(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽光パネルの発電電力及び前記太陽光パネルの発電を補完する他の電力供給源からの電力の供給量を時系列で記憶する電力供給源情報と、前記太陽光パネルの上空の太陽及び雲の画像を時系列で記憶する画像情報とを格納する記憶部と、
入力装置を介して、ある表示対象時点における画面を表示する指示を受け付けた際に、
前記表示対象時点における前記太陽光パネルの発電電力と、
前記表示対象時点における前記太陽光パネルの上空の太陽及び雲の画像と、
前記表示対象時点における前記太陽光パネルの発電電力及び前記他の電力供給源からの電力の供給量が負荷に対して流れて行く状態と、
を併せて表示する画面を出力装置に表示させる制御部と、
を備え、
前記太陽光パネルの発電電力及び他の電力供給源からの電力の供給量は、
過去の実績値及び将来の予測値を含み、
前記表示対象時点は、
過去及び将来の時点を含み、
前記将来の時点の前記雲の画像は、
前記過去の時点の前記雲の画像の位置に基づいて予測された位置にあり、
前記制御部は、
将来における前記太陽光パネルの発電電力、前記雲の動き及び前記他の電力供給源の状態を対照して表示する旨の指示、及び、前記太陽光パネルの発電電力が急変する時点を特定する処理を行う旨の指示をユーザから受け付けると、
前記電力供給源情報を参照して、前記急変する時点を特定し、前記特定した急変する時点における前記太陽光パネルの発電電力及び前記他の電力供給源からの電力の供給量を取得し、
前記取得した太陽光パネルの発電電力及び他の電力供給源からの電力の供給量の和を算出し、
前記画像情報を参照して、前記急変する時点における前記太陽及び前記雲の画像を取得し、
前記算出した和及び前記取得した画像を併せて表示する画面を出力装置に表示させること、
を特徴とする発電量予測結果表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
(本実施形態の前提等)
本実施形態の電力量予測結果表示装置を使用するユーザは、太陽光パネルを含む複数の異種の電力供給源からの電力を使用して、自家用の負荷を稼動している。いま、説明の分かり易さのために、
図1〜4を後回しにして、
図5の太陽光発電量予測画面51の表示領域71を参照する。生産拠点76には電力を消費する負荷(例えば、工作機械、大型コンピュータ等)が格納されている。負荷に対して電力を供給する電力供給源は、
図5の例では3つ存在する。それらは、太陽光パネル74、蓄電池75及び電力会社77(「電力系統」とも呼ぶ)である。なお、
図5等では図示していないが、電力供給源として、ガスタービン発電機75bがあってもかまわない(
図14において、
図5等の表示領域71部分を拡大して記載した)。
【0011】
太陽が雲に隠れていない状態(符号72)においては、太陽光パネル74が、負荷が必要とする電力を単独で供給することができる。
図5では、電力フローバー73、そのなかで点滅する三角形の電力フローサイン78、及び、充放電サイン79a、79bが、以下のことを示している。
・太陽光パネル74が発電した電力は、生産拠点76に供給される。
・太陽光パネル74が発電した電力の一部は、蓄電池75に供給(充電)される。
・電力会社77からの電力供給は停止されている。
【0012】
次に、
図5との比較として、
図7の太陽光発電量予測画面51の表示領域71を参照する。太陽が雲に隠れている状態(符号72)においては、太陽光パネル74が、負荷が必要とする電力を単独で供給することができない。
図7では、電力フローバー73、電力フローサイン78、及び、充放電サイン79a、79bが、以下のことを示している。
・太陽光パネル74が発電した電力は、すべて生産拠点76に供給される。
・太陽光パネル74が発電した電力は、蓄電池75に供給(充電)されない。
・蓄電池75は、生産拠点76に電力を供給(放電)している。
・電力会社77からの電力供給は停止されている。
【0013】
ユーザは、天候の変化を予測しつつ、複数の電力供給源の発停制御を行う。そのためのボタンが、太陽光発電量予測画面51(
図5等)の領域121に表示されている。通常時は、複数の電力供給源の発停は自動制御されている。自動制御されている間は、自動制御ボタン兼ランプ125が点灯している。そして、ユーザは必要時に手動制御を行う。すなわち、詳細は後記するが、ユーザは、どの時点で、どのような濃度の雲が太陽をどれだけ隠し、その結果太陽光パネル74の発電電力がどの程度低下するかを見極める。そして、ユーザは、蓄電池75の放電が必要であると判断すれば、蓄電池制御切替・放電ボタン123bを押下する。この時点で自動制御ボタン兼ランプ125は消灯する。ユーザは、その後放電の必要がなくなったと判断すれば、蓄電池制御切替・充電ボタン123aを押下する。ユーザは、自動制御に戻してもよいと判断すれば、自動制御ボタン兼ランプ125を再度押下する。すると、自動制御ボタン兼ランプ125は再度点灯する。
【0014】
ユーザは、蓄電池75の放電に替えて又は追加してガスタービン発電機75bを稼動させることが必要であると判断すれば、ガスタービン発電・ONボタン124aを押下し、その必要がなくなれば、ガスタービン発電・OFFボタン124bを押下する。太陽光パネル74又は蓄電池75に障害が発生し、その影響を電力系統に波及させたくない場合、緊急系統切断・ONボタン122を押下して、電力系統を自家設備から遮断する。落雷、地震等の自然災害によって、電力会社77の発電設備、送電設備又は受変電設備等が損傷を受ける蓋然性が生じた場合も、ユーザは、緊急系統切断・ONボタン122を押下し、負荷を保護することができる。このような臨機応変の制御を行うことは、特に経験の浅いユーザにとっては、決して容易ではない。経験の豊かなユーザにとっても、将来起こりうる事象を正しく理解することができれば、次の段階を見越した的確な予防的制御を行うことが可能になる。
【0015】
(発電量予測結果表示装置等)
図1に沿って、発電量予測結果表示装置1及びそれに関連する他の装置等を説明する。発電量予測結果表示装置1は、発電量予測装置2に接続されている。発電量予測装置2、画像作成装置3及び電力制御装置5は、ネットワーク8を通じて相互に接続されている。電力制御装置5は、太陽光パネル4(
図5等では符号74)、蓄電池6(
図5等では符号75)、電力系統7(
図5等では符号77及びガスタービン発電機75b)と接続されている。
【0016】
画像作成装置3は、太陽光パネル4の近辺に設置され、カメラ3a及び通信装置3bを有する。カメラ3aは、所定の複数の時点において(例えば5秒周期で)、太陽光パネル4の上空の画像を取得する。カメラ3aは、太陽及び周辺の雲の画像を取得できる程度に画角が広いレンズ(魚眼レンズ、広角レンズ)を有している。通信装置3bは、カメラ3aが取得した画像を時刻情報とともに、発電量予測装置2に送信する。電力制御装置5は、所定の複数の時点において(例えば5秒周期で)、太陽光パネル4の発電電力、蓄電池6の充電電力・放電電力、電力系統7からの受電電力、ガスタービン発電機の発電電力等を取得し、時刻情報とともに、発電量予測装置2に送信する。カメラ3aが画像を取得する時点と、電力制御装置5が発電電力等を取得する時点とは、一致していることが望ましい。さらに、電力制御装置5は、太陽光パネル4の発電電力を太陽光パネル4の受光面積で除算した値を日射量として算出する。
発電量予測装置2は、画像作成装置3及び電力制御装置5から受信した情報に基づいて、将来の太陽光パネル4の発電電力を予測する。
【0017】
発電量予測結果表示装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、キーボード、マウス等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を有する。これらはバスによって相互に接続されている。補助記憶装置15は、電力供給源情報31(詳細後記)を記憶している。主記憶装置14における、発電量予測結果表示部21、画像解析結果表示部22及び電力供給源制御表示部23はプログラムである。以降、「○○部は」と主体を記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置15から各プログラムを読み出し、主記憶装置14にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実現するものとする。
【0018】
(発電電力の予測)
本発明は、発電量予測装置2によって予測された太陽光パネル4の発電電力の予測結果が所与であることを前提として、発電量予測結果表示装置1がどのように予測結果を表示するかに関するものである。しかしながら、本発明の理解を容易にするために、まず、発電電力の予測方法を説明する。
【0019】
図2(a)は、発電量予測装置2が画像作成装置3から受け取る空画像41の例である。
まず、カメラ3aは、所定の複数の時点において(例えば5秒周期で)、太陽及びその周辺の雲の画像を取得する。快晴の場合を除いて、空画像41は雲42bの画像を有している。しかしながら、太陽の明度は極端に高く、空画像41においては、ハレーション42aとして現れる(太陽の輪郭は現れないことが多い)。発電量予測装置2は、所定の閾値以上の明度を有する箇所をハレーション42aとして特定し、特定したハレーションを含む所定の大きさの領域43を空画像41から切り取る。発電量予測装置2は、このような処理を各時点の空画像41について実行する。
【0020】
図2(b)は、発電量予測装置2がハレーション42aを太陽44に置き換える方法を説明する図である。
次に、発電量予測装置2は、切り取った領域43のハレーションの重心部分を中心とし、所定の半径を有する円(太陽44)によってハレーションを置換する。発電量予測装置2は、このような処理を各時点の領域43について実行する。
【0021】
図2(c)は、発電量予測装置2が移動ベクトルを取得する方法を説明する図である。
次に、発電量予測装置2は、連続する2つの時点n−1及びnについての切り取った領域43同士を比較する。具体的には、発電量予測装置2は、時点nの雲42bの任意の小領域45aを取得し、時点n−1の雲42bのうちから、取得した小領域45aと形状が一致する又は類似する小領域45bを探し出す。そして、小領域45b内のある点を起点とし、小領域45a内の対応する点を終点とする移動ベクトル46を定義する。発電量予測装置2は、この移動ベクトル46の向きから、雲42bの画像上における移動方向を取得することができる。さらに、時点n−1と時点nとの間の時間間隔と移動ベクトル46の長さから、雲42bの画像上における移動速度を取得することができる。発電量予測装置2は、このようにして取得した雲42bの移動方向及び移動速度に基づいて、現時点を時点nとした場合の任意の将来時点における雲42bの画面上の位置を特定できる。
【0022】
図3(a)は、発電量予測装置2が隠蔽率を取得する方法を説明する図である。
隠蔽率とは、太陽44と雲42bとが重複する部分の画素数を、太陽44全体の画素数で除算した百分率(%)である。つまり、
図3(a)において、右図の領域44b(網掛け部分)の画素数を、左図の領域44a及び領域44b(網掛け部分)の画素数で除算した百分率である。発電量予測装置2は、この隠蔽率と(直ちに後記する)雲濃度とに基づいて、低下率(詳細後記)を取得する。
【0023】
図3(b)は、発電量予測装置2が雲濃度を取得する方法を説明する図である。
まず、発電量予測装置2は、雲42bの「グレースケール」を算出する。空画像41(
図2(a))は、もともとカラー画像である。雲42bを表示する画素は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3つの画素値を有している。これらの画素値は、8ビットで表現される場合、0〜255の範囲のいずれかである。これら3つの画素値を単純平均し、又は、所定の重みを乗じた上で平均して、1つの画素値にしたものがグレースケールである。
【0024】
発電量予測装置2は、太陽を隠している雲42bのグレースケールを算出し、算出したグレースケールを
図3(b)の数直線47に当てはめて、雲濃度を取得する。数直線47は、所定の複数の閾値(「179」、「192」、・・・)によって複数の部分に区分される。例えば、太陽を隠している雲42bのグレースケールが「232」であった場合、当該太陽を隠している雲42bの雲濃度は「1」となる。雲濃度は、明るい方から順に、「1」、「2」、・・・、「5」である。なお、ユーザは、閾値の数及び閾値の数値そのものを任意に設定することができる。
【0025】
図3(c)は、低下率マトリクス48の一例である。
低下率とは、ある隠蔽率かつある雲濃度における発電電力が、隠蔽率が0%である場合の発電電力を基準にしてどの程度低下するかを示す数値である。例えば、低下率10%とは、雲が全く太陽を隠していない場合の発電電力を「100」とした場合、その隠蔽率かつその雲濃度における発電電力が「90」にまで低下することを意味する。
図3(c)の低下率マトリクス48の縦軸は隠蔽率であり、横軸は雲濃度である。縦軸と横軸との交点のセルに、その隠蔽率かつその雲濃度における低下率が記憶されている。つまり、隠蔽率と雲濃度の組合せに関連付けて低下率が記憶されている。当然のことながら、低下率は、太陽光パネル4の設置条件(設置場所、受光面の法線ベクトルの方角、受光面が地面となす角度等)、太陽パネル4の性能等によっても変わってくる。ここでは、発電電力を予測する対象である特定の太陽光パネル4の設置条件及び性能についての低下率が記憶されているものとする。
【0026】
発電量予測装置2は、移動ベクトル46を用いて、ある将来時点の雲の画面上の位置を算出し、算出した雲の画面上の位置に基づき、隠蔽率を算出する。なお、雲濃度については、現在の雲濃度が将来の時点まで維持されると仮定する。そして、発電量予測装置2は、算出した隠蔽率及び仮定した雲濃度を低下率マトリクス48に当てはめて、その将来時点の低下率を算出する。
【0027】
図4に沿って、電力供給源情報31を説明する。電力供給源情報31を作成するのは、発電量予測装置2である。そして、発電量予測結果表示装置1は、この電力供給源情報31に基づいて、太陽光発電量予測画面51(
図5等)を表示する。電力供給源情報31においては、日時欄31aの日時に関連付けて、発電電力欄31bには発電電力が、日射量欄31cには日射量が、隠蔽率欄31dには隠蔽率が、雲濃度欄31eには雲濃度が、低下率欄31fには低下率が、充放電電力欄31gには充放電電力が、制御欄31hには制御フラグが、空画像欄31iには空画像が記憶されている。
【0028】
日時欄31aの日時は、空画像41が取得された時点の年月日時分秒、又は、発電電力を予測する将来時点の年月日時分秒である。
発電電力欄31bの発電電力は、太陽光パネル4の発電電力(単位W)である。
日射量欄31cの日射量は、前記したように、太陽光パネル4の発電電力を太陽光パネル4の受光面積で除算した値(単位W/平方メートル)である。
隠蔽率欄31dの隠蔽率は、前記した隠蔽率である。
雲濃度欄31eの雲濃度は、前記した雲濃度である。隠蔽率が0.0%であるレコード(太陽を隠している雲が存在しないレコード)の雲濃度欄31eは「−」である。
低下率欄31fの低下率は、前記した低下率である。
【0029】
充放電電力欄31gの充放電電力(単位W)は、蓄電池6に対して充電される充電電力(負の値)又は蓄電池6から放電される放電電力(正の値)である。
制御欄の制御フラグは、充放電電力が負の値であることを示す「充電」又は充放電電力が正の値であることを示す「放電」のいずれかである。
空画像欄31iの空画像は、空画像の識別子である。空画像そのものは、画像作成装置3が取得する。そして、その空画像そのものを、発電量予測結果表示装置1が、ネットワーク8経由かつ発電量予測装置2経由で受け取る。さらに、発電量予測結果表示装置1は、空画像そのものを補助記憶装置15内に又は(図示しない)別筐体内に記憶しておく。なお、電力供給源情報31は、蓄電池75(
図5)の蓄電残量(単位Wh)を記憶する欄を有していてもよい。
【0030】
「太陽光パネルの発電を補完する他の電力供給源からの電力の供給量」は、
図4における放電電力に相当する。電力供給源情報31は、「太陽光パネルの発電を補完する他の電力供給源からの電力の供給量」の他の例として、ガスタービン発電機の発電電力、電力会社からの受電電力等を記憶していてもよい。
【0031】
電力供給源情報31(
図4)のレコードは、実績レコード及び予測レコードからなる。実績レコードの各欄の値は、もともと電力制御装置5が太陽光パネル4及び蓄電池6から取得した実際の値である。実績レコードの空画像欄31iの空画像は、カメラ3aが取得した自然画像の識別子である。一方、予測レコードの各欄の値は、発電量予測装置2が予測した値である。実績レコードの空画像欄31iの空画像は、発電量予測装置2が加工したいわゆるCG(Computer Graphic)画像の識別子である。なお、日時欄31aの日時については、実績レコードの間隔(周期)が、予測レコードの間隔(周期)と一致している必要はない。
【0032】
内容が一部重複するが、発電量予測装置2がどのようにして予測レコードを作成するかを再度説明する。
(1)日時については、ユーザが指定した予測時点を日時欄31aに記憶する。
図4の例では、ユーザは、「現在から5秒ごとに合計12回(すなわち1分間)」を指定している。したがって、発電量予測装置2は、予測レコードを12行作成し、各予測レコードの日時欄31aに現時点の5秒後、10秒後、15秒後、・・・、60秒後の日時を上から順に記憶している。
(2)雲濃度については、発電量予測装置2は、各予測レコードの日時において、太陽を隠すことが予想される雲が存在する場合は、その雲濃度をそのレコードの雲濃度欄31eに記憶する。
【0033】
(3)前記した方法で、各予測レコードの日時における雲の位置を予測し、予測した雲の位置に基づいて、隠蔽率を算出し隠蔽率欄31dに記憶する。
【0034】
(4)各予測レコードについて、隠蔽率及び雲濃度を低下率マトリックス48(
図3(c))に当てはめて低下率を取得し低下率欄31fに記憶する。
(5)各予測レコードについて、基準となる発電電力(隠蔽率0%の発電電力)に低下率を乗算して発電電力を算出し発電電力欄31bに記憶する。
(6)各予測レコードについて、算出した発電電力を太陽光パネル4の受光面積で除算した値を日射量として日射量欄31cに記憶する。
【0035】
(7)各予測レコードについて、負荷が必要とする電力の値から発電電力を減算した値を充放電電力として、充放電電力欄31gに記憶する。本実施形態では、説明の単純化のため、負荷は常に一定レベルの電力(48000W)を必要とするものとする。したがって、減算した結果の充放電電力が負の値である場合は、発電電力が、負荷が必要とする電力よりも大きく、余剰分を蓄電池6に充電している状態であることがわかる。逆に、減算した結果の充放電電力が正の値である場合は、発電電力が、負荷が必要とする電力よりも小さく、蓄電池6が不足分を放電している状態であることがわかる。なお、このような、発電電力、負荷が必要とする電力及び蓄電池6の放電電力の相互関係については、
図9〜
図11の表示領域91に記載されている。すなわち、発電電力(符号95)と蓄電池放電電力(符号98)の和が、負荷が必要とする電力の値(符号99)となっている(詳細後記)。
【0036】
(8)各予測レコードについて、充放電電力の正負の符号に基づいて、制御フラグを決定し制御欄31hに記憶する。
(9)各予測レコードについて、空画像(CG画像である)を作成しその識別子を空画像欄31iに記憶する。発電量予測装置2は、例えば、最新の実績レコードの空画像「aaad.jpg」を取得し、前記した移動ベクトルに沿って、雲が各予測レコードに存在すると予測される位置に、当該雲の画像を貼り付ける。
なお、
図4に記載された値は、例えば
図5〜11の表示領域91のグラフの数値等と完全に整合していない(説明の単純化及び図面作成上の誤差のため)。
【0037】
予測レコードを再度参照すると、「20121201:13:40:05」から「20121201:13:40:45」までの予測結果はおよそ以下の通りである。
・「20121201:13:40:20」以前は、太陽を隠す雲は存在しない。発電電力の一部が蓄電池に充電されている。
・「20121201:13:40:25」から「20121201:13:40:35」にかけて、雲濃度が「2」である雲が太陽を隠す。「20121201:13:40:30」において、隠蔽率は、ピークである「90.0」(%)に達する。この間、発電電力は低下し、蓄電池は放電している。
・その後、太陽を隠す雲は存在しない状態に一旦もどる。発電電力が回復し、蓄電池は再び充電される。
・「20121201:13:40:45」において、雲濃度が「3」である別の雲が太陽を隠している。この時点での隠蔽率は「30.0」(%)である。発電電力は再び低下し、蓄電池は放電している。
【0038】
(太陽光発電量予測画面)
図5〜
図11に沿って、太陽光発電量予測画面51を説明する。
図5〜
図11のそれぞれの太陽光発電量予測画面51は同じものである。ただし、
図5〜
図8は、実績レコードに基づいて過去の発電電力、雲の動き及び蓄電池の状態等を対照して表示する「レビューモード」に対応している。一方、
図9〜
図11は、予測レコードに基づいて将来の発電電力、雲の動き及び蓄電池の状態等を対照して表示する「シミュレーションモード」に対応している。
【0039】
図5を参照すると、太陽光発電量予測画面51は、7つの表示領域61、71、81、91、101、111及び121を有する。
表示領域61において、画像解析結果表示部22(
図1)は、通常空画像61a(
図12(a)も参照)を表示する。しかしながら、ユーザの選択に応じて、太陽光パネルの画像61b(
図12(b)も参照)及び航空写真61c(
図12(c)も参照)を表示することもできる。空画像61aは、ハレーション63、雲64、表示対象時点65、移動ベクトル66を有する。ユーザは、太陽62を視認することはできない(ハレーション63にかき消されている)が、太陽の位置に円形に画像が模擬的に貼り付けられてもよい。太陽光パネルの画像61b及び航空写真61cは、ユーザに太陽光パネル74が存在する場所を示すものであって、本実施形態の発明の理解を助けるものである。
【0040】
表示領域71において、電力供給源制御表示部23(
図1)は、天候(アイコン)72、電力フローバー73、太陽光パネル(アイコン)74、蓄電池(アイコン)75、生産拠点(アイコン)76、電力会社(アイコン)77、電力フローサイン78及び充放電サイン79a、79bを表示する。天候72は、表示対象時点における隠蔽率に応じて、雲が太陽を隠す様子を模擬的に表現する。
図5の天候アイコン72は、隠蔽率が低い時点のものであり、比較例として、
図7の天候アイコン72は、隠蔽率が高い時点のものである。
【0041】
電力フローバー73及び電力フローサイン78は、太陽光パネル74、蓄電池75、生産拠点76及び電力会社77の間で、どのように電力が流れているかを示す。
図5においては、太陽光パネル74から、蓄電池75及び生産拠点76の双方に対して電力が流れている。
図7においては、太陽光パネル74及び蓄電池75の双方から、生産拠点76に対して電力が流れている。ただし、
図7において太陽光パネル74から流れる電力フローサイン78は、
図5において太陽光パネル74から流れる電力フローサイン78よりも、線が細くなっている。このことは、
図7において、太陽光パネル74の発電電力が低下していることを示す。
【0042】
充放電サイン79a、79bは、いずれか一方が強調表示されることによって、蓄電池75が充電されているか、それとも、放電しているかを示す。
図5においては充放電サイン79aが強調表示されている。このことは、蓄電池75に電力が充電されていることを示す。
図7においては充放電サイン79bが強調表示されている。このことは、蓄電池75が電力を放電していることを示す。
さらに、電力供給源制御表示部23(
図1)は、蓄電池の蓄電残量に応じて、蓄電池75にその残量を示す図形(高さが変化する長方形等)を表示してもよい。この場合、前記したように、補助記憶装置15は、電力制御装置5が取得する蓄電池の蓄電残量を日時に関連付けて記憶しておくものとする。
表示領域81の説明は後記する。
【0043】
表示領域91において、発電量予測結果表示部21(
図1)は、グラフ95を表示する。グラフ95の横軸は、時刻である。グラフ95の縦軸は、発電電力(左目盛)又は日射量(右目盛)である。グラフ95自身は、太陽光パネル74の発電電力、日射量及び蓄電池75の放電電力のうちの少なくとも1つを時系列で表す。
図5の例では、グラフ95は、太陽光パネル74の発電電力のみを表している。このことは、後記するチェックボックス113aのみにチェックマークが入力されていることに対応している。日射量、放電電力を表すときは、グラフ95は、線種、色、太さ等で区別がつく。ちなみに、グラフ95が示す発電電力は、ある時点で急変している(符号96)。このような時点前後の、発電電力と空画像、充放電の状態等を分かり易く表示するのが、本実施形態の目的である。当然のことながら、グラフ95は、時系列で表示されるものであれば、他のタイプ(棒グラフ等)であってもよい。
【0044】
さらに、表示領域91において、発電量予測結果表示部21は、実績予測区分マーク92、表示対象時点バー93及び表示対象時点94も表示する。実績予測区分マーク92が、
図5のように、「<<実績>>」となっている場合、グラフ95は、過去の実績を表している(
図4の実績レコードに対応する)。一方、実績予測区分マーク92が、
図9のように、「<<実績←・→予測>>」となっている場合、グラフ95は、ある時点より前については過去の実績値を表し(
図4の実績レコードに対応する)、ある時点以降については予測値を表している(
図4の予測レコードに対応する)。例えば、
図9においては、その「ある時点」とは、実績予測区別バー97が示す時点(t0)である。
表示対象時点バー93が示す時点及び表示対象時点94は、表示領域61の表示対象時点65と同じ日時である。ちなみに、表示領域71に表示される情報も、当該表示対象時点94におけるものである。
【0045】
表示領域101において、発電量予測結果表示部21は、1分間表示ボタン102、拡大ボタン103、縮小ボタン104及び8時間表示ボタン105を表示する。ユーザが8時間ボタン105を押下すると、発電量予測結果表示部21は、表示領域91において、8時間分のグラフ95を表示する。ユーザが1分間ボタン102を押下すると、発電量予測結果表示部21は、表示領域91において、1分間分のグラフ95を表示する。当然のことながら、「1分間」及び「8時間」は例であり、ユーザは他の値も設定することができる。ユーザが拡大ボタン103を押下すると、発電量予測結果表示部21は、表示領域91を拡大して、太陽光発電量予測画面51の全面(又は一部)に表示する。ユーザが縮小ボタン104を押下すると、発電量予測結果表示部21は、表示領域91をもとの大きさ及びもとの表示位置に戻す。
【0046】
表示領域111において、発電量予測結果表示部21は、日射量チェックボックス112a、太陽光パネル発電電力チェックボックス113a、蓄電池放電電力チェックボックス114a、日射量表示窓112b、太陽光パネル発電電力表示窓113b及び蓄電池放電電力表示窓114bを表示する。ユーザが、チェックボックス112a、113b及び114bのうちの少なくとも1つにチェックマークを入力すると、発電量予測結果表示部21は、入力されたチェックマークに対応する量についての1つ又は複数のグラフ95を表示領域91に表示する。そして、発電量予測結果表示部21は、日射量表示窓112b、太陽光パネル発電電力表示窓113b及び蓄電池放電電力表示窓114bのうちの少なくとも1つに、入力されたチェックマークに対応する量そのものを表示する。
【0047】
表示領域121において、発電量予測結果表示部21は、緊急系統切断・ONボタン122、蓄電池制御切替・充電ボタン123a、蓄電池制御切替・放電ボタン123b、ガスタービン発電・ONボタン124a、ガスタービン発電・OFFボタン124b及び自動制御ボタン兼ランプ125を表示する。ユーザがこれらのボタンを押下するのを受け付けると、電力供給源制御表示部23は、それぞれ、電力系統切断、蓄電池充電開始、蓄電池放電開始、ガスタービン発電開始、ガスタービン発電停止及び自動制御再開の信号を生成する。そして、生成した信号を、発電量予測装置2及びネットワーク8を経由して(又は発電量予測装置2を経由せずにネットワーク8を経由して)、電力制御装置5に送信する。電力制御装置5は、受信した信号に基づいて、例えば、蓄電池6(75)に対して放電開始の指示を送信する。
【0048】
表示領域81において、電力供給源制御表示部23は、左急変ポイントボタン82、コマ戻しボタン83、再生ボタン84、コマ送りボタン85、右急変ポイントボタン86及びシミュレーションボタン87を表示する。
ユーザがコマ送りボタン85を押下すると、画像解析結果表示部22は、表示領域61において直後の時点の空画像61aを表示する。同様に、発電量予測結果表示部21は、表示領域91において直後の時点に表示対象時点バー93を(右に)移動し、電力供給源制御表示部23は、表示領域71において直後の時点についての天候72、電力フローサイン78等を表示する。
【0049】
ユーザがコマ戻しボタン83を押下すると、画像解析結果表示部22は、表示領域61において直前の時点の空画像61aを表示する。同様に、発電量予測結果表示部21は、表示領域91において直前の時点に表示対象時点バー93を(左に)移動し、電力供給源制御表示部23は、表示領域71において直前の時点についての天候72、電力フローサイン78等を表示する。
【0050】
ユーザが再生ボタン84を押下すると、画像解析結果表示部22は、表示領域61において以降の複数の時点の空画像61aを順次に連続表示する。同様に、発電量予測結果表示部21は、表示領域91において以降の複数の時点に、表示対象時点バー93を順次に(右に)移動し、電力供給源制御表示部23は、表示領域71において以降の複数の時点についての天候72、電力フローサイン78等を順次に連続表示する。
【0051】
ユーザが左急変ポイント82を押下すると、発電量予測結果表示部21は、対象表示時点94よりも過去に属する1つ又は複数の「左急変ポイント」を検索する。具体的には、発電量予測結果表示部21は、まず、電力供給源情報31のレコードのうち、表示対象時点94以前についてのレコードの発電電力欄31bを参照し、直前の日時の実績(予測)レコードの発電電力を基準にして所定の閾値以上に発電電力が増加又は減少している実績(予測)レコードを特定する。当該閾値は変化率であってもよいし、変化の実数であってもよい。そして特定した実績(予測)レコードの日時を取得する。このような日時を「左急変ポイント」と呼ぶ。「左急変ポイント」が存在しない場合もあり、「左急変ポイント」が複数存在する場合もある。
【0052】
発電量予測結果表示部21は、続いて、これら取得した左急変ポイントを時間軸上に例えば「△」等のマークで表示する(図示せず)。そして、これらの急変ポイントのうち最新の時点に、表示対象時点バー93及び表示対象時点94を移動する。これらの処理と同時に、画像解析結果表示部22は、表示領域61において、最新の左急変ポイントにおける空画像61aを表示する。さらに、電力供給源制御表示部23は、表示領域71において、最新の左急変ポイントにおける天候72、電力フローサイン78等を表示する。
【0053】
ユーザが右急変ポイント86を押下すると、発電量予測結果表示部21は、対象表示時点94よりも将来に属する1つ又は複数の「右急変ポイント」を検索する。具体的には、発電量予測結果表示部21は、まず、電力供給源情報31のレコードのうち、表示対象時点94以降についてのレコードの発電電力欄31bを参照し、直前の日時の実績(予測)レコードの発電電力を基準にして所定の閾値以上に発電電力が増加又は減少している実績(予測)レコードを特定する。そして特定した実績(予測)レコードの日時を取得する。このような日時を「右急変ポイント」と呼ぶ。「右急変ポイント」が存在しない場合もあり、「右急変ポイント」が複数存在する場合もある。
【0054】
発電量予測結果表示部21は、続いて、これら取得した右急変ポイントを時間軸上に例えば「△」等のマークで表示する(図示せず)。そして、これらの急変ポイントのうち最も前の時点に、表示対象時点バー93及び表示対象時点94を移動する。これらの処理と同時に、画像解析結果表示部22は、表示領域61において、最も前の右急変ポイントにおける空画像61aを表示する。さらに、電力供給源制御表示部23は、表示領域71において、最も前の右急変ポイントにおける天候72、電力フローサイン78等を表示する。
【0055】
ユーザがシミュレーションボタン87を押下すると、「レビューモード」が「シミュレーションモード」に移行する。ユーザがシミュレーションボタン87を再度押下すると、「シミュレーションモード」が「レビューモード」に移行する。
【0056】
(処理手順)
図13に沿って、処理手順を説明する。処理手順開始の前提として、発電量予測結果表示装置1は、発電量予測装置2が作成した電力供給源情報31(
図4)を補助記憶装置15に既に格納しているものとする。さらに、発電量予測結果表示装置1は、発電量予測装置2が作成した雲画像(予測分のCG画像も含む)も補助記憶装置15に既に格納しているものとする。
【0057】
ステップS201において、発電量予測結果表示部21は、太陽光発電量予測画面51(
図5)の初期画面を表示する。具体的には、発電量予測結果表示部21は、出力装置13に、太陽光発電量予測画面51を表示する。この段階では、表示領域61には画像は表示されていない。表示領域71には、天候72及び電力フローサイン78は表示されておらず、充放電サイン79a、79bのいずれも強調表示されていない。表示領域91には、なにも表示されていない。
【0058】
ステップS202において、発電量予測結果表示部21は、表示期間の選択を受け付ける。具体的には、発電量予測結果表示部21は、ユーザが、1分間表示ボタン102又は8時間表示ボタン105のうちのいずれかを押下するのを受け付ける。
【0059】
ステップS203において、発電量予測結果表示部21は、表示すべきグラフの選択を受け付ける。具体的には、発電量予測結果表示部21は、ユーザが、日射量チェックボックス112a、太陽光パネル発電電力チェックボックス113a及び蓄電池放電電力チェックボックス114aのうちの少なくとも1つのチェックマークを入力するのを受け付ける。
【0060】
ステップS204において、発電量予測結果表示部21は、ユーザがシミュレーションボタン87を押下したか否かを判断する。具体的には、発電量予測結果表示部21は、太陽光発電量予測画面51を表示した後所定の時間が経過するまでの間にユーザがシミュレーションボタン87を押下するのを受け付けた場合(ステップS204“YES”)は、ステップS207に進み、それ以外の場合(ステップS204“NO”)は、ステップS205に進む。なお、“YES”の経路は、シミュレーションモードに、“NO”の経路は、レビューモードに対応する。
【0061】
ステップS205において、発電量予測結果表示部21は、実績値についてのグラフ95等を表示する。具体的には、第1に、発電量予測結果表示部21は、表示領域91に、左右の目盛及び時間軸の目盛を表示する。発電量予測結果表示部21は、時間軸の目盛については、電力供給源情報31(
図4)の実績レコードのうち最新の時点を目盛の右端に合わせ、それよりステップS202において受け付けた表示期間分だけ遡った時点(1分前の時点又は8時間前の時点)を目盛の左端に合わせる。ただし、日射のない夜間の時間帯が所定の比率以上に表示されてしまう場合は、発電量予測結果表示部21は、直近の1日のうち、正午を中心として前後に4時間の時間帯について表示し直してもよい。
【0062】
第2に、発電量予測結果表示部21は、ステップS203において選択された表示すべきグラフ95を、実績レコードに基づいて作成し、表示領域91に表示する。さらに、実績予測区分マーク「<<実績>>」92をグラフ95の近辺に表示する
第3に、発電量予測結果表示部21は、表示対象時点バー93及び表示対象時点94を任意の初期位置(例えば右端と左端の中間点)に表示する。
第4に、発電量予測結果表示部21は、日射量表示窓112b、太陽光パネル発電電力表示窓113b及び蓄電池放電電力表示窓114bのうちの少なくとも1つに、表示対象時点94におけるそれぞれの値を表示する。
【0063】
ステップS206において、発電量予測結果表示部21等は、実績値についてユーザ操作に対応する処理を行う。具体的には、発電量予測結果表示部21等は、ユーザ操作に応じて、表示対象時点における雲画像61a、天候72、電力フローバー73等を表示する。ここでのユーザ操作とは、例えば、表示領域81におけるボタン82〜86の押下である。これらの操作に応じて、発電量予測結果表示部21、画像解析結果表示部22及び電力供給源制御表示部23は、前記した処理を実行し、前記した情報を表示領域61、71及び91に表示する。なお、ユーザは、マウスのような入力装置12によって画面上の表示対象時点バー93を掴み、左右に移動させることによって表示対象時点94を選択することもできる。この操作に応じて、発電量予測結果表示部21等は、選択された表示対象時点94における雲画像61a等を表示する。
その後、発電量予測結果表示部21は、ユーザが表示を終了する指示を受け付けると、処理手順を終了する。
【0064】
(レビューモードにおける表示の遷移)
ステップS205の直後には、例えば
図5のような太陽光発電予測画面51が表示される。ユーザは、8時間表示ボタン105を押下し、太陽光パネル発電電力チェックボックス113aにチェックマークを入力している。表示対象時点94は、「12:00:00」であり、表示領域61には、当該表示対象時点94における雲画像61aが表示されている(太陽は雲に隠れていない)。表示領域91には、8時間分の太陽光パネル74の発電電力のグラフ95が表示されている。そして、表示領域71には、太陽光パネル74が発電した電力が蓄電池75及び生産拠点76の双方に流れている状態が表示されている。ここで、ユーザが、1分間表示ボタン102を押下したとする。すると、太陽光発電量予測画面51は、
図6の状態に遷移する。
図6において、発電量予測結果表示部21は、グラフ95の表示を「8時間」から「1分間」に切り替える。つまり、表示対象時点94をそのままに維持し、その前後それぞれ30秒間の表示に切り替える。
【0065】
図5の太陽光発電量予測画面51において、ユーザが、右急変ポイントボタン86及び1分間表示ボタン102を押下したとする。このとき、太陽光発電量予測画面51は、
図7の状態に遷移する。
図7において、発電量予測結果表示部21は、右急変ポイント(
図5の符号96)に表示対象時点94を合わせている。表示領域61には、当該右急変ポイントにおける雲画像61aが表示されている(太陽は雲に隠れている)。そして、表示領域71には、太陽光パネル74が発電した電力及び蓄電池75が放電した電力の双方が、生産拠点76に流れている状態が表示されている。さらに、太陽光パネル74の発電電力は、
図5に比して小さいことが表示されている。
【0066】
図7の太陽光発電量予測画面51において、ユーザが、コマ送りボタン85を4回押下したとする。このとき、太陽光発電量予測画面51は、
図8の状態に遷移する。
図8において、表示対象時点バー93及び表示対象時点94は、4コマ分(5秒×4コマ=20秒分)右に移動している。表示領域61には、当該表示対象時点94における雲画像61aが表示されている(太陽は雲に隠れていない)。そして、表示領域71には、太陽光パネル74が発電した電力が蓄電池75及び生産拠点76の双方に流れている状態が表示されている。
【0067】
ステップS207において、発電量予測結果表示部21は、予測値についてのグラフ95等を表示する。第1に、発電量予測結果表示部21は、表示領域91に、左右の目盛及び時間軸の目盛を表示する。発電量予測結果表示部21は、時間軸の目盛については、電力供給源情報31(
図4)の実績レコードのうち最終の時点を目盛の左端に合わせる。そして、その時点よりステップS202において受け付けた表示期間分だけ後の時点(1分後の時点又は8時間後の時点)を目盛の右端に合わせる。
【0068】
第2に、発電量予測結果表示部21は、ステップS203において選択された表示すべきグラフ95を、予測レコードに基づいて作成し、表示領域91に表示する。さらに、実績予測区分マーク「<<実績←・→予測>>」92をグラフ95の近辺に表示する。
第3に、発電量予測結果表示部21は、実績予測区別バー97を、実績レコードと予測レコードの境目の時点(t0)に合わせて表示する。さらに、表示対象時点バー93及び表示対象時点94を任意の初期位置(例えば、当該境目の時点より僅かに後の時点)に合わせて表示する。
第4に、発電量予測結果表示部21は、日射量表示窓112b、太陽光パネル発電電力表示窓113b及び蓄電池放電電力表示窓114bのうちの少なくとも1つに、表示対象時点94におけるそれぞれの値を表示する。
【0069】
ステップS208において、発電量予測結果表示部21等は、予測値についてユーザ操作に対応する処理を行う。具体的には、発電量予測結果表示部21等は、ユーザ操作に応じて、表示対象時点における雲画像61a、天候72、電力フローバー73等を表示する。当該ステップの処理は、ステップS206の処理と同じである。
その後、発電量予測結果表示部21は、ユーザが表示を終了する指示を受け付けると、処理手順を終了する。
【0070】
(シミュレーションモードにおける表示の遷移)
ステップS207の直後には、例えば
図9のような太陽光発電予測画面51が表示される。ユーザは、1分間表示ボタン102を押下し、太陽光パネル発電電力チェックボックス113a及び蓄電池放電電力チェックボックス114aにチェックマークを入力している。表示対象時点94は、「T1」であり、表示領域61には、当該表示対象時点94における雲画像61aが表示されている(太陽は雲に隠れていない)。表示領域91には、1分間分の太陽光パネル74の発電電力のグラフ95、1分間分の蓄電池76の放電電力のグラフ98、グラフ95及びグラフ98の和を示すグラフ99が表示されている。そして、表示領域71には、太陽光パネル74が発電した電力が蓄電池75及び生産拠点76の双方に流れている状態が表示されている。
【0071】
図9の太陽光発電量予測画面51において、ユーザが、右急変ポイントボタン86を押下したとする。このとき、太陽光発電量予測画面51は、
図10の状態に遷移する。
図10において、発電量予測結果表示部21は、右急変ポイント(T2)に表示対象時点94を合わせている。表示領域61には、当該右急変ポイントにおける雲画像61aが表示されている(太陽は雲に隠れている)。そして、表示領域71には、太陽光パネル74が発電した電力及び蓄電池75が放電した電力の双方が、生産拠点76に流れている状態が表示されている。さらに、太陽光パネル74の発電電力は、
図9に比して小さいことが表示されている。
【0072】
図10の太陽光発電量予測画面51において、ユーザが、右急変ポイントボタン86を再度押下したとする。このとき、太陽光発電量予測画面51は、
図11の状態に遷移する。
図11において、発電量予測結果表示部21は、右急変ポイント(T3)に表示対象時点94を合わせている。表示領域61には、当該右急変ポイントにおける雲画像61aが表示されている(太陽は雲に隠れていないが、近い将来再び別の雲に隠れそうである)。そして、表示領域71には、太陽光パネル74が発電した電力が蓄電池75及び生産拠点76の双方に流れている状態が表示されている。
その後、発電量予測結果表示部21は、ユーザが表示を終了する指示を受け付けると、処理手順を終了する。
【0073】
(変形例1)
電力供給源制御表示部23は、太陽光パネル74の発電電力が近い将来に低下することを検知した場合、ユーザに対して、他の電力供給源の稼動を促すようなメッセージを表示してもよい。具体的には、ステップS208において、電力供給源制御表示部23は、表示対象時点94を基準にして所定の閾値だけ後の時点に達するまでに、太陽光パネル74の発電電力が急降下し蓄電池75が放電する状態になることを予測したとする。この場合、電力供給源制御表示部23は、太陽光発電量予測画面51に「直ちに蓄電池切替・放電ボタン又はガスタービン発電・ONボタンを押下してください」のようなメッセージを表示する。
【0074】
(変形例2)
太陽光パネル74が発生する電力は直流である。そして、蓄電池75に充電される電力及び蓄電池75が放電する電力も直流である。一方、電力会社77及びガスタービン発電機75bが発生する電力は交流であり、生産拠点76における負荷が受け入れる電力は交流であることが多い。つまり、太陽光パネル74及び蓄電池75は、それぞれの直ぐ下流に設置される交直変換装置を介して電力ケーブル(
図5等の符号73に相当)に接続される。したがって、発電制御装置5が、太陽光パネル74及び蓄電池75から流れ出る直流電力を交流電力に変換した後の発電電力を取得し、電力供給源情報31が交流及び直流の両者の値を記憶するようにすることも可能である。このようにすれば、複数の電力供給源の間でより正確に(交直変換時のエネルギーロスも考慮し)発電電力の比較をすることが可能になる。
【0075】
(実施形態の効果)
本実施形態の発電量予測結果表示装置は以下の効果を奏する。
・ユーザは、ある時点についての太陽光パネルの発電電力、太陽が雲に隠れる画像、太陽光パネル、蓄電池及び負荷間の電力フローの相互関係を同時に視認できる。したがって、太陽光パネル、蓄電池を含む電力供給系全体に対するユーザの理解が深まる。
・ユーザは、過去の実績、将来の予想の両者について相互関係を視認できる。したがって、過去の経験を将来に活かすことができる。
・ユーザは、時間軸に沿って刻々と相互関係が変化して行く様子を視認できる。したがって、天候の変化の早さを実感することができる。
・ユーザは、蓄電池6の放電状態を視認できる。負荷を運転するためには、太陽光パネル4の発電のみに頼ってはならないことを実感することができる。
・ユーザは、太陽光パネル4の発電電力が急変する時点を容易に知ることができる。したがって、蓄電池6又はガスタービン発電機の稼動タイミングを容易に知ることができる。
・ユーザは、蓄電池を稼動すべき時期がまもなく到来することを知らせるメッセージを視認することができる。したがって、蓄電池6又はガスタービン発電機の稼動タイミングを徒過してしまうことを防げる。
【0076】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。