(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957718
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】マルチコア・マルチモードファイバ結合装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20160714BHJP
G02B 6/14 20060101ALI20160714BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/14
G02B6/32
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-90704(P2014-90704)
(22)【出願日】2014年4月24日
(65)【公開番号】特開2015-210339(P2015-210339A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2016年2月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(73)【特許権者】
【識別番号】501392361
【氏名又は名称】株式会社 オプトクエスト
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】淡路 祥成
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲也
(72)【発明者】
【氏名】高畠 武敏
【審査官】
林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−182222(JP,A)
【文献】
特表2014−503081(JP,A)
【文献】
Werner Klaus, 他,”空間多重(SDM)光ネットワークの要素技術”,電子情報通信学会2014年総合大会講演論文集,2014年 3月,通信講演論文集2,SS-5 - SS-6
【文献】
R.Ryf, et al.,"Mode-Division Multiplexing Over 96 km of Few-Mode Fiber Using Coherent 6 x 6 MIMO Processing",Lightwave Technology, Journal of,2011年11月 9日,Vol. 30, No. 4,p.521 - 531
【文献】
R.Ryf. et al.,"Low-loss mode coupler for mode-multiplexed transmission in few-mode fiber",Optical Fiber Communication Conference and Exposition (OFC/NFOEC), 2012 and the National Fiber Optic,2012年 3月 4日,p.1-3
【文献】
Y. Tottori, et al.,"Integrated optical connection module for 7-coremulti-core fiber and 7 single mode fibers",Photonics Society Summer Topical Meeting Series, 2013 IEEE,2013年 7月 8日,p.82-83
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/04
G02B 6/26
G02B 6/14
G02B 6/32
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のファイバ群(11)と,
第1のファイバ群(11)からの出射光群を集光する第1の集光系(13)と,
第1の集光系(13)にて集光された第1のファイバ群(11)からの出射光群のモードを第1のモードに変換する第1のモード変換器(15)と,
第2のファイバ群(21)と,
第2のファイバ群(21)からの出射光群を集光する第2の集光系(23)と,
第1のモード変換器(15)からの出射光群及び第2の集光系(23)からの出射光群を合波してマルチコアファイバ(31)へ導くマルチコアファイバ用空間結合系(33)と,を有し,
第1のモード変換器(15)は,第1のファイバ群(11)からの出射光群のモードを,第2のファイバ群(21)からの出射光群のモードとは異なる第1のモードに変換する
マルチコア・マルチモードファイバ結合装置。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチコア・マルチモードファイバ結合装置であって,
第1のモード変換器(15)は,第1の集光系(13)によって前記第1のファイバ群(11)からの出射光群が一致した位置に設置されたフェーズプレートである
マルチコア・マルチモードファイバ結合装置。
【請求項3】
請求項1に記載のマルチコア・マルチモードファイバ結合装置であって,
第3のファイバ群(41)と,
第3のファイバ群(41)からの出射光群を集光する第3の集光系(43)と,
第3の集光系(43)にて集光された第3のファイバ群(41)からの出射光群の第2のモードにモードを変換する第3のモード変換器(45)と,をさらに有し,
前記マルチコアファイバ用空間結合系(33)は,第1のモード変換器(15)からの出射光群,第2の集光系(23)からの出射光群,及び第3のモード変換器(45)からの出射光群を合波して,前記マルチコアファイバ(31)へ導くものであり,
第3のモード変換器(45)は,第3のファイバ群(41)からの出射光群のモードを,第1のモード及び第2のファイバ群(21)からの出射光群のモードとは異なる第3のモードに変換する
マルチコア・マルチモードファイバ結合装置。
【請求項4】
第1のファイバ群(11)から出射光群が出射する工程と,
第1のファイバ群(11)からの前記出射光群が第1の集光系(13)により集光される工程と,
第1の集光系(13)にて集光された第1のファイバ群(11)からの出射光群が,第1のモード変換器(15)により第1のモードにモード変換される工程と,
第2のファイバ群(21)から出射光群が出射する工程と,
第2のファイバ群(21)からの前記出射光群が第2の集光系(23)により集光される工程と,
第1のモード変換器(15)からの出射光群及び第2の集光系(23)からの出射光群が,マルチコアファイバ用空間結合系(33)により合波されてマルチコアファイバ(31)へ導かれる工程と,を含み,
第1のモード変換器(15)は,第1のファイバ群(11)からの出射光群のモードを,第2のファイバ群(21)からの出射光群のモードとは異なる第1のモードに変換する
マルチコア・マルチモードファイバ結合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,複数のファイバからのシングルモードの光を一括して高次モードに変換することで,複数のシングルモードファイバとマルチコア・マルチモードファイバとを効果的に結合できるマルチコア・マルチモードファイバ結合装置や,その装置を用いた複数の光ファイバとマルチコア・マルチモードファイバとの結合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,光ファイバの伝送量限界が問題となっており,この問題を解決するため,空間分割多重(SDM)の研究が盛んになされている。このため,1本のファイバに複数のコアを持つマルチコアファイバや,1つのコアに複数の伝搬モードを伝送できるマルチモードファイバも研究対象とされている。
【0003】
特開2013−182222号公報(下記特許文献1)には,マルチコアファイバ結合装置が開示されている。このマルチコアファイバ結合装置は,複数のシングルモードファイバと,マルチコアファイバとを結合するものである。
【0004】
非特許文献1には,バンドルファイバをテーパ状に引き延ばし,7コアのマルチコアファイバとシングルモードファイバを結合させる技術が開示されている。この技術は,複数本のシングルモードファイバを束ねて引き延ばし,マルチコアファイバと融着接合するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−182222号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】B.Zhu,et.al“Space−,Wavelength−,Polarization−Division Multiplexed Transmission of 56−Tb/s over a 76.8−km Seven−Core Fiber,”in Optical Fiber Communication Conference, OSA Technical Digest (CD)(Optical Society of America, 2011), paper PDPB7.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のとおり,光ファイバの伝送量限界が問題とされる。このため,多くの情報を伝送することができるマルチコア・マルチモードファイバ結合装置の開発及びその装置を用いたマルチコア・マルチモードファイバ結合方法の提案が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は,基本的には,複数のマルチコア結合器からの出射光を光結合器(光モード合波器)を用いて,モード合波することで,マルチコア・マルチモードファイバ結合が可能となるという知見に基づくものである。
【0009】
本発明は,マルチコア・マルチモードファイバ結合装置に関する。この装置は,第1のファイバ群11と,第1の集光系13と,第1のモード変換器15と,第2のファイバ群21と,第2の集光系23と,マルチコアファイバ用空間結合系33とを有する。第1のモード変換器15にて,第1のファイバ群11からの光を一括してモード変換する。マルチコアファイバ用空間結合系33は,モード変換された第1のファイバ群11由来の光と第2のファイバ群21由来の光とを合波しマルチコアファイバ31へ伝える。
【0010】
第1の集光系13は,第1のファイバ群11からの出射光群を集光するための光学系である。第1のモード変換器15は,第1の集光系13にて集光された第1のファイバ群11からの出射光群のモードを第1のモードに変換するための光学機器である。第2の集光系23は,第2のファイバ群21からの出射光群を集光するための光学系である。
【0011】
マルチコアファイバ用空間結合系33は,第1のモード変換器15からの出射光群及び第2の集光系23からの出射光群を合波しマルチコアファイバ31へ導くための光学系である。
【0012】
第1のモードが基底モードである場合,第1の集光系13に光ファイバ内の伝搬モードに合わせて空間光における隣り合う強度の位相差をπ(180°)にする分布を与える第一のモード変換器15を通過することで高次のモードに変換することができる。本発明のマルチコア・マルチモードファイバ結合装置は,第1のファイバ群11からの複数の出射光を,第1のモード変換器15に光束を集めることで一括してモード変換する。第1のモード変換器15は,第1の集光系13によって第1のファイバ群11からの出射光群が一致した位置に設置されたフェーズプレートであるものが好ましい。この位置は,後述するように,最適なモード変換効率を実現するための位置でもある。
【0013】
このマルチコア・マルチモードファイバ結合装置のうち好ましい例は,第3のファイバ群41と,第3の集光系43と,第3のモード変換器45とをさらに有するものである。第3の集光系43は,第3のファイバ群41からの出射光群を集光するための光学系である。第3のモード変換器45は,第3の集光系43にて集光された第3のファイバ群41からの出射光群の第2のモードにモードを変換するための光学機器である。
【0014】
この例の場合,マルチコアファイバ用空間結合系33は,第1のモード変換器15からの出射光群,第2の集光系23からの出射光群,及び第3のモード変換器45からの出射光群を,前記マルチコアファイバ31へ導く。
【0015】
本発明は,上記したマルチコア・マルチモードファイバ結合装置を用いたマルチコア・マルチモードファイバ結合方法をも提供する。この方法は,以下の工程を含む。
【0016】
第1のファイバ群11から出射光群が出射する。第1のファイバ群11からの前記出射光群が第1の集光系13により集光される。第1の集光系13にて集光された第1のファイバ群11からの出射光群が,第1のモード変換器15により第1のモードにモード変換される。
【0017】
第2のファイバ群21から出射光群が出射する。第2のファイバ群21からの前記出射光群が第2の集光系23により集光される。第1のモード変換器15からの出射光群及び第2の集光系23からの出射光群が,マルチコアファイバ用空間結合系33により,マルチコアファイバ31へ導かれる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば,複数のマルチコア結合器と光結合器(光モード合波器)により,マルチコア・マルチモードファイバ結合装置を得ることができるため,少ない部品数で,マルチコア・マルチモードファイバ結合を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は,マルチコア・マルチモードファイバ結合装置の基本構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は,モード変換器の例を説明するための図である。
【
図3】
図3は,マルチコア・マルチモードファイバ結合装置の好ましい例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0021】
本発明は,マルチコア・マルチモードファイバ結合装置に関する。マルチコア・マルチモードファイバ結合装置は,複数の光源からの光をマルチコア・マルチモードファイバと結合するものである。すなわち,ひとつの光ファイバに複数のコアを有するマルチコアファイバのそれぞれのコアに,複数の高次モードを含むマルチモード化した光を導く装置をいう。マルチコアファイバに含まれる全てのコアが光情報通信用に用いられる必要はなく,例えば,中心コアや周囲のコアのいずれかが,検波用に用いられ,適宜フィードバックがとられていてもよい。
【0022】
図1は,本発明のマルチコア・マルチモードファイバ結合装置の基本構成例を示すブロック図である。
図1に示されるように,この装置は,第1のファイバ群11と,第1の集光系13と,第1のモード変換器15と,第2のファイバ群21と,第2の集光系23と,マルチコアファイバ用空間結合系33とを有する。
【0023】
第1のファイバ群11は,空間的に離れた位置に設けられた2以上の光ファイバの群れを意味する。第1のファイバ群を構成する光ファイバの例は,シングルモードファイバである。
【0024】
第1の集光系13は,第1のファイバ群11からの出射光群を集光するための光学系である。第1の集光系13の例は,第1のファイバ群11からの複数の出射光を第1のモード変換器15(例えばフェーズプレート)へ導くためのプリズムやミラーである。第1の集光系13がミラーの場合,空間的に離れて存在する複数の光ファイバからの光が,波長板の所定の位置に到達するように,光路を調整する。このようにして,第1のファイバ群11からの複数の光が,第1の集光系13により,第1のモード変換器15の所定の位置に導かれる。しかしながら第1の集光系13によらず第1のモード変換器15の所定の位置に導くことが可能な構成の場合は必ずしも第1の集光系13を用いなくてもよい。
【0025】
第1のモード変換器15は,第1の集光系13にて集光された第1のファイバ群11からの出射光群のモードを第1のモードに変換するための光学機器である。第1のモード変換器15の例は,フェーズプレートである。第1のモード変換器15は,第1の集光系13によって第1のファイバ群11からの出射光群が一致した位置に設置されたフェーズプレートであるものが好ましい。第1のモード変換器15において,第1のファイバ群11からの出射光群に含まれる光を一括してモード変換することで,容易にマルチコア・マルチモードファイバ結合を達成できる。
【0026】
モード変換器は,例えば特開2009−047784号公報や,特開2010−122688号公報に開示されたとおり,公知である。モード変換器は,基底モードの光を高次モードの光に変換できる。第1のファイバからの出力は,通常基本(基底)モード(TEM
00)である。この基底モードの光が第1のモード変換器15において適宜モード変換される。モード変換後のモードの例は,1次モード(TEM
01又はTEM
10)である。これら以外のモード(例えば,TEM
11又はTEM
02)を用いることもできる。一方,例えば,マルチコア・マルチモードファイバに到達する第1のモード変換器15からの出力光群は,他の光群とモードが異なっていることが好ましい。
【0027】
例えば,3種類の光群がマルチコア・マルチモードファイバに入力される場合,基底モード(例えば,シングルモードファイバからの出力をモード変換しない場合)と,TEM
01及びTEM
10モードの3つのモードを採用することが好ましい。モードは,マルチコア・マルチモードファイバに導入され,受信器側のマルチコア・マルチモードファイバにおいて,公知の手段を用いて分離できるものであればどのモードを採用しても構わない。
【0028】
このマルチコア・マルチモードファイバ結合装置のうち好ましい例は,第1の集光系13によって第1のモード変換器15の所定の位置に光束が集められたものである。
図2は,モード変換器の例を説明するための図である。
図2に示されるように,このフェーズプレート16は,光ファイバ内の伝搬モードに合わせて空間光における隣り合う強度の位相差をπ(180°)にするために,光ファイバ内の伝搬モードに合わせて空間光における隣り合う強度分布に特定の屈折率をもった透明媒質を配置し,その波長における位相差相当の物理的な光路差を与えることを示している。本図では厚さが薄い部分17と厚さが厚い部分18で,それぞれに均等に照射されるよう配置された光19は,光路長が異なるため,モード変換が行われる。モード変換器の構成は,上記に限定されない。しかし,この方法を用いれば,シングルモードファイバからの基底モードの光の進行方向を光学系で調整することで,これらの複数の基底モードの光を一括して容易にモード変換できる。
【0029】
通常マルチコアファイバは,中心のコアから対称な位置に複数のコアを有する。そしてフェーズプレートは,通常厚さが薄い部分17と厚さが厚い部分18との境が直線状に存在する。本発明は,この境に一度集まったファイバからの光を,マルチコアのそれぞれのコアへと導く。
【0030】
第2の集光系23は,第2のファイバ群21からの出射光群を集光するための光学系である。この例では,第2の集光系23により集光された第2のファイバ群21からの出射光群のモードをモード変換する第2のモード変換器は必須ではない。これは,マルチコア・マルチモードファイバに基底モードの光信号が含まれていても良いためである。一方,第2の集光系23により集光された第2のファイバ群21からの出射光群のモードを第2のモード変換器によりモード変更してもよい。
【0031】
マルチコアファイバ用空間結合系33は,第1のモード変換器15からの出射光群及び第2の集光系23からの出射光群をマルチコアファイバ31へ導くための光学系である。マルチコアファイバ用空間結合系33は,第1のモード変換器15からの出射光群及び第2の集光系23からの出射光群に含まれる複数の光のそれぞれを,マルチコア・マルチモードファイバにおける複数のコアのうち対応するコアへと導く。このような光学系の例は,特開2013−182222号公報に開示されたマルチコアファイバ結合装置における光学系である。
【0032】
マルチコアファイバ用空間結合系33の例は,
図1に示されるように,第1のモード変換器15からの出射光群が入射する第1のリレーレンズ,第1のリレーレンズからの光と,第2の集光系23からの出射光群とをマルチコア・マルチモードファイバへ導くビームスプリッタとを含むものである。ビームスプリッタからの出力は,マルチモードファイバ結合レンズを経て,マルチモードファイバへと伝播し,光群のそれぞれの光は,目的とするコアへと伝播する。リレーレンズは,前方にある光学系で結像された像を,さらに後方に伝達するレンズおよびレンズ系を意味する。リレーレンズにより,マルチビームがフェーズプレートによって変換された既定の高次モードとファイバにおける同次のモードとのサイズの不一致を最適化し,最大の結合効率を得ることができる。
【0033】
このように,第1のモード変換器15において,第1のファイバ群11からの出射光群に含まれる光を一括してモード変換することで,容易にマルチコア・マルチモードファイバ結合を達成できる。
【0034】
マルチコア・マルチモードファイバ31から出射された光は,マルチコアファイバ結合レンズ(マルチコアファイバ分離レンズ)61により分離され,光学系63により複数のファイバへ65と伝えられる。
【0035】
本発明は,上記したマルチコア・マルチモードファイバ結合装置を用いたマルチコア・マルチモードファイバ結合方法をも提供する。この方法は,以下の工程を含む。
【0036】
第1のファイバ群11から出射光群が出射する。第1のファイバ群11からの前記出射光群が第1の集光系13により集光される。第1の集光系13にて集光された第1のファイバ群11からの出射光群が,第1のモード変換器15により第1のモードにモード変換される。
【0037】
第2のファイバ群21から出射光群が出射する。第2のファイバ群21からの前記出射光群が第2の集光系23により集光される。第1のモード変換器15からの出射光群及び第2の集光系23からの出射光群が,マルチコアファイバ用空間結合系33により,マルチコアファイバ31へ導かれる。
【0038】
図3は,マルチコア・マルチモードファイバ結合装置の好ましい例を示すブロック図である。
図3に示される例は,先に挙げたマルチコア・マルチモードファイバ結合装置の構成に加え,第3のファイバ群41と,第3の集光系43と,第3のモード変換器45とをさらに有する。同様の原理を用いることで,さらに多数のモードの光群をマルチコア・マルチモードファイバへ導くことができる。第3の集光系43は,第3のファイバ群41からの出射光群を集光するための光学系である。第3のモード変換器45は,第3の集光系43にて集光された第3のファイバ群41からの出射光群の第2のモードにモードを変換するための光学機器である。第3のファイバ群41,第3の集光系43及び第3のモード変換器45は,それぞれ第1のファイバ群11,第1の集光系13,及び第1のモード変換器15と同様の構成を有する。
【0039】
この例の場合,マルチコアファイバ用空間結合系33は,第1のモード変換器15からの出射光群,第2の集光系23からの出射光群,及び第3のモード変換器45からの出射光群を,前記マルチコアファイバ31へ導く。
【0040】
本発明は,上記したマルチコア・マルチモードファイバ結合装置を用いたマルチコア・マルチモードファイバ結合方法をも提供する。この方法は,以下の工程を含む。
【0041】
第1のファイバ群11から出射光群が出射する。第1のファイバ群11からの前記出射光群が第1の集光系13により集光される。第1の集光系13にて集光された第1のファイバ群11からの出射光群が,第1のモード変換器15により第1のモードにモード変換される。
【0042】
第2のファイバ群21から出射光群が出射する。第2のファイバ群21からの出射光群が第2の集光系23により集光される。
【0043】
第3のファイバ群41から出射光群が出射する。第3のファイバ群41からの出射光群が第3の集光系43により集光される。第3の集光系43にて集光された第3のファイバ群41からの出射光群が,第3のモード変換器45により第2のモード(第2のファイバ群の光が第2のモードにモード変換されている場合は,第3のモード)にモード変換される。第1のモード変換器15からの出射光群,第2の集光系23からの出射光群及び第3のモード変換器45からの出射光群は,マルチコアファイバ用空間結合系33により,マルチコアファイバ31へ導かれる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は,空間分割多重及びマルチコア・マルチモードファイバを用いた光ファイバ通信の分野で利用されうる。
【符号の説明】
【0045】
11・・第1のファイバ群 13・・第1の集光系 15・・第1のモード変換器
21・・第2のファイバ群 23・・第2の集光系
31・・マルチコアファイバ 33・・マルチコアファイバ用空間結合系
41・・第3のファイバ群 43・・第3の集光系 45・・第3のモード変換器
61・・マルチコアファイバ結合レンズ 63・・光学系
65・・ファイバ