(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2所定数が1の場合、前記第2計測値取得手段は、前記第2の計測値を取得する際に、少なくとも下記式(S1)の関係を満たす前記第2光パターンの位相θを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元計測装置。
V0=Asinθ+B ・・・(S1)
但し、V0:輝度値、A:ゲイン、B:オフセット。
前記第2所定数が2の場合、前記第2計測値取得手段は、前記第2の計測値を取得する際に、少なくとも下記式(T1),(T2)の関係を満たす前記第2光パターンの位相θを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元計測装置。
V0=Asinθ+B ・・・(T1)
V1=Asin(θ+90°)+B ・・・(T2)
但し、V0,V1:2通りの画像データの輝度値、A:ゲイン、B:オフセット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記のとおり、位相シフト法を利用した三次元計測においては、照射する光パターンの位相を4段階(又は3段階)に変化させ、4通り(又は3通り)の画像を撮像する必要がある。
【0012】
従って、2箇所の異なる位置で計測を行う場合には、まず第1位置にて第1光パターンを照射し、その位相を4段階(又は3段階)に変化させ、これらの下で4通り(又は3通り)の画像を撮像した後、撮像手段と被計測物との位置関係を変えて、第2位置にて第2光パターンを照射し、その位相を4段階(又は3段階)に変化させ、これらの下で4通り(又は3通り)の画像を撮像するといったように、各位置にて4回(又は3回)ずつ、計8回(又は6回)の撮像が必要となり、撮像時間が大幅に増大するおそれがあった。
【0013】
また、一枚のプリント基板上に計測対象範囲が多数設定されているような場合には、当該一枚のプリント基板の計測に要する時間はさらにその数倍となる。そのため、計測時間のさらなる短縮化が求められる。
【0014】
尚、上記課題は、必ずしもプリント基板上に印刷されたクリーム半田等の高さ計測に限らず、他の三次元計測装置の分野においても内在するものである。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、位相シフト法を利用した三次元計測を行うにあたり、より高精度な計測をより短時間で実現することのできる三次元計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0017】
手段1.少なくとも縞状の光強度分布を有する光パターンを被計測物に対し照射可能な照射手段と、
前記照射手段から照射する前記光パターンの位相を複数通りに変化可能な位相制御手段と、
前記光パターンの照射された前記被計測物からの反射光を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段と前記被計測物との位置関係を相対変位させる変位手段と、
前記撮像手段により撮像された画像データを基に位相シフト法により前記被計測物の三次元計測を実行可能な画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、
第1位置にて第1光パターンを第1所定数通りの位相で照射し撮像された前記第1所定数通りの画像データを基に、各画素に係る第1の計測値を取得する第1計測値取得手段と、
前記第1位置にて撮像された前記第1所定数通りの画像データを基に、各画素に係るゲイン及び/又はオフセットの値を取得するゲインオフセット取得手段と、
前記第1位置から所定方向へ半画素ピッチ分ずれた第2位置にて第2光パターンを前記第1所定数通りよりも少ない第2所定数通りの位相で照射し撮像された前記第2所定数通りの画像データを基に、前記ゲインオフセット取得手段により取得されたゲイン及び/又はオフセットの値を利用して、各画素に係る第2の計測値を取得する第2計測値取得手段と、
前記第1の計測値及び前記第2の計測値を基に、各画素に係る高さデータを取得可能な高さデータ取得手段とを備え
、
前記第2計測値取得手段は、
所定の画素に係る前記第2の計測値を取得するに際し、該画素の周辺部位における前記ゲインの平均値及び/又は前記オフセットの平均値を利用することを特徴とする三次元計測装置。
【0018】
上記手段1によれば、第1位置にて第1光パターンを被計測物に照射して得られた画像データを基に三次元計測を行い、当該計測値を第1の計測値として取得すると共に、第1位置から所定方向へ半画素ピッチ分ずれた第2位置にて第2光パターンを被計測物に照射して得られた画像データ等を基に三次元計測を行い、当該計測値を第2の計測値として取得する。そして、第1の計測値及び第2の計測値から特定される高さデータを、各画素に係る真の高さデータとして取得する。
【0019】
これにより、撮像手段(撮像素子)の分解能を超える高分解能の画像データ(各画素毎に高さデータが配列された計測データなど画像処理後の画像データを含む)を生成することができ、より精密な三次元計測を行うことができる。
【0020】
さらに、本手段では、第1位置(第1光パターン)での計測時に撮像された画像データから得られるゲインやオフセットの値を利用することにより、第2位置(第2光パターン)で計測を行う際には、撮像すべき画像数(撮像回数)が、第1位置で撮像すべき画像数より少なくて済む。
【0021】
例えば第1位置で第1光パターンを4通りの位相で照射し、4通りの画像を撮像した後、第2位置で第2光パターンを1通りの位相で照射し、1通りの画像を撮像する場合には、撮像回数が計5回となり、撮像時間が大幅に減少する。
【0022】
従って、単に2箇所の異なる位置で計測を行う場合に比べ、総合的な撮像回数が少なくて済み、撮像時間を短縮することができる。結果として、計測時間を飛躍的に短縮することができる。
【0023】
ここで「第1位置から所定方向へ半画素ピッチ分ずれた第2位置」の一例としては、「第1位置から半画素ピッチ斜めにずれた位置」が挙げられる。かかる構成によれば、第1位置における計測と第2位置における計測の2箇所の計測で、撮像素子の分解能の4倍の分解能を有する画像データを得ることができる。尚、半画素ピッチ斜めにずれた位置とは、画像データにおいて格子状に配列された矩形状の画素の対角線方向(配列方向に対して斜め方向)に半画素分ずれた位置である。
また、第1位置にて撮像された画像データと、第2位置にて撮像された画像データは、互いに半画素ピッチ分ずれた位置を撮像したものであるため、両者の各画素に含まれる撮像範囲(被計測物表面)は完全一致しない。また、各画素に係るゲインやオフセットの値は、該画素の範囲に含まれる被計測物表面の特性(反射率等)に依存する。そのため、第1位置にて撮像された画像データを基に取得された所定の画素に係るゲインやオフセットの値が、該画素に係る第2の計測値を取得する上で最適でないおそれもある。
これに対し、上記手段1によれば、所定の画素に係る第2の計測値を取得するに際し、該画素の周辺部位におけるゲインやオフセットの平均値を利用する構成となっているため、より適正な第2の計測値を取得することが可能となる。
【0024】
手段2.前記照射手段は、周期(縞ピッチ)の異なる複数の光パターンを切換えて前記被計測物に対し照射可能に構成され、
前記第1位置にて第1周期の第1光パターンを照射し、
前記第2位置にて、前記第1周期とは異なる第2周期の第2光パターンを照射することを特徴とする手段1に記載の三次元計測装置。
【0025】
実際の被計測物には、高いものもあれば低いものもある。例えばクリーム半田に関して言えば、薄膜状のものもあれば、円錐台状をなして突起しているものもある。そして、これら被計測物のうち最大の高さに合わせて、照射する光パターンの周期(縞ピッチ)を広くすると、分解能が粗くなってしまい、計測精度が悪化してしまうおそれがある。一方で、光パターンの周期を狭くすることで、精度の向上を図ることはできるものの、高さ計測可能な計測レンジが足りなくなってしまう(縞次数が別のものとなってしまう)おそれがある。
【0026】
これに対し、上記手段2によれば、高さデータ取得手段は、例えば周期の長い一方の光パターン(例えば第2光パターン)によって得られた一方の計測値(例えば第2の計測値)を基に、周期の短い他方の光パターン(例えば第1光パターン)によって得られた他方の計測値(例えば第1の計測値)の縞次数を特定した上で、該他方の計測値を、該縞次数を考慮した値に置き換えること(データ置換え手段)により、各画素に係る真の高さデータを取得することができる。
【0027】
これにより、周期の長い光パターンを利用するメリットである計測可能な高さレンジを大きくできること、及び、周期の短い光パターンを利用するメリットである分解能の高い高精度な計測を実現できることの双方の効果を得ることができる。結果として、広い計測レンジで高分解能の計測を行うことができ、より高精度な計測を実現することができる。
【0031】
手段
3.前記第2所定数が1の場合、前記第2計測値取得手段は、前記第2の計測値を取得する際に、少なくとも下記式(S1)の関係を満たす前記第2光パターンの位相θを算出することを特徴とする手段1
又は2に記載の三次元計測装置。
【0032】
V
0=Asinθ+B ・・・(S1)
但し、V
0:輝度値、A:ゲイン、B:オフセット。
【0033】
上記手段
3によれば、第2位置での撮像回数が1回で済むため、上記手段1等の作用効果がより奏効することとなる。
【0034】
上記式(S1)を「sinθ」について整理すると、下記式(S2)のようになる。
【0035】
sinθ=(V
0−B)/A ・・・(S2)
ここで、上記式(S2)を位相θについて解くと、下記式(S3)を導き出すことができる。
【0036】
θ=sin
-1{(V
0−B)/A} ・・・(S3)
このように、位相θは、第2光パターンにより取得した既知の輝度値V
0,並びに、第1光パターンにより取得した既知のゲインA及びオフセットBにより特定することができる。
【0037】
手段
4.前記第2所定数が2の場合、前記第2計測値取得手段は、前記第2の計測値を取得する際に、少なくとも下記式(T1),(T2)の関係を満たす前記第2光パターンの位相θを算出することを特徴とする手段1
又は2に記載の三次元計測装置。
【0038】
V
0=Asinθ+B ・・・(T1)
V
1=Asin(θ+90°)+B ・・・(T2)
但し、V
0,V
1:2通りの画像データの輝度値、A:ゲイン、B:オフセット。
【0039】
上記手段5によれば、位相が90°異なる2通りの第2光パターンの下で撮像を2回行うだけでよいため、上記手段1等の作用効果がより奏効することとなる。
【0040】
上記式(T2)から下記式(T3)が導き出される。
【0041】
V
1=Asin(θ+90°)+B
=Acosθ+B ・・・(T3)
上記式(T3)を「cosθ」について整理すると、下記式(T4)のようになる。
【0042】
cosθ=(V
1−B)/A ・・・(T4)
また、上記式(T1)を「sinθ」について整理すると、下記式(T5)のようになる。
【0043】
sinθ=(V
0−B)/A ・・・(T5)
次に上記式(T4)、(T5)を下記式(T6)に代入すると下記式(T7)が導き出される。
【0044】
tanθ=sinθ/cosθ ・・・(T6)
={(V
0−B)/A}/{(V
1−B)/A}
=(V
0−B)/(V
1−B) ・・・(T7)
ここで、上記式(T7)を位相θについて解くと、下記式(T8)を導き出すことができる。
【0045】
θ=tan
-1{(V
0−B)/(V
1−B)} ・・・(T8)
このように、位相θは、第2光パターンにより取得した既知の輝度値V
0,V
1、並びに、第1光パターンにより取得した既知のオフセットBにより特定することができる。
【0046】
また、上記手段
4によれば、「tan
-1」を用いた演算式に基づいて位相θを求めることができるため、−180°〜180°の360°の範囲で高さ計測可能となり、計測レンジをより大きくすることができる。
【0047】
手段
5.前記被計測物が、プリント基板に印刷されたクリーム半田、又は、ウエハ基板に形成された半田バンプであることを特徴とする手段1乃至
4のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0048】
上記手段5によれば、プリント基板に印刷されたクリーム半田、又は、ウエハ基板に形成された半田バンプの高さ計測等を行うことができる。ひいては、クリーム半田又は半田バンプの検査において、その計測値に基づいてクリーム半田又は半田バンプの良否判定を行うことができる。従って、かかる検査において、上記各手段の作用効果が奏されることとなり、精度よく良否判定を行うことができる。結果として、半田印刷検査装置又は半田バンプ検査装置における検査精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
〔第1実施形態〕
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における三次元計測装置を具備する基板検査装置1を模式的に示す概略構成図である。同図に示すように、基板検査装置1は、被計測物としてのクリーム半田が印刷されてなるプリント基板2を載置するための載置台3と、プリント基板2の表面に対し斜め上方から所定の光パターンを照射する照射手段としての照明装置4と、プリント基板2上の光パターンの照射された部分を撮像するための撮像手段としてのカメラ5と、基板検査装置1内における各種制御や画像処理、演算処理を実施するための制御装置6とを備えている。
【0051】
載置台3には、変位手段としてのモータ15,16が設けられており、該モータ15,16が制御装置6(モータ制御手段23)により駆動制御されることによって、載置台3上に載置されたプリント基板2が任意の方向(X軸方向及びY軸方向)へスライドさせられるようになっている。
【0052】
照明装置4は、所定の光を発する光源4aと、当該光源4aからの光を正弦波状(縞状)の光強度分布を有する光パターンに変換する液晶格子4bとを備えており、プリント基板2に対し、斜め上方から複数通りに位相変化する縞状の光パターンを照射可能となっている。
【0053】
より詳しくは、光源4aから発せられた光は、光ファイバーにより一対の集光レンズに導かれ、そこで平行光にされる。その平行光が、液晶格子4bを介して投影レンズに導かれる。そして、投影レンズからプリント基板2に対し縞状の光パターンが照射される。
【0054】
本実施形態では、光パターンが、矩形状のプリント基板2の一対の辺と平行にX軸方向に沿って照射されるよう設定されている。つまり、光パターンの縞が、X軸方向に直交し、かつ、Y軸方向に平行に照射される。
【0055】
液晶格子4bは、一対の透明基板間に液晶層が形成されると共に、一方の透明基板上に配置された共通電極と、これと対向するように他方の透明基板上に複数並設された帯状電極とを備え、駆動回路により、各帯状電極にそれぞれ接続されたスイッチング素子(薄膜トランジスタ等)をオンオフ制御し、各帯状電極に印加される電圧を制御することにより、各帯状電極に対応する各格子ラインの光透過率が切換えられ、光透過率の高い「明部」と、光透過率の低い「暗部」とからなる縞状の格子パターンを形成する。そして、液晶格子4bを介してプリント基板2上に照射される光は、回折作用に起因したボケ等により、正弦波状の光強度分布を有する光パターンとなる。
【0056】
また、照明装置4は、周期(縞ピッチ)の異なる複数種類の光パターンを切換えて照射可能に構成されている。本実施形態では、周期10μm(高さ分解能2μm)の第1光パターンと、その2倍の周期20μm(高さ分解能4μm)の第2光パターンの2種類の光パターンを切換えて照射する。ここで「10μm」が「第1周期」に相当し、「20μm」が「第2周期」に相当する。
【0057】
より詳しくは、液晶格子4bを制御し、例えば格子ライン4本分の幅(格子ライン2本分の「明部」と、格子ライン2本分の「暗部」)を一周期とした正弦波状の光パターンを生成することにより、周期10μmの第1光パターンを照射可能となる。
【0058】
一方、格子ライン8本分の幅(格子ライン4本分の「明部」と、格子ライン4本分の「暗部」)を一周期とした正弦波状の光パターンを生成することにより、周期20μmの第2光パターンを照射可能となる。
【0059】
これにより、第1光パターンによっては、
図3に示すように、例えば「0±1(μm)」、「2±1(μm)」、「4±1(μm)」、・・・といったように、0μm〜10μm(但し、10μmは1つ上の縞次数における0μmに相当する)の範囲内にある高さを、「2(μm)」刻みで、誤差範囲±1(μm)の精度で計測できる。一方、第2光パターンによっては、例えば「0±2(μm)」、「4±2(μm)」、「8±2(μm)」、・・・といったように、0μm〜20μmの範囲内にある高さを、「4(μm)」刻みで、誤差範囲±2(μm)の精度で計測できる。
【0060】
カメラ5は、レンズや撮像素子等からなる。撮像素子としては、CMOSセンサを採用している。勿論、撮像素子はこれに限定されるものではなく、例えばCCDセンサ等を採用してもよい。本実施形態のカメラ5は、例えばX軸方向に512画素、Y軸方向に480画素の分解能を有する画像を生成する。勿論、水平分解能はこれに限定されるものではない。
【0061】
カメラ5によって撮像された画像データは、当該カメラ5内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置6(画像データ記憶手段24)に入力される。そして、制御装置6は、当該画像データを基に、後述するような画像処理や検査処理等を実施する。かかる意味で、制御装置6は画像処理手段を構成する。
【0062】
次に、制御装置6の電気的構成について説明する。
図2に示すように、制御装置6は、カメラ5の撮像タイミングを制御するカメラ制御手段21と、照明装置4を制御する照明制御手段22と、モータ15,16を制御するモータ制御手段23と、カメラ5により撮像された画像データ(輝度データ)を記憶する画像データ記憶手段24と、前記画像データを基に算出される後述するゲインA及びオフセットBの値を記憶するゲイン・オフセット記憶手段25と、少なくとも前記画像データを基に三次元計測を行う三次元計測手段26と、該三次元計測手段26の計測結果を記憶する計測値記憶手段27と、該計測値記憶手段27に記憶された計測値を基に真の高さデータ(絶対高さデータ)を取得する高さデータ取得手段28と、該高さデータ取得手段28により得られた高さデータを基にクリーム半田4の印刷状態を検査する判定手段30とを備えている。照明装置4(液晶格子4b)を制御する照明制御手段22により本実施形態における位相制御手段が構成される。
【0063】
なお、図示は省略するが、基板検査装置1は、キーボードやタッチパネルで構成される入力手段、CRTや液晶などの表示画面を有する表示手段、検査結果等を格納するための記憶手段、半田印刷機等に対し検査結果等を出力する出力手段等を備えている。
【0064】
次に基板検査装置1よるプリント基板2の検査手順について、各検査エリアごとに行われる検査ルーチンを基に詳しく説明する。この検査ルーチンは、制御装置6にて実行されるものである。
【0065】
制御装置6(モータ制御手段23)は、まずモータ15,16を駆動制御してプリント基板2を移動させ、カメラ5の視野をプリント基板2上の所定の検査エリアの第1位置に合わせる。なお、検査エリアは、カメラ5の視野の大きさを1単位としてプリント基板2の表面を予め分割しておいた中の1つのエリアである。
【0066】
続いて、制御装置6(照明制御手段22)は、照明装置4の液晶格子4bを切換制御し、当該液晶格子4bに形成される格子の態様を第1光パターンの周期(縞ピッチ)に対応したものに設定すると共に、該格子の位置を所定の基準位置(位相「0°」)に合わせる。
【0067】
液晶格子4bの切換設定が完了すると、制御装置6(照明制御手段22)は、照明装置4の光源4aを発光させ、第1光パターンの照射を開始すると共に、該第1光パターンの位相を90°ずつ、4通りの位相(位相「0°」、位相「90°」、位相「180°」、位相「270°」)に順次シフトする。
【0068】
そして、制御装置6(カメラ制御手段21)は、第1光パターンの位相が順次シフトされる毎にカメラ5を駆動制御して、該第1光パターンが照射された検査エリア部分(第1位置)を撮像する。これにより、所定の検査エリアの第1位置に関して、位相を90°ずつシフトさせた第1光パターンの下で撮像された4通りの画像データが取得される。ここで、カメラ5により撮像された画像データは、画像データ記憶装置24へ転送され記憶される。
【0069】
そして、制御装置6(三次元計測手段26)は、位相シフト法により、上記4通りの画像データ(輝度値)から各画素に係る第1光パターンの位相θ
1を算出する。
【0070】
ここで、上記4通りの画像データの各画素に係る輝度値V
10,V
11,V
12,V
13は、下記式(H1)、(H2)、(H3)、(H4)により表すことができる。
【0072】
上記式(H1)、(H2)、(H3)、(H4)を位相θ
1について解くと、下記式(H5)を導き出すことができる。
【0074】
そして、上記のように算出された位相θ
1を用いて、三角測量の原理に基づき各画素に係る第1の高さ計測値(第1の計測値)を算出し、かかる第1の高さ計測値を計測値記憶手段27に記憶する。従って、これら一連の処理機能により本実施形態における第1計測値取得手段が構成される。
【0075】
次に第1位置にて第1光パターンの下で撮像された上記4通りの画像データから各画素に係るゲインA及びオフセットBを特定する。かかる処理機能により本実施形態におけるゲインオフセット取得手段が構成される。但し、ゲインA及びオフセットBの算出処理は、上記4通りの画像データの取得後、上記第1の高さ計測値の算出処理と並行して行われる。
【0076】
ここでゲインA及びオフセットBを算出する手順についてより詳しく説明する。4通りの画像データの各画素に係る輝度値V
10,V
11,V
12,V
13と、ゲインA及びオフセットBとの関係は、上記式(H1)〜(H4)のとおりである。
【0077】
ここで、4通りの画像データの輝度値V
10,V
11,V
12,V
13を加算し、上記式(H1)〜(H4)を下記[数3]に示すように整理すると、下記式(H6)を導き出すことができる。
【0079】
また、上記式(H1)、(H3)から、下記式(H7)を導き出すことができる。
【0081】
また、上記式(H2)、(H4)から、下記式(H8)を導き出すことができる。
【0083】
そして、下記[数6]に示すように、上記式(H7)、(H8)を下記式(H9)に代入し、整理していくと、下記式(H10)を導き出すことができる。
【0085】
このように算出された各画素に係るゲインA及びオフセットBは、ゲイン・オフセット記憶手段25に記憶される。
【0086】
そして、上記第1光パターンに係る一連の撮像処理の終了後、つまり上記第1の高さ計測値の算出処理、及び、ゲインA及びオフセットBの算出処理が行われている間に、制御装置6(モータ制御手段23)は、モータ15,16を駆動制御してプリント基板2を上記第1位置より半画素ピッチ斜めに移動させ、カメラ5の視野をプリント基板2上の所定の検査エリアの第2位置に合わせる。なお、本実施形態における各画素は、X軸方向及びY軸方向に平行な辺を有する正方形状をなす。つまり、半画素ピッチ斜めに移動させるとは、画素の対角線方向に当該対角線の距離の半分だけ移動させることを意味する。
【0087】
同時に、制御装置6(照明制御手段22)は、照明装置4の液晶格子4bを切換制御し、当該液晶格子4bに形成される格子の態様を第2光パターンの周期(縞ピッチ)に対応したものに設定すると共に、該格子の位置を所定の基準位置(位相「0°」)に合わせる。
【0088】
プリント基板2の位置合わせ、及び、照明装置4の切換設定が完了すると、制御装置6は、第2光パターンに係る撮像処理を開始する。
【0089】
より詳しくは、制御装置6は、照明制御手段22により照明装置4の光源4aを発光させ、第2光パターンの照射を開始すると共に、カメラ制御手段21によりカメラ5を駆動制御して、該第2光パターンが照射された検査エリア部分(第2位置)を撮像する。ここで、カメラ5により撮像された画像データは、画像データ記憶装置24へ転送され記憶される。
【0090】
尚、本実施形態における第2光パターンに係る撮像処理は、位相「0°」の第2光パターンの下で行われる1回のみである。つまり、本実施形態では、所定の検査エリアの第2位置に関して、位相「0°」の第2光パターンの下で撮像された1通りの画像データのみが取得されることとなる。
【0091】
そして、制御装置6(三次元計測手段26)は、第2位置にて第2光パターンの下で撮像された1通りの画像データ(輝度値)と、ゲイン・オフセット記憶手段25に記憶されたゲインA及びオフセットBの値を基に、各画素に係る第2光パターンの位相θ
2を算出する。
【0092】
ここで、上記1通りの画像データの各画素に係る輝度値V
20は、下記式(H11)により表すことができる。
【0094】
上記式(H11)を位相θ
2について解くと、下記式(H12)を導き出すことができる。
【0096】
但し、本実施形態では、ここで撮像素子の同一座標位置(同一画素)において取得されたゲインA及びオフセットBの値が利用される。
【0097】
そして、上記のように算出された位相θ
2を用いて、三角測量の原理に基づき各画素に係る第2の高さ計測値(第2の計測値)を算出し、かかる第2の高さ計測値を計測値記憶手段27に記憶する。従って、これら一連の処理機能により本実施形態における第2計測値取得手段が構成される。
【0098】
次に制御装置6(高さデータ取得手段28)は、計測値記憶手段27に記憶された第1の計測値及び第2の計測値を基に、検査エリア全体の真の高さデータを取得する。
【0099】
まず制御装置6(高さデータ取得手段28)は、第1位置で得られた計測結果(第1の高さ計測値)と、第2位置で得られた計測結果(第2の高さ計測値)を合成し、当該検査エリアの1つの計測結果としてまとめる画像処理を行う。当該処理によりカメラ5の分解能の4倍の分解能を有する撮像手段により撮像した場合と同等の計測結果が得られる。以下に当該画像処理について詳しく説明する。
【0100】
ここでは、仮にカメラ5の分解能が1撮像視野あたり4×4画素であったとして説明する。この場合、第1位置で得られた計測結果は、各画素毎の第1の高さ計測値N
1〜N
16が
図4(a)のように記憶される。同様に、第2位置で得られた計測結果は、各画素毎の第2の高さ計測値M
1〜M
16が
図4(b)のように記憶される。
図4(a),(b)はデータ配列を模式的に表した図である(
図5〜
図8についても同様)。
【0101】
かかる場合、合成処理では、まず
図5に示すように、8×8マス目上に上記第1の高さ計測値N
1〜N
16及び第2の高さ計測値M
1〜M
16を市松模様状に配置したデータを作成する。なお、
図5中の空欄部分は、当該段階においてはデータの欠落部分となる。また、
図5は見やすくするため、便宜上、市松模様状に散点模様を付してある(
図6〜
図8についても同様)。
【0102】
続いて、第1の高さ計測値N
1〜N
16に関して、当該第1の高さ計測値N
1〜N
16の値を縞次数を考慮した値に置き換えるデータ置換処理を行う。当該処理が本実施形態におけるデータ置換え手段の機能を構成する。
【0103】
より詳しくは、
図6に示すように、例えば図中太枠で囲まれた第1の高さ計測値N
6に注目し、ここには第1位置での計測により得られた「4」の値が記憶されている。また、第1の高さ計測値N
6に隣接した周囲の4つの第2の高さ計測値M
6,M
7,M
10,M
11には、それぞれ「16」,「12」,「16」,「12」が記憶されている。なお、
図6において記載されているのは、これらの値だけであるが、実際には、これらと同様に他の位置にも各種高さ計測値が記憶されている(
図7,8に関しても同様)。
【0104】
図3の表からも明らかなように、第1の高さ計測値として得られた値が「4(±1)μm」の場合、縞次数の違いによってクリーム半田(被計測座標)の真の高さの候補は、「4(±1)μm」若しくは「14(±1)μm」となる。つまり、縞次数が1であれば、実際の高さは「4(±1)μm」であるとされ、縞次数が2であれば、実際の高さは「14(±1)μm」であるとされる。尚、本実施形態では、説明の便宜上、クリーム半田(被計測座標)の高さが20μmを超えるケースはないものとして説明することとしている。
【0105】
そして、これら候補値「4」若しくは「14」のうち、当該データ置換処理を行う場合には、当該第1の高さ計測値N
6の周囲の第2の高さ計測値M
6,M
7,M
10,M
11の平均〔(16+12+16+12)/4=14〕により近い値を最適値として採用する。つまり、位相シフト法の縞次数が特定される。そして、第1の高さ計測値N
6の値を縞次数を考慮した値「14」に置き換える。上記処理は各第1の高さ計測値N
1〜N
16に対し同様に行われる。
【0106】
次に、当該縞次数を考慮した第1の高さ計測値N
1〜N
16を基にして、第2の高さ計測値M
1〜M
16を補正する補正処理を行う。当該処理が本実施形態における補正手段の機能を構成する。
【0107】
より詳しくは、
図7に示すように、例えば図中太枠で囲まれた第2の高さ計測値M
11に注目し、ここには第2位置での計測により得られた「12」の値が記憶されている。また、第2の高さ計測値M
11に隣接した周囲の4つの第1の高さ計測値N
6,N
7,N
10,N
11には、それぞれ上記置換処理後の値「14」,「12」,「14」,「12」が記憶されている。
【0108】
まず、これら周囲4つの第1の高さ計測値N
6,N
7,N
10,N
11の平均値〔(14+12+14+12)/4=13〕を算出する。そして、第2の高さ計測値M
11の値が当該平均値と「±2」の誤差範囲内にあるか否かを判定する。
【0109】
ここで、「±2」の誤差範囲内にあると判定された場合には、当該第2の高さ計測値M
11に対応するクリーム半田(被計測座標)及びその近傍の形状が比較的なだらかに連続した形状となっていると推定し、当該第1の高さ計測値N
6,N
7,N
10,N
11の平均値を第2の高さ計測値M
11の最適値に採用する。
【0110】
一方、「±2」の誤差範囲内にないと判定された場合には、当該第2の高さ計測値M
11に対応するクリーム半田(被計測座標)及びその近傍の形状が比較的起伏の激しい不連続な形状となっていると推定し、実測データである第2の高さ計測値M
11の値をそのまま最適値に採用する。
【0111】
次に、データ欠落部分(
図5中の空欄部分)のデータを補間するデータ補間処理を行う。当該処理が本実施形態における補間手段の機能を構成する。
【0112】
データ補間処理では、例えば
図8に示すように、所定のデータ欠落部分の周囲に隣接して配される置換処理後の第1の高さ計測値N
1〜N
16や、補正処理後の第2の高さ計測値M
1〜B
16の各データを基に平均値を算出し、当該データ欠落部分の補間値として採用する。
【0113】
上記一連の処理が終了すると、撮像視野全体(検査エリア)について8×8画素の撮像画像データから得られる計測データと同等の精度を有する計測データが完成する。
【0114】
そして、制御装置6(判定手段30)は、このように得られた検査エリアの計測データ(各画素に係る真の高さデータ)に基づいて、基準面より高くなったクリーム半田の印刷範囲を検出し、この範囲内での各部位の高さを積分することにより、印刷されたクリーム半田の量を算出する。
【0115】
続けて、制御装置6(判定手段30)は、このようにして求めたクリーム半田の位置、面積、高さ又は量等のデータを、予め記憶した基準データと比較判定し、この比較結果が許容範囲内にあるか否かによって、その検査エリアにおけるクリーム半田の印刷状態の良否を判定する。
【0116】
かかる処理が行われている間に、制御装置6は、モータ15,16を駆動制御してプリント基板2を次の検査エリアへと移動せしめ、以降、上記一連の処理が、全ての検査エリアで繰り返し行われることで、プリント基板2全体の検査が終了する。
【0117】
以上詳述したように、本実施形態によれば、第1位置にて第1周期(周期10μm)の第1光パターンをプリント基板2に照射して得られた画像データを基に三次元計測を行い、当該計測値を第1の計測値として取得すると共に、第1位置から半画素ピッチ斜めにずれた第2位置にて、第2周期(周期20μm)の第2光パターンをプリント基板2に照射して得られた画像データ等を基に三次元計測を行い、当該計測値を第2の計測値として取得する。そして、第1の計測値及び第2の計測値から特定される高さデータを、真の高さデータとして取得する。これにより、カメラ5の分解能の4倍の分解能を有する画像データ(計測データ)を生成することができ、より精密な三次元計測を行うことができる。
【0118】
さらに、本実施形態では、第1位置(第1光パターン)での計測時に撮像された画像データから得られるゲインやオフセットの値を利用することにより、第2位置(第2光パターン)で計測を行う際には、撮像すべき画像数(撮像回数)が、第1位置で撮像すべき画像数より少なくて済む。
【0119】
さらに、本実施形態では、第1光パターンによる計測時に撮像された画像データから得られるゲインAやオフセットBの値を利用することにより、第2光パターンによる計測を行う際には、第2光パターンの下で撮像すべき画像数(撮像回数)が、第1光パターンの下で撮像すべき画像数より少なくて済む。
【0120】
具体的には、第1位置で第1光パターンを4通りの位相で照射し、4通りの画像を撮像した後、第2位置で第2光パターンを1通りの位相で照射し、1通りの画像を撮像する場合には、撮像回数が計5回となり、撮像時間が大幅に減少する。
【0121】
従って、単に2箇所の異なる位置で計測を行う場合に比べ、総合的な撮像回数が少なくて済み、撮像時間を短縮することができる。結果として、計測時間を飛躍的に短縮することができる。
【0122】
加えて、本実施形態では、周期の長い第2光パターン(周期20μm)によって得られた第2の高さ計測値を基に、周期の短い第1光パターン(周期10μm)によって得られた第1の高さ計測値の縞次数を特定する。そして、第1の高さ計測値を、該縞次数を考慮した適正値に置き換えることにより、各画素に係る真の高さデータを取得することができる。
【0123】
これにより、周期の長い第2光パターンを利用するメリットである計測可能な高さレンジを大きくできること、及び、周期の短い第1光パターンを利用するメリットである分解能の高い高精度な計測を実現できることの双方の効果を得ることができる。結果として、
図9に示すように、広い計測レンジで高分解能の計測を行うことができ、より高精度な計測を実現することができる。
【0124】
また、本実施形態では、所定のデータ欠落部分の周囲に隣接して配される置換処理後の第1の高さ計測値や、補正処理後の第2の高さ計測値の各データを基に平均値を算出し、当該データ欠落部分の補間値として採用するデータ補間処理を行う構成となっている。このため、第1の高さ計測値と第2の高さ計測値を合成して高分解能のデータを作成するにあたり、データの欠落部分が生じるといった不具合の発生を防止することができる。
【0125】
また、本実施形態では、縞次数を考慮したより精度の高い第1の高さ計測値を基にして、第2の高さ計測値を補正する補正処理を行う。これにより、第2の高さ計測値の値を、より真の値に近いものとすることができる。
【0126】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態について説明する。但し、上述した第1実施形態と重複する部分については、同一の部材名称、同一の符号を用いる等してその説明を省略するとともに、以下には第1実施形態と相違する部分を中心として説明することとする。
【0127】
本実施形態における三次元計測では、制御装置6は、まずモータ15,16を駆動制御してプリント基板2を移動させ、カメラ5の視野をプリント基板2上の所定の検査エリアの第1位置に合わせる。
【0128】
続いて、制御装置6は、照明装置4の液晶格子4bを切換制御し、当該液晶格子4bに形成される格子の態様を第1光パターンの周期(縞ピッチ)に対応したものに設定すると共に、該格子の位置を所定の基準位置(位相「0°」)に合わせる。
【0129】
液晶格子4bの切換設定が完了すると、制御装置6は、照明装置4の光源4aを発光させ、第1光パターンの照射を開始すると共に、該第1光パターンの位相を90°ずつ、4通りの位相(位相「0°」、位相「90°」、位相「180°」、位相「270°」)に順次シフトする。
【0130】
そして、制御装置6は、第1光パターンの位相が順次シフトされる毎に、該第1光パターンが照射された検査エリア部分(第1位置)を撮像し、4通りの画像データを取得する。
【0131】
制御装置6は、位相シフト法により、上記4通りの画像データ(輝度値)から各画素に係る第1光パターンの位相θ
1を算出する。
【0132】
そして、上記のように算出された位相θ
1を用いて、三角測量の原理に基づき各画素に係る第1の高さ計測値を算出し、かかる第1の高さ計測値を計測値記憶手段27に記憶する。
【0133】
併せて、上記4通りの画像データから各画素に係るゲインA及びオフセットBを特定し、ゲイン・オフセット記憶手段25に記憶する。
【0134】
かかる処理が行われている間に、制御装置6は、モータ15,16を駆動制御してプリント基板2を上記第1位置よりX軸方向へ半画素ピッチずれた位置に移動させ、カメラ5の視野をプリント基板2上の所定の検査エリアの第2位置に合わせる。
【0135】
同時に、制御装置6は、照明装置4の液晶格子4bを切換制御し、当該液晶格子4bに形成される格子の態様を第2光パターンの周期(縞ピッチ)に対応したものに設定すると共に、該格子の位置を所定の基準位置(位相「0°」)に合わせる。
【0136】
プリント基板2の位置合わせ、及び、照明装置4の切換設定が完了すると、制御装置6は、第2光パターンに係る撮像処理を開始する。
【0137】
より詳しくは、制御装置6は、照明制御手段22により照明装置4の光源4aを発光させ、第2光パターンの照射を開始すると共に、カメラ制御手段21によりカメラ5を駆動制御して、該第2光パターンが照射された検査エリア部分(第2位置)を撮像する。ここで、カメラ5により撮像された画像データは、画像データ記憶装置24へ転送され記憶される。
【0138】
尚、第2位置にて行われる第2光パターンに係る撮像処理は、位相「0°」の第2光パターンの下で行われる1回のみである。つまり、本実施形態では、所定の検査エリアの第2位置に関して、位相「0°」の第2光パターンの下で撮像された1通りの画像データのみが取得されることとなる。
【0139】
そして、制御装置6は、第2位置にて第2光パターンの下で撮像された1通りの画像データ(輝度値)と、ゲイン・オフセット記憶手段25に記憶されたゲインA及びオフセットBの値を基に、各画素に係る第2光パターンの位相θ
2を算出する。
【0140】
続いて、上記のように算出された位相θ
2を用いて、三角測量の原理に基づき各画素に係る第2の高さ計測値を算出し、かかる第2の高さ計測値を計測値記憶手段27に記憶する。
【0141】
かかる処理が行われている間に、制御装置6は、モータ15,16を駆動制御してプリント基板2を上記第1位置より半画素ピッチ斜めにずれた位置(上記第2位置よりY軸方向へ半画素ピッチずれた位置)に移動させ、カメラ5の視野をプリント基板2上の所定の検査エリアの第3位置に合わせる。
【0142】
同時に、制御装置6は、照明装置4の液晶格子4bを切換制御し、当該液晶格子4bに形成される格子の態様を第1光パターンの周期(縞ピッチ)に対応したものに設定すると共に、該格子の位置を所定の基準位置(位相「0°」)に合わせる。
【0143】
プリント基板2の位置合わせ、及び、照明装置4の切換設定が完了すると、制御装置6は、第1光パターンに係る撮像処理を開始する。
【0144】
より詳しくは、制御装置6は、照明制御手段22により照明装置4の光源4aを発光させ、第1光パターンの照射を開始すると共に、カメラ制御手段21によりカメラ5を駆動制御して、該第1光パターンが照射された検査エリア部分(第3位置)を撮像する。ここで、カメラ5により撮像された画像データは、画像データ記憶装置24へ転送され記憶される。
【0145】
尚、第3位置にて行われる第1光パターンに係る撮像処理は、位相「0°」の第1光パターンの下で行われる1回のみである。つまり、本実施形態では、所定の検査エリアの第3位置に関して、位相「0°」の第1光パターンの下で撮像された1通りの画像データのみが取得されることとなる。
【0146】
そして、制御装置6は、第3位置にて第1光パターンの下で撮像された1通りの画像データ(輝度値)と、ゲイン・オフセット記憶手段25に記憶されたゲインA及びオフセットBの値を基に、各画素に係る第1光パターンの位相θ
3を算出する。
【0147】
続いて、上記のように算出された位相θ
3を用いて、三角測量の原理に基づき各画素に係る第3高さ計測値を算出し、かかる第3高さ計測値を計測値記憶手段27に記憶する。
【0148】
かかる処理が行われている間に、制御装置6は、モータ15,16を駆動制御してプリント基板2を上記第1位置よりY軸方向へ半画素ピッチずれた位置(上記第3位置よりX軸方向へ半画素ピッチずれた位置)に移動させ、カメラ5の視野をプリント基板2上の所定の検査エリアの第4位置に合わせる。
【0149】
同時に、制御装置6は、照明装置4の液晶格子4bを切換制御し、当該液晶格子4bに形成される格子の態様を第2光パターンの周期(縞ピッチ)に対応したものに設定すると共に、該格子の位置を所定の基準位置(位相「0°」)に合わせる。
【0150】
プリント基板2の位置合わせ、及び、照明装置4の切換設定が完了すると、制御装置6は、第2光パターンに係る撮像処理を開始する。
【0151】
より詳しくは、制御装置6は、照明制御手段22により照明装置4の光源4aを発光させ、第2光パターンの照射を開始すると共に、カメラ制御手段21によりカメラ5を駆動制御して、該第2光パターンが照射された検査エリア部分(第4位置)を撮像する。ここで、カメラ5により撮像された画像データは、画像データ記憶装置24へ転送され記憶される。
【0152】
尚、第4位置にて行われる第2光パターンに係る撮像処理は、位相「0°」の第2光パターンの下で行われる1回のみである。つまり、本実施形態では、所定の検査エリアの第4位置に関して、位相「0°」の第2光パターンの下で撮像された1通りの画像データのみが取得されることとなる。
【0153】
そして、制御装置6は、第4位置にて第2光パターンの下で撮像された1通りの画像データ(輝度値)と、ゲイン・オフセット記憶手段25に記憶されたゲインA及びオフセットBの値を基に、各画素に係る第2光パターンの位相θ
4を算出する。
【0154】
続いて、上記のように算出された位相θ
4を用いて、三角測量の原理に基づき各画素に係る第4高さ計測値を算出し、かかる第4高さ計測値を計測値記憶手段27に記憶する。
【0155】
次に制御装置6は、計測値記憶手段27に記憶された第1の計測値、第2の計測値、第3の計測値及び第4の計測値を基に、検査エリア全体の真の高さデータを取得する。
【0156】
まず制御装置6は、第1位置で得られた計測結果(第1の高さ計測値)、第2位置で得られた計測結果(第2の高さ計測値)、第3位置で得られた計測結果(第3の高さ計測値)及び第4位置で得られた計測結果(第4の高さ計測値)を合成し、当該検査エリアの1つの計測結果としてまとめる画像処理を行う。当該処理によりカメラ5の分解能の4倍の分解能を有する撮像手段により撮像した場合と同等の計測結果が得られる。以下に当該画像処理について詳しく説明する。
【0157】
ここでは、仮にカメラ5の分解能が1撮像視野あたり4×4画素であったとして説明する。かかる場合、合成処理では、まず
図10に示すように、第1〜第4の各位置で得られた各画素毎の第1の高さ計測値C
1〜C
16、第2の高さ計測値D
1〜D
16、第3の高さ計測値E
1〜E
16、第4の高さ計測値F
1〜F
16を8×8マス目上に配置したデータを作成する。
図10は見やすくするため、便宜上、市松模様状に散点模様を付してある(
図11,12についても同様)。
【0158】
続いて、第1の高さ計測値C
1〜C
16及び第3の高さ計測値E
1〜E
16に関して、当該第1の高さ計測値C
1〜C
16及び第3の高さ計測値E
1〜E
16の値を、縞次数を考慮した値に置き換えるデータ置換処理を行う。
【0159】
より詳しくは、
図11に示すように、例えば図中太枠で囲まれた第1の高さ計測値C
6に注目し、ここには第1位置での計測により得られた「4」の値が記憶されている。また、第1の高さ計測値C
6に隣接した周囲の第2の高さ計測値D
5,D
6及び第4の高さ計測値F
2,F
6には、それぞれ「16」,「12」,「12」,「16」が記憶されている。なお、
図11において記載されているのは、これらの値だけであるが、実際には、これらと同様に他の位置にも各種高さ計測値が記憶されている(
図12に関しても同様)。
【0160】
上記実施形態と同様、第1の高さ計測値として得られた値が「4(±1)μm」の場合、縞次数の違いによってクリーム半田(被計測座標)の真の高さの候補は、「4(±1)μm」若しくは「14(±1)μm」となる。つまり、縞次数が1であれば、実際の高さは「4(±1)μm」であるとされ、縞次数が2であれば、実際の高さは「14(±1)μm」であるとされる。
【0161】
そして、これら候補値「4」若しくは「14」のうち、当該データ置換処理を行う場合には、当該第1の高さ計測値C
6の周囲の第2の高さ計測値D
5,D
6及び第4の高さ計測値F
2,F
6の平均〔(16+12+12+16)/4=14〕により近い値を最適値として採用する。つまり、位相シフト法の縞次数が特定される。そして、第1の高さ計測値C
6の値を縞次数を考慮した値「14」に置き換える。上記処理は各第1の高さ計測値C
1〜C
16及び第3の高さ計測値E
1〜E
16に対し同様に行われる。
【0162】
次に、当該縞次数を考慮した第1の高さ計測値C
1〜C
16及び第3の高さ計測値E
1〜E
16を基にして、第2の高さ計測値D
1〜D
16及び第4の高さ計測値F
1〜F
16を補正する補正処理を行う。
【0163】
より詳しくは、
図12に示すように、例えば図中太枠で囲まれた第2の高さ計測値D
6に注目し、ここには第2位置での計測により得られた「12」の値が記憶されている。また、第2の高さ計測値D
6に隣接した周囲の第1の高さ計測値C
6,C
7及び第3の高さ計測値E
2,E
6には、それぞれ上記置換処理後の値「14」,「12」,「12」,「14」が記憶されている。
【0164】
まず、これの周囲の4つ第1の高さ計測値C
6,C
7及び第3の高さ計測値E
2,E
6の平均値〔(14+12+12+14)/4=13〕を算出する。そして、第2の高さ計測値D
6の値が当該平均値と「±2」の誤差範囲内にあるか否かを判定する。
【0165】
ここで、「±2」の誤差範囲内にあると判定された場合には、上記第1実施形態と同様、第1の高さ計測値C
6,C
7及び第3の高さ計測値E
2,E
6の平均値を第2の高さ計測値D
6の最適値に採用する。
【0166】
一方、「±2」の誤差範囲内にないと判定された場合には、上記第1実施形態と同様、実測データである第2の高さ計測値D
6の値をそのまま最適値に採用する。
【0167】
上記一連の処理が終了すると、撮像視野全体(検査エリア)について8×8画素の撮像画像データから得られる計測データと同等の精度を有する計測データが完成する。
【0168】
以上詳述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏される。つまり、
図13に示すように、広い計測レンジで高分解能の計測を行うことができ、より高精度な計測を実現することができる。
【0169】
また、本実施形態では、各種高さ計測値を合成して高分解能のデータを作成するにあたり、データの欠落部分が生じるといった不具合がないため、データを補間するデータ補間処理を行う必要はない。結果として、より真の値に近い計測データを得ることができる。
【0170】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0171】
(a)上記各実施形態では、三次元計測装置を、プリント基板2に印刷形成されたクリーム半田の高さを計測する基板検査装置1に具体化したが、これに限らず、例えば基板上に印刷された半田バンプや、基板上に実装された電子部品など、他のものの高さを計測する構成に具体化してもよい。
【0172】
(b)上記各実施形態では、光源4aからの光を縞状の光パターンに変換するための格子を、液晶格子4bにより構成すると共に、これを切換制御することにより、光パターンの位相をシフトさせる構成となっている。これに限らず、例えば格子部材をピエゾアクチュエータ等の移送手段により移送させ、光パターンの位相をシフトさせる構成としてもよい。
【0173】
(c)上記各実施形態では、載置台3上に載置されたプリント基板2を動かすことにより、カメラ5とプリント基板2との位置関係を相対変位させる構成となっているが、これに限らず、カメラ5を動かし、両者を相対変位させる構成としてもよい。
【0174】
(d)上記各実施形態では、第1位置における計測時には、位相が90°ずつ異なる4通りの第1光パターンの下で撮像された4通りの画像データを基に、位相シフト法により高さ計測を行う構成となっているが、これに限らず、例えば位相が120°ずつ異なる3通りの第1光パターンの下で撮像された3通りの画像データを基に高さ計測を行う構成としてもよい。つまり、第1位置における撮像回数である「第1所定数」は、少なくとも位相シフト法により高さ計測を実行可能な数であれば良い。
【0175】
(e)上記第1実施形態における第2位置での計測時、及び、上記第2実施形態における第2〜第4位置での計測時においては、位相シフトせず、1通りの位相の所定の光パターンを照射して得られた1通りの画像データを基に、既知のゲインA及びオフセットBの値を利用して高さ計測を行う構成となっている。これに限らず、例えば位相が異なる2通りの光パターンの下で撮像された2通りの画像データを基に、既知のゲインA及び/又はオフセットBの値を利用して高さ計測を行う構成としてもよい。
【0176】
つまり、上記第1実施形態における第2位置での撮像回数、及び、上記第2実施形態における第2〜第4位置での撮像回数である「第2所定数」は、少なくとも第1位置での撮像回数である「第1所定数」よりも少ない数であれば良い。例えば第1位置での計測時において、4通りの位相の光パターンの下で撮像された4通りの画像データを基に高さ計測を行う構成となっている場合には、第2位置等での計測時において、3通りの位相の光パターンの下で撮像された3通りの画像データを基に、既知のゲインA及び/又はオフセットBの値を利用して高さ計測を行う構成としてもよい。かかる場合においても、従来に比べれば、比較的簡単な演算式に基づいて光パターンの位相を求めることができ、処理の高速化が可能となる。
【0177】
(f)既知のゲインA及び/又はオフセットBの値を利用して、位相が異なる2通りの光パターンの下で撮像された2通りの画像データを基に高さ計測を行う構成としては、例えば位相が90°異なる2通りの光パターンの下で撮像された2通りの画像データを基に高さ計測を行う構成が挙げられる。
【0178】
かかる構成によれば、第2位置等にて第2光パターンにより取得した2通りの画像データ上の各画素における既知の輝度値V
20,V
21、並びに、第1位置にて第1光パターンにより取得した既知のオフセットBにより、第2光パターンの位相θ
2を特定することができる〔上記式(T8)参照〕。また、かかる構成では、「tan
-1」を用いた演算式に基づいて位相θ
2を求めることができるため、−180°〜180°の360°の範囲で高さ計測可能となり、計測レンジをより大きくすることができる。
【0179】
勿論、位相が90°異なる2通りの光パターンの下で撮像された2通りの画像データを基に、既知のゲインA及び/又はオフセットBの値を利用して高さ計測を行う構成に限らず、例えば位相が180°異なる2通りの光パターンの下で撮像された2通りの画像データを基に、既知のゲインA及び/又はオフセットBの値を利用して高さ計測を行う構成としてもよい。
【0180】
(g)上記各実施形態では、周期10μm(高さ分解能2μm)の第1光パターンと、周期20μm(高さ分解能4μm)の第2光パターンとを組合わせて、高さが20μmまでのクリーム半田を計測する場合を例示しているが、勿論、各光パターンの周期や計測範囲はこれに限定されるものではない。
【0181】
また、上記各実施形態では、周期が短い方の第1光パターン(周期10μm)の下で撮像した4通りの画像データを基に、ゲインA及び/又はオフセットBの値を取得する構成となっているが、これに限らず、周期が長い方の第2光パターン(周期20μm)の下で撮像した画像データを基にゲインA及び/又はオフセットBの値を取得する構成としてもよい。
【0182】
(h)上記各実施形態では、周期の異なる2種類の光パターンを照射して計測レンジを拡大する構成となっているが、これに限らず、第1光パターンと第2光パターンを同一周期(例えば両者とも周期10μm)の光パターンとしてもよい。
【0183】
また、上記第2実施形態においては、周期の異なる3種類以上の光パターンを照射して計測レンジを拡大する構成としてもよい。例えば第1位置にて周期αの光パターンを照射し、第2位置にて周期βの光パターンを照射し、第3位置にて周期γの光パターンを照射し、第4位置にて周期σの光パターンを照射する構成としてもよい。
【0184】
(i)上記各実施形態では、第1の計測値及び第2の計測値として高さ計測値が計測値記憶手段27に記憶される構成となっているが、これに限らず、第1の計測値及び第2の計測値として位相計測値(位相θ
1,θ
2等)が記憶される構成としてもよい。
【0185】
(j)高さ計測値等の補正処理や、データ欠落部分の補間処理の手順は、上記各実施形態に限らず、他の方法により行う構成としてもよい。
【0186】
(k)上記各実施形態では、ゲインA及び/又はオフセットBの値を利用して、第2位置等にて撮像された1通りの画像データを基に、所定の画素に係る高さ計測値等を取得する際には、カメラ5の撮像素子の同一座標位置(同一画素)において取得されたゲインA及びオフセットBの値を利用する構成となっている。
【0187】
これに限らず、所定の画素に係る高さ計測値を取得するに際し、該画素の周辺部位におけるゲインAの平均値及び/又はオフセットBの平均値を利用する構成としてもよい。例えば
図14に示すように、第2位置にて撮像された画像データの画素Q
1(図中にて太枠で囲まれた範囲)に係る第2の高さ計測値を取得するに際し、該画素Q
1の周辺部位、すなわち第1位置にて撮像された画像データのうち、前記画素Q1の撮像範囲を一部に含む4つの画素P
1,P
2,P
3,P
4(図中にて散点模様を付した範囲)に係るゲインAの平均値及び/又はオフセットBの平均値を利用する構成としてもよい。
【0188】
勿論、これに限らず、画素P
1,P
2,P
3,P
4のうち、いずれか2つ又は3つの画素に係るゲインAの平均値及び/又はオフセットBの平均値を利用する構成としてもよい。
【解決手段】基板検査装置1は、プリント基板2に対し縞状の光パターンを照射する照明装置4と、プリント基板2上の光パターンの照射された部分を撮像するカメラ5と、撮像された画像データに基づき三次元計測を行う制御装置6とを備えている。制御装置6は、第1位置にて第1周期の第1光パターンを照射して得られた画像データを基に第1の高さ計測値を算出すると共に、該画像データからゲイン及びオフセットの値を取得する。また、半画素ピッチ斜めにずれた第2位置にて、第2周期の第2光パターンを照射して得られた画像データを基に、前記ゲイン及びオフセットの値を利用して第2の高さ計測値を算出する。そして、第1の計測値及び第2の計測値から特定される高さデータを、真の高さデータとして取得する。