特許第5957752号(P5957752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5957752
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】角底パウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/18 20060101AFI20160714BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   B65D30/18 G
   B65D33/25 A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-67135(P2012-67135)
(22)【出願日】2012年3月23日
(65)【公開番号】特開2013-199282(P2013-199282A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2015年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 賢二
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/009341(WO,A1)
【文献】 特開2006−225025(JP,A)
【文献】 特開2005−015015(JP,A)
【文献】 特開2010−036587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00−33/38
B65D 75/00−75/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏一対の外装シートと、両外装シートの両側部から内側に折り込まれてサイドガセット部を形成する左右一対のサイドガセットシートと、両外装シートの下端部から内側に折り込まれてボトムガセット部を形成するボトムガセットシートとを備え、
前記サイドガセットシートは、幅方向の中央部を、その上端から前記ボトムガセットシートの折込高さ位置まで延びる谷折りの第1縦折目線と、幅方向の中央部を、その下端から前記第1縦折目線の下端まで延びる山折りの第2縦折目線と、下端角部から前記第1縦折目線と第2縦折目線との境界点まで延びる一対の谷折りの傾斜折目線とを有し、谷折りの前記第1縦折目線で二つ折りされると共に、一対の谷折りの前記傾斜折目線に挟まれた三角形の部分が山折りの前記第2縦折目線で二つ折りされることによって、前記サイドガセット部の下端に二重折込部が形成されるようになっており、
前記外装シートの側縁が対応する前記サイドガセットシートの側縁に、前記外装シートの下端縁が対応する前記ボトムガセットシートの下端縁にそれぞれヒートシールされると共に、前記ボトムガセットシートの側縁が対応する前記サイドガセットシートの二重折込部における内側の側縁にヒートシールされた角底パウチにおいて、
左右の前記サイドガセット部にそれぞれ形成された、前記サイドガセットシートの二重折込部には、前記サイドガセットシートが完全に開かないように、前記外装シート、前記サイドガセットシート及び前記ボトムガセットシートのいずれか2つのシートが部分的に接合された接合部が形成されていることを特徴とする角底パウチ。
【請求項2】
前記サイドガセットシートの前記二重折込部における外側の側縁及びその側縁に隣接する内側の側縁には、対応する位置に切欠部がそれぞれ形成されており、
これらの切欠部を介して、前記外装シートと前記ボトムガセットシートとが接合されている請求項1に記載の角底パウチ。
【請求項3】
前記サイドガセットシートの側縁シール部を除いて、前記接合部が形成されている請求項1に記載の角底パウチ。
【請求項4】
前記接合部が前記サイドガセットシートの側縁シール部と一体的に形成されている請求項に記載の角底パウチ。
【請求項5】
裏面側の前記外装シートと前記ボトムガセットシートとが部分的に接合されることによって前記接合部が形成されている請求項1、2、3または4に記載の角底パウチ。
【請求項6】
前記サイドガセットシートの二重折込部よりも上側に、前記サイドガセットシートの側縁シール部を除いて、前記外装シートと前記サイドガセットシートとが接合された上位接合部を有している請求項1、2、3、4または5に記載の角底パウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一対のサイドガセット部及びボトムガセット部を有する角底パウチに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の角底パウチとしては、例えば、図6(a)、(b)に示すようなものがある。この角底パウチ50は、同図に示すように、表裏一対の外装シート51と、両外装シート51の両側部から内側に折り込まれてサイドガセット部を形成する左右一対のサイドガセットシート52と、両外装シート51の下端部から内側に折り込まれてボトムガセット部を形成するボトムガセットシート53と、表裏一対の外装シート51の上部内面にそれぞれ貼着された一対のファスナー部材54とから構成されており、外装シート51の側縁が対応するサイドガセットシート52の側縁に、外装シート51の下端縁が対応するボトムガセットシート53の下端縁にそれぞれヒートシールされると共に、ボトムガセットシート53の側縁が対応するサイドガセットシート52の下端に形成された二重折込部52aにおける内側の側縁にヒートシールされることで、袋状に形成されている。
【0003】
こういった角底パウチは、自立性に優れていると共に、同一サイズの他のパウチに比べて容量が大きいという利点があり、主としてコーヒー豆や茶葉等の粉物製品のパッケージとして一般的に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3655627号公報
【特許文献2】特開2010−036587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した角底パウチ50は、サイドガセット部及びボトムガセット部の双方が開くようになっているので、例えば、化粧品や点眼薬等の容器入り商品の2次包装パッケージとして使用すると、図7(a)、(b)に示すように、点眼薬B等の収容物品が角底パウチ50の中で揺動してしまい、位置規制ができないといった問題がある。
【0006】
こういった問題を解決するため、収容物品に合わせて角底パウチ自体をタイトに設計することが考えられるが、収容物品に合わせて角底パウチ自体をタイトに設計すると、角底パウチ内で収容物品が揺動しにくくなるが、収容物品の収容作業性が悪くなると共に、外装シートの幅も小さくなるので、表示面積が小さくなるといった問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、収容作業性が良く、しかも、物品を収容した状態では、確実に位置規制をすることができる角底パウチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、表裏一対の外装シートと、両外装シートの両側部から内側に折り込まれてサイドガセット部を形成する左右一対のサイドガセットシートと、両外装シートの下端部から内側に折り込まれてボトムガセット部を形成するボトムガセットシートとを備え、前記サイドガセットシートは、幅方向の中央部を、その上端から前記ボトムガセットシートの折込高さ位置まで延びる谷折りの第1縦折目線と、幅方向の中央部を、その下端から前記第1縦折目線の下端まで延びる山折りの第2縦折目線と、下端角部から前記第1縦折目線と第2縦折目線との境界点まで延びる一対の谷折りの傾斜折目線とを有し、谷折りの前記第1縦折目線で二つ折りされると共に、一対の谷折りの前記傾斜折目線に挟まれた三角形の部分が山折りの前記第2縦折目線で二つ折りされることによって、前記サイドガセット部の下端に二重折込部が形成されるようになっており、前記外装シートの側縁が対応する前記サイドガセットシートの側縁に、前記外装シートの下端縁が対応する前記ボトムガセットシートの下端縁にそれぞれヒートシールされると共に、前記ボトムガセットシートの側縁が対応する前記サイドガセットシートの二重折込部における内側の側縁にヒートシールされた角底パウチにおいて、左右の前記サイドガセット部にそれぞれ形成された、前記サイドガセットシートの二重折込部には、前記サイドガセットシートが完全に開かないように、前記外装シート、前記サイドガセットシート及び前記ボトムガセットシートのいずれか2つのシートが部分的に接合された接合部が形成されていることを特徴とする角底パウチを提供するものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の角底パウチにおいて、前記サイドガセットシートの前記二重折込部における外側の側縁及びその側縁に隣接する内側の側縁には、対応する位置に切欠部がそれぞれ形成されており、これらの切欠部を介して、前記外装シートと前記ボトムガセットシートとが接合されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の角底パウチにおいて、前記サイドガセットシートの側縁シール部を除いて、前記接合部が形成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項に係る発明の角底パウチにおいて、前記接合部または前記上位接合部が前記サイドガセットシートの側縁シール部と一体的に形成されていることを特徴としている。


【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項1、2、3または4に係る発明の角底パウチにおいて、裏面側の前記外装シートと前記ボトムガセットシートとが部分的に接合されることによって前記接合部が形成されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項1、2、3、4または5に係る発明の角底パウチにおいて、前記サイドガセットシートの二重折込部よりも上側に、前記サイドガセットシートの側縁シール部を除いて、前記外装シートと前記サイドガセットシートとが接合された上位接合部を有している。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、請求項1に係る発明の角底パウチは、左右のサイドガセット部にそれぞれ形成された、サイドガセットシートの二重折込部に、サイドガセットシートが完全に開かないように、外装シート、サイドガセットシート及びボトムガセットシートのいずれか二つのシートが部分的に接合された接合部が形成されているので、底部付近のサイドガセット部は、その幅方向の中央部が内側に張り出すことになり、収容物品がサイドガセット部によって位置決めされる。
【0015】
また、収容物品の位置規制のためにサイドガセット部やボトムガセット部の幅を小さくしなくてもよいので、パウチ上部にある程度の余裕を確保することができると共に、外装シートの幅を十分に確保することができるので、物品の収容作業性が低下することがなく、表示面積が小さくなることもない。
【0016】
また、請求項2に係る発明の角底パウチは、前記サイドガセットシートの前記二重折込部における外側の側縁及びその側縁に隣接する内側の側縁にそれぞれ形成された切欠部を介して、外装シートとボトムガセットシートとが接合されているので、その切欠部をサイドガセットシートにおける側縁シール部分に形成しておくことによって、サイドガセットシートの側縁を外装シートやボトムガセットシートの側縁にシールする際、外装シートとボトムガセットシートとが同時に接合される。従って、外装シートとボトムガセットシートを接合するためのシールバー等を別途用意する必要がなく、従来の角底パウチの製袋装置によって製袋することができる。
【0017】
また、サイドガセットシートが完全に開かないようにするには、請求項3に係る発明の角底パウチのように、サイドガセットシートの側縁シール部を除いて、接合部を形成しておくことによって実現することができる。
【0018】
また、請求項4に係る発明の角底パウチは、接合部がサイドガセットシートの側縁シール部と一体的に形成されているので、側縁シールを異形シールにすることによって対応することができる。
【0019】
また、請求項5に係る発明の角底パウチは、裏面側の外装シートとボトムガセットシートとが部分的に接合されることによって接合部が形成されているので、起立させると全体が斜め後方に傾斜することになり、店頭で陳列したときに外装シートに施された商品表示等が見やすくなるという効果が得られる。
【0020】
また、請求項6に係る発明の角底パウチは、サイドガセットシートの二重折込部よりも上側に、サイドガセットシートの側縁シール部を除いて、外装シートとサイドガセットシートとが接合された上位接合部を有しているので、収容物品を上下2点で支持することになり、収容物品の位置規制をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】(a)はこの発明に係る角底パウチの一実施形態を示す正面図、(b)は同上の角底パウチを示す背面図である。
図2】同上の角底パウチを示す分解背面図である。
図3】同上の角底パウチを構成しているサイドガセットシートを示す平面図である。
図4】(a)は同上の角底パウチによって点眼薬を包装した包装体を示す正面図、(b)は同上の包装体を示す側面図、(c)は同上の包装体を示す背面図である。
図5】他の実施形態である角底パウチを構成しているサイドガセットシートを示す平面図である。
図6】(a)は従来の角底パウチを示す正面図(背面図)、(b)は同上の角底パウチを示す分解斜視図である。
図7】(a)は同上の角底パウチによって点眼薬を包装した包装体を示す正面図、(b)は同上の包装体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)、(b)は、プラスチック容器に充填された点眼薬の2次包装パッケージとして使用する角底パウチ1を示しており、この角底パウチ1は、内面が熱接着性を有する柔軟性シートによって形成されている。
【0023】
柔軟性シートは、通常、単層又は複層の樹脂フィルムから構成されている。フレキシブルシートとしては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適であり、高いガスバリア性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にガスバリア層を設けることが好適である。
【0024】
前記ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0025】
前記シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0026】
前記ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
【0027】
この角底パウチ1は、図1(a)、(b)及び図2に示すように、表裏一対の外装シート11、12と、両外装シート11、12の両側部から内側に折り込まれてサイドガセット部を形成する左右一対のサイドガセットシート13と、両外装シート11、12の下端部から内側に折り込まれてボトムガセット部を形成するボトムガセットシート14と、表裏一対の外装シート11、12の上部内面にそれぞれ貼着された一対のファスナー部材15とから構成されている。
【0028】
裏面側の外装シート12、サイドガセットシート13及びボトムガセットシート14は、ポリエチレンやポリプロピレン等からなる熱接着性を有するシーラントフィルムの外面に、アルミホイル等のガスバリア性シート等を積層した二軸延伸ポリエステルフィルム等をラミネートした厚さ80〜200μm程度の不透明な柔軟性シートによって形成されているが、正面側の外装シート11は、ポリエチレンやポリプロピレン等からなる熱接着性を有するシーラントフィルムの外面に二軸延伸ポリエステルフィルム等をラミネートした厚さ80〜200μm程度の透明な柔軟性シートによって形成されおり、この角底パウチ1に収容した点眼薬を正面側から視認することができるようになっている。
【0029】
前記サイドガセットシート13は、図3に示すように、幅方向の中央部を、その上端からボトムガセットシート14の折込高さ位置まで延びる谷折りの第1縦折目線13aと、幅方向の中央部を、その下端から第1縦折目線13aの下端まで延びる山折りの第2縦折目線13bと、下端角部から傾斜角度45度で、第1縦折目線13aと第2縦折目線13bとの境界点まで延びる一対の谷折りの傾斜折目線13c、13cとを有しており、谷折りの第1縦折目線13aで二つ折りされると共に、一対の谷折りの傾斜折目線13c、13cに挟まれた二等辺三角形の部分が山折りの第2縦折目線13bで二つ折りされることによって、サイドガセット部の下端に、二つ折りされたボトムガセットシート14の両端部を挟み込む二重折込部13Aが形成されるようになっている。
【0030】
この角底パウチ1は、図1(a)、(b)に示すように、外装シート11、12の側縁OE1が対応するサイドガセットシート13の側縁SE1に、外装シート11、12の下端縁OE2が対応するボトムガセットシート14の下端縁GEにそれぞれヒートシールされると共に、サイドガセットシート13よりも上側における外装シート11、12の側縁OE1同士がヒートシールされ、ボトムガセットシート14の側縁が対応するサイドガセットシート13の二重折込部13Aにおける内側の側縁(図3に示すサイドガセットシート13の下端縁)SE2にヒートシールされることで、袋状に形成されている。なお、図1(a)、(b)における網掛け表示部分が、角底パウチ1のヒートシール部分を示している。
【0031】
また、図3に示すように、サイドガセットシート13におけるクロスハッチングで示す側縁シール部よりも内側には、裏面側の傾斜折目線13cを挟んでその両側に、二重折込部13Aを形成した状態で相互に一致する一対の穴13d、13dが形成されており、図1(b)に示すように、この穴13d、13d部分で、裏面側の外装シート12とボトムガセットシート14とがヒートシールされることで、ポイントシール部PSが形成されている。なお、図2における一点鎖線で囲われた円形の部分がヒートシールされる部分である。
【0032】
容器に充填された点眼薬を、上述した角底パウチ1に収容し、外装シート11、12の上縁部分をヒートシールすると、図4(a)〜(c)に示すように、点眼薬Bが密封包装された包装体が出来上がる。
【0033】
以上のように、この角底パウチ1は、左右のサイドガセット部にそれぞれ形成された、サイドガセットシート13の二重折込部13Aに、サイドガセットシート13の側縁シール部を除いて、外装シート12及びボトムガセットシート14が部分的にヒートシールされたポイントシール部が形成されているので、底部付近のサイドガセット部が開きにくく、収容した点眼薬Bが、内側に張り出したサイドガセットシート13によって位置決めされ、角底パウチ1の中で揺動することがない。
【0034】
また、点眼薬Bの位置規制のためにサイドガセット部やボトムガセット部の幅を小さくしなくてもよいので、パウチ上部にある程度の余裕を確保することができると共に、外装シート11、12の幅を十分に確保することができるので、点眼薬Bの収容作業性が低下することがなく、販促効果に影響を及ぼす表示面積が小さくなることもない。
【0035】
また、この角底パウチ1は、裏面側の外装シート12とボトムガセットシート14とが部分的にヒートシールされたポイントシール部が形成されているので、図4(b)に示すように、起立させると全体が斜め後方に僅かに傾斜することになり、店頭で陳列したときに外装シート11に施された商品表示等が見やすくなるという効果が得られる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、サイドガセットシート13の二重折込部13Aに、サイドガセットシート13の側縁シール部を除いて、穴13dを形成することによって、外装シート12とボトムガセットシート14とをポイントシールしているが、これに限定されるものではなく、サイドガセットシート13が完全に開かないようにするには、例えば、図5に示すように、サイドガセットシート13の二重折込部における側縁シール部となる外側の側縁SE1及びその側縁SE1に隣接する内側の側縁SE2の対応する位置にそれぞれ切欠部13eを形成し、この切欠部13eを介して、外装シート12とボトムガセットシート14とをポイントシールするようにしてもよい。
【0037】
特に、同図に示すように、サイドガセットシート13におけるクロスハッチングで示す側縁シール部からはみ出さないように切欠部13eを形成しておくと、サイドガセットシート13の側縁を外装シート12やボトムガセットシート14の側縁にヒートシールする際、外装シート12とボトムガセットシート14とが同時にポイントシールされるので、外装シート12とボトムガセットシート14とをポイントシールするためのシールバー等を別途用意する必要がなく、従来の角底パウチの製袋装置によって製袋することができるという効果が得られる。
【0038】
また、上述した各実施形態では、サイドガセットシート13の二重折込部13Aに穴13dや切欠部13eを形成することによって、外装シート12とボトムガセットシート14とをポイントシールしているが、これに限定されるものではなく、同様の効果を得るために、例えば、外装シート12とサイドガセットシート13とを同様の位置でポイントシールしたり、ボトムガセットシート14とサイドガセットシート13とを同様の位置でポイントシールしたりすることも可能である。
【0039】
また、上述した各実施形態では、角底パウチ1の背面側において、外装シート12とボトムガセットシート14、外装シート12とサイドガセットシート13またはボトムガセットシート14とサイドガセットシート13とを、それぞれポイントシールしているが、これに限定されるものではなく、角底パウチの正面側において、外装シート11とボトムガセットシート14、外装シート11とサイドガセットシート13またはボトムガセットシート14とサイドガセットシート13とを、それぞれポイントシールしたり、一方のサイドガセット部は角底パウチの背面側に、他方のサイドガセット部は角底パウチの正面側にポイントシール部を形成したり、角底パウチの背面側及び正面側の双方にポイントシール部を形成したりすることも可能である。ただし、起立させた状態で角底パウチを後方に傾斜させるためには、背面側、特に、外装シート12とボトムガセットシート14との間ポイントシールを形成しておくことが望ましい。
【0040】
また、上述した各実施形態では、サイドガセット部の底部(サイドガセットシート13の二重折込部13A)にポイントシール部が形成されているが、これに加えて、サイドガセットシート13の二重折込部13Aよりも上側に、外装シート11及び外装シート12の少なくとも一方とサイドガセットシート13とが部分的にヒートシールされた上位ポイントシール部(上位接合部)を形成することも可能であり、係る構成を採用することによって、収容物品が上下2点で支持されることになるので、収容物品の位置規制をより確実に行うことができる。
【0041】
また、上述した各実施形態では、ポイントシール部や上位ポイントシール部が側縁シール部から完全に分離した状態で形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ポイントシール部や上位ポイントシール部を側縁シール部と重複するような状態で形成したり、ポイントシール部と側縁シール部とを一体的に形成してもよい。
【0042】
また、上述した各実施形態では、点眼薬の2次包装パッケージとして使用する角底パウチ1について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、化粧品等の種々の物品を収容する場合に本発明を適用することができることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、一対のサイドガセット部及びボトムガセット部を有する角底パウチに利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 角底パウチ
11、12 外装シート
13 サイドガセットシート
13A 二重折込部
13a 第1縦折目線
13b 第2縦折目線
13c 傾斜折目線
13d 穴
13e 切欠部
14 ボトムガセットシート
15 ファスナー部材
B 点眼薬
PS ポイントシール部(接合部)
OE1 外装シートの側縁
OE2 外装シートの下端縁
SE1 サイドガセットシートの側縁
SE2 サイドガセットシートの二重折込部における内側の側縁(下端縁)
GE ボトムガセットシートの下端縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7