(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958208
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20160714BHJP
【FI】
B65D33/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-198384(P2012-198384)
(22)【出願日】2012年9月10日
(65)【公開番号】特開2014-51310(P2014-51310A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】武智 洋平
(72)【発明者】
【氏名】工藤 瑠里
【審査官】
高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−096839(JP,A)
【文献】
特開2004−238047(JP,A)
【文献】
特開2002−002790(JP,A)
【文献】
特開2003−063537(JP,A)
【文献】
特開2011−131897(JP,A)
【文献】
特開2002−128092(JP,A)
【文献】
特開2001−206390(JP,A)
【文献】
特開2013−112356(JP,A)
【文献】
特開2013−209160(JP,A)
【文献】
特開2013−209159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれシーラント層を有する表面積層体と裏面積層体の、シーラント層同士を対向させ、周縁をシールしてなり、開口部に再封止手段を有し、該再封止手段とトップシール部の間に、易開封手段を設けてなる包装袋であって、
前記易開封手段は、左右サイドシール部外縁に設けた易開封加工部と、表面積層体に設けた上に凸の形状を有する表面ハーフカット線aと、表面積層体に設けた下に凸の形状を有する表面ハーフカット線bと、裏面積層体に設けた直線状の裏面ハーフカット線とからなり、
前記表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bとは、凸部が外側になるように前記裏面ハーフカット線を中心に上下対称に、かつ接触するように設けられ、これら2本の表面ハーフカット線は、いずれも左サイドシール部上の1点を始点とし、右サイドシール部上の1点を終点とすることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記易開封加工部は、左右サイドシール部外縁に設けられた複数の水平で微細な、貫通する傷痕群からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記表面ハーフカット線aおよび表面ハーフカット線bは、不連続なハーフカット線からなることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記易開封加工部の上下に、裂け目を表面ハーフカット線に誘導する表面開封誘導線を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項5】
前記易開封加工部から前記始点および終点に至る水平な直線状の表面開封誘導線を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項6】
前記表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bは、一筆で描画可能な1つの幾何学図形をなすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項7】
裂け目を前記裏面ハーフカット線に誘導する裏面開封誘導線を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装袋に関し、特に開口部に再封止手段を有し、開封性や再開封操作性に優れた包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部に、合成樹脂製ファスナーなどの再封止手段を取り付けて、開封後も再封止を可能とした包装袋が知られている。内容物を一度に全部は使用せず、何回かに亘って使用するような用途に適したものである。
【0003】
このような包装袋は、一般的に、トップシール部の下に再封止手段を水平に配置し、トップシール部と再封止手段の間を水平に開封するように設計されているものが多い。
【0004】
開封方法としては、鋏を用いて、表裏面の積層体を切断するか、左右のサイドシール部に設けたU字型あるいはV字型のノッチなどの開封開始部をきっかけとして、表裏面の積層体を引き裂く方法が一般的である。引き裂く場合、裂け目が曲がって、再封止手段にかかったりする事を避けるため、予め切目線を入れておき、裂け目が直線状に走るようにしたものもある。
【0005】
再封止手段が設けられている包装袋の場合、未開封の状態では、再封止手段は閉じられているため、開封しても自動的には開口部が開かない。このため、表裏面の積層体が同じ位置で切断された場合、開口時に手で持って再封止手段を開く時に、持つきっかけが掴み難いという問題があった。
【0006】
特許文献1に記載された包装袋は、この問題を解決するためになされたものであり、表裏の積層体のうち、一方のみを結晶領域の配列方向性を有する合成樹脂シートとしたことにより、開封時に、表裏面の積層体の切り口が揃わないようにしたものである。
【0007】
特許文献1に記載された包装袋は、配列方向性を有する合成樹脂シートが直線状に裂ける性質を利用し、もう一方のシートをそうでないものとすることにより、切り口が揃わないようにしたものであるが、配列方向性を有しないシートの切り口は不揃いであり、外観的にあまり好ましいものではない。また裂け目は成り行き任せであるため、必ずしも開口しやすいように裂けるとは限らず、安定した開口性は、望めなかった。
【0008】
特許文献2に記載された保存用袋の開封機構は、同様の課題を解決しようとしたものであるが、課題を解決しようとする手段が、「開封した袋の切断形状が切り口の前面と背面とで差異が生じるような構造」とあるのみで具体性に欠ける。
【0009】
特許文献2の実施例では、一般的な密封用チャックの付いた保存用袋に、切り込みと複数本の袋の前面側切断誘導切り溝と、これと形状の異なる複数本の袋の背面側切断誘導切り溝を付加したものが示されている。
【0010】
特許文献2の例では、表裏面に異なる形状の切り溝をそれぞれ複数本(図では3本)設けており、このためどのような方法で切り溝を設けるにしても、切り溝を形成するための費用がかかるという問題がある。また開封のきっかけとなる切り込みは、袋の左側に1箇所設けられているだけであるため、左右利き手の異なる人にとって必ずしも使いやすいものとは言えない。
【0011】
特許文献3に記載された包装袋は、特に再封止手段を前提としたものではないが、容易に引き裂いて開封することができ、開封線が美麗であり、表裏面の開封線の位置が異なることにより、容易に開口することができる包装袋である。
【0012】
特許文献3に記載された包装袋は、積層体の内層同士を重ね合わせて、一方の外層に、端縁熱接着部の一方の外縁と他方の外縁から延びる直線状切目線とそれぞれの直線状切目線の終端を繋ぐ少なくとも1つの変曲点を有する曲線状切目線とからなる第1‘切目線を設け、他方の外層に、同様に直線状切目線と、曲線状切目線とからなる第1“切目線を設け、表裏面の曲線状切目線の変曲点の位置が異なることを特徴とする包装袋である。
【0013】
特許文献3に記載された包装袋は、変曲点の意味が不明確で発明の正確な内容が把握できないが、要するに表裏面の積層体に、直線−曲線−直線(または直線−直線−直線)からなる切目線を施し、表裏面の切目線が一致しないようにしたものと考えられる。
【0014】
直線状の切目線が曲線に移行する部分あるいはその逆の部分においては、しばしば裂け目が外れて、逸脱しやすい傾向がある。これは、直線部分と曲線部分とで図形の要素が異なるため、接続部が微視的に見て不連続になるためと考えられる。また右側から開封するか左側から開封するかによっても、逸脱しやすさの傾向が変わってくる。
【0015】
特許文献4に記載された包装袋は、特許文献3に記載された包装袋の上記の欠点を補うためになされたものであり、弱化線による開封予定線を上に凸のひとつの曲線、下に凸のひとつの曲線、直線の3種類の線から選択した2種類の線を表フィルムと裏フィルムに形成したものであり、このようにすることにより、フィルムの裂け目が逸脱しないようにしたものである。
【0016】
特許文献3および4に記載された包装袋は、いずれも表裏面の切目線(開封予定線)を左右端面において一致させなければならず、加工精度の点において困難が伴うものである。表裏面の切目線がずれていると、片方の裂け目が予定通り進行せず、本来の開封状態が得られないという問題がある。
【0017】
特許文献5に記載された包装袋は、特許文献3に記載された包装袋における、裂け目が逸脱しやすいという問題を解決するためになされたものであり、積層体の層構成を、外層と、アルミニウムからなる中間層と、熱接着性樹脂からなる内層とからなるものとし、内層をすべて未延伸フィルムまたは未延伸樹脂層から構成したことを特徴とする。
【0018】
特許文献5に記載された包装袋は、裂け目の逸脱が内層の配向性に起因することに着目し、内層を配向性を持たない未延伸樹脂とすることで、裂け目が逸脱しないようにしたものである。
【0019】
特許文献6に記載された包装袋は、特許文献3に記載された包装袋における、開封方向によって、裂け目が逸脱しやすくなる場合があるという問題を解決するためになされたものである。
【0020】
特許文献6に記載された包装袋は、包装袋の一方の外層に第1切目線を、他方の外層に第2切目線を設け、いずれの切目線も、端縁接着部の一方の外縁を起点とし、他方の外縁を終点とするものであり、第1切目線は、左右の側端縁部分を貫通する直線部分と一方の直線部分の終点から分岐して他方の直線部分の終点に収斂する複数本の切目線から構成されており、これら複数本の切目線は、上端側に膨れる切目線と下端側に膨れる切目線から構成されていることを特徴とするものである。
【0021】
特許文献5に記載された包装袋も、特許文献6に記載された包装袋も、いずれも表裏面の切目線の起点および終点を側端縁熱接着部の外縁としている。しかし表裏面の切目線は、通常、表裏別々に加工されるため、表裏面の切目線の位置を厳密に一致させるのは、実際上困難である。
【0022】
表裏面の切目線の位置が少しでもずれていると、切り始めの裂け目に乗らなかった方の積層体では、裂け目が切目線から外れて意図しない方向に走ってしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2003−72775号公報
【特許文献2】特開2003−104394号公報
【特許文献3】特開2005−289396号公報
【特許文献4】特開2012−12103号公報
【特許文献5】特開2012−91857号公報
【特許文献6】特開2012−96839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
また近年、ユニバーサルデザインの観点から、右利きの人でも左利きの人でも同じ使い勝手が得られる製品が望まれるようになっているが、上記特許文献に記載された包装袋は、厳密な意味でこの要請に応えられるものではなかった。
【0025】
本発明の解決しようとする課題は、上記特許文献に記載された包装袋におけるそれぞれの問題点を解決し、安定した開封性を備え、切り口が綺麗であり、左右利き手の異なる人でも同じ使い勝手が得られ、しかも再開封性に優れた包装袋を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、それぞれシーラント層を有する表面積層体と裏面積層体の、シーラント層同士を対向させ、周縁をシールしてなり、開口部に再封止手段を有し、該再封止手段とトップシール部の間に、易開封手段を設けてなる包装袋であって、前記易開封手段は、左右サイドシール部外縁に設けた易開封加工部と、表面積層体に設けた上に凸の形状を有する表面ハーフカット線aと、表面積層体に設けた下に凸の形状を有する表面ハーフカット線bと、裏面積層体に設けた直線状の裏面ハーフカット線とからなり、前記表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bとは、凸部が外側になるように前記裏面ハーフカット線を中心に上下対称に、かつ接触するように設けられ、これら2本の表面ハーフカット線は、いずれも左サイドシール部上の1点を始点とし、右サイドシール部上の1点を終点とすることを特徴とする包装袋である。
【0027】
本発明に係る包装袋は、裏面積層体に設けた直線状の裏面ハーフカット線と、表面積層体に設けた上下対称の2本の表面ハーフカット線を有するので、開封時の裂け目は、2本の表面ハーフカット線のどちらかに確実に到達し、到達した後は、いずれか一方の表面ハーフカット線に沿って進行する。従って、開封ミスが生じ難い。また表面ハーフカット線のどちらに裂け目が走った場合であっても、表裏面の積層体の切り口の段差は等しくなる。
【0028】
また、表面ハーフカット線には分岐がないため、ハーフカット線の分岐に起因する開封エラーが生じない。
【0029】
また、請求項2に記載の発明は、前記易開封加工部が、左右サイドシール部外縁に設け
られた複数の水平で微細な、貫通する傷痕群からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
【0030】
また、請求項3に記載の発明は、前記表面ハーフカット線aおよび表面ハーフカット線bが、不連続なハーフカット線からなることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋である。
【0031】
また、請求項4に記載の発明は、前記易開封加工部の上下に、裂け目を表面ハーフカット線に誘導する表面開封誘導線を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋である。
【0032】
また、請求項5に記載の発明は、前記易開封加工部から前記始点および終点に至る水平な直線状の表面開封誘導線を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋である。
【0033】
また、請求項6に記載の発明は、前記表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bが、一筆で描画可能な1つの幾何学図形をなすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装袋である。
【0034】
また、請求項7に記載の発明は、裂け目を前記裏面ハーフカット線に誘導する裏面開封誘導線を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装袋である。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る包装袋は、易開封手段として、左右サイドシール部外縁に設けた易開封加工部と、表面積層体に設けた上に凸の形状を有する表面ハーフカット線aと、表面積層体に設けた下に凸の形状を有する表面ハーフカット線bと、裏面積層体に設けた直線状の裏面ハーフカット線とを設け、前記表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bとは、凸部が外側になるように前記裏面ハーフカット線を中心に上下対称に、かつ接触するように設けられ、これら2本の表面ハーフカット線は、いずれも左サイドシール部上の1点を始点とし、右サイドシール部上の1点を終点とするようにしたので、左右サイドシール部外縁に設けた易開封加工部から出発した積層体の裂け目は、abいずれかの表面ハーフカット線に確実に到達し、開封がハーフカット線に沿って進行する。このため、裂け目がそれることによる、開封ミスが生じ難く、確実に開封することができる。
【0036】
また本発明に係る包装袋は、裏面積層体に設けた直線状の裏面ハーフカット線と、表面積層体に設けた上下対称の2本の表面ハーフカット線を有するので、開封時に表面ハーフカット線のどちらに裂け目が走った場合であっても、表裏面の積層体の切り口の段差は等しくなる。
【0037】
このため、右利きの人が開封した場合でも、左利きの人が開封した場合でも、開口部の開封性、再開封性に差がなく、ユニバーサルデザインの観点から見て優れている。
【0038】
また、表面ハーフカット線には分岐がないため、ハーフカット線の分岐点から、裂け目が外れてしまうといった、分岐点に起因する開封エラーが生じない。
【0039】
請求項2に記載の発明において、前記易開封加工部を、複数の水平で微細な、貫通する傷痕群からなるものとした場合には、V字型やU字型ノッチのように切欠きくずが発生せず、くずの混入の問題がなくなる。またノッチの角で指を切るようなこともない。
【0040】
請求項3に記載の発明において、前記表面ハーフカット線aおよび表面ハーフカット線
bが、不連続なハーフカット線からなる場合には、開封時の切り裂き抵抗が大きくなる。切り裂き抵抗があまりにも小さい場合、開封時に一気に開封してしまい、内容物を飛散させるような場合があるが、このような問題が生じない。
【0041】
請求項4に記載の発明において、前記易開封加工部の上下に、前記易開封加工部から出発した裂け目を前記2本の表面ハーフカット線のいずれかに誘導するための表面開封誘導線が設けられている場合には、易開封加工部から出発した表面積層体の裂け目がより確実に表面ハーフカット線に到達する効果がある。
【0042】
また請求項5に記載の発明において、前記易開封加工部から前記始点および終点に至る水平な直線状の表面開封誘導線を有する場合には、同様にして易開封加工部から出発した表面積層体の裂け目がより確実に表面ハーフカット線に到達する効果がある。
【0043】
また請求項6に記載の発明において、前記表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bが、一筆で描画可能な1つの幾何学図形をなす場合には、特にレーザーによる加工において、設定時の入力が簡略化され、加工時の走査速度も向上する。
【0044】
また、請求項7に記載の発明において、前記易開封加工部から出発した裂け目を前記裏面ハーフカット線に誘導する裏面開封誘導線を有する場合には、易開封加工部から出発した積層体の裂け目は、より確実に裏面ハーフカット線に導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】
図1は、本発明に係る包装袋の一実施態様を示した平面模式図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した包装袋を裏面から見た平面模式図である。
【
図3】
図3は、
図1の包装袋を開封した状態を示した平面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した部分拡大図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した部分拡大図である。
【
図6】
図6は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した部分拡大図である。
【
図7】
図7は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した部分拡大図である。
【
図8】
図8は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下図面を参照しながら、本発明に係る包装袋について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る包装袋(1)の一実施態様を示した平面模式図であり、
図2は、その包装袋を裏側から見た状態を示した平面模式図である。また
図3は、
図1に示した包装袋を開封した状態を示した平面模式図である。
【0047】
本発明に係る包装袋(1)は、シーラント層を有する表面積層体(2)とシーラント層を有する裏面積層体(3)の、シーラント層同士を対向させ、周縁すなわち、左サイドシール部(4)、右サイドシール部(5)、ボトムシール部(6)、トップシール部(7)をシールしてなる。なおボトムシール部(6)は、内容物を充填後にシールする場合が多い。
【0048】
本発明に係る包装袋(1)は、開口部に再封止手段(13)を有し、再封止手段(13)とトップシール部(7)の間に、易開封手段を設けてなる包装袋であって、該易開封手段は、左右サイドシール部(4、5)外縁に設けた易開封加工部(11)と、表面積層体(2)に設けた上に凸の形状を有する表面ハーフカット線a(8a)と、表面積層体(2)に設けた下に凸の形状を有する表面ハーフカット線b(8b)と、裏面積層体(3)に設けた直線状の裏面ハーフカット線(9)とからなる。
【0049】
表面ハーフカット線a(8a)と表面ハーフカット線b(8b)とは、凸部が外側になるように、裏面ハーフカット線(9)を中心に上下対称に、かつ接触するように設けられ、これら2本の表面ハーフカット線は、いずれも左サイドシール部上の1点を始点とし、右サイドシール部上の1点を終点とする。
【0050】
図1、2に示した実施態様においては、表面ハーフカット線a(8a)と表面ハーフカット線b(8b)は、左サイドシール部(4)中央部に始点(s)を、右サイドシール部(5)中央部に終点(e)を有する。なお始点、終点は、特に区別はなく、逆にしても何ら変わりはない。
【0051】
始点(s)および終点(e)の位置は、特に制約はなく、左右のサイドシール部(4、5)のそれぞれの外縁から内縁までの間であれば良い。
【0052】
本発明に係る包装袋(1)は、易開封手段として、左右サイドシール部(4、5)外縁に、易開封加工部(11)を設けたので、左右いずれの側からも開封することができる。この例では、易開封加工部(11)は、V字型のノッチである。
【0053】
裏面ハーフカット線(9)は、左右のV字型ノッチの先端部を通過するように設けてあるので、V字型ノッチから出発した裏面積層体(3)の裂け目は、確実に裏面ハーフカット線に沿って進む。また表面積層体(2)の裂け目は、表面ハーフカット線a(8a)か、表面ハーフカット線b(8b)のいずれかに沿って進む。
図3に示した例では、表面積層体(2)の裂け目が、表面ハーフカット線b(8b)に沿って開封された場合を示している。なお、裏面ハーフカット線(9)とV字型ノッチの位置は、厳密に一致している必要はない。
【0054】
本発明に係る包装袋は、表面積層体(2)に上に凸の形状を有する表面ハーフカット線a(8a)と、下に凸の形状を有する表面ハーフカット線b(8b)の2本のハーフカット線を設け、裏面積層体(3)に直線状の裏面ハーフカット線(9)を設け、2本の表面ハーフカット線を凸部が外側になるように裏面ハーフカット線を中心として上下対称に配置したので、開封時の表面積層体の裂け目がいずれのハーフカット線に走った場合であっても、裏面ハーフカット線との段差は等しくなる。
【0055】
2本の表面ハーフカット線(8a、8b)のどちらに裂け目が走るかは、左右利き手の違いや、切り始めにトップシール部を手前に引くか、奥に押すかによっても変わってくるが、本発明に係る包装袋は、どのように開封しても、段差が等しくなるため、誰もが安心して使用することができる。
【0056】
図4は、本発明に係る包装袋(1)の他の実施態様を示した部分拡大図である。
図4に示した実施態様においては、左右サイドシール部(4、5)の外縁に設けられた易開封加工部(11)が、複数の水平で微細な、貫通する傷痕群からなるものであることを特徴とする。
【0057】
本発明に係る包装袋(1)は、易開封手段のひとつとして、左右サイドシール部(4、5)外縁に易開封加工部(11、11)を設けたので、左右いずれの側からも開封することができる。
図1〜3に示した実施態様においては、V字状のノッチが用いられている。
【0058】
易開封加工部(11)は、一般的なV字状、U字状、I字状等のノッチ加工でもよいし、
図4〜8に示したような、複数の水平で微細な、貫通する傷痕群からなるものでもよい。このような易開封加工部は、V字状ノッチやU字状ノッチと異なり、抜けカスが生じないので、抜けカスの混入によるトラブルが発生しないという利点がある。またノッチの角で指を切ったりすることもない。
【0059】
しかし、傷痕群からなる易開封加工部は、開封開始部に幅があるため、発生した積層体の裂け目をハーフカット線に誘導するための開封誘導線が必要となる場合がある。
図4に示した実施態様においても、裂け目を裏面ハーフカット線(9)に誘導するための裏面開封誘導線(10)が設けられている。
【0060】
左右のサイドシール部内においては、裂け目は、表裏一体で進むので、表面積層体(2)の裂け目も裏面開封誘導線(10)によって表面ハーフカット線の始点(s)付近に導かれる。始点付近に導かれた表面積層体の裂け目は、表面ハーフカット線a(8a)または表面ハーフカット線b(8b)のいずれかに沿って進行する。
【0061】
始点(s)、終点(e)の位置や、裏面開封誘導線(10)の位置関係は
図4のように、一致していることが理想であるが、あまり厳密ではなく、多少ずれていても全く問題ない。
【0062】
図5は、本発明に係る包装袋(1)の他の実施態様を示した部分拡大図である。
表面ハーフカット線a(8a)および表面ハーフカット線b(8b)は、
図5に示したように、不連続なハーフカット線から構成されていてもよい。不連続なハーフカット線は、連続したハーフカット線に比較して、開封時の抵抗が大きいので、抵抗が小さすぎて使い勝手が悪いような場合に適宜組み合わせて使用することができる。
【0063】
図5に示した例では、始点(s)および終点(e)は、裏面開封誘導線(10)の尖端位置とは、少しずれた位置にある。
【0064】
図6は、本発明に係る包装袋(1)の他の実施態様を示した部分拡大図である。
図6に示した実施態様においては、易開封加工部(11)の上下に、裂け目を表面ハーフカット線(8a、8b)に誘導するための表面開封誘導線(12)が設けられている。
【0065】
この例では、易開封加工部(11)から出発した積層体の裂け目は、表面開封誘導線(12)によって始点(s)または終点(e)に導かれ、それから2本の表面ハーフカット線のいずれかに進む。
【0066】
この例では、表面開封誘導線(12)は始点(s)および終点(e)から易開封加工部(11)の上下2方向に広がる直線からなっているが、始点および終点で交わらない独立した2本の線でもよい。
【0067】
またこの例では、表面開封誘導線(12)と裏面開封誘導線(10)とが表裏面において同じ位置に設けられているが、いずれか一方だけでも良い。
【0068】
図7は、本発明に係る包装袋(1)の他の実施態様を示した部分拡大図である。
図7に示した実施態様においては、易開封加工部(11)から始点(s)および終点(e
)に至る水平な直線状の表面開封誘導線(12)が設けられている。
【0069】
このような表面開封誘導線(12)が存在することにより、裏面開封誘導線(10)だけの場合に比較して、表面側の裂け目がより確実に表面ハーフカット線に誘導される。
【0070】
表面ハーフカット線a(8a)および表面ハーフカット線b(8b)の形状は、なだらかで単純な形状であることが望ましい。角や凹凸の激しい形状は、裂け目がそれてしまう原因となるおそれがある。
【0071】
図8に示した例では、表面ハーフカット線a(8a)と表面ハーフカット線b(8b)とが、ひとつの横長の六角形を形成している。また
図6の例では、表面ハーフカット線a(8a)と表面ハーフカット線b(8b)とが、ひとつの横長の楕円形を形成している。
【0072】
このように、表面ハーフカット線a(8a)と表面ハーフカット線b(8b)とが、一筆で描画可能な1つの幾何学図形をなす場合には、どのような方法でハーフカット線を入れる場合であっても、設計が容易になり、コスト面でも有利である。
【0073】
ハーフカット線の形成は、ダイカッターによる方法か、レーザーによる方法が一般的であるが、2本の表面ハーフカット線が一つの幾何学図形を形成しているような場合には、ダイカッターであれば、抜き型の製作コストが安く済み、レーザーの場合であれば、レーザー照射機の設定が容易となり、走査に要する速度も速くなる。。
【0074】
再封止手段(13)としては、帯状の突起部と帯状の溝部が嵌合する合成樹脂製のファスナーが最も一般的であるが、粘着シールでもよい。
【0075】
表面積層体(2)および裏面積層体(3)は、一般的に包装袋に用いられる軟包装フィルムを使用することができる。層構成としては、基材層/中間層/シーラント層の組み合わせが一般的である。
【0076】
基材層としては、印刷加工を伴うことが多いため、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや、二軸延伸ポリプロピレン(PP)フィルム、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸フィルムを用いる。
【0077】
中間層としては、各種バリア性フィルムや、アルミニウム箔が用いられる。バリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のガスバリア性フィルムや、PETフィルム等にアルミニウム等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムや、PETフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルムなどが用いられる。
【0078】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂 、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。
【0079】
表面ハーフカット線(8a、8b)、裏面ハーフカット線(9)、および開封誘導線(
10、12)は、少なくともシーラント層を残して切目を入れる必要があり、望ましくは基材層のみに切目を入れるか、中間層の途中までで留めるのが望ましい。
【0080】
本発明に係る包装袋の作製手順としては、まず印刷を施した基材フィルムに中間層、シーラント層などを貼り合わせた後、印刷絵柄と位置合せをしながらハーフカット線を形成する。ハーフカット線の形成は所定の幅にスリットする前でもよいし、スリット後でもよい。なお、ハーフカット線の形成がレーザーによる場合は、製袋が完了した最後に形成することも可能である。
【0081】
次に、表裏面のシーラント層同士を対向させ、再封止手段(13)となる例えばファスナーテープを挟み込んで接着させるとともに、サイドシール部とトップシール部(7)を形成する。
【0082】
サイドシール部を切断すると共に化粧裁ちをして個々の袋に分割した後、必要に応じて易開封加工部(11)を形成する。ボトムシール部(7)は、未シール状態で残し、充填用開口部とする。
【0083】
包装袋(1)の形状としては、図では四方袋の例を挙げたが、これに限定されるものではなく、3方シール袋でもよいし、底テープを付加したスタンディングパウチ形状でもよい。但し、内容物を充填するための充填用開口部の設け方について予め配慮しておく必要がある。
【0084】
以上説明したように、本発明に係る包装袋(1)は、安定した開封性を備え、切り口が綺麗であり、左右利き手の異なる人でも同じ使い勝手が得られ、誤開封の恐れがなく、しかも再開封性に優れた包装袋であり、従って再封止が必要とされるさまざまな用途に広く用いることができるものである。
【符号の説明】
【0085】
1・・・包装袋
2・・・表面積層体
3・・・裏面積層体
4・・・左サイドシール部
5・・・右サイドシール部
6・・・ボトムシール部
7・・・トップシール部
8a・・・表面ハーフカット線a
8b・・・表面ハーフカット線b
9・・・裏面ハーフカット線
10・・・裏面開封誘導線
11・・・易開封加工部
12・・・表面開封誘導線
13・・・再封止手段
s・・・始点
e・・・終点