特許第5958181号(P5958181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958181
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】取引装置及び取引プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20160714BHJP
【FI】
   G07D9/00 421
   G07D9/00 426Z
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-185645(P2012-185645)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-44518(P2014-44518A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】神田 貴之
【審査官】 角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−065596(JP,A)
【文献】 特開平11−110609(JP,A)
【文献】 特開平10−222725(JP,A)
【文献】 特開2000−315274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00
3/00
9/00
9/04
11/00−13/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも操作部を有する受話器を備える取引装置において、
上記受話器に対して所定の取引操作手順の案内音声を出力し、上記受話器からの入力情報を用いて取引処理を行う取引処理手段と、
上記受話器を通じた取引操作について進行停滞が発生したときに、顧客の意向を確認する案内音声を上記受話器に出力し、選択された要求処理を行う取引操作支援処理手段と
を備え
上記取引操作支援処理手段が、少なくとも取引続行を選択させる案内音声を出力し、上記受話器から取引続行が選択される場合に、進行が停滞した取引操作以降の取引操作を続行する取引続行処理部を有し、
上記取引続行処理部が、一時的に取引操作を停止した後、進行が停滞した取引操作から受付再開を行う
ことを特徴とする取引装置。
【請求項2】
上記取引続行処理部が、進行停滞発生以降の取引操作の操作タイムアウト時間を変更するものであることを特徴とする請求項に記載の取引装置。
【請求項3】
上記取引続行処理部が、進行停滞発生前までの取引操作の内容を含む音声アナウンスを上記受話器に出力するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の取引装置。
【請求項4】
上記受話器が、センター端末との間で通話を行う通話機能を有するものであり、
上記取引操作支援処理手段が、少なくともオペレータへの問い合せを選択させる案内音声を出力し、上記受話器からオペレータへの問い合せが選択される場合に、上記センター端末宛の発呼を行い、上記受話器と上記センター端末との間の通話を確立させる問合せ処理部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の取引装置。
【請求項5】
上記取引操作支援処理手段が、少なくとも取引中断を選択させる案内音声を出力し、上記受話器から取引中断が選択される場合に、取引を終了させる取引中断処理部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の取引装置。
【請求項6】
少なくとも操作部を有する受話器を備える取引装置の取引プログラムにおいて、
コンピュータを、
上記受話器に対して所定の取引操作手順の案内音声を出力し、上記受話器からの入力情報を用いて取引処理を行う取引処理手段、
上記受話器を通じた取引操作について進行停滞が発生したときに、顧客の意向を確認する案内音声を上記受話器に出力し、選択された要求処理を行う取引操作支援処理手段
として機能させ
上記取引操作支援処理手段が、少なくとも取引続行を選択させる案内音声を出力し、上記受話器から取引続行が選択される場合に、進行が停滞した取引操作以降の取引操作を続行する取引続行処理部を有し、
上記取引続行処理部が、一時的に取引操作を停止した後、進行が停滞した取引操作から受付再開を行う
ことを特徴とする取引プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引装置及び取引プログラムに関し、例えば、取引操作に時間を要する顧客に対して操作支援を行う取引装置及び取引プログラムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関や駅等に設けられている自動取引装置には、取引操作を行うことができるハンドセットを備えるものがある。顧客は、ハンドセットを持ち上げ、ハンドセットから流れる音声ガイダンスを聞き、ハンドセットに設けられている操作部を操作して取引操作を行うことができる(特許文献1参照)。
【0003】
一般的に、まず、取引種別を選択させるガイダンスがハンドセットから出力し、顧客は、ガイダンスに応じて取引種別を選択する。そして、顧客により選択された取引種別毎の取引操作ガイダンスがハンドセットから出力され、顧客は、ガイダンスに応じて取引種類の操作取引を行う。
【0004】
例えば、取引種類が支払処理の場合、自動取引装置は、カードの挿入、暗証番号の入力、支払金額の入力、紙幣の取り出し、カードの取り出し等の順序でガイダンスを出力して取引操作を進行させる。
【0005】
このとき、それぞれの取引操作には、操作タイムアウト時間が設けられている。そのため、操作タイムアウト時間が経過しても、取引操作がなされない場合、自動取引装置は、例えば挿入されたカードを排出する等して、取引を終了させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−4401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の自動取引装置は、操作タイムアウト時間が経過した場合には、自動的に取引を終了させるものである。
【0008】
そのため、例えば財布からカードや現金を取り出すのに時間がかかっている等のように、顧客がある取引操作に時間を要している場合に、操作タイムアウト時間が経過すると、自動取引装置は自動的にカード返却等の処理を行い、取引が終了してしまう。このとき、顧客は自動取引装置が意図しない動きをすることで、混乱してしまうことがある。その結果として、誤操作や媒体の受け取り忘れ等が生じる恐れがある。
【0009】
そのため、各取引種類の各取引操作における操作タイムアウト時間が経過した場合に、顧客の意向を確認し、適切な取引操作を支援することができる取引装置及び取引プログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、少なくとも操作部を有する受話器を備える取引装置において、(1)受話器に対して所定の取引操作手順の案内音声を出力し、受話器からの入力情報を用いて取引処理を行う取引処理手段と、(2)受話器を通じた取引操作について進行停滞が発生したときに、顧客の意向を確認する案内音声を受話器に出力し、選択された要求処理を行う取引操作支援処理手段とを備え、取引操作支援処理手段が、少なくとも取引続行を選択させる案内音声を出力し、受話器から取引続行が選択される場合に、進行が停滞した取引操作以降の取引操作を続行する取引続行処理部を有し、取引続行処理部が、一時的に取引操作を停止した後、進行が停滞した取引操作から受付再開を行うことを特徴とする取引装置である。
【0011】
第2の本発明は、少なくとも操作部を有する受話器を備える取引装置の取引プログラムにおいて、コンピュータを、(1)受話器に対して所定の取引操作手順の案内音声を出力し、受話器からの入力情報を用いて取引処理を行う取引処理手段、(2)受話器を通じた取引操作について進行停滞が発生したときに、顧客の意向を確認する案内音声を受話器に出力し、選択された要求処理を行う取引操作支援処理手段として機能させ、取引操作支援処理手段が、少なくとも取引続行を選択させる案内音声を出力し、受話器から取引続行が選択される場合に、進行が停滞した取引操作以降の取引操作を続行する取引続行処理部を有し、取引続行処理部が、一時的に取引操作を停止した後、進行が停滞した取引操作から受付再開を行うことを特徴とする取引プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各取引種類の各取引操作における操作タイムアウト時間が経過した場合に、顧客の意向を確認し、適切な取引操作を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の自動取引装置とハンドセットとの接続関係及び自動取引装置の内部構成を示す構成図である。
図2】第1の実施形態の自動取引装置の外観構成を示す外観構成図である。
図3】ハンドセットの外観構成を示す外観構成図である。
図4】第1の実施形態の操作タイムアウト処理部の処理機能を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態の操作タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。
図6】支払処理の取引操作手順のフローチャートである。
図7】入金処理の取引操作手順のフローチャートである。
図8】残金照会処理の取引操作手順のフローチャートである。
図9】振込処理の取引操作手順のフローチャートである。
図10】第2の実施形態の操作タイムアウト処理部の処理機能を示すブロック図である。
図11】第2の実施形態の操作タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。
図12】第2の実施形態の変形実施形態の操作タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。
図13】第3の実施形態の操作タイムアウト処理部の処理機能を示すブロック図である。
図14】第3の実施形態の操作タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の取引装置及び取引プログラムの第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
第1の実施形態は、例えば、取引装置の一例として自動取引装置に本発明を適用する場合を例示する。
【0016】
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態の自動取引装置の外観構成を示す外観構成図である。図2において、第1の実施形態の自動取引装置1は、ハンドセット11、操作表示部12、カード入出口13、紙幣入出口14、硬貨入出口15、通帳入出口16を有する。
【0017】
自動取引装置1は、例えば、銀行、コンビニエンスストア、駅、ホテル等に設置されるものであり、支払取引、入金取引、残高照会、振込取引等の金融取引を行なうものである。自動取引装置1は、ハンドセット11を備えており、ハンドセット11がオフックされると、ハンドセット11を用いた取引操作を可能とするものである。
【0018】
ハンドセット11は、顧客が操作する操作ボタン(操作部)を有する受話器である。一般的に、ハンドセットには、例えば視覚障がい者の方等の顧客が取引操作を行なうときに利用する専用器と、上記専用器の機能と共にコールセンター端末と接続をしてオペレータへの取り合わせに利用されるオートフォン機能も兼用する兼用器とがある。この実施形態では、ハンドセット11が兼用器である場合を例示して説明する。勿論、ハンドセット11が専用器であってもよい。
【0019】
操作表示部12は、例えば、取引種類の選択メニュー画面、各取引種類の操作画面、取引内容の確認画面等を表示したり、顧客が入力した入力情報を取り込んだりするものである。操作表示部12は、例えば、タッチパネル方式の操作表示部を適用することができる。なお、操作表示部12は、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル方式のものに限らず、操作部と表示部とがそれぞれ物理的に別の構成のものであってもよい。
【0020】
カード入出口13は、顧客がキャッシュカードを挿入したり又はキャッシュカードを排出したりするものである。
【0021】
紙幣入出口14は、顧客が紙幣を挿入したり又は紙幣を排出したりするものである。硬貨入出口15は、顧客が硬貨を投入したり又は硬貨を排出したりするものである。通帳入出口16は、顧客が通帳を挿入したり又は通帳を排出したりするものである。
【0022】
図3は、ハンドセット11の外観構成を示す外観構成図である。図3に示すように、ハンドセット11は、操作ボタン111、スピーカ112、マイク113を有する。
【0023】
操作ボタン111は、例えば、テンキーや、取引操作に必要な取消ボタンや実行ボタン等を有し、スピーカ112からのガイダンスに従って顧客が操作するものである。
【0024】
スピーカ112は、自動取引装置1の後述する制御部2からの音声ガイダンスを出力したり、自動取引装置1の通信部23を介してコールセンターのオペレータ等からの音声を出力したりする。
【0025】
また、この実施形態では、ハンドセット11が兼用器であるため、マイク113を備えるが、ハンドセット11が専用器である場合、マイク113はなくてもよい。
【0026】
図1は、第1の実施形態の自動取引装置1とハンドセット11との接続関係及び自動取引装置1の内部構成を示す構成図である。自動取引装置1は、例えば回路装置や機構部等を有して構成されるものであり、図1では、自動取引装置1の内部構成を機能的に示している。
【0027】
図1において、自動取引装置1は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作表示制御部24、カード機構部25、通帳機構部26、現金機構部27を有する。
【0028】
制御部21は、自動取引装置1の全体機能を司る処理部又は装置である。制御部21は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インターフェース等を有して構成されるものであり、CPUがROMに格納される処理プログラムを実行することにより自動取引装置1の各種機能が実現される。図1では、制御部21によりなされる機能処理を示している。
【0029】
図1に示すように、制御部21の主な機能としては、現金の出金処理を行う支払処理部211、現金の入金処理を行う入金処理部212、取引口座の残高を照会する残高照会処理部213、振り込み処理を行う振込処理部214、各取引処理の各取引操作について操作タイムアウト時間が経過したときの処理を行う取引操作支援処理部215を有する。
【0030】
なお、図1では、自動取引装置1の取引処理の一例として、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214を例示する。しかし、自動取引装置1が行う取引処理は、これらの取引処理に限定されるものではない。また、自動取引装置1は、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214の全部を有する必要はなく、これらの一部を備えるものとしてもよい。
【0031】
制御部21は、操作表示部12を通じて取引操作を受け付ける通常動作モードと、ハンドセット11がオフックされたときにハンドセット11を通じて取引操作を受け付けるハンドセット動作モードとを有する。
【0032】
なお、ハンドセット動作モードの場合、制御部21は、操作表示部12を通じた取引操作を規制するようにしてもよい。しかし、自動取引装置1の機種にもよるが、制御部21が、操作表示部12を通じた取引操作も許容するようにしてもよい。
【0033】
通常動作モードは、顧客が操作表示部12を操作して行なう動作モードである。通常動作モードの場合、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214は、カード入出口13から挿入されたカードのカード情報や、通帳入出口16から挿入された通帳の通帳情報や、操作表示部12から入力された入力情報に基づいて所定の取引処理を行なう。
【0034】
ハンドセット動作モードは、ハンドセット11がオフックされると、制御部21が取引種類の選択ガイダンスをハンドセット11に出力する。そして、顧客が選択ガイダンスに応じて取引種類を選択すると、制御部21は顧客により選択された取引処理を実行する。
【0035】
このとき、それぞれの取引種類毎の取引操作手順は予め決められており、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214は、それぞれの取引操作手順を案内する音声ガイダンスをハンドセット11に出力する。
【0036】
また、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214は、各取引操作について操作タイムアウト時間が予め設定されている。なお、それぞれの取引種類毎の各取引操作に設定されている操作タイムアウト時間は、取引操作毎に異なるものであってもよい。
【0037】
取引操作支援処理部215は、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214による各取引種類の各取引操作について、操作タイムアウト時間が経過した場合に、顧客の意向を確認し、顧客の要求に応じた処理を行うものである。
【0038】
図4は、取引操作支援処理部215の処理機能を示すブロック図である。図4に示すように、取引操作支援処理部215は、進行停滞検出部30、取引操作一時無効部31、顧客意向確認部32、取引続行処理部33、取引中断処理部34、センター問合せ処理部35、タイムアウト処理部36を有する。
【0039】
進行停滞検出部30は、各取引種類の各取引操作における進行停滞を検出するものである。ここで、進行停滞検出部30は、例えば、次のような方法のいずれかを検出したときに進行停滞と判断する。
【0040】
例えば、進行停滞検出部30は、各取引操作に設定されている操作タイムアウト時間が経過することで進行停滞を検出する方法がある。これは、進行停滞検出部30が、予め設定されている各取引操作の操作タイムアウト時間を監視することで実現できる。
【0041】
また例えば、進行停滞検出部30は、ある取引操作において、ハンドセット11のオンフックとオフフックが繰り返し所定回数なされることを検出することで進行停滞を検出する。例えば、顧客が財布からカードや現金を取り出すのに時間がかかってしまい、顧客がハンドセット11をオンフックとオフフックを繰り返し行うことがある。そこで、ハンドセット11のオンフック及びオフフックが所定回数なされたときに、進行停滞検出部30は進行停滞と判断する。なお、一般的にハンドセット動作モード中に、ハンドセット11がオンフックされても、取引は所定時間経過するまで継続して行なわれる。
【0042】
さらに例えば、顧客が、ある取引種類を選択した後、取引が開始してから所定時間経過しても全く取引操作がなされないとき、進行停滞検出部30は進行停滞を検出する方法がある。
【0043】
取引操作一時無効部31は、進行停滞検出部30が進行停滞を検出すると、その後の顧客による入力を一時的に無効とするものである。例えば、ハンドセット11の操作ボタン111からの入力や、操作表示部11の操作画面からの入力を、取引操作一時無効部31は一時的に無効とする。
【0044】
顧客意向確認部32は、進行停滞検出後、ハンドセット11に対して顧客の意向を確認する音声ガイダンスを出力するものである。
【0045】
例えば、顧客意向確認部32は、取引を続行するのか、取引を中断するのか、コールセンターのオペレータに対して取引操作の問い合せを行うのか等を音声ガイダンスで案内して顧客に選択させる。なお、この音声ガイダンスがハンドセット11に出力されると、ハンドセット11の操作ボタン111からの入力は有効なものとなる。
【0046】
取引続行処理部33は、顧客意向確認部32により出力された音声ガイダンスに対して、顧客が「取引の続行」を選択した場合に、現在選択されている取引種類の取引操作を続行するものである。
【0047】
ここで、第1の実施形態の取引続行処理部33は、所定時間だけ、一時的に取引操作の受付を停止する取引操作一時停止部331を有する。取引操作一時停止部331は、所定時間経過後又は顧客からの操作再開要求に応じて、現時点で顧客が行なった取引操作の次の取引操作(すなわち、操作タイムアウト時間が経過してしまい顧客が行えなかった取引操作)から続行する。
【0048】
これにより、例えば、財布からカードの取り出しに時間がかかってしまい、顧客がなし得なかった取引操作(例えば、カードの挿入操作)について、十分な時間を顧客に与えることができる。そして、顧客が財布からカードを取り出した後に、顧客は適切な取引操作(例えば、カードの挿入操作)を続行させることができる。
【0049】
なお、取引操作一時停止部331が取引操作の受付を一時的に停止している間、取引続行処理部33は、一時的に取引操作の受付を停止している旨を音声ガイダンスで出力するようにしてもよい。
【0050】
取引中断処理部34は、顧客意向確認部32により出力された音声ガイダンスに対して、顧客が「取引の中断」を選択した場合に、現在選択されている取引を終了するものである。
【0051】
ンター問合せ処理部35は、顧客意向確認部32により出力された音声ガイダンスに対して、顧客が「係員問合せ」を選択した場合に、コールセンター端末に対して呼の接続処理を行うオートフォン機能を実行させるものである。
【0052】
タイムアウト処理部36は、顧客意向確認部32により出力された音声ガイダンスに対して、顧客からの選択が所定時間以上ない場合に、操作タイムアウト処理を行うものである。例えば、タイムアウト処理部36は、挿入されているカードの返却、ジャーナル記録、取扱い中画面への戻し、取引に関する操作表示部12やハンドセット11の入力の有効化等を行う。
【0053】
記憶部22は、制御部21が実行する処理プログラム、操作表示部12に表示させる画面情報、操作表示部12やハンドセット11から入力された入力情報等を記憶するものである。
【0054】
通信部23は、ネットワークを通じてホストコンピュータとの間で取引情報の送受信を行なうものである。また、通信部23は、コールセンター端末との間で通話を行うものである。
【0055】
操作表示制御部24は、制御部21の制御の下、操作表示部12の動作を制御するものである。操作表示制御部24は、制御部21から画面情報に基づいて、操作表示部12に画面表示させたり、又操作表示部12から入力された情報を制御部21に与えたりするものである。
【0056】
カード機構部25は、制御部21の制御の下、カード入出口13からキャッシュカードを取り込んだり又は排出したりするものである。また、カード機構部25は、カード入出口13から挿入されたキャッシュカードの格納部(例えば、磁気格納部やICチップ等)に格納されているカード情報を読み取り、そのカード情報を制御部21に与えるものである。
【0057】
通帳機構部26は、制御部21の制御の下、通帳入出口16から通帳を取り込んだり又は排出したりするものである。また、通帳機構部26は、通帳入出口16から挿入された通帳の格納部(例えば、磁気格納部やICチップ等)に格納されている通帳情報を読み取り、その通帳情報を制御部21に与えるものである。
【0058】
現金機構部27は、制御部21の制御の下、紙幣入出口14や硬貨入出口15の動作を制御するものである。また、現金機構部27は、紙幣入出口14、硬貨入出口15から投入された金銭の金額を計上し、その金額を制御部21に与えたり、又制御部21の指示に従って、顧客に返金すべき金銭を紙幣入出口14、硬貨入出口15から排出したりする。
【0059】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の操作タイムアウト処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0060】
図5は、第1の実施形態の操作タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。なお、図5では、説明を簡単にするために、ハンドセット11を用いて取引操作する顧客が操作タイムアウトしたときを、進行停滞であると判断する場合を例示する。
【0061】
まず、顧客がハンドセット11を持ち上げ、ハンドセット11がオフフックされると(S101)、制御部21は、ハンドセット動作モードで取引処理を開始する(S102)。
【0062】
すなわち、制御部21は、取引種類を選択させる選択ガイダンスをハンドセット11に出力する。そして、顧客が、選択ガイダンスに従って所望の取引種類の選択ボタンを選択する。制御部21は、選択ボタン信号をハンドセット11から取得し、その選択された種類の取引処理を実行する。
【0063】
制御部21では、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214が、予め設定された取引操作手順に従って取引処理を進める。
【0064】
そして、制御部21において、取引操作支援処理部215は操作タイムアウトが生じた否かを監視する(S103)。
【0065】
取引操作支援処理部215は、各取引種類の各取引操作における操作タイムアウト時間が経過したとき、又は、ハンドセット11のオンフック及びオフフックが所定回数なされたとき、又は、ある取引種類を選択した後、取引が開始してから所定時間経過しても全く取引操作がなされないとき、操作タイムアウトが発生したと判断するようにしてもよい。
【0066】
ここで、図6図9を用いて、支払処理、入金処理、残金照会処理、振込処理の取引操作手順における操作タイムアウト時間について簡単に説明する。
【0067】
図6は、支払処理の取引操作手順のフローチャートである。図6に示すように、支払処理部211は、「カード挿入(S201)」、「暗証番号入力(S202)」、「支払金額入力(S203)」を顧客に要求して支払処理を行う。そして、支払処理部211は、出金する現金を顧客に戻す「現金受け取り(S204)」及び「カード受け取り(S205)」を確認して処理を終了する。
【0068】
このとき、図6において、「カード挿入(S201)」、「暗証番号入力(S202)」、「支払金額入力(S203)」、「現金受け取り(S204)」及び「カード受け取り(S205)」には、それぞれ操作タイムアウト時間が設定されている。
【0069】
図7は、入金処理の取引操作手順のフローチャートである。図7に示すように、入金処理部212は、「カード及び又は通帳挿入(S211)」、「暗証番号入力(S212)」、「現金挿入(S213)」を顧客に要求し、返金があるか否かを確認する(S214)。そして、入金処理部212は、返金がある場合、現金を顧客に戻す「現金受け取り(S215)」を行う。さらに、入金処理部212は、入金金額を確認する「金額確認(S216)」をしてから入金処理を行う。また、入金処理部212は、「カード及び又は通帳受け取り(S217)」を確認して処理を終了する。
【0070】
このとき、図7において、「カード及び又は通帳挿入(S211)」、「暗証番号入力(S212)」、「現金挿入(S213)」、「現金受け取り(S215)」、「金額確認(S216)」、「カード及び又は通帳受け取り(S217)」には、それぞれ操作タイムアウト時間が設定されている。
【0071】
図8は、残金照会処理の取引操作手順のフローチャートである。図8に示すように、残金照会処理部213は、「カード及び又は通帳挿入(S221)」、「暗証番号入力(S222)」、「レシート印字をするか?(S223)」を顧客に要求して残金照会処理を行う。そして、残金照会処理部213は、顧客がレシートを要求するときには「レシート受け取り(S224)」と、「カード及び又は通帳受け取り(S225)」を確認して処理を終了する。
【0072】
このとき、図8において、「カード及び又は通帳挿入(S221)」、「暗証番号入力(S222)」、「レシート印字をするか?(S223)」、「レシート受け取り(S224)」、「カード及び又は通帳受け取り(S225)」には、それぞれ操作タイムアウト時間が設定されている。
【0073】
図9は、振込処理の取引操作手順のフローチャートである。図9に示すように、振込処理部214は、振込をカードで行なうか又は現金で行うかを選択させる「カード又は現金選択(S231)」を行う。ここでは、カードで行なう場合を例示する。その場合、振込処理部214は、「カード挿入(S232)」、「銀行名入力(S233)」、「支店選択(S234)」、「振込内容確認(S235)」を顧客に要求して振込処理を行う。そして、振込処理部214は、「レシートを印字するか?(S236)」を確認し、必要に応じて、「カード、レシート受け取り(S237)」を確認して処理を終了する。
【0074】
このとき、図9において、「カード又は現金選択(S231)」、「カード挿入(S232)」、「銀行名入力(S233)」、「支店選択(S234)」、「振込内容確認(S235)」、「レシートを印字するか?(S236)」、「カード、レシート受け取り(S237)」には、それぞれ操作タイムアウト時間が設定されている。
【0075】
上記のように、操作タイムアウト時間の経過により操作タイムアウトを検出する場合、取引操作支援処理部215は、図6図9に示す各取引種類の各取引操作に設定されている操作タイムアウト時間が経過したとき、操作タイムアウト発生と判断する。
【0076】
図5のS104において、取引操作支援処理部215が操作タイムアウト発生を検出すると(S103)、取引操作支援処理部215は、取引操作の入力を一時的に無効とする(S104)。
【0077】
そして、取引操作支援処理部215は、例えば、「取引操作を中断するには「1」を、取引を続行するには「2」を、係員に取引操作を問い合わせるには「3」を押してください。」等の音声ガイダンスを、ハンドセット11に対して出力する(S105)。
【0078】
顧客がハンドセット11を用いて「取引の続行」を選択した場合(S106)、「取引の続行」を示す選択ボタン信号が制御部21に与えられる。
【0079】
この場合、取引操作支援処理部215は、所定時間、操作取引を一時的に停止する(S107)。そして、所定時間経過後、取引操作支援処理部215は、取引操作の受付を再開する(S108)。
【0080】
なお、取引操作支援処理部215は、例えば「ただいま、操作を停止しております。ご準備ができ、操作を再開させるときには「1」を選択してください。」等のように、操作再開を促す音声ガイダンスを出力するようにしてもよい。そして、操作再開の選択ボタンが選択されたときに、取引操作支援処理部215は、操作再開を行うようにしてもよい。
【0081】
顧客がハンドセット11を用いて「取引の中断」を選択した場合(S109)、「取引の中断」を示す選択ボタン信号が制御部21に与えられる。
【0082】
この場合、取引操作支援処理部215は、それまでの取引を取り消し、処理を終了する。なお、このとき、取引操作支援処理部215は、例えば「取引を終了させております。」や「再度取引を行うには、はじめから行なってください。」などの音声ガイダンスを出力するようにしてもよい。
【0083】
顧客がハンドセット11を用いて「係員への問い合せ」を選択した場合(S110)、「係員への問い合せ」を示す選択ボタン信号が制御部21に与えられる。
【0084】
この場合、取引操作支援処理部215は、ハンドセット11のオートフォン機能を開始させる。すなわち、取引操作支援処理部215は、通信部23に対して、コールセンター端末との間の呼を確立させ、コールセンター端末との間の通話を確立させる。そして、通話が終了するとオートフォン機能を終了させ(S112)、取引操作支援処理部215は、取引操作の受付を再開する(S108)。
【0085】
また、所定時間経過しても、ハンドセット11から選択ボタン信号が与えられない場合(S113)、取引操作支援処理部215は、操作タイムアウト処理を行う(S114)。
【0086】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、例えば、ハンドセットを用いた取引操作中に、操作タイムアウトが発生した場合でも、顧客に、取引中断、取引続行、コールセンターへの問い合わせを選択させることができるので、顧客による誤操作が防止できる。
【0087】
また、第1の実施形態によれば、顧客が取引操作に迷い、適切な操作が行われていないと自動取引装置が検知した場合、操作タイムアウトになる前に、顧客に適切な案内を提示及び取引操作の選択をさせることができるので誤操作の防止ができる。
【0088】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の取引装置及び取引プログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0089】
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態は、自動取引装置1の取引操作支援処理部215の処理が第1の実施形態と異なる。それ以外の構成要素は、第1の実施形態で説明した構成要素と同一又は対応するものである。従って、第2の実施形態でも、図1図3を用いて説明する。
【0090】
図10は、第2の実施形態の取引操作支援処理部215の処理機能を示すブロック図である。図10に示すように、取引操作支援処理部215は、進行停滞検出部30、取引操作一時無効部31、顧客意向確認部32、取引続行処理部33、取引中断処理部34、センター問合せ処理部35、タイムアウト処理部36を有する。
【0091】
第2の実施形態では、取引続行処理部33の処理が第1の実施形態と異なる。図10では、図4の第1の実施形態と同一又は対応する構成要素については、同一の符号を付して説明する。
【0092】
取引続行処理部33は、第1の実施形態と同様に、顧客意向確認部32により出力された音声ガイダンスに対して、顧客が「取引の続行」を選択した場合に、現在選択されている取引種類の取引操作を続行するものである。
【0093】
第2の実施形態の取引続行処理部33は、操作タイムアウト発生以降の各取引操作に設定されている操作タイムアウト時間を変更する操作タイムアウト時間変更部332を有する。
【0094】
つまり、操作タイムアウト時間変更部332は、操作タイムアウト発生以降の各取引操作の操作タイムアウト時間が、予め設定されている時間よりも長くなるように変更する。
【0095】
例えば、操作タイムアウト時間変更部332は、予め設定されている操作タイムアウト時間(時間Tとする)に対して1.5倍程度の時間に変更したり、また予め用意した変更時間に変更したりする。
【0096】
また、操作タイムアウト時間変更部332が変更する対象は、顧客により選択された取引種類において、操作タイムアウト発生以降の取引操作の全部又は一部としてもよい。
【0097】
これは、全部の取引操作について操作タイムアウト時間が長くなると、逆に操作時間が長くなり、顧客は不便を感じることもある。顧客の主な操作としては、例えば、挿入操作(例えば、カードや通帳や現金等の挿入操作)、入力操作(例えば、暗証番号や金額等の入力操作)、受け取り操作(例えば、カードやレシート等の受け取り操作)等がある。そして、これらの操作のうち、顧客にとって時間を要するものとしては、挿入操作や入力操作と考えられる。
【0098】
そこで、操作タイムアウト時間変更部332は、操作タイムアウト発生以降の取引操作のうち、挿入操作及び入力操作のみの操作タイムアウト時間を変更し、受け取り操作については変更しないようにしてもよい。
【0099】
勿論、上記以外にも、自動取引処理の運用に応じて、操作タイムアウト時間を変更する取引操作を予め決めておき、その取引操作のみ操作タイムアウト時間を変更するようにしてもよい。
【0100】
図11は、第2の実施形態の操作タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。図11では、図5の第1の実施形態と同一又は対応する処理については、同一の符号を付して説明する。
【0101】
図11のS106において、顧客がハンドセット11を用いて「取引の続行」を選択した場合(S106)、「取引の続行」を示す選択ボタン信号が制御部21に与えられる。
【0102】
この場合、取引操作支援処理部215は、操作タイムアウト発生以降の各取引操作の操作タイムアウト時間が、予め設定されている時間よりも長くなるように変更する(S301)。そして、取引操作支援処理部215は、ハンドセット11から入力されたボタン信号に基づいて、取引操作の受付を再開する(S108)。
【0103】
また、取引操作支援処理部215は、図12に例示するように変形実施形態のように、操作タイムアウト発生以降の取引操作の操作タイムアウト時間を変更するか否かを確認する音声ガイダンスをハンドセット11に出力するようにしても良い。例えば、取引操作支援処理部215は、「操作時間を長くするには「1」を、操作時間を変更しなくてもよい場合には「2」を選択してください。」等の音声ガイダンスを出力することができる。
【0104】
そして、操作タイムアウト時間を変更する旨が選択されると、取引操作支援処理部215は、処理をS301に移行して、操作タイムアウト時間を変更する。一方、変更しなくてもよい場合、取引操作支援処理部215は、処理をS108に移行するようにしてもよい。
【0105】
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果を得ることができる。また、第2の実施形態によれば、操作タイムアウト発生以降の取引操作の操作タイムアウト時間を変更することができるので、その後の取引操作についても十分時間を与えて、顧客に操作させることができる。その結果、顧客の誤操作を防止できる。
【0106】
(C)第3の実施形態
次に、本発明の取引装置及び取引プログラムの第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0107】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態は、自動取引装置1の取引操作支援処理部215の処理が第1の実施形態と異なる。それ以外の構成要素は、第1の実施形態で説明した構成要素と同一又は対応するものである。従って、第3の実施形態でも、図1図3を用いて説明する。
【0108】
図13は、第3の実施形態の取引操作支援処理部215の処理機能を示すブロック図である。図13に示すように、取引操作支援処理部215は、進行停滞検出部30、取引操作一時無効部31、顧客意向確認部32、取引続行処理部33、取引中断処理部34、センター問合せ処理部35、タイムアウト処理部36を有する。
【0109】
第3の実施形態では、顧客意向確認部32の処理が第1の実施形態と異なる。図13では、図4の第1の実施形態と同一又は対応する構成要素については、同一の符号を付して説明する。
【0110】
顧客意向確認部32は、第1の実施形態と同様に、進行停滞検出後にハンドセット11に対して顧客の意向を確認する音声ガイダンスを出力するものである。
【0111】
第3の実施形態の顧客意向確認部32は、ハンドセット11に対して顧客の意向を確認する音声ガイダンスを出力する際に、操作タイムアウト発生前までになされた操作を含む確認アナウンスとしてハンドセット11に出力する確認アナウンス出力部321を有する。
【0112】
これにより、操作タイムアウト発生前までの操作状況をアナンウンスすることができるので、顧客は現在の操作進行状況を認識することができる。
【0113】
操作タイムアウト発生前までの操作を確認する方法として、例えば、確認アナウンス出力部321が、ハンドセット11を通じた取引操作手順を監視及び保持する。進行停滞検出部30が操作タイムアウト発生を検出すると、確認アナウンス出力部321は、進行停滞検出部30により保持されている操作タイムアウト発生前までに保持される取引操作の内容を示す音声を出力することで実現できる。
【0114】
例えば、図6の支払処理が行われる場合、確認アナウンス出力部321は、ハンドセット11を通じた取引操作手順を監視する。そして、例えば図6の支払処理の「支払金額入力S202」で操作タイムアウトが発生した場合、確認アナウンス出力部321は、「暗証番号入力までの操作が行われました。」等の操作タイムアウト発生直前の取引操作を出力してもよい。
【0115】
また例えば、確認アナウンス出力部321は、操作タイムアウト発生直前の取引操作の内容だけでなく、操作タイムアウト発生前に行われた全ての取引操作を示す音声を出力するようにしてもよい。
【0116】
例えば、上述した図6の支払例えば図6の支払処理の「支払金額入力S202」で操作タイムアウトが発生した場合、確認アナウンス出力部321は、「カード挿入と暗証番号入力までの操作が行われました。」等の音声を出力してもよい。
【0117】
さらに、例えば、確認アナウンス出力部321は、これからの取引操作の内容を示す音声を出力するようにしてもよい。
【0118】
例えば、上記の例の場合、確認アナウンス出力部321は、「次は、支払金額の入力から操作を続行いたします。」等の音声を出力するようにしてもよい。
【0119】
図14は、第3の実施形態の操作タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。図14では、図5の第1の実施形態と同一又は対応する処理については、同一の符号を付して説明する。
【0120】
図14のS103及びS104において、取引操作支援処理部215が操作タイムアウト発生を検出すると(S103)、取引操作の入力を一時的に無効にする(S104)。
【0121】
この場合、取引操作支援処理部215は、操作タイムアウトが発生すると、操作タイムアウト発生前までになされた操作を含む確認アナウンスと、「取引の中断」、「取引の続行」、「係員への問い合せ」を選択させる音声ガイダンスとをハンドセット11に出力する(S401)。
【0122】
例えば、例えば図6の支払処理の「支払金額入力S202」で操作タイムアウトが発生した場合、取引操作支援処理部215は、「暗証番号入力までの操作が行われました。」という確認アナウンスと、「取引操作を中断するには「1」を、取引を続行するには「2」を、係員に取引操作を問い合わせるには「3」を押してください。」等の音声ガイダンスとを、ハンドセット11に出力する。
【0123】
これにより、顧客は、現在の取引操作の進行状況を確認することができるので、その後にそのまま取引を続行するか、中断するか又は係員への問い合せを行うか否かを判断することができる。
【0124】
そして、「取引の続行」が選択されると(S106)、取引操作支援処理部215は、処理をS108に移行させ、操作タイムアウト発生前の取引操作から操作受付を再開する(S108)。
【0125】
また、「取引の中断」が選択されると(S109)、取引操作支援処理部215は、処理を終了する。
【0126】
さらに、「係員への問い合せ」が選択されると(S110)、取引操作支援処理部215は、処理をS111に移行して、ハンドセット11のオートフォン機能を開始させる。
【0127】
なお、第3の実施形態では、図14のS401で、取引操作支援処理部215が、操作タイムアウト発生前までの取引操作を含む確認アナウンスを出力した。これは、操作タイムアウト発生前までの受付状況を顧客に知らせることで、その後の「取引の続行」等の顧客の意向に反映させることができる。
【0128】
また、別の変形実施形態として、図14のS401に代えて、図14のS106の選択後(図14のS106とS108との間)に、操作タイムアウト発生前までの取引操作を含む確認アナウンスを出力するようにしてもよい。この場合、取引続行処理部33が、確認アナウンス出力部321に相当する機能を備えることで実現することができる。
【0129】
(C−2)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の効果を得ることができる。また、第3の実施形態によれば、操作タイムアウト発生までの取引操作を顧客に確認させることができるので、顧客の誤操作を防止できる。
【0130】
(D)他の実施形態
上述した第1〜第3の実施形態においても種々の変形実施形態を説明したが、以下のような他の変形実施形態を適用するようにしてもよい。
【0131】
(D−1)上述した第1〜第3の実施形態では、「取引の続行」処理の例として、取引操作を一時停止させる場合、操作タイムアウト発生後の取引操作の操作タイムアウト時間を変更する場合、操作タイムアウト発生までの取引操作の確認ガイダンスを出力する場合を例示した。
【0132】
本発明は、第1〜第3の実施形態の全部又はいずれかを組み合わせるようにしてもよい。つまり、例えば、第1及び第2の実施形態の組み合わせとして、操作タイムアウト処理部が、取引操作を一時的に停止させると共に、操作タイムアウト発生後の取引操作の操作タイムアウト時間を変更する等のように種々の処理を組み合わせることができる。
【0133】
(D−2)第1の実施形態において、操作タイムアウト処理部は、取引操作を一時停止させる場合を例示した。
【0134】
しかし、操作タイムアウト処理部が、入力情報の確実性を保持するために、必要に応じて、操作タイムアウト発生前の取引操作に戻るようにしてもよい。
【0135】
例えば、図9に示す振込処理の「支店選択(S234)」で操作タイムアウトが発生したとする。このような場合、振込先の確実性を保持するために、操作タイムアウト処理部は、操作タイムアウト発生時の取引操作「支店選択(S234)」ではなく、その前段階の「銀行名入力(S233)」に戻って処理を続行するようにしてもよい。
【0136】
(D−3)上述した第1〜第3の実施形態では、顧客が視覚障がい者の方である場合を想定して説明したが、本発明は、例えば高齢者の方等のように、ハンドセットを利用して取引操作を行う顧客にも有効である。
【0137】
(D−4)上述した第1〜第3の実施形態では、本発明の取引装置が、自動取引装置である場合を例示した。しかし、本発明の取引装置は、カードの挿入が必要な他の取引装置に広く適用することができる。例えば、本発明の取引装置は、電車や航空機やチケット等の販売機、コンビニエンスストアや駅等に設けられるKIOSK端末等に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0138】
1…自動取引装置、11…ハンドセット、21…制御部、211…支払処理部、212…入金処理部、213…残高照会処理部、214…振込処理部、215…取引操作支援処理部、30…進行停滞検出部、31…取引操作一時無効部、32…顧客意向確認部、33…取引続行処理部、34…取引中断処理部、35…センター問合せ処理部、36…タイムアウト処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14