(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0023】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。
【0024】
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が斜めに切り落とされたような形状となっており、この部分に接客部3が設けられている。
【0025】
接客部3は、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされており、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられている。
【0026】
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。
【0027】
入出金口5は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。因みに紙幣は、例えば長方形の紙で構成されている。
【0028】
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化されている。
【0029】
テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられるようになされている。
【0030】
レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
【0031】
以下では、現金自動預払機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
【0032】
筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。
【0033】
主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになされている。
【0034】
また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部9Aを有しており、この記憶部9Aに種々の情報を記憶させるようになされている。
【0035】
因みに筐体2は、前面側やその後面側等の一部の側面が開閉可能な扉により構成されている。すなわち筐体2は、顧客との間で現金に関する取引を行う取引動作時には、
図1に示したように各扉を閉塞することにより、紙幣入出金機10内に収納している紙幣を保護する。一方筐体2は、作業者等が保守作業を行う保守作業時には、必要に応じて各扉を開放することにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせ得るようになされている。
【0036】
紙幣入出金機10は、
図2に側面図を示すように、紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み合わされた構成となっている。また紙幣入出金機10の各部分は、紙幣制御部11により制御されるようになされている。
【0037】
紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理等、種々の処理を行うようになされている。
【0038】
また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部11A(
図1)を有しており、この記憶部11Aに種々の情報を記憶させるようになされている。
【0039】
紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣を入金する入金取引を行う場合、操作表示部6を介して所定の操作入力を受け付けた後、入出金口5のシャッタを開いて入出金部12内へ紙幣を投入させる。
【0040】
入出金部12は、収容器12Aに紙幣が投入されると、入出金口5のシャッタを閉じて当該収容器12Aから紙幣を1枚ずつ取り出し、搬送部13へ受け渡す。搬送部13は、長方形の紙葉状に構成された紙幣を短辺方向に沿って進行させ、鑑別部14へ搬送する。
【0041】
鑑別部14は、その内部で紙幣を搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて当該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等を鑑別し、その鑑別結果を紙幣制御部11へ通知する。これに応じて紙幣制御部11は、取得した鑑別結果に基づいていて当該紙幣の搬送先を決定する。
【0042】
このとき搬送部13は、鑑別部14において正常紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部15へ搬送する等して一時的に保留させる一方、取引すべきでないと鑑別されたリジェクト紙幣を入出金部12へ搬送して顧客に返却する。
【0043】
その後紙幣制御部11は、操作表示部6を介して顧客に入金金額を確定させ、一時保留部15に保留している紙幣を搬送部13により鑑別部14へ搬送してその金種及び損傷の程度等を鑑別させ、その鑑別結果を取得する。
【0044】
そして紙幣制御部11は、紙幣の損傷の程度が大きければ、これを再利用すべきでない紙幣として搬送部13によりリジェクトカセット16へ搬送して収納させ、損傷の程度が小さければ、これを再利用すべき紙幣として搬送部13により搬送させ、その金種に応じた紙幣カセット17に収納させるようになされている。
【0045】
[1−2.一時保留部の構成]
一時保留部15は、
図3(A)及び(B)に示すように、フレーム20に各部品が取り付けられた構成となっている。
【0046】
因みに
図3(A)及び(B)は、一時保留部15の平面図(上面図)及び左側面図をそれぞれ模式的に表したものであり、説明の都合上、モータやギヤ等といった一部の部品を省略している。
【0047】
一時保留部15は、制御部21により全体を制御するようになされている。制御部21は、主制御部9や紙幣制御部11(
図1)と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、当該紙幣制御部11等と連携しながら、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、ドラムの回転やテープの走行に関する制御等、種々の処理を行うようになされている。
【0048】
また制御部21は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
【0049】
一時保留部15のフレーム20内における中央付近には、中心軸を左右方向に向けた円筒状のドラム23が設けられている。ドラム23は、左右方向に沿った回転軸23Xを中心に巻付方向R1又は巻戻方向R2へ回転し得るように取り付けられると共に、制御部21の制御に基づき、図示しないモータからの駆動力が図示しないギヤ等を介して伝達されるようになされている。
【0050】
すなわちドラム23は、制御部21の制御に従い、巻付方向R1又は巻戻方向R2へ回転するようになされている。
【0051】
一時保留部15内には、外テープ30及び内テープ40の2本のテープを走行させるテープ走行系27が設けられている。
【0052】
外テープ30及び内テープ40は、いずれも光の透過性が高い樹脂材料により、薄いフィルム状に形成されている。また外テープ30及び内テープ40は、いずれも長手方向の長さが例えば30[m]のように十分に長い一方、短手方向の長さ(すなわちテープ幅)が例えば20[mm]のように紙幣の長辺よりも十分に短くなっている。
【0053】
また外テープ30及び内テープ40は、
図4に示すように、全体的に透明に構成されているものの、ドラム23に固定される始端側の部分(以下これを始端部と呼ぶ)と、外リール31又は内リール41に固定される終端側の部分(以下これを終端部と呼ぶ)とに、光を遮断する遮光領域SAがそれぞれ形成されている。
【0054】
以下、説明の都合上、外テープ30及び内テープ40における始端部及び終端部に挟まれた中間の部分を中間部と呼び、この中間部における透明な領域を透過領域STと呼ぶ。
【0055】
外リール31(
図3)は、糸巻き状に構成されており、ドラム23の後方における上側に、当該ドラム23の回転軸23Xと平行な回転軸31Xを中心に回転するように設けられている。この外リール31には、外テープ30の一端としての終端が周側面に固定された上で、当該外テープ30が巻回されている。
【0056】
ドラム23の前側には、プーリ33及び34が設けられている。プーリ33及び34は、いずれも中心軸を左右方向に向けた円柱状に形成されており、ドラム23の回転軸23Xと平行な回転軸33X及び34Xを中心にそれぞれ自在に回転し得るようになされている。
【0057】
外リール31に巻回された外テープ30は、その他端としての始端が当該外リール31の最外周から前下方へ引き出され、プーリ33及び34を順次介して後方向へ折り返されるよう引き回されてから、ドラム23の周側面に固定されている。
【0058】
因みに外リール31は、図示しないテンションスプリングにより、外テープ30を巻き取る方向へ付勢されており、当該外テープ30に対し常に所定の張力を持たせるようになされている。
【0059】
一方、内リール41は、外リール31と同様の糸巻き状に構成されており、当該外リール31の下方、すなわちドラム23の後方における下側に、ドラム23の回転軸23Xと平行な回転軸41Xを中心に回転し得るように設けられている。この内リール41には、内テープ40の一端としての終端が周側面に固定された上で、当該内テープ40が巻回されている。
【0060】
因みに内リール41における内テープ40の巻回方向は、外リール31における外テープ30の巻回方向と反対になっている。
【0061】
ドラム23の下方には、プーリ43が設けられている。またドラム23の前方には、プーリ44が設けられている。
【0062】
プーリ43及び44は、プーリ33及び34と同様の中心軸を左右方向に向けた円柱状に形成されており、ドラム23の回転軸23Xと平行な回転軸43X及び44Xを中心に自在に回転し得るようになされている。
【0063】
内リール41に巻回された内テープ40は、その他端としての始端が内リール41の最外周から前上方へ引き出され、プーリ43を介して前斜め上方向へ向けられ、さらにプーリ44を介して後方向へ折り返され、外テープ30の真下を通るよう引き回されてから、ドラム23の周側面に固定されている。
【0064】
因みに内リール41は、外リール31と同様、図示しないテンションスプリングにより、内テープ40を巻き取る方向へ付勢されており、当該内テープ40に対し常に所定の張力を持たせるようになされている。
【0065】
かかる構成により一時保留部15は、ドラム23を巻付方向R1へ回転させると、その周側面に内テープ40及び外テープ30を重ねるようにして巻き付けていく。
【0066】
このとき一時保留部15は、内テープ40及び外テープ30の間に紙幣を挟んでいれば、当該内テープ40及び外テープ30と共に当該紙幣をドラム23の周側面に巻き付けることができる。
【0067】
因みに
図3(B)では、ドラム23に紙幣を巻き付けておらず、外テープ30及び内テープ40の大部分を外リール31及び内リール41にそれぞれ巻き付けた状態を実線により表している。また
図3(B)では、ドラム23に大量の紙幣を巻き付け、外テープ30及び内テープ40の大部分もドラム23に巻き付けた状態を破線により表している。
【0068】
なおリール44は、図示しない可動機構により、ドラム23の周側面に巻き付けられた紙幣の最外周部分と連動して移動するようになされている。
【0069】
ところで一時保留部15は、巻付処理において、ドラム23の周側面に巻き付けられる紙幣同士の間隔をほぼ一定に保つことが望ましく、巻戻処理において、一時保留部15から搬送部13(
図2)へ紙幣をほぼ等間隔で受け渡すことが望ましい。
【0070】
このため制御部21は、巻付処理及び巻戻処理のいずれにおいても、外テープ30及び内テープ40の走行速度をほぼ一定に保つよう、ドラム23の回転速度を制御するようになされている。
【0071】
このように一時保留部15は、2本のテープ(外テープ30及び内テープ40)を走行させることにより、紙幣をドラム23の周側面に巻き付けるようになされている。
【0072】
さらにテープ走行系27には、光検出部35が配置されている。この光検出部35は、検出光L1を発光する発光素子36と、当該検出光L1を受光する受光素子37とにより構成されている。
【0073】
発光素子36は、外リール31とプーリ33との間における外リール31の近傍であって外テープ30よりも上側に配置されており、下方向へ向けて検出光L1を発光するようになされている。
【0074】
発光素子36から発光された検出光L1は、他の部品等に遮られることなく、外テープ30の走行経路及び内テープ40の走行経路と順次交差しながら下方へ進行する。以下、外テープ30及び内テープ40における検出光L1の光路と交差する箇所を、それぞれ外テープ検出点30P及び内テープ検出点40Pと呼ぶ。
【0075】
受光素子37は、内リール41とプーリ43との間における内リール41の近傍であって内テープ40よりも下側に配置されており、上側から下方向へ向けて進行してくる検出光L1を受光するようになされている。
【0076】
すなわち、発光素子36と受光素子37とを直線的に結ぶ検出光L1の光路上には、外テープ30及び内テープ40のみが配置されており、当該検出光L1を遮断するような他の部品等は何ら配置されていない。
【0077】
そして受光素子37は、受光した検出光L1の光量(明るさ)に応じた受光信号S1を生成し、これを制御部21へ送出するようになされている。
【0078】
すなわち光検出部35は、外テープ30及び内テープ40による検出光L1を透過する割合に応じた受光信号S1を生成し、これを制御部21へ送出するようになされている。
【0079】
このように一時保留部15は、外テープ30及び内テープ40と共に紙幣をドラム23の周側面に巻き付けると共に、当該外テープ30及び内テープ40の双方とそれぞれ交差するように光検出部35の検出光L1を進行させるようになされている。
【0080】
[1−3.始端部及び終端部の検出]
次に、一時保留部15による各テープ(すなわち外テープ30及び内テープ40)における始端部又は終端部の検出について説明する。
【0081】
まず制御部21は、受光素子37から取得した受光信号S1が所定の閾値以上であれば「明」レベルと判別し、当該しきい値未満であれば「暗」レベルと判別する。
【0082】
このとき制御部21において得られた判別結果は、各検出点P(すなわち外テープ検出点30P及び内テープ検出点40P)における合計の光透過率を、「明」レベル又は「暗」レベルに2値化した値を表すことになる。
【0083】
ここで受光信号S1の信号レベルは、各検出点Pのいずれもが透過領域STであれば「明」レベルとなり、各検出点Pの少なくとも一方が遮光領域SAであれば「暗」レベルとなる。
【0084】
すなわち受光信号S1が「明」レベルであれば、このことは、各検出点Pがいずれも透過領域STであり、各テープの始端部及び終端部のいずれでもない中間部が位置していることを表す。
【0085】
また受光信号S1が「暗」レベルであれば、このことは、各検出点Pの少なくとも一方が遮光領域SAであり、各テープの始端部又は終端部のいずれかが位置していることを表す。
【0086】
このように制御部21は、光検出部35から得られる受光信号S1の信号レベルを基に、各検出点Pのいずれも中間部であるか、或いは少なくとも一方が始端部若しくは終端部であるかを判別することができる。
【0087】
ところで制御部21は、上述したように、図示しないモータを制御することによりドラム23を巻付方向R1又は巻戻方向R2へ回転させている。このため制御部21は、モータに供給する制御信号等を参照することにより、その時点におけるドラム23の回転方向が巻付方向R1又は巻戻方向R2のいずれであるかを認識することができる。
【0088】
ここで一時保留部15では、巻付処理中でありドラム23が巻付方向R1に回転していれば、各テープが各リール(すなわち外リール31及び内リール41)から引き出されてドラム23へ向かう方向へ走行する。
【0089】
この巻付処理中、各リールからの各テープの引出量は、徐々に増加していくことになる。またこの巻付処理中、各検出点Pはいずれも中間部であるため、受光信号S1は「明」レベルとなる。
【0090】
その後受光信号S1が「暗」レベルになれば、このことは外テープ30及び内テープ40のうち少なくとも一方の終端部に形成された遮光領域SAが検出光L1と交差したこと、すなわち各検出点Pのうち少なくとも一方が中間部から終端部に変化したことを意味する。
【0091】
また一時保留部15では、巻戻処理中でありドラム23が巻戻方向R2に回転していれば、各テープがドラム23から巻き戻されて各リールへ向かう方向へ走行する。
【0092】
この巻戻処理中、各リールからの各テープの引出量は、徐々に減少していくことになる。またこの巻戻処理中、各検出点Pはいずれも中間部であるため、受光信号S1は「明」レベルとなる。
【0093】
その後受光信号S1が「暗」レベルになれば、このことは各テープのうち少なくとも一方の始端部に形成された遮光領域SAが検出光L1と交差したこと、すなわち各検出点Pのうち少なくとも一方が中間部から始端部に変化したことを意味する。
【0094】
このように一時保留部15では、ドラム23の回転方向に応じて、各リールからの各テープの引出量が増加する傾向にあるか、或いは減少する傾向にあるか、といった引出量の増減傾向が変化することになる。
【0095】
これを換言すれば、一時保留部15では、ドラム23の回転方向が、各リールからの各テープの引出量の増減傾向を表す指標となっている。
【0096】
また一時保留部15では、各リールからの各テープの引出量が増加すれば、やがて各検出点Pに終端部が到達し、この引出量が減少すれば、やがて各検出点Pに始端部が到達することになる。
【0097】
すなわち一時保留部15では、各リールからの各テープの引出量の増減傾向と始端部又は終端部のいずれであるかとの間に対応関係があり、またこの引出量の増減傾向とドラム23の回転方向とにも対応関係があることになる。
【0098】
そこで制御部21は、
図5に示すように、ドラム23の回転方向と各テープの位置(すなわち始端部又は終端部のいずれであるか)との対応関係を表す対応テーブルTBL1を予めROMに記憶している。
【0099】
制御部21は、受光信号S1が「暗」レベルになったときにドラム23の回転方向が巻付方向R1であれば、対応テーブルTBL1に従い、各検出点Pの少なくとも一方に終端部が到達したものと判別することができる。
【0100】
また制御部21は、受光信号S1が「暗」レベルになったときにドラム23の回転方向が巻戻方向R2であれば、対応テーブルTBL1に従い、各検出点Pの少なくとも一方に始端部が到達したものと判別することができる。
【0101】
このように一時保留部15の制御部21は、受光信号S1が「暗」レベルになったとき、まず各検出点Pのうち少なくとも一方に始端部又は終端部が到達したと判断する。
【0102】
その上で制御部21は、ドラム23の回転方向を基に、対応テーブルTBL1に従って、各テープの走行方向、すなわち各リールからの各テープの引出量の増減傾向との対応関係を利用しながら、始端部又は終端部のいずれであるかを判別するようになされている。
【0103】
[1−4.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による一時保留部15は、各テープ(すなわち外テープ30及び内テープ40)について、始端部及び終端部それぞれに遮光領域SAを形成し、それ以外の中間部を
透過領域STとした(
図4)。
【0104】
また一時保留部15の光検出部35は、発光素子36から発光した検出光L1を各検出点P(すなわち外テープ検出点30P及び内テープ検出点40P)において各テープとそれぞれ交差させた上で受光素子37により受光し、その受光結果に応じた受光信号S1を生成する。
【0105】
そして一時保留部15の制御部21は、受光信号S1が「暗」レベルになったとき、各テープにおける引出量の増減傾向とドラム23の回転方向との対応関係を利用する。すなわち制御部21は、モータへ供給する制御信号から得られるドラム23の回転方向を基に、対応テーブルTBL1(
図5)を参照して、各テープが始端部又は終端部のいずれに到達したかを判別する。
【0106】
従って一時保留部15は、例えば巻付処理中に、各テープの少なくとも一方の終端部が検出光L1と交差した時点で、その遮光領域SAを光検出部35により検出し、さらにこれが終端部であることを正しく判別することができる。
【0107】
また一時保留部15は、巻戻処理の場合についても、各テープの少なくとも一方の始端部が検出光L1と交差した時点で、同様にその遮光領域SAを光検出部35により検出し、さらにこれが始端部であることを正しく判別することができる。
【0108】
これにより一時保留部15は、ドラム23の回転を適切なタイミングで停止させて巻付処理又は巻戻処理を中止することができるので、各テープに過大な張力を加えることによる破損や、これに伴い周囲の各部品を損傷させることを未然に防止することができる。
【0109】
ところで一時保留部15では、従来の一時保留部の場合と同様に、例えば各テープのいずれか一方が絡まり、保守作業等によりその部分を切り詰めること、すなわち各テープの長さが互いに異なることがある。
【0110】
このような場合であっても、一時保留部15では、切り詰めた方の(すなわち短い方の)テープにおける終端部が検出光L1と交差した時点で、その遮光領域SAを光検出部35により確実に検出することができるので、各部品の破損等を未然に防止できる。
【0111】
また光検出部35は、検出光L1が各テープとそれぞれ交差するように、発光素子36及び受光素子37を配置した。
【0112】
これにより一時保留部15は、各テープのどちらにおいて始端部及び終端部が各検出点Pに到達したとしても、その遮光領域SAを一組の光検出部35により確実に検出することができる。
【0113】
これを換言すれば、一時保留部15では、ドラム23の回転方向から判別できる各テープの走行方向を基に始端部又は終端部のいずれであるかを判別すれば良いため、遮光領域SAの検出に関して始端部及び終端部を区別する必要が無く、また各テープのいずれであるかを区別する必要も無い。
【0114】
そこで一時保留部15では、光検出部35において検出光L1が各テープと順次交差するよう発光素子36及び受光素子37を1組のみ配置するだけで、外テープ30の始端部若しくは終端部、又は内テープ40の始端部若しくは終端部の遮光領域SAのいずれであっても検出することができる。
【0115】
また、一時保留部15の制御部21は、ドラム23の回転方向を判別する際にモータ(図示せず)の制御信号を用いるものの、従来の一時保留部においても生成していたものであり、別途センサや回路等を追加することなく利用できるため、部品の増加や構成の複雑化等を招くことがない。
【0116】
以上の構成によれば、一時保留部15は、外テープ30及び内テープ40の始端部及び終端部それぞれに遮光領域SAを形成し、光検出部35により外テープ30及び内テープ40とそれぞれ交差した検出光L1の受光結果に応じた受光信号S1を生成する。そして制御部21は、受光信号S1が「暗」レベルになったとき、ドラム23の回転方向を基に、対応テーブルTBL1を参照して外テープ30及び内テープ40の少なくとも一方が始端部及び終端部のいずれに到達したかを判別した上で、巻付処理又は巻戻処理を中止することができる。これにより一時保留部15は、外テープ30及び内テープ40に過大な張力を加えることによる破損や、これに伴い周囲の各部品を損傷させることを未然に防止することができる。
【0117】
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による現金自動預払機101(
図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、紙幣入出金機10に代わる紙幣入出金機110を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0118】
紙幣入出金機110(
図2)は、第1の実施の形態による紙幣入出金機10と比較して、一時保留部15に代わる一時保留部115を有している点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0119】
[2−1.一時保留部の構成]
図3(A)及び(B)との対応部分に同一符号を付した
図6(A)及び(B)に示すように、第2の実施の形態による一時保留部115は、第1の実施の形態による一時保留部15と比較して、制御部21及び光検出部35に代わる制御部121及び光検出部135を有する点と、テープ走行系127及び回転速度検出部150が追加された点とが大きく相違する。
【0120】
この第2の実施の形態では、フレーム20に対し、ドラム23における左右の中央よりも左寄りの箇所にテープ走行系27が配置され、右寄りの箇所にテープ走行系127が配置されている。
【0121】
テープ走行系127は、テープ走行系27と対応しており、外テープ30、外リール31、内テープ40、内リール41並びに
プーリ33、34、43及び44とそれぞれ対応する外テープ130、外リール131、内テープ140、内リール141並びに
プーリ133、134、143及び144により構成されている。
【0122】
また外リール131、内リール141並びに
プーリ133、134、143及び144は、回転軸31X、41X、33X、34X、43X及び44Xとそれぞれ対応する回転軸131X、141X、133X、134X、143X及び144Xを中心として、それぞれ回転し得るようになされている。
【0123】
外テープ130及び内テープ140は、外テープ30及び内テープ40(
図4)と同様、いずれも始端部及び終端部にそれぞれ遮光領域SAが形成されており、それ以外の中間部が
透過領域STとなっている。
【0124】
外リール131に巻回された外テープ130は、外テープ30と同様、その始端が当該外リール131の最外周から前方へ引き出され、プーリ133及び134を順次介して後方向へ折り返されるよう引き回されてから、ドラム23の周側面に固定されている。
【0125】
また内リール141に巻回された内テープ140は、内テープ40と同様、その始端が内リール141の最外周から前方へ引き出され、プーリ143を介して前斜め上方向へ向けられ、さらにプーリ144を介して後方向へ折り返され、外テープ130の真下を通るよう引き回されてから、ドラム23の周側面に固定されている。
【0126】
かくして一時保留部115は、2組のテープ走行系27及び127により、4本のテープ、すなわち外テープ30及び130並びに内テープ40及び140を用いて、紙幣をドラム23の周側面に巻き付けるようになされている。
【0127】
制御部121は、第1の実施の形態による制御部21と同様、図示しないCPU、RAM、ROMやフラッシュメモリ等を有しており、各種プログラムを読み出して実行することにより、一時保留部115全体を統括的に制御するようになされている。
【0128】
光検出部135は、光検出部35の発光素子36及び受光素子37とそれぞれ対応する発光素子136及び受光素子137に加えて、プリズム138を有している。
【0129】
発光素子136は、第1の実施の形態における発光素子36と同様、外リール31とプーリ33との間における外リール31の近傍であって外テープ30よりも上側に配置されており、下方向へ向けて検出光L1を発光するようになされている。
【0130】
受光素子137は、発光素子136の右側、すなわち外リール131とプーリ133との間における外リール131の近傍であって外テープ130よりも上側に配置されており、下側から上方向へ向けて進行してくる検出光L1を受光するようになされている。
【0131】
プリズム138は、発光素子136のほぼ真下となる箇所と受光素子137のほぼ真下となる箇所とを結ぶよう、左右に細長い形状となっている。
図7に模式図を示すように、プリズム138の内部には、発光素子136のほぼ真下となる箇所に反射面138Aが形成されると共に、受光素子137のほぼ真下となる箇所に反射面138Bが形成されている。
【0132】
かかる構成により光検出部135は、発光素子136からほぼ真下へ向けて検出光L1を発光し、外テープ30及び内テープ40と順次交差させてから、プリズム138へ入射させる。以下、外テープ30及び内テープ40における検出光L1の光路と交差する箇所を、それぞれ外テープ検出点30P及び内テープ検出点40Pと呼ぶ。
【0133】
プリズム138は、入射された検出光L1を反射面138Aにおいて反射させることにより進行方向を右向きに変化させ、さらに当該検出光L1を反射面138Bにおいて反射させることにより、受光素子137のほぼ真下において進行方向を上向きに変化させて出射する。
【0134】
その後光検出部135は、検出光L1を内テープ140及び外テープ130と順次交差させてから、受光素子137により受光させる。以下、内テープ140及び外テープ130における検出光L1の光路と交差する箇所を、それぞれ内テープ検出点140P及び外テープ検出点130Pと呼ぶ。
【0135】
また受光素子137は、第1の実施の形態と同様、受光信号S1を生成し、これを制御部121へ供給するようになされている。
【0136】
すなわち、発光素子136と受光素子137とを折れ線状に結ぶ検出光L1の光路上には、外テープ30、内テープ40、プリズム138、内テープ140及び外テープ130が配置されており、検出光L1を遮断するような他の部品等は配置されていない。
【0137】
このように光検出部135は、発光素子136から発光した検出光L1を、外テープ検出点30P、内テープ検出点40P、内テープ検出点140P及び外テープ検出点130Pにおいて外テープ30、内テープ40、内テープ140及び外テープ130とそれぞれ交差させ、受光素子137により受光して受光信号S1を生成するようになされている。
【0138】
[2−2.回転速度検出部の構成]
図6(A)に示したように、回転速度検出部150は、ドラム23の右側に設置されており、当該ドラム23の回転軸23Xに取り付けられた円板151を中心に構成されている。
【0139】
図8(A)及び(B)に示すように、円板151は、左右に薄い円板状に形成されており、回転軸23Xに対し中心軸を一致させるように取り付けられている。
【0140】
円板151の周側面には、外周方向へ向けて多数のスリット板152が立設されている。スリット板152は、円板151に対して小さく、且つ左右に薄い長方形の板状に形成されており、円板151の周方向に沿って互いに一定の間隔を空けるように、いわば歯車の歯のように配置されている。
【0141】
このため円板151及びスリット板152は、いずれも回転軸23X及びドラム23と一体に回転する。
【0142】
円板151の上側には、光検出部153が設けられている。光検出部153は、第1の実施の形態における光検出部35と機能的に類似しており、検出光L2を発光する発光部153A及び当該検出光L2を受光する受光部153Bを有している。
【0143】
光検出部153は、受光部153Bにおける検出光L2の受光量に応じた受光信号S2を生成し、これを制御部121(
図6)へ供給するようになされている。
【0144】
また光検出部153は、スリット板152により検出光L2を遮断可能な箇所、すなわち円板151の最外周よりも僅かに外側を通過するように配置されている。
【0145】
このため検出光L2は、円板151及びスリット板152が回転している場合、スリット板152による遮断と、スリット板152同士の隙間の通過とを交互に繰り返すことになる。
【0146】
このとき光検出部153により生成される受光信号S2は、「暗」レベルと「明」レベルとを周期的に交互に切り換える矩形波となる。
【0147】
またこの受光信号S2における繰り返しの周期は、円板151及びスリット板152の回転速度、すなわちドラム23の回転速度に応じて変化することになる。
【0148】
このため受光信号S2の周期Tは、
図9(A)及び(B)に示すように、ドラム23の回転速度が比較的低い(遅い)ときには比較的長くなり、ドラム23の回転速度が比較的高い(速い)ときには比較的短くなる。
【0149】
このように回転速度検出部150は、ドラム23の回転速度に応じて周期を変化させる受光信号S2を生成し、これを制御部121へ供給するようになされている。これに応じて制御部121は、受光信号S2の周期Tの長さを基に、ドラム23の回転速度を大まかに判別するようになされている。
【0150】
[2−3.始端部及び終端部の検出]
次に、一時保留部115による各テープ(すなわち外テープ30及び130並びに内テープ40及び140)の始端部又は終端部の検出について説明する。
【0151】
一時保留部115において受光信号S1が「明」レベルであれば、このことは、各検出点P(すなわち外テープ検出点30P及び130P並びに内テープ検出点40P及び140P)のいずれもが透過領域STであり、各テープの始端部及び終端部のいずれでもない中間部が位置していることを表す。
【0152】
一方、一時保留部115において受光信号S1が「暗」レベルであれば、このことは、各検出点Pの少なくとも1箇所に遮光領域SAが位置しており、各テープの始端部又は終端部のいずれかが位置していることを表す。
【0153】
すなわち制御部121は、光検出部135から得られる受光信号S1の信号レベルを基に、各検出点Pにいずれも中間部が位置しているか、或いは各検出点Pの少なくとも1箇所に始端部若しくは終端部が位置しているかを判別することができる。
【0154】
ところで一時保留部115では、第1の実施の形態と同様に、ドラム23に巻き付ける紙幣の間隔や搬送部13に受け渡す紙幣の間隔をほぼ一定に保つべく、制御部121の制御により各テープの走行速度がほぼ一定に保たれる。
【0155】
すなわち一時保留部115では、
図6に実線で示したように、各リール(すなわち外リール31及び131並びに内リール41及び141)からの各テープの引出量が少なく、ドラム23の周側面における紙幣及び各テープの巻付量が少なく、当該ドラム23の見かけ上の直径が小さい場合、当該ドラム23の回転速度が比較的速くなる。
【0156】
一方、一時保留部115では、
図6に破線で示したように、各リールからの各テープの引出量が多く、ドラム23の周側面における紙幣及び各テープの巻付量が多く、当該ドラム23の見かけ上の直径が大きい場合、当該ドラム23の回転速度が比較的遅くなる。
【0157】
すなわち一時保留部115では、ドラム23の回転速度が比較的速い場合には、各リールからの各テープの引出量が少なく、ドラム23の回転速度が比較的遅い場合には、各リールからの各テープの引出量が多い、という関係が成立する。
【0158】
これを換言すれば、一時保留部115では、ドラム23の回転速度が、各リールからの各テープの引出量を表す指標となっている。
【0159】
このため一時保留部115では、受光信号S1が「暗」レベルになったときにドラム23の回転速度が比較的速ければ、各リールからの各テープの引出量が少ないため、各検出点Pのうち少なくとも1箇所に、始端部が位置していると考えられる。
【0160】
このとき回転速度検出部150から得られる
受光信号S2は、
図9(A)に示したように、周期Tが比較的短くなる。
【0161】
また一時保留部115では、受光信号S1が「暗」レベルになったときにドラム23の回転速度が比較的遅ければ、各リールからの各テープの引出量が多いため、各検出点Pのうち少なくとも1箇所に、終端部が位置していると考えられる。
【0162】
このとき回転速度検出部150から得られる
受光信号S2は、
図9(B)に示したように、周期Tが比較的長くなる。
【0163】
すなわち一時保留部115では、各リールからの各テープの引出量と始端部又は終端部のいずれであるかとの間に対応関係があり、また当該引出量とドラム23の回転速度(すなわち周期Tの長さ)とにも対応関係があることになる。
【0164】
そこで制御部121は、ドラム23の回転速度が最も速く、受光信号S2の周期Tが最も短くなるときの周期TS(
図9(A))とドラム23の回転速度が最も遅く、受光信号S2の周期Tが最も長くなるときの周期TL(
図9(B))との間に閾値TTを定め、これをROMに予め記憶している。
【0165】
そして制御部121は、光検出部153から取得した受光信号S2の周期Tを閾値TTと比較することにより、当該周期Tのおおよその長さを判別し、ドラム23の回転速度が大まかに速いか遅いかを判別する。
【0166】
さらに制御部121は、
図5と対応する
図10に示すように、受光信号S2の周期Tを閾値TTと比較した結果、すなわち周期Tのおおよその長さと、各テープの位置(すなわち始端部又は終端部)との対応関係を表す対応テーブルTBL2を予めROMに記憶している。
【0167】
この対応テーブルTBL2は、受光信号S2の周期Tとドラム23の回転速度との対応関係、ドラム23の回転速度と各リールからの各テープの引出量との対応関係、及び各リールからの各テープの引出量と各テープの位置との対応関係を、互いに組み合わせて整理したものとなっている。
【0168】
制御部121は、受光信号S1が「暗」レベルになり、且つ受光信号S2の周期Tが閾値TTよりも長い場合、すなわちドラム23の回転速度が比較的遅く、各リールからの各テープの引出量が多い場合、対応テーブルTBL2に従い、各検出点Pの少なくとも1箇所に終端部が到達したものと判別する。
【0169】
また制御部121は、受光信号S1が「暗」レベルになり、且つ受光信号S2の周期Tが閾値TTよりも短い場合、すなわちドラム23の回転速度が比較的速く、各リールからの各テープの引出量が少ない場合、対応テーブルTBL2に従い、各検出点Pの少なくとも1箇所に始端部が到達したものと判別する。
【0170】
このように制御部121は、受光信号S1が「暗」レベルになったとき、受光信号S2における周期Tの長さを基に、対応テーブルTBL2に従って、ドラム23の回転速度との対応関係、すなわち各リールからの各テープの引出量との対応関係を利用しながら、各検出点Pに始端部又は終端部のいずれが到達したかを判別するようになされている。
【0171】
[2−4.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態による一時保留部115は、各テープ(すなわち外テープ30及び130並びに内テープ40及び140)について、第1の実施の形態(
図4)と同様、始端部及び終端部それぞれに遮光領域SAを形成し、それ以外の中間部を
透過領域STとした。
【0172】
また一時保留部115の光検出部135は、発光素子136から発光した検出光L1をプリズム138により反射させながら、各検出点P(すなわち外テープ検出点30P及び130P並びに内テープ検出点40P及び140P)において各テープとそれぞれ交差させた上で受光素子137により受光し、その受光結果に応じた受光信号S1を生成する。
【0173】
そして一時保留部115の制御部121は、受光信号S1が「暗」レベルになったとき、各リールからの各テープの引出量とドラム23の回転速度との対応関係を利用する。すなわち制御部121は、回転速度検出部150から得られる受光信号S2の周期Tを閾値TTと比較し、対応テーブルTBL2(
図10)を参照して、各テープが始端部又は終端部のいずれに到達したかを判別する。
【0174】
従って一時保留部115は、例えば巻付処理中に、各テープの少なくとも1本の終端部が検出光L1と交差した時点で、その遮光領域SAを光検出部135により検出し、さらにこれが終端部であることを正しく判別することができる。
【0175】
また一時保留部115は、巻戻処理通中についても、各テープの少なくとも1本の始端部が検出光L1と交差した時点で、同様にその遮光領域SAを光検出部135により検出し、さらにこれが始端部であることを正しく判別することができる。
【0176】
これにより一時保留部115は、第1の実施の形態と同様、適切なタイミングでドラム23の回転を停止させて巻付処理又は巻戻処理を中止することができるので、各テープに過大な張力を加えることによる破損や、これに伴い周囲の各部品を損傷させることを未然に防止することができる。
【0177】
また光検出部135は、各検出点P(すなわち外テープ検出点30P及び130P並びに内テープ検出点40P及び140P)が一直線上に配置されていないものの、プリズム138を用いて検出光L1を折れ線状に進行させることにより、その全てを順次通過させることができる。
【0178】
このため光検出部135は、各検出点Pに遮光領域SAが到達しているか否かを、僅か1組の発光素子136及び受光素子137により確実に検出することができるので、2組以上の発光素子及び受光素子を用いる場合よりも部品点数や演算処理等を削減でき、構成を簡素化することができる。
【0179】
さらに制御部121は、ドラム23の回転速度と各リールからの各テープの引出量との間に対応関係があることを利用しているため、
受光信号S1が「暗」レベルになった際、
受光信号S2の周期Tを閾値TTと比較するだけで、始端部又は終端部のいずれであるかを精度良く判別することができる。
【0180】
その他の点についても、一時保留部115は、第1の実施の形態による一時保留部15と同様の作用効果を奏し得る。
【0181】
以上の構成によれば、一時保留部115は、各テープ(外テープ30及び130並びに内テープ40及び140)の始端部及び終端部それぞれに遮光領域SAを形成し、光検出部135により各テープとそれぞれ交差した検出光L1の受光結果に応じた受光信号S1を生成する。そして制御部121は、受光信号S1が「暗」レベルになったとき、
受光信号S2の周期Tと閾値TTとの比較結果を基に、対応テーブルTBL2を参照して各テープの少なくとも1本が始端部及び終端部のいずれに到達したかを判別した上で、巻付処理又は巻戻処理を中止することができる。これにより一時保留部115は、各テープに過大な張力を加えることによる破損や、これに伴い周囲の各部品を損傷させることを未然に防止することができる。
【0182】
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態による現金自動預払機201(
図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、紙幣入出金機10に代わる紙幣入出金機210を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0183】
紙幣入出金機210(
図2)は、第1の実施の形態による紙幣入出金機10と比較して、一時保留部15に代わる一時保留部215を有している点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0184】
[3−1.一時保留部の構成]
図3(A)及び(B)との対応部分に同一符号を付した
図11(A)及び(B)に示すように、第3の実施の形態による一時保留部215は、第1の実施の形態による一時保留部15と比較して、制御部21及び光検出部35に代わる制御部221並びに光検出部235及び245を有する点と、回転
方向検出部250が追加された点とが大きく相違する。
【0185】
制御部221は、第1の実施の形態による制御部21と同様、図示しないCPU、RAM、ROMやフラッシュメモリ等を有しており、各種プログラムを読み出して実行することにより、一時保留部215全体を統括的に制御するようになされている。
【0186】
光検出部235は、従来の光検出部335(
図14)と同様に構成されており、外テープ30の一面側へ向けて検出光L3を発光し、その反対面側で受光して受光信号S3を生成して、これを制御部221へ供給するようになされている。
【0187】
光検出部245は、従来の光検出部345(
図14)と同様に構成され、また光検出部235とも対応しており、内テープ40の一面側へ向けて検出光L4を発光し、その反対面側で受光して受光信号S4を生成して、これを制御部221へ供給するようになされている。
【0188】
因みに外テープ30及び内テープ40は、いずれも第1の実施の形態と同様に、始端部及び終端部にそれぞれ遮光領域SAが形成されている。しかしながら外テープ30及び内テープ40は、光検出部335及び光検出部345の取付位置と対応するべく、遮光領域SAの始端又は終端からの長さが第1の実施の形態とは僅かに異なっている。
【0189】
このように一時保留部215では、第1の実施の形態による一時保留部15とは異なり、光検出部235及び245により検出光L3及び検出光L4を外テープ30及び内テープ40へそれぞれ照射し、その受光結果を基に受光信号S3及びS4をそれぞれ生成するようになされている。
【0190】
[3−2.回転方向検出部の構成]
図11(A)に示したように、回転方向検出部250は、ドラム23の右側に設置されており、ドラム23の回転軸23Xに取り付けられた円板251を中心に構成されている。
【0191】
また回転方向検出部250は、
図8(A)及び(B)とそれぞれ対応する
図12(A)及び(B)に示すように、第2の実施の形態による回転速度検出部150と類似した構成となっている。
【0192】
円板251は、円板151と同様、左右に薄い円板状に形成されており、回転軸23Xに対し中心軸を一致させるように取り付けられている。
【0193】
円板251の周側面には、外周方向へ向けて多数のスリット板252が立設されている。スリット板252は、スリット板152と同様、円板251に対して小さく、且つ左右に薄い長方形の板状に形成されており、円板251の周方向に沿って互いに一定の間隔を空けるように、いわば歯車の歯のように配置されている。
【0194】
このため円板251及びスリット板252は、円板151及びスリット板152と同様、回転軸23X及びドラム23と一体に回転する。
【0195】
さらにスリット板252には、左右方向に貫通する孔部252Hが穿設されている。この孔部252Hは、円板251の半径方向を長手方向とする長円状に形成されており、スリット板252が円板251の上側に位置したときの後側、いわば巻付方向R1側に偏って配置されている。
【0196】
円板251の上側には、光検出部153と同様の構成でなる光検出部253が設けられている。
【0197】
光検出部253は、発光部253Aから検出光L5を発光し、これを受光部253Bにより受光する。さらに光検出部253は、検出光L5の受光量に応じた受光信号S5を生成し、これを制御部221(
図11)へ供給するようになされている。
【0198】
また光検出部253は、光検出部153と同様、スリット板252により検出光L5を遮断可能な箇所、すなわち円板251の最外周よりも僅かに外側を通過するように配置されている。
【0199】
このため円板251及びスリット板252が回転すると、検出光L5は、スリット板252により遮断される一方、互いに隣接するスリット板252同士の隙間を通過すると共に孔部252Hも通過することになる。
【0200】
ここでスリット板252及びその周辺を拡大して
図13に示す。また
図13では、円板251及びスリット板252が回転する際に、検出光L5が照射される箇所を軌跡LLとして示している。
【0201】
スリット板252は、図中の中央から右側に渡る比較的広い部分により検出光L5を遮断する長遮断領域CLと、図中の左端近傍における比較的狭い部分により検出光L5を遮断する短遮断領域CSとを形成している。
【0202】
またスリット板252は、孔部252Hにより、検出光L5を通過させる短通過領域SSを形成している。さらにスリット板252同士の隙間は、検出光L5を通過させる長通過領域SLが形成されている。
【0203】
この軌跡LLを図の右から左へ辿った場合、長遮断領域CL、短通過領域SS、短遮断領域CS及び長通過領域SLが順次出現することになる。またこの軌跡LLを図の左から右へ辿った場合、その反対の順序により、長通過領域SL、短遮断領域CS、短通過領域SS、及び長遮断領域CLが順次出現することになる。
【0204】
このため、光検出部253により生成される受光信号S5は、
図9と対応する
図14(A)及び(B)に示すように、ドラム23の回転方向により異なる波形となる。
【0205】
ドラム23が巻付方向R1へ回転している場合、受光信号S5には、
図14(A)に示すように、長通過領域SLによる比較的長い空白期間の後、短遮断領域CSによる比較的短い短パルスPSが出現し、短通過領域SSによる比較的短い空白期間の後に長遮断領域CLによる比較的長い長パルスPLが出現する。
【0206】
一方、ドラム23が巻戻方向R2へ回転している場合、受光信号S5には、
図14(B)に示すように、長通過領域SLによる比較的長い空白期間の後、長遮断領域CLによる長パルスPLが出現し、短通過領域SSによる比較的短い空白期間の後に短遮断領域CSによる短パルスPSが出現する。
【0207】
このように回転方向検出部250は、受光信号S5に短パルスPS及び長パルスPLが連続して出現する際の出現順序を、ドラム23の回転方向に応じて相違させるようになされている。
【0208】
[3−3.始端部及び終端部の検出]
次に、一時保留部215による各テープ(すなわち外テープ30及び内テープ40)の始端部又は終端部の検出について説明する。
【0209】
一時保留部215において受光信号S3及びS4の両方が「明」レベルであれば、このことは、各検出点P(すなわち外テープ検出点30P及び内テープ検出点40P)のいずれにも透過領域STが位置しており、各テープの始端部及び終端部のいずれでもない中間部が位置していることを表す。
【0210】
一方、一時保留部215において受光信号S3及びS4の少なくとも一方が「暗」レベルであれば、このことは、各検出点Pの少なくとも一方に遮光領域SAが位置しており、各テープの始端部又は終端部のいずれかが位置していることを表す。
【0211】
すなわち制御部221は、光検出部235及び245から得られる受光信号S3及びS4の信号レベルを基に、各検出点Pにいずれも中間部が位置しているか、或いは各検出点Pの少なくとも一方に始端部若しくは終端部が位置しているかを判別することができる。
【0212】
ところで制御部221は、上述したように、受光信号S5に短パルスPSの次に連続して長パルスPLが出現した場合にはドラム23の回転方向を巻付方向R1と判別し、受光信号S5に長パルスPLの次に連続して短パルスPSが出現した場合にはドラム23の回転方向を巻戻方向R2と判別することができる。
【0213】
すなわち制御部221は、受光信号S5における短パルスPS及び長パルスPLの出現順序からドラム23の回転方向を判別できるため、各リール(すなわち外リール31及び内リール41)からの各テープの引出量の増減傾向を判別できることになる。
【0214】
また制御部221は、第1の実施の形態と同様に、各リールからの各テープの引出量の増減傾向とドラム23の回転方向との対応を利用すれば、始端部又は終端部のいずれであるかを判別することもできる。
【0215】
そこで制御部221は、
図5と対応する
図15に示すように、受光信号S5における短パルスPS及び長パルスPLの出現順序と、ドラム23の回転方向と、各テープの位置(すなわち始端部又は終端部のいずれであるか)とを、対応テーブルTBL3として予め記憶している。
【0216】
このため制御部221は、受光信号S3及びS4の少なくとも一方が「暗」レベルになったときに受光信号S5に短パルスPSの直後に長パルスPLが出現すれば、対応テーブルTBL3に従い、ドラム23の回転方向が巻付方向R1であり、各検出点Pの少なくとも一方に終端部が到達したものと判別することができる。
【0217】
また制御部221は、受光信号S3及びS4の少なくとも一方が「暗」レベルになったときに受光信号S5に長パルスPLの直後に短パルスPSが出現すれば、対応テーブルTBL3に従い、ドラム23の回転方向が巻戻方向R2であり、各検出点Pの少なくとも一方に始端部が到達したものと判別することができる。
【0218】
このように制御部221は、受光信号S3及びS4の少なくとも一方が「暗」レベルになったとき、まず各検出点Pのうち少なくとも一方に始端部又は終端部が到達したと判断する。
【0219】
その上で制御部221は、受光信号S5に出現する短パルスPS及び長パルスPLの出現順序を基に、対応テーブルTBL3に従って、ドラム23の回転方向、すなわち各テープにおける引出量の増減傾向との対応関係を利用しながら、始端部又は終端部のいずれであるかを判別するようになされている。
【0220】
[3−4.動作及び効果]
以上の構成において、第3の実施の形態による一時保留部215は、第1の実施の形態と同様、各テープ(外テープ30及び内テープ40)のそれぞれについて、始端部及び終端部それぞれに遮光領域SAを形成し、それ以外の中間部を
透過領域STとした(
図4)。
【0221】
また一時保留部215の光検出部235及び245は、検出光L3及びL4を発光すると共に各テープとそれぞれ交差させた上で受光し、その受光結果に応じた受光信号S3及びL4を生成する。
【0222】
一時保留部215では、受光信号S5に出現する短パルスPS及び長パルスPLの出現順序と、各テープにおける引出量の増減傾向と、ドラム23の回転方向と、テープの位置(始端部又は終端部)とが互いに関係する。
【0223】
そこで一時保留部215の制御部221は、受光信号S3及びS4の少なくとも一方が「暗」レベルになったとき、この対応関係が表された対応テーブルTBL3を参照することにより、受光信号S5を基に、各テープが始端部又は終端部のいずれに到達したかを判別する。
【0224】
従って一時保留部215は、例えば巻付処理中に、各テープのいずれか一方の終端部が検出光L3又はL4と交差した時点で、その遮光領域SAを光検出部235又は245により検出することができる。
【0225】
また一時保留部215は、巻戻処理の場合についても、各テープのいずれか一方の始端部が検出光L3又はL4と交差した時点で、同様にその遮光領域SAを光検出部235又は245により検出することができる。
【0226】
これにより一時保留部215は、第1の実施の形態と同様、ドラム23の回転を停止させて巻付処理又は巻戻処理を中止することができるので、各テープに過大な張力を加えることによる破損や、これに伴い周囲の各部品を損傷させることを未然に防止することができる。
【0227】
また一時保留部215では、回転方向検出部250から得られる受光信号S5を基にドラム23の回転方向を判別する。このため一時保留部215では、例えば障害の発生等により、モータへ供給する制御信号と実際のドラム23の回転方向との間に齟齬が生じたような場合であっても、現実のドラム23の回転方向に基づいた受光信号S5を取得することができるので、当該ドラム23の回転方向を高精度に判別することができる。
【0228】
さらに一時保留部215では、2個の光検出部235及び245を互いに独立して配置した。このため一時保留部215では、フレーム20内で各部品により検出光を遮らないような配慮をする必要が無く、各部品の配置の自由度を高めることができる。
【0229】
その他の点についても、一時保留部215は、第1の実施の形態による一時保留部15と同様の作用効果を奏し得る。
【0230】
以上の構成によれば、一時保留部215は、各テープ(外テープ30及び内テープ40)の始端部及び終端部それぞれに遮光領域SAを形成し、光検出部235及び245により各テープとそれぞれ交差した検出光L3及びL4の受光結果に応じた受光信号S3及びS4を生成する。そして制御部221は、受光信号S3及びS4の少なくとも一方が「暗」レベルになったとき、回転方向検出部250から得られる受光信号S5を基にドラム23の回転方向を判別し、その判別結果
を基に、対応テーブルTBL1を参照して各テープの少なくとも一方が始端部及び終端部のいずれに到達したかを判別した上で、巻付処理又は巻戻処理を中止することができる。これにより一時保留部215は、各テープに過大な張力を加えることによる破損や、これに伴い周囲の各部品を損傷させることを未然に防止することができる。
【0231】
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、外テープ30及び内テープ40の中間部を
透過領域STとし、始端部及び終端部を遮光領域SAとするようにした場合について述べた(
図5)。
【0232】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば外テープ30及び内テープ40の中間部を遮光領域SAとし、始端部及び終端部を遮光領域SAとするようにしても良い。この場合、制御部21では、受光信号S1が「暗」レベルから「明」レベルに変化した場合に、外テープ検出点30P及び内テープ検出点40Pの少なくとも一方に始端部又は終端部が到達したと判別すれば良い。要は、外テープ30及び内テープ40の中間部と始端部及び終端部との光透過率を相違させ、検出光L1の受光量を基に制御部21によりその違いを判別することが出来れば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0233】
また上述した第1の実施の形態においては、ドラム23を駆動するモータ(図示せず)への制御信号を基にドラム23の回転方向を判別し、第3の実施の形態においては、回転方向検出部250から得られる受光信号S5における短パルスPS及び長パルスPLの出現順序を基にドラム23の回転方向を判別するようにした場合について述べた。
【0234】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図示しないモータからドラム23へ駆動力を伝達するギヤの回転方向に応じて異なる波形の信号を生成するようにし、この信号を基にドラム23の回転方向を判別する等、種々の手法によりドラム23の回転方向を判別するようにしても良い。
【0235】
さらに上述した第1及び第3の実施の形態においては、ドラム23の回転方向と、各テープの走行方向と、各リールからの各テープの引出量の増減傾向との間の対応関係を利用し、ドラム23の回転方向から始端部又は終端部のいずれであるかを判別するようにした場合について述べた。
【0236】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば外リール31や
プーリ33等、各テープの走行方向に応じてその回転方向を変化させる種々の部品における回転方向と、各リールからの各テープの引出量の増減傾向との間の対応関係を利用して、当該部品の回転方向から始端部又は終端部のいずれであるかを判別するようにしても良い。
【0237】
さらに上述した第2の実施の形態においては、回転速度検出部150の円板151を回転軸23Xに取り付け、ドラム23の回転速度と各リールからの各テープの引出量との対応関係を利用し、ドラム23の回転速度から始端部又は終端部のいずれであるかを判別するようにした場合について述べた。
【0238】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば円板151を回転軸31Xや41X等に取り付け、外リール31や内リール41等、各リールからの各テープの引出量とその回転速度との間の対応関係を利用して、当該部品の回転速度から始端部又は終端部のいずれであるかを判別するようにしても良い。
【0239】
さらに上述した第1及び第3の実施の形態においては、ドラム23の回転方向と各リールからの各テープの引出量の増減傾向との対応関係を利用し、第2の実施の形態においては、ドラム23の回転速度と各リールからの各テープの引出量との対応関係を利用するようにした場合について述べた。
【0240】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば外リール31に巻き付けられている外テープ30の残量を検出するセンサやドラム23の見かけ上の半径を検出するセンサを用いる等、各リールからの各テープの引出量に応じて変化する物理量を検出するようにしても良い。この場合、要は、各リールからの各テープの引出量と始端部又は終端部のいずれであるかとの間に対応関係があることを利用して、検出した物理量を基に始端部又は終端部のいずれであるかを判別することが出来れば良い。
【0241】
さらに上述した第1の実施の形態においては、一時保留部15のフレーム20内における発光素子36から受光素子37までの検出光L1の光路を直線状とするようにした場合について述べた。
【0242】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばミラーやプリズムを適宜配置することにより、検出光L1の光路を折れ線状としても良い。この場合、要は発光素子36から発光された検出光L1が外テープ30及び内テープ40のみと交差し、他の部品等により遮断されることなく受光素子37に到達できれば良い。第2の実施の形態についても、ミラーやプリズム等を適宜配置するようにしても良い。
【0243】
さらに上述した第1及び第3の実施の形態においては、テープ走行系27の1組のみ、第2の実施の形態においては、テープ走行系27及び127の2組を、それぞれ一時保留部に設けるようにした場合について述べた。
【0244】
しかしながら本発明はこれに限らず、3組以上のテープ走行系を一時保留部に設けるようにしても良い。
【0245】
さらに上述した第1の実施の形態においては、金融機関等において顧客との間で現金に関する取引を行う現金自動預払機1の一時保留部15において、媒体としての紙幣を保留するようにした場合について述べた。
【0246】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば金融機関等において職員が現金に関する各種処理を行うための出納システムに組み込まれる一時保留部に適用するようにしても良く、或いは商品券や金券、入場券等のような紙葉状の媒体を保留する種々の装置に適用するようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0247】
さらに上述した第1の実施の形態においては、ドラムとしてのドラム23と、第1リール及び第2リールとしての内リール41及び外リール31と、第1テープとしての内テープ40と、第2テープとしての外テープ30と、相違部としての遮光領域SAと、光検出部としての光検出部35と、引出量検出部及び判別部としての制御部21とによって媒体処理装置としての一時保留部15を構成する場合について述べた。
【0248】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるドラムと、第1リール及び第2リールと、第1テープと、第2テープと、相違部と、光検出部と、引出量検出部と、判別部とによって媒体処理装置を構成するようにしても良い。