(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態にかかる生体通信システム1の全体を示す斜視図である。図示するように、生体通信システム1は、画像形成装置100と、画像形成装置100を操作するユーザーがポケットに入れたり身に付けたりして携帯する端末装置200と、を含む。
【0016】
画像形成装置100と端末装置200の間では、生体(ユーザーの人体)を通信路(図示する点線)として、相互に通信(以下では「生体通信」とよぶ)できる。
【0017】
ここで、画像形成装置100は、たとえば、画像を記録紙に印刷するプリント機能、原稿画像を光学的に読み取るスキャン機能、スキャン機能により読み取られた画像を記録紙に印刷するコピー機能、画像データを送受信するファクシミリ機能、などを有する複合機である。
【0018】
もちろん、画像形成装置100は複合機に限られず、印刷装置、スキャナー装置、コピー機、ファクシミリ装置などであってもよい。
【0019】
また、端末装置200は、生体通信機能を有する携帯端末である。もちろん、端末装置200は、生体通信機能を有していればよく、たとえば、携帯電話、ICカード(例えば、従業員証)、腕時計、鍵などであってもよい。
【0020】
図2は、画像形成装置100の機能構成例を示す図である。図示するように、画像形成装置100は、制御部101と、記憶部102と、電極部103と、生体通信部104と、操作表示部105と、原稿読取部106と、画像形成部107と、入出力インターフェイス部108と、電源部109と、を備える。
【0021】
制御部101は、画像形成装置100全体の制御を行う。具体的には、制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、CPUがROMに格納された所定のプログラムや各種データをRAMに読み出して実行することにより、後述する各機能部(102〜109)を統括して制御する。
【0022】
記憶部102は、各種データを記憶する。たとえば、記憶部102は、スキャン機能により読み取られた画像データ、外部装置(不図示)から受信した印刷データ、ファクシミリ受信した画像データ、等を記憶する。また、記憶部102は、画像形成装置100の利用を許可しているユーザーの識別情報等を記憶しておいてもよい。
【0023】
なお、記憶部102は、たとえば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、HDDなどにより実現される。
【0024】
電極部103は、上記の生体通信が行われる場合にユーザーがタッチする(触れる)部位であり、たとえば、透明な導電性の樹脂で形成される。すなわち、電極部103は、画像形成装置100と人体を電気的に接続する透明電極として機能する。
【0025】
生体通信部104は、電極部103にタッチしているユーザーの人体(生体)を通信路として、そのユーザーが携帯している端末装置200と生体通信を行う。ここで、生体通信の方式としては、電流方式や電界方式がある。電流方式では、生体通信部104は、人体に微弱な電流(交流)を流し、その電流に情報をのせることで通信を行う。一方、電界方式では、生体通信部104は、人体の近傍に電界を発生させて、誘電体である人体を誘電分極させる。これにより、人体全体が電界をまとった通信路になる。このとき、端末装置200は、この電界の変動を信号として検出する。そのため、電界方式では、端末装置200と人体は直接触れている必要がなく、信号経路の間に絶縁体があっても通信が成立する。
【0026】
操作表示部105は、各種操作にかかる操作キーを表示する表示部151と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部152と、を備える、いわゆるタッチパネルである。
【0027】
表示部151は、制御部101の制御に従って操作キー等の各種画像を表示する。たとえば、表示部151は、液晶表示画面やEL(Electrо Luminescence)表示画面で構成される。
【0028】
操作部152は、ユーザーによってタッチされた位置(以下では「タッチ位置」ともいう)を検出し、検出されたタッチ位置に基づいてユーザーの入力(指示)を特定する。
【0029】
原稿読取部106は、原稿画像を光学的に読み取って画像データを取得する。たとえば、原稿読取部106は、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を1ライン分読み取るイメージセンサーと、原稿からの反射光をイメージセンサーに導いて結像させるレンズやミラー等の光学系と、ミラーや光源を移動させるキャリッジと、を含む。
【0030】
画像形成部107は、画像データに基づく画像を電子写真プロセスによって記録紙上に画像形成(印刷)する。たとえば、画像形成部107は、記録紙の搬送装置、感光体ドラム、帯電装置、LD(Laser Diode)、走査ユニット、現像装置、転写分離装置、クリーニング装置、定着装置、などを有するレーザープリンターとして構成される。
【0031】
もちろん、画像形成部107は、レーザープリンターに限定されず、インクジェット方式などその他の方式のプリンターとして構成されてもよい。
【0032】
入出力インターフェイス部108は、画像形成装置100をネットワーク接続やUSB接続により外部装置(端末装置200を除く、たとえば、外部PC)と接続し、各種データの送受信を行う。たとえば、ここでのネットワークには、LAN(Local Area Network)等が含まれる。
【0033】
電源部109は、画像形成装置100の各部への電力供給を制御する。たとえば、電源部109は、画像形成装置100全体へ電力を供給する通常モードと、画像形成装置100の一部に電力を供給する省電力モードと、の切り替え制御も行う。また、電源部109による電力供給は、外部からの電力供給に限らず、バッテリーからの電力供給であってもよい。
【0034】
次に、電極部103および操作表示部105の構成および使用態様について、より詳細に説明する。
【0035】
図3は、電極部103と操作表示部105の構成例を示す図である。
【0036】
図示するように、操作表示部105の操作部152は、表示部151上に積層される。操作部152は、スペーサ(不図示)を介して対向配置された一対の第1の導電シート1522と第2の導電シート1523を含む。上層の第1の導電シート1522は、透明な導電シートであり、その両端には所定の電圧が印加される。また、下層の第2の導電シート1523も、透明な導電シートであり、その表面には複数の突起部(不図示)が行列状に形成される。そして、ユーザーの操作によって第1の導電シート1522の上方側がタッチされると、第1の導電シート1522と第2の導電シート1523がタッチ位置で物理的に接触する。このとき、操作部152は、第1の導電シート1522と第2の導電シート1523との間の電気抵抗を2次元的に検知することで、タッチ位置を検出する。
【0037】
そして、電極部103は、図示するように、透明な絶縁シート1521を介して、第1の導電シート1522の上に積層される。
【0038】
このように、表示部151の上に、透明の操作部152(第2の導電シート1523、第1の導電シート1522、絶縁シート1521)と透明の電極部103が積層される構造により、ユーザーは、電極部103の上方側から表示部151に表示されている情報を見ることができる。
【0039】
そして、電極部103の上面(斜線部分)がユーザーによってタッチされると、操作部152は、電極部103とは独立して、そのタッチ位置を検出できる。このとき、電極部103では、そのタッチ位置が、端末装置200との生体通信における人体との電気的な接続部となる。
【0040】
また、
図4(A)は、表示部151に表示される画面の一例である。図示する例では、生体通信を開始する操作画面が示されている。
【0041】
図示するように、たとえば、表示部151は、コピー機能にかかる選択を受け付けるコピー機能タブ11と、スキャン機能にかかる選択を受け付けるスキャン機能タブ12と、ファクシミリ機能にかかる選択を受け付けるFAX機能タブ13と、プリント機能にかかる選択を受け付けるプリント機能タブ14と、を有する機能選択画面を表示する。
【0042】
そして、表示部151は、いずれか1つのタブ(11〜14)が選択されると、選択されたタブ(11〜14)にかかる各種機能の操作キーを表示する。たとえば、図示するように、スキャン機能タブ12が選択された場合には、表示部151は、スキャン機能にかかる各機能を開始するための、第1操作キー21と、第2操作キー22と、第3操作キー23と、を表示する。ここで、第1操作キー21は、原稿画像をスキャンして生体通信により端末装置200へ送信する機能(「Scan tо 端末装置機能」ともいう)を開始するための操作キーである。また、第2操作キー22は、原稿画像をスキャンしてE−mailで送信する機能(「Scan tо E−mail機能」ともいう)を開始するための操作キーである。また、第3操作キー23は、原稿画像をスキャンしてHDD(Hard Disk Drive)に保存する機能(「Scan to HDD機能」ともいう)を開始するための操作キーである。
【0043】
そして、操作部152は、第1操作キー21の領域がユーザーによってタッチされると、「Scan tо 端末装置機能」を開始する指示がなされたものとみなす。
【0044】
ところで、従来では、第1、第2、第3操作キー(21〜23)のいずれの操作キーが操作された場合であっても、その機能が実行されている間は、
図4(A)の画面が表示され続ける。そのため、第1操作キー21の操作により、「Scan tо 端末装置機能」のような生体通信を伴う機能を開始する指示がなされた場合であっても、従来では、そのまま
図4(A)の画面が表示され続ける。
【0045】
その結果、ユーザーは、「Scan tо 端末装置機能」開始後の生体通信中においても、第1操作キー21の領域をタッチしている必要があると思い込み、1本の指で電極部103にタッチしていることが多い。
【0046】
図4(B)は、生体通信中に1本の指で電極部103がタッチされる場合の従来の操作画面の一例を示す図である。
【0047】
しかし、電極部103は、
図3に示すように表示部151(表示画面)全体にわたって配置される。そのため、
図4(B)に示すようにユーザーは第1操作キー21の領域内を1本の指でタッチしている必要はない。むしろ、生体通信の安定性を考慮すれば、生体通信中は、1本の指よりも複数の指で電極部103がタッチされている方が好ましい。
【0048】
そこで、本実施形態では、制御部101は、電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きいことをユーザーに対して通知する。
【0049】
図5(A)は、本実施形態にかかる生体通信中の操作画面の一例を示す図である。本実施例においても、ユーザーが第1操作キー21の領域をタッチした時点では
図4(B)の如き画面が表示されている。そして、第1操作キー21がタッチされたことに応答し、たとえば、
図5(A)に図示するように、制御部101は、表示部151に「画面全体を複数の指でタッチできます」といった趣旨のメッセージ41を表示させて、電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きいことをユーザーに通知する。
【0050】
このようにすれば、ユーザーは、生体通信中にタッチできる電極部103の領域が、第1操作キー21よりも大きいことを知ることができ、複数の指で電極部103をタッチするようになる。
【0051】
図5(B)は、ユーザーが電極部103に複数本の指で触れたときの状態例を示す図である。図中に点線で囲んで示す部分において、生体通信中に複数本の指で電極部103がタッチされれば、1本の指でタッチされる場合と比較して、生体通信における通信の安定性は確保されやすくなる。
【0052】
図6は、端末装置200の機能構成例を示す図である。図示するように、端末装置200は、制御部201と、記憶部202と、入出力部203と、生体通信部204と、を備える。
【0053】
制御部201は、端末装置200全体の制御を行う。具体的には、制御部201は、CPU、RAM、ROMを有し、CPUがROMに格納された所定のプログラムや各種データをRAMに読み出して実行することにより、後述する各機能部(202〜204)を統括して制御する。
【0054】
記憶部202は、各種データを記憶する。たとえば、記憶部202は、携帯しているユーザーの識別情報、パスワード、印刷設定にかかる情報、操作ログ、画像データ等を記憶する。
【0055】
なお、記憶部202は、たとえば、RAM、ROM、フラッシュメモリーなどにより実現され、好ましくは不揮発性の二次記憶装置で構成される。
【0056】
入出力部203は、ユーザーからの指示を受け付ける。また、入出力部203は、各種情報や画像をディスプレイに表示する。たとえば、入出力部203は、タッチパネル(または、液晶ディスプレイ)、ハードスイッチ、等で実現される。
【0057】
生体通信部204は、画像形成装置100の電極部103にタッチしているユーザーの人体(生体)を通信路として、画像形成装置100と生体通信を行う。ただし、端末装置200にも、画像形成装置100の電極部103と同様の電極部を設けておく必要がある。
【0058】
次に、本実施形態における、上記構成からなる生体通信システム1の特徴的な動作について説明する。
【0059】
図7は、画像形成装置100で行われる表示制御処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、制御部101のCPUがROMに格納されたプログラムをRAMに読み出してこれを実行することにより実現され、当該制御部101が各機能部を制御することによって実現される。
【0060】
画像形成装置100の制御部101は、本体の電源がON(電源部109による電力供給が開始)されたタイミングで、本フローを開始する。
【0061】
先ず、制御部101は、初期画面として表示部151に上述の機能選択画面を表示する(ステップS101)。
【0062】
また、電源がONされると、制御部101は、操作部152を介して、操作部152の上に配置された電極部103へのユーザーの操作を監視する。
【0063】
この状態において、制御部101は、生体通信の開始を指示する操作がなされたか否か判別する(ステップS102)。たとえば、制御部101は、操作部152において、
図4(A)に示すスキャン機能タブ12が選択され、その後、第1操作キー21をタッチする操作がなされたと検知した場合に、生体通信の開始を指示する操作がなされたと判定する。
【0064】
制御部101は、ステップS102の判別処理を繰り返すことにより、生体通信の開始を指示する操作がなされるまで待機する(ステップS102:No)。他方、ステップS102において生体通信の開始を指示する操作がなされると(ステップS102:Yes)、ステップS103に進む。
【0065】
ステップS103では、制御部101は、ユーザーによって指示された生体通信が、所定の基準を満たすか否かに応じて、第1の生体通信と第2の生体通信のいずれの生体通信であるか判別する(ステップS103)。
【0066】
本実施形態では、ステップS103において、制御部101は、たとえば、ユーザーによって指示された生体通信にかかる通信時間が、所定の基準時間(たとえば、5秒)以上を要するものである場合に、第1の生体通信と判定する。一方、制御部101は、ユーザーによって指示された生体通信にかかる通信時間が、所定の基準時間未満で完了するものである場合には、第2の生体通信と判定する。
【0067】
そして、制御部101は、ユーザーによって指示された生体通信が第1の生体通信であると判定された場合には(ステップS103:Yes)、ステップS104へ進む。
【0068】
ステップS104では、制御部101は、生体通信中に電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きい(広い)ことをユーザーに通知する(ステップS104)。たとえば、ステップS104において、制御部101は、
図5(A)に示すように、表示部151に「画面全体を複数の指でタッチできます」といった趣旨のメッセージ41を表示させればよい。
【0069】
これにより、ユーザーは、
図5(B)に示すように、複数本の指で電極部103をタッチするようになる。
【0070】
また、制御部101は、生体通信が行われている間、操作部152によるユーザーからの入力の受け付け動作を停止させる(入力制限)。具体的には、制御部101は、操作部152において、
図3に示す第1の導電シート1522への電圧印加を停止し、タッチ位置の検出を行わないようにさせる。
【0071】
ステップS104に続き、制御部101は、生体通信部104を介して、ステップS103でユーザーに指定された生体通信(第1の生体通信)を開始する(ステップS105)。たとえば、第1の生体通信では、画像形成装置100は、生体通信部104を介して通信に時間を要するデータ(たとえば、画像データを含む通信データ)を、端末装置200と送受信する。
【0072】
このような第1の生体通信が開始されると、制御部101は、端末装置200とやりとりする予定の通信データが全て生体通信部104により送受信されたか否か判別する(ステップS106)。
【0073】
ここで、制御部101は、予定されていた全ての通信データが送受信されるまでは(ステップS106:No)、生体通信を続ける。
【0074】
そして、制御部101は、予定されていた全ての通信データが送受信されると(ステップS106:Yes)、生体通信部104に端末装置200との生体通信(第1の生体通信)を終了させ、ステップS104で行ったユーザーへの通知を表示部151に終了させる(ステップS107)。
【0075】
したがって、本実施形態では、生体通信の開始から終了までの期間に、ステップS104の通知を行うことにしている。ただし、この通知のタイミングは、これに限定されない。
【0076】
なお、制御部101は、生体通信が終了すると、操作部152によるユーザーからの入力の受け付け動作を再開する(入力制限解除)。
【0077】
次に、制御部101は、電源がOFF(電源部109による電力供給が停止)されたか否か判別する(ステップS108)。
【0078】
ここで、制御部101は、電源がオフされていない場合には(ステップS108:No)、処理をステップS102に戻し、電源がオフされた場合には(ステップS108:Yes)、本フローを終了させる。
【0079】
ところで、ステップS103においてユーザーによって指示された生体通信が第2の生体通信であると判定された場合には(ステップS103:No)、ステップS109に進む。
【0080】
ステップS109では、制御部101は、ステップS102でユーザーに指定された生体通信(第2の生体通信)を生体通信部104により開始する(ステップS109)。たとえば、第2の生体通信では、第1の生体通信と比べて通信に時間がかからないデータ(たとえば、ユーザー認証に利用されるユーザーの識別情報)を端末装置200と送受信する。
【0081】
このような第2の生体通信が開始されると、制御部101は、端末装置200とやりとりする予定の通信データが全て生体通信部104により送受信されたか否か判別する(ステップS110)。
【0082】
即ち、制御部101は、予定されていた全ての通信データが送受信されるまでは(ステップS110:No)、生体通信部104に生体通信を続けさせ、予定されていた全ての通信データが送受信されると(ステップS110:Yes)、生体通信部104に端末装置200との生体通信(第2の生体通信)を終了させる。その後、上述したS108に進む。
【0083】
以上の表示制御処理を画像形成装置100で行うことにより、生体通信機能を利用するユーザーに対して、複数本の指で電極部103に触れることを促すことができる。そのため、ユーザーは自然に複数本の指で電極部103に触れるようになり、生体通信における通信の安定性は確保されやすくなる。
【0084】
また、上記の表示制御処理では、生体通信が行われている間、ユーザーからの入力の受け付け動作を停止させている。そのため、生体通信が開始された後に、第1操作キー21以外の操作キー(たとえば、コピー機能タブ11など)がタッチされても、ユーザーの指示とみなさないようにすることができる。
【0085】
また、上記の表示制御処理では、比較的通信に時間がかからない生体通信(すなわち、第2の生体通信)を行う場合には、複数本の指で電極部103に触れることをユーザーに促さないようにしている。これにより、画像形成装置100にかかる負荷を軽減することができる。
【0086】
なお、上記したフローチャートの各処理単位は、画像形成装置100の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。画像形成装置100が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0087】
また、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0088】
たとえば、上記実施形態では、制御部101は、生体通信にかかる操作(第1操作キー21への操作など)の入力を受け付けた場合に、電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きいことを通知している。
【0089】
しかし、本発明は、これに限定されず、制御部101は、それ以外のタイミングや期間で、同様の通知を行ってもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、制御部101は、ステップS103において、生体通信にかかる通信時間に応じて、第1の生体通信であるか第2の生体通信であるか判定している。
【0091】
しかし、本発明は、これとは別の判定方法を採用してもよい。たとえば、ステップS103において、制御部101は、ユーザーによって指示された生体通信にかかるデータ通信量が、所定の基準量(たとえば、1メガバイト)以上である場合に、第1の生体通信と判定し、所定の基準量未満である場合に、第2の生体通信と判定するようにしてもよい。
【0092】
また、ステップS103において、制御部101は、ユーザーによって指示された生体通信で端末装置200とやりとりされる通信データに画像データが含まれている場合に、第1の生体通信と判定し、画像データが含まれていない場合に、第2の生体通信と判定するようにしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、制御部101は、ステップS104において、メッセージ41を表示部151に表示させることにより、電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きいことをユーザーに通知している。
【0094】
しかし、本発明は、これに限定されない。たとえば、制御部101は、ステップS104において、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を視覚的に表示部151に表示させることによって、同様の通知を行ってもよい。
【0095】
図8(A)は、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を視覚的に表示させる例を示す図である。
【0096】
図示するように、たとえば、制御部101は、ステップS104において、生体通信中にユーザーが接触すべき領域として、「手」の画像42を表示部151に表示させればよい。これにより、ユーザーは、表示部151に表示された「手」の画像の上に手を置いてよいことを直観的に理解できる。また、この場合でも、制御部101は、「手」の画像42とともに、上記のメッセージ41を表示させてもよい。
【0097】
また、
図8(B)は、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を視覚的に表示させる第2の例を示す図である。
【0098】
図示するように、たとえば、制御部101は、ステップS104において、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を明示するために、ユーザーに操作された第1操作キー21以外の操作キー(第2、第3操作キー22、23)をグレーアウト表示させてもよい。
【0099】
また、
図9(A)は、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を視覚的に表示させる第3の例を示す図である。
【0100】
図示するように、たとえば、制御部101は、ステップS104において、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を明示するために、ユーザーに操作された第1操作キー21以外の操作キー(第2、第3操作キー22、23)の名称を変更して表示させてもよい。図示する例では、制御部101は、第2操作キー22と第3操作キー23の名称を、第1操作キー21と同じ名称(すなわち「Scan tо 端末装置スタート」)に変更している。
【0101】
また、
図9(B)は、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を視覚的に表示させる第4の例を示す図である。
【0102】
図示するように、たとえば、制御部101は、ステップS104において、生体通信中にユーザーが接触すべき領域を明示するために、ユーザーに操作された第1操作キー21を拡大表示させてもよい。
【0103】
また、制御部101は、ステップS104において、表示部151に表示させること以外の方法によって、電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きいことをユーザーに通知してもよい。たとえば、制御部101は、音声、振動、所定ランプの点灯(点滅)などによって、通知してもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、スキャン機能タブ12が選択され、それから第1操作キー21がタッチされた場合に、生体通信を開始する例について説明しているが、もちろん、この場合に限定されない。
【0105】
図10は、生体通信を開始する操作画面の変形例を示す図である。
【0106】
図示するように、生体通信部104は、プリント機能タブ14が選択され、それから所定の操作キー51がタッチされた場合に、生体通信を開始してもよい。
【0107】
ここで、図示する操作キー51は、端末装置200に保存されている画像を取得して、画像形成装置100で印刷させる機能(「携帯印刷」ともいう)を開始するための操作キーである。
【0108】
また、本発明は、生体通信機能を有する表示装置であれば、どのような電子機器にも適用可能であり、画像形成装置100の代わりに、一般的なPCや、タブレット型コンピューターなどを用いてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、操作部152は、生体通信が行われている間、ユーザーからの入力の受け付け動作を停止させる(入力制限)。ここで、操作部152は、表示画面の枠全体にわたって、入力の受け付け動作を停止させる。
【0110】
ただし、これに限定されず、操作部152は、表示画面の一部の領域を除いて、入力の受け付け動作を停止させるようにしてもよい。たとえば、
図5(A)などに示すように、制御部101は、表示部151に通信終了ボタン31を表示させ、その領域上については、生体通信中であってもタッチ操作による入力を受け付けるようにしておいてもよい。これにより、制御部101は、生体通信中に通信終了ボタン31上がタッチされた場合に、生体通信を強制的に終了させることができる。
【0111】
また、上記実施形態では、制御部101は、生体通信の開始に先立って第1の生体通信であるか第2の生体通信であるか判別し(ステップS103)、第1の生体通信を行う場合に限り、電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きいことをユーザーに通知している(ステップS104)。
【0112】
しかし、本発明は、これに限定されない。たとえば、制御部101は、生体通信が開始されてから所定時間(たとえば、5秒)が経過したときに、第1の生体通信(比較的時間を要する通信)が行われていると判定し、上記のステップS104の通知を行うようにしてもよい。
【0113】
図11は、生体通信の継続時間が所定時間を超えたときに通知を行う場合のフローチャートの例(
図7に示す表示制御処理の変形例)を示す図である。
【0114】
図7に示す表示制御処理と同様に、画像形成装置100の制御部101は、電源がON(電源部109による電力供給が開始)されたタイミングで、本フローを開始する。
【0115】
先ず、制御部101は、初期画面として表示部151に上述の機能選択画面を表示する(ステップS201)。
【0116】
また、電源がONされると、制御部101は、操作部152を介して、操作部152の上に配置された電極部103へのユーザーの操作を監視する。
【0117】
この状態において、制御部101は、生体通信の開始を指示する操作がなされたか否か判別する(ステップS202)。たとえば、制御部101は、操作部152において、
図4(A)に示すスキャン機能タブ12が選択され、その後、第1操作キー21をタッチする操作がなされたと検知した場合に、生体通信の開始を指示する操作がなされたと判定する。
【0118】
制御部101は、ステップS202の判別処理を繰り返すことにより、生体通信の開始を指示する操作がなされるまで待機する(ステップS202:No)。他方、ステップS202において生体通信の開始を指示する操作がなされると(ステップS202:Yes)、ステップS203に進む。
【0119】
ステップS203では、制御部101は、ステップS202でユーザーに指定された生体通信を、生体通信部104を介して開始する(ステップS203)。
【0120】
たとえば、生体通信部104は、電極部103にタッチしているユーザーが携帯している端末装置200と、生体(ユーザーの人体)を介して通信データを送受信する。
【0121】
このように生体通信が開始されると、制御部101は、所定のタイマーをセットして、生体通信の経過時間について計測を開始する(ステップS204)。
【0122】
次に、制御部101は、端末装置200とやりとりする予定の通信データが全て生体通信部104により送受信されたか否か判別する(ステップS205)。
【0123】
ここで、制御部101は、予定されていた全ての通信データが未だ送受信されていない場合には(ステップS205:No)、生体通信部104による生体通信を継続して、処理をステップS206へ移行する。
【0124】
処理がステップS206へ移行すると、制御部101は、上記タイマーの値を取得して、生体通信の経過時間を特定する。そして、制御部101は、特定した生体通信の経過時間が所定時間(たとえば、5秒)を超えているか否か判別する(ステップS206)。
【0125】
このとき、制御部101は、生体通信の経過時間が所定時間(たとえば、5秒)を超えていない場合には(ステップS206:No)、処理をステップS205に戻す。
【0126】
一方、制御部101は、生体通信の経過時間が所定時間を超えている場合には(ステップS206:Yes)、処理をステップS207へ移行する。
【0127】
処理がステップS207へ移行すると、制御部101は、生体通信中に電極部103に接触可能な領域が、第1操作キー21よりも大きい(広い)ことをユーザーに通知する(ステップS207)。
【0128】
たとえば、S207において、制御部101は、
図5(A)に示すように、表示部151に「画面全体を複数の指でタッチできます」といった趣旨のメッセージ41を表示させればよい。
【0129】
なお、制御部101は、生体通信が行われている間、操作部152によるユーザーからの入力の受け付け動作を停止させる(入力制限)。
【0130】
次に、制御部101は、処理をステップS205へ戻す。
【0131】
一方、制御部101は、ステップS205において、予定されていた全ての通信データが生体通信部104により送受信されると(ステップS205:Yes)、端末装置200との生体通信を終了させる。
【0132】
そして、制御部101は、上記タイマーをリセットし(ステップS208)、ステップS207でユーザーへの通知が行われていた場合には、その通知を終了させる(ステップS209)。
【0133】
なお、制御部101は、生体通信が終了すると、操作部152によるユーザーからの入力の受け付け動作を再開する(入力制限解除)。
【0134】
それから、制御部101は、電源がOFF(電源部109による電力供給が停止)されたか否か判別する(ステップS210)。
【0135】
ここで、制御部101は、電源がオフされていない場合には(ステップS210:No)、処理をS202に戻し、電源がオフされた場合には(ステップS210:Yes)、本フローを終了させる。
【0136】
以上の表示制御処理(変形例)を画像形成装置100で行うことにより、生体通信の経過時間(継続時間)に応じて、上記のステップS104(S207)の通知を行うかどうか決めることができる。
【0137】
以上の生体通信システム1の構成は、上記の各実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的な画像形成装置100や端末装置200が備える構成を排除するものではない。
【0138】
また、上記した生体通信システム1の各機能構成は、各機能構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。各機能構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0139】
また、画像形成装置100や端末装置200を動作させるプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやHDD等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成装置100や端末装置200の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0140】
また、上記の各構成要素の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。