(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958148
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】硬貨処理装置
(51)【国際特許分類】
G07D 9/00 20060101AFI20160714BHJP
【FI】
G07D9/00 306
G07D9/00 410Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-163464(P2012-163464)
(22)【出願日】2012年7月24日
(65)【公開番号】特開2014-21951(P2014-21951A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089093
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 健治
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊貴
【審査官】
角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−008810(JP,A)
【文献】
特開2009−123065(JP,A)
【文献】
特開昭47−027098(JP,A)
【文献】
特開平10−334304(JP,A)
【文献】
特開2001−351147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00−3/16
9/00−9/02
9/04−9/06
G07F 1/04
9/00
9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨を一時貯留する硬貨一時貯留部と、
前記硬貨一時貯留部の下方に設けられ、前記硬貨一時貯留部に貯留した前記硬貨を落下させて収納する硬貨収納部と、
前記硬貨一時貯留部と前記硬貨収納部の間に設けられ、前記硬貨一時貯留部をガイドする一時貯留ガイドとを有し、
当該一時貯留ガイドに複数の突起を設け、
前記硬貨収納部の上部に前記一時貯留ガイドの前記突起と対応した複数の突起を設けて入れ子構造を形成したことにより、前記硬貨収納部を引出可能な構造としたことを特徴とする硬貨処理装置。
【請求項2】
前記突起は、矩形であることを特徴とする請求項1記載の硬貨処理装置。
【請求項3】
前記突起は、角形であることを特徴とする請求項1記載の硬貨処理装置。
【請求項4】
前記一時貯留ガイドは、前記硬貨一時貯留部の底面に位置するガイド底面部と、前記硬貨収納部の上部に位置するガイド側面部から構成され、前記ガイド側面部に設けた前記突起と前記硬貨収納部の上部に設けた前記突起とで前記入れ子構造を形成したことを特徴とする請求項1記載の硬貨処理装置。
【請求項5】
硬貨を一時貯留する硬貨一時貯留部と、
前記硬貨一時貯留部の下方に設けられ、前記硬貨一時貯留部に貯留した前記硬貨を落下させて収納する硬貨収納部と、
前記硬貨一時貯留部と前記硬貨収納部の間に設けられ、前記硬貨一時貯留部をガイドする一時貯留ガイドとを有し、
前記一時貯留ガイドと前記硬貨収納部との隙間に開閉可能な閉塞板が形成されることを特徴とする硬貨処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回収された硬貨を金種別に選別して収納する硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、硬貨処理装置として以下のものがある。即ち、係員が入金する硬貨を硬貨投入口に投入すると、投入された硬貨が1枚ずつ分離されて鑑別部に搬送され、鑑別部で硬貨の金種等の鑑別及び計数が行われた後、硬貨一時貯留部に金種別に集積されて一時貯留される。そして計数された金額が表示部に表示され、利用者が入金の承認を行うと、硬貨一時貯留部に一時貯留されている硬貨が金種別に硬貨収納部に収納される。
【0003】
一般に、硬貨処理装置の搬送路は、硬貨が搬送路外に飛び出さないように搬送路の継ぎ目にできる隙間を、一円硬貨の大きさよりも小さくしている。しかし、ジャム除去等の保守操作が必要な部位では、干渉を防止するため逆に隙間を広げておく必要がある。この場合、硬貨が隙間から飛び出すのを防止する手段としては、毛の束やスポンジ等の柔軟な部品による隙間を埋める構造にすることがある。
【0004】
硬貨処理装置には前記硬貨一時貯留部及び前記硬貨収納部があるが、この硬貨収納部は引出可能になっているため、硬貨一時貯留部との受渡部に隙間ができる。従来は、この隙間を埋めるために毛の束やスポンジ等の柔軟な部品による隙間を埋める構造にしている。
【0005】
図8乃至
図10により従来の硬貨一時貯留部及び硬貨収納部の概要を説明する。
図8は従来の硬貨貯留部を示す正面図であり、
図9は従来の硬貨貯留部を示すA−A断面図であり、
図10は従来の一時貯留ガイドを示す斜視図である。硬貨一時貯留部51は、左右の側面板51−1、51−2及び前後の側面板51−3、51−4によって6個の区画に分かれている。硬貨一時貯留部51は、一時貯留ガイド54に設けられたガイド底面部55−1の上部に左右移動可能に設けられ、選別された硬貨を金種別に収納可能となっている。
【0006】
一時貯留ガイド54はガイド底面部55−1と、ガイド側面部56によって構成される。ガイド側面部56は、
図10に示すように一時貯留ガイド54の周囲を壁状に構成し、中央にガイド底面部55−1とその両側にガイド底部孔55−2、55−3が形成される。ガイド底面部55−1は、左右の側面板51−1、51−2及び前後の側面板51−3、51−4とともに硬貨を一時貯留する。
【0007】
硬貨は一時貯留ガイド54のガイド底面部55−1上に集積され、利用者が入金の承認を行うと、硬貨一時貯留部51は矢印C方向に移動する。これによって、硬貨を掻き落し、ガイド底部孔55−2を介して矢印Fのように硬貨収納部53へ落下させる。また、利用者が入金の不承認を行うと、硬貨一時貯留部51は矢印D方向に移動する。これによって、硬貨を掻き落し、ガイド底部孔55−3を介して矢印Gのように返却部52へ落下させる。
【0008】
ここで、硬貨の一時貯留の際、硬貨が硬貨一時貯留部51から飛び出さないようにするため、左右の側面板51−1、51−2及びガイド底面部55−1には入れ子構造部59が形成されている。即ち、入れ子構造部59は、ガイド底面部55−1に上部波型部58が形成され、右の側面板51−2の淵に上部波型部58に適合する下部波型部57が形成されることにより構成される。入れ子構造部59は、左右の側面板51−1及び51−2ともに同様な構造である。
【0009】
また、硬貨を落下させる際、硬貨が跳ね返って別のエリアに飛び出さないようにするため、一時貯留ガイド54にはガイド側面56が設けてある。一方、硬貨収納部53は、複数の硬貨収納部53が一体として矢印E方向に引出可能である。従って、硬貨収納部53を引き出す際に、硬貨一時貯留部51及び一時貯留ガイド54と干渉し操作性が悪化するのを防ぐ必要がある。そのため当該硬貨収納部53と硬貨一時貯留部51には隙間63が形成してある。これに対し、隙間63から硬貨が飛び出すことを防ぐため、左右方向には閉塞板60−1、60−2による入れ子構造を形成し、更に前後方向には毛の束やスポンジ等の柔軟な閉塞部材61により隙間63を埋めていた。その方法は、閉塞部材61を、両面テープ又は接着剤により硬貨収納部53の上部又はガイド側面56の下部に接着するという方法により行っていた。
【0010】
なお、特開2008−299544号公報(特許文献1)は、現金処理装置の稼働率を向上させることを課題とするものである。特許文献1によれば、リジェクト硬貨を集積して取引単位で袋詰めする技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−299544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の技術によれば、硬貨一時貯留部51が6個に分かれているので、隙間63ごとに部品としての閉塞板60−1、60−2及び閉塞部材61で埋める必要があるため、部品点数が多くなりコストアップの要因となるという問題があった。更に、隙間63を確実に埋めるため、硬貨収納部53と接触するように毛の束やスポンジ等の柔軟な閉塞部材61を配置する必要があり、硬貨収納部53の引出時に、部品としての閉塞部材61の磨耗や脱落が発生するという問題があった。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、部品点数を少なくしコスト低減を図るとともに、部品の磨耗や脱落の発生するおそれのない硬貨処理装置を提供することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明に関する硬貨処理装置は、硬貨を一時貯留する硬貨一時貯留部と、前記硬貨一時貯留部の下方に設けられ、前記硬貨一時貯留部に貯留した前記硬貨を落下させて収納する硬貨収納部と、前記硬貨一時貯留部と前記硬貨収納部の間に設けられ、前記硬貨一時貯留部をガイドする一時貯留ガイドとを有し、当該一時貯留ガイドに複数の突起を設け、
前記硬貨収納部の上部に前記一時貯留ガイドの前記突起と対応し
た複数の突起を設けて入れ子構造を形成
したことにより、前記硬貨収納部を引出可能な構造としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記構成を有する本発明によれば、硬貨収納部と一時貯留ガイドのガイド側面部との間は、隙間をなくし入れ子構造にしたので、部品点数を少なくしコスト低減を図るとともに、硬貨収納部の引き出しの際に、部品の磨耗や脱落の発生するおそれのない硬貨処理装置を提供することを可能とするものである。同時に、両者の間に隙間がなくなるので、ガイド底部孔を落下した硬貨が跳ね返って別のエリアに飛び出すことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施の形態に関する硬貨貯留部を示す正面図である。
【
図2】第1の実施の形態に関する硬貨処理装置の概略構成を示す説明図である。
【
図3】第1の実施の形態に関する硬貨貯留部のB−B断面図である。
【
図4】第1の実施の形態に関する一時貯留ガイドを示す斜視図である。
【
図5】第1の実施の形態に関する変形例1を示す正面図である。
【
図6】第1の実施の形態に関する変形例2を示す正面図である。
【
図7】第2の実施の形態に関する硬貨貯留部を示す説明図である。
【
図9】従来の硬貨貯留部を示すA−A断面図である。
【
図10】従来の一時貯留ガイドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図2は第1の実施の形態に関する硬貨処理装置の概略構成を示す説明図である。硬貨処理装置100は、銀行等の金融機関の現金センタに設置され、現金自動預払機等から回収された現金の入金処理を行うために使用される現金処理装置のうち、硬貨の入金処理を行う。
【0018】
投入口11は、例えば係員が釣銭機等から回収した硬貨を一括して投入して使用する。繰出部12は投入口11の下方に配置され、投入口11から送られた硬貨を図示しない回転円盤上に集積し、これを一枚毎に分離して繰り出す。鑑別部13は、繰出部12により一枚毎に繰り出された硬貨について真偽、正損、金種等の各種の鑑別、計数を行う。リジェクト庫14は、鑑別部13により、変形、汚れ等により金種不明と鑑別され、又は異常と鑑別されたリジェクト硬貨を集積する。搬送路15は、鑑別部13で正常と鑑別された硬貨について搬送し、金種別に設けられた硬貨一時貯留部1へ向けて振り分ける。
【0019】
硬貨一時貯留部1は取り扱う硬貨の金種毎に設けられ、鑑別部13及び搬送路15により選別された硬貨について一時的に貯留する。なお、本実施例では、取り扱う金種を6金種とし、6個の硬貨一時貯留部1を設けている。鑑別部13により計数された金額が図示しない表示部に表示され、利用者が入金の承認を行うと、硬貨一時貯留部1に一時貯留されている硬貨が金種別の硬貨収納部3に収納される。利用者が入金の不承認を行うときは、硬貨一時貯留部1に一時貯留されている硬貨は返却箱2に収納される。なお、硬貨の出金に際しては、出金繰出部16が硬貨収納部3から出金硬貨を繰り出し、出金箱17へ送る。また、硬貨の回収は、回収一時庫18に一時収納した後、回収庫19−1及び回収返却箱19−2を使って行われる。
【0020】
図1は第1の実施の形態に関する硬貨貯留部を示す正面図である。硬貨一時貯留部1は左右の側面板1−1、1−2及び後述する前後の側面板1−3、1−4によって分けられている。硬貨一時貯留部1は、一時貯留ガイド4に設けられたガイド底面部5−1の上部に設けられ、前記搬送路15からの硬貨を金種別に収納可能とする。一時貯留ガイド4は、左右の側面板1−1、1−2及び前後の側面板1−3、1−4が後述するように左右方向に移動することをガイドする。硬貨一時貯留部1は、矢印C及び矢印Dに示すように、図示しない駆動手段により、一時貯留ガイド4上を左右移動可能に設けられる。硬貨一時貯留部1の底面は前記ガイド底面部5−1のみであり、硬貨一時貯留部1が矢印C及び矢印D方向に移動することにより、ガイド底面部5−1を外れると、硬貨は矢印F又は矢印G方向に落下する。
【0021】
硬貨収納部3及び返却部2は、硬貨一時貯留部1の下方に設けられる。具体的には、硬貨収納部3は、後述するガイド底部孔5−2の下方に設けられ、返却部2はガイド底部孔5−3の下方に設けられる。これにより矢印F又は矢印G方向に落下した硬貨は硬貨収納部3又は返却部2に収納される。なお、本実施の形態に関する入れ子構造部23については、
図4において説明する。
【0022】
図3は第1の実施の形態に関する硬貨貯留部のB−B断面図である。硬貨一時貯留部1は、左右の側面板1−1、1−2及び前後の側面板1−3、1−4によって6個の区画に分かれている。6個の硬貨一時貯留部1は、前記矢印C及び矢印Dに示す方向に、図示しない駆動手段により、一体として移動する。硬貨は一時貯留ガイド4のガイド底面部5−1上に集積される。硬貨収納部3も硬貨一時貯留部1の下に6個設けられている。
【0023】
図4は第1の実施の形態に関する一時貯留ガイドを示す斜視図である。一時貯留ガイド4はガイド底面部5−1と、ガイド側面部6によって構成される。ガイド側面部6は、図示のように一時貯留ガイド4の周囲を壁状に構成し、中央にガイド底面部5−1とその両側にガイド底部孔5−2、5−3が形成されるように構成する。ガイド底面部5−1は、硬貨一時貯留部1の左右の側面板1−1、1−2及び前後の側面板1−3、1−4とともに硬貨を一時貯留するボックス状となす。ガイド底面部5−1は、左右の側面板1−1、1−2及び前後の側面板1−3、1−4によって形成される底面領域10をカバーする広さである。
【0024】
硬貨は一時貯留ガイド4のガイド底面部5−1上の底面領域10に集積され、利用者が入金の承認を行うと、6個の硬貨一時貯留部1は矢印C方向に一体として移動する。これによって、底面領域10に集積された硬貨を左の側面板1−1が掻き落し、ガイド底部孔5−2を介して矢印Fのように落下させ硬貨収納部3へ収納させる。また、利用者が入金の不承認を行うと、6個の硬貨一時貯留部1は矢印D方向に一体として移動する。これによって、底面領域10に集積された硬貨を右の側面板1−2が掻き落し、ガイド底部孔5−3を介して矢印Gのように落下させ返却部2へ収納させる。
【0025】
ここで、硬貨の一時貯留の際、硬貨が硬貨一時貯留部1から飛び出さないようにするため、かつ硬貨の掻き落しが完全に行われるようにするため左右の側面板1−1、1−2及びガイド底面部5−1には第1の入れ子構造部9が形成されている。即ち、第1の入れ子構造部9は、ガイド底面部5−1に複数の角形の上部波型部8が形成され、右の側面板1−2の淵には、上部波型部8に適合する複数の台形の下部波型部7が形成されることにより構成される。入れ子構造部9は、左右の側面板1−1及び1−2ともに同様な構造である。
【0026】
また、ガイド底部孔5−2を矢印F方向に硬貨を落下させる際、硬貨が跳ね返って別のエリアに飛び出さないようにするため、一時貯留ガイド4にはガイド側面6が設けてある。一方、硬貨収納部3は複数の硬貨収納部3が一体として前後方向としての矢印E方向に引出可能である。従って、硬貨収納部3を引き出す際に、硬貨一時貯留部1及び一時貯留ガイド4と干渉し、操作性が悪化するのを防ぐ必要がある。
【0027】
本実施の形態では硬貨収納部3の上部の淵と、一時貯留ガイド4のガイド側面部6を第2の入れ子構造部23としたものである。即ち、第2の入れ子構造部23は、硬貨収納部3の上部の淵に複数の矩形の突起を並べた上部波型22が形成され、ガイド側面部6には、上部波型22に適合する同じく複数の矩形の突起を並べた下部波型部21が形成される。また、第2の入れ子構造部23は、下部波型部21と上部波型部22とで出来る間隔が、取り扱う硬貨の幅よりも小さくなるように設けられる。入れ子構造部23は、矢印E方向における下流側のガイド側面部6についても同様に構成される。これによって、硬貨が跳ね返って別のエリアに飛び出すのを防止することができる。
【0028】
以上、本実施の形態によれば、硬貨収納部3の上部の淵と、一時貯留ガイド4のガイド側面部6を入れ子構造部23としたので、前後方向としての矢印E方向に硬貨収納部3を引き出す際に、一時貯留ガイド4のガイド側面部6との干渉を防ぎ、操作性を向上することができる。また、両者の間に硬貨が飛び出すことのできる隙間がなくなるので、ガイド底部孔5−2を矢印F方向に落下した硬貨が跳ね返って別のエリアに飛び出すことを防ぐことができる。
【0029】
(第1の実施の形態の変形例1)
図5は第1の実施の形態に関する変形例1を示す正面図である。変形例1は、入れ子構造部33が、硬貨収納部3の上部の淵に複数の三角形の上部波型32が形成され、ガイド側面部6には、上部波型32に適合する同じく複数の三角形の下部波型部31が形成されることにより構成される。これにより第1の実施の形態と同様の効果を有する。
【0030】
(第1の実施の形態の変形例2)
図6は第1の実施の形態に関する変形例2を示す正面図である。変形例2は、入れ子構造部43が、硬貨収納部3の上部の淵に複数の半円形の上部波型42が形成され、ガイド側面部6には、上部波型42に適合する同じく複数の半円形の下部波型部41が形成されることにより構成される。これにより第1の実施の形態と同様の効果を有する。
【0031】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図7は第2の実施の形態に関する硬貨貯留部を示す説明図である。前記第1の実施の形態が、硬貨収納部3の上部の淵と、一時貯留ガイド4のガイド側面部6を入れ子構造部23としたものであるが、第2の実施の形態は、硬貨収納部3の上部の淵と、一時貯留ガイド4のガイド側面部6の間に回転可能に閉塞板44を設けたものである。その他の構成は第1の実施の形態の構成と同様であるので説明を省略する。
【0032】
閉塞板44は、硬貨収納部3の上部の淵と、一時貯留ガイド4のガイド側面部6の間を埋めるように配置されている。閉塞板44は、ガイド側面部6と重なるように配置されているが、ガイド側面部6との干渉を回避するように回転可能に配置されている。閉塞板44は回転支点45を中心に回転可能に支持され、利用者がリンクバー46を前後方向としての矢印E方向に引くことにより、閉塞板44は矢印H方向に回転する。こうして、利用者が硬貨収納部3を矢印E方向に引き出す際に、閉塞板44はガイド側面部6と干渉することはない。
【0033】
第2の実施の形態によれば、ガイド側面部6との干渉を回避するように回転可能に閉塞板44を配置したので、矢印E方向に硬貨収納部3を引き出す際に、一時貯留ガイド4のガイド側面部6との干渉を防ぎ、操作性を向上することができる。また、両者の間に隙間がなくなるので、ガイド底部孔5−2を矢印F方向に落下した硬貨が跳ね返って別のエリアに飛び出すことを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 硬貨一時貯留部
2 返却部
3 硬貨収納部
4 一時貯留ガイド
5−1 ガイド底面部
5−2、5−3 ガイド底部孔
6 ガイド側面部
9 入れ子構造部
23 入れ子構造部
100 硬貨処理装置