(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レンズ設計データの利用制限に関する情報とは、前記レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可する使用可能期限を示す情報として、前記レンズ設計データに対応づけられた使用可能期限情報であり、
加工日が、前記使用可能期限内の場合に、前記レンズ設計データを用いたレンズの加工が許可される、
請求項2に記載のレンズ設計データ利用管理システム。
前記レンズ設計データの利用制限に関する情報は、前記レンズ設計データを用いたレンズの加工を行った累積加工回数を示す、前記レンズ設計データに対応づけられた情報であり、
前記累積加工回数が、予め設定した加工回数を超えていない場合に、前記レンズ設計データを用いたレンズの加工が許可される、
請求項2から請求項4のうちいずれか1項に記載のレンズ設計データ利用管理システム。
前記レンズ設計データは、非球面、乱視面と非球面が合成された面、累進焦点面、累進焦点面と乱視面が合成された面、累進焦点面と乱視面と非球面が合成された面、光がレンズ表面と裏面を通過したときに眼鏡レンズとしてのレンズ作用を発生させる自由曲面のうち少なくとも1つが含まれる、請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載のレンズ設計データ利用管理システム。
前記レンズ設計データは、非球面、乱視面と非球面が合成された面、累進焦点面、累進焦点面と乱視面が合成された面、累進焦点面と乱視面と非球面が合成された面、光がレンズ表面と裏面を通過したときに眼鏡レンズとしてのレンズ作用を発生させる自由曲面のうち少なくとも1つが含まれる、請求項9から請求項11のうちいずれか1項に記載のレンズ製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態のレンズ製造システム1の機能構成を表す機能ブロック図である。図示するように、レンズ製造システム(レンズ加工管理システム)1は、ネットワークを介して通信可能に接続された設計装置(データ供給装置)10及びレンズ製造装置(加工装置)20を備える。
【0017】
設計装置10は、光学設計のノウハウを持ちレンズの形状のデータを作成する業者によって所有される。設計装置10は、レンズ製造装置20を所有するレンズ製造業者からの依頼に対し、レンズ面の形状を表す面形状データ(本発明の「レンズ形状データ」に相当)を含むレンズデータ(設計データ)を作成し、レンズデータを、ネットワークを通じてレンズ製造装置20へ送信する。
【0018】
レンズ製造装置20は、レンズ製造業者によって所有され、レンズデータに含まれる面形状データに基づいてセミ材(セミフィニッシュレンズ、レンズの半製品)を加工することによって眼鏡用のレンズを製造する。
図2は、レンズ製造装置20の機能構成を表す機能ブロック図である。図に示されるように、レンズ製造装置20は、レンズデータ入力部21、レンズデータ記憶部22、使用回数記憶部23、アクセス制御部(制限手段)24、操作部25、レンズ製造部26、面形状データメモリ27を備える。
【0019】
レンズデータ入力部21は、ネットワークを通じて設計装置10からレンズデータを受信し、受信したレンズデータをレンズ製造装置20に入力する。
レンズデータ記憶部22は、レンズデータ入力部21によって入力されたレンズデータを記憶する。レンズデータ記憶部22は、複数のレンズデータを記憶しても良い。
【0020】
使用回数記憶部23は、レンズデータの識別情報であるレンズデータID(本発明の「識別情報」に相当)と対応付けて、各レンズデータがアクセス制御部24によって読み出された回数(使用回数)を記憶する。
【0021】
アクセス制御部24は、レンズ製造部26からの要求に応じて、レンズデータ記憶部22に記憶されるレンズデータに含まれる面形状データを読み出し、読み出した面形状データをレンズ製造部26へ渡す。その際に、アクセス制御部24は、レンズデータに含まれる使用可能期限、使用可能回数、使用回数に基づいて、面形状データを読み出すか否か判定する。アクセス制御部24の処理内容の詳細については後述する。
【0022】
操作部25は、キーボードやポインティングデバイスやボタンなどを用いて構成され、操作者によって操作されることにより、レンズ製造の指示と、レンズ製造に用いられるレンズデータのレンズデータIDとをレンズ製造装置20に入力する。
【0023】
レンズ製造部26は、操作部25によって入力されたレンズデータIDのレンズデータに含まれる面形状データに従って、セミ材などのレンズ素材を加工することによってレンズを製造する。レンズ製造部26は、レンズデータ記憶部22から面形状データを直接読み出すことができないように構成される。
【0024】
レンズデータメモリ27は、レンズ製造部26によるデータの読み書きが可能な記憶装置であり、アクセス制御部24によって読み出された面形状データを記憶する。
【0025】
図3は、レンズデータ記憶部22が記憶するレンズデータの概略を表す概略図である。レンズデータは、レンズデータID、使用可能期限、使用可能回数、面形状データを含むデータである。
【0026】
レンズデータIDは、各レンズデータの識別情報であり、レンズデータIDによってレンズデータ及び面形状データが一意に特定される。
【0027】
使用可能期限は、このレンズデータの面形状データを用いてレンズ製造装置20がレンズを製造することができる期限を表す。
図3の場合、使用可能期限の値は“20100810”であり、レンズ製造装置20が2010年8月11日以降にはこのレンズデータの面形状データを用いてレンズを製造することができないことを表す。
【0028】
使用可能回数は、このレンズデータの面形状データを用いてレンズ製造装置20がレンズを製造することができる回数を表す。
図3の場合、使用可能回数の値は“5”であり、レンズ製造装置20がこのレンズデータの面形状データを用いて5枚のレンズを製造することができることを表す。
【0029】
面形状データは、レンズ製造に使用されるセミ材の加工面上の各点における空間座標(x座標、y座標、z座標)の値の集合である。
図3の場合、“x1,y1,z1”や“x2,y2,z2”などが、それぞれレンズ製造に使用されるセミ材の加工面上の各点における空間座標を表す。レンズ加工部26は、セミ材の加工面のx−y平面におけるx1、y1の点について高さ方向の座標がz1になるように加工面を削り、この作業を面形状データに含まれる全ての座標について行うことによって所望のレンズを製造する。
【0030】
図4は、使用回数記憶部23が記憶する使用回数データの概略を表す概略図である。使用回数データは、レンズデータID毎に、そのレンズデータがアクセス制御部24によって読み出された回数(使用回数)を記憶する。使用回数の値は、アクセス制御部24によって書き換えられる。
図4に示されるデータは、レンズデータIDがaaa1のレンズデータが10回読み出されたことを示し、レンズデータIDがbbb2のレンズデータが5回読み出されたことを示し、レンズデータIDがccc3のレンズデータが4回読み出されたことを示す。
【0031】
図5は、レンズ製造装置20の動作処理を表すフローチャートである。まず、レンズデータ入力部21がレンズデータを入力し、入力されたレンズデータをレンズデータ記憶部22が記憶する(ステップS101)。次に、操作部25が操作者からのレンズ製造の指示とレンズデータIDを入力する(ステップS102)。次に、レンズ製造部26が、アクセス制御部24に対し、入力されたレンズデータIDを渡すことによって、レンズ製造に使用される面形状データを要求する(ステップS103)。
【0032】
レンズデータIDを受けると、アクセス制御部24は、このレンズデータIDに対応するレンズデータの面形状データの使用可能期限をレンズデータ記憶部22から読み出し、期限が切れていないか確認する(ステップS104)。具体的には、アクセス制御部24は、レンズ製造装置20が備える不図示のタイマから現在の日時情報を取得し、使用可能期限と現在の日時情報とを比較することによって、現在の日時が使用可能期限を越えているか否か確認する。期限が切れている場合、即ち現在の日時が使用可能期限を越えている場合には(ステップS105−NO)、アクセス制御部24は面形状データを読み出さず、レンズ製造部26に対しエラーを出力する。そして、レンズ製造装置20は
図5のフローチャートに表される動作の全てを終了する。
【0033】
期限が切れていない場合、即ち現在の日時が使用可能期限を越えていない場合(ステップS105−YES)、アクセス制御部24は、レンズデータIDに対応するレンズデータの面形状データの使用可能回数をレンズデータ記憶部22から読み出し、さらにレンズデータIDに対応する使用回数を使用回数記憶部23から読み出す。次に、アクセス制御部24は、読み出された使用可能回数と使用回数とを比較する(ステップS106)。使用回数が使用可能回数以上である場合には(ステップS107−NO)、アクセス制御部24は面形状データを読み出さず、レンズ製造部26に対しエラーを出力する。そして、レンズ製造装置20は
図5のフローチャートに表される動作の全てを終了する。
【0034】
使用回数が使用可能回数未満である場合には(ステップS107−YES)、アクセス制御部24は、レンズデータIDに対応するレンズデータの面形状データをレンズデータ記憶部22から読み出し、読み出された面形状データをレンズ製造部26へ渡す(ステップS108)。そして、アクセス制御部24は、使用回数記憶部23にアクセスし、レンズデータIDに対応する使用回数の値を一つ増加させる(ステップS109)。
【0035】
レンズ製造部26は、アクセス制御部24から面形状データを受け取ると、面形状データメモリ27に、この面形状データを書き込む(ステップS110)。次に、レンズ製造部26は、面形状データメモリ27に記憶される面形状データに基づいて、レンズの製造を行う(ステップS111)。そして、レンズの製造が終了すると、レンズ製造部26は、面形状データメモリ27から面形状データを消去し(ステップS112)、
図5に表されるフローチャート全体の処理を終える。
【0036】
このように構成されたレンズ製造装置20では、レンズデータ記憶部22に記憶される面形状データは、レンズ製造部26によって直接読み出されることはなく、アクセス制御部24によって読み出される。アクセス制御部24は、使用可能回数を越えていないか、使用可能期限が切れていないか、という条件を判定し、条件を満たしている場合にのみ面形状データをレンズデータ記憶部22から読み出してレンズ製造部26に渡す。そのため、レンズ製造部26による面形状データを用いたレンズ製造が、使用可能回数を越えて不正に行われたり、使用可能期限が切れているにもかかわらず不正に行われたりすることを抑止することが可能となる。
【0037】
また、レンズ製造部26は、面形状データを用いてレンズの製造を行った後に、面形状データを記憶している面形状データメモリ27から面形状データを消去する。そのため、レンズ製造装置20は、同じ面形状データを用いてレンズ製造をさらに行う場合であっても、再びアクセス制御部24によって上述した条件が満たしているか否か判定された後にレンズデータ記憶部22から面形状データを読み出す必要がある。従って、面形状データを用いたレンズ製造が、使用可能回数を越えて不正に行われたり、使用可能期限が切れているにもかかわらず不正に行われたりすることを、より厳重に抑止することが可能となる。
【0038】
なお、レンズの製造工程上で、何らかの不具合が発生し、製造途中のレンズが不良(キズや破損など)となり、再度レンズの製造を必要とする場合がある。そのため、レンズ設計データの使用可能回数を1回のみとしないように構成されても良い。また、数日の期間中に全く同じ処方のレンズを受注することはまれであり、上記のようなレンズが不良となったための再度の製造と判断ができる。そのため、使用可能回数、使用可能期限を設けても、レンズ製造部26による面形状データを用いたレンズ製造が不正に行われたりすることを抑止することが可能となる。
【0039】
<変形例>
レンズ製造システム1では、レンズデータ記憶部22に記憶されるレンズデータは、ネットワークを通じて設計装置10から送信され、レンズデータ入力部21によって受信される。しかしながら、レンズデータ記憶部22に記憶されるレンズデータは、必ずしもネットワークを通じて設計装置10から送信される必要は無く、例えばCD−ROMや半導体メモリなどの記憶媒体に記憶され、郵送や持参などの手段によってレンズ製造装置20の元に持ち込まれレンズ製造装置20に接続されることによって、ネットワークを介することなくレンズ製造装置20に入力されても良い。
【0040】
また、レンズ製造システム1では、レンズデータの面形状データを読み出すに当たって、使用可能期限及び使用可能回数の二つの条件に基づいてその可否が判定されるが、いずれか一方の条件のみに基づいて判定されても良いし、さらに他の条件に基づいて使用可否が判定されても良い。
【0041】
また、レンズ製造システム1は、操作者がレンズの製造枚数を指示することによって操作部25がレンズの製造枚数をレンズ製造装置20に入力し、レンズ加工部26はレンズデータIDとともに製造枚数をアクセス制御部24に渡し、アクセス制御部24は面形状データをレンズデータ記憶部22から一度だけ読み出してレンズ製造部26に渡し、使用回数記憶部23に記憶される使用回数を製造枚数分(本発明における「使用回数分」に相当)だけ増加させ、レンズ製造部26は製造枚数分だけレンズを製造し、その後に面形状データメモリ27から面形状データを消去するように構成されても良い。このように構成された場合、面形状データをアクセス制御部24が読み出し使用回数を一つ増加させレンズ製造部26が一枚のレンズを製造して面形状データメモリ27から面形状データを消去することを製造枚数分繰り返す場合に比べて、アクセス制御部24がレンズデータ記憶部22から面形状データを読み出す処理や、使用回数記憶部23に記憶される使用回数を書き換える処理や、アクセス制御部24からレンズ製造部26へ面形状データを渡す処理や、レンズ製造部26が面形状データを面形状データメモリ27に書き込み消去する処理などに要する処理時間を削減させ、レンズ製造装置20の装置全体の処理の高速化を実現させることが可能となる。
【0042】
また、レンズ製造システム1では、使用可能期限又は使用可能回数の値として“なし”が設定されても良い。使用可能期限又は使用可能回数の値として“なし”が設定されたレンズデータに関しては、アクセス制御部24は、その使用可能期限が切れているか否か、又は使用回数が使用可能回数を超えているか否かについての判定を行うことなく、他の条件が満たされている場合には面形状データをレンズデータ記憶部22から読み出し、レンズ製造部26へ渡す。
【0043】
また、レンズ製造システム1では、面形状データメモリ27に記憶された面形状データは、レンズの製造が終了した後にレンズ製造部26によって消去されるが、この消去はアクセス制御部24によって実行されても良い。
【0044】
また、レンズ製造システム1では、レンズの形状を表すデータは、セミ材の加工面の面形状を表す面形状データのみが使用されているが、レンズの厚みを表すデータや、レンズの両面の面形状をそれぞれ表すデータや、使用されるセミ材の形状を表すデータ等が使用されても良い。
【0045】
また、レンズ加工装置20に備えられるCPU(Central Processing Unit)をアクセス制御部24として動作させるためのコンピュータプログラムがレンズデータとともにデータ入力部21から入力されても良い。この場合、レンズ加工装置20のCPUは、レンズデータ記憶部22に記憶されるコンピュータプログラムを実行することによってアクセス制御部24として動作し、レンズ加工部26からの要求に応じて面形状データをレンズデータ記憶部22から読み出す。
【0046】
また、面形状データは、アクセス制御部24のみが読み出すことが可能となるように構成されても良い。また、レンズデータ記憶部22は、アクセス制御部24のみがアクセスすることが可能となるように構成されても良い。
【0047】
また、レンズデータは、設計装置10で暗号化キーにより暗号化処理されてからネットワークを通じてレンズ製造装置20に送信されても良い。そして、暗号化処理されたレンズデータは、レンズ製造装置20において、複号化キーにより複号化処理されても良い。
なお、暗号化処理されたレンズデータは、予め設定された期限内でのみ複号化処理することが可能となるように構成されても良いし、予め設定された期限を過ぎると自動的に消去されるように構成されても良い。さらに、複号化キーの使用回数をカウントするように構成されても良い。
【0048】
[第二実施形態]
図6は、第二実施形態のレンズ製造システム1aの機能構成を表す機能ブロック図である。レンズ製造システム1aは、設計装置10、レンズ製造装置20a、管理サーバ30aを含む。
【0049】
設計装置10は、光学設計のノウハウを持ちレンズの形状のデータを作成する業者によって所有される。設計装置10は、レンズ製造装置20を所有するレンズ製造業者からの依頼に対し、レンズ面の形状を表す面形状データを含むレンズデータを作成し、レンズデータを、ネットワークを通じてレンズ製造装置20aへ送信する。
【0050】
レンズ製造装置20aは、レンズ製造業者によって所有され、管理サーバ30aとネットワークを通じて通信することによってレンズデータの面形状データに対するアクセスの許可を受け、アクセスを許可された面形状データに基づいてセミ材を加工することによって眼鏡用のレンズを製造する。
【0051】
管理サーバ30aは、レンズ製造装置20aとネットワークを通じて通信することによって面形状データに対するアクセスの要求を受け、その可否を判定した後に、判定結果に基づいてアクセスの可否を返信する。
【0052】
図7は、レンズ製造装置20aの機能構成を表す機能ブロック図である。第一実施形態のレンズ製造装置20と同じ機能部には
図7において
図2と同じ符号を付して表し、その説明を省く。図に示されるように、レンズ製造装置20aは、レンズデータ入力部21、レンズデータ記憶部22a、アクセス制御部24a、操作部25、レンズ製造部26、面形状データメモリ27、送受信部28を備える。
【0053】
レンズデータ記憶部22aは、レンズデータID及び面形状データを含むレンズデータを記憶する。
アクセス制御部24aは、レンズ製造部26からの要求に応じて、レンズデータ記憶部22aに記憶される面形状データを読み出し、読み出した面形状データをレンズ製造部26へ渡す。その際に、アクセス制御部24aは、レンズ製造部26から要求された面形状データのレンズデータIDを含む面形状データ使用リクエスト(本発明の「レンズ形状データ使用リクエスト」に相当)を作成し、面形状データ使用リクエストを送受信部28によって管理サーバ30aへ送信する。そして、アクセス制御部24aは、管理サーバ30から許可を表す面形状データ使用許可情報が受信された場合には、レンズデータIDに対応する面形状データを読み出してレンズ製造部26に渡す。アクセス制御部24aの処理内容の詳細については後述する。
【0054】
送受信部28は、ネットワークインタフェースカード(NIC:Network Interface Ca
rd)等を用いて構成され、ネットワークを介して管理サーバ30aとデータの送受信を行う。
【0055】
図8は、管理サーバ30aの機能構成を表す機能ブロック図である。図に示されるように、管理サーバ30aは、送受信部31、条件記憶部32(本発明の「使用可能回数記憶部」に相当)、使用回数記憶部33、アクセス可否判定部34を備える。
【0056】
送受信部31は、ネットワークインタフェースカード等を用いて構成され、ネットワークを介してレンズ製造装置20aとデータの送受信を行う。
条件記憶部32は、レンズデータIDと対応付けて、各レンズデータの使用可能回数や使用可能期限などの使用条件を記憶する。
【0057】
使用回数記憶部33は、レンズデータIDと対応付けて、各レンズデータの面形状データがアクセス制御部24aによって読み出された回数(使用回数)を記憶する。
アクセス可否判定部34は、レンズ製造装置20aからの面形状データ使用リクエストに応じて、面形状データの使用可能期限、使用可能回数、使用回数に基づき、面形状データの読み出しを許可するか否か判定する。アクセス可否判定部34の処理の詳細については後述する。
【0058】
図9は、レンズデータ記憶部22aが記憶するレンズデータの概略を表す概略図である。レンズデータ記憶部22aによって記憶されるレンズデータは、レンズデータIDと面形状データとを含むデータである。第二実施形態のレンズ製造システム1aでは、使用可能期限や使用可能回数に関する判定がレンズ製造装置20aにおいて実行されないため、レンズデータ記憶部22aによって記憶されるレンズデータは、使用可能期限や使用可能回数を有していない。
【0059】
図10は、条件記憶部32が記憶する条件テーブルの概略を表す。条件テーブルは、レンズデータID毎に、そのレンズデータに含まれる面形状データの使用可能期限と、そのレンズデータに含まれる面形状データの使用可能回数とを対応付けて有する。具体的には、
図10の場合、条件テーブルの1行目は、レンズデータID“aaa1”に対応付けて、使用可能回数“10”と使用可能期限“20100810”とを有する。この場合、条件テーブルの1行目は、レンズデータID“aaa1”のレンズデータに含まれる面形状データの使用可能回数は10回であり、使用可能期限は2010年8月10日であることを表す。
【0060】
図11は、レンズ製造システム1aにおけるレンズ製造装置20aと管理サーバ30aとの動作処理を表すシーケンス図である。まず、レンズデータ入力部21がレンズデータを入力し、入力されたレンズデータをレンズデータ記憶部22aが記憶する(ステップS201)。次に、操作部25が操作者からのレンズ製造の指示とレンズデータIDを入力する(ステップS202)。次に、レンズ製造部26が、アクセス制御部24aに対し、レンズデータIDを渡すことによって面形状データを要求する(ステップS203)。
【0061】
レンズデータIDを受けると、アクセス制御部24aは、このレンズデータIDを含む面形状データ使用リクエストを作成し、この面形状データ使用リクエストを送受信部28から管理サーバ30aへ送信する(ステップS204)。
【0062】
管理サーバ30aのアクセス可否判定部34は、送受信部31によって面形状データ使用リクエストを受信すると(ステップS301)、この面形状データ使用リクエストに含まれるレンズデータIDに対応する使用可能期限を条件記憶部32から読み出し、期限が切れていないか確認する(ステップS302)。具体的には、アクセス可否判定部34は、管理サーバ装置30aが備える不図示のタイマから現在の日時情報を取得し、使用可能期限と現在の日時情報とを比較することによって、現在の日時が使用可能期限を越えているか否か確認する。期限が切れている場合、即ち現在の日時が使用可能期限を越えている場合には(ステップS303−NO)、アクセス可否判定部34は、レンズ製造装置20aに対しエラー情報を送信する(ステップS308)。そして、
図11のシーケンス図に表されるレンズ製造システム1aの動作は終了する。
【0063】
期限が切れていない場合、即ち現在の日時が使用可能期限を越えていない場合(ステップS303−YES)、アクセス可否判定部34は、レンズデータIDに対応する使用可能回数を条件記憶部32から読み出し、さらにレンズデータIDに対応する使用回数を使用回数記憶部33から読み出す。次に、アクセス可否判定部34は、読み出された使用可能回数と使用回数とを比較する(ステップS304)。使用回数が使用可能回数以上である場合には(ステップS305−NO)、アクセス可否判定部34は、レンズ製造装置20aに対しエラー情報を送信する(ステップS308)。そして、
図11のシーケンス図に表されるレンズ製造システム1aの動作は終了する。
【0064】
使用回数が使用可能回数未満である場合には(ステップS305−YES)、アクセス可否判定部34は、使用回数記憶部33にアクセスし、レンズデータIDに対応する使用回数の値を一つ増加させる(ステップS306)。そして、アクセス可否判定部34は、レンズデータIDを含む面形状データ使用許可情報(本発明の「レンズ形状データ使用許可情報」に相当)を作成し、送受信部31からレンズ製造装置20aへ送信する(ステップS307)。
【0065】
レンズ製造装置20aのアクセス制御部24aは、送受信部28によって面形状データ使用許可情報を受信すると(ステップS205)、レンズデータIDに対応する面形状データをレンズデータ記憶部22aから読み出し、読み出された面形状データをレンズ製造部26へ渡す(ステップS206)。
【0066】
レンズ製造部26は、アクセス制御部24aから面形状データを受け取ると、面形状データメモリ27に、この面形状データを書き込む(ステップS207)。次に、レンズ製造部26は、面形状データメモリ27に記憶される面形状データに基づいて、レンズの製造を行う(ステップS208)。そして、レンズの製造が終了すると、レンズ製造部26は、面形状データメモリ27から面形状データを消去し(ステップS209)、
図11に表されるシーケンス図全体の処理を終える。
【0067】
このように構成されたレンズ製造システム1aは、第一実施形態におけるレンズ製造装置20と同様の効果を奏する。さらに、レンズ製造システム1aでは、レンズ製造装置20aではなく管理サーバ30aが面形状データの使用回数を記憶し、使用の可否を判定する。そのため、レンズ製造装置20aそのものがレンズデータの使用回数を記憶し使用の可否を判定する場合に比べて、面形状データを用いたレンズ製造が使用可能回数を越えて不正に行われたり、使用可能期限が切れているにもかかわらず不正に行われたりすることをより厳重に抑止することが可能となる。
【0068】
<変形例>
第一実施形態における各変形例は、第二実施形態において適用されても良い。
また、レンズ製造システム1aでは、設計装置10と管理サーバ30aとがそれぞれ別の装置として設置されているが、二つの装置が一体の装置として構成されても良い。
【0069】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のレンズ製造システムについて説明する。第三実施形態のレンズ製造システムのネットワーク構成は第二実施形態のレンズ製造システム1aと同じであり、レンズ製造装置20aに代えてレンズ製造装置20bを備える点と、管理サーバ30aに代えて管理サーバ30bを備える点とで、第二実施形態のレンズ製造システム1aと異なる。
【0070】
図12は、第三実施形態のレンズ製造装置20bの機能構成を表す機能ブロック図である。レンズ製造装置20bは、アクセス制御部24aに代えてアクセス制御部24bを備える点でレンズ製造装置20aと異なり、他の構成についてはレンズ製造装置20aと同じである。第二実施形態のレンズ製造装置20aと同じ機能部には
図12において
図7と同じ符号を付して表し、その説明を省く。
【0071】
アクセス制御部24bは、レンズ製造部26からの要求に応じて、レンズデータ記憶部22aに記憶される面形状データを読み出し、読み出した面形状データをレンズ製造部26へ渡す。その際に、アクセス制御部24bは、レンズ製造部26から要求された面形状データのレンズデータIDを含む面形状データ使用リクエストを作成し、面形状データ使用リクエストを送受信部28によって管理サーバ30bへ送信する。そして、アクセス制御部24bは、この送信の後に、管理サーバ30bからの返信の有無や返信の内容に関わらず、面形状データを読み出してレンズ製造部26に渡す。
【0072】
図13は、第三実施形態の管理サーバ30bの機能構成を表す機能ブロック図である。管理サーバ30bは、アクセス可否判定部34に代えて使用回数計数部35を備える点で管理サーバ30aと異なり、他の構成については管理サーバ30aと同じである。第二実施形態の管理サーバ30aと同じ機能部には
図13において
図8と同じ符号を付して表し、その説明を省く。
【0073】
使用回数計数部35は、レンズ製造装置20bから受信する面形状データ使用リクエストに含まれるレンズデータIDに対応して使用回数記憶部33に記憶されている使用回数を増加させる。
【0074】
図14は、レンズ製造システム1bにおけるレンズ製造装置20bと管理サーバ30bとのそれぞれの動作処理を表すフローチャートである。まず、レンズ製造装置20bの動作処理について説明する。
【0075】
まず、レンズデータ入力部21がレンズデータを入力し、入力されたレンズデータをレンズデータ記憶部22aが記憶する(ステップS401)。次に、操作部25が操作者からのレンズ製造の指示とレンズデータIDを入力する(ステップS402)。次に、レンズ製造部26が、アクセス制御部24bに対し、レンズデータIDを渡すことによって面形状データを要求する(ステップS403)。
【0076】
レンズデータIDを受けると、アクセス制御部24bは、このレンズデータIDを含む面形状データ使用リクエストを作成し、この面形状データ使用リクエストを送受信部28から管理サーバ30bへ送信する(ステップS404)。次に、アクセス制御部24bは、レンズデータIDに対応するレンズデータの面形状データをレンズデータ記憶部22aから読み出し、読み出された面形状データをレンズ製造部26へ渡す(ステップS405)。
【0077】
レンズ製造部26は、アクセス制御部24bから面形状データを受け取ると、面形状データメモリ27に、この面形状データを書き込む(ステップS406)。次に、レンズ製造部26は、面形状データメモリ27に記憶される面形状データに基づいて、レンズの製造を行う(ステップS407)。そして、レンズの製造が終了すると、レンズ製造部26は、面形状データメモリ27から面形状データを消去し(ステップS408)、
図14に表されるフローチャート全体の処理を終える。
【0078】
次に、管理サーバ30bの動作処理について説明する。管理サーバ30bの使用回数計数部35は、送受信部31によって面形状データ使用リクエストを受信すると(ステップS501)、使用回数記憶部33にアクセスし、この面形状データ使用リクエストに含まれるレンズデータIDに対応する使用回数の値を一つ増加させ(ステップS502)、
図14に表されるフローチャート全体の処理を終える。
【0079】
このように構成されたレンズ製造システム1bでは、面形状データの使用可否に関する条件は用いられず、レンズ製造装置20bにおいて面形状データが使用された回数を管理サーバ30bが計数する。このような構成によれば、レンズ製造装置20bにおいて面形状データが使用された回数に応じてレンズ製造業者に対する費用の請求を的確に行うことが可能となる。また、レンズ製造業者が不正に面形状データを使用してレンズの製造を行うことを抑止することが可能となる。
【0080】
上述した実施形態におけるレンズ製造装置20、20a、20b、管理サーバ30a、30bの機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、これらの各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0081】
[第4実施形態]
<レンズ設計データ利用管理システムについて>
次に、第4実施形態について説明する。
図15は、第4実施形態によるレンズ設計データ利用管理システム(レンズ加工管理システム)100の概念図である。
図15において、眼鏡販売店等のレンズ販売店Aが管理するサーバa2、レンズを加工して販売店に納入するレンズメーカBが管理するサーバb2、及びレンズの設計を行うレンズ設計企業Cが管理するサーバc2は、インターネットd1に接続されていることを示す。また、
図15において、サーバb2に接続されたレンズ加工装置b1は、サーバa2に接続された処方データ送信装置a1、及びサーバc2に接続されたレンズ設計装置(データ供給装置)c1と通信可能であることを示す。
【0082】
本実施形態では、レンズ加工装置b1は、処方データ送信装置a1から、レンズの発注を行うための発注データと、レンズを使用する顧客の視力に関する情報及び眼鏡のフレーム形状等を含む処方データと、を受信し、受信した処方データをレンズ設計装置c1に送信する。また、レンズ加工装置b1は、送信した処方データに対するレンズの設計データ(以下、レンズ設計データという)をレンズ設計装置c1から受信して記憶する。
【0083】
レンズメーカBは、このようにして、レンズ設計企業Cにレンズの設計を依頼し、提供されたレンズの設計に対して設計料を支払う。ここで、レンズメーカBがレンズ設計企業Cに支払う設計料は、レンズ1枚あたりの加工についての設計料である。例えば、レンズメーカBは、同じレンズ設計データを用いたレンズの加工であっても、レンズ1枚1枚の加工に対応する設計料を、レンズ設計企業Cに支払う必要がある。
【0084】
本実施形態では、レンズ加工装置b1は、レンズ設計データを用いてレンズを加工する命令が入力されると、レンズの加工を行う前に、当該レンズ設計データを用いてレンズを加工することの可否を確認する加工可否確認要求を、レンズ設計装置c1に送信する。レンズ設計装置c1は、受信した加工可否確認要求に対してレンズを加工することを許可するか否かを判定し、判定結果である加工可否応答をレンズ加工装置b1に送信する。
【0085】
レンズ加工装置b1は、レンズ設計装置c1から受信した加工可否応答が、レンズを加工することを許可する応答(以下、加工許可応答という)である場合、レンズの加工を行う。そして、レンズメーカBは、加工したレンズをレンズ販売店Aに納入する。
このように、レンズ設計データ利用管理システム100は、レンズ設計装置c1がレンズ加工装置b1から受信した加工可否確認要求に対してレンズを加工することを許可するか否かを判定することにより、レンズ設計データの利用状況を適切に管理することができる。
【0086】
<レンズ加工装置b1の構成について>
以下、レンズ加工装置b1とレンズ設計装置c1とについて、詳細を説明する。
図16は、本実施形態に係るレンズ加工装置b1の構成を示す概略的ブロック図である。
レンズ加工装置b1は、通信部b10、処方データ送受信部b11、レンズ設計データ受信部b12、レンズ設計データ記憶部b13、加工開始命令入力部b14、加工可否確認要求送信部b15、レンズ加工制御部b16、及びレンズ加工部b17を含んで構成される。
なお、レンズ設計データ記憶部b13、加工可否確認要求送信部b15、及びレンズ加工制御部b16がレンズ加工管理装置E1に相当する。また、
図16においては、本実施形態の説明に関連する構成の概略のみを示す。
【0087】
通信部b10は、
図15のサーバb2を介し、処方データ送信装置a1とレンズ設計装置c1とからデータを受信する。また、通信部b10は、
図15のサーバb2を介し、レンズ設計装置c1にデータを送信する。
処方データ送受信部b11は、処方データを、処方データ送信装置a1から通信部b10を介して受信する。また、処方データ送受信部b11は、受信した処方データを、レンズ設計装置c1に通信部b10を介して送信する。
【0088】
レンズ設計データ受信部b12は、レンズ設計データを、レンズ設計装置c1から通信部b10を介して受信する。レンズ設計データ受信部b12は、受信したレンズ設計データをレンズ設計データ記憶部b13に記憶させる。なお、レンズ設計データには当該レンズ設計データを識別する識別情報が含まれる。
また、レンズ設計データには、例えば、面形状データとして、非球面、乱視面と非球面が合成された面、累進焦点面、累進焦点面と乱視面が合成された面、累進焦点面と乱視面と非球面が合成された面、光がレンズ表面と裏面を通過したときに眼鏡レンズとしてのレンズ作用を発生させる自由曲面に関する情報のうち少なくとも1つが含まれる。また、レンズ設計データには、例えば、ブランク材形状、ブランク材の屈折率、レンズの厚さ、レンズ外径、レンズ外周形状に関する情報のうち少なくとも1つが含まれる。また、レンズ設計データには、例えば、レンズのS度数、C度数、軸度、加入度、プリズム、偏心に関する処方情報のうち少なくとも1つが含まれる。
【0089】
加工開始命令入力部b14は、利用者の操作によって、レンズ設計データを用いたレンズの加工を開始する命令が入力されると、当該レンズ設計データの識別情報を含む加工開始命令を、加工可否確認要求送信部b15に出力する。
加工可否確認要求送信部b15は、加工開始命令入力部b14から加工開始命令が入力されると、当該レンズ設計データの識別情報を含む確認要求であって、当該設計データを用いてレンズを加工することの可否を確認する加工可否確認要求を、レンズ設計装置c1に通信部b10を介して送信する。
すなわち、加工可否確認要求送信部b15は、レンズ設計データを用いてレンズの加工を行う前に、レンズの加工の可否を確認する加工可否確認要求を、レンズ設計データ利用管理装置c1に送信する。
なお、レンズの加工はレンズ1枚ずつ行われ、加工可否確認要求送信部b15は、加工可否確認要求を、1枚のレンズ加工を開始する命令が入力されるごとに送信する。
【0090】
レンズ加工制御部b16は、加工可否確認要求の応答であるレンズ加工可否確認応答を受信し、レンズ加工可否確認応答が、レンズの加工を許可することを示す応答であるか否かを判定する。レンズ加工制御部b16は、判定の結果、レンズ加工可否確認応答が、加工許可応答である場合、レンズ設計データ記憶部b13から、レンズ加工可否確認応答に含まれるレンズ設計データの識別情報に対応するレンズ設計データを読み出す。この場合、レンズ加工制御部b16は、読み出したレンズ設計データと、レンズ加工部b17にレンズの加工を開始させる制御情報と、をレンズ加工部b17に出力する。
すなわち、レンズ加工制御部b16は、加工可否確認要求送信部b15が送信した加工可否確認要求の応答として、レンズの加工を許可することを示す加工許可応答を受信した場合に、レンズの加工を行う制御をする。
【0091】
一方、レンズ加工制御部b16は、判定の結果、レンズ加工可否確認応答が、レンズの加工を許可しないことを示す応答(以下、加工不許可応答という)である場合、レンズの加工をすることができないことを示すエラーメッセージ等を、モニタ(図示せず)に出力する。
レンズ加工部b17は、レンズ加工制御部b16から入力された制御情報に従い、レンズ加工制御部b16から入力されたレンズ設計データのレンズを加工する。
【0092】
<レンズ設計装置c1の構成について>
図17は、本実施形態に係るレンズ設計装置c1の構成を示す概略的ブロック図である。
レンズ設計装置c1は、通信部c10、処方データ受信部c11、処方データ出力部c12、レンズ設計データ入力部c13、レンズ設計データ送信部c14、加工可否確認要求受信部c15、加工可否決定部c16、レンズ設計データ利用情報記憶部c17(初回許可応答日時記憶部)、加工可否応答部c18、及び累積加工回数算出部c19を含んで構成される。
なお、加工可否確認要求受信部c15、加工可否決定部c16、レンズ設計データ利用情報記憶部c17、加工可否応答部c18、及び累積加工回数算出部c19がレンズ設計データ利用管理装置E2に相当する。また、
図17においては、本実施形態の説明に関連する構成の概略のみを示す。
【0093】
通信部c10は、
図15のサーバc2を介し、レンズ加工装置b1からデータを受信し、また、送信する。
処方データ受信部c11は、処方データを、レンズ加工装置b1から通信部c10を介して受信し、処方データ出力部c12に出力する。
処方データ出力部c12は、処方データ受信部c11から入力された処方データを、モニタやプリンタ等の出力装置に出力する。
【0094】
レンズ設計データ入力部c13には、処方データ出力部c12が出力した処方データに対して設計されたレンズの設計情報が入力される。レンズ設計データ入力部c13は、入力されたレンズの設計情報に、識別情報を含ませたレンズ設計データを生成し、生成したレンズ設計データをレンズ設計データ送信部c14に出力する。
レンズ設計データ送信部c14は、レンズ設計データ入力部c13から入力されたレンズ設計データを、レンズ加工装置b1に通信部c10を介して送信する。
【0095】
加工可否確認要求受信部c15は、加工可否確認要求をレンズ加工装置b1から通信部c10を介して受信し、加工可否確認要求に含まれるレンズ設計データの識別情報と、加工可否確認要求の受信日と、を加工可否決定部c16に出力する。
【0096】
加工可否決定部c16は、レンズ設計データ利用情報記憶部c17のレンズ設計データ利用情報管理テーブル(
図18)より、加工可否確認要求受信部c15から入力されたレンズ設計データの識別情報に対応する累積加工回数を読み出す。
加工可否決定部c16は、読み出した累積加工回数、及び、加工可否確認要求受信部c15から入力された加工可否確認要求の受信日から、加工可否確認要求に含まれる識別情報のレンズ設計データを用いたレンズの加工を許可するか否かを決定する。
【0097】
なお、レンズ設計データ利用情報記憶部c17が記憶する累積加工回数は、後述する累積加工回数算出部c19が算出した加工許可応答で許可をしたレンズの加工回数の累積加工回数である。また、レンズ設計データ利用情報記憶部c17が記憶する初回許可応答日は、後述する加工可否応答部c18が記憶させた加工許可応答の最初の応答日である。
以下、レンズ設計データを用いたレンズの最大加工回数による決定方法と、レンズの加工許可期間による決定方法と、について説明する。
【0098】
<レンズの最大加工回数による決定方法について>
まず、加工可否決定部c16は、読み出した累積加工回数が、レンズ設計データ利用情報記憶部c17が予め記憶する最大加工回数以内であるか否かを判定する。加工可否決定部c16は、判定の結果、累積加工回数が最大加工回数より大きいと判定した場合、レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可しない決定をする。
一方、加工可否決定部c16は、判定の結果、累積加工回数が最大加工回数以内と判定した場合、以下のレンズの加工許可期間による判定を行う。
【0099】
<レンズの加工許可期間による決定方法について>
加工可否決定部c16は、加工可否確認要求受信部c15から入力された加工可否確認要求の受信日が、レンズ設計データ利用情報記憶部c17が記憶する加工許可応答の最初の応答日である初回許可応答日から、予め定められた期間である加工許可期間(本実施形態では、20日とする)内であるか否かを判定する。
【0100】
加工可否決定部c16は、判定の結果、加工可否確認要求の受信日が初回許可応答日から加工許可期間内でない場合、レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可しない決定をする。一方、加工可否決定部c16は、判定の結果、加工可否確認要求の受信日初回許可応答日から加工許可期間内である場合、レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可する決定をする。
加工可否決定部c16は、決定した当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可するか否かの情報と、当該レンズ設計データの識別情報と、を加工可否応答部c18に出力する。
【0101】
すなわち、加工可否決定部c16は、後述する累積加工回数算出部c19が算出した累積加工回数が、予め記憶する最大加工回数を超えない場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可する。また、加工可否決定部c16は、加工可否確認要求の受信日が、レンズ設計データ利用情報記憶部c17が記憶する加工許可応答の最初の応答日から予め記憶する期間内である場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可する。
【0102】
加工可否応答部c18は、加工可否決定部c16から入力された情報が、レンズの加工を許可することを示す情報である場合、加工可否応答を加工許可応答とする。
一方、加工可否応答部c18は、加工可否決定部c16から入力された情報が、レンズの加工を許可しないことを示す情報である場合、加工可否応答を加工不許可応答とする。
加工可否応答部c18は、加工可否決定部c16から入力されたレンズ設計データの識別情報を含む加工可否応答を、レンズ加工装置b1に通信部c10を介して送信する。加工可否応答部c18は、送信した加工可否応答の情報を、累積加工回数算出部c19に出力する。
【0103】
また、加工可否応答部c18は、加工可否応答の情報に含まれるレンズ設計データの識別情報毎に、最初に送信した時間を、初回許可応答日として、レンズ設計データ利用情報記憶部c17のレンズ設計データ利用情報管理テーブルに記憶させる。すなわち、加工可否応答部c18は、レンズ設計データ各々について、加工許可応答の最初の応答日時を、レンズ設計データ利用情報記憶部c17に記憶させる。
【0104】
また、累積加工回数算出部c19は、加工可否応答が加工許可応答である場合、レンズ設計データ利用情報記憶部c17が記憶する累積加工回数であって、加工可否応答部c18から入力される加工可否応答(加工許可応答)の情報に含まれる識別情報に対応する累積加工回数を読み出す。累積加工回数算出部c19は、読み出した累積加工回数に、加工許可応答の情報が示すレンズの加工を許可したレンズの枚数(本実施形態では、1枚)を加えた累積加工回数を、当該識別情報に対応する累積加工回数として、レンズ設計データ利用情報記憶部c17のレンズ設計データ利用情報管理テーブルに記憶させる。すなわち、累積加工回数算出部c19は、加工許可応答で許可をした加工回数の累積加工回数を算出する。
【0105】
<レンズ設計データ利用情報管理テーブルについて>
以下、レンズ設計データ利用情報管理テーブルについて詳細を説明する。
レンズ設計データ利用情報管理テーブルは、データベースにより管理されている。
図18は、本実施形態に係るレンズ設計データ利用情報管理テーブルの一例を示す概略図である。図示するように、レンズ設計データ利用情報管理テーブルは、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、レンズ設計データ識別情報、累積加工回数、最大加工回数、及びレンズ加工許可確認応答送信日の各項目の列を有している。このレンズ設計データ利用情報管理テーブルの主キーは、レンズ設計データ識別情報である。
【0106】
例えば、
図18において、レンズ設計データ識別情報が「abc12345」のデータは、レンズ加工装置b1が、レンズ加工装置b1が「abc12345」のレンズ設計データを用いて、累積して累積加工回数「2」枚のレンズを加工していることを示し、累積して最大加工回数「4」枚まで、このレンズ設計データを用いてレンズを加工することを許可することを示す。また、
図18において、レンズ設計データ識別情報が「abc12345」のデータは、レンズ加工装置b1が「abc12345」のレンズ設計データを用いてレンズを加工することを最初に許可した日が、初回許可応答日「2008年6月20日」であることを示す。
【0107】
また、
図18において、レンズ設計データ識別情報が「bca23456」のデータは、例えば、レンズ設計装置c1がレンズ加工許可確認要求の受信日が「2008年7月1日」である場合、初回許可応答日が「2008年6月1日」から加工許可期間(20日)内でないことを示し、この場合、レンズ設計装置c1は、加工不許可応答を送信する。
【0108】
また、
図18において、レンズ設計データ識別情報が「cab24567」のデータは、累積加工回数と最大加工回数とが同じ「20」枚であることを示し、この場合、レンズ設計装置c1は、これ以上、「cab24567」のレンズ設計データを用いて、レンズを加工することを許可することができず、加工不許可応答を送信する。
【0109】
<レンズ設計データ利用管理システムの動作について>
以下、レンズ設計データ利用管理システム100の動作について説明をする。
図19は、本実施形態に係るレンズ設計データ利用管理システム100の動作を示すフロー図である。
【0110】
処方データ送信装置a1は、レンズの発注を行うための発注データと処方データとをレンズ加工装置b1に送信する(S501)。
レンズ加工装置b1は、ステップS501にて処方データ送信装置a1が送信した処方データを受信し、受信した処方データをレンズ設計装置c1に送信する(S502)。
レンズ設計装置c1は、ステップS502にてレンズ加工装置b1が送信した処方データを受信し、受信した処方データをモニタやプリンタ等に出力する(S503)。
【0111】
レンズ設計装置c1は、ステップS503にて出力した処方データに対して設計されたレンズ設計データが入力されると、レンズ設計データを、レンズ加工装置b1に送信する(S504)。
レンズ加工装置b1は、ステップS504にてレンズ設計装置c1が送信したレンズ設計データを、受信して記憶する(S505)。
レンズ加工装置b1は、ステップS505にて記憶したレンズ設計データを用いたレンズの加工を開始する命令が入力されると、加工可否確認要求を、レンズ設計装置c1に送信する(S506)。
【0112】
レンズ設計装置c1は、ステップS506にてレンズ加工装置b1が送信した加工可否確認要求を受信し、以下の判定を行う。
レンズ設計装置c1は、記憶する累積加工回数が最大加工回数以内であるか否かを判定する(S507)。ステップS507の判定にて、累積加工回数が最大加工回数以内と判定された場合(YES)、レンズ設計装置c1は、ステップS508の判定を行う。一方、ステップS507の判定にて、累積加工回数が最大加工回数より大きいと判定された場合(NO)、レンズ設計装置c1は、ステップS510の処理を行う。
【0113】
レンズ設計装置c1は、加工可否確認要求の受信日が初回許可応答日から加工許可期間内であるか否かを判定する(S508)。ステップS508の判定にて、加工可否確認要求の受信日が初回許可応答日から加工許可期間内であると判定された場合(YES)、レンズ設計装置c1は、ステップS509の処理を行う。一方、ステップS508の判定にて、加工可否確認要求の受信日が初回許可応答日から加工許可期間内でないと判定された場合(NO)、レンズ設計装置c1は、ステップS510の処理を行う。
レンズ設計装置c1は、加工可否応答として加工許可応答を、レンズ加工装置b1に送信する(S509)。レンズ設計装置c1は、加工可否応答として加工不許可応答を、レンズ加工装置b1に送信する(S510)。
【0114】
レンズ加工装置b1は、レンズ設計装置c1から受信した加工可否応答が、加工許可応答であるか否かを判定する(S511)。ステップS511の判定にて、加工可否応答が加工許可応答である場合(YES)、レンズ設計装置c1は、加工可否応答に含まれる識別情報のレンズ設計データを用いたレンズの加工を開始する(S512)。一方、ステップS511の判定にて、加工可否応答が加工不許可応答である場合(NO)、レンズ設計装置c1は、本動作を終了する。
なお、本動作では、レンズ設計装置c1が、累積加工回数及び加工許可期間に基づいて加工可否応答の内容を判定している(S507、S508)が、本発明はこれに限らず、累積加工回数、又は、加工許可期間のいずれか一方による判定だけでもよい。
【0115】
このように、本実施形態によれば、レンズ設計データ利用管理システム100は、レンズ加工管理装置b1がレンズ設計データを用いてレンズの加工を行う前に、レンズ設計データ利用管理装置c1がレンズ設計データを用いた累積加工回数、及び、初回加工日(初回許可応答日)の情報に基づき、レンズの加工を許可するか否かを決定し、レンズ加工管理装置が、レンズ設計データ利用管理装置がレンズの加工を許可する決定をした場合に、レンズの加工を行う制御をする。これにより、レンズ設計データの利用状況を適切に管理することができ、当該レンズ設計データを不正に利用してレンズが加工されることを防止することができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、レンズ設計データ利用管理システム100は、レンズ設計データ利用管理装置c1が、前記累積加工回数が前記最大加工回数を超えない場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可するので、レンズ設計データを契約等で定めた最大加工回数を超えて不正に利用し、レンズの加工が行われることを防止することができる。また、本実施形態によれば、レンズ設計データ利用管理システム100は、レンズ設計データ利用管理装置c1が、累積加工回数を算出するので、累積加工回数を適切に管理することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、レンズ設計データ利用管理システム100は、レンズ設計データ利用管理装置c1が、加工可否確認要求の受信日時が、加工許可応答の最初の応答日時から予め記憶する期間内である場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可するので、レンズ設計データを契約等で定めた期間を超えて不正に利用し、レンズの加工が行われることを防止することができる。
【0118】
なお、上述した実施形態におけるレンズ加工装置b1の一部、例えば、加工可否確認要求送信部b15、レンズ加工制御部b16、又は、レンズ設計装置c1の一部、例えば、加工可否確認要求受信部c15、加工可否決定部c16、加工可否応答部c18、及び累積加工回数算出部c19をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0119】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について
図20を参照して説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0120】
本実施形態において、
図20に示すように、レンズ加工管理システム(レンズ製造システム、レンズ設計データ利用管理システム)200は、レンズを加工する加工装置(レンズ製造装置)b1と、設計データを加工装置b1に供給可能な設計装置(データ供給装置)c1と、設計装置c1から加工装置b1への設計データの供給流れを制御する制御部202(制限手段、複製制限手段)とを備える。
【0121】
本実施形態において、制御部202は、設計装置c1に設けられる。代替的又は追加的に、制御部202を、加工装置b1あるいは他の装置に設けることができる。必要に応じて、設計データが送信用の特定のデータ形式に変換される。必要に応じて、設計装置c1及び/又は加工装置b1に、設計データ送信又は受信用の特定のコンピュータプログラムが組み込まれる。制御部202は、加工装置b1でのレンズ加工の処理の進行に合わせて設計データの供給流れを制御できる。制御部202の制御において、例えば、ある時点の処理に必要な最小限の設計データが設計装置c1から加工装置b1に供給される。その処理が終了すると、加工装置b1において、使用済みの設計データが消去される、あるいは、使用済みの設計データが再使用不能となる。続いて、次の処理に必要な最小限の設計データが設計装置c1から加工装置b1に供給される。代替的又は追加的に、データ受信用の特定のコンピュータプログラムが、設計データの送受信の前に、設計装置c1から加工装置b1に供給できる。
【0122】
本実施形態において、複数に分割された設計データが設計装置c1から加工装置b1に漸次に供給される。代替的に、設計データ全体が設計装置c1から加工装置b1に一度に供給されるとともに、使用後に消去され得る、あるいは再使用不能にできる。また、代替的に、使用済みの設計データを使用回数又は使用期間に応じて消去する又は再使用不能にするように制御できる。
【0123】
本実施形態において、加工装置b1に送信された設計データの複製が防止される。すなわち、使用済みの設計データを使用したレンズの加工が制限される。
【0124】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について
図21を参照して説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0125】
本実施形態において、
図21に示すように、レンズ加工管理システム(レンズ製造システム、レンズ設計データ利用管理システム)210は、レンズを加工する加工装置b1と、設計データを加工装置b1に供給可能な設計装置(データ供給装置)c1と、加工装置b1の動作の記録を保持する記録保持部(制限手段、記録保持手段)212とを備える。
【0126】
本実施形態において、記録保持部212は、加工装置b1に設けられる。代替的又は追加的に、記録保持部212を、設計装置c1あるいは他の装置に設けることができる。本実施形態において、記録保持部212は、加工処理の進行に沿って加工装置b1の各動作を示すデータを記録する。記録されたそれらのデータを含む記録(ログ)に基づき、設計データの使用回数や使用期間などが認識可能である。
【0127】
本実施形態において、必要に応じて、課金処理部214を加工装置b1あるいは他の装置に設けることができる。課金処理部214は、記録保持部212に保持された記録に基づいて、レンズメーカBに対して課金処理を行う。例えば、課金処理部214は、記録に基づく設計データの使用回数や使用期間に基づく設計料の支払いをレンズメーカBに要求する、あるいは所定の手続きに沿って設計料を徴収する。
【0128】
本実施形態において、加工装置b1の記録(ログ)に基づき、設計データの実際の使用状態が認識される。したがって、不正に設計データを使用したレンズの加工が制限される。
【0129】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について
図22を参照して説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0130】
本実施形態において、
図22に示すように、レンズ加工管理システム(レンズ製造システム、レンズ設計データ利用管理システム)230は、レンズを加工する加工装置b1と、設計データを加工装置b1に供給可能な設計装置(データ供給装置)c1と、加工装置b1の動作を管理するための持ち運び可能なメディア232(制限手段、管理手段、第1媒体)とを備える。
【0131】
本実施形態において、加工装置b1は、メディア232が投入されるメディア投入装置234を備える。メディア投入装置234へのメディア232の投入は、加工装置b1における設計データを使用したレンズの加工を可能にする。メディア232は、設計データの使用回数及び使用期間の少なくとも1つに関する所定のデータを含む。メディア232の形態例として、カード(IDカード、プリペイドカードなど)、USBメモリ装置など、様々なメディアが適用され得る。メディア投入装置234は、設計データを使用したレンズの加工が制限された制限状態と、非制限状態との間で、加工装置b1の状態(ステータス)を切り替えることが可能である。レンズメーカBは、少なくともメディア232に対する対価として、レンズ設計企業Cに対して料金を支払う。
【0132】
本実施形態において、加工装置b1で設計データを使用したレンズの加工処理が実行されることにより、メディア投入装置234内のメディア232のデータが書き換えられる。例えば、初期のメディア232には、所定の数(使用可能回数)が記憶されている。加工処理の実行に伴い、メディア232に記憶された数が減少する。加工装置b1において、その数(使用可能回数)がゼロになると、そのメディア232を使用した加工処理が実行不能となる。
【0133】
本実施形態において、加工装置b1におけるレンズ加工に際して、メディア232を使用した動作管理が実行されることにより、不正に設計データを使用したレンズの加工が制限される。
【0134】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態について
図23を参照して説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0135】
本実施形態において、
図23に示すように、レンズ加工管理システム(レンズ製造システム、レンズ設計データ利用管理システム)240は、レンズを加工する加工装置b1と、レンズの形状のデータ(設計データ、加工データ)を作成する設計装置c1と、設計データ(加工データ)が書き込まれた持ち運び可能なメディア(データ供給装置)242とを備える。
【0136】
本実施形態において、加工装置b1は、メディア242内のデータを読み出す読出装置244を備える。加工装置b1は、メディア242から読み出した設計データを使用してレンズを加工することができる。メディア242の形態例として、メモリチップ、CDなど、様々なメディアが適用され得る。メディア242から他の媒体へのデータの保存が防止されている、あるいはメディア242が複製不能であることにより、設計データの複製や不正使用が制限される。レンズメーカBは、少なくともメディア(設計データ)242に対する対価として、レンズ設計企業Cに対して料金を支払う。
【0137】
追加的に、メディア242が、レンズの半製品246と一体的に運搬され得る。レンズメーカBは、少なくともレンズの半製品246とメディア(設計データ)242とに対する対価として、レンズ設計企業Cに対して料金を支払う。
【0138】
追加的に、設計データを1回だけ使用できるという制限がなされたメディア242を使用できる。こうしたメディア242として、例えば、光メモリやホログラム式のメモリチップが挙げられる。本例において、1つの設計データと1つの半製品とが対応付けられていることにより、その設計データを他のレンズの半製品に使用するのが防止される。
【0139】
[第9実施形態]
次に、第9実施形態について
図24を参照して説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0140】
本実施形態において、
図24に示すように、レンズ加工管理システム(レンズ製造システム、レンズ設計データ利用管理システム)250は、レンズを加工する加工装置b1と、レンズの形状のデータ(設計データ、加工データ)を作成する設計装置c1と、設計データ(加工データ)が書き込まれた持ち運び可能なメディア(データ供給装置)252とを備える。
【0141】
本実施形態において、加工装置b1は、メディア242内のデータを読み出す読出装置254を備える。加工装置b1は、メディア252から読み出した設計データを使用してレンズを加工することができる。
【0142】
本実施形態において、メディア252が、レンズの半製品256に埋め込まれている。レンズメーカBは、少なくともレンズの半製品256とメディア(設計データ)252とに対する対価として、レンズ設計企業Cに対して料金を支払う。
【0143】
メディア252の形態例として、メモリチップなど様々なメディアが適用され得る。設計データを含むメディア252が半製品256に埋め込まれていることにより、1つの設計データと1つの半製品とが対応付けられ、その結果、その設計データを他のレンズの半製品に使用するのが防止される。追加的に、設計データを1回だけ使用できるという制限がなされたメディア252を使用できる。こうしたメディア252として、例えば、光メモリやホログラム式のメモリチップが挙げられる。本例において、設計データの不正使用がより確実に防止される。
【0144】
[第10実施形態]
次に、第10実施形態について
図25を参照して説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0145】
本実施形態において、
図25に示すように、レンズ加工管理システム(レンズ製造システム、レンズ設計データ利用管理システム)260は、レンズを加工する加工装置b1を有する複数のレンズメーカと、レンズの形状のデータ(設計データ、加工データ)を作成する設計装置c1を有するレンズ設計企業Cと、レンズを販売するレンズ販売店Aとを備える。
【0146】
本実施形態において、レンズ販売店Aからレンズ設計企業Cに対して直接的にレンズが発注される。レンズ設計企業Cは、その企業内での所定の手続き等に基づき、複数のレンズメーカの中から、1つのレンズメーカBを選定する。また、レンズ設計企業Cは、そのレンズメーカBに対して設計データを供給する。レンズメーカBは、設計データを使用してレンズの加工を行う。完成したレンズは、レンズメーカBからレンズ販売店Aに供給される。代替的に、完成したレンズは、レンズメーカBからレンズ設計企業Cを介してレンズ販売店Aに供給され得る。
【0147】
本実施形態において、レンズ設計企業Cは、レンズメーカの不正利用の可能性に関する情報を集めてデータベースに保持することができる。例えば、そのデータベース(選定手段)の情報に基づき、レンズメーカの選定作業を実行することができる。レンズ設計企業がレンズメーカの選定を行うことにより、レンズメーカでの設計データの不正利用が制限される。
【0148】
[第11実施形態]
次に、第11実施形態について
図26を参照して説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成要素についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0149】
本実施形態において、
図26に示すように、レンズ加工管理システム(レンズ製造システム、レンズ設計データ利用管理システム)270は、レンズを加工する加工装置b1と、光学設計に関するレンズの形状データ(設計データ、加工データ)を作成する光学設計部272と、サーバ274とを備える。
【0150】
本実施形態において、光学設計部272は、加工装置b1に配置される。例えば、光学設計部272は、所定のコンピュータプログラムであり、メディア、デバイス、又はメモリ等に保持されている。サーバ274は、必要に応じて、光学設計に関する情報を保持している。光学設計部272は、サーバ274に光学設計(又はレンズ加工)の許諾を要求する。許諾を受けた光学設計部272は、必要に応じてサーバ274を介して、レンズの光学設計を行うことができる。加工装置b1は、光学設計部272からの設計データを使用して、レンズを加工することができる。
【0151】
本実施形態において、レンズメーカBは、サーバ274の使用回数(光学設計回数)、及び加工装置b1でのレンズ加工の数量、の少なくとも1つに応じて、レンズ設計企業Cに対して料金を支払う。追加的に、
図23を使用した説明と同様のメディア(プリペイドカード)を使用して加工装置b1の動作を管理することができる。
【0152】
本実施形態において、レンズ設計又はレンズ加工に際して、サーバ274への許諾が必要であることから、設計データを不正使用したレンズの加工が制限される。
【0153】
以上、この発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0154】
例えば、レンズ設計データは、データ供給装置で暗号化キーにより暗号化処理されてからネットワークを通じて加工装置に送信されても良い。そして、暗号化処理されたレンズ設計データは、加工装置において、複号化キーにより複号化処理されても良い。なお、暗号化処理されたレンズ設計データは、予め設定された期限内でのみ複号化処理することが可能となるように構成されても良いし、予め設定された期限を過ぎると自動的に消去されるように構成されても良い。さらに、複号化キーの使用回数をカウントするように構成されても良い。
【0155】
また、レンズ設計データは、セミ材(半製品)を加工するための面形状の他に、複数種類あるセミ材のどれを使うかの情報を含むように構成されても良い。また、必要に応じて、加工されたレンズの品質確認用データとして、レンズの中心厚、縁厚、外径等のレンズ形状情報や、レンズ度数測定器等を使用してレンズ屈折力の検査をする際に用いるレンズ度数情報を含むように構成されても良い。
【0156】
また、レンズ設計データは、レンズの2つある面のうち、表面の面形状データを含むように構成されても良いし、裏面の面形状データを含むように構成されても良いし、あるいは表裏両面の面形状データを含むように構成されても良い。面形状データは、点群(セミ材の加工面上の各点における空間座標(x座標、y座標、z座標)の値の集合)で構成されたものであっても良いし、点群で構成された面形状データを面補間したデータであっても良いし、さらには、面補間したデータをNC加工プログラムに変換したデータであっても良い。
【0157】
また、レンズ販売店からレンズ設計企業に対して直接的にレンズが発注され、レンズ設計企業は、そのレンズ販売店に対して設計データを供給するように構成されても良い。そして、レンズ販売店は、レンズメーカに対して設計データを供給し、レンズメーカは、設計データを使用してレンズの加工を行うように構成されても良い。完成したレンズは、レンズメーカからレンズ販売店に供給される。
【0158】
また、加工されるレンズは、その種類を限定されるものではなく、単焦点レンズ、累進屈折力レンズ、中近累進レンズ、近々累進レンズなどに上記の実施形態を適用することが可能である。
【0159】
一実施形態において、レンズ製造装置は、レンズの形状を表すレンズ形状データとその使用可能回数とを含むレンズデータを記憶するレンズデータ記憶部と、前記レンズ形状データが使用された回数を記憶する使用回数記憶部と、前記レンズ形状データが使用された回数を前記使用回数記憶部から読み出し、前記レンズ形状データの使用可能回数を前記レンズデータ記憶部から読み出し、前記レンズ形状データが使用された回数が前記レンズ形状データの使用可能回数より少ない場合には、前記レンズ形状データを前記レンズデータ記憶部から読み出し、前記使用回数記憶部に記憶される前記レンズ形状データが使用された回数を使用回数分増加させるアクセス制御部と、前記アクセス制御部によって読み出されたレンズ形状データを記憶するレンズ形状データメモリと、前記レンズ形状データメモリに記憶されるレンズ形状データに基づいてレンズを製造し、製造後に前記レンズ形状データを前記レンズ形状データメモリから消去するレンズ製造部と、を備える。
【0160】
上記のレンズ製造装置において、前記レンズデータは、前記レンズ形状データの使用可能期限をさらに含み、前記アクセス制御部は、前記レンズ形状データの使用可能期限を前記レンズデータ記憶部から読み出し、使用可能期限が切れていない場合であって且つ前記レンズ形状データが使用された回数が前記レンズ形状データの使用可能回数より少ない場合には、前記レンズ形状データを前記レンズデータ記憶部から読み出す、ように構成されることができる。
【0161】
別の実施形態において、レンズ設計データ利用管理システムは、レンズ設計データを用いたレンズの加工を管理するレンズ加工管理装置と、レンズ加工管理装置と通信するレンズ設計データ利用管理装置と、を備える。このシステムにおいて、前記レンズ加工管理装置は、前記レンズ設計データを用いてレンズの加工を行う前に、レンズの加工の可否を確認する加工可否確認要求を、前記レンズ設計データ利用管理装置に送信する加工可否確認要求送信部と、前記加工可否確認要求送信部が送信した加工可否確認要求の応答として、レンズの加工を許可することを示す加工許可応答を受信した場合に、レンズの加工を行う制御をするレンズ加工制御部と、を備え、前記レンズ設計データ利用管理装置は、加工可否確認要求送信部から送信された前記加工可否確認要求に対して、前記レンズ設計データの利用状況に関する情報に基づいてレンズの加工を許可するか否かを決定する加工可否決定部と、前記加工可否決定部がレンズの加工を許可した場合、前記加工許可応答を、前記レンズ加工管理装置に送信する加工可否応答部と、を備える。
上記構成によると、前記レンズ設計データ利用管理システムは、前記レンズ加工管理装置が前記レンズ設計データを用いてレンズの加工を行う前に、前記レンズ設計データ利用管理装置が前記レンズ設計データの利用状況に関する情報に基づき、レンズの加工を許可するか否かを決定し、前記レンズ加工管理装置が、前記レンズ設計データ利用管理装置がレンズの加工を許可する決定をした場合に、レンズの加工を行う制御をするので、レンズ設計データの利用状況を適切に管理することができ、当該レンズ設計データを不正に利用してレンズが加工されることを防止することができる。
【0162】
上記のレンズ設計データ利用管理システムにおいて、前記レンズ設計データの利用状況に関する情報は、前記レンズ設計データ各々について、前記レンズ加工管理装置の制御により、前記レンズ設計データを用いた加工を行った累積加工回数であり、前記加工可否決定部は、前記累積加工回数が、予め記憶する最大加工回数を超えない場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可することができる。
上記構成によると、前記レンズ設計データ利用管理システムは、前記レンズ設計データ利用管理装置が、前記累積加工回数が前記最大加工回数を超えない場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可するので、レンズ設計データを契約等で定めた最大加工回数を超えて不正に利用し、レンズの加工が行われることを防止することができる。
【0163】
上記のレンズ設計データ利用管理システムにおいて、前前記レンズ設計データ利用管理装置は、前記レンズ設計データ各々について、前記加工許可応答で許可をした加工回数の累積加工回数を算出する累積加工回数算出部を備え、前記加工可否決定部は、前記累積加工回数算出部が算出した前記累積加工回数が、予め記憶する最大加工回数を超えない場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可することができる。
上記構成によると、前記レンズ設計データ利用管理システムは、前記レンズ設計データ利用管理装置が、前記累積加工回数を算出するので、前記累積加工回数を適切に管理することができる。
【0164】
上記のレンズ設計データ利用管理システムにおいて、前記最大加工回数は、20回以下にできる。
【0165】
上記のレンズ設計データ利用管理システムにおいて、前記レンズ設計データの利用状況に関する情報は、前記加工許可応答の最初の応答日時であり、前記加工可否応答部は、前記加工許可応答の最初の応答日時を、初回許可応答日時記憶部に記憶させ、前記加工可否決定部は、前記加工可否確認要求の受信日時が、前記初回許可応答日時記憶部が記憶する前記加工許可応答の最初の応答日時から予め記憶する期間内である場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可することができる。
上記構成によると、前記レンズ設計データ利用管理システムは、前記レンズ設計データ利用管理装置が、前記加工可否確認要求の受信日時が、前記加工許可応答の最初の応答日時から予め記憶する期間内である場合、当該レンズ設計データを用いたレンズの加工を許可するので、レンズ設計データを契約等で定めた期間を超えて不正に利用し、レンズの加工が行われることを防止することができる。
【0166】
上記のレンズ設計データ利用管理システムにおいて、前記予め記憶する期間は、20日以内にできる。
本発明にかかるいくつかの実施形態において、レンズ形状データを受け取った企業が光学設計元の企業に対して不正にレンズを製造することを抑止することが可能となる。より具体的には、本発明により、使用可能回数を超えてレンズ形状データを使用したレンズ製造を行うことができないようにすることが可能となる。
【0167】
本発明にかかるいくつかの実施形態において、レンズ設計データ利用管理システムは、レンズ加工管理装置がレンズ設計データを用いてレンズの加工を行う前に、レンズ設計データ利用管理装置がレンズ設計データの利用状況に関する情報に基づき、レンズの加工を許可するか否かを決定し、レンズ加工管理装置が、レンズ設計データ利用管理装置がレンズの加工を許可する決定をした場合に、レンズの加工を行う制御をするので、レンズ設計データの利用状況を適切に管理することができ、当該レンズ設計データを不正に利用してレンズが加工されることを防止することができる。