む。
【0048】
単環式のヘテロサイクリル基の例は、次のものに限定されないが、アジリジン(3員環)、アゼチジン(4員環)、ピロリジン(テトラヒドロピロール)、ピロリン(例えば3-ピロリン、2,5-ジヒドロピロール)、2H-ピロールもしくは3H-ピロール(イソピロール、イソアゾール)もしくはピロリジノン(5員環)、ピペリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン(6員環)、およびアゼピン(7員環)のような1個の窒素原子を含むもの;イミダゾリン、ピラゾリジン(ジアゾリジン)、イミダゾリン、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)(5員環)、ピペラジン(6員環)のような2個の窒素原子を含むもの;オキシラン(3員環)、オキセタン(4員環)、オキソラン(テトラヒドロフラン)、オキソール(ジヒドロフラン)(5員環)、オキサン(テトラヒドロピラン)、ジヒドロピラン、ピラン(6員環)、オキセピン(7員環)のような1個の酸素原子を含むもの;ジオキソラン(5員環)、ジオキサン(6員環)、およびジオキセパン(7員環)のような2個の酸素原子を含むもの;トリオキサン(6員環)のような3個の酸素原子を含むもの;チイラン(3員環)、チエタン(4員環)、チオラン(テトラヒドロチオフェン)(5員環)、チアン(テトラヒドロチオピラン)(6員環)、チエパン(7員環)のような1個の硫黄原子を含むもの;テトラヒドロオキサゾール、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール(5員環)、モルホリン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジン、オキサジン(6員環)のような1個の窒素と1個の酸素原子を含むもの;チアゾリン、チアゾリジン(5員環)、チオモルホリン(6員環)のような1個の窒素と1個の硫黄原子を含むもの;オキサジアジン(6員環)のような2個の窒素と1個の酸素原子を含むもの;オキサチオール(5員環)およびオキサチアン(チオキサン)(6員環)のような1個の酸素と1個の硫黄を含むもの;ならびにオキサチアジン(6員環)のような1個の窒素、1個の酸素および1個の硫黄原子を含むものを含む。
【0049】
ヘテロサイクリルはまた、芳香族ヘテロサイクリルおよび非芳香族ヘテロサイクリルを包含する。そのような基は、置換または非置換であってもよい。
「芳香族ヘテロサイクリル」の用語は、「ヘテロ芳香族」の用語または「ヘテロアリール」もしくは「ヘトアリール(hetaryl)」の用語と区別なく用いられ得る。芳香族ヘテロサイクリル基中のヘテロ原子は、N、SおよびOから独立して選択されうる。
【0050】
「ヘテロアリール」は、芳香族性を有する複素環式基を意味するために本明細書で用いられ、芳香族の単環式の環系および1以上の芳香環を含む多環式(例えば二環式)の環系を含む。芳香族ヘテロサイクリルの用語はまた、疑似芳香族ヘテロサイクリルを包含する。「疑似芳香族」の用語は、厳密に芳香族でないが、電子の非局在化により安定で、芳香環と同じように挙動する環系を意味する。それゆえ、芳香族ヘテロサイクリルの用語は、縮合環の全てが芳香族である多環式の環系ならびに少なくとも1つの環が芳香族であるという条件で、1以上の環が非芳香族である環系を対象として含む。一緒に縮合した芳香環と非芳香環の両方を含む多環式系において、その基は、芳香環または非芳香環によって別の部分と結合しうる。
【0051】
ヘテロアリール基の例は、5〜10員環を含む単環式および二環式の基である。例えば、ヘテロアリール基は、5員もしくは6員の単環、または縮合した5と6員環もしくは縮合した2つの6員環もしくは縮合した2つの5員から形成される二環式構造であることができる。それぞれの環は、一般的に窒素、硫黄および酸素から選択される約4個のヘテロ原子まで含みうる。ヘテロアリール環は、4個までのヘテロ原子、さらに一般的には3個までのヘテロ原子、さらに通常は2個まで、例えばただ1個のヘテロ原子を含む。一つの態様において、ヘテロアリール環は、少なくとも1個の環窒素原子を含む。ヘテロアリール環の窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合におけるように塩基性であるか、またはインドールまたはピロールの窒素の場合におけるように本質的に非塩基性であることができる。一般的に、ヘテロアリール基中の存在する塩基性窒素原子の数は、その環のあらゆるアミノ基の置換基を含めて5未満であろう。
【0052】
芳香族ヘテロサイクリル基は、5員または6員の単環芳香環系であり得る。
5員単環ヘテロアリール基の例は、次のものに限定されないが、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,3および1,2,4 オキサジアゾリルおよびフラザニル、すなわち1,2,5-オキサジアゾリルを含む)、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(1,2,3、1,2,4および1,3,4 トリアゾリルを含む)、オキサトリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3および1,3,4 チアジアゾリルを含む)等を含む。
【0053】
6員単環ヘテロアリール基の例は、次のものに限定されないが、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピラニル、オキサジニル、ジオキシニル、チアジニル、チアジアジニル等を含む。窒素を含む6員ヘテロアリール基の例は、ピリジル(1個の窒素)、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニル(2個の窒素)を含む。ピリジルの場合に置けるように、オキソ(=O)で置換されたとき、置換されたその基は、ピリジノン基として区別なく称されうる。
【0054】
芳香族ヘテロサイクリル基はまた、二環式もしくは多環式のヘテロ芳香環系、例えば縮合環系(プリン、プテリジニル、ナフチリジニル、1H チエノ[2,3-c]ピラゾリル、チエノ[2,3-b]フリル等を含む)または結合環系(例えばオリゴチオフェン、ポリピロール等)でありうる。縮合環系はまた、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル等のような炭素環式芳香環に縮合した芳香族5員もしくは6員のヘテロサイクリル、例えば、フェニル環に縮合した窒素を含む5員芳香族ヘテロサイクリル、フェニル環に縮合した1または2個の窒素を含む5員芳香族ヘテロサイクルを含む、フェニル環に縮合した5-または6員の芳香族ヘテロサイクリル、および例えば6員の芳香族または非芳香族ヘテロサイクリルに縮合した5-または6員の芳香族ヘテロアリールを含む。
【0055】
二環式ヘテロアリール基は、例えば、a) 1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したベンゼン環;b) 1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したピリジン環;c) 1または2個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したピリジジン環;d) 1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したピロール環;e) 1または2個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したピロゾール環;f) 1または2個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したイミダゾール環;g) 1または2個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したオキサゾール環;h) 1または2個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したイソオキサゾール環;i) 1または2個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したチアゾール環;j) 1または2個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したイソチアゾール環;k) 1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したチオフェン環;l) 1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したフラン環;m) 1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したシクロヘキシル環;およびn) 1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5-または6員環に縮合したシクロペンチル環;から選択される基でありうる。
【0056】
もう一つの5員環に縮合した5員環、すなわち8員縮合二環式環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例は、イミダゾチアゾール(例えばイミダゾ[2,1-b]チアゾール)およびイミダゾイミダゾール(例えばイミダゾ[1,2-a]イミダゾール)を含むがそれらに限定されない。
【0057】
5員環に縮合した6員環、すなわち9員縮合二環式環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例は、次のものに限定されないが、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、イソベンズオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えばアデニン、グアニン)、インダゾール、イミダゾピリジン(例えばイミダゾ[1,2-a]ピリジンおよびイミダゾ[4,5-b]ピリジン)、ピラゾロピリミジン(例えばピラゾロ[1,5-a]ピリミジン)、ベンゾジオキソールおよびピラゾロピリジン(例えばピラゾロ[1,5-a]ピリジン)の基を含む。5員環に縮合した6員環のさらなる例は、ピロロ[2,3-b]ピリジン基のようなピロロピリジン基である。
【0058】
二つの縮合6員環、すなわち10員縮合二環式環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例は、次のものに限定されないが、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、クロメン(オキソ(=O)で任意に置換された、すなわちオキソクロメンを含む)、イソクロメン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンズオキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジンおよびプテリジンの基を含む。
【0059】
芳香環と非芳香環とを含むヘテロアリール基の例は、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロベンゾフラン、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾフラン、インドリン、イソインドリンおよびインダンの基を含む。
【0060】
それゆえ、炭素環式芳香環に縮合した芳香族ヘテロサイクリルの例は、次のものに限定されないが、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソベンズオキサゾイル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ベンゾトリアジニル、フタラジニル、カルボリニル等を含む。
【0061】
「非芳香族ヘテロサイクリル」の用語は、N、SおよびOからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、任意に置換された飽和および不飽和の環を包含する。
非芳香族ヘテロサイクリルは、3-7員単環式環でありうる。本明細書で用いられるとき、「3-7員単環式」の用語は、3、4、5、6もしくは7個の環原子またはこれらの整数のいずれか二つを含む範囲を有する単環式基に関する。5員非芳香族ヘテロサイクリル環の例は、2H-ピロリル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ピロリジニル、1-ピリリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリニル、2-ピラゾリニル、3-ピラゾリニル、ピラゾリジニル、2-ピラゾリジニル、3-ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、3-ジオキサラニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、2-イミダゾリニル等を含む。
【0062】
6員非芳香族ヘテロサイクリルの例は、ピペリジニル、ピペリジノニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、2H ピラニル、4H ピラニル、チアニル、チアニルオキシド、チアニルジオキシド、ピペラジニル、ジオザニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジチアニル、1,3,5-トリオザラニル、1,3,5-トリチアニル、1,4-モルホリニル、チオモルホリニル、1,4-オキサチアニル、トリアジニル、1,4-チアジニル等を含む。
7員非芳香族ヘテロサイクリルの例は、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル等を含む。
【0063】
非芳香族ヘテロサイクリル環はまた、結合環系(例えばウリジニル等)または縮合環系のような二環式ヘテロサイクリル環であってもよい。縮合環系は、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル等のような炭素環式芳香環に縮合した、非芳香族の5員、6員または7員のヘテロサイクリルを含む。炭素環式芳香環に縮合した、非芳香族の5員、6員または7員のヘテロサイクリルの例は、インドリニル、ベンゾジアゼピニル、ペンズアゼピニル、ジヒドロベンゾフラニル等を含む。
【0064】
別に定義されていない限り、本明細書で用いられる「任意に置換された」または「任意の置換基」の用語は、C1-6アルキル(直鎖および分枝のC1-6アルキルを含み、鎖内にC3-6シクロアルキル部分を取り込んでいるかまたはスピロ置換基としてC3-6シクロアルキル部分を取り込んでいるC1-6アルキルをさらに含む)、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルコキシ、アリールオキシ、C1-6アルコキシアリール、ハロ、C1-6アルキルハロ(例えばCF3およびCHF2)、C1-6アルコキシハロ(例えばOCF3およびOCHF2)、カルボキシ、エステル、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、ケトン、アミド、アミノアシル、置換アミド、ジ置換アミド、チオール、アルキルチオ、チオキソ、サルフェート、スルホネート、スルフィニル、置換スルフィニル、スルホニル、置換スルホニル、スルホニルアミド、置換スルホンアミド、ジ置換スルホンアミド、ホスフェート、ホスホネート、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロサイクリルおよびヘテロアリール(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロサイクリルならびにそれを有する基は、さらに任意に置換されていてもよい)からなる群から選択される、1、2、3、4個またはそれより多い基、好ましくは1、2または3個、より好ましくは1または2個の基でさらに置換されていてもよいか、置換されていなくてもよい基を意味する。
【0065】
Nを含むヘテロサイクリルの場合における任意の置換基はまた、アルキル、すなわちN-C1-3アルキル、より好ましくはメチル、具体的にはN-メチルを含むがそれに限定されない。
窒素を含む芳香族ヘテロサイクリルの適当な誘導体はそのN-オキシドを含むと理解されたい。
【0066】
態様が、今、記載される。
一つの態様において、C3-10シクロアルキル基(およびそれらを含む基)は、任意に置換されたシクロプロピル、任意に置換されたシクロブチル、任意に置換されたシクロペンチルおよび任意に置換されたシクロヘキシルから選択される。
一つの態様において、C6-10アリール基(およびそれらを含む基)は、任意に置換されたフェニルおよび任意に置換されたナフチルから選択され、任意に置換されたフェニルが特に好ましい。
【0067】
一つの態様において、5-10員ヘテロサイクリル(およびそれらを含む基)は、任意に置換された5員単環式ヘテロサイクリル、任意に置換された6員単環式ヘテロサイクリル、任意に置換された9員縮合二環式ヘテロサイクリルおよび任意に置換された10員縮合二環式ヘテロサイクリルから選択され、それぞれの場合において、ヘテロサイクリルは、O、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む。5-、6-、9-および10員のヘテロサイクリルの例は、前に定義されたそれらを含む。
【0068】
一つの態様において、5-10員ヘテロアリール(およびそれらを含む基)は、任意に置換された5員単環式ヘテロアリール、任意に置換された6員単環式ヘテロアリール、任意に置換された9員縮合二環式ヘテロアリールおよび任意に置換された10員縮合二環式ヘテロアリールから選択され、それぞれの場合において、ヘテロアリールは、O、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む。5-、6-、9-および10員のヘテロアリールの例は、前に定義されたそれらを含む。
【0069】
一つの態様において、本化合物は式(Ia)の化合物である:
【化5】
(式中、
X1は、O、SまたはNR4から選択され、好ましくは、X1はOであり;
R1は、NH2、NR5R6およびNRaRb(ここで、RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒になって任意に置換された5-10員複素環、好ましくは5-または6員の複素環を形成する)から選択され;
R2は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R3は、任意に置換されたC1-6アルキル、好ましくはC1-3アルキル、具体的にはエチルであり;
【0070】
R4は、Hまたは任意に置換されたC1-6アルキルであり;
R5は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
【0071】
R6は、Hであるか、または任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員へテロアリールから選択され;好ましくは、R6は、Hまたは任意に置換されたC1-6アルキル、より好ましくはHまたは任意に置換されたC1-3アルキル、最も好ましくはHであり;
【0072】
tは、0、1、2および3から選択される整数、好ましくは0、1または2であり、ここで、存在するとき、(CH2)tのそれぞれは独立して任意に置換されうる;
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、CR7およびNから選択され、ここで、それぞれのR7は、H、ハロ、または任意の置換基から独立して選択され、さらにZ1、Z2またはZ3の少なくとも1つはNである)。
【0073】
さらなる態様において、Z1、Z2またはZ3の1つはNであり、残りの2つはそれぞれCR7であり、ここで、それぞれのR7は、H、ハロまたは任意の置換基から独立して選択され、特に好ましい態様において、それぞれのR7はHである。
さらに好ましい態様において、Z1またはZ2はNであり、好ましくはZ2はNである。
さらにもう一つの特定の態様において、Z2はNであり、Z1およびZ3は、それぞれCR7であり、ここで、それぞれのR7は、H、ハロまたは任意の置換基から独立して選択され、特に好ましい態様において、それぞれのR7はHである。別の態様において、Z1はCHであり、Z2はCHであり、Z3はNである。
【0074】
さらにもう一つの態様において、Z1、Z2またはZ3の2つはNであり、残りの1つはCR7であり、ここで、R7はH、ハロまたは任意の置換基から独立して選択され、特に好ましい態様において、R7はHである。さらなる態様において、Z1およびZ2は両方Nであり、Z3はCHである。別の態様において、Z1はNであり、Z2はCHであり、Z3はNである。さらにもう一つの別の態様において、Z1はCHであり、Z2はNであり、Z3はNである。
【0075】
一つの態様において、R2は、任意に置換され、かつ(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され、ここで、tは0または1である。
特定の態様において、R2は、任意に置換されたC3-10シクロアルキル(好ましくはC3-6シクロアルキル、より好ましくはC5-6シクロアルキル)、任意に置換された(CH2)tC6-10アリール(好ましくはフェニル)、任意に置換された3-10員ヘテロサイクリル(好ましくは5-6員単環式の環および9-10員二環式の環)および任意に置換された(CH2)t5-10員ヘテロアリール(好ましくは5-6員単環式の環および9-10員の二環式の環)(ここで、tは0または1である)から選択される。
【0076】
さらに、さらなる態様において、R2は、任意に置換されたシクロヘキシル、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された5-6員ヘテロサイクリルおよび任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、tは0または1である。
さらにもう一つの態様において、R2は、任意に置換された(CH2)tフェニルまたは任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環であり、ここで、それぞれの場合におけるtは、独立して0または1である。
【0077】
特に好ましい(CH2)t5員ヘテロアリール環は、任意に置換されたピラゾリルまたは任意に置換されたイソオキサゾリルを含む。
特に好ましい(CH2)t6員ヘテロアリール環は、任意に置換されたピリジル、任意に置換されたCH2ピリジル、任意に置換されたピリミジニルまたは任意に置換されたピリジノニルを含む。
特に好ましい態様において、R2は任意に置換されたフェニルである。
一つの態様において、R1はNR5R6である。
【0078】
さらなる態様において、R5は、任意に置換され、かつC1-3アルキル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され、ここで、tは整数0、1または2である。
もう一つのさらなる態様において、R5は、任意に置換されたC3-10シクロアルキル(好ましくはC3-6シクロアルキル)、任意に置換された(CH2)tC6-10アリール(好ましくは(CH2)tフェニル)、任意に置換された3-10員ヘテロサイクリル(好ましくは5-6員単環式の環および9-10員縮合二環式の環)および任意に置換された(CH2)t5-10員ヘテロアリール(好ましく、(CH2)t5-6員単環式の環および(CH2)t9-10員縮合二環式の環)から選択され、ここで、tは整数0、1または2である。
【0079】
さらに、さらなる態様において、R5は、任意に置換されたC1-3アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された5-6員ヘテロサイクリル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環および任意に置換された9-10員ヘテロアリール環から選択され、ここで、tは整数0、1または2である。
【0080】
特定の態様において、R5は、任意に置換され、かつフェニル、CH2フェニル、CH2CH2フェニル、5員ヘテロサイクリル、6員ヘテロサイクリル、5員ヘテロアリール、6員ヘテロアリール、CH26員ヘテロアリール、9員ヘテロアリールおよび10員ヘテロアリールから選択される。
【0081】
さらにもう一つの態様において、R2およびR5は、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロサイクリル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環および任意に置換された(CH2)t9-10員ヘテロアリール環からそれぞれ独立して選択され、ここで、tは整数0、1または2、好ましくは0または1であり、R6はHである。
もう一つの態様において、R1はNRaRbである。
【0082】
さらなる態様において、R1がNRaRbであるとき、RaおよびRbは、それらが結合するNと一緒になって任意に置換された5-または6員の複素環を形成する。特定の態様において、NRaRbは、例えば、任意に置換されたピペリジン、任意に置換されたピペラジンまたは任意に置換されたモルホリンのような任意に置換された6員複素環を形成する。
【0083】
R1(R5、R6およびNRaRbを含む)およびR2のそれぞれの場合における好適な任意の置換基は、次のものに限定されないが、C1-6アルキル(メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等を含み、具体的にはメチル)、C3-C6シクロアルキル、C2-6アルケニル(エテニル、プロペニル、ブテニル等を含み、具体的にはエテニル)、C1-6アルコキシ(メトキシを含む)、アリールオキシ(フェノキシを含む)、オキソ(=O)、ヒドロキシ、ハロ(具体的にはClおよびF)、C1-6アルキルハロ(CF3を含む)、SF5、C1-6アルコキシハロ(OCF3を含む)、CO2H、CO2C1-6アルキル、C(O)C1-6アルキル、シアノ、N3、P(O)(OH)2、P(O)(OC1-3アルキル)2、NHSO2C1-3アルキル、SO2NH2、SO2NHC1-3アルキル、アミノ、置換アミノ(NHC1-6アルキルを含む)、ジ置換アミノ(N(C1-6アルキル)2を含む)、アミド、置換アミド(C(O)NHC1-6アルキルおよびNHC(O)C1-6アルキルを含む)、ジ置換アミド(C(O)N(C1-6アルキル)2およびNC1-6アルキルC(O)C1-6アルキルを含む)、C(O)C1-6アルキル、フェニル、4-6員ヘテロサイクリル(具体的には、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびジオキシドチオモルホリニル)および5-6員ヘテロアリール(具体的には、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびピリジニル)(ここで、各アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、ヘテロサイクリルおよびヘテロアリールならびにそれらを含む基は、前に定義された任意の置換基の1以上のいずれかでさらに任意に置換されうる)から選択される、1、2、3または4個、好ましくは1、2または3個、より好ましくは1または2個の任意の置換基を含む。
【0084】
一つの態様において、各アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、ヘテロサイクリルおよびヘテロアリールならびにそれらを含む基は、C1-3アルキル、ハロ(具体的には、ClおよびF)、ヒドロキシ、CO2H、CO2C1-6アルキル(具体的には、CO2CH3およびCO2CH2CH3)、アミド(C(O)NH2)、置換アミド(具体的にはC(O)NHCH3)およびジ置換アミド基(具体的にはC(O)N(CH3)2)から独立して選択される、1個以上の任意の置換基、好ましくは1、2または3個、より好ましくは1または2個の任意の置換基でさらに任意に置換されうる。
【0085】
一つの態様において、任意の置換基は、直鎖または分枝のC1-6アルキル(好ましくはC1-4アルキル)、鎖内にC3-6シクロアルキルを取り込んでいるC1-6アルキル(好ましくは-CH-シクロプロピル-CH-)、NHC1-6アルキル、C2-6アルケニル(好ましくはC2-4アルケニル)またはC2-6アルキニル(好ましくはC3アルキニル)であり、それらは、それぞれの場合、C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル(好ましくは、スピロシクロブチルのようなスピロシクロアルキル)、ハロ、ヒドロキシ、CO2H、CO2C1-6アルキル、テトラゾリル、アミド(C(O)NH2)、置換アミド(具体的にはC(O)NHCH3)またはジ置換アミド基(具体的にはC(O)NH(CH3)2)でさらに任意に置換されうる。
【0086】
そのような任意の置換基の特に好ましい例は、次の:(CH2)qOH、(CH2)qCO2H、(CH2)qCO2C1-3アルキル(具体的には(CH2)qCO2CH3および(CH2)qCO2CH2CH3)、(CH2)qテトラゾリル、(CH2)qC(O)NH2、(CH2)qC(O)NHCH3、(CH2)qC(O)N(CH3)2、(CH2)qC(O)CH3、(CH2)qC(O)N(CH3)OCH3、CH=CHCO2H、CH=CHCO2C1-3アルキル(具体的には、CH=CHCO2CH3およびCH=CHCO2CH2CH3)、(CH2)qC(CH3)2CO2H、(CH2)qC(CH3)2CO2C1-3アルキル(具体的には、(CH2)qC(CH3)2CO2CH3および(CH2)qC(CH3)2CO2CH2CH3)、C=CCH2OHおよびC=CCHC1-3アルキルOH(具体的にはC=CCHCH3OH);C=CC(C1-3アルキル)2OH(具体的にはC=CC(CH3)2OH);CO2HまたはCO2C1-3アルキルで置換されたC3-6シクロアルキルを組み込んでいるC1-3アルキル
【0087】
【化6】
ならびにC3-6シクロアルキルおよびCO2HまたはCO2C1-3アルキルで任意に置換されたNHC1-6アルキル
【0088】
【化7】
【0089】
を含み、ここで、*は結合の場所を示し、qは1、2または3、好ましくは1または2から独立して選択される整数である。
【0090】
したがって、さらなる態様において、本化合物は、式(Ib)の化合物である:
【化8】
【0091】
(式中、
R2は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
R5は、任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され;
【0092】
R6は、Hであるか、または任意に置換され、かつC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員へテロアリールから選択され;好ましくは、R6は、Hまたは任意に置換されたC1-6アルキル、より好ましくはHまたは任意に置換されたC1-3アルキル、最も好ましくはHであり;
tは、0、1、2および3から選択される整数、好ましくは0、1または2であり、ここで、存在するとき、(CH2)tのそれぞれは独立して任意に置換されうる)。
【0093】
一つの態様において、R2は、任意に置換され、かつ(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され、ここで、tは0または1である。
【0094】
特定の態様において、R2は、任意に置換されたC3-10シクロアルキル(好ましくはC3-6シクロアルキル、さらに好ましくはシクロヘキシルのようなC5-6シクロアルキル)、任意に置換された(CH2)tC6-10アルール(好ましくはフェニル)、任意に置換された3-10員ヘテロサイクリル(好ましくは、5-6員単環式の環および9-10員二環式の環)および任意に置換され(CH2)t5-10員ヘテロアリール(好ましくは、5-6員の単環式の環および9-10員二環式の環)から選択され、ここで、tは0または1である。
【0095】
さらに、さらなる態様において、R2は、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された5-6員ヘテロサイクリルおよび任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環から選択され、ここで、tは0または1である。
さらにもう一つの態様において、R2は、任意に置換された(CH2)tフェニルまたは任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環であり、ここで、それぞれの場合におけるtは、独立して0または1である。
【0096】
特に好ましい(CH2)t5員ヘテロアリール環は、任意に置換されたピラゾールまたは任意に置換されたイソオキサゾールを含む。
特に好ましい(CH2)t6員ヘテロアリール環は、任意に置換されたピリジル、任意に置換されたCH2ピリジル、任意に置換されたピリミジニルまたは任意に置換されたピリジノニルを含む。
特に好ましい態様において、R2は、任意に置換されたフェニルである。
【0097】
一つの態様において、R5は、任意に置換され、かつC1-3アルキル、(CH2)tC3-10シクロアルキル、(CH2)tC3-10シクロアルケニル、(CH2)tC6-10アリール、(CH2)t3-10員ヘテロサイクリルおよび(CH2)t5-10員ヘテロアリールから選択され、ここで、tは整数0、1または2である。
【0098】
特定の態様において、R5は、任意に置換されたC3-10シクロアルキル(好ましくはC3-6シクロアルキル)、任意に置換された(CH2)tC6-10アリール(好ましくは(CH2)tフェニル)、任意に置換された3-10員ヘテロサイクリル(好ましくは、5-6員単環式の環および9-10員の縮合二環式の環)および任意に置換された(CH2)t5-10員ヘテロアリール(好ましくは、(CH2)t5-6員の単環式の環および(CH2)t9-10員の縮合二環式の環から選択され、ここで、tは整数0、1または2である。
【0099】
さらに、さらなる態様において、R5は、任意に置換されたC1-3アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された5-6員ヘテロサイクリル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環および任意に置換された9-10員ヘテロアリール環から選択され、ここで、tは整数0、1または2である。
【0100】
特定の態様において、R5は、任意に置換され、かつフェニル、CH2フェニル、CH2CH2フェニル、5員ヘテロサイクリル、6員ヘテロサイクリル、5員ヘテロアリール、6員ヘテロアリール、CH26員ヘテロアリール、9員ヘテロアリールおよび10員ヘテロアリールから選択される。
特に好ましい態様において、R5は任意に置換されたフェニルである。
【0101】
さらにもう一つの態様において、R2およびR5は、任意に置換された(CH2)tフェニル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロサイクリル、任意に置換された(CH2)t5-6員ヘテロアリール環および任意に置換された(CH2)t9-10員ヘテロアリール環からそれぞれ独立して選択され、ここで、tは整数0、1または2、好ましくは0または1であり、R6はHである。
【0102】
特に好ましい態様において、R2は、任意に置換されたフェニルまたは任意に置換されたピリジニルであり、R5は、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたCH2フェニル、任意に置換されたCH2CH2フェニル、任意に置換された5員ヘテロアリール(好ましくは、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル)、任意に置換された6員ヘテロアリール(好ましくは、ピリジニル、ピリジノニル、ピリダジニルおよびピリミジニル)、任意に置換されたCH26員ヘテロアリール(好ましくはCH2ピリジニル)、任意に置換された9員ヘテロアリール(好ましくは、インドリル、ベンゾチアゾリルおよびイミダゾピリジニル)または任意に置換された10員ヘテロアリール(好ましくは、キノリニルおよびオキソクロメニル)である。
【0103】
さらに好ましい態様において、R2は任意に置換されたフェニルであり、R5は任意に置換されたフェニルである。
R2およびR5に対する好適な任意の置換基は、前で定義されたとおりである。
【0104】
一つの態様において、R2に対する好適な任意の置換基は、C1-3アルキル(具体的には、OH、CO2H、CO2C1-3アルキル(具体的には、CO2CH3およびCO2CH2CH3)、C(O)NH2、C(O)NHC1-3アルキル(具体的にはC(O)NHCH3)およびC(O)N(C1-3アルキル)2(具体的にはC(O)N(CH3)2)でさらに任意に置換されていてもよいメチル);ハロ(具体的には、ClおよびF);ハロC1-3アルキル(具体的にはCF3);ハロC1-3アルコキシ(具体的にはOCF3);SF5;C1-3アルコキシ(具体的にはメトキシ);CN;OH;CO2H;CO2C1-3アルキル(具体的には、CO2CH3およびCO2CH2CH3);C(O)NH2;C(O)NHC1-3アルキル(具体的にはC(O)NHCH3);およびC(O)N(C1-3アルキル)2(具体的にはC(O)N(CH3)2)からなる群から独立して選択される、1、2または3個、好ましくは1または2個の任意の置換基を含む。
【0105】
一つの態様において、R5に対する好適な任意の置換基は、C1-6アルキル;C2-6アルケニル、C2-6アルキニル;ハロ(具体的には、ClおよびF);ハロC1-3アルキル(具体的にはCF3);ハロC1-3アルコキシ(具体的にはOCF3);SF5;C1-3アルコキシ(具体的にはメトキシ);アリールオキシ(具体的にはフェノキシ);CN;N3;OH;CO2H;CO2C1-3アルキル(具体的には、CO2CH3およびCO2CH2CH3);C(O)NH2;C(O)NHC1-3アルキル(具体的にはC(O)NHCH3);およびC(O)N(C1-3アルキル)2(具体的にはC(O)N(CH3)2);P(O)(OH)2; P(O)(OC1-3アルキル)2;NHSO2C1-3アルキル;SO2NH2;SO2NHC1-3アルキル;アミノ;置換アミノ(NHC1-6アルキルを含む);ジ置換アミノ(N(C1-6アルキル)2を含む);アミド;置換アミド(C(O)NHC1-6アルキルおよびNHC(O)C1-6アルキルを含む);ジ置換アミド(C(O)N(C1-6アルキル)2およびNC1-6アルキルC(O)C1-6アルキルを含む);C(O)C1-6アルキル;フェニル;4-6員ヘテロサイクリル(具体的には、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびジオキシドチオモルホリニル);および5-6員ヘテロアリール(具体的には、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、およびピリジニル)からなる群から独立して選択される、1、2または3個、好ましくは1または2個の任意の置換基を含み、ここで、各アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、ヘテロサイクリルおよびヘテロアリールならびにそれらを含む基は、前に定義された任意の置換基の1以上のいずれかでさらに任意に置換されうる。
【0106】
一つの態様において、R5は、(CH2)qOH、(CH2)qCO2H、(CH2)qCO2C1-3アルキル(具体的には、(CH2)qCO2CH3および(CH2)qCO2CH2CH3)、(CH2)qテトラゾリル、(CH2)qC(O)NH2、(CH2)qC(O)NHCH3、(CH2)qC(O)N(CH3)2、(CH2)qC(O)CH3、(CH2)qC(O)N(CH3)OCH3、CH=CHCO2H、CH=CHCO2C1-3アルキル(具体的には、CH=CHCO2CH3およびCH=CHCO2CH2CH3)、(CH2)qC(CH3)2CO2H、(CH2)qC(CH3)2CO2C1-3アルキル(具体的には、(CH2)qC(CH3)2CO2CH3および(CH2)qC(CH3)2CO2CH2CH3)、C=CCH2OHおよびC=CCHC1-3アルキルOH(具体的にはC=CCHCH3OH)およびC=CC(C1-3アルキル)2OH(具体的にはC=CC(CH3)2OH);CO2HまたはCO2C1-3アルキルで置換されたC3-6シクロアルキルを組み込んでいるC1-3アルキル
【0107】
【化9】
ならびにC3-6シクロアルキルおよびCO2HまたはCO2C1-3アルキルで任意に置換されたNHC1-6アルキル
【0108】
【化10】
【0109】
からなる群から選択される置換基で任意に置換され、ここで、*は結合の場所を示し、qは1、2または3、好ましくは1または2から独立して選択される整数である。
【0110】
一つの態様において、本化合物は次の化合物、ならびにそのラセミ体、鏡像体および塩からなる群から選択される:
【化11-1】
【0111】
【化11-2】
【0112】
【化11-3】
【0113】
【化11-4】
【0114】
【化11-5】
【0115】
【化11-6】
【0116】
【化11-7】
【0117】
【化11-8】
【0118】
【化11-9】
【0119】
【化11-10】
【0120】
【化11-11】
【0121】
【化11-12】
【0122】
【化11-13】
【0123】
【化11-14】
【0124】
【化11-15】
【0125】
【化11-16】
【0126】
【化11-17】
【0127】
【化11-18】
【0128】
【化11-19】
【0129】
【化11-20】
【0130】
【化11-21】
【0131】
【化11-22】
【0132】
【化11-23】
【0133】
好ましくは、式Iの化合物の塩は、医薬的に許容な塩であるが、非医薬的に許容な塩も、それらが医薬的に許容な塩の製造における中間体として役立つので、本発明の範囲の中にあると理解されるであろう。
【0134】
好適な医薬的に許容な塩は、次のものに限定されないが、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸および臭化水素酸のような医薬的に許容な無機酸の塩、または酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、粘液酸、グルコン酸、、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸および吉草酸のような医薬的に許容な有機酸の塩を含む。
【0135】
塩基塩は、次のものに限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウムのような医薬的に許容なカチオンと一緒に形成される塩、トリエチルアミンから形成される塩ようなアルキルアンモニウム、エタノールアミンと一緒に形成される塩のようなアルコキシアンモニウムおよびエチレンジアミン、コリンまたはアルギニン、リシンもしくはヒスチジンのようなアミノ酸から形成される塩を含む。医薬的に許容な塩のタイプおよびそれらの形成に関する一般的情報は、当業者に公知であり、"Handbook of Pharmaceutical salts" P. H. Stahl, C. G. Wermuth, 第1版, 2002, Wiley-VCHのような一般的教科書に記載されているとおりである。
【0136】
塩基性の窒素-含有基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルクロライド、ブロマイドおよびアイオダイドのような低級アルキルハライド;ジメチルおよびジエチル硫酸のようなジアルキル硫酸等のような作用剤で4級化されうる。
ヒドロキシ基は、酢酸および2,2-ジメチルプロピオン酸のような低級アルキルカルボン酸を含むグループを用いてエステル化されうるか、またはメチルスルホン酸のようなアルキルスルホン酸を含むグループを用いてスルホン化されうるか、またはメチレンホスホン酸のようなアルキルホスホン酸を含むグループを用いてリン酸化されうるか、またはホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステルもしくはリン酸エステルに直接結合しうる。
【0137】
式Iの化合物は、不斉中心を有しうる、それゆえ、1以上の立体異性体の形態で存在することができることが認識されるであろう。したがって、本発明は、1以上の不斉中心での実質的に純粋な異性体の化合物、例えば、約95%または97% eeのような約90% eeより大きい、または99% eeより大きい化合物、ならびにラセミ混合物を含むそれらの混合物にも関する。そのような異性体は、例えばキラル中間体を用いる不斉合成、またはキラル分割により製造されうる。
【0138】
この発明は、式Iの化合物のプロドラッグも含む。遊離のアミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボン酸基を有する式Iの化合物は、プロドラッグに変換されうる。
【0139】
本発明は、細菌感染症に罹患している対象への、式Iの化合物または医薬的に許容なその塩の投与を含む、細菌感染症の治療方法を提供する。
本発明の化合物は、あらゆる好適な手段、例えば経口的、皮下、静脈内、筋肉内もしくは嚢内注入によるような非経口的、または注入法(例えば、無菌注射可能な水もしくは非水溶液または懸濁液として)により投与されうる。
【0140】
本発明は、細菌感染症の治療における使用のための、式Iの化合物またはその医薬的に許容な塩も提供する。
式Iの化合物またはその塩を含む組成物も提供される。好ましくは、前記組成物は、医薬的に許容な担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む。
【0141】
本発明の組成物は、医薬製剤の技術分野でよく知られた技術により、例えば、慣用の固体もしくは液体のビヒクル(vehicle)または希釈剤、ならびに所望の投与様式に適したタイプの医薬的添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定化剤、着香剤等)を用いて製剤化されうる。
【0142】
医薬製剤は、経口、直腸、鼻、(頬側および舌下を含む)局所、膣または(筋肉内、皮下、静脈内を含む)非経口投与用または吸入もしくは吹込(insufflation)による投与に適した形態の製剤を含む。したがって、本発明の化合物は、慣用の補助剤(adjuvant)、担体または希釈剤と共に、医薬組成物およびその投薬単位の形態中に入れられ、そのような形態で、あらゆる経口使用のための、錠剤もしくは充填カプセル剤のような固体として、または溶液、懸濁液、乳液、エリキシルもしくはそれらを充填されたカプセル剤としての液体として、直腸投与用の坐剤の形態;または(皮下を含む)非経口使用のための無菌注射溶液の形態で用いられうる。
【0143】
ヒトのような霊長類に加えて、その他の種々の哺乳動物が本発明の方法により治療されうる。例えば、次のものに限定されないが、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたはその他のウシ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、齧歯動物もしくはマウス種を含む哺乳動物が、治療されうる。しかしながら、本方法は、鳥類(例えばニワトリ)のようなその他の種にも実施されうる。
【0144】
前記方法で処置される対象は、次のものに限定されないが、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたはその他のウシ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、齧歯動物もしくはマウス種を含む哺乳動物で、好ましくはヒト、男性または女性である。
【0145】
「有効量」の用語は、研究者、獣医、医師またはその他の臨床医により求められる、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き起こすであろう対象組成物の量を意味する。
本明細書中で用いられる「組成物」の用語は、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに特定量での特定の成分の組合せから直接的または間接的に生じるあらゆる生成物を含むことが意図される。「医薬的に許容な」によって、担体、希釈剤または賦形剤が、製剤中の他の成分と共存できなければならないこと、およびその受容者に有害であってはならないことが意味される。
【0146】
「〜の投与」およびまたは「〜を投与すること」の用語は、処置の必要な個体に本発明の化合物を与えることを意味すると理解されるべきである。
【0147】
この発明の化合物の投与のための医薬組成物は、都合よく単位投与形態で提示され、薬学の技術分野でよく知られたいずれかの方法により製造されうる。全ての方法は、活性成分を1以上の付属の成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般的に、医薬組成物は、活性成分を液体の担体もしくは微粉化した固体の担体または両方と均一にかつ密接に会合させ、必要なら、次いで該生成物を所望の製剤に成形することによって製造される。医薬組成物において、活性な目的化合物は、疾病の過程または状態に対して所望の効果を生じるのに十分な量で含まれる。本明細書で用いられる「組成物」の用語は、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに特定量での特定の成分の組合せから直接的または間接的に生じるあらゆる生成物を含むことが意図される。
【0148】
医薬組成物は、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、前で挙げられたこれらの好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、公知の技術により製剤化されうる。無菌の注射可能な製剤は、例えば1,3-ブタンジオールの溶液のような、非毒性の非経口で許容な希釈剤または溶媒の無菌の注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。用いることができる許容なビヒクルおよび溶媒の中に、水、リンゲル溶液および等張食塩液がある。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、無菌の固定油が慣用的に用いられる。この目的のために、合成モノ-またはジグリセリドを含む、あらゆる無刺激性の固定油が用いられうる。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が、注射剤の製造において役立つことを見出している。
【0149】
細菌感染症の治療または予防において、適当な投与量レベルは、一般的に、1日当たり、患者の体重1 kg当たり約0.01〜500 mgであり、それは単回または複数回の用量で投与できる。経口投与に対して、好ましくは、本組成物は、1.0〜1000 ミリグラムの活性成分を含む錠剤の形態で提供される。
【0150】
しかしながら、特定の患者に対する特定の用量レベルおよび投薬の回数は、変化しうるし、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、一般健康、性別、食事、投与の様式および時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の病状の重篤度、ならびに治療を受ける受容者を含む種々の因子に依存するであろうことが理解されるであろう。
【0151】
本発明の化合物は、一般的に、次の一般的な方法によって製造されうる。
一般的方法A
【化12】
【0152】
工程a:クロロ-アミノ類似物を、有機溶媒(例えばDMF)中、標準的なヨード化条件(例えばNIS)に付した。
工程b:ヨード-クロロ-アミノ類似物を、適当な有機溶媒(例えばNMP)中、金属シアン化物(例えばZn(CN)2)、パラジウム触媒(例えばPd(PPh3)4)を用いるシアン化条件に付した。
工程c:シアノ類似物を、水性酸(例えばH2SO4)を用いる標準的な加水分解に付した。
工程d:酸を、有機溶媒(例えばDMF)中、一般的なカップリング試薬(例えばEDCI + HOBt)を用いる適当なアミン(例えばm-トルイジン)とのアミドカップリング条件に付した。
工程e:遊離のアミン類似物を、有機溶媒(例えば、1,4-ジオキサン)中、適当なイソシアネート(例えばエチル イソシアネート)と反応させた。
【0153】
一般的方法B
【化13】
【0154】
工程a:複素環エステルを、無水酢酸中、1,3-アセトンジカルボキシレートのオルトホルメート(例えばトリメチルオルトホルメート)との縮合、続いてアンモニアでの処理によって形成した。
工程b:(i)/(ii) ジヒドロキシ類似物(i)またはピリミジン類似物(ii)を、適当な試薬(例えばPOCl3)を用いる脱水的塩素化に付した。
工程c:ジクロロ類似物を、適当な有機溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中、パラジウム触媒(例えばPd(OAc)2)、共触媒(例えばXantphos)および塩基(例えばKOtBu)の存在下、適当なウレア(例えばN-エチルウレア)とのBuchwaldカップリング条件に付した。
工程d:ジクロロ類似物を、有機溶媒(例えばDMF)中、塩基(例えばNaH)または酸(例えばHCl)の存在下、適当なアミンによる選択的置換に付した。
【0155】
工程e:アミノ-クロロ類似物を、適当な有機溶媒(例えばトルエン)中、適当な保護されたアミン(例えばp-メトキシベンジルアミン)を用いる置換条件に付した。
工程f:保護されたアミンを、標準的条件(例えば、PMB基に対してDCM中TFA + Et3SiH)を用いて脱保護した。
工程g (i):アミノ類似物を適当なイソシアネート(例えばN-エチルイソシアネート)と反応させ、ウレア類似物を形成した。
工程g (ii):クロロ-ウレア類似物を、有機溶媒(例えばDMF)中、塩基(例えばNaH)または酸(例えばHCl)の存在下、適当なアミン(例えばm-トルイジン)による選択的置換に付した。
【0156】
工程h:エステル類似物を、適当な溶媒(例えばEtOH)中、適当な水性塩基(例えばNaOH)を用いて酸に加水分解した。
工程i:酸を、有機溶媒(例えばDMF)中、一般的なカップリング試薬(例えばEDCI + HOBt)を用いる適当なアミン(例えばm-トルイジン)とのアミドカップリング条件に付した。
工程j:クロロ-アミノ類似物を、適当な有機溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中、パラジウム触媒(例えばPd(OAc)2)、共触媒(例えばXantphos)および塩基(例えばKOtBu)の存在下、適当なウレア(例えばN-エチルウレア)とのBuchwaldカップリング条件に付した。
工程k:エステルを、適当な溶媒(例えばTHF)中、ルイス酸(例えばトリメチルアルミニウム)の存在下、適当なアミン(例えばアニリン)と反応させた。
【0157】
一般的方法C
【化14】
【0158】
ここで、一般的反応スキーム中のRは、酸(CO2H)、エステル(CO2アルキル)または基-X-R1(ここで、XおよびR1は、前で定義されたとおりである)を表す。
【0159】
工程a:ジクロロ酸を、触媒的DMFを用いて、有機溶媒(例えばTHF)中、適当な試薬(例えば塩化チオニル)での酸塩化物への活性化、続いて有機溶媒(例えばTHF)中、塩基(例えばTEA)の存在下、適当なアミン(例えば3-アミノピリジン)との反応によってアミドへ変換した。
工程b (i):ジクロロ類似物を、有機溶媒(例えばDMF)中、塩基(例えばNaH)または酸(例えばHCl)の存在下、適当なアミン(例えばアニリン)による選択的置換に付した。
工程b (ii):ジクロロ類似物を、適当な有機溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中、パラジウム触媒(例えばPd(OAc)2)、共触媒(例えばXantphos)および塩基(例えばKOtBu)の存在下、適当なウレア(例えばN-エチルウレア)とのBuchwaldカップリング条件に付した。
工程c (i):クロロ-アミノ類似物を、適当な有機溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中、パラジウム触媒(例えばPd(OAc)2)、共触媒(例えばXantphos)および塩基(例えばKOtBu)の存在下、適当なウレア(例えばN-エチルウレア)とのBuchwaldカップリング条件に付した。
工程c (ii):クロロ-ウレア類似物を、有機溶媒(例えばDMF)中、塩基(例えばNaH)または酸(例えばHCl)の存在下、適当なアミン(例えばアニリン)による選択的置換に付した。
【0160】
一つの態様において、一般式(II)の中間体が提供される:
【化15】
(式中、R'は、ハロまたはNH2基であり、R1、R2、X、Z1、Z2およびZ3は、式(I)に対して前で定義されたとおりである)。
【0161】
したがって、式(II)の中間体を介する式(I)の化合物の製造方法が提供される。一つの態様において、R'はハロであり、その方法は、Buchwaldカップリング条件下、前記式(II)の中間体をN-C1-6アルキルウレアとカップリングする工程を含む。もう一つの態様において、R'はNH2であり、その方法は、適当な反応条件下、前記式(II)の中間体をC1-6アルキルイソシアネートと反応させる工程を含む。
【0162】
もう一つの態様において、一般式(III)の中間体が提供される:
【化16】
(式中、R"は、HまたはC1-6アルキルであり、R2、R3、Z1、Z2およびZ3は、式(I)に対して前で定義されたとおりである)。
【0163】
したがって、式(III)の中間体を介する式(I)(式中、X-R1はC(=O)NR5R6またはC(=O)NRaRbである)の化合物の製造方法が提供され、ここで、その方法は、アミドカップリング(例えば、HOBt/EDCI、HATU、HBTUのようなカップリン試薬を用いる)または酸触媒(例えばルイス酸)のようなアミド形成条件下、前記の式(III)の中間体を式NHR5R6またはNHRaRbの試薬と反応させる工程;あるいは、式(III)の-CO2R"基を活性化し、その酸塩化物または酸無水物を形成し、次いで式NHR5R6またはNHRaRbの前記試薬と反応させる工程を含む。
【0164】
もう一つの態様において、一般式(IV)の中間体が提供される:
【化17】
(式中、X、R1、R3、Z1、Z2およびZ3は、式(I)に対して前で定義されたとおりである)。
【0165】
したがって、式(IV)の中間体を介する式(I)の化合物の製造方法が提供され、ここで、その方法は、求核置換/置換(displacement/substitution)の条件下(例えば、塩基もしくは酸/塩基または酸触媒の存在下)、前記式(IV)の中間体を式NH2R2の試薬と反応させる工程を含む。
【実施例】
【0166】
本明細書に記載された発明は、具体的に記載されたもの以外の変化および修飾を起こしやすいことを、当業者は理解するであろう。本発明は、限定なしに、次の実施例を参照することにより、今、記載される。
【0167】
化合物合成
1H NMRスペクトルは、Bruker Avance DRX 400, AC 200またはAM 300分光計のいずれかで記録された。スペクトルは、対照として残留溶媒ピークを用いて、重水素化溶媒(CDCl3、MeOD、DMSO-d6、CD3CNまたはアセトン-d6)中で記録された。ケミカルシフトは、多重度を同定するための次の規約:s (シングレット)、d (ダブレット)、t (トリプレット)、q (カルテット)、p (ペンテット), m (マルチプレット)および前に付けられたbr (ブロード)を用いて、百万分の一(ppm)で、δスケールで示される。マススペクトル(ESI)は、Micromass Platform QMSまたはThermo Finnigan LCQ Advantage分光計のいずれかで記録された。
【0168】
フラッシュクロマトグラフィーは、40-63μmシリカゲル 60 (Merck No. 9385)で行った。自動フラッシュクロマトグラフィーは、Combi-Flash(商標)シリカゲルカラムを用いるCombi-Flash(商標)精製システムまたはGraceResolv(商標)シリカゲルカートリッジ、Grace Reveleris(商標) C-18逆相シリカゲルカートリッジもしくはBiotage SNAP(商標)C-18逆相シリカゲルカートリッジのいずれかを用いるBiotage SP4精製システムのいずれかで行った。分取HPLCは、Gilson 215リキッドハンドラーおよびHP1100 PDA 検出器を有するGilson 322ポンプまたはVarian XRs C-18 100×21.2 mm カラムを用いるAgilent 1200 Series マス検出分取LCMSのいずれかを用いて行った。特別の定めのない限り、HPLCシステムは、アセトニトリルもしくは水中の0.06 % TFA を含むアセトニトリルのいずれか、0.1 % TFAを含む水または0.1 % ギ酸を含む水を用いる、Phenomenex C8(2)カラムを用いた。
【0169】
反応の間、多くの部分は保護される必要がありうる。好適な保護基は、産業界でよく知られており、Protecting Groups in Organic Synthesis, Greene T W, Wiley-Interscience, New York, 1981のような多くの参考書に記載されている。
【0170】
別に示されていなければ、実施例で用いられる略語は次のとおりである:
Ac: アセチル
ACN: アセトニトリル
conc.: 濃縮された(濃)
DCM: ジクロロメタン
DIPEA: N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP: N,N-ジメチルピリジン-4-アミン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
EDCI: 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc: 酢酸エチル
Et2O: ジエチルエーテル
EtOH: エタノール
ESI: 電子スプレーイオン化
Eq: 当量
h: 時間
HATU: 2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
HBTU: N-[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチリデン]-N-メチルメタナミニウム ヘキサフルオロホスフェート
【0171】
HOBt: N-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
IPA: プロパン-2-オール
LCMS: 液体クロマトグラフィー連結質量分析
LDA: リチウム ジイソプロピルアミド
LHMDS: リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド
min: 分
MeOH: メタノール
MS: 質量分析
NBS: N-ブロモスクシンイミド
NIS: N-ヨードスクシンイミド
NMP: 1-メチルピロリジン-2-オン
NMR: 核磁気共鳴
NOE: 核オーバーハウザー効果
PTFE: ポリ(テトラフルオロエチレン)
PMB: p-メトキシベンジル
s: 秒
RT: 室温
THF: テトラヒドロフラン
TLC: 薄層クロマトグラフィー
TMEDA: N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン
Xantphos: 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
X-phos: 2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2',4',6'-トリ-i-プロピル-1,1'-ビフェニル
【0172】
用いられた全てのアミンは、特に明記しない限り、市販されていた。次のアミンは、合成によって製造された。
メチル 3-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート
【化18】
【0173】
メチル 2,2-ジメチル3-(4-ニトロフェニル)プロパノエート (i):
ドライアイス/アセトン浴中、n-BuLi (ヘキサン中1.15M) (10.1 mL, 11.6 mmol)をTHF (20 mL)中のジイソプロピルアミン (1.64 mL, 11.6 mmol)の溶液に滴下した。混合物を撹拌し、〜-50℃に温めた後、再度冷却し、メチル 2-メチルプロパノエート (1.3 mL, 11 mmol)を5分かけて加えた。混合物を30分間撹拌した後、ニトロベンジルブロマイド (15 mL THF中2 g)の溶液を20分かけて滴下した。滴下の間、温度を-65℃より低く保ち、次いで冷浴中に放置し、RTまでゆっくりと温め、16時間撹拌した。混合物をNH4Cl (飽和)でクエンチ(quench)し、RTで9日間放置した。クエンチした反応混合物を水およびEtOAcで希釈し、EtOAc (3×40 mL)中に抽出した。有機物を合わせ、食塩水、次いで固体MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を除去し、粗油状物を得た。その油状物を〜2 mL DCM中に溶解し、シリカカラムにかけ、(i) 1.4 g (64%)を得た。
【0174】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.13 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 3.67 (s, 3H), 2.96 (s, 2H), 1.21 (s, 6H).
【0175】
メチル 3-(4-アミノフェニル)-2,2-ジメチルプロパノエート (ii):
化合物(i) (736 mg, 3.06 mmol)をRTでMeOH (15 mL)中に溶解し、この溶液をN2で脱気した。パラジウム炭素(10%) (25 mg)を水/MeOH (0.5 mL/2 mL)中に懸濁させ、基質溶液に加えた。混合物を再度N2で脱気し、次いで吸引/H2でフラッシュ(flush)した。混合物を、H2バルーン下、RTで一晩撹拌した。混合物をセライトにより濾過し、MeOHで洗浄し、濾液を蒸発乾固し、澄んだ油状物を得、それを1時間、高真空下に置き、所望の生成物(ii)、620 mgを得た。
【0176】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.88 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 3.64 (s, 3H), 2.74 (s, 2H), 1.15 (s, 6H).
【0177】
エチル (1R,2R)-2-(4-アミノフェニル)シクロプロパンカルボキシレート
【化19】
【0178】
DMSO (2 mL)中の水素化ナトリウム (36 mg, 0.89 mmol)の懸濁液に、固体のトリメチル スルホキソニウム ヨーダイド (185 mg, 1.05 mmol)を加えた。混合物を25分間撹拌した後、DMSO (2 mL)中のエチル (E)-3-(4-アミノフェニル)プロペ-2-エノエート (100 mg, 0.52 mmol)の溶液をRTで素早く加えた。混合物を一晩撹拌放置した。バルク混合物をNH4Cl (飽和)でクエンチし、その混合物を水およびEtOAcで希釈した。層を分離し、水層をEtOAc (3×30 mL)中に抽出した。有機フラクションを合わせ、食塩水、次いでMgSO4で乾燥し、溶媒を除去した。n-へプタン中20-50% 酢酸エチル勾配で溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、エチル (1R,2R)-2-(4アミノフェニル) シクロプロパンカルボキシレート、70 mgを得た。
【0179】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.96 - 6.89 (m, 2H), 6.68 - 6.61 (m, 2H), 4.17 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.44 (ddd, J = 9.2, 6.6, 4.2 Hz, 1H), 1.80 (ddd, J = 8.4, 5.2, 4.2 Hz, 1H), 1.53 (ddd, J = 9.2, 5.2, 4.5 Hz, 1H), 1.28 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.24 (ddd, J = 8.3, 6.6, 4.5 Hz, 1H).
【0180】
メチル 1-(4-アミノフェニル)ピロール-2-カルボキシレート
【化20】
【0181】
メチル 1-(4-ニトロフェニル)ピロール-2-カルボキシレート (i):
メチル 1H-ピロール-2-カルボキシレート (1 g, 8.0 mmol)をDMF (14 mL)中に溶解した。混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム (350 mg, 8.8 mmol)を加えた。5分後、1-フルオロ-4-ニトロ-ベンゼン (1.13 mmol, 7.99 mmol)を加え、混合物を80℃で3時間撹拌した。水を加え、濾過により固体を集め、水で洗浄し、(i) (1.85 g)を得た。
【0182】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.30 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.87 - 7.49 (m, 2H), 7.38 (dd, J = 2.7, 1.8 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 3.9, 1.7 Hz, 1H), 6.41 (dd, J = 3.8, 2.8 Hz, 1H), 3.66 (s, 3H).
【0183】
メチル 1-(4-アミノフェニル)ピロール-2-カルボキシレート (ii):
水 (7.5 mL)中のヒドロ亜硫酸ナトリウム (2.08 g, 10.15 mmoll)を、EtOH (15 mL)中の(i) (1 g, 4.06 mmol)の還流溶液に加えた。5分後、水 (7.5 mL)中のヒドロ亜硫酸ナトリウム (2.08 g, 10.15 mmoll)の別の溶液を加えた。混合物を5分間還流した。その時間後、混合物を水に注いだ。反応混合物をEtOAcおよびDCM/iPrOHで抽出した。有機フラクションを乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空で濃縮し、残渣を得、それをDCM中のMeOH勾配で溶出する、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物(ii) (480 mg)を得た。
【0184】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.06 (dd, J = 2.5, 1.9 Hz, 1H), 6.96 - 6.90 (m, 3H), 6.59 - 6.53 (m, 2H), 6.22 (dd, J = 3.9, 2.6 Hz, 1H), 5.25 (s, 2H), 3.60 (s, 3H).
【0185】
1-(5-アミノピリミジン-2-イル)アゼチジン-3-オール
【化21】
【0186】
1-(5-ニトロピリミジン-2-イル)アゼチジン-3-オール (i):
2-クロロ-5-ニトロ-ピリミジン (100 mg, 0.63 mmol)、アゼチジン-3-オール塩酸塩 (137 mg, 1.25 mmol)、DIPEA (0.44 mL, 2.51 mmol)およびDMSO (2 mL)を混ぜ合わせ、RTで1時間撹拌した。反応混合物を食塩水 (50 mL)およびTHF (50 mL)で分配した。有機(THF)層を分離し、水層をさらなる量のTHF (50 mL)で抽出した。有機フラクションを合わせ、乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、油状物を得た。その油状物を水とアセトニトリルの混合物中に採取し、凍結乾燥し、淡黄色の固体 (130 mg)を得た。
【0187】
1H NMR (400 MHz, アセトン) δ 9.03 (s, 2H), 4.91 - 4.64 (m, 1H), 4.49 (ddd, J = 10.5, 6.6, 1.7 Hz, 2H), 4.04 (ddd, J = 10.4, 4.3, 1.7 Hz, 2H).
【0188】
1-(5-アミノピリミジン-2-イル)アゼチジン-3-オール (ii):
化合物(i) (130 mg, 0.66 mmol)、10% Pd活性炭 (10 mg)およびEtOH (5 mL)を混ぜ合わせ、分子水素下、RTで18時間撹拌した。Pd/C残留物を除くために、反応混合物を濾過し、真空で濃縮し、黄色の油状物として粗(ii) (104 mg)を得た。
【0189】
1H NMR (400 MHz,アセトン) δ 7.83 (s, 2H), 4.68 (s, 1H), 4.24 (dd, J = 9.8, 6.2 Hz, 2H), 3.83 (dd, J = 10.1, 4.3 Hz, 2H).
【0190】
エチル 2-(4-アミノフェノキシ)アセテート
【化22】
【0191】
4-アミノフェノール (500 mg, 4.58 mmol)をアセトニトリル (60 mL)中に懸濁させ、その混合物を0℃に冷却し、エチル 2-ブロモアセテート (0.53 mL, 4.81 mmol)を加えた。CsCO3 (1.9 g, 10 mmol)を分割して加え、RTに温まるままにして混合物を16時間撹拌した。混合物を濾過し、残渣をアセトニトリルで洗浄し、濾液を蒸発乾固した。粗生成物をDCM (〜30 mL)中に懸濁させ、濾過し、この濾液を蒸発乾固し、放置で固化する暗色の油状物として、エチル 2-(4-アミノフェノキシ)アセテート (860 mg)を得た。
【0192】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.79 - 6.74 (m, 2H), 6.66 - 6.60 (m, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.26 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0193】
4-(モルホリノメチル)アニリン
【化23】
【0194】
4-[(4-ニトロフェニル)メチル]モルホリン (i):
ジクロロメタン (5 mL)中の1-(ブロモメチル)-4-ニトロ-ベンゼン (250 mg, 1.157 mmol)の懸濁液を、トリエチルアミン (200 μL, 1.39 mmol)およびモルホリン (110 μL, 1.27 mmol)で処理し、次いで室温で1.5時間撹拌した。その溶液をジクロロメタン (20 mL)で希釈し、次いで水 (2×20 mL)で洗浄した。有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮し、(i)を得、それをさらに精製することなく続く反応に用いた。
【0195】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.21 - 8.16 (m, 2H), 7.56 - 7.50 (m, 2H), 3.76 - 3.69 (m, 4H), 3.59 (s, 2H), 2.49 - 2.42 (m, 4H).
【0196】
4-(モルホリノメチル)アニリン (ii):
50:50の酢酸:エタノール (10 mL)中の(i) (205 mg, 0.92 mmol)の溶液を亜鉛末 (370 mg, 5.53 mmol)で処理し、次いでN2下、RTで4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc (20mL)中に懸濁させた。不溶解の亜鉛を除くために濾過し、次いで水 (50 mL)で洗浄した。水層を中和し、次いでEtOAc (3×20 mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、濃縮し、(ii)を得た。試料をさらに精製することなく続く反応に用いた。
【0197】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.20 - 8.15 (m, 2H), 7.55 - 7.50 (m, 2H), 3.76 - 3.70 (m, 4H), 3.59 (s, 2H), 2.49 - 2.42 (m, 4H).
【0198】
4-アジドアニリン
【化24】
【0199】
DMSO (25 mL)中、4-ヨードアニリン (400 mg, 1.8263 mmol)をL-アスコルビン酸ナトリウム (90 mg, 0.46 mmol)と混合した。水 (6.5 mL)中のアジ化ナトリウム (241 mg, 3.65 mmol)の溶液、続いて、N,N'-ジメチルエタン-1,2-ジアミン (30 mg, 0.4 mmol)およびヨウ化銅 (30 mg, 0.2 mmol)を加えた。次いで、混合物を100℃で6時間加熱した。次いで、混合物を大量の水 (80 mL)と混合し、次いでEtOAc (3回)で抽出した。有機物を乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空で濃縮し、残渣を得、それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、DCM中のMeOHで溶出)により精製し、4-アジドアニリン (150 mg)を得た。
【0200】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 6.81 - 6.75 (m, 2H), 6.63 - 6.57 (m, 2H), 5.13 (s, 2H).
【0201】
一般的方法Aの実施例
6-(3-エチルウレイド)-N-m-トリル-4-(m-トリルアミノ)ニコチンアミド (1)
【化25】
【0202】
スキーム1. 試薬と条件; (a) NIS, DMF, 室温, 18h, 60%; (b) Zn(CN)2, Pd(PPh3)4, NMP, 135℃, 2h, 60%; (c) 1:2 濃H2SO4-H2O, 100℃, 18h, 81%; (d) m-トルイジン, HOBt, EDCI.HCl, DMF, 室温, 5h; (e) EtNCO, 1,4-ジオキサン, 80℃, 16h, 17%.
【0203】
4-クロロ-5-ヨードピリジン-2-アミン (ii) (A. Tsuruoka, T. Matsushima, K. Miyazaki, J. Kamata, Y. Fukuda, K. TakahashiおよびM. Matsukura, Int. Pat. Appl. WO 200420434, 2005):
N-ヨードスクシンイミド (9.10 g, 40.4 mmol)を、DMF (40 mL)中の2-アミノ-4-クロロピリジン (i) (4.00 g, 31.1 mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、EtOAc (150 mL)とチオ硫酸ナトリウム水溶液 (1M, 100 mL)との間で分配した。有機フラクションを分離し、連続して水 (2×100 mL)および食塩水 (50 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、淡橙色の固体として粗生成物を得た。5:1の石油(Petrol)-EtOAc〜2:1の石油-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、無色針状として化合物 ii. (4.65 g, 18.4 mmol, 60%)を得た。
[M+H]+ m/z = 254.8
【0204】
6-アミノ-4-クロロニコチノニトリル (iii) (Tsuruoka, A.ら, ibid):
シアン化亜鉛 (0.254 g, 2.17 mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) (0.460 g, 0.394 mmol)を、NMP (10 mL)中の化合物 ii (1.00 g, 3.94 mmol)の溶液に加えた。反応混合物をN2(g)下、135℃に2時間加熱し、室温に冷却し、EtOAc (30 mL)とアンモニア水溶液 (0.35%, 50 mL)との間で分配した。有機フラクションを分離し、連続して水 (2×100 mL)および食塩水 (30 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、SiO2の上で真空で濃縮した。2:1の石油-EtOAc〜1:1の石油-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、オフホワイト色の固体として化合物 iii. (0.360 g, 2.35 mmol, 60%)を得た。
【0205】
6-アミノ-4-クロロニコチン酸 (iv):
水(1 mL)中の化合物 iii (0.020 g, 0.130 mmol)の撹拌懸濁液に、濃硫酸 (98%, 0.5 mL)を滴下した。反応混合物を100℃に18時間加熱し、室温に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液 (2 mL)中の氷のスラリーに滴下した。添加後のpHはpH〜2であった。生じた沈殿を濾過し、水 (2 mL)で洗浄し、風乾し、無色の粉末として化合物 iv. (0.019 g, 0.110 mmol, 84%)を得た。
[M+H]+ m/z = 173.0
【0206】
6-アミノ-N-(3-メチルフェニル)-4-[(3-メチルフェニル)アミノ]ピリジン-3-カルボキシアミド (v):
エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物を、室温で、DMF (3 mL)中の化合物 iv の撹拌溶液に加えた。15分後、m-トルイジンを加え、反応混合物を特定の温度で24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水に注ぎ、EtOAc (3×30 mL)で抽出した。合わせた有機相を水 (20 mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (20 mL)および食塩水 (2×20 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、褐色の粗ガムとして v を得、それをさらに精製することなく次の工程で用いた。
【0207】
6-(3-エチルウレイド)-N-m-トリル-4-(m-トリルアミノ)ニコチンアミド (1):
化合物 v (粗生成物)を1,4-ジオキサン (2 mL)中に懸濁させ、エチル イソシアネート (23 μL, 0.300 mmol)で処理し、80℃に18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc (5 mL)で希釈し、直接SiO2上で真空で濃縮した。ヘキサン中30% EtOAc〜100% EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、黄褐色の固体として所望の化合物 1 (0.029 g, 0.072 mmol, ivから2工程で17%)を得た。
【0208】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.22 (1H, br s), 9.92 (1H, br s), 9.16 (1H, br s), 8.56 (1H, s), 8.12 (1H, br t), 7.57 (1H, s), 7.48 (1H, d, J 8.2), 7.31-7.21 (3H, m), 7.11-7.05 (2H, m), 6.97 (1H, d, J 8.7), 6.94 (1H, d, J 8.7), 3.21-3.12 (2H, m), 2.32 (3H, s), 2.31 (3H, s), 1.07 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 404.2.
【0209】
一般的方法Bの実施例
6-(3-エチルウレイド)-N-(チアゾール-2-イル)-4-(m-トリルアミノ)ニコチンアミド (2)
【化26】
【0210】
スキーム2. 試薬と条件; (a) HC(OEt)3, Ac2O, NH3(aq), 120℃, 2h, 55%; (b) POCl3, 110℃, 2.5h, 79%; (c) m-トルイジン, 濃HCl, EtOH, 80℃, 3h, 51%; (d) p-メトキシベンジルアミン, PhMe, 還流, 72h, 62%; (e) TFA, Et3SiH, DCM, RT, 4h, 98%; (f) EtNCO, 1,4-ジオキサン, 100℃, 48h, 43%; (g) 2M NaOH(aq), 75℃, 48h, 90%; (h) EDCI.HCl, HOBt, 2-アミノチアゾール, DMF, 40℃, 18h, 35%.
【0211】
エチル 4,6-ジヒドロキシニコチネート (ii) (E. Wallace, B. Hurley, H. W. Yang, J. LyssikatosおよびJ. Blake, Int. Pat. App. WO200523759, 2005):
トリメチルオルトホルメート (5.95 mL, 54.4 mmol)を、無水酢酸 (9.34 mL, 99.0 mmol)中のジエチル 1,3-アセトンジカルボキシレート (i) (8.98 mL, 49.5 mmol)の溶液に加えた。反応混合物を、N2(g)下、120℃に2時間加熱し、室温に冷却し、過剰の溶媒を真空で除去した。生じた暗橙色の残渣を0℃に冷却し、アンモニア水溶液 (33%, 4 mL)、続いて水 (15 mL)で処理した。混合物を室温で18時間撹拌し、生じた大量の黄褐色の沈殿を濾過し、水 (20 mL)で洗浄し、風乾し、淡黄褐色の固体として化合物ii. (5.00 g, 27.3 mmol, 55%)を得た。
[M+H]+ m/z = 184.1.
【0212】
エチル 4,6-ジクロロニコチネート (iii) (Wallace, E.ら, ibid.):
オキシ塩化リン(V) (15 mL)中の化合物 ii (1.40 g, 7.67 mmol)の撹拌懸濁液を、防湿管(CaCl2)を取り付けて、110℃に2.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、真空で濃縮し、生じた暗褐色の残渣を小容積のDCM (〜5 mL)に採取し、激しく撹拌しながら、水中の氷のスラリーに滴下して移した。水性混合物をEtOAc (3×100 mL)で抽出し、有機抽出物を合わせ、乾燥(MgSO4)し、蒸発乾固して、橙色のガムとして粗生成物を得た。15:1のHexanes-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、無色の油状物として化合物 iii. (1.33 g, 6.14 mmol, 79%)を得た。
[M+H]+ m/z = 220.0.
【0213】
エチル 6-クロロ-4-(m-トリルアミノ)ニコチネート (iv) (Wallace, E.ら, ibid.) :
m-トルイジン (0.47 mL, 4.34 mmol)および濃HCl (1滴)を、エタノール (10 mL)中の化合物 iii (1.00 g, 4.57 mmol)の溶液に加えた。反応混合物を80℃で3時間加熱し、室温に冷却し、水 (15 mL)とEtOAc (20 mL)との間で分配した。水相をEtOAc (3×20 mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)し、褐色の油状物として粗生成物を得た。12:1のヘキサン-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、淡橙色の油状物として化合物 iv. (0.670 g, 2.31 mmol, 51%)を得、それは放置で固化した。
[M+H]+ m/z = 291.0.
【0214】
エチル-6-(4-メトキシベンジルアミノ)-4-(m-トリルアミノ) ニコチネート (v) (Wallace, E.ら, ibid.):
4-メトキシベンジルアミン (1.12 mL, 8.60 mmol)を、トルエン (10 mL)中の化合物 iv (0.50 g, 1.72 mmol)の懸濁液に加えた。反応混合物を還流下で72時間加熱し、冷却し、真空で濃縮し、橙色の油状物として粗生成物を得た。10:1のヘキサン-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、黄褐色の固体として所望の化合物 v. (0.415 g, 1.06 mmol, 62 %)を得た。
【0215】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.46 (1H, br s), 8.52 (1H, s), 7.48 (1H, br t), 7.48-7.26 (2H, m), 7.20 (2H, d, J 9.0), 7.00-6.94 (2H, m), 6.86 (2H, d, J 6.0), 6.03 (1H, s), 4.33 (2H, br), 4.24 (2H, q, J 7.2), 3.71 (3H, s), 2.28 (3H, s), 1.30 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 392.2.
【0216】
エチル 6-アミノ-4-(m-トリルアミノ)ニコチネート (vi) :
トリフルオロ酢酸 (6 mL)およびトリエチルシラン (0.49 mL, 3.06 mmol)を、 DCM (6 mL)中の化合物 v (0.40 g, 1.02 mmol)の撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、真空で濃縮し、生じた残渣を水 (5 mL)と混合した。pHを、2M 炭酸ナトリウム水溶液を用いてpH〜11に調整し、混合物をEtOAc (3×20 mL)で抽出した。合わせた有機フラクションを乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、淡黄色のガムとして粗生成物を得た。100% EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、無色のガラス状の物質として所望の化合物 vi. (0.280 g, 1.02 mmol, 定量的)を得た。
【0217】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.54 (1H, br s), 8.46 (1H, s), 7.32 (1H, t, J 7.5), 7.09-7.02 (3H, m), 6.68 (2H, br s), 6.02 (1H, s), 4.26 (2H, q, J 6.9), 2.33 (3H, s), 1.31 (3H, t, J 6.9); [M+H]+ m/z = 272.1.
【0218】
エチル 6-(3-エチルウレイド)-4-(m-トリルアミノ)ニコチネート (vii) :
エチル イソシアネート (0.898 mL, 1.49 mmol)を、1,4-ジオキサン (5 mL)中の化合物 vi (0.270 g, 0.99 mmol)の溶液に加えた。反応混合物を100℃に48時間温め、室温に冷却し、真空で濃縮した。生じた橙色の残渣をEtOAc (15 mL)中に再溶解し、SiO2の上で真空で濃縮した。2:1のヘキサン-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、オフホワイト色の固体として所望の化合物 vii. (0.145 g, 0.424 mmol, 43%)を得た。
【0219】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.62 (1H, br s), 9.19 (1H, br s), 8.62 (1H, s), 7.85 (1H, br t), 7.31 (1H, t, J 7.7), 7.23 (1H, s), 7.13-7.07 (2H, m), 7.03 (1H, d, J 7.2), 4.31 (2H, q, J 7.2), 3.13 (2H, dq, J 6.7および7.2), 2.33 (3H, s), 1.33 (3H, t, J 7.2), 1.05 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 343.1.
【0220】
6-(3-エチルウレイド)-4-(m-トリルアミノ)ニコチン酸 (viii) :
水酸化ナトリウム水溶液 (2M, 3 mL)中の化合物 vii (0.140 g, 0.410 mmol)の懸濁液を、75℃に48時間加熱し、0℃に冷却し、濃塩酸(35%)を用いてpH〜2に酸性化した。生じた無色の沈殿を濾過し、水 (3 mL)で洗浄し、無色の粉末として所望の化合物 viii. (0.116 g, 0.369 mmol, 90%)を得た。
【0221】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.98 (1H, br s), 9.17 (1H, br s), 8.58 (1H, s), 7.94 (1H, br t), 7.30 (1H, t, J 7.7), 7.20 (1H, s), 7.12-7.06 (2H, m), 7.01 (1H, d, J 7.7), 3.13 (2H, dq, J 6.7および7.7), 1.05 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 315.1.
【0222】
6-(3-エチルウレイド)-N-(チアゾール-2-イル)-4-(m-トリルアミノ)ニコチンアミド (2) :
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩 (0.031 g, 0.16 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (0.024 g, 0.16 mmol)を、室温で、DMF (3 mL)中の viii (0.050 g, 0.16 mmol)の撹拌溶液に加えた。15分後、m-トルイジン (0.16 mmol)を加え、反応混合物を特定の温度で24時間撹拌した。混合物を水 (5 mL)で処理し、生じた無色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、EtOHから再結晶し、薄いベージュ色の粉末として化合物 2 (0.022 g, 0.056 mmol, 35%)を得た。
【0223】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.02 (1H, br s), 9.14 (1H, br s), 8.73 (1H, s), 7.91 (1H, br t), 7.56 (1H, d, J 3.6), 7.30 (1H, t, J 7.7), 7.27-7.22 (3H, m), 7.15-7.09 (2H, m), 7.00 (1H, d, J 7.7), 3.15 (2H, dq, J 6.1および7.2), 2.33 (3H, s), 1.06 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 397.1.
【0224】
4-(シクロヘキシルアミノ)-6-(3-エチルウレイド)-N-m-トリルニコチンアミド (3); およびN-(3-クロロフェニル)-4-(3-エチルウレイド)-2-(フェニルアミノ)ベンズアミド (4).
【0225】
【化27】
【0226】
スキーム 3: 試薬と条件;(a) Pd(OAc)2, Xanpthos, KOt-Bu, N-エチルウレア, 1,4-ジオキサン, H2O, 100℃, 16h, 40%; (b) NaH, NuH, DMF, 0℃ - 70℃, 48h, 21-32%, またはRNH2, EtOH, 還流, 68-71%, またはArNH2, HCl, EtOH, 60℃, 16h, 93%, またはPd(OAc)2, Xanpthos, KOt-Bu, ArNH2, 1,4-ジオキサン, H2O, 100℃, 3h; (c) 2M NaOH(aq), RT-70℃, 47%-定量的またはLiOH (aq), THF, EtOH, 60℃, 3h, 95%; (d) ArNH2, EDCI.HCl, HOBt, DMF, RT-40℃, 22-55%.
【0227】
エチル 4-(シクロヘキシルアミノ)-6-(3-エチルウレイド)ニコチネート (iii):
シクロヘキシルアミン (0.63 mL, 5.50 mmol)を、室温で、EtOH (3 mL)中のii (iから製造) (0.300 g, 1.11 mmol)の撹拌懸濁液に加えた。混合物を還流下に16時間加熱し、室温に冷却し、さらなる2当量のシクロヘキシルアミン (25 μL)で処理し、還流下に3時間加熱した。澄んだ溶液を0℃に冷却し、生じた無色の針状結晶を濾過し、冷EtOHで洗浄し、真空で乾燥し、無色の針状結晶として iii (0.250 g, 0.749 mmol, 68%)を得た。
【0228】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.04 (1H, s), 8.50 (1H, s, 2H), 7.93 (1H, app. t), 7.91 (1H, d, J 6.8, 4-H), 6.80 (1H, s, 5-H), 4.25 (2H, q, J 6.8), 3.32-3.30 (1H, m, 1-H), 3.17 (2H, dq, J 5.9および7.7), 1.97-1.91 (2H, m), 1.74-1.67 (2H, m), 1.62-1.57 (1H, m), 1.44-1.34 (2H, m), 1.33-1.25 (6H, m), 1.08 (3H, t, J 6.8); [M+H]+ m/z = 335.1.
【0229】
エチル 6-(3-エチルウレイド)-4-(ピリジン-3-イルメチルアミノ)ニコチネート (iv):
3-ピコリルアミン (0.56 mL, 5.50 mmol)を、EtOH (1.5 mL)中のii (0.300 g, 1.11 mmol)の溶液に加えた。混合物を18時間加熱還流し、室温に冷却し、生じた結晶の沈殿を濾過し、氷冷EtOHで洗浄し、風乾し、無色の微結晶として ii (0.266 g, 0.776 mmol, 71%)を得た。
【0230】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.14 (1H, br s), 8.59 (1H, d, J 1.5), 8.51-8.41 (3H, m), 7.99 (1H, br), 7.75 (1H, d, J 8.2), 7.38 (1H, dd, J 7.2および4.6), 6.70 (1H, s), 4.45 (2H, d, J 5.6), 4.26 (2H, q, J 7.2), 3.14 (2H, dq, J 7.2および6.1), 1.30 (3H, q, J 7.2), 1.05 (3H, q, J 7.2); [M+H]+ m/z = 344.1.
【0231】
エチル 6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチネート (v):
アニリン (0.140 mL, 1.55 mmol)および濃HCl (1滴)を、EtOH (5 mL)中の ii (0.350 g, 1.29 mmol)の懸濁液に加えた。混合物を60℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、真空で濃縮した。生じた残渣をEtOAc (20 mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (10 mL)との間で分配した。層を分離し、水相をEtOAc (20 mL)で抽出した。合わせた有機フラクションを乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、薄い橙色のガムとして粗生成物を得た。3:1のヘキサン-EtOAc〜1:1のヘキサン-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、オフホワイト色の固体として v. (0.392 g, 1.20 mmol, 93%)を得た。
【0232】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.73 (1H, s), 9.29 (1H, app. t), 8.70 (1H, s), 8.48 (1H, s), 7.39 (2H, t, J 7.7), 7.25 (2H, d, J 7.7), 7.19 (1H, t, J 6.8), 6.37 (1H, s), 4.36 (2H, q, J 6.8), 3.30 (2H, dq, J 5.1および6.8), 1.40 (3H, t, J 6.8), 1.18 (3H, t, J 6.8); [M+H]+ m/z = 329.1.
【0233】
6-(3-エチルウレイド)-4-(ピリジン-3-イルメチルアミノ)ニコチン酸 (vi):
水 (2 mL)中に溶解した水酸化リチウム (0.310 g, 7.29 mmol)を、EtOH (2 mL) / THF (5 mL)中の iv (0.250 g, 0.730 mmol)の溶液に加えた。混合物を60℃に3時間温め、室温に冷却し、真空で濃縮した。生じた残渣を水 (2 mL)中に再溶解し、pHを濃HCl (35%)を用いてpH 2-3に調整した。生じた無色の沈殿を濾過し、真空で乾燥し、無色の粉末として vi (0.219 g, 0.695 mmol, 95%)を得た。
【0234】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.10 (1H, s), 8.65-8.57 (2H, m), 8.07 (1H, br), 7.75 (1H, dt, J 8.2および1.5), 7.38 (1H, dd, J 7.7および4.6), 6.64 (1H, s), 4.45 (2H, d, J 6.1), 3.14 (2H, dq, J 7.2および5.6), 1.05 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 316.1.
【0235】
6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (vii):
水酸化ナトリウム水溶液 (2M, 6 mL)中の v (0.355 g, 1.08 mmol)の懸濁液を、75℃で48時間撹拌し、0℃に冷却し、濃HCl (35%)を用いてpH〜2に酸性化した。生じたオフホワイト色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、オフホワイト色の固体として vii (0.328 g, 1.08 mmol, 定量的)を得た。
【0236】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.12 (1H, br s), 9.64 (1H, br s), 8.58 (1H, s), 7.69 (1H, b), 7.49-7.42 (2H, m), 7.38-7.21 (3H, m), 7.07 (1H, s), 3.13 (2H, dq, J 7.2および6.6), 1.04 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 301.1.
【0237】
6-(3-エチルウレイド)-4-(ピリジン-3-イルアミノ)ニコチン酸 (viii):
脱気した1,4-ジオキサン (5 mL)中のXantphos (0.270 g, 0.470 mmol)の溶液に、室温で、酢酸パラジウム(II) (0.074 g, 0.33 mmol)を加えた。混合物をN2(g)下で1時間撹拌し、ii (0.30 g, 1.11 mmol)、3-アミノピリジン (0.150 g, 1.65 mmol)、カリウム tert-ブトキシド (0.190 g, 1.65 mmol)および脱気水 (29 μL, 1.65 mmol)で処理した。混合物を100℃に3時間温め、室温に冷却し、水 (15 mL)の上に注ぎ、DCM (2×50 mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、残渣を100% EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー (SiO2)により精製し、粗エチル ニコチネート体を得た。その粗生成物を水酸化ナトリウム水溶液 (2M, 5 mL)中に直接懸濁させ、70℃で16時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、濃HCl (35%)を用いてpH〜5に酸性化した。生じたオフホワイト色の固体を濾過し、水で洗浄し、風乾して、オフホワイト色の固体として viii (0.155 g, 0.515 mmol, 47%)を得た。
【0238】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 9.99 (1H, br s), 9.16 (1H, br s), 8.60 (1H, s), 8.59 (1H, d, J 2.6), 8.41 (1H, d, J 4.6), 7.81 (1H, br), 7.76 (1H, dd, J 8.2および1.0), 7.46 (1H, dd, J 8.2および4.6), 7.20 (1H, s), 3.18-3.07 (2H, m), 1.05 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 302.1.
【0239】
アミドカップリング法
用いられた全てのアミンは、特に明記しない限り、市販されていた。
【0240】
一般的アミドカップリング法1:
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩 (0.092 g, 0.480 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (0.073 g, 0.480 mmol)を、室温で、DMFまたはDMA (3 mL)中の適当な酸 (0.100 g, 0.320 mmol)の撹拌溶液に加えた。15分後、適当なアミン (0.480 mmol)を加え、反応混合物を特定の温度で24時間撹拌した。混合物を水 (5 mL)で処理し、生じた無色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、EtOHから再結晶し、所望のニコチンアミド体を得た。あるいは、混合物を室温に冷却し、水の上に注ぎ、DCMまたはEtOAc (3×30 mL)で抽出した。合わせた有機相を、連続して水 (20 mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (20 mL)および食塩水 (2×20 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、粗生成物を得、それは必要に応じてカラムクロマトグラフィー摩砕または再結晶により精製することができた。
【0241】
次のように、化合物 3および4を作るために、一般的アミドカップリング法1を用いた。
4-(シクロヘキシルアミノ)-6-(3-エチルウレイド)-N-m-トリルニコチンアミド (3)
【化28】
【0242】
EDCI.HCl (1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩, 0.092 g, 0.480 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (0.073 g, 0.480 mmol)を、室温で、DMF (3 mL)中のエチル 4-(シクロヘキシルアミノ)-6-(3-エチルウレイド)ニコチネート iii (0.100 g, 0.320 mmol)の撹拌溶液に加えた。15分後、m-トルイジン (0.052 g, 0.480 mmol)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。混合物を水 (5 mL)で処理し、生じた無色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、EtOHから再結晶し、無色の微結晶として化合物 3 (0.030 g, 0.076 mmol, 29%)を得た。
【0243】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.00 (1H, s), 9.01 (1H, s), 8.44 (1H, s), 8.28 (1H, br), 8.10 (1H, d, J 9.0), 7.52 (1H, s), 7.42 (1H, d, J 9.0), 7.20 (1H, t, J 6.0), 6.90 (1H, d, J 6.0), 6.66 (1H, s), 3.25-3.13 (3H, m), 2.29 (3H, s), 1.94-1.91 (2H, m), 1.67-1.57 (3H, m), 1.42-1.23 (5H, m), 1.08 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 396.2.
【0244】
N-(3-クロロフェニル)-4-(3-エチルウレイド)-2-(フェニルアミノ)ベンズアミド (4)
【化29】
【0245】
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩 (0.092 g, 0.480 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (0.073 g, 0.480 mmol)を、室温で、DMF (3 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸, vi (0.100 g, 0.320 mmol)の撹拌溶液に加えた。15分後、3-クロロアニリン (0.061 g, 0.480 mmol)を加え、反応混合物を40℃で24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水の上に注ぎ、EtOAc (3×30 mL)で抽出した。合わせた有機相を、連続して水 (20 mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (20 mL)および食塩水 (2×20 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、粗生成物を得た。これをEtOAcで摩砕し、無色の粉末として化合物 4 (0.021 g, 0.051 mmol, 16%)を得た。
【0246】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.44 (1H, s), 9.83 (1H, s), 9.16 (1H, s), 8.58 (1H, s), 7.96-7.90 (2H, m), 7.63 (1H, d, J 8.2), 7.45-7.36 (3H, m), 7.32-7.27 (3H, m), 7.20-7.13 (2H, m), 3.15 (2H, dq, J 7.2および6.1), 1.07 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 410.1
【0247】
2-(3-エチルウレイド)-N-フェニル-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキシアミド (5); 2-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)-N-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-5-カルボキシアミド (6); およびN-(3-クロロフェニル)-2-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキシアミド (7)
【0248】
【化30】
【0249】
スキーム 4: 試薬および条件: (a) POCl3, PhNEt2, 110℃, 2h, 81%; (b) アニリン, DIPEA, MeCN, RT, 1h, 94%; (c) Pd(OAc)2, Xantphos, KOt-Bu, N-エチルウレア, 1,4-ジオキサン, H2O, 100℃, 2h, 43%; (d) 2M NaOH (aq), THF, 65℃, 24 h, 73%; ArNH2, EDCI.HCl, HOBt, DMF, 35-40℃, 16 h, 43-56%.
【0250】
エチル 2,4-ジクロロピリミジン-5-カルボキシレート (ii):
N,N-ジエチルアニリン (1.5 mL, 9.45 mmol)を、オキシ塩化リン(V) (10 mL)中の5-カルボエトキシウラシル, i (1.00 g, 5.43 mmol)の懸濁液に加えた。混合物を還流下に2時間加熱し、室温に冷却し、真空で濃縮した。生じたシロップ状の残渣を、撹拌した氷/水 (50 mL)の上に注意深く移した。1時間後、生じたベージュ色の固体を濾過により集め、水 (10 mL)で洗浄し、風乾し、薄いベージュ色の粉末として化合物 ii (0.97 g, 4.41 mmol, 81 %)を得た。
【0251】
1H NMR (300MHz, CDCl3): δ 9.04 (1H, s), 4.46 (2H, q, J 7.2), 1.43 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 221.0.
【0252】
エチル 2-クロロ-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキシレート (iii):
アセトニトリル (15 mL)中の ii (0.850 g, 3.86 mmol)の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (1.38 mL, 7.72 mmol)およびアニリン (0.35 mL, 3.86 mmol)を連続して加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、水 (20 mL)の上に注ぎ、EtOAc (3×30 mL)で抽出した。合わせた有機フラクションを乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、ベージュ色の結晶性固体として粗生成物を得た。9:1のヘキサン-EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、無色の結晶性固体として化合物 iii (1.00 g, 3.61 mmol, 94%)を得た。
【0253】
1H NMR (300MHz, CDCl3): δ 10.45 (1H, br s, 4-NH), 8.83 (1H, s), 7.66 (2H, d, J 8.2), 7.40 (2H, t, J 7.7), 7.20 (1H, t, J 7.7), 4.43 (2H, q, J 7.2), 1.44 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 278.0.
【0254】
エチル 2-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキシレート (iv):
脱気した1,4-ジオキサン (40 mL)中のXantphos (0.88 g, 1.52 mmol)の溶液に、酢酸パラジウム(II) (0.240 g, 1.06 mmol)を室温で加えた。混合物をN2(g)下で1時間撹拌し、iii (0.98 g, 3.54 mmol)、N-エチルウレア (0.470 g, 5.31 mmol)、カリウム tert-ブトキシド (0.600 g, 5.31 mmol)および脱気水 (96 μL, 5.31 mmol)で処理した。混合物を100℃に2時間温め、室温に冷却し、EtOAc (50 mL)で希釈した。混合物を水 (50 mL)の上に注ぎ、層を分離した。水相をEtOAc (2×50 mL)でさらに抽出した。合わせた有機相を食塩水 (50 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空で濃縮し、褐色の固体として粗生成物を得た。DCM中の1% MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO2)により、橙色の固体として化合物 iv (0.501 g, 1.52 mmol, 43%)を得た。
【0255】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.14 (1H, br s), 9.94 (1H, br s), 8.77-8.74 (2H, m), 7.64 (2H, d, J 7.7), 7.43 (2H, t, J 8.2), 7.20 (1H, t, J 7.7), 4.35 (2H, q, J 7.2), 3.03 (2H, dq, J 5.6および7.2), 1.34 (3H, t, J 7.2), 0.88 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 330.1.
【0256】
2-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボン酸 (v):
2M NaOH (aq, 15 mL)およびTHF (2 mL)中の iv (0.479 g, 1.46 mmol)の懸濁液を65℃で24時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、pHを濃HCl (35%)を用いてpH〜2-3に調整した。生じた黄褐色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、真空でさらに乾燥し、黄褐色の粉末として化合物 v (0.321 g, 1.07 mmol, 73%)を得た。
【0257】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.47 (1H, br s), 9.90 (1H, br s), 8.84 (1H, app. t), 8.72 (1H, s), 7.65 (2H, d, J 7.7), 7.42 (2H, t, J 7.7), 7.21 (1H, t, J 7.2), 3.12-3.01 (2H, m), 0.90 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 302.2.
【0258】
2-(3-エチルウレイド)-N-フェニル-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキシアミド (5):
【化31】
【0259】
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (0.096 g, 0.500 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (0.077 g, 0.500 mmol)を、室温で、ジメチルホルムアミド (3 mL)中のv (0.100 g, 0.330 mmol)の撹拌溶液に加えた。15分後、アニリン (46 μL, 0.500 mmol)を加え、反応混合物を35℃で3時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水 (2 mL)で処理し、生じた無色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、熱いEtOHで摩砕し、無色の粉末として化合物 5 (0.070 g, 0.186 mmol, 56%)を得た。
【0260】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.77 (1H, br s), 10.34 (1H, br s), 9.86 (1H, br s), 8.90 (1H, br t, J 5.6), 8.86 (1H, s), 7.69 (4H, app. t), 7.44-7.34 (4H, m), 7.22-7.11 (2H, m), 3.11 (2H, dq, J 5.6および7.6), 0.95 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 377.2.
【0261】
2-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)-N-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-5-カルボキシアミド (6):
【化32】
【0262】
1-エチ-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (0.096 g, 0.500 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (0.077 g, 0.500 mmol)を、ジメチルホルムアミド (3 mL)中の2-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボン酸 (v) (0.100 g, 0.330 mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。15分後、3-アミノピリジン (0.047 g, 0.500 mmol)を加え、反応混合物を40℃で24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水 (2 mL)で処理し、生じたオフホワイト色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、熱いEtOHで摩砕し、無色の粉末として化合物 6 (0.060 g, 0.159 mmol, 48%)を得た。
【0263】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.67 (1H, br s), 10.52 (1H, br s), 9.89 (1H, br s), 8.91-8.84 (3H, m), 8.35 (1H, dd, J 1.0および4.6), 8.12 (1H, dt, J 2.0および8.7), 7.67 (2H, d, J 8.2), 7.46-7.38 (3H, m), 7.20 (1H, t, J 7.2), 3.10 (2H, dq, J 5.6および7.2), 0.93 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 378.2.
【0264】
N-(3-クロロフェニル)-2-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキシアミド (7):
【化33】
【0265】
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (0.096 g, 0.500 mmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物 (0.077 g, 0.500 mmol)を、DMF (3 mL)中の v (0.100 g, 0.330 mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。15分後、3-クロロアニリン (52 μL, 0.500 mmol)を加え、反応混合物を40℃で24時間撹拌した。その時点で、混合物は大量のオフホワイト色の沈殿を含んだ。混合物を室温に冷却し、水 (1 mL)で処理し、生じた無色の沈殿を濾過し、水で洗浄し、風乾し、熱いMeOHで摩砕し、白色の固体として化合物 7 (0.070 g, 0.170 mmol, 52%)を得た。
【0266】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.64 (1H, br s), 10.47 (1H, br s), 9.87 (1H, br s), 8.87 (1H, br t, J 6.1), 8.85 (1H, s), 7.91 (1H, t, J 2.0), 7.68 (2H, d, J 7.7), 7.63 (1H, dd, J 1.0および8.2), 7.45-7.38 (3H, m), 7.23-7.17 (2H, m), 3.01 (2H, dq, J 6.1および7.2), 0.93 (3H, t, J 7.2); [M+H]+ m/z = 411.3.
【0267】
N-エチル-6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (8); N-(2-クロロフェニル)-6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (9); 6-(3-エチルウレイド)-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (10); および6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)-N-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチンアミド (11)
【0268】
【化34】
【0269】
エチル 6-クロロ-4-(フェニルアミノ)ニコチネート (ii):
EtOH (100 mL)中のエチル 4,6-ジクロロニコチネート (10.0 g, 45.44 mmol)を、澄んだ溶液が得られるまで撹拌し、続いてアニリン (3.90 mL, 43.17 mmol)および10滴の濃HClを加えた。生じた溶液を80℃に2-3時間加熱した。反応物を室温に冷却し、氷冷水の上に注ぎ、次いでEtOAc (3×250 mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧下に濃縮した。次いで、粗残渣をシリカゲル(100-200 M, 2% EtOAc-ヘキサン)で精製し、所望の生成物 ii (4.90 g, 39%)を得た。
【0270】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): ( 9.72 (br s, 1H), 8.66 (s, 1H), 7.28-7.49 (m, 5H), 6.77 (s, 1H), 4.35 (q, J= 7.20 Hz, 2H), 1.34 (t, J= 7.20 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 277.17.
【0271】
エチル 6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチネート (iii):
1,4-ジオキサン (200 mL)中の ii (6.40 g, 23.18 mmol)の溶液に、N-エチルウレア (2.60 g, 29.0 mmol)、続いてCs2CO3 (11.50 g, 34.80 mmol)を加えた。生じた溶液を窒素で15分間パージ(purge)し、続いてPd(OAc)2 (0.16 g, 0.70 mmol)およびXantphos (0.81 g, 1.40 mmol)を加えた。反応混合物を再度窒素で15分間パージし、次いで80℃で16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、セライトベッドにより濾過した。セライトベッドをEtOAcで洗浄し、合わせた濾液を減圧下に濃縮した。残渣に水を加え、EtOAc (3×20 mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗残渣をシリカゲル(60-120 M, 50-75% EtOAc-ヘキサン)で精製し、固体の残渣を得た。これを25% エーテル-ヘキサンで摩砕することによりさらに精製し、オフホワイト色の固体として化合物 iii (7.0 g, 92%)を得た。
【0272】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): ( 9.14 (s, 1H) and 9.64 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 7.70 (br s, 1H), 7.27-7.45 (m, 5H), 7.21 (t, J= 7.20 Hz, 1H), 4.32 (q, J= 7.20 Hz, 2H), 3.11 (m, 2H), 1.34 (t, J= 7.20 Hz, 3H), 1.04 (t, J= 7.20 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 329.14.
【0273】
6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (iv):
MeOH (25 mL)中の iii (0.90 g, 2.74 mmol)の溶液に、H2O (5 mL)中のNaOH (0.55 g, 13.70 mmol)の溶液を加えた。生じた溶液を70℃で3-4時間加熱し、次いでRTに冷却し、溶媒を真空下で除去した。残渣に水を加え、この混合物をEtOAc (2×50 mL)で抽出した。有機層を廃棄し、水性部分を6N HClを用いて(氷冷下)、pH 5まで注意深く酸性化した。生じた沈殿を濾過し、氷冷水およびエーテルで洗浄した。このようにして得られるオフホワイト色の固体を高真空下で乾燥し、化合物 iv (0.70 g, 85%)を得た。
【0274】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): ( 10.60 (br s, 1H), 9.07 (br s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.0 (br s, 1H), 7.13-7.42 (m, 6H), 3.12 (m, 2H), 1.05 (t, J= 7.20 Hz, 3H); [M+H]+ m/z = 301.21.
【0275】
アミドカップリング法
用いられた全てのアミンは、特に明記しない限り、市販されていた。
【0276】
一般的アミドカップリング法1: スキーム3に対する実施例で記載されたように、次のとおり化合物 8 を作るために用いられた。
N-エチル-6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (8)
【化35】
【0277】
THF (5.0 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol, 1.0 eq)の溶液に、EDCI.HCl (1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩, 46 mg, 0.24 mmol, 1.50 eq)、続いてHOBt (N-ヒドロキシベンゾトリアゾール, 32 mg, 0.24 mmol, 1.50 eq)、DMAP (4-ジメチルアミノピリジン, 29 mg, 0.24 mmol, 1.50 eq)、そして最後にエチルアミン (16 mg 70% 溶液, 0.24 mmol, 1.50 eq)を加えた。生じた反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応物を氷冷水の上に注ぎ、続いてEtOAc (3×20 mL)で抽出した。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル(60-120 M, 1-2.5% MeOH-DCM)で精製し、化合物 8 (48 mg, 92%)を得た。
【0278】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.43 (br s,1H), 9.03 (br s, 1H), 8.52 (t, J= 5.20 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.94 (br s,1H), 7.39 (m, 2H), 7.22 (m, 3H), 7.13 (m, 1H), 3.26 (m, 2H), 3.13 (m, 2H), 1.12 (t, J=7.20 HZ, 3H)および1.05 (t, J= 7.20 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 328.18.
【0279】
一般的アミドカップリング法2:
DMF (2.0 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol, 1.0 eq)の氷冷溶液に、HBTU (1.50 eq)、続いてDIPEA (3.0 eq)、そして最後に適当なアミン (1.20 eq)を加えた。生じた反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応物を氷冷水の上に注ぎ、続いてEtOAc (3回)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル(60-120 M, 1-2.5% MeOH-DCM)で精製し、所望の生成物を得た。
【0280】
次のとおり、化合物 9 を作るために一般的アミドカップリング法2を用いた。
N-(2-クロロフェニル)-6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (9)
【化36】
【0281】
DMF (2.0 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol, 1.0 eq)の氷冷溶液に、HBTU (91 mg, 0.24 mmol, 1.50 eq)、続いてDIPEA (62 mg, 0.48 mmol, 3.0 eq)、そして最後に2-クロロアニリン (24 mg, 0.19 mmol, 1.20 eq)を加えた。生じた反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応物を氷冷水の上に注ぎ、続いてEtOAc (3×20 mL)で抽出した。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル(60-120 M, 1-2.5% MeOH-DCM)で精製し、化合物 9 (10 mg, 15%)を得た。
【0282】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.17 (br s, 1H), 10.08 (br s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 7.87 (m, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.24-7.40 (m, 8H), 7.15 (m, 1H), 3.14 (m, 2H), 1.06 (t, J= 7.20 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 410.15.
【0283】
一般的アミドカップリング法3:
DMF (2.0 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol, 1.0 eq)の氷冷溶液に、HATU (1.50 eq)、続いてHOBt (1.50 eq), DIPEA (1.50 eq)、そして最後に適当なアミン (1.50 eq)を加えた。生じた反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応物を氷冷水の上に注ぎ、続いてEtOAc (3回)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル(60-120 M, 1-2.5% MeOH-DCM)で精製し、所望の生成物を得た。
【0284】
次のとおり、化合物 10 を作るために一般的アミドカップリング法3を用いた。
6-(3-エチルウレイド)-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (10)
【化37】
【0285】
DMF (2.0 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol, 1.0 eq)の氷冷溶液に、HATU (O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート, 91 mg, 0.24 mmol, 1.50 eq)、続いてHOBt (N-ヒドロキシベンゾトリアゾール, 32 mg, 0.24 mmol, 1.50 eq)、DIPEA (31 mg, 0.24 mmol, 1.50 eq)、そして最後に1-メチルピラゾール-3-アミン (0.24 mmol, 23 mg, 1.50 eq)を加えた。生じた反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応物を氷冷水の上に注ぎ、続いてEtOAc (3×20 mL)で抽出した。次いで、反応物を氷冷水の上に注ぎ、続いてEtOAc (3×20 mL)で抽出した。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲル(60-120 M, 1-2.5% MeOH-DCM)で精製し、化合物 10 (15 mg, 25%)を得た。
【0286】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.31 (br s, 1H), 9.97 (br s, 1H), 9.14 (br s, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.40 (m, 3H), 7.27 (m, 3H), 7.17 (m, 1H), 6.23 (s, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.13 (m, 2H)および1.07 (m, 3H); [M+H]+ m/z = 380.
【0287】
一般的アミドカップリング法4:
DMA (2.0 mL)中のメタンスルホニルクロライド (18 μL, 0.23 mmol)の氷冷溶液を10分間撹拌し、続いて、DMA (5.0 mL)中の適当な酸 (0.16 mmol)の溶液および2,6-ルチジン (55 μL, 0.46 mmol)を順次滴下した。生じた反応混合物を0℃で30分間撹拌し、続いてDMA (1.0 mL)中の適当な酸 (0.25 mmol)の溶液を加えた。反応物を0℃で10分間さらに撹拌し、次いで50℃で4時間加熱した。次いで、反応物を0-5℃に冷却し、次いでH2O (5.0 mL)でクエンチし、続いて濃 HCl (0.50 mL)を加えた。生じた溶液を5分間撹拌し、続いてEtOAc (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機物を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣を、必要に応じて、クロマトグラフィーまたは結晶化により精製した。
【0288】
以下のとおり、化合物 11 を作るために一般的カップリング法4を用いた。
6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)-N-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチンアミド (11)
【化38】
【0289】
DMA (2.0 mL)中のメタンスルホニルクロライド (18 μL, 0.23 mmol)の氷冷溶液を10分間撹拌し、続いて、DMA (5.0 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol)の溶液および2,6-ルチジン (55 μL, 0.46 mmol)を順次滴下した。生じた反応混合物を0℃で30分間撹拌し、続いてDMA (1.0 mL)中の2-トリフルオロメチルアニリン (31 μL, 0.25 mmol)の溶液を加えた。反応物を室温で10分間さらに撹拌し、次いで50℃で4時間加熱した。次いで、反応物を0-5℃に冷却し、H2O (5.0 mL)でクエンチし、続いて濃HCl (0.50 mL)を加えた。生じた溶液を5分間撹拌し、続いてEtOAc (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し、化合物 11 (5.0 mg, 8%)を得た。
【0290】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.23 (br s, 1H), 10.07 (br s, 1H), 9.12 (br s, 1H), 8.61 (s, 1H), 7.89 (m, 1H), 7.82 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.74 (m, 1H), 7.57 (m, 2H), 7.38-7.43 (m, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.25 (m, 2H), 7.15 (m, 1H), 3.14 (m, 2H)および1.06 (t, J= 7.20 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 444.17.
【0291】
一般的アミドカップリング法5:
ジクロロメタン (5mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol)の氷冷懸濁液に、オキサリルクロライド (0.082 mL, 〜6 eq.)、続いて触媒量のDMF (0.005 mL)を加えた。混合物をRTに温まるままにし、16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、次いで、黄色の残渣をジクロロメタン (2.5 mL)中に溶解させた。この溶液を、ピリジン (1 mL)中の適当なアミンの溶液に0℃で滴下した。混合物を室温に温まるままにし、3時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl (飽和)でクエンチし、水で希釈し、EtOAc (3×20 mL)中に抽出した。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣を順相または逆相のクロマトグラフィーにより精製し、アミド生成物を得た。
【0292】
次のとおり、化合物 12 を作るために一般的なアミドカップリング法5を用いた。
エチル (2E)-3-{4-[({6-[(エチルカルバモイル)アミノ]-4-(フェニルアミノ)ピリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}プロペ-2-エノエート (12)
【化39】
【0293】
ジクロロメタン (5 mL)中の6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチン酸 (50 mg, 0.16 mmol)の氷冷懸濁液に、オキサリルクロライド (0.082 mL, 〜6 eq.)、続いて触媒量のDMF (0.005 mL)を加えた。混合物をRTに温まるままにし、16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、次いで黄色の残渣をジクロロメタン (2.5 mL)中に溶解させた。この溶液をピリジン (1 mL)中の4-アミノ エチル シンナメートの溶液に0℃で滴下した。混合物を室温に温まるままにし、3時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl (飽和)でクエンチし、水で希釈し、EtOAc (3×20 mL)中に抽出した。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をDMSO中に溶解させ、化合物 12 を得るために逆相フラッシュクロマトグラフィー(12 g Reveleris C18カートリッジ、0-100% アセトニトリルで溶出)により精製し、所望の生成物 (10 mg, 13%)を得た。
【0294】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.44 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 9.13 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.75 (dd, J = 28.4, 8.8 Hz, 4H), 7.61 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 7.16 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.19 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.23 - 3.05 (m, 2H), 1.26 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.07 (t, J = 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 474.24.
【0295】
6-(3-エチルウレイド)-N-フェニル-4-(ピリジン-3-イルアミノ)ニコチンアミド (13)
【化40】
【0296】
エチル 6-(3-エチルウレイド)-4-(ピリジン-3-イルアミノ)ニコチネート (ii):
1,4-ジオキサン (25 mL)中のエチル 4-クロロ-6-(3-エチルウレイド)ニコチネート, i (1.0 g, 3.70 mmol)の溶液に、3-アミノピリジン (0.435 g, 4.81 mmol)、続いてCs2CO3 (1.80 g, 5.55 mmol)を加えた。生じた溶液を窒素で15分間パージし、続いてPd(OAc)2 (0.025 g, 0.11 mmol)およびXantphos (0.13 g, 0.22 mmol)を加えた。反応混合物を窒素で再度15分間パージし、次いで80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セラトベッドにより濾過し、ベッドをEtOAcで洗浄した。合わせた濾液を減圧下濃縮した。残渣に水を加え、混合物をEtOAc (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧下に濃縮した。このようにして得た粗生成物を10% MeOH-Et2Oの混合物で摩砕し、オフホワイト色の固体として化合物 ii を得た。
【0297】
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 9.62 (s, 1H), 9.17 (s, 1H), 8.63(s, 1H), 8.56 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.41 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 7.77 (m, 1H), 7.75 (br s, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.32 (q, J= 6.8 Hz, 2H), 3.11 (q, J= 7.20 Hz, 2H), 1.33 (t, J= 6.8 Hz, 3H)および1.03 (t, J= 7.20 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 330.12.
【0298】
6-(3-エチルウレイド)-N-フェニル-4-(ピリジン-3-イルアミノ)ニコチンアミド (13):
THF (10 mL)中のエチル 6-(3-エチルウレイド)-4-(ピリジン-3-イルアミノ)ニコチネート (0.60 g, 1.82 mmol)およびアニリン (250 μL, 2.73 mmol)の溶液を、窒素で15分間パージした。この溶液に、トリメチルアルミニウム(トルエン中2M, 5.40 mL, 10.80 mmol)を10-15分かけて滴下した。反応混合物をマイクロウエーブ反応器中、125℃で30分間加熱した。次いで、反応物を水でクエンチし、EtOAc (3×1000 mL)で抽出した。有機物を合わせ、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。このようにして得られた残渣を分取HPLCにより精製し、オフホワイト色の固体として化合物 13 (0.28 g, 41%)を得た。
【0299】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 10.32 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 9.15 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.35 (d, J= 4.8 Hz, 1H), 7.93 (br s, 1H), 7.73 (t, J= 8.0 Hz, 3H), 7.45-7.41 (m, 1H), 7.37 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 7.23 (s, 1H), 7.13 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 3.16-3.13 (m, 2H), 1.08 (t, J= 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 377.22.
【0300】
ワインレブ(Weinreb) アミド
次のとおり、ワインレブ アミド、化合物 83から化合物 112を形成した。
6-(3-エチルウレイド)-N-メトキシ-N-メチル-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (83)および1-(5-ベンゾイル-4-(フェニルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-エチルウレア (112)
【化41】
【0301】
6-(3-エチルウレイド)-N-メトキシ-N-メチル-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (83):
4-アニリノ-6-(エチルカルバモイルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸 (i) (200 mg, 0.67 mmol)、ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩 (65 mg, 0.67 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (81 mg, 0.67 mmol)およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール (90 mg, 0.67 mmol)を、N2でフラッシュした乾燥RBFに加えた。DMF (1.5 mL)を加え、混合物を撹拌した。別のバイアル中で、3-(エチルイミノメチレンアミノ)-N,N-ジメチル-プロパン-1-アミン塩酸塩 (150 mg, 0.80 mmol)をDMF (1.5 mL)中に溶解させ、この溶液をRTで反応混合物に加えた。混合物をRTで一晩撹拌した。
RTで8日後、混合物を水で希釈し、EtOAc (3×30 mL)中に抽出し、有機物を食塩水、次いでNa2SO4で乾燥した。濁ったEtOAc懸濁液(いくらかの未反応の酸を含む)を濾過し、澄んだ濾液を蒸発乾固した。残渣をDCM (2mL)中に溶解させ、EtOAc/へプタンで溶出するシリカカラムにかけ、化合物 83 (90 mg)を得た。
【0302】
1-(5-ベンゾイル-4-(フェニルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-エチルウレア (112):
化合物 83 (15 mg, 0.044 mmol)を乾燥THF (0.8 mL)中に溶解させ、この溶液を、0℃でフェニルマグネシウムブロマイド (1M, 0.2mL, 0.20 mmol)に加えた。混合物を撹拌し、RTにゆっくりと温まるままにした。混合物をMeOH/HCl (2M) (1 mL:0.1 mL)でクエンチし、次いでNH4Cl (飽和)を加え、混合物を水およびEtOAcで希釈した(水〜7のpH)。混合物をEtOAc中に抽出し、有機物を合わせ、食塩水、次いでNa2SO4で乾燥した。溶媒を除去し、20 mgの粗残渣を得た。これをDCM (2 mL)中に溶解させ、EtOAc/へプタンで溶出するシリカカラムにかけ、化合物 112 (13 mg)を得た。
【0303】
一般的方法Cの実施例
【化42】
【0304】
4,6-ジクロロ-N-(3-ピリジル)ピリジン-3-カルボキシアミド (ii):
THF (100 mL)中の4,6-ジクロロピリジン-3-カルボン酸 (5.0 g, 26 mmol)の懸濁液に、チオニルクロライド (4 mL, 52 mmol)および触媒のDMF (5滴)を加えた。溶液を60℃で20分間加熱した。混合物を真空で濃縮し、黄色の残渣として酸塩化物を得た。その酸塩化物をTHF (50 mL)中に溶解させ、THF (50 mL)中のトリエチルアミン (11 mL, 78 mmol)および3-アミノピリジン (4.9 g, 52 mmol)の冷却(氷/水浴)溶液に加えた。混合物を40時間撹拌しながら室温に温まるままにした。反応混合物を濃縮し、水 (100 mL)で希釈し、DCM (3×100 mL)で洗浄した。有機抽出物を合わせ、食塩水 (2×20 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮した。得られる残渣をフラッシュクロマトグラフィー(120 g GraceResolv silicaカートリッジ, シクロヘキサン中の50-90% EtOAc)により精製し、白色の結晶性の固体として化合物 ii (3.52 g, 50%)を得た。
[M+H]+ m/z = 268.13, 270.11.
【0305】
4-クロロ-6-(エチルカルバモイルアミノ)-N-(3-ピリジル)ピリジン-3-カルボキシアミド (iii):
アルゴン雰囲気下、脱気したジオキサン (50 mL)中に化合物 ii (1.0 g, 3.7 mmol)およびN-エチルウレア (362 mg, 4.1 mmol)を溶解させた。カリウム tert-ブトキサイド (628 mg, 5.6 mmol)、Xantphos (129 mg, 0.22 mmol)およびパラジウム(0) ビス(ジベンジリデンアセトン) (65 mg, 0.11 mmol)を順次加えた。混合物を、アルゴン下、撹拌して100℃で16時間加熱した。追加のパラジウム(0) ビス(ジベンジリデンアセトン) (65 mg, 0.11 mmol)およびN-エチルウレア (560 mg, 6.4 mmol)を加え、混合物を還流で5時間加熱した。混合物をRTに冷却し、アセトニトリル (100 mL)で希釈し、次いで真空での濃縮によりシリカに吸着させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(40 g GraceResolv シリカカートリッジ, EtOAc中の0-10% MeOH)により精製し、淡褐色の固体として iii (244 mg, 20%)を得た。
[M+H]+ m/z = 320.05.
【0306】
6-(3-エチルウレイド)-4-(4-メトキシフェニルアミノ)-N-(ピリジン-3-イル)ニコチンアミド (14):
室温で、エタノール (2 mL)を塩化アセチル (22 μL)で処理し、HClのエタノール溶液 (2 eq., 0.31 mmol)を得た。この溶液に、iii (50 mg, 0.16 mmol)およびp-アニシジン (38 mg, 0.31 mmol)を加えた。その溶液をマイクロウエーブ反応器中、100℃で5分間、次いで110℃でさらに5分間加熱した。混合物を冷却し、窒素気流下で濃縮した。得られる残渣を飽和重炭酸ナトリウム (2 mL)中に懸濁させ、EtOAc (6×2 mL)およびアセトニトリル (2×2 mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(4 g Reveleris シリカカートリッジ, DCM中の0-5% MeOH)により精製し、オフホワイト色の固体として、化合物 14 (19 mg, 30%)を得た。
【0307】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 10.41 (s, 1H), 9.72 - 9.63 (m, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.89 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.33 (dd, J = 4.7, 1.5 Hz, 1H), 8.13 (ddd, J = 8.4, 2.5, 1.5 Hz, 1H), 7.96 - 7.90 (m, 1H), 7.41 (dd, J = 8.3, 4.7 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.04 (s, 1H), 7.00 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.19 - 3.11 (m, 2H), 1.07 (t, J = 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z =407.17.
【0308】
エチル 4-(2-(3-エチルウレイド)-5-(ピリジン-3-イルカルバモイル)ピリジン-4-イルアミノ)ベンゾエート (15); および4-(2-(3-エチルウレイド)-5-(ピリジン-3-イルカルバモイル)ピリジン-4-イルアミノ)安息香酸 (16)
【化43】
【0309】
エチル 4-[[2-クロロ-5-(3-ピリジルカルバモイル)-4-ピリジル]アミノ]ベンゾエート (ii):
EtOH (5 mL)中の4,6-ジクロロ-N-(3-ピリジル)ピリジン-3-カルボキシアミド (500 mg, 1.9 mmol)の懸濁液に、エチル 4-アミノベンゾエート (340 mg, 2.1 mmol)およびHCl (0.1 mL, 4M)を加えた。混合物をマイクロウエーブ中、100℃で10分間加熱し、次いで130℃で20分間再度加熱した。追加のエチル 4-アミノベンゾエート (100 mg, 0.6 mmol)を加え、混合物を130℃で20分間再度加熱した。混合物を蒸発乾固し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40 g Reveleris シリカカートリッジ, DCM中の0-10% MeOH)により精製し、オフホワイト色の固体として ii (334 mg, 46%)を得た。10 mgの ii の試料をDMSO中に溶解させ、逆相分取HPLC (水、0.1% ギ酸中の20-60% MeCN)を用いてさらに精製し、白色の固体として、8.74 mgの ii を得た。
【0310】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 8.85 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.33 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 8.3, 2.5, 1.5 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.40 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 3H), 7.15 (s, 1H), 4.30 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.32 (t, J = 7.1 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 397.09.
【0311】
エチル 4-(2-(3-エチルウレイド)-5-(ピリジン-3-イルカルバモイル)ピリジン-4-イルアミノ)ベンゾエート (15):
窒素雰囲気下、化合物 ii (210 mg, 0.53 mmol)およびN-エチルウレア (93 mg, 1.1 mmol)を脱気したジオキサン (2 mL)中に溶解させた。ナトリウム tert-ブトキサイド (102 mg, 1.1 mmol)、X-phos (2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2',4',6'-トリ-i-プロピル-1,1'-ビフェニル, 50 mg, 0.1 mmol)およびパラジウム(0) ビス(ジベンジリデンアセトン) (50 mg, 0.05 mmol)を順次加えた。混合物をマイクロウエーブ反応器中、120℃で60分間加熱した。混合物をRTに冷却し、濾過し、次いで蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40 g GraceResolv シリカカートリッジ, DCM中の0-15% MeOH)により精製し、オフホワイト色の固体として化合物 15 (160 mg, 68%)を得た。
【0312】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): d 10.53 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 9.24 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.32 (d, J= 4.8 Hz, 1H), 8.12 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.95 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.80 (m, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.40 (d, J= 8.8 Hz, 3H), 4.32-4.27 (m, 2H), 3.17-3.14 (m, 2H), 1.34 (t, J= 7.2 Hz, 3H), 1.12-1.09 (m, 3H). [M+H]+ m/z = 449.16.
【0313】
4-(2-(3-エチルウレイド)-5-(ピリジン-3-イルカルバモイル)ピリジン-4-イルアミノ)安息香酸 (16):
メチル 4-[[2-(エチルカルバモイルアミノ)-5-(3-ピリジルカルバモイル)-4-ピリジル]アミノ]ベンゾエート (35 mg, 0.07 mmol)を、アセトニトリル (3 mL)および水 (3 mL)中に懸濁させ、NaOH (1 mL, 1 M)で処理した。混合物を40℃で40分間加熱した。混合物を希HCl水溶液でpH〜6に調整した。次いで、混合物を凍結乾燥した。粗生成物をDMSO/水中に溶解させ、逆相クロマトグラフィー(12 g Reveleris C18 カートリッジ、0.1% 水性ギ酸中の0-100% アセトニトリルで溶出)により精製した。化合物 16を、白色の固体として単離した (23 mg, 68%)。
【0314】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 10.53 (s, 1H), 10.04 (s, 1H), 9.24 (s, 1H), 8.86 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.32 (dd, J = 4.7, 1.5 Hz, 1H), 8.12 (ddd, J = 8.4, 2.5, 1.5 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.87 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.40 (ddd, J = 8.4, 4.7, 0.6 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.20 - 3.12 (m, 2H), 1.07 (t, J = 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 421.14.
【0315】
官能化
本明細書に記載の特定の実施例は、例えば以下のものを含むが、それらに限定されない、当該技術で既知の方法を用いてさらに官能化できることを理解されたい。
【0316】
6-(3-エチルウレイド)-N-(4-(3-(メトキシ(メチル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (123)および6-(3-エチルウレイド)-N-(4-(3-オキソブチル)フェニル)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (122)
【化44】
【0317】
6-(3-エチルウレイド)-N-(4-(3-(メトキシ(メチル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェニル)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (123):
3-[4-[[4-アニリノ-6-(エチルカルバモイルアミノ)ピリジン-3-カルボニル]アミノ]フェニル]プロパン酸 (化合物 78) (14.5 mg, 0.032 mmol)およびジメチル ヒドロキシルアミン (3.8 mg, 0.039 mmol)を、DMF (1 mL)中に溶解させ、DIPEA (17 μL, 0.098 mmol)、続いて[ジメチルアミノ(トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)メチレン]-ジメチル-アンモニウム ヘキサフルオロホスフェート (15 mg, 0.039 mmol)を加えた。混合物をRTで撹拌した。1時間後、混合物をEtOAcで希釈し、蒸発乾固した。残渣をDCM中に溶解させ、MeOH/DCMで溶出するシリカカラムにかけ、化合物 123 (8 mg)を得た。
【0318】
6-(3-エチルウレイド)-N-(4-(3-オキソブチル)フェニル)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (122):
メチルマグネシウム クロライド (100 μmol, 0.3 mmol)をTHF (1 mL)に加え、0℃に冷却した。化合物 123 (8 mg, 0.016 mmol)をTHF (1 mL)中に溶解させ、この溶液を前記グリニャールに0℃で滴下した。混合物を1時間かけてRTにゆっくり温まるままにし、次いでNH4Clでクエンチし、水およびEtOAcで希釈した。混合物をEtOAc中に抽出し、有機物を合わせ、食塩水、次いでNa2SO4で乾燥し、次いで蒸発乾固した。残渣をDCM (1mL)およびMeOH (2滴)でシリカカラムにかけ、DCM中のMeOHで溶出し、化合物 122 (4 mg)を得た。
【0319】
N-(4-アジドフェニル)-4-[(4-クロロフェニル)アミノ]-6-[(エチルカルバモイル)アミノ]ピリジン-3-カルボキシアミド (132)およびエチル 1-{4-[({4-[(4-クロロフェニル)アミノ]-6-[(エチルカルバモイル)アミノ]ピリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレート (133)
【0320】
【化45】
【0321】
N-(4-アジドフェニル)-4-[(4-クロロフェニル)アミノ]-6-[(エチルカルバモイル)アミノ] ピリジン-3-カルボキシアミド (132):
4-アニリノ-6-(エチルカルバモイルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸と4-アジドアニリンとのカップリングにより化合物 132を製造した。
【0322】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.35 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.79 - 7.72 (m, 2H), 7.47 - 7.41 (m, 2H), 7.33 - 7.27 (m, 2H), 7.25 (br s, 1H), 7.15 - 7.09 (m, 2H), 3.20 - 3.10 (m, 2H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3H), [M+H]+ m/z = 450.98.
【0323】
エチル 1-{4-[({4-[(4-クロロフェニル)アミノ]-6-[(エチルカルバモイル)アミノ]ピリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]フェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレート (133):
DMF (1.8 mL)中の化合物 132 (50 mg, 0.11 mmol)の溶液に、エチル プロピ-2-イノエート (21 mg, 0.2218 mmol)、続いてエチル-ジイオプロピルアミン (0.023 mL, 0.13 mmol)およびヨウ化第一銅 (3.8 mg, 0.020 mmol)を0℃で加えた。氷浴を取り去り、混合物をRTで2時間撹拌した。水を加え、混合物をEtOAc (4回)で抽出した。有機フラクションを合わせ、真空で濃縮し、残渣を得、それを水中のACN勾配で溶出する中圧クロマトグラフィー(C18 カラム)により精製し、標的生成物を得た。その生成物をEtOAcで摩砕し、化合物 133 (5 mg)を得た。
【0324】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.55 (s, 1H), 9.82 (s, 1H), 9.43 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 7.94 (t, J = 6.4 Hz, 5H), 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.26 (s, 1H), 4.37 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.20 - 3.11 (m, 2H), 1.35 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.07 (t, J = 7.2 Hz, 3H), [M+H]+ m/z = 549.03.
【0325】
6-[(エチルカルバモイル)アミノ]-N-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-4-(フェニルアミノ)ピリジン-3-カルボキシアミド (134)
【化46】
【0326】
6-(3-エチルウレイド)-4-(フェニルアミノ)ニコチンアミド (61):
4-アニリノ-6-(エチルカルバモイルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸 (i) (70 mg, 0.23 mmol)をDMF (2mL)中に懸濁させ、N,N-ジイソプロピルエチル アミン (0.16 mL, 0.93 mmol)を加え、固体が溶解するようにした。[ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ(ジメチルアミノ) メチレン]-ジメチル-アンモニウム ヘキサフルオロホスフェート (97 mg, 0.26 mmol)を加えた。RTで10分間撹拌後、アンモニア (1 mL, 25重量%, 14.7 mmol)を加えた。混合物をRTで一晩撹拌した。混合物をNH4Clでクエンチし、水およびEtOAcで希釈した。混合物をEtOAc (3×20 mL)中に抽出し、有機物を合わせ、食塩水、次いでMgSO4で乾燥した。溶媒を除去し、白色の固体として粗残渣を得た。その固体をMeOH/DCM中に溶解させ、MeOH/DCMで溶出するシリカカラムにかけ、化合物 61の40 mgを得た。
【0327】
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.46 - 8.39 (m, 1H), 7.44 - 7.37 (m, 2H), 7.29 - 7.23 (m, 2H), 7.22 - 7.14 (m, 1H), 6.84 (s, 1H), 3.29 - 3.24 (m, 2H), 1.18 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0328】
6-[(エチルカルバモイル)アミノ]-N-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-イル)-4-(フェニルアミノ)ピリジン-3-カルボキシアミド (134):
化合物 61 (20 mg, 0.067 mmol)を、ナトリウムブトキサイド (13 mg, 0.13 mmol)、ジシクロヘキシル-[2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン (6 mg, 0.01 mmol)、4-ブロモ-1-メチル-ピリジン-2-オン (25 mg, 0.13 mmol)およびトリス-(ジベンジリデンアセトン) パラジウム(0) (6 mg, 0.007 mmol)と一緒に、乾燥ジオキサン (2 mL)中に懸濁させた。混合物をN2下に置いて、マイクロウエーブ中、120℃で1時間加熱した。混合物をRTで2日間に渡って放置した。MeOHを用いて混合物をフラスコに移し、溶媒を除去した。残渣を10% MeOH/DCM中に懸濁させ、EtOAc/ヘプタン、続いてMeOH/DCM勾配で溶出するシリカカラムにかけ、化合物 134 (6.8 mg)を得た。
【0329】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.27 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), 9.14 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.62 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.47 - 7.35 (m, 2H), 7.34 - 7.21 (m, 3H), 7.21 - 7.11 (m, 1H), 6.87 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.58 (dd, J = 7.5, 2.4 Hz, 1H), 3.37 (s, 3H), 3.19 - 3.09 (m, 2H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3H), [M+H]+ m/z = 407.13.
【0330】
6-[(エチルカルバモイル)アミノ]-N-[4-(3-ヒドロキシプロピ-1-イン-1-イル)フェニル]-4-(フェニルアミノ)ピリジン-3-カルボキシアミド (135)
【化47】
【0331】
4-アニリノ-6-(エチルカルバモイルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸と4-ヨードアニリンとのカップリングにより、4-アニリノ-6-(エチルカルバモイルアミノ)-N-(4-ヨードフェニル)ピリジン-3-カルボキシアミド (i)を製造した。化合物 (i) (50 mg, 0.10 mmol)およびPdCl2(PPh3)2 (2.8 mg, 4.0 μmol)を、0.5-1.5 mLのマイクロウエーブ バイアル中に入れ、無水DMF (1 mL)を加え、すぐに続いてトリエチルアミン (83 μmol, 0.60 mmol)およびプロパルギルアルコール (17 μmol, 0.30 mmol)を加えた。その溶液をアルゴンで〜3分バブル(bubble)し、次いでCuI (0.38 mg, 2.0 μmol)を加えた。そのバイアルに蓋をかぶせ、混合物を脱気し、次いでマイクロウエーブ中、100℃で30分間加熱した。混合物をセライトで濾過し、次いで濾液を真空で濃縮し、残渣を得、それをメタノールとDCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生じた生成物の混合物をクロマトグラフィー(逆相; 水中のACN勾配)によりさらに精製し、化合物 135を得た。
【0332】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.40 (br s, 1H), 9.84 (br s, 1H), 9.11 (br s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.94 (br s, 1H), 7.73 (br d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.45 - 7.36 (m, 4H), 7.27 (br d, J = 7.8 Hz, 3H), 7.15 (m, 1H), 5.33 - 5.25 (m, 1H), 4.29 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.24 - 3.04 (m, 2H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3H), [M+H]+ m/z = 430.12.
【0333】
エチル 1-{5-[({6-[(エチルカルバモイル)アミノ]-4-(ピリジン-3-イルアミノ)ピリジン-3-イル}カルボニル)アミノ]ピリミジン-2-イル}-4-メチルピペリジン-4-カルボキシレート (136)
【化48】
【0334】
4-アニリノ-6-(エチルカルバモイルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸と2-クロロピリミジン-5-アミンとのカップリングにより、N-(2-クロロピリミジン-5-イル)-6-(エチルカルバモイルアミノ)-4-(3-ピリジルアミノ)ピリジン-3-カルボキシアミド (i)を製造した。化合物 (i) (30 mg, 73 μmol)、エチル 4-メチルピペリジン-4-カルボキシレート塩酸塩 (23 mg, 0.11 mmol)、N-エチル-N-イソプロピル-プロパン-2-アミン (50 μmol, 0.29 mmol)およびDMSO (2 mL)を合わせ、80℃で2時間、続いて90℃で2時間加熱した。反応混合物をEtOAc (50 mL)と飽和NH4Cl溶液 (50 mL)との間で分配した。有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (50 mL)および食塩水 (50 mL)でさらに洗浄した。有機相を分離し、濃縮し、粗油状物を得た。n-へプタン中の0-100% EtOAc勾配で溶出するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物を得た。水(0.1% ギ酸を含む)中の20-60% アセトニリル勾配で溶出する、さらなるフラッシュクロマトグラフィー(C18カラム)により化合物 136 (35 mg, 88%)を得た。
【0335】
1H NMR (400 MHz, アセトン) δ 10.24 (s, 1H), 9.56 (s, 1H), 8.74 - 8.68 (m, 3H), 8.62 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.41 (dd, J = 4.7, 1.3 Hz, 1H), 7.79 (ddd, J = 8.4, 2.5, 1.5 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.2, 4.7 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.36 (dt, J = 13.9, 4.4 Hz, 2H), 4.21 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.34 - 3.26 (m, 4H), 2.16 (s, 2H), 1.51 1.43 (m, 2H), 1.29 (dd, J = 9.4, 4.8 Hz, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.17 (t, J = 7.2 Hz, 3H), [M+H]+ m/z = 548.29.
【0336】
次の化合物を、前記の一般的な方法および/または実施例を参照して同様に製造した。
【0337】
【表1-1】
【0338】
【表1-2】
【0339】
【表1-3】
【0340】
【表1-4】
【0341】
【表1-5】
【0342】
【表1-6】
【0343】
【表1-7】
【0344】
【表1-8】
【0345】
【表1-9】
【0346】
【表1-10】
【0347】
【表1-11】
【0348】
【表1-12】
【0349】
【表1-13】
【0350】
【表1-14】
【0351】
【表1-15】
【0352】
【表1-16】
【0353】
【表1-17】
【0354】
【表1-18】
【0355】
【表1-19】
【0356】
【表1-20】
【表1-21】
【0357】
【表1-22】
【0358】
【表1-23】
【0359】
【表1-24】
【0360】
【表1-25】
【0361】
【表1-26】
【0362】
【表1-27】
【0363】
【表1-28】
【0364】
【表1-29】
【0365】
【表1-30】
【表1-31】
【0366】
【表1-32】
【0367】
【表1-33】
【0368】
【表1-34】
【0369】
【表1-35】
【0370】
【表1-36】
【0371】
【表1-37】
【0372】
【表1-38】
【0373】
【表1-39】
【0374】
【表1-40】
【0375】
【表1-41】
【0376】
【表1-42】
【0377】
【表1-43】
【0378】
【表1-44】
【0379】
【表1-45】
【0380】
【表1-46】
【0381】
生物学的データ
標的酵素アッセイ:ジャイレースATPアーゼ活性の測定
ジャイレースはATPをADPと無機リン酸塩に変換する。放出されたリン酸塩は、マラカイトグリーン溶液の添加で検出することができ、600 nmでの吸光度の増加をモニターすることによって測定することができる。ATPアーゼアッセイは、10 nM ジャイレース酵素(黄色ブドウ球菌からのA2B2複合体)、0.08 mg/ml 二本鎖 DNA、40 mM HEPES.KOH pH 7.6、500 mM K グルタメート、10 mM Mg アセテート、2 mM DTT、0.01 mg/ml BSA、1 mM ATPを含む緩衝液および阻害剤を含む5% DMSO溶液で行われる。あるいは、ATPアーゼアッセイは、10 nM ジャイレース酵素(大腸菌からのA2B2複合体)、0.08μg/mL ssDNA、35 mM Tris pH 7.5、24mM KCl、 2 mM MgCl2、6.5% グリセロール、2 mM DTT、0.1 mg/mL BSA、1 mM ATPを含む緩衝液および阻害剤を含む1% DMSO溶液中で行われる。反応は、1 mM の最終濃度にATPを加えることにより開始され、30℃で60分間インキュベートされる。 反応は、200 μlのマラカイトグリーン溶液(0.034% マラカイトグリーン、10 mM モリブデン酸アンモニウム、1 M HCl、3.4% エタノール、0.01% トウィーン20)を加えることによって停止される。色を5分間展開させ、600 nmでの吸光度を分光光度法で測定する。化合物無しおよび酵素無しのコントロールを用いた吸光度測定値からIC50値を決定する。
【0382】
本発明の化合物は、標的酵素に活性を示し、試験された化合物の大部分は10μg/mL以下のジャイレースATPアーゼ活性のIC50値を示した。
驚くべきことに、ヘテロアリールコア(core)の代わりにフェニルコアを有する以下の比較化合物A、B、CおよびDを同じ酵素アッセイで試験したとき、それらはどれも測定可能な適確な活性を示さなかった(すなわち、IC50≧200μg/mL)。
【0383】
4-(3-エチルウレイド)-N-メチル-2-(フェニルアミノ)-N-m-トリルベンズアミド (化合物A)
【化49】
【0384】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.82 (s, 1H), 7.33 - 7.21 (m, 2H), 7.14 - 7.05 (m, 4H), 6.99 - 6.93 (m, 2H), 6.89 (s, 1H), 6.84 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 4.68 (s, 1H), 3.43 (s, 3H), 3.24 - 3.15 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 1.07 (t, J = 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 402.93.
【0385】
N-(3-クロロフェニル)-4-(3-エチルウレイド)-2-(フェニルアミノ)ベンズアミド (化合物B)
【化50】
【0386】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.24 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.70 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.39 (ddd, J = 8.2, 2.0, 0.9 Hz, 1H), 7.32 - 7.22 (m, 3H), 7.16 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.13 - 7.08 (m, 1H), 7.10 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.02 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 8.6, 2.1 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 4.78 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 3.32 - 3.18 (m, 2H), 1.13 (t, J = 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 408.89.
【0387】
4-(3-エチルウレイド)-N-フェニル-2-(フェニルアミノ)ベンズアミド (化合物C)
【化51】
【0388】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.82 (br s, 1H), 9.41 (br s, 1H), 8.04 (br s, 1H), 7.80 - 7.75 (m, 2H), 7.73 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 15.5, 7.2 Hz, 4H), 7.25 (dd, J = 8.6, 1.2 Hz, 2H), 7.12 - 7.07 (m, 1H), 7.04 (dd, J = 8.7, 2.1 Hz, 1H), 7.02 - 6.96 (m, 1H), 5.78 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 3.21 (qd, J = 7.2, 5.6 Hz, 2H), 1.09 (t, J = 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 375.
【0389】
4-(3-エチルウレイド)-2-(フェニルアミノ)-N-(ピリジン-3-イル)ベンズアミド (化合物D)
【化52】
【0390】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.26 (s, 1H), 9.63 (s, 1H), 8.86 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.30 (dd, J = 4.7, 1.4 Hz, 1H), 8.17 - 8.06 (m, 1H), 7.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.41 - 7.37 (m, 1H), 7.37 - 7.31 (m, 2H), 7.21 (dd, J = 8.6, 1.0 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 8.7, 2.1 Hz, 1H), 6.14 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.17 - 3.03 (m, 2H), 1.05 (t, J = 7.2 Hz, 3H). [M+H]+ m/z = 376.19.
【0391】
細菌アッセイ:抗菌活性の測定
本発明の化合物は、液体または固体培地での感受性試験によって抗菌活性試験が行われた。それぞれの菌株に対する化合物のMICが、臨床検査標準協議会、昔は米国臨床検査標準委員会のガイドライン(Clinical Laboratories and Standards Institute. Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically; Approved Standard-Seventh Edition. Document M7A7. CLSI, Wayne, Pa, 2006; Clinical Laboratories and Standards Institute)による微量液体希釈法または寒天希釈法によって測定された。試験されたグラム陽性細菌株は、S.aureus (黄色ブドウ球菌 (分離ID ATCC 29213))、E.faecalis (大便連鎖球菌 (分離ID ATCC 29212)) および S.pyogenes (化膿連鎖球菌 (分離ID ATCC 51339))を含む。試験されたグラム陰性細菌株は、H.influenzae (インフルエンザ菌 (分離ID ATCC 49247))を含む。
【0392】
グラム陽性抗菌活性
本発明の代表的な化合物を、1以上のグラム陽性細菌株に対する活性のために試験し、その結果を表2、3および4に示す。
【0393】
【表2】
【0394】
【表3】
【0395】
【表4】
【0396】
グラム陰性抗菌活性
本発明の選択された化合物を、グラム陰性細菌株H.influenzae (ATCC 49247)に対する活性に対しても試験試験し、その結果を表5に示す。
【0397】
【表5】
【0398】
この明細書および以下の特許請求の範囲を通して、文脈がそれ以外のことを要求していない限り、単語「〜を含む(comprise)」ならびに「〜を含む(comprises)」および「〜を含んでいる(comprising)」のような変形は、規定された整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を包含し、いかなるその他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を除外するわけではないことを意味することを理解されたい。
【0399】
本明細書中のあらゆる先行文献もしくはそれから誘導される情報または公知のあらゆる事項についての言及は、その先行文献もしくはそれから誘導される情報または公知の事項が、本明細書が関係する努力傾注分野における共通の一般的知識の一部を形成するという、認識または承認またはあらゆる形態の示唆と見なされないし、見なされるべきでない。