特許第5957746号(P5957746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5957746
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】光線反射用樹脂組成物および成形体
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20160714BHJP
   C08L 83/05 20060101ALI20160714BHJP
   C08K 9/02 20060101ALI20160714BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20160714BHJP
   C08K 9/06 20060101ALI20160714BHJP
   C09C 1/28 20060101ALI20160714BHJP
   C09C 3/06 20060101ALI20160714BHJP
   C09C 3/12 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   C08L101/00
   C08L83/05
   C08K9/02
   C08K3/22
   C08K9/06
   C09C1/28
   C09C3/06
   C09C3/12
【請求項の数】4
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-178682(P2015-178682)
(22)【出願日】2015年9月10日
【審査請求日】2015年9月11日
(31)【優先権主張番号】特願2015-64509(P2015-64509)
(32)【優先日】2015年3月26日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591183153
【氏名又は名称】トーヨーカラー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】福留 康弘
(72)【発明者】
【氏名】増子 啓介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 正也
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 友浩
【審査官】 繁田 えい子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−258554(JP,A)
【文献】 特開2013−076047(JP,A)
【文献】 特開2010−270177(JP,A)
【文献】 特開2005−248080(JP,A)
【文献】 特開2014−139993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径0.2〜0.35μmの二酸化チタン(A)と、熱可塑性樹脂(B)と含み、
前記二酸化チタン(A)が、二酸化チタン粒子、および前記二酸化チタン粒子の表面を覆う無機被覆層、および前記無機被覆層の表面を覆う有機被覆層を備え、
前記二酸化チタン(A)が、前記二酸化チタン粒子100重量部に対して、酸化アルミニウム2〜4重量部、およびケイ素酸化物1.5〜3重量部を含む無機被覆層を備え、
前記有機被覆層が、シリコーンオイル(C)としてハイドロジェン官能基当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)および非反応性のシリコーンオイルを含む、光線反射樹脂組成物。
【請求項2】
前記シリコーンオイル(C)を前記二酸化チタン粒子100重量部に対して、0.5〜3重量部含む、請求項1記載の光線反射樹脂組成物。
【請求項3】
二酸化チタン粒子、および前記二酸化チタン粒子の表面を覆う、酸化アルミニウムおよびケイ素酸化物を含む無機被覆層を備えた二酸化チタンと、シリコーンオイル(C)とを70〜140℃で攪拌混合して形成した有機被覆層を備えた、平均粒子径0.2〜0.35μmの二酸化チタン(A)を製造し、
さらに熱可塑性樹脂(B)を混合して光反射樹脂組成物を製造する、光反射樹脂組成物の製造方法であって、
前記二酸化チタン(A)の前記無機被覆層が、前記二酸化チタン粒子100重量部に対して、酸化アルミニウム2〜4重量部、およびケイ素酸化物1.5〜3重量部を含み、
前記シリコーンオイル(C)がハイドロジェン官能基当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)および非反応性のシリコーンオイルを含む、光反射樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の光線反射樹脂組成物を含む、成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光線を反射できる成形体に使用できる光線反射用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイや照明の光源として蛍光灯、白熱灯、冷陰極管、LED等が使用されている。これらの光源からの光をできるだけ広い面に拡散させ、視認性の向上や消費電力を削減するため、通常、光源の背面に光線反射板、ないし光線反射シート等が設けられている。一般的に光線反射板には、金属系反射板や樹脂系反射板が使用されている。また、太陽電池のように人工光源を用いないが、太陽光を反射して発電の効率を上げるために、裏面保護シート等にも熱可塑性の光線反射シートが使用されている。
【0003】
上記金属系反射板には、一般的に白色に塗装された鋼板や、アルミニウム板などが使用されているが、光源からの光の反射が偏り易く、照射面全体をバランス良く照らすことは難しかった。一方、樹脂系反射板は、光の反射が偏り難く、均一な反射効果が得やすいものの、例えば屋外等で長期間使用されると樹脂が劣化して黄変や、チョーキング現象、クラックの発生といった機械物性の低下、反射板の変形が起こるため、反射率が経時低下する問題があった。
そこで、特許文献1および特許文献2では、二酸化チタンと二酸化チタン以外の無機フィラーを配合して高い機械物性、寸法安定性を有する反射板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−294070号公報
【特許文献2】特開2008−182172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、光反射は、反射板への二酸化チタンの配合量に比例するところ、二酸化チタン以外のフィラー等を配合すると反射効率が低下する問題があった。また、二酸化チタン以外のフィラー等を配合しても、二酸化チタンの触媒活性や、反射板に付属する光源の熱により樹脂が劣化や黄変する問題、さらに長期間の使用で、二酸化チタンの光触媒活性により、樹脂を劣化させる問題があった。
【0006】
本発明は、高い光線反射率を有し、加熱黄変および樹脂劣化を抑制した成形体を作製できる光線反射樹脂組成物および成形体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光線反射樹脂組成物は、平均粒子径0.2〜0.35μmの二酸化チタン(A)と、熱可塑性樹脂(B)とシリコーンオイル(C)とを含み、
前記二酸化チタン(A)が、二酸化チタン粒子、および前記二酸化チタン粒子の表面を覆う無機被覆層を備え、
前記無機被覆層が酸化アルミニウムおよびケイ素酸化物を含み、
前記シリコーンオイル(C)が官能基当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含む。
【発明の効果】
【0008】
上記の本発明によれば、二酸化チタン(A)と、官能基当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)とを含むことで熱可塑性樹脂(B)の分解や黄変を抑制できた。これにより光線反射樹脂組成物を使用した成形体は、耐久性が高く、かつ高い光線反射率が得られた。
【0009】
本発明により、高い光線反射率を有し、加熱黄変および樹脂劣化を抑制した成形体を成形できる光線反射樹脂組成物および成形体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の光線反射樹脂組成物は、平均粒子径0.2〜0.35μmの二酸化チタン(A)と、熱可塑性樹脂(B)とシリコーンオイル(C)とを含み、
前記二酸化チタン(A)が、二酸化チタン粒子、および前記二酸化チタン粒子の表面を覆う無機被覆層を備え、
前記無機被覆層が酸化アルミニウムおよびケイ素酸化物を含み、
前記シリコーンオイル(C)が官能基当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含む。この光線反射樹脂組成物は、溶融・混練し成形することで成形体を作製できる。この光線反射樹脂組成物から得られた成形体は、光を効率良く反射できるためディスプレイ用反射板、照明用反射板等や太陽電池裏面保護シート等の光線反射シートに使用することができる。
【0011】
本発明において二酸化チタン(A)は、可視光、赤外光を反射できる粒子である。二酸化チタン(A)は、二酸化チタン粒子のままでは表面の触媒活性が高く樹脂を分解するため、その表面を無機物で処理をすることで触媒活性を抑制することが一般的である。本発明で二酸化チタン(A)は、二酸化チタン粒子を酸化アルミニウムおよびケイ素酸化物を含む無機酸化物で被覆処理することで形成した無機被覆層を有する。二酸化チタン(A)は、この無機被覆層を有することで二酸化チタンの触媒活性を低減することができるため熱可塑性樹脂(B)が劣化し難い。
また官能基当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含むシリコーンオイル(C)を同時に使用することで光線反射樹脂組成物の耐熱性、および反射効率が向上した。
このような二酸化チタン(A)とシリコーンオイル(C)を同時に使用した光線反射樹脂組成物から形成した成形体は、熱および光による熱可塑性樹脂の黄変や分解を抑制できたことで、高い反射率を持続することができる。
【0012】
さらに二酸化チタン(A)は、無機被覆層上にメチルハイドロジェンポリシロキサンで被覆処理することで形成した有機被覆層を有することが好ましい。この有機被覆層は、無機被覆層の保護に加え、二酸化チタン(A)の耐熱性、および反射効率をより向上できる。すなわち、二酸化チタン(A)を含む光線反射樹脂組成物から形成した成形体は、熱および光による熱可塑性樹脂の黄変や分解を抑制できたことで、高い反射率を持続することができる。
【0013】
本発明において二酸化チタン(A)は、平均一次粒子径0.2〜0.35μmである。平均一次粒子径が、0.2〜0.35μmの範囲にあることで可視光を効果的に反射させることができる。平均一次粒子径が0.2μm以上になることで効率的に光線反射が得られる。また平均一次粒子径が0.35μm以下になることで成形体表面の平滑性が向上する。
本発明では、可視光の短波長から可視光の長波長領域にわたって反射効果を高めるため、平均一次粒子径が異なる2種以上の二酸化チタンを用いることもできる。すなわち、例えば、平均一次粒子径0.2〜0.25μmの二酸化チタンと0.3〜0.35μmの二酸化チタン等の組み合わせが挙げられる。なお、平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡の拡大画像(例えば千倍〜一万倍)から観察できる粒子径(例えば50個程度)を平均したものである。二酸化チタン(A)の粒子形状は、球状、楕円体状等公知の粒子形状を使用できる。二酸化チタン(A)の粒子がアスペクト比(長径/短径)を有する場合の平均一次粒子径は、長径を平均した数値である。
【0014】
二酸化チタン(A)の結晶形態は、ルチル型、アナターゼ型、およびブルカイト型があるところ、ルチル型が好ましい。ルチル型は、他のタイプと比較して、屈折率が高く、反射効率が高い。また、二酸化チタン粒子の製法は、塩素法、硫酸法のいずれも使用できるところ、可視光の短波長で良好な反射率が得られる塩素法が好ましい。
【0015】
二酸化チタン(A)における無機被覆層は、酸化アルミニウム及びケイ素酸化物を含むことが必要である。酸化アルミニウムは、アルミニウムの含水酸化物が好ましく、含水アルミナ(Al23・nH2O)がより好ましい。ケイ素酸化物は、ケイ素の含水酸化物が好ましく、シリカおよび含水シリカ(SiO2・nH2O)がより好ましい。ケイ素酸化物を含むことで二酸化チタンの光触媒活性をより低減できるため、熱可塑性樹脂(B)の劣化を抑制できる。無機被覆層は、さらにジルコニウム酸化物を含んでいても良い。これにより耐光性がより向上する。無機被覆層が含むことができる他の無機酸化物は、例えば亜鉛、チタン、マグネシウム、アンチモン、スズの酸化物や含水酸化物が挙げられる。
【0016】
無機被覆層は、複数の無機酸化物で形成した単一の被覆層、または金属酸化物の種類に応じた複数の被覆層のいずれの構成でもよいところ、本発明は、酸化アルミニウムの被覆層、およびケイ素酸化物の被覆層の2つの被覆層を備えた無機被覆層が好ましい。以下、複数の被覆層を備えた無機被覆層の形成方法を説明する。
まず、酸化アルミニウムの被覆層の形成は、例えば、二酸化チタン粒子を分散させた水性スラリーにアルミニウム化合物の水溶液を添加し、酸性化合物または塩基性化合物の水溶液を用いてpH4〜9に調整することで酸化アルミニウムの被覆層を形成できる。その後、必要に応じて濾過、洗浄、乾燥を行っても良い。pHの調整に用いる酸性酸化物としては、硫酸、および塩酸等の無機酸、ならびに酢酸、およびギ酸等の有機酸から適宜選択して使用できる。また、塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の公知の化合物を用いることができる。水性スラリー中の二酸化チタン粒子の不揮発分濃度は、50〜800g/lが好ましく、100〜600g/lがより好ましい。所定の不揮発分濃度にすることで均一な厚みの被覆層が得やすくなる。
【0017】
アルミニウム化合物は、例えばアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、および硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナ、含水アルミナ等が挙げられる。
【0018】
ケイ素酸化物の被覆層の形成は、ケイ素化合物を使用して、酸化アルミニウムと同様の方法でケイ素酸化物の被覆層を形成できる。二酸化チタン粒子に対する酸化アルミニウムの被覆層と、ケイ素酸化物の被覆層の被覆は、任意の順序で形成できるところ、本発明では、無機被覆層の最外層に酸化アルミニウムの被覆層が来るように被覆層を形成することが好ましい。これにより熱可塑性樹脂(B)との分散性をより向上できる上、有機被覆層を形成する場合に脱水、乾燥、粉砕などの工程が容易になり二酸化チタン(A)製造の歩留まりがより向上する。なお本発明では、無機被覆層が、例えば、酸化アルミニウムの被覆層、ケイ素酸化物の被覆層の2層を有する場合であっても、無機被覆層とする。
【0019】
ケイ素化合物は、例えばケイ酸ナトリウムなどの水溶性ケイ酸アルカリ金属塩が挙げられる。
【0020】
二酸化チタン(A)の無機被覆層は、二酸化チタン粒子100重量部に対して、酸化アルミニウム2〜4量部で被覆することが好ましく、2.5〜3.5重量部がより好ましい。また、ケイ素酸化物は、二酸化チタン粒子100重量部に対して、1.5〜3重量部で被覆することが好ましく、1.5〜2.5重量部がより好ましい。
【0021】
本発明の光線反射樹脂組成物は、シリコーンオイル(C)としてハイドロジェン官能基(Si−H基)当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)(以下、メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)という)を含むことが必要である。メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)は、他の有機被覆処理剤と比較して、C−C結合が少ないため、経時での有機被覆処理剤の変質や分解を大幅に抑制可能な上、耐熱性が良好である。そのため、有機被覆処理剤に起因する二酸化チタン(A)の変色が極めて少なく、高い反射率を維持できる。なお、メチルハイドロジェンポリシロキサンとは、ポリシロキサンの側鎖(例えばメチル基)の一部をハイドロジェン変性により水素原子としたものである。また、ハイドロジェン官能基当量は、ハイドロジェン変性でSi原子の側鎖に導入した水素1mol当りのメチルハイドロジェンポリシロキサンの重量を意味する。
【0022】
シリコーンオイル(C)は、無機被覆層を備えた二酸化チタン(A)に対し、表面処理剤として事前に無機被覆層の表面を被覆処理することで有機被覆層を形成することが好ましい。この場合、二酸化チタン(A)の被覆成分である酸化アルミニウムおよびケイ素酸化物を含む無機酸化物を無機被覆層としたときに、シリコーンオイル(C)は有機被覆層となる。このような使用方法を「事前処理使用法」とする。
【0023】
またシリコーンオイル(C)は、二酸化チタン(A)、および熱可塑性樹脂(B)と共に撹拌・混合して使用することでも「事前処理使用法」と同様に本発明の効果が得られる。このような使用方法を「混合使用法」とする。
【0024】
メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)は、その水素原子が二酸化チタン表面の水酸基と結合できる。メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)が二酸化チタン粒子と結合すると、親和性が高い未反応のメチルハイドロジェンポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサン以外のシリコーンオイル(C)が二酸化チタン(A)の表面に集まりやすい。そのため前記結合は、「事前処理使用法」および「混合使用法」で同様に生じるので、両使用法のいずれを採用した場合でも、二酸化チタン(A)の変色が極めて少なく、高い反射率を維持できる効果が得られる。なお、「事前処理使用法」は、少量のメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)でこれらの効果が得られることからより好ましい使用法である。
【0025】
メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)は、ハイドロジェン官能基当量50〜300g/molが必要であり、50〜200g/molが好ましい。ハイドロジェン官能基当量が所定の範囲を満たすことで耐熱性および耐光性がより向上する。なお、メチルハイドロジェンポリシロキサンとは、ポリシロキサンの側鎖(例えばメチル基)の一部をハイドロジェン変性により水素原子としたものである。
【0026】
メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)は、粘度5〜100mm2/sが好ましく、粘度5〜60mm2/sがより好ましい。粘度が所定の範囲を満たすことで有機被覆層の形成が容易になる。なお、粘度は、キャノン-フェンスケ粘度計により25℃で測定した値である。
【0027】
また、メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)は、重量平均分子量1000〜3000が好ましく、重量平均分子量1200〜2500がより好ましい。重量平均分子量が所定の範囲を満たすことでハイドロジェン変性する部位が増えて、二酸化チタン(A)の耐熱性および耐光性がより向上し易い上、粘度調整が容易になる。なお、重量平均分子量はGPC(島津製作所社製)により測定した値である。なお、GPCは溶媒にテトラヒドロフラン、カラムにガードカラムGPC KF−804(島津ジーエルシー社製)を用い、カラム温度40℃、流速1.0ml/min、示差屈折検出器にて測定した。
【0028】
本発明においてメチルハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法は、例えば、ヒドロシリル基を含有するオルガノシロキサンと他のオルガノシロキサンとを酸性触媒下で平衡化し、次いで触媒を中和処理し、ろ過精製して、目的物を取得する方法の公知の合成方法を使用できる。
【0029】
本発明においてシリコーンオイル(C)は、メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)以外に公知のシリコーンオイルを併用できる。この公知のシリコーンオイルとは、主鎖がシロキサン結合で形成された直鎖状ポリマーであり、側鎖、末端がすべてメチル基であるジメチルシリコーンオイル、さらに側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、側鎖の一部が水素であるメチルハイドロジェンシリコーンオイル;、または、側鎖、末端に有機基を導入した変性シリコーンオイルである。前述の変性シリコーンオイルで導入される有機基としてはアミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、ポリエーテル基、メルカプト基、カルボキシル基、フェノール基、シラノール基、メトキシ基、ジオール基、フェニル基、フルオロアルキル基、アラルキル基、長鎖アルキル基、水素等が挙げられる。これらの中でも非反応性のシリコーンオイルが好ましく、側鎖、末端がすべてメチル基であるジメチルシリコーンオイル、側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーンがより好ましい。メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)と非反応性のシリコーンオイルを併用すると成形体の反射率をより向上させてかつ持続させることができる。
【0030】
シリコーンオイル(C)は、二酸化チタン粒子100重量部に対して、0.5〜3重量部を配合することが好ましく、0.5〜2.5重量部がより好ましい。シリコーンオイル(C)を所定の範囲で使用することで二酸化チタン(A)の反射率が向上し、成形体の機械物性が向上する。
またメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)と非反応性のシリコーンオイルを同時に使用する場合、メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を100重量部に対して、非反応性のシリコーンオイルを20〜400重量部使用することが好ましい。これにより成形体の反射率をより向上させてかつ持続させることができる。
【0031】
メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を使用した事前処理使用法で二酸化チタン(A)に有機被覆層を形成する場合、その形成方法は、無機被覆層を有する二酸化チタン粒子と、メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)とを70〜140℃(好ましくは80〜120℃)で攪拌することが好ましい。なお攪拌時間は、被覆層が形成できればよいので限定されないところ、10〜40分が好ましく、10分〜30分がより好ましい。有機被覆層の形成を低温かつ短時間で行うとメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)に二酸化チタン表面の水酸基と反応しないハイドロジェンを残すことができる。通常、二酸化チタンの光触媒活性は金属酸化物のみ(無機被覆層のみ)で抑制することは難しい。しかし、未反応のハイドロジェンが存在すると、還元剤として機能することで熱可塑性樹脂(B)の劣化を抑制し、高い耐久性が得易くなる。
【0032】
さらに二酸化チタン粒子の被覆層の形成方法の一例を説明する。
【0033】
有機被覆層を形成する方法は、(1)無機被覆層を有する二酸化チタン粒子を水性スラリーから固液分離し、乾燥した後、メチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含むシリコーンオイルと気相中で接触させることにより、有機被覆層を形成する方法(以下、気相法という)、または、(2)無機被覆層を有する二酸化チタンとメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含むシリコーンオイル(C)をスラリー中で接触させることで形成する方法(以下、液相法という)がある。これらに中でも操作が容易な気相法が好ましい。
【0034】
気相法は、例えば流体エネルギー粉砕機、および衝撃粉砕機等の乾式粉砕機、ならびにヘンシェルミキサー、およびスーパーミキサー等の高速攪拌機等から適宜選択した装置を用い、二酸化チタンとメチルハイドロジェンポリシロキサンを攪拌、混合すること有機被覆層を形成する。
【0035】
液相法は、無機被覆層を形成した後、二酸化チタンを含むスラリーにメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含むシリコーンオイル(C)を添加し、攪拌、混合することで有機被覆層を形成する。
【0036】
本発明において熱可塑性樹脂(B)は、公知の熱可塑性樹脂が使用できる。熱可塑性樹脂(B)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアセタール、ABS、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリメチルペンテン、含フッ素樹脂等が挙げられる。
【0037】
二酸化チタン粒子の触媒活性により熱可塑性樹脂の分解や黄変など劣化が促進するが、この劣化は、ポリエステルやポリカーボネートや液晶ポリエステル等、ポリマー主鎖にエステル骨格を有する樹脂やポリアミド等、ポリマー主鎖にアミド骨格を有する樹脂においてより顕著である。しかしながら本発明ではメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含むことでこのような熱可塑性樹脂の劣化を抑制できる。これは二酸化チタンと反応していない一部の未反応ハイドロジェンが還元剤として機能することで、熱可塑性樹脂の劣化を抑制していると推測している。本発明により、耐熱性や機械物性に優れるものの、上述の劣化し易かったポリエステルやポリカーボネート、液晶ポリエステル、およびポリアミド等をディスプレイ用反射板や照明用反射板や太陽電池裏面保護シート等の光線反射用途に好適に用いることができる。
【0038】
ポリエステルは、分子の主鎖にエステル結合を有する公知の樹脂であり、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、ジオール(2価アルコールや2価フェノール)とを反応させた重縮合物;、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、環状エーテル化合物とを反応させた重縮合物;、環状エーテル化合物の開環重合物等が好ましい。ポリエステルは、これら1種類のジカルボン酸と1種類のジオールでの重合体によるホモポリマーであっても、複種類でのコポリマーであってもよい。なお、ジカルボン酸の誘導体とは酸無水物、エステル化物である。ジカルボン酸は、脂肪族および芳香族の2種類のジカルボン酸があるところ、耐熱性が向上する芳香族がより好ましい。芳香族ジカルボン酸は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシルフェニル酢酸、m−フェニレンジグリゴール酸、p−フェニレンジグリコール酸、ジフェニルジ酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジ酢酸、ジフェニルメタン−p,p’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−m,m’−ジカルボン酸、スチルベンジルカルボン酸、ジフェニルブタン−p,p’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−2,7−ジカルボン酸、p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボキシフェノキシブチル酸、1,2−ジフェノキシプロパン−p,p’−ジカルボン酸、1,5−ジフェノキシペンタン−p,p’−ジカルボン酸、1,6−ジフェノキシヘキサン−p,p’−ジカルボン酸、p−(p−カルボキシフェノキシ)安息香酸、1,2−ビス(2−メトキシフェノキシ)−エタン−p,p’−ジカルボン酸、1,3−ビス(2−メトキシフェノキシ)プロパン−p,p’−ジカルボン酸、1,4−ビス(2−メトキシフェノキシ)ブタン−p,p’−ジカルボン酸、1,5−ビス(2−メトキシフェノキシ)−3−オキシペンタン−p,p’−ジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸は、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、コルク酸、マゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
ジカルボン酸は単独または2種類以上を併用できる。
【0039】
2価アルコールは、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,4−ジオール、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中でもエチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
2価フェノールは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
環状エーテル化合物は、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
ジカルボン酸は、単独または2種類以上を併用できる。
【0040】
ポリカーボネートは、2価のフェノールとカーボネート前駆体とを公知の方法で合成した化合物である。2価のフェノールは、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ビドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ビドロキシフェニル)サルファイド等が挙げられる。これらの中でビス(4−ビドロキシフェニル)アルカン系が好ましく、ビスフェノールAと称される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。
カーボネート前駆体は、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価のフェノールのジハロホルメート等が挙げられる。この中でもジフェニルカーボネートが好ましい。これら2価のフェノール、カーボネート前駆体は、いずれも単独あるいは2種以上を併用できる。
【0041】
芳香族ポリアミドとは、例えば環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物等が好ましい。具体的には、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)等の芳香族ポリアミド等が挙げられる。
【0042】
液晶樹脂は、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位等から選ばれた構造単位を有し、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂、あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、および芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位を含み、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミド樹脂等が挙げられる。
【0043】
ポリフェニレンサルファイドは、例えばポリフェニレンサルファイドスルホン、およびポリフェニレンサルファイドケトン、ならびにこれらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物等が挙げられる。
【0044】
本発明の光線反射樹脂組成物は、任意成分として、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、分散剤等を含むことができる。
【0045】
本発明の光線反射樹脂組成物は、二酸化チタン(A)を高濃度に配合したペレット状のマスターバッチであることが好ましい。マスターバッチは、高濃度の二酸化チタン(A)と熱可塑性樹脂(B)を溶融混練し、さらにペレット状に造粒することで製造できる。最終的に成形体に含まれる配合量の二酸化チタン(A)を成形時に配合する場合と比較して、あらかじめ高濃度で予備分散した二酸化チタン(A)のマスターバッチを希釈樹脂の熱可塑性樹脂(B)と配合(溶融混錬)して所望の成形体を製造すると、二酸化チタン(A)を成形体内に均一に分散しやすくなる。
【0046】
マスターバッチは、熱可塑性樹脂(B)100重量部に対して、二酸化チタン(A)を100〜160重量部配合することが好ましい。ここで、マスターバッチの原料の溶融混練は、予め原料を一般的な高速せん断型混合機であるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合した後に行う方法、または、事前に混合せずに、溶融混練する際に、原料を別々に混練機に投入する方法が好ましい。溶融混練は、例えば単軸混練押出機、二軸混練押出機、またはタンデム式二軸混練押出機等を用いるのが好ましい。また、溶融混錬温度は、熱可塑性樹脂の種類により異なるが通常150〜350℃程度である。
【0047】
本発明の光線反射樹脂組成物は、ディスプレイや照明で光源を反射するために使用する反射板や太陽電池で太陽光を反射するために使用する裏面保護シート等の光線反射用の成形体、交通標識板として使用することが出来る。これら成形体は、光線反射樹脂組成物を射出成形機やT−ダイフィルム成形機等の成形機に投入し、成形することで得られる。成形温度は、熱可塑性樹脂の種類により異なるが通常150〜350℃程度である。
【0048】
本発明の成形体が含む二酸化チタンと熱可塑性樹脂の配合量は、用途、成形体厚みによって異なるが、通常、熱可塑性樹脂(B)100重量部に対して、二酸化チタン(A)を10〜80重量部配合するのが好ましい。
【0049】
本発明の光線反射樹脂組成物は、例えば、車のヘッドライト、屋外水銀灯、液晶ディスプレイ用バックライト、電飾看板、照明、植物工場、太陽電池裏面保護シートなどの反射板またはシートに好適に使用することができる。
【実施例】
【0050】
次に、本発明を具体的に実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、部は重量部、%は重量%を意味する。また、表中の配合量は、重量部である。なお、本明細書において実施例1〜15、21〜23は参考例である。
【0051】
実施例および比較例に用いる原料を以下に示す。
【0052】
[メチルハイドロジェンポリシロキサンの合成例1]
ヘキサメチルジシロキサン13g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン184g及びオクタメチルシクロテトラシロキサン236gの混合物を5℃に冷却し、攪拌しながら濃硫酸をゆっくり加えた後、更に水を滴下した。温度を10℃〜20℃に保ちながら8時間攪拌した後、トルエンを加え、シロキサン層が中性になるまで水洗及び廃酸分離を行った。中性になったシロキサン層を減圧加熱濃縮してトルエン等の低留分を除去してハイドジェン官能基当量140g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−1)を得た。
【0053】
[メチルハイドロジェンポリシロキサンの合成例2]
ヘキサメチルジシロキサン32g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン65g及びオクタメチルシクロテトラシロキサン162gの混合物を5℃に冷却し、攪拌しながら濃硫酸をゆっくり加えた後、更に水を滴下した。温度を10℃〜20℃に保ちながら8時間攪拌した後、トルエンを加え、シロキサン層が中性になるまで水洗及び廃酸分離を行った。中性になったシロキサン層を減圧加熱濃縮してトルエン等の低留分を除去してハイドジェン官能基当量240g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−2)を得た。
【0054】
[メチルハイドロジェンポリシロキサンの合成例3]
ヘキサメチルジシロキサン16g及び1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン63gの混合物を5℃に冷却し、攪拌しながら濃硫酸をゆっくり加えた後、更に水を滴下した。温度を10℃〜20℃に保ちながら8時間攪拌した後、トルエンを加え、シロキサン層が中性になるまで水洗及び廃酸分離を行った。中性になったシロキサン層を減圧加熱濃縮してトルエン等の低留分を除去してハイドジェン官能基当量60g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−3)を得た。
【0055】
[メチルハイドロジェンポリシロキサンの合成例4]
ヘキサメチルジシロキサン41g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン81g及びオクタメチルシクロテトラシロキサン222gの混合物を5℃に冷却し、攪拌しながら濃硫酸をゆっくり加えた後、更に水を滴下した。温度を10℃〜20℃に保ちながら8時間攪拌した後、トルエンを加え、シロキサン層が中性になるまで水洗及び廃酸分離を行った。中性になったシロキサン層を減圧加熱濃縮してトルエン等の低留分を除去してハイドジェン官能基当量250g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−4)を得た。
【0056】
[メチルハイドロジェンポリシロキサンの合成例5]
ヘキサメチルジシロキサン31g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン142g及びオクタメチルシクロテトラシロキサン4gの混合物を5℃に冷却し、攪拌しながら濃硫酸をゆっくり加えた後、更に水を滴下した。温度を10℃〜20℃に保ちながら8時間攪拌した後、トルエンを加え、シロキサン層が中性になるまで水洗及び廃酸分離を行った。中性になったシロキサン層を減圧加熱濃縮してトルエン等の低留分を除去してハイドジェン官能基当量67g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−5)を得た。
【0057】
[メチルハイドロジェンポリシロキサンの合成例6]
ヘキサメチルジシロキサン10.5g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン15g及びオクタメチルシクロテトラシロキサン97gの混合物を5℃に冷却し、攪拌しながら濃硫酸をゆっくり加えた後、更に水を滴下した。温度を10℃〜20℃に保ちながら8時間攪拌した後、トルエンを加え、シロキサン層が中性になるまで水洗及び廃酸分離を行った。中性になったシロキサン層を減圧加熱濃縮してトルエン等の低留分を除去してハイドジェン官能基当量140g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−6)を得た。
【0058】
<ハイドロジェンポリシロキサン以外の他のシリコーンオイル>
(S−7)ジメチルシリコーンオイル(KF−96−1000CS 信越シリコーン社製)
(S−8)メチルフェニルシリコーンオイル(KF−50−1000CS 信越シリコーン社製)
(S−9)フルオロアルキル変性シリコーンオイル(FL100−100CS 信越シリコーン社製)
【0059】
二酸化チタンの表面被覆方法の例を以下に示す。なお表面被覆方法は、下記方法に限定されないことは言うまでも無い。
【0060】
<二酸化チタンの表面被覆層形成1>
平均一次粒子径0.24μmのルチル型二酸化チタン粒子を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/lの水性スラリーを調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、撹拌しながら二酸化チタンの100重量部に対して、ケイ酸ナトリウムをSiO2換算で2.0重量部添加した。次いで硫酸でpHを約5に調整することでケイ素酸化物の被覆層を形成した。引き続き撹拌しながら表面被覆する前の二酸化チタンの100重量部に対して、アルミン酸ナトリウムをAl23換算で3.0重量部添加した後、硫酸でpHを5に調整することで酸化アルミニウムの被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で16時間乾燥した。その後、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対してメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−1)2.0重量部を添加して所定の温度、時間高速撹拌して有機被覆層を形成し、サンプルミルにて粉砕し、粒度を調整した。これによりアルミニウムの含水酸化物、ケイ素の含水酸化物及びメチルハイドロジェンポリシロキサンを使用した表面被覆層を有する平均一次粒子径0.25μmの二酸化チタン(A−1)を得た。
【0061】
<二酸化チタンの表面被覆層形成2>
平均一次粒子径0.24μmのルチル型二酸化チタン粒子を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/lの水性スラリーを調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、撹拌しながら二酸化チタンの100重量部に対して、ケイ酸ナトリウムをSiO2換算で2.0重量部添加した。次いで硫酸でpHを約5に調整することでケイ素酸酸化物の被覆層を形成した。引き続き撹拌しながら表面被覆する前の二酸化チタンの100重量部に対して、アルミン酸ナトリウムをAl23換算で2.5重量部添加した後、硫酸でpHを5に調整することでアルミニウム酸化物の被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で16時間乾燥し、サンプルミルにて粉砕し、粒度を調整した。これによりアルミニウムの含水酸化物及びケイ素の含水酸化物を使用した無機被覆層を有する平均一次粒子径0.24μmの二酸化チタン(A−10)を得た。
【0062】
<二酸化チタンの表面被覆層形成3>
平均一次粒子径0.24μmのルチル型二酸化チタン粒子を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/lの水性スラリーを調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、撹拌しながら二酸化チタンの100重量部に対して、ケイ酸ナトリウムをSiO2換算で1.8重量部添加した。次いで硫酸でpHを約5に調整することでケイ素酸化物の被覆層を形成した。引き続き撹拌しながら表面被覆する前の二酸化チタンの100重量部に対して、アルミン酸ナトリウムをAl23換算で2.0重量部添加した後、硫酸でpHを5に調整することで酸化アルミニウムの被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で16時間乾燥した。その後、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対してトリメチロールプロパン1.5重量部を添加して120℃で、20分間高速撹拌して有機被覆層を形成し、サンプルミルにて粉砕し、粒度を調整した。これにより平均一次粒子径0.25μmの二酸化チタン(A−13)を得た。
【0063】
上記(A−1)と同様の方法により(A−2)〜(A−9)、(A−11)〜(A−12)、(A−14)〜(A−15)について表1に記載した比率で、二酸化チタンに被覆層を形成した。また、(A−10)と同様の方法により(A−16)について表1に記載した比率で、二酸化チタンに被覆層を形成した。
【0064】
被覆前と被覆後の二酸化チタンの平均一次粒子径、無機被覆層および被覆量、メチルハイドロジェンポリシロキサンのハイドロジェン官能基当量、粘度、被覆量、被覆温度、被覆時間を表1に示す。なお、実施例と比較例での二酸化チタンの平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡の拡大画像から観察できる50個程度粒子の粒子径を平均して算出した。
【0065】
<二酸化チタンの表面被覆層形成4>
平均一次粒子径0.24μmのルチル型二酸化チタン粒子を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/lの水性スラリーを調整した。このスラリーを60℃に保持したまま、撹拌しながら二酸化チタンの100重量部に対して、ケイ酸ナトリウムをSiO2換算で2.0重量部添加した。次いで硫酸でpHを約5に調整することでケイ素酸化物の被覆層を形成した。引き続き撹拌しながら表面被覆する前の二酸化チタンの100重量部に対して、アルミン酸ナトリウムをAl23換算で3.0重量部添加した後、硫酸でpHを5に調整することで酸化アルミニウムの被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で16時間乾燥した。その後、表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対してメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−1)2.0重量部と他のジメチルシリコーンオイル(S−7)0.7重量部とを添加して所定の温度、時間高速撹拌して有機被覆層を形成し、サンプルミルにて粉砕し、粒度を調整した。これによりアルミニウムの含水酸化物、ケイ素の含水酸化物及びメチルハイドロジェンポリシロキサンを使用した表面被覆層を有する平均一次粒子径0.25μmの二酸化チタン(A−17)を得た。
【0066】
上記(A−17)と同様の方法により(A−18)〜(A−24)について表5に記載した比率で、二酸化チタンに被覆層を形成した。被覆前と被覆後の二酸化チタンの平均一次粒子径、無機被覆層および被覆量、メチルハイドロジェンポリシロキサンの種類、ハイドロジェン官能基当量、粘度、被覆量、他のシリコーンオイルの種類、被覆量、また有機被覆層を形成の被覆温度、被覆時間を表5に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
<二酸化チタン>
表1および表5に示した被覆層を有する二酸化チタン。
<熱可塑性樹脂>
(B−1)ポリエチレンテレフタレート(SA135 三井化学社製)
(B−2)ポリカーボネート(ユーピロンS3000 三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
【0069】
[実施例1]
熱可塑性樹脂(B−1)40重量部と二酸化チタン(A−1)60重量部とを別々の供給口から二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混練した上で、ペレタイザーを使用してペレット状の光線反射樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
得られたマスターバッチ25重量部と熱可塑性樹脂(B−1)75重量部とを溶融混錬し、射出成形機(東芝精機社製)を使用して温度280℃にて射出成形を行い、耐熱試験、耐久性、耐光試験、反射率測定に使用する光線反射板(それぞれ厚さ2mm)を得た。
【0070】
[実施例2〜9]
実施例1の原料および配合量を表2に記載されたように変更した以外は、実施例1を同様に行うことで光線反射板を得た。
【0071】
【表2】
【0072】
[実施例10]
熱可塑性樹脂(B−2)55重量部と二酸化チタン(A−2)45重量部とを別々の供給口から二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し280℃で溶融混練した後、ペレタイザーを使用してペレット状の光線反射樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。得られたマスターバッチ30重量部と熱可塑性樹脂(B−2)60重量部とを溶融混錬し、射出成形機(東芝精機社製)を使用して温度280℃にて射出成形を行い、耐熱試験、耐久性、耐光試験、反射率測定に使用する光線反射板(それぞれ厚さ2mm)を得た。
【0073】
[実施例11]
実施例10の原料および配合量を表2に記載されたように変更した以外は、実施例10を同様に行うことで光線反射板を得た。
【0074】
[比較例1〜3、5〜10]
実施例1の二酸化チタン(A−1)を表3に記載された通り(A−8)〜(A−10)、(A11)〜(A−16)に変更した以外は実施例1と同様に行うことで、それぞれ比較例1〜3および5〜13の光線反射板を得た。
【0075】
[比較例4]
実施例10の二酸化チタン(A−2)を(A−8)に変更した以外は、実施例10を同様に行うことで光線反射板を得た。
【0076】
【表3】
【0077】
得られた光線反射板を以下の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
【0078】
<初期反射率>
得られた光線反射板の表面を紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて反射率を測定した。なお、反射率は白色標準板に対する分光反射率を測定した。反射率の判定は波長400〜700nmの平均反射率を下記の基準で行った。
5:反射率が93.5%以上、非常に優れている。
4:反射率が93〜93.5%未満、優れている。
3:反射率が92.5〜93%未満、良好。
2:反射率が92〜92.5%未満、実用域。
1:反射率が92%未満、実用不可。
【0079】
<耐熱性>
得られた光線反射板を温度150℃のオーブン内に静置し、50時間放置後に室温雰囲気下で変色を測定すること耐熱性を評価した。具体的には、熱経時前後の黄色度(YI値)を、分光測色計(倉敷紡績社製)を用いて測定した。なお、黄色度は紫外線による劣化度合いを示しており、値が低いほど劣化が少ない。また、熱経時後の光線反射板の反射率を上記<反射率>と同様に測定し、熱経時後の反射率を熱経時前の反射率で除算した数値を反射率保持率として、以下の基準で評価した。
5:反射率保持率が97.5%以上、非常に優れている。
4:反射率保持率が96〜97.5%未満、優れている。
3:反射率保持率が94.5〜96%未満、良好。
2:反射率保持率が93〜94.5%未満、実用域。
1:反射率保持率が93未満、実用不可。
【0080】
<耐久性>
光線反射板を、温度サイクル試験器を用いて25℃/30分、85℃/30分、5℃/30分、25℃/30分を1サイクルとし、100サイクルの試験を行った。その後、光線反射板の反射率を紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定した。反射率は白色標準板に対する分光反射率を測定した。反射率の判定は波長400〜700nmの平均反射率を下記の基準で行った。
4:反射率保持率が94%以上、優れている。
3:反射率保持率が92〜94%未満、良好
2:反射率保持率が90〜92%未満、実用域。
1:反射率保持率が90%未満、実用不可。
また、試験後の光線反射板の表面を走査電子顕微鏡を使用して倍率2000倍で観察し、クラックの発生を下記の基準で評価した。クラック発生の有無により、成形体の機械物性保持を予想することができる。
3:2mm角の試験片内に0〜5個のクラックが発生している。良好。
2:2mm角の試験片内に6〜20個のクラックが発生している。実用域。
1:2mm角の試験片内に21個以上のクラックが発生している。実用不可。
【0081】
<耐光性>
光線反射板を、アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製)を用いて温度63℃、湿度50%RH、照射強度100mW/cm2の環境下、24時間静置することにより耐光性試験を行った。その後、試験前後の黄色度(YI値)を、分光測色計(倉敷紡績社製)を用いて測定した。
【0082】
<反射率安定性>
耐熱性試験、耐久性試験、耐光性試験で使用した光線反射板(15cm×15cm×2mm)について、中心と四隅の計5箇所の反射率を測定し、各種経時試験後に二酸化チタンの分散状態に変化が生じていないか分散安定性の観点から成形体の測定位置の違いにより反射率がバラつき度合いを評価した。反射率安定性は下記の基準で評価した。
3:反射率測定5箇所の最大値と最小値の差が1.0未満。良好。
2:反射率測定5箇所の最大値と最小値の差が1以上2未満。実用域。
1:反射率測定5箇所の最大値と最小値の差が2以上。実用不可。
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
[実施例12]
熱可塑性樹脂(B−1)38.8重量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−1)1.2重量部をタンブラーにて20分混合した。この混合物40重量部と二酸化チタン(A−16)60重量部とを別々の供給口から二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混練した上で、ペレタイザーを使用してペレット状の光線反射樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。得られたマスターバッチ25重量部と熱可塑性樹脂(B−1)75重量部とを溶融混錬し、射出成形機(東芝精機社製)を使用して温度280℃にて射出成形を行い、耐熱試験、耐久性、耐光試験、反射率測定に使用する光線反射板(それぞれ厚さ2mm)を得た。
【0086】
[実施例13]
実施例12の原料および配合量を表6に記載されたように変更した以外は、実施例12を同様に行うことで光線反射板を得た。
【0087】
[実施例14]
熱可塑性樹脂(B−1)38.4重量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−3)1.2重量部と他のシリコーンオイル(S−7)0.4重量部とをタンブラーにて20分混合する。この混合物40重量部と二酸化チタン(A−16)60重量部とを別々の供給口から二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混練した上で、ペレタイザーを使用してペレット状の光線反射樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。得られたマスターバッチ25重量部と熱可塑性樹脂(B−1)75重量部とを溶融混錬し、射出成形機(東芝精機社製)を使用して温度280℃にて射出成形を行い、耐熱試験、耐久性、耐光試験、反射率測定に使用する光線反射板(それぞれ厚さ2mm)を得た。
【0088】
[実施例15]
実施例14の原料および配合量を表6に記載されたように変更した以外は、実施例14を同様に行うことで光線反射板を得た。
【0089】
[実施例16〜20]
実施例1の二酸化チタン(A−1)を表6に記載された通り(A−17)〜(A−21)に変更した以外は実施例1と同様に行うことで、それぞれ実施例16〜20の光線反射板を得た。
【0090】
[実施例21]
熱可塑性樹脂(B−2)54重量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−1)1.0重量部をタンブラーにて20分混合する。この混合物55重量部と二酸化チタン(A−16)45重量部とを別々の供給口から二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混練した上で、ペレタイザーを使用してペレット状の光線反射樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。得られたマスターバッチ30重量部と熱可塑性樹脂(B−2)60重量部とを溶融混錬し、射出成形機(東芝精機社製)を使用して温度280℃にて射出成形を行い、耐熱試験、耐久性、耐光試験、反射率測定に使用する光線反射板(それぞれ厚さ2mm)を得た。
【0091】
[実施例22]
実施例21の原料および配合量を表6に記載されたように変更した以外は、実施例21を同様に行うことで光線反射板を得た。
【0092】
[実施例23]
熱可塑性樹脂(B−2)53.9重量部とメチルハイドロジェンポリシロキサン(S−3)0.7重量部と他のシリコーンオイル(S−7)0.4重量部とをタンブラーにて20分混合する。この混合物55重量部と二酸化チタン(A−16)45重量部とを別々の供給口から二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混練した上で、ペレタイザーを使用してペレット状の光線反射樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。得られたマスターバッチ30重量部と熱可塑性樹脂(B−2)60重量部とを溶融混錬し、射出成形機(東芝精機社製)を使用して温度280℃にて射出成形を行い、耐熱試験、耐久性、耐光試験、反射率測定に使用する光線反射板(それぞれ厚さ2mm)を得た。
【0093】
[実施例24、25]
実施例10の二酸化チタン(A−2)を表6に記載された通り(A−18)、(A−21)に変更した以外は実施例10を同様に行うことで光線反射板を得た。
【0094】
[比較例11〜13]
実施例1の二酸化チタン(A−1)を表6に記載された通り(A−22)〜(A−24)に変更した以外は実施例1と同様に行うことで、それぞれ比較例11〜13の光線反射板を得た。
【0095】
【表6】
【0096】
【表7】
【0097】
表4および表7の結果より、実施例1〜25は、全ての評価項目において優れた反射率、耐熱性、耐久性および耐光性が得られた。本発明では、酸化アルミニウム及びケイ素酸化物を含む無機酸化物で被覆された二酸化チタンとハイドロジェン官能基当量5〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサンとを用いることで、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いていない二酸化チタンと比較して反射率、耐熱性、耐久性および耐光性のいずれにも優れる結果が得られた。
【要約】
【課題】本発明は、高い光線反射率を有し、加熱黄変および樹脂劣化を抑制した成形体を成形できる光線反射樹脂組成物および成形体の提供を目的とする。
【解決手段】平均粒子径0.2〜0.35μmの二酸化チタン(A)と、熱可塑性樹脂(B)とシリコーンオイル(C)とを含み、前記二酸化チタン(A)が、二酸化チタン粒子、および前記二酸化チタン粒子の表面を覆う無機被覆層を備え、前記無機被覆層が酸化アルミニウムおよびケイ素酸化物を含み、前記シリコーンオイル(C)が官能基当量50〜300g/molのメチルハイドロジェンポリシロキサン(C−1)を含む、光線反射樹脂組成物。
【選択図】なし