(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958214
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20160714BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20160714BHJP
B65D 33/20 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D33/25 A
B65D33/20
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-200376(P2012-200376)
(22)【出願日】2012年9月12日
(65)【公開番号】特開2014-55016(P2014-55016A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】武智 洋平
(72)【発明者】
【氏名】工藤 瑠里
【審査官】
高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−096839(JP,A)
【文献】
特開2004−238047(JP,A)
【文献】
特開2002−002790(JP,A)
【文献】
特開2003−063537(JP,A)
【文献】
特開2011−131897(JP,A)
【文献】
特開2002−128092(JP,A)
【文献】
特開2001−206390(JP,A)
【文献】
特開2013−112356(JP,A)
【文献】
特開2013−209160(JP,A)
【文献】
特開2013−209159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれシーラント層を有する表面積層体と裏面積層体の、シーラント層同士を対向させ、周縁をシールしてなり、開口部に再封止手段を有し、該再封止手段とトップシール部の間に、易開封手段を設けてなる包装袋であって、
前記易開封手段は、表面積層体に設けた、表面開封誘導線と、表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bと、裏面積層体に設けた裏面ハーフカット線とからなり、
前記表面開封誘導線は、左サイドシール部外縁を起点として左サイドシール部内縁よりも包装袋の中心寄りの始点(s)に至る水平な直線状のハーフカット線であり、
前記表面ハーフカット線aは、前記始点(s)から斜上して水平に右サイドシール部外縁に至るハーフカット線であり、前記表面ハーフカット線bは、前記始点(s)から斜降して水平に右サイドシール部外縁に至るハーフカット線であり、
前記裏面ハーフカット線は、前記始点(s)の位置に対応する裏面積層体上の点を通り、左右サイドシール部外縁を結ぶ、水平な直線状のハーフカット線であることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記表面ハーフカット線aおよび表面ハーフカット線bは、不連続なハーフカット線からなることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装袋に関し、特に開口部に再封止手段を有し、開封性や再開封操作性に優れた包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部に、合成樹脂製ファスナーなどの再封止手段を取り付けて、開封後も再封止を可能とした包装袋が知られている。内容物を一度に全部は使用せず、何回かに亘って使用するような用途に適したものである。
【0003】
このような包装袋は、一般的に、トップシール部の下に再封止手段を水平に配置し、トップシール部と再封止手段の間を水平に開封するように設計されているものが多い。
【0004】
開封方法としては、鋏を用いて、表裏面の積層体を切断するか、左右のサイドシール部に設けたU字型あるいはV字型のノッチなどの開封開始部をきっかけとして、表裏面の積層体を引き裂く方法が一般的である。引き裂く場合、裂け目が曲がって、再封止手段にかかったりする事を避けるため、予め切目線を入れておき、裂け目が直線状に走るようにしたものもある。
【0005】
再封止手段が設けられている包装袋の場合、未開封の状態では、再封止手段は閉じられているため、開封しても自動的には開口部が開かない。このため、表裏面の積層体が同じ位置で切断された場合、開口時に手で持って再封止手段を開く時に、持つきっかけが掴み難いという問題があった。
【0006】
特許文献1に記載された包装袋は、この問題を解決するためになされたものであり、表裏の積層体のうち、一方のみを結晶領域の配列方向性を有する合成樹脂シートとしたことにより、開封時に、表裏面の積層体の切り口が揃わないようにしたものである。
【0007】
特許文献1に記載された包装袋は、配列方向性を有する合成樹脂シートが直線状に裂ける性質を利用し、もう一方のシートをそうでないものとすることにより、切り口が揃わないようにしたものであるが、配列方向性を有しないシートの切り口は不揃いであり、外観的にあまり好ましいものではない。また裂け目は成り行き任せであるため、必ずしも開口しやすいように裂けるとは限らず、安定した開口性は、望めなかった。
【0008】
特許文献2に記載された保存用袋の開封機構は、同様の課題を解決しようとしたものであるが、課題を解決しようとする手段が、「開封した袋の切断形状が切り口の前面と背面とで差異が生じるような構造」とあるのみで具体性に欠ける。
【0009】
特許文献2の実施例では、一般的な密封用チャックの付いた保存用袋に、切り込みと複数本の袋の前面側切断誘導切り溝と、これと形状の異なる複数本の袋の背面側切断誘導切り溝を付加したものが示されている。
【0010】
特許文献2の例では、表裏面に異なる形状の切り溝をそれぞれ複数本(図では3本)設けており、このためどのような方法で切り溝を設けるにしても、切り溝を形成するための費用がかかるという問題がある。
【0011】
特許文献3に記載された包装袋は、特に再封止手段を前提としたものではないが、容易に引き裂いて開封することができ、開封線が美麗であり、表裏面の開封線の位置が異なる
ことにより、容易に開口することができる包装袋である。
【0012】
特許文献3に記載された包装袋は、積層体の内層同士を重ね合わせて、一方の外層に、端縁熱接着部の一方の外縁と他方の外縁から延びる直線状切目線とそれぞれの直線状切目線の終端を繋ぐ少なくとも1つの変曲点を有する曲線状切目線とからなる第1‘切目線を設け、他方の外層に、同様に直線状切目線と、曲線状切目線とからなる第1“切目線を設け、表裏面の曲線状切目線の変曲点の位置が異なることを特徴とする包装袋である。
【0013】
特許文献3に記載された包装袋は、変曲点の意味が不明確で発明の正確な内容が把握できないが、要するに表裏面の積層体に、直線−曲線−直線(または直線−直線−直線)からなる切目線を施し、表裏面の切目線が一致しないようにしたものと考えられる。
【0014】
直線状の切目線が曲線に移行する部分あるいはその逆の部分においては、しばしば裂け目が外れて、逸脱しやすい傾向がある。これは、直線部分と曲線部分とで図形の要素が異なるため、接続部が微視的に見て不連続になるためと考えられる。また右側から開封するか左側から開封するかによっても、逸脱しやすさの傾向が変わってくる。
【0015】
特許文献4に記載された包装袋は、特許文献3に記載された包装袋における、開封方向によって、裂け目が逸脱しやすくなる場合があるという問題を解決するためになされたものである。
【0016】
特許文献4に記載された包装袋は、包装袋の一方の外層に第1切目線を、他方の外層に第2切目線を設け、いずれの切目線も、端縁接着部の一方の外縁を起点とし、他方の外縁を終点とするものであり、第1切目線は、左右の側端縁部分を貫通する直線部分と一方の直線部分の終点から分岐して他方の直線部分の終点に収斂する複数本の切目線から構成されており、これら複数本の切目線は、上端側に膨れる切目線と下端側に膨れる切目線から構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
特許文献4に記載された包装袋は、一旦分岐した切目線が、再び一本の切目線に収斂する構造となっている。しかしこのような構造であると、特に収斂する部分で意図しない方向に裂け目が走りやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2003−72775号公報
【特許文献2】特開2003−104394号公報
【特許文献3】特開2005−289396号公報
【特許文献4】特開2012−96839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の解決しようとする課題は、上記特許文献に記載された包装袋におけるそれぞれの問題点を解決し、安定した開封性を備え、切り口が綺麗であり、再開封性に優れた包装袋を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、それぞれシーラント層を有する表面積層体と裏面積層体の、シーラント層同士を対向させ、周縁をシールしてなり、開口部に再封止手段を有し、該再封止手段とトップシール部の間に、易開封手段を設けてなる包装袋であって、前記易開封手段は、表面積層体に設けた、表面開封誘導線
と、表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bと、裏面積層体に設けた裏面ハーフカット線とからなり、前記表面開封誘導線は、左サイドシール部外縁を起点として左サイドシール部内縁よりも包装袋の中心寄りの始点(s)に至る水平な直線状のハーフカット線であり、前記表面ハーフカット線aは、前記始点(s)から斜上して水平に右サイドシール部外縁に至るハーフカット線であり、前記表面ハーフカット線bは、前記始点(s)から斜降して水平に右サイドシール部外縁に至るハーフカット線であり、前記裏面ハーフカット線は、前記始点(s)の位置に対応する裏面積層体上の点を通り、左右サイドシール部外縁を結ぶ、水平な直線状のハーフカット線であることを特徴とする包装袋である。
【0021】
本発明に係る包装袋は、裏面積層体に設けた直線状の裏面ハーフカット線と、表面積層体に設けた上下2本の表面ハーフカット線を有するので、開封時の裂け目は、2本の表面ハーフカット線のどちらかに確実に到達し、到達した後は、いずれか一方の表面ハーフカット線に沿って直線状に進行する。従って、開封ミスが生じ難い。また表面ハーフカット線のどちらに裂け目が走った場合であっても、表裏面の積層体の切り口に段差が生じる。
【0022】
また、表面ハーフカット線には収斂がなく、直線部分が多いため、開封性に優れ、ハーフカット線の収斂に起因する開封エラーが生じない。
【0023】
また、請求項2に記載の発明は、前記表面ハーフカット線aおよび表面ハーフカット線bが、不連続なハーフカット線からなることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る包装袋は、易開封手段として、表面積層体に設けた、表面開封誘導線と、表面ハーフカット線aと表面ハーフカット線bと、裏面積層体に設けた裏面ハーフカット線とを有し、表面開封誘導線は、左サイドシール部外縁を起点として左サイドシール部内縁よりも包装袋の中心寄りの始点(s)に至る水平な直線状のハーフカット線であり、表面ハーフカット線aは、前記始点(s)から斜上して水平に右サイドシール部外縁に至る直線状のハーフカット線であり、前記表面ハーフカット線bは、前記始点(s)から斜降して水平に右サイドシール部外縁に至る直線状のハーフカット線であり、裏面ハーフカット線は、始点(s)の位置に対応する裏面積層体上の点を通り、左右サイドシール部外縁を結ぶ、水平な直線状のハーフカット線である。このため、左サイドシール部から出発した積層体の裂け目は、直線状に進み、裂け目がそれることによる、開封ミスが生じ難く、確実に開封することができる。
【0025】
また本発明に係る包装袋は、裏面積層体に設けた直線状の裏面ハーフカット線と、表面積層体に設けた2本の表面ハーフカット線を有するので、開封時に表面ハーフカット線のどちらに裂け目が走った場合であっても、表裏面の積層体の切り口に段差が生じる。
【0026】
また、表面ハーフカット線には分岐や収斂がないため、ハーフカット線の分岐点から、裂け目が外れてしまうといった、分岐点に起因する開封エラーが生じない。
【0027】
また本発明に係る包装袋は、表面開封誘導線と裏面ハーフカット線が開封開始部としての働きをするので、Vノッチなどの易開封加工部を必要としない。従ってV字型やU字型ノッチのように切欠きくずが発生せず、くずの混入の問題がなくなる。またノッチの角で指を切るようなこともない。
【0028】
請求項2に記載の発明において、前記表面ハーフカット線aおよび表面ハーフカット線bが、不連続なハーフカット線からなる場合には、開封時の切り裂き抵抗が大きくなる。切り裂き抵抗があまりにも小さい場合、開封時に一気に開封してしまい、内容物を飛散さ
せるような場合があるが、このような問題が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明に係る包装袋の一実施態様を示した平面模式図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した包装袋を裏面から見た平面模式図である。
【
図3】
図3は、
図1の包装袋を開封した状態を示した平面模式図である。
【
図4】
図4は、
図1の包装袋を異なる状態で開封した場合を示した平面模式図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下図面を参照しながら、本発明に係る包装袋について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る包装袋(1)の一実施態様を示した平面模式図であり、
図2は、その包装袋を裏側から見た状態を示した平面模式図である。また
図3、4は、
図1に示した包装袋を開封した状態を示した平面模式図である。
【0031】
本発明に係る包装袋(1)は、シーラント層を有する表面積層体(2)とシーラント層を有する裏面積層体(3)の、シーラント層同士を対向させ、周縁すなわち、左サイドシール部(4)、右サイドシール部(5)、ボトムシール部(6)、トップシール部(7)をシールしてなる。なおボトムシール部(6)は、内容物を充填後にシールする場合が多い。
【0032】
本発明に係る包装袋(1)は、開口部に再封止手段(13)を有し、再封止手段(13)とトップシール部(7)の間に、易開封手段を設けてなる包装袋であって、該易開封手段は、表面積層体(2)に設けた、表面開封誘導線(12)と、表面ハーフカット線a(8a)と表面ハーフカット線b(8b)と、裏面積層体(3)に設けた裏面ハーフカット線(9)とからなる。
【0033】
表面開封誘導線(12)は、左サイドシール部(4)外縁を起点として左サイドシール部内縁よりも包装袋の中心寄りの始点(s)に至る水平な直線状のハーフカット線である。
【0034】
表面ハーフカット線a(8a)は、始点(s)から斜上して水平に右サイドシール部(5)外縁に至るハーフカット線であり、表面ハーフカット線b(8b)は、始点(s)から斜降して水平に右サイドシール部(5)外縁に至るハーフカット線である。
【0035】
裏面ハーフカット線(9)は、始点(s)の位置に対応する裏面積層体上の点を通り、左右サイドシール部外縁を結ぶ、水平な直線状のハーフカット線である。
【0036】
図1、2に示した実施態様においては、表面ハーフカット線a(8a)と表面ハーフカット線b(8b)は、左サイドシール部(4)内縁よりも包装袋の中心寄りに始点(s)を、右サイドシール部(5)外縁を終点とする。なお左右については特に意味はなく、左右を逆にしても何ら変わりはない。
【0037】
始点(s)の位置は、特に制約はなく、左サイドシール部(4)の内縁から包装袋の中心に寄った位置であれば良いが、内縁から始点(s)までの距離として、1〜10mm程
度が適当である。あまりに近すぎると、位置ずれに対する許容差が少なくなるし、あまりに大きいと、開口部における段差部分の幅が減少する。
【0038】
裏面ハーフカット線(9)は、始点(s)に対応する裏面積層体(3)上の点を通過するように設けてあるので、表面開封誘導線(12)と表裏同じ位置にある。従って、左サイドシール部外縁から出発した裏面積層体(3)の裂け目は、確実に裏面ハーフカット線に沿って進む。また表面積層体(2)の裂け目は、表面開封誘導線(12)に沿って進み、始点(s)において表面ハーフカット線a(8a)か、表面ハーフカット線b(8b)のいずれかに沿って進む。
図3に示した例では、表面積層体(2)の裂け目が、表面ハーフカット線b(8b)に沿って開封された場合を示している。また
図4では、表面積層体(2)の裂け目が表面ハーフカット線a(8a)に沿って開封された場合を示している。
【0039】
本発明に係る包装袋(1)においては、2本の表面ハーフカット線を裏面ハーフカット線を中心として上下対称に配置すれば、開封時の表面積層体の裂け目がいずれのハーフカット線に走った場合であっても、裏面ハーフカット線との段差は等しくすることができる。
【0040】
2本の表面ハーフカット線(8a、8b)のどちらに裂け目が走るかは、左右利き手の違いや、切り始めにトップシール部を手前に引くか、奥に押すかによっても変わってくるが、本発明に係る包装袋は、どのように開封しても、段差が生じるため、誰もが安心して使用することができる。
【0041】
本発明に係る包装袋(1)は、表面開封誘導線(12)と裏面ハーフカット線(9)が左サイドシール部(4)外縁において表裏一致した位置に設けられているので、特にVノッチ、Iノッチ等の易開封加工を必要としないが、さらにこれらの易開封加工部を設けても良い。
【0042】
左サイドシール部内においては、裂け目は、表裏一体で進むので、表面積層体(2)の裂け目は、表面ハーフカット線の始点(s)付近に導かれる。始点付近に導かれた表面積層体の裂け目は、表面ハーフカット線a(8a)または表面ハーフカット線b(8b)のいずれかに沿って進行する。
【0043】
図5は、本発明に係る包装袋(1)の他の実施態様を示した部分拡大図である。
表面ハーフカット線a(8a)および表面ハーフカット線b(8b)は、
図5に示したように、不連続なハーフカット線から構成されていてもよい。不連続なハーフカット線は、連続したハーフカット線に比較して、開封時の抵抗が大きいので、抵抗が小さすぎて使い勝手が悪いような場合に適宜組み合わせて使用することができる。
【0044】
ハーフカット線の形成は、ダイカッターによる方法か、レーザーによる方法が一般的である。
【0045】
再封止手段(13)としては、帯状の突起部と帯状の溝部が嵌合する合成樹脂製のファスナーが最も一般的であるが、粘着シールでもよい。
【0046】
表面積層体(2)および裏面積層体(3)は、一般的に包装袋に用いられる軟包装フィルムを使用することができる。層構成としては、基材層/中間層/シーラント層の組み合わせが一般的である。
【0047】
基材層としては、印刷加工を伴うことが多いため、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや、二軸延伸ポリプロピレン(PP)フィルム、二軸延伸ナイロン
フィルム等の二軸延伸フィルムを用いる。
【0048】
中間層としては、各種バリア性フィルムや、アルミニウム箔が用いられる。バリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のガスバリア性フィルムや、PETフィルム等にアルミニウム等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムや、PETフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルムなどが用いられる。
【0049】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂 、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。
【0050】
表面ハーフカット線(8a、8b)、裏面ハーフカット線(9)、および開封誘導線(12)は、少なくともシーラント層を残して切目を入れる必要があり、望ましくは基材層のみに切目を入れるか、中間層の途中までで留めるのが望ましい。
【0051】
本発明に係る包装袋の作製手順としては、まず印刷を施した基材フィルムに中間層、シーラント層などを貼り合わせた後、印刷絵柄と位置合せをしながらハーフカット線を形成する。ハーフカット線の形成は所定の幅にスリットする前でもよいし、スリット後でもよい。なお、ハーフカット線の形成がレーザーによる場合は、製袋が完了した最後に形成することも可能である。
【0052】
次に、表裏面のシーラント層同士を対向させ、再封止手段(13)となる例えばファスナーテープを挟み込んで接着させるとともに、サイドシール部とトップシール部(7)を形成する。
【0053】
サイドシール部を切断すると共に化粧裁ちをして個々の袋に分割した後、必要に応じて易開封加工部(11)を形成する。ボトムシール部(7)は、未シール状態で残し、充填用開口部とする。
【0054】
包装袋(1)の形状としては、図では四方袋の例を挙げたが、これに限定されるものではなく、3方シール袋でもよいし、底テープを付加したスタンディングパウチ形状でもよい。但し、内容物を充填するための充填用開口部の設け方について予め配慮しておく必要がある。
【0055】
以上説明したように、本発明に係る包装袋(1)は、安定した開封性を備え、切り口が綺麗であり、しかも再開封性に優れた包装袋であり、従って再封止が必要とされるさまざまな用途に広く用いることができるものである。
【符号の説明】
【0056】
1・・・包装袋
2・・・表面積層体
3・・・裏面積層体
4・・・左サイドシール部
5・・・右サイドシール部
6・・・ボトムシール部
7・・・トップシール部
8a・・・表面ハーフカット線a
8b・・・表面ハーフカット線b
9・・・裏面ハーフカット線
12・・・表面開封誘導線
13・・・再封止手段
s・・・始点