(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記折り畳まれた搬送構成において、前記湾曲した外側表面は、前記アンカの前記内側表面の周囲の3%乃至30%のアーク長を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記第2のロック要素は、第1の端部の近傍に複数の第1の孔を有するとともに第2の端部の近傍に複数の第2の孔を有し、該複数の第1の孔および該複数の第2の孔は、前記外側表面の一部分によって分けられ、前記取り付け部材は、前記第2のロック要素を前記アンカに取り付けるように前記複数の第1の孔および前記複数の第2の孔を通されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の範囲を限定することなく、本発明の要求される実施形態のうちのいくつかの概要を後述する。本発明の要約された実施形態および/または本発明の付加的な実施形態の付加的な詳細が、後述の発明の詳細な説明において確認される。
【0013】
明細書における技術的な開示の簡潔な要約も、37C.F.R.§1.72に応じるために提供される。要約は、特許請求の範囲の解釈のために使用されるようには意図されない。
【0014】
本発明は様々な形態で実施されるが、本発明の所定の好ましい実施形態をここに詳述する。本明細書は、本発明の原理の例示であるが、本発明を所定の実施形態に限定するように意図したものではない。
【0015】
本開示のために、図面における類似の参照符号は、特に別に示さない限り類似の要素を示す。
図1A乃至2Bに示す置換心臓弁は、本技術において周知である。
図1Aおよび
図1Bは、拡張可能なアンカ要素12(以下「アンカ」とも呼ぶ)、置換弁尖14(
図1Bには明瞭にすべく図示しない)、複数の第1のロック部材16(以下「ポスト」とも呼ぶ)および複数の第2のロック部材18(以下「バックル」とも呼ぶ)を含む例示的な置換心臓弁10を示す。
図1Aは、アンカ要素12が第1のロック部材16(「ポスト」)と第2のロック部材18(「バックル」)との間のロックする相互作用によって完全に展開した構成にロックされるとともに保持される完全に展開された構成におけるアンカ要素12(または「アンカ」)を示す。
図1Bは、置換心臓弁が搬送システム(
図2Aおよび
図2Bに示す)内で患者の体内の目的の部位に搬送される際の、折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素12を示す。
【0016】
少なくとも一実施形態において、アンカ要素12は、折り畳まれた搬送構成から静止した(あるいは部分的に展開した)構成に拡張可能であり、また、さらに、静止した構成から完全に展開した構成に拡張可能である。図示の実施形態において、アンカ要素12は、編み組みした材料からなり、材料の1本以上のより糸から形成される。少なくとも一実施形態において、材料は形状記憶材料である。少なくとも一実施形態において、アンカ要素12は、アンカ要素12が搬送システムのシースから展開すると、アンカ要素12が、折り畳まれた搬送構成から静止した構成に自然に短くなり始めるとともに自己拡張するように、静止した構成に熱処理(heat set)される。
【0017】
少なくとも図示の実施形態において、弁尖14は、弁の3つの接合面でポスト16に取り付けられる。したがって、ポスト16は、アンカ要素12内の弁尖14を支持する。ポスト16およびバックル18(あるいは他の好適な第1のロック部材および第2のロック部材)の両者は、アンカ要素12に連結される。ポスト16は、アンカ要素12の基端よりも先端側の位置でアンカ要素12に移動可能に連結される。バックル18は、アンカ要素12の基端側領域でアンカ要素に固定される(しかし、ポストのようなアンカ要素に移動可能に連結されてもよい)。
【0018】
図1Aおよび
図1Bに示すように、ポスト16はバックル18のうちの対応する1つに関連付けられる。
図1Aおよび
図1Bに示すように、置換心臓弁10は、3つのポスト16と3つのバックル18とを有する。
図1Aに示すように、置換心臓弁10は、3つの置換弁尖14を有する。少なくとも一実施形態において、置換心臓弁10は、第2のロック部材18と同じ数の第1のロック部材16を有する。少なくとも一実施形態において、置換心臓弁は、第1のロック部材16と同じ数の置換弁尖14を有する。少なくとも一実施形態において、置換心臓弁は、第2のロック部材18と同じ数の置換弁尖14を有する。
【0019】
少なくとも一実施形態において、ポスト16はそれぞれ、関連付けられたバックル18の対応するロック要素とロックされるように構成されるロック要素を有する。アンカ要素12が
図1Bに示すように折り畳まれた構成にある場合、ポスト16のロック要素はそれぞれ、ロックされるように構成されるバックル18のロック要素に対して基端側に位置される。
【0020】
図2Aおよび
図2Bは、置換心臓弁10を搬送することに使用可能な搬送システム100およびその構成要素の例示的な実施形態を示す。搬送システム100は、ハンドル120、シース110、シース110とともに配置されるカテーテル108、並びに置換心臓弁10に可逆的に連結される駆動要素106Aおよび106Bを含む。搬送システム100は、さらにガイドワイヤGおよびノーズコーン102を含む。いくつかの実施形態において、カテーテル108は、中央のルーメン109、および複数の周囲に配置されるルーメンLuを有する。
図2Aにおいて、置換心臓弁10は、搬送システム100のシース110内において折り畳まれた搬送構成(
図1Bにも示す)にある。
図2Bにおいて、例示的な搬送システム100は、置換心臓弁に可逆的に連結される。また、置換心臓弁は、展開しロックされた構成にある。特に、複数の駆動要素106Aは、図示のように、可逆的な連結機構によってアンカ要素12の基端側領域に可逆的に連結される。駆動要素106B、可逆的な連結機構を介してアンカ要素の基端よりも先端側で置換心臓弁の領域に可逆的に連結される。
【0021】
図示の実施形態において、アンカ要素は、ニチノールのような編み組みした材料からなり、材料の1本以上のより糸から形成される。少なくとも一実施形態において、アンカ要素12は、形状記憶材料から形成され、アンカ要素が搬送システムのシースから展開すると、編み組みが、折り畳まれた搬送構成から静止した構成または部分的に拡張した構成に自然に短くなり始めるとともに自己拡張するように、静止した構成に熱処理される。これは、米国特許出願公開第2005/0137686号明細書および第2005/0143809号明細書により詳細に開示され、これらはその全体がここに開示されたものとする。アンカ要素12が静止した(部分的に展開した)構成に拡張されると、患者の体外に位置されたハンドルのアクチュエータを介してアクチュエータ106Aおよび106Bのうちの少なくとも1つが駆動される。アクチュエータは、少なくとも米国特許出願公開第2005/0137686号明細書および2005/0143809号明細書により詳細に開示され、その全体がここに開示されたものとする。アクチュエータ106Bは、駆動要素106Aに対して基端側の方向に駆動可能であり、これはアンカ要素の先端側領域に基端側に配向された力を作用させる。アクチュエータ106Aは、基端側に配向された力に代えて、あるいはこれに付加的に、先端側の方向に駆動可能であり、これはアンカ要素12の基端側領域に先端側に配向された力を作用させる。軸方向に配向された力により、アンカ要素は動的に短縮され、ポスト16およびバックル18が一体的にロックしてアンカ要素を完全に展開しロックした位置にロックするまで、ポスト16は、バックル18に対してより近傍に移動される。したがって、ロックされた構成におけるアンカ要素12は、アンカ要素12が部分的に展開した構成にあるときよりも短い。
【0022】
上記のものは、例示的な置換心臓弁を通常開示する。上記弁、並びに搬送、展開、ロック、再配置、および解除工程の様々な態様の詳細を含む置換心臓弁の本実施形態および同様の実施形態の付加的な詳細は、少なくとも米国特許第7329279号明細書、第7381219号明細書、第7445631号明細書、第7748389号明細書、第7780725号明細書、第7824442号明細書、第7824443号明細書、米国特許出願公開第2005/0112355号明細書、第2005/0137686号明細書、第2005/0137687号明細書、第2005/0137688号明細書、第2005/0137689号明細書、第2005/0137691号明細書、第2005/0137692号明細書、第2005/0137694号明細書、第2005/0137695号明細書、第2005/0137696号明細書、第2005/0137697号明細書、第2005/0137701号明細書、第2005/0143809号明細書、第2006/0058872号明細書、第2006/0173524号明細書、第2006/0253191号明細書、第2007/0010876号明細書、第2007/0024452号明細書、第2007/0112355号明細書、第2007/0118214号明細書、第2007/0162107号明細書、第2007/0203503号明細書、第2008/0125859号明細書、第2008/0234814号明細書、第2009/0076598号明細書、第2009/0054969号明細書、第2009/0264997号明細書、第2010/0121434号明細書、第2010/0280495号明細書、並びに国際公開第2005/062980号明細書、第2005/065585号明細書、第2006/009690号明細書、第2007/053243号明細書、第2007/058847号明細書に開示され、これらはその全体がここに開示されたものとする。
【0023】
図3は、
図1Aおよび
図2Aに示す折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素12を備えた、置換心臓弁10を示す断面図である。重要なことには、
図3に示すように、公知のバックル18は、平坦な外側表面30を有する。図示のように、折り畳まれた搬送構成にあるときに、バックル18は、いくつかの場合において、バックル18が互いに接するようなこの構成において望ましくなく衝撃を受ける。図示のように、バックル18は等間隔に配置されるものではない。図示のように、少なくとも1つのバックル18の端部40は、隣接するバックル18の内側表面42に接する。バックル間が等間隔ではなく、かつバックル同士が接触することにより、拡張可能なアンカ要素12の搬送プロフィールに歪みが生じ、カテーテル108が適切に機能する性能が阻害される。少なくとも一実施形態において、バックル18同士が接触することにより、ガイドワイヤや他の構造体が、装置10内に容易に挿入されることが防止される。少なくとも一実施形態において、装置の搬送プロフィールは、バックル間が等間隔でないこと、およびバックル間が接触することにより予測不能である。同様に、公知のポスト(図示しない)は、平坦な外側表面を有し、折り畳まれた搬送構成にある場合に、バックル18がこの構造体において望ましくなく衝撃を受け、これにより搬送プロフィールに歪みが生じ、ガイドワイヤや他の構造体が装置10内に容易に挿入される性能が阻害される。
【0024】
ここに開示される新規なバックルおよび/またはポストは、公知の構造体に関して上述した課題を修正する。
図4Aおよび
図4Bは、本発明の改善されたバックル218を示す。バックル218は、プレート222に連結される歯220を含む。歯220およびプレート222は、チャネル224を形成する。少なくとも一実施形態において、歯220は、プレート222に枢動自在に係合する。少なくとも一実施形態において、歯220は、プレートの第1の端部254の近傍のプレートに取り付けられる。上述したように、完全に展開した構成にアンカ要素(図示しない)をロックするために、ポスト(図示しない)は、歯220およびチャネル224と係合、および/または係合解除可能である。この係合および/または係合解除の一例は、米国特許出願公開第2010/0280495号明細書に開示され、その全体がここに開示されたものとする。少なくとも一実施形態において、タブ拡張部230は、プレート222の第2の端部252においてプレートから外側に、かつ歯220に対して平行に延びる。タブ拡張部230は、チャネル224と実質的に並べられる溝232を有する。溝232により、駆動部材は、完全に展開した構成にアンカ要素212をロックするかロックを解除するように、バックルと係合可能である。
【0025】
少なくとも図示の実施形態において、プレート222は、内側表面242、外側表面244、およびこれらの間の厚み部分を有する。歯220は、プレート22の内側表面242に取り付けられており、これを中心として枢動自在である。プレート222は、第1の側部246および第2の側部248を有する。
図4Bに最も明瞭に示すように、外側表面244は、側部246から側部248まで湾曲される。少なくとも図示の実施形態において、外側表面244は単一の凸曲面であるが、別例において、湾曲面が凹面に湾曲されるか、複数の湾曲部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、外側表面244よりむしろ内側表面242が湾曲される。少なくとも一実施形態において、内側表面242および外側表面244の両者が湾曲される。
【0026】
少なくとも一実施形態において、外側表面244は、完全に展開した構成におけるアンカ要素212と同じ曲率半径を有する。一実施形態において、外側表面244は、折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素212と同じ曲率半径を有する。
【0027】
好ましい実施形態において、外側表面244の曲率半径は、折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素212の曲率半径と、完全に展開した構成におけるアンカ要素212の曲率半径との間にある。少なくとも一実施形態において、バックルの外側表面の曲率半径は、折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素212の曲率半径、および完全に展開した構成におけるアンカ要素212の曲率半径の加重平均である。少なくとも一実施形態において、加重平均は次の方程式によって決定される:rバックル=x(r展開)+(1−x)(r折り畳まれた)、(xは重み係数)。一実施形態において、重み係数は、約0.10乃至0.35である。一実施形態において、重み係数は、約0.25乃至0.26である。
【0028】
少なくとも一実施形態において、バックルの湾曲した外側表面244は、折り畳まれた構成におけるアンカ要素212の内側表面の周囲の約10%乃至約30%のアーク長を有する。好ましくは、アーク長は約20%乃至約25%である。少なくとも一実施形態において、バックルの湾曲した外側表面244は、展開した構成におけるアンカ要素212の内側表面の周囲の約1%乃至約10%のアーク長を有する。好ましくは、アーク長は約3%乃至約7%である。
【0029】
少なくとも
図5および
図6に示すように、湾曲面により、新規なバックル218は、少なくとも折り畳まれた構成において少なくとも略等間隔に配置可能である。望ましくは、バックル218は、折り畳まれた構成、静止構成、および完全に展開した構成の各々において、等間隔に配置される。「略等間隔に」は、構成のうちの1つにおいて、隣接したバックル218間の間隔間における約0%乃至約5%の差異として定義される。付加的に、新規なバックル218により、生体内で十分な弁耐久性を備えるようにバックル−アンカ間がより堅固に固定される。
【0030】
図5に示す少なくとも一実施形態において、歯220はガイドワイヤアセンブリ300と接触しない。別例において、歯220は接線でガイドワイヤアセンブリ300と接触する。歯220あるいは内側表面242が湾曲するいくつかの実施形態において、歯220あるいは内側表面242の一部は、ガイドワイヤアセンブリ300と接触する。
【0031】
バックルは単一の湾曲部を備えた外側表面を有するものとして上述したが、バックルは、多数の湾曲部を備えた外側表面、傾斜した外側表面、あるいはステントの内側表面外形と整合する外形を備えた外側表面を有してもよい。
【0032】
上述したように、ポストは湾曲面をさらに有してもよい。
図7Aに示すように、ポスト216は、内側表面262、外側表面264、およびこれらの間の厚み部分を有する。歯220は、プレート22の内側表面242に取り付けられ、これを中心として枢動自在である。ポスト216は、基端(図示しない)および先端(図示しない)、並びに第1の側部266および第2の側部268を有する。外側表面264は、側部266から側部268に湾曲する。少なくとも図示の実施形態において、外側表面264は単一の凸曲面であるが、別例において、湾曲面が凹面に湾曲されるか、複数の湾曲部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、外側表面264よりむしろ内側表面262が、湾曲される。少なくとも一実施形態において、内側表面262および外側表面264の両者が湾曲される。少なくとも一実施形態において、ポストの外側表面が湾曲される場合、ポストの外側表面がバックルと好適に係合するように、バックルの内側表面は同様に湾曲される。
図7Bに示す一実施形態において、ポストは、1つや2つのみの湾曲面262および264よりむしろ円形の断面を有する。少なくとも一実施形態において、少なくとも関連付けられるバックルの歯230の溝232も、同様にポストの外側表面に湾曲される。
【0033】
少なくとも一実施形態において、外側表面264は、完全に展開した構成におけるアンカ要素212と同じ曲率半径を有する。一実施形態において、外側表面264は、折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素212と同じ曲率半径を有する。少なくとも一実施形態において、外側表面264は、バックル218の外側表面244と同じ曲率半径を有する。少なくとも一実施形態において、
図5に示すように、側部266および268は折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素212と接触する。別例において、側部266および268は、折り畳まれた搬送構成におけるアンカ要素212に接触する。
【0034】
ポストの湾曲した外側表面264により、新規なポスト216は、少なくとも折り畳まれた構成において、等間隔に配置可能である。望ましくは、ポスト216は、折り畳まれた構成、静止構成、および完全に展開した構成の各々において、略等間隔に配置される。「略等間隔に」は、構成のうちの1つにおいて、隣接したポスト216間の間隔間における約0%乃至約5%の差異として定義される。
図7に示す少なくとも一実施形態において、ポスト216はガイドワイヤアセンブリ300と接触しない。別例において、内側表面262は接線でガイドワイヤアセンブリ300と接触する。内側表面262が湾曲されるいくつかの実施形態において、湾曲した内側表面262の一部はガイドワイヤアセンブリ300と接触する。
【0035】
少なくとも一実施形態において、ポストの湾曲した外側表面264は、折り畳まれた構成におけるアンカ要素212の内側表面の周囲の約3%乃至約30%のアーク長を有する。好ましくは、アーク長は約5%乃至約15%である。少なくとも一実施形態において、ポストの湾曲した外側表面264は、展開した構成におけるアンカ要素212の内側表面の周囲の約1%乃至約5%のアーク長を有する。好ましくは、アーク長は約2%乃至約3%である。
【0036】
図4Aおよび
図4Bを参照して、少なくとも図示の実施形態において、複数の孔250は、内側表面242と外側表面244との間の厚み部分全体を延在する。孔250は、円形貫通孔250a、スロット孔250b、角度をなす孔(図示しない)、および他の好適な孔を含む。
図4Aおよび
図4Bに示す実施形態において、バックル218は、2つの円形貫通孔250aおよび2つのスロット孔250bを2組有する。
【0037】
図4Aに示すように、スロット孔250bはそれぞれ、プレートの対応する端部246および248の近傍の1組の対応する貫通孔250aに並べられる。スロット孔250bは、プレート222の第2の端部252近傍に位置されるが、貫通孔250aのうちの少なくとも1つは、プレートの第1の端部254近傍に位置される。
図4Bに示すように、スロット孔250bは、プレートの中央部に位置されるとともにプレートの頂部近傍に並べられるが、2組の貫通孔250aは、プレートの対応する端部に位置されるとともにプレートの底部近傍に並べられる。後述するように、これらの孔250は、アンカ要素212にバックル218を取り付けることに使用される。
【0038】
図8および
図9に示すように、バックルは、アンカ要素212の所定の位置でアンカ要素212に取り付けられる。アンカ要素212が編み組みしたアンカ要素である場合に、
図9に示すように、バックル218の中央部は、編み組みしたアンカ要素のフィラメントの交差部に位置される。バックル218は、
図10A乃至10Hに示す例示的な方法を使用して、取り付け部材270(糸状の部材、縫合糸や他の同様の部材等)によりアンカ要素212に続いて取り付けられる。取り付け部材270は、金属およびポリマからなる群から選択される材料から形成されるワイヤ、糸、ストリング、あるいは縫合糸である。少なくとも一実施形態において、取り付け部材は、治療用コーティングを含むがこれに限定されないコーティングで覆われる。アンカ要素212にバックル218を取り付ける他の方法が、本発明によって考えられる。下記の方法も、湾曲面がないバックルで使用可能である。
【0039】
少なくとも一実施形態において、バックルは、複数の孔250に取り付け部材270を通すことにより、アンカ要素212に取り付けられる。一実施形態において、複数の孔250に取り付け部材270を通す工程は、次の工程を含む。
(i)プレートの湾曲した外側表面からの第1の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(ii)プレートの内側表面から第3の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(iii)プレートの湾曲した外側表面から第2の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(iv)プレートの内側表面から第3の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(v)プレートの湾曲した外側表面から第1の孔に糸状の部材を挿入する工程、および
(vi)プレートの内側表面から第2の孔に糸状の部材を挿入する工程。
【0040】
いくつかの実施形態において、工程(i)乃至(vi)は、繰り返される。一実施形態において、複数の孔に糸状の部材を通す工程は、さらに次の工程を含む。
(vii)プレートの湾曲した外側表面から第6の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(viii)プレートの内側表面から第4の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(ix)プレートの湾曲した外側表面から第5の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(x)プレートの内側表面から第4の孔に糸状の部材を挿入する工程、
(xi)プレートの湾曲した外側表面から第6の孔に糸状の部材を挿入する工程、および
(xii)プレートの内側表面から第5の孔に糸状の部材を挿入する工程。
【0041】
いくつかの実施形態において、工程(vii)乃至(xii)は、さらに繰り返される。
図
10A乃至図
10Hに示すように、バックル218は、一端部246近傍に3つの貫通孔250を有し、他端部248近傍に3つの貫通孔250を有する(方法は貫通孔を使用するものとして開示されるが、いくつかの実施形態において、方法は他の孔の構造体で使用されてもよい)。容易に図示するために、貫通孔は、左下隅部から時計回りに250−1乃至250−6として参照符号を付与される。図
10Aに示すように、バックル218の外側表面244から、取り付け部材270は、孔250−1に進入し、続いて第1の一針を形成するために孔250−3を通過する。各「一針」(取り付け部材270が1つの孔を出て、別の孔に進入することによる)については、取り付け部材270は、バックルの内側表面と歯との間を移動し、次の孔の周囲でループし(図
10Aに点線で示すように)、あるいは、一針は、孔間の最短距離を使用して(裁縫で使用される返し針と同様の)形成されてもよい。
【0042】
少なくとも一実施形態において、取り付け部材270は、編み組みしたアンカ要素212の少なくとも1本のフィラメントを覆う。取り付け部材270は、続いて第2の一針を形成するために外側表面244から孔250−2に進入する。図
10Bに示すように、取り付け部材270は、孔250−2を出て、孔250−3を通過する。取り付け部材は、編み組みしたアンカ要素212の少なくとも2本のフィラメントを覆い、再び孔250−1に進入する。取り付け部材270は、続いて孔250−2を通過する。図
10Cに示すように、取り付け部材270は、孔250−2を出て、編み組みしたアンカ要素212の少なくとも1本のフィラメントを覆い、孔250−1に進入する。取り付け部材は、続いて再び孔250−3を通過し、編み組みしたアンカ要素の少なくとも1本のフィラメントを覆い、再び孔250−2に入る。図
10Dに示すように、孔250−2を出た後に、取り付け部材270は孔250−3を通過し、編み組みしたアンカ要素212の少なくとも2本のフィラメントを覆い、再び孔250−1に進入する。取り付け部材270は続いて孔250−2を通過する。図
10Eに示すように、取り付け部材270は、編み組みしたアンカ要素212の少なくとも1本のフィラメントを覆い、バックル218の反対端の孔250−6に進入する。取り付け部材270は続いて孔250−4を通過する。取り付け部材270は、続いて編み組みしたアンカ要素212の少なくとも1本のフィラメントを覆い、外側表面244から孔250−5に進入する。図
10Fに示すように、取り付け部材270は続いて孔250−4を通過し、交差部で編み組みしたアンカ要素212の2本のフィラメントに巻き付けられ、再び孔250−6に進入する。取り付け部材270は続いて孔250−5を通過する。図
10Gに示すように、取り付け部材270は孔250−5を出て、少なくとも1本のフィラメントを覆い、孔250−6に進入する。取り付け部材は続いて再び孔250−4を通過し、少なくとも1本のフィラメントを覆い、再び孔250−5に進入する。図
10Hに示すように、取り付け部材270は孔250−4を通過し、少なくとも2本のフィラメントを覆い、再び孔250−6に進入する。取り付け部材は、続いて最後に孔250−5を通過する。
【0043】
上記のものは6つの孔の所定の孔の構成に関して上述したが、方法は、より多数または少数の孔を備えたバックルに応用可能である。例えば、方法は次の工程を含む。
(i)プレートの湾曲した外側表面から第1の孔に取り付け部材を挿入する工程、
(ii)プレートの内側表面から第2の孔に取り付け部材を挿入する工程、
(iii)第1の孔と第2の孔との間の1つの孔に、プレートの湾曲した外側表面から取り付け部材を挿入する工程、
(iv)プレートの内側表面から第2の孔に取り付け部材を挿入する工程、
(v)プレートの湾曲した外側表面から第1の孔に取り付け部材を挿入する工程、および
(vi)第1の孔と第2の孔との間の1つの孔にプレートの内側表面から取り付け部材を挿入する工程。
【0044】
いくつかの実施形態において、工程(i)乃至(vi)は繰り返される。
少なくとも一実施形態において、複数の孔に取り付け部材を通す工程はさらに次の工程を含む。
(vii)プレートの湾曲した外側表面から第3の孔に取り付け部材を挿入する工程であって、第3の孔は、第1の孔とは歯の反対側にある工程、
(viii)プレートの内側表面から第4の孔に取り付け部材を挿入する工程であって、第
4の孔は、第1の孔とは歯の反対側にある工程、
(ix)第3の孔と第4の孔との間の1つの孔にプレートの湾曲した外側表面から取り付け部材を挿入する工程、
(x)プレートの内側表面から第4の孔に取り付け部材を挿入する工程、
(xi)プレートの湾曲した外側表面から第3の孔に取り付け部材を挿入する工程、および
(xii)第3の孔と第4の孔との間の1つの孔にプレートの内側表面から取り付け部材を挿入する工程。
【0045】
いくつかの実施形態において、工程(vii)乃至(xii)も繰り返される。
取り付け部材270を固定するために、取り付け部材の両端部は引き結びで結ばれた後にこま結びで結ばれる。好ましくは、結び目はバックル218の底部254に向かって終端する。いくつかの実施形態において、熱処理が取り付け部材270の少なくとも一部分に応用されてもよい。これは、結び目を含んでもよいし、含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、コーティングが取り付け部材270の少なくとも一部分に応用されてもよい。これは、結び目を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0046】
ここに示す図は、プレートの湾曲した外側表面のみを示すが、少なくとも一実施形態において、プレートの内側表面も湾曲される。少なくとも一実施形態において、外側表面の曲率半径は、内側表面の曲率半径と同じである。一実施形態において、歯は、第1の表面、および第1の表面に平行な第2の表面を有し、第1の表面はプレートの内側表面に隣接する。少なくとも一実施形態において、歯の第2の表面はさらに曲率半径を備えた湾曲面を有する。一実施形態において、歯の第2の表面の曲率半径は、歯の外側表面の曲率半径と同じである。一実施形態において、歯の第2の表面の曲率半径は、歯の外側表面の曲率半径と同じである。
【0047】
上記の開示は、例示的なものであり、網羅的なものではないことが意図される。本明細書は、当業者に対して多くの変更および選択肢を示唆するであろう。これらの選択肢および変更はすべて、特許請求の範囲内に含まれるように意図され、用語「備える」は、「含むが、これに限定されるものではない」を意味する。当業者は、ここに開示される所定の実施形態の他の均等物も特許請求の範囲に包含されるように意図されるものと認識するであろう。さらに、従属項に示す所定の特徴は、本発明が従属項の特徴の任意の他の組み合わせを有する別例を特に示すものと認識されるように、特許請求の範囲内において他の方法で相互に組み合わせ可能である。例えば、請求項の開示の目的のために、多項従属形式が管轄区内において受け入れられる形式である場合は、任意の従属項は、その従属項において参照されるすべての先行語を有するすべての前の請求項から多項従属形式に書き換えられる(例、原請求項1から直接従属する各請求項は、これに代えてすべての前の請求項から従属するものとされる)。多項従属形式が制限される管轄区において、後述する従属項はそれぞれ、1つの従属項形式に書き換えられるものとされ、これは、下記請求項に示す所定の請求項以外の先行する請求項からの従属をなす(例、原請求項3は、これに代えて原請求項2に従属するとされ、原請求項4は、これに代えて原請求項2に従属するか原請求項3に従属するものとされ、原請求項6は、これに代えて原請求項5に従属するものとされる等。)。
【0048】
これにより、本発明の好ましい実施形態および代替的な実施形態の開示を終える。当業者は、ここに開示される所定の実施形態の他の均等物を認識し、これらの均等物は、添付の特許請求の範囲に包含されるように意図される。
【0049】
このPCT出願は、2012年5月9日に出願された米国特許出願第61/644,673号から優先権を主張し、これはその全体がここに開示されたものとする。