(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958081
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】収容容器の蓋取り外し方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20160714BHJP
G03F 1/66 20120101ALI20160714BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
H01L21/68 A
G03F1/66
H01L21/30 503E
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-119760(P2012-119760)
(22)【出願日】2012年5月25日
(65)【公開番号】特開2013-247227(P2013-247227A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100096943
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(72)【発明者】
【氏名】江本 淳
【審査官】
西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−235580(JP,A)
【文献】
特開平09−246351(JP,A)
【文献】
特開平06−268046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
G03F 1/66
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物を支持する底蓋によって底部に設けられた開口が閉鎖され、減圧された収容空間を有した収容容器より前記底蓋を取り外すオープナーであって、前記収容容器を上面に載置可能なポートドアと、前記ポートドアによって閉鎖される開口部を介して前記底蓋を収容可能であり、減圧された内部空間を構成するチャンバと、前記開口部を閉鎖したポートドアと前記蓋との間の間隙空間を排気可能な排気系と、前記ポートドアを前記内部空間内に降下させるドア駆動機構と、前記ポートドアに対して相対的に前記蓋を昇降させる相対昇降手段と、を有するオープナーを用いて前記底蓋を取り外す工程であって、
前記ポートドアの前記上面に前記収容容器を配置し、
前記底蓋と前記ポートドアとの間に形成される前記間隙空間を前記排気系により排気することによって減圧する工程と、
前記相対昇降手段により前記底蓋を前記ポートドアに対して相対的に降下させて前記収容容器の前記収容空間と前記間隙空間とを連通させて前記収容空間と前記間隙空間との内部圧力を等しくする工程と、
前記ドア駆動機構により前記底蓋と共に前記ポートドアを前記内部空間内に降下させる工程と、を有することを特徴とする収容容器の蓋取り外し方法。
【請求項2】
前記相対昇降手段と前記ドア駆動機構との動作タイミングを規定する降下タイミング決定機構を更に有し、
前記収容空間と前記間隙空間との内部圧力を等しくする工程において前記降下タイミング決定機構が前記相対昇降手段の動作開始時刻から前記ドア駆動機構の動作開始時刻までの間に時間遅れを設けることを特徴とする請求項1に記載の収容容器の蓋取り外し方法。
【請求項3】
前記排気系は前記間隙空間を排気する工程及び前記収容空間と前記間隙空間との内部圧力を等しくする工程において前記間隙空間の排気を継続することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋取り外し方法。
【請求項4】
前記収容空間と前記間隙空間との内部圧力を等しくする工程では、前記相対昇降手段による前記ポートドアに対する前記底蓋の相対的な降下を一旦停止することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の蓋取り外し方法。
【請求項5】
前記収容空間と前記間隙空間との内部圧力を等しくする工程では、前記ドア駆動機構により前記ポートドアの昇降が停止されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の蓋取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体等の製造工程において使用される所謂フォトマスク等を保管、搬送等する際に用いられるSMIFポッドに例示される、被収容物を収容する収容容器に関し、より詳細には該収容容器の蓋の開閉操作に関し、特に蓋の取り外し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造プロセスでは、ウエハ上に回路パターンを形成する際にリソグラフ用のフォトマスクを用い、当該フォトマスクに形成されている回路パターンを該ウエハ上に転写する工程が行われる。このようなフォトマスクは、通常は単体にて専用の容器に収容され、使用時まで保管される。当該容器はその開閉の形態より、SMIF(Standard Mechanical Interface)に対応するSMIFポッドと称呼される。例えば特許文献1には、フォトマスクを収容可能な収容空間を有し且つ該収容空間が下方に開口する本体部と、該開口を本体部下方より閉鎖すると共に実質的にフォトマスクを支持、固定する底蓋とからなるSMIFポッドが開示されている。該SMIFポッドは、内部において圧力変化が生じた場合であっても本体部に対して底蓋(以下蓋と称する。)を安定的に固定することにより、その内部に保管されるフォトマスクを清浄な状態に維持可能としている。
【0003】
フォトマスク使用時においては、専用のオープナーによって該ポッドの蓋の開閉とフォトマスクの取出しとが行われる。該オープナーは、内部空間、ポートドア、ドア駆動機構、ラッチ駆動機構、及び搬送用ロボットを有する。該内部空間は、付随する排気機構によって真空排気可能とされる。ポートドアは、該内部空間上部に設けられた第一の開口部を閉鎖可能であり、該内部空間を閉鎖した状態において該内部空間の天井の一部を構成すると共に、その上面に容器を載置及び固定が可能となるように構成されている。ドア駆動機構は、該ポートドアを上下動させて、ポッドの蓋及び該蓋上に支持されたフォトマスクを内部空間内に引き込む操作を行う。ラッチ駆動機構は、該ポッドの本体部に蓋を固定するために蓋に配されたラッチ機構を操作して、本体部に対する蓋の固定、開放を行う。搬送用ロボットは該内部空間とは異なる搬送用の空間に配置され、ドア駆動機構の操作によって内部空間内に収容された蓋に支持されたフォトマスクを実際に取り出し、実際にフォトマスクを搭載する装置に向けて第一の開口部とは異なる第二の開口部を介して搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4094987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、フォトマスクに微細な塵等が付着した場合、この塵はリソグラフ工程において回路パターンと共にウエハ上に転写されて配線不良の原因となる。そのため、このような塵には厳重な管理が為されており、前述した特許文献1に開示される構成等において、蓋の開閉時においても現状のデザインルールにおいては、許容される範囲に管理されている。しかし、半導体の高性能化に伴って配線幅、配線ピッチは今後より狭矮化することが見込まれており、これまで以上に塵を排除して更に清浄な環境を実現することが求められ始めている。
【0006】
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであり、フォトマスクに対する従来問題とならなかった微細な塵等の付着の抑制を可能とするフォトマスク等のための収容容器たる所謂SMIFポッドの蓋開閉方法、特に蓋の取り外し方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る蓋取り外し方法は、被収容物を支持する底蓋によって底部に設けられた開口が閉鎖され
、減圧された収容空間を有した収容容器より底蓋を取り外すオープナーであって、収容容器を上面に載置可能なポートドアと、ポートドアによって閉鎖される開口部を介して底蓋を収容可能
であり、減圧された内部空間を構成するチャンバと、開口部を閉鎖したポートドアと蓋との間の間隙空間を排気可能な排気系と、ポートドアを内部空間内に降下させるドア駆動機構と、ポートドアに対して相対的に底蓋を昇降させる相対昇降手段と、を有するオープナーを用いて底蓋を取り外す工程であって、ポートドアの上面に収容容器を配置する工程と、底蓋とポートドアとの間に形成される間隙空間を排気系により排気する
ことによって減圧する工程と、相対昇降手段により底蓋をポートドアに対して相対的に降下させて収容容器の収容空間と間隙空間とを連通させて収容空間と間隙空間との内部圧力を等しくする工程と、ドア駆動機構により底蓋と共にポートドアを内部空間内に降下させる工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
なお、上述した方法においては、相対昇降手段とドア駆動機構との動作タイミングを規定する降下タイミング決定機構を該オープナーが更に有し、収容空間と間隙空間との内部圧力を等しくする工程において降下タイミング決定機構が相対昇降手段の動作開始時刻からドア駆動機構の動作開始時刻までの間に時間遅れを設けることが好ましい。更に、前述した排気系は間隙空間を排気する工程及び収容空間と間隙空間との内部圧力を等しくする工程において間隙空間の排気を継続することがより好ましい。また、収容空間と間隙空間との内部圧力を等しくする工程では、相対昇降手段によるポートドアに対する底蓋の相対的な降下を一旦停止することとしても良い。更に、収容空間と間隙空間との内部圧力を等しくする工程では、ドア駆動機構によりポートドアの昇降が停止されていることとしても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、今後問題視されるより微細に塵等に関しても、フォトマスク取出し時における該フォトマスクに対する付着を抑制し、より微細なデザインルールを満たす半導体装置を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るSMIFポッドの断面であって、当該ポッドの概略構成を示す図である。
【
図2(a)】
図1に示したSMIFポッドを開放し、フォトマスク1を取出す工程を示す図である。
【
図2(b)】
図1に示したSMIFポッドを開放し、フォトマスク1を取出す工程を示す図である。
【
図2(c)】
図1に示したSMIFポッドを開放し、フォトマスク1を取出す工程を示す図である。
【
図2(d)】
図1に示したSMIFポッドを開放し、フォトマスク1を取出す工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓋開閉方法に供せられるSMIFポッドの概略構成を厚さ方向の断面により示している。当該SMIFポッド100は、本体部10及び蓋(底蓋)20を有する。本体部10は、蓋20が支持するフォトマスク1を収容可能な大きさからなる収容空間10aと、該収容空間10aより下方に開口する開口10bと、後述するラッチピン29が嵌合するラッチ穴10cと、を有する。蓋20は、開口10bを下方から閉鎖する大きさを有する平板状の部材からなり、本体部10の開口10bを閉鎖した際に収容空間10a側に位置する表面20aの表面に位置決めピン21、支持ピン23、シール部材27を有する。また、蓋20は、下面20bからの操作によって平板形状の周面からのラッチピン29の突き出し或いは引込みの操作が可能な不図示のラッチ機構も有する。
【0012】
支持ピン23は蓋20の表面20aから垂直に突き出すように固定されており、上端部においてフォトマスク1を支持する。位置決めピン21は支持ピン23上の適正な位置にフォトマスク1が配置されるように、当該配置時におけるフォトマスク1の外周部の移動を制限するように表面20aに対して固定される。環状のシール部材27は蓋20の表面の外周に沿ってその内側に配置され、本体部10に設けられたシール面と当接して収容空間10aの密閉状態を担保する。ラッチピン29は蓋20が開口10bを閉鎖する際に本体部10に設けられるラッチ穴10cと対応する位置に配置され、蓋20の周面から突き出すことによって該ラッチ穴10c内に挿入されて、例えば搬送時等において蓋20が本体部10から落下することを防止する。なお、本実施形態では、フォトマスク1はトレイ3に載置されて、該トレイ3を介して支持ピン23上に支持されている。しかし、当該トレイ3をなくしてフォトマスク1を直接支持ピン23等で支持する構成とすることも可能である。
【0013】
次に、本発明の一実施形態である蓋開閉方法を実際に行うオープナー200について述べる。
図2(a)〜2(d)はオープナー200上に載置したSMIFポッド100についてこれらの断面構成を模式的に示し、蓋20の開放操作の進行段階に応じてこれらを
図2(a)、2(b)、2(c)及び2(d)の順で各々示している。ここで、オープナー200は、内部空間201、ポートドア203、ドア駆動機構205、ラッチ駆動機構207、排気系209、及びチャンバ213を有する。チャンバ213は、内部空間201を構成する筐体様の部材であり、該内部空間201より連通して外部空間に開口し且つポートドア203により閉鎖される第一の開口部201aを有する。内部空間201は不図示のチャンバ用排気系(前述した排気機構)に接続されて所謂真空排気が可能であり、前述した上方に設けられた第一の開口部201a、及び側方に設けられた第二の開口部201bを有する。該内部空間201は蓋20を収容可能な大きさを有する。
【0014】
ポートドア203は第一の開口部201aを閉鎖すると共に、その上面にSMIFポッド100を載置可能とされている。ドア駆動機構205はポートドア203を下方から支持し、該ポートドア203を内部空間201の内部に引き込むように降下させ、或いは第一の開口部201aを閉鎖するように上昇させる。ラッチ駆動機構207はポートドア203上にSMIFポッド100を載置させた際に該SMIFポッド100の蓋20のラッチ機構と協働し、ラッチ穴10cに対するラッチピン29の挿入、退出の操作を行う。また、ラッチ駆動機構207は、ラッチ機構とは別な蓋20の被係合部とも係合可能であり、この係合状態を利用して該ラッチ駆動機構207によってポートドア203に対する相対的な蓋20の昇降を行うことも可能となっている。即ち、該ラッチ駆動機構207は、本発明において蓋20をポートドア203に対して相対的に昇降させる相対昇降手段としての機能も有する。SMIFポッド排気系209は、SMIFポッド100の蓋20の底面20bとこれが載置されるポートドア203の上面との間の空間である間隙空間215の排気が可能である。また、必要に応じて該SMIFポッド100の蓋20を降下させて該間隙空間215と収容空間10aとを連通させることにより収容空間10a内部の排気も可能とする。
【0015】
より詳細には、ドア駆動機構205は、
図2中の更に下方において不図示の第一昇降用アクチュエータに接続されている。この第一昇降用アクチュエータ等からなる実際の機構は特許文献1等に開示される公知機構より構築されたものであることから、以降において詳述は行わない。また、ラッチ駆動機構207は、同図中の更に下方において不図示の回動用モータ及び第二の昇降用アクチュエータに接続されている。回動用モータは、ラッチ駆動機構207の延在軸回りに上端部を回転させる。該上端部にはSMIFポッド100の蓋20のラッチ機構と係合する部材が配置されており、この回転動作によってラッチ機構との係合と該ラッチ機構の駆動とが為される。更に第二の昇降用アクチュエータは、ドア駆動機構205の第一昇降用アクチュエータとは独立して昇降動作を行うことが可能となっている。当該構成により、該ラッチ駆動機構207には相対昇降手段としての機能が付与される。なお、このような構成はドア駆動機構205と同様に特許文献1等に開示される公知機構より構築されたものであることから、以降において詳述は行わない。
【0016】
次に前述したオープナー200を用いたSMIFポッド100の蓋開放方法に関して、その工程を詳述する。まず
図2(a)に示されるようにポートドア203上にSMIFポッド100を載置する。その際、ラッチ駆動機構207はSMIFポッド100の蓋20に設けられたラッチ機構(不図示)と係合し、該ラッチ駆動機構207によるラッチピン29の操作が可能な状態となる。また、この状態では、蓋20における大気側面である裏面20bと、ポートドア203と、の間の間隙空間215は大気圧の状態にある。続いて
図2(b)に示すようにSMIFポッド排気系209等を介した蓋20とポートドア203との間の間隙空間215内の減圧が為される。当該間隙空間215内の圧力があるレベル以下となった後、ラッチ駆動機構207によりラッチピン29のラッチ穴10cからの退避操作が為される。該操作により蓋20を本体部10から分離可能となる。なお、間隙空間215の圧力に関しては、SMIFポッド排気系209に配した圧力測定器によって把握しても良く、排気時間に基づいて類推することとしても良い。
【0017】
続いて該ラッチ駆動機構207は蓋20を微少量降下させ、開口10bを僅かに開放して間隙空間215とSMIFポッド100の収容空間10aとを連通させる(
図2(c)参照)。また、この段階にてラッチ駆動機構207による降下を一旦停止し、間隙空間215と収容空間10bとの内部圧力の均一化を図る。この操作によって、収容空間10a内部と間隙空間215の内部との圧力は均一、より詳細には略均一となる。その後、ドア駆動機構205を動作させて
図2(d)に示す状態となるまで、蓋20と共にポートドア203を内部空間201内の所定位置まで降下させる。当該所定位置は、第二の開口部201bを介した不図示の移送アームによるフォトマスク1の移載が可能な位置となる。この際、ラッチ駆動機構207もドア駆動機構205と一緒に降下する。
【0018】
なお、本実施形態ではドア駆動機構205及びラッチ駆動機構207の動作を指示する制御装置が、これらを降下させるタイミングを前述した順序で進むように制御する降下タイミング決定機構としての機能を実行している。しかし、前述した間隙空間215の圧力に応じて、この降下タイミング決定機構がラッチ駆動機構207の動作開始時刻からドア駆動機構205の動作開始時刻までの間の時間遅れを変更することとしても良い。更にラッチ駆動機構207によりポートドア203に対する蓋20の相対的な降下を一旦停止することによって圧力の均一化を図るのではなく、単に動作速度の変化させる、或いは圧力の均一化が速い場合には蓋20やポートドア203の降下動作を一時停止することなくこの均一化の操作を行うこととしても良い。また、電気的な動作制御で二つの動作開始時刻間に時間遅れを作るのではなく、例えばカム機構等によって機械的に時間遅れを設ける機構としても良い。この場合、当該機械的な動作機構が降下タイミング決定機構となる。
【0019】
以上に述べた工程によりSMIFポッド100の蓋20の開閉を行うことにより、間隙空間215に取り込まれている可能性の有る塵等の内部空間201への拡散を抑制し、より清浄度の高い環境にてフォトマスク1の取出し操作等を行うことが可能となる。従って、フォトマスク1上に外部空間から持ち込まれた塵等が至ることを好適に抑制することが可能となり、該フォトマスク1を用いたリソグラフ工程を好適に実行することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
なお、上述した実施形態では、容器として内部を減圧して用いるSMIFポッドを例示し、該容器に収容される被収容物としてフォトマスクを例示した。しかし、本発明は当該例事物に限定されるものではなく、半導体或いは表示パネル等の製造に用いられるウエハやガラス基板等を被収容物とする収容容器に対しても適用可能である。従って、本発明は、被収容物を支持する底蓋によって底部に設けられた開口を閉鎖する収容空間を有した収容容器より底蓋を取り外すオープナー、の操作に関するものとして把握されることが好ましい。
【符号の説明】
【0021】
1:フォトマスク、 3:トレイ、 10:本体部、 10a:収容空間、 10b:開口、 10c:ラッチ穴、 20:蓋、 20a:蓋表面、 20b:蓋底面、 21:位置決めピン、 23:支持ピン、 27:シール部材、 29:ラッチピン、 100:SMIFポッド、 200:オープナー、 201:内部空間、 201a:第一の開口部、 201b:第二の開口部、 203:ポートドア、 205:ドア駆動機構、 207:ラッチ駆動機構、 209:SMIFポッド排気系、 213:チャンバ、 215:間隙空間