(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パーキングロッドと前記油圧アクチュエータのピストンとの間に介在されて連動され、回動されることで、前記パーキングロッドを前記パーキング噛合位置と前記パーキング解除位置とに移動させる回動レバーを備えた、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用パーキング装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両には、例えば運転者のシフトレバーの操作に応じて、車輪に連動する回転軸(例えば自動変速機やハイブリッド駆動装置等の出力軸)に配設されたパーキングギヤにパーキングポールを噛合又は解除して、車両をパーキング状態又は非パーキング状態にするパーキング装置が備えられている。
【0003】
上記パーキング装置は、例えばパーキングギヤに形成された歯とパーキングポールに形成された歯との位置(噛合位相)が合わない場合に、パーキングポールをパーキングギヤに向けて付勢した状態で待機させ、例えば車両が僅かに移動する等した際に、パーキングギヤとパーキングポールとが噛合するように構成しておく必要がある。
【0004】
そのため、パーキング装置には、ロッド本体の外周に軸方向移動自在に配置されたカムと、該カムを抜け止め部材に向けて付勢するスプリング(第1スプリング)と、を有するパーキングロッドが備えられている。即ち、パーキングロッドが、そのカムがパーキングポールに向けて付勢された位置(パーキング噛合位置)に移動駆動されることで、例えばパーキングポールとパーキングギヤとの噛合位相がずれている状態であっても、スプリングで付勢されたカムでパーキングポールをパーキングギヤに付勢して待機し、かつパーキングポールとパーキングギヤとの噛合位相が合った状態となると噛合するパーキング状態とする。また反対に、パーキングロッドが、そのカムがパーキングポールから離した位置(パーキング解除位置)に移動駆動されることで、非パーキング状態とする。
【0005】
ところで、例えば従来の自動変速機等にあっては、上述したパーキングロッドをシフトレバーに機械的に連結して駆動するものが主流であったが、近年、例えば車両の設計自由度の向上等を図るために、シフトレバーの操作を電気的な指令に変換して、その指令に基づきパーキングロッドの位置を移動駆動する、いわゆるシフトバイワイヤ式の車両用パーキング装置の開発が進められている。
【0006】
中でも、上述のようなシフトレバーからの電気的な指令に基づき、油圧アクチュエータを用いてパーキングロッドの位置を移動駆動するものが提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1のものは、回動レバーを付勢することで、パーキングロッドをパーキング噛合位置(パーキング状態)に向けて常時付勢するねじりコイルスプリング(第2スプリング)を備えており、油圧アクチュエータに油圧を供給することで、そのねじりコイルスプリングの付勢力に抗してパーキングロッドをパーキング解除位置に移動駆動するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1のように、パーキングロッドをねじりコイルスプリング(第2スプリング)によってパーキング噛合位置(パーキング状態)に向けて常時付勢し、油圧アクチュエータの駆動によりパーキングロッドをパーキング解除位置に移動駆動する構造にあっては、非パーキング状態からパーキング状態に移行する際、上記ねじりコイルスプリングの付勢力だけによって各部の摺動抵抗に打勝ってパーキングロッドをパーキング噛合位置に移動駆動する必要がある。そのため、上記ねじりコイルスプリングの付勢力を強く設計する必要があり、スプリングが大型化してしまうと共に、作動時の応力が大きくなるために耐久性の向上の妨げにもなるという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、第2スプリングの付勢力の低減を図り、コンパクト化や耐久性の向上が可能な車両用パーキング装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る車両用パーキング装置(1)は(例えば
図1乃至
図3参照)、パーキングギヤ(3)と、
前記パーキングギヤ(3)に噛合可能なパーキングポール(4)と、
ロッド本体(7a)と、前記ロッド本体(7a)の外周に軸方向移動自在に配置されたカム(6)と、前記ロッド本体(7a)に固定されて前記カム(6)を抜け止めする抜け止め部材(5)と、前記カム(6)を抜け止め部材(5)に向けて付勢
し、かつ前記ロッド本体(7a)に対して軸方向移動自在に配置された第1スプリング(8)と、を有し、前記第1スプリング(8)により付勢された前記カム(6)が前記パーキングポール(4)を押圧することにより前記パーキングポール(4)を前記パーキングギヤ(3)に向けて付勢するパーキング噛合位置と、前記カム(6)が前記パーキングポール(4)より離反して前記パーキングポール(4)と前記パーキングギヤ(3)との噛合を解除するパーキング解除位置と、に移動自在なパーキングロッド(7)と、
作動油室(24)に供給される油圧により押圧駆動されると共に前記パーキングロッド(7)に連動されるピストン(21)を有し、前記油圧が供給された際に前記パーキングロッド(7)を前記パーキング解除位置に移動駆動する油圧アクチュエータ(20)と、
前記パーキングロッド(7)を前記パーキング噛合位置に付勢する第2スプリング(28,18)と、
移動不能に固定された固定部材(30)に固定支持され
ると共に前記ロッド本体(7a)の軸方向移動に対してスライド自在に構成され、前記パーキングロッド(7)が前記油圧アクチュエータ(20)により前記パーキング解除位置に移動駆動された際に、前記第1スプリング(8)の前記カム(6)とは反対側の端部(8b)の移動を規制する規制部材(15)と、を備え
、
前記パーキングロッド(7)が前記パーキング噛合位置に移動駆動される際に、前記第2スプリング(28,18)の付勢力に前記第1スプリング(8)の付勢力が加わって、前記パーキングロッド(7)を前記パーキング噛合位置に付勢することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る車両用パーキング装置(1)は(例えば
図1乃至
図3参照)、前記パーキングロッド(7)と前記油圧アクチュエータ(20)のピストン(21)との間に介在されて連動され、回動されることで、前記パーキングロッド(7)を前記パーキング噛合位置と前記パーキング解除位置とに移動させる回動レバー(10)を備えたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る車両用パーキング装置(1)は(例えば
図1及び
図2参照)、前記第2スプリングは、前記油圧アクチュエータ(20)に内蔵されて前記ピストン(21)を前記作動油室(24)側に付勢するリターンスプリング(28)であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る車両用パーキング装置(1)は(例えば
図3参照)、前記第2スプリングは、前記回動レバー(10)に当接するように配置され、前記回動レバー(10)を前記パーキング噛合位置に付勢するねじりコイルスプリング(18)であることを特徴とする。
【0014】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によると、油圧アクチュエータによりパーキングロッドをパーキング解除位置に移動駆動した際に、第1スプリングが抜け止め部材により規制部材に対して収縮された状態となるので、油圧アクチュエータへの油圧を非供給にしてパーキングロッドをパーキング噛合位置に移動駆動する際に、第2スプリングの付勢力に、収縮されていた第1スプリングの付勢力を加えることができる。このようにパーキングロッドをパーキング噛合位置に移動駆動する際に第1スプリングの付勢力が加わる分、第2スプリングの付勢力を低減した設計が可能となり、第2スプリングのコンパクト化を図ることができるものでありながら、第2スプリングの耐久性の向上も図ることができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によると、パーキングロッドと油圧アクチュエータのピストンとの間に介在されて連動され、回動されることで、パーキングロッドをパーキング噛合位置とパーキング解除位置とに移動させる回動レバーを備えているので、例えば油圧アクチュエータの駆動力を増幅してパーキングロッドに伝達することを可能とすることができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によると、第2スプリングが、油圧アクチュエータに内蔵されてピストンを作動油室側に付勢するリターンスプリングであるので、第2スプリングを油圧アクチュエータの外部に配置する場合に比して、車両用パーキング装置の車両への搭載性向上を図ることができる。
【0018】
請求項4に係る本発明によると、第2スプリングが、回動レバーを直接的に付勢するねじりコイルスプリングであるので、例えば油圧アクチュエータの構造を複雑化することなく、簡易な構造で車両用パーキング装置を構成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る車両用パーキング装置について
図1及び
図2に沿って説明する。なお、
図1に示す車両用パーキング装置1は、車両に搭載される自動変速機(例えば多段式自動変速機や無段変速機など)に組み込まれているものとして説明するが、ハイブリッド駆動装置や電動車両駆動装置などに搭載されても構わない。
【0021】
また、本車両用パーキング装置1は、例えば運転席に配設されたシフトレバーによって、パーキング(P)レンジ又は非パーキングレンジ(ニュートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ、リバース(R)レンジなど)に切換え操作された際に、その操作を電気的な信号に変換して制御部(不図示)に入力し、油圧制御装置(不図示)から油圧アクチュエータにパーキング状態を解除するためのパーキング解除油圧を供給し、該油圧アクチュエータを駆動することでパーキング状態と非パーキング状態とを切換える、いわゆるシフトバイワイヤ方式によるものである。従って、シフトレバーによってレンジの選択を行うように説明したが、例えばボタン操作によってレンジの選択を行うように構成することもできる。
【0022】
ついで、本車両用パーキング装置1の構造について説明する。
図1に示すように、車両用パーキング装置1は、パーキングギヤ3、パーキングポール4、抜け止め部材5とカム6とコイルスプリング8と座金9とを有するパーキングロッド7、規制部材15、回動レバー10、油圧アクチュエータ20等を備えて構成されており、詳しくは後述するように、規制部材15は、全体視を省略した自動変速機のケース30に固定される。また、パーキングギヤ3は、自動変速機の出力軸(不図示)に対して回転不能に設けられており、外縁部分には周方向に等間隔となるように複数のギヤが形成されている。
【0023】
パーキングポール4は、基端側に設けられた揺動軸4bを中心に図中の上下方向に対して揺動可能に配置されており、中間部分の下方側には、上記パーキングギヤ3のギヤ溝に噛合可能な爪部4aが突設されている。なお、パーキングポール4は、不図示のスプリングによって常時パーキングギヤ3から離反する方向に付勢されており、例えば非パーキング状態の走行中にパーキングポール4がパーキングギヤ3に接触しないように構成されている。
【0024】
パーキングロッド7は、一端部7bが回動レバー10の延設部10aに回転自在に取り付けられ、他端部7cに向けて直線状に延びるロッド本体7aを有している。ロッド本体7aの外周には、カム6が軸方向移動自在かつスライド自在に配設されていると共に、上記パーキングロッド7の他端部7cの近傍において、抜け止め部材5がロッド本体7aに固定されて、カム6が抜け止めされている。
【0025】
また、
図1及び
図2に示すように、ロッド本体7aに対してスライド移動自在に配設された座金9と該カム6との間には、コイルスプリング(第1スプリング)8が配置されている。コイルスプリング8の一方側の端部8aは、該カム6に当接していると共に、他方側(カムとは反対側)の端部8bは、座金9に当接されており、詳しくは後述する規制部材15により座金9が規制されることでコイルスプリング8の端部8bの位置が規制されることになる。
【0026】
一方、回動レバー10は、
図1及び
図2に示すように、例えば自動変速機のケース30に回転自在に支持されたマニュアルシャフト11を中心に回動自在に支持されており、マニュアルシャフト11から外径側の一方向に延設された延設部10aに上記パーキングロッド7のロッド本体7aの一端部7bが回転自在に取り付けられて駆動連結されており、マニュアルシャフト11から外径側の異なる方向に延設された延設部10bは、後述する油圧アクチュエータ20のピストン21の先端に形成された二股部21aにピン22によって挟み込まれた形で、ピストン21に駆動連結されている。従って、回動レバー10は、パーキングロッド7と油圧アクチュエータ20のピストン21との間に介在されて、それらと連動されるように構成されている。つまり後述するピストン21とパーキングロッド7とは駆動連結状態にあって連動されることになる。
【0027】
マニュアルシャフト11から延設部10aにおけるロッド本体7aの一端部7bが駆動連結された部分までの距離は、マニュアルシャフト11から延設部10bにおけるピストン21が駆動連結された部分までの距離よりも短くなるように構成されており、つまり本実施の形態では、油圧アクチュエータ20の駆動力が回動レバー10で増幅(減速)されてパーキングロッド7に伝達されるように構成されている。従って、回動レバー10で増幅される分、油圧アクチュエータ20の駆動力を小さくできるので、油圧アクチュエータ20の小型化を図ることができる。
【0028】
なお、マニュアルシャフト11には、不図示の角度センサが取り付けられ、パーキング噛合位置(パーキング状態)又はパーキング解除位置(非パーキング状態)が制御部によって検出できるように構成されている。
【0029】
上記油圧アクチュエータ20は、
図2に示すように、シリンダ部材25にピストン21の受圧部21bが摺動自在に内包されていると共に、該受圧部21bがシリンダ部23に対向して配置され、それらの間に作動油室24を形成しており、ピストン21は、作動油室24に供給される油圧により押圧駆動される。また、ピストン21の受圧部21bのシリンダ部23とは反対側の面とシリンダ部材25の内面との間には、リターンスプリング(第2スプリング)28が内蔵されて配置され、該リターンスプリング28は、ピストン21を取付け位置に付勢するように、つまりピストン21を作動油室24側に付勢するように縮設されている。
【0030】
そして、本発明の要部となる規制部材15は、
図1に示すように、基板部15cと、該基板部15cから屈曲形成された屈曲部15aとを有しており、該屈曲部15aには、上記座金9が図中の上下方向にスライド自在に嵌合する溝部15bが形成されている。また、基板部15cには、2箇所のボルト孔15d,15dが形成されており、不図示のボルトにより自動変速機のケース30に該基板部15cが固着される。これにより、上記座金9、即ちコイルスプリング8のカム6とは反対側の端部8bは、ケース30に対して位置決め規制され、ロッド本体7aの軸方向に対して移動不能に支持される。
【0031】
ついで、本車両用パーキング装置1の動作について主に
図2に沿って説明する。例えば不図示のシフトレバーのシフトポジションがパーキング(P)レンジである場合には、該シフトポジションがパーキング(P)レンジである旨のシフト信号及び制御信号が発信され、油圧制御装置(不図示)から油圧アクチュエータ20の作動油室24に対して油圧が非供給となる。
【0032】
すると、車両用パーキング装置1において、
図2(a)に示すように、油圧アクチュエータ20のリターンスプリング28の付勢力により、ピストン21をシリンダ部23側(取付け位置)に付勢し、二股部21aに係着されたピン22によって回動レバー10の延設部10bが
図2中の時計回りに回動されることで、マニュアルシャフト11を支点として延設部10aが時計回りに回動され、パーキングロッド7がパーキングギヤ3及びパーキングポール4に向けてパーキング噛合位置(パーキング状態)にスライド駆動される。この際、カム6はコイルスプリング8の付勢力も相俟って、パーキングポール4に向けて付勢され、パーキングポール4とパーキングギヤ3とが噛合しない位相である場合は、パーキングポール4を押圧する位置で待機し、パーキングポール4とパーキングギヤ3とが噛合する位相である場合は、
図1及び
図2(a)に示すように、カム6は、パーキングポール4と重なり合う位置まで移動され、抜け止め部材5に当接して位置決め固定される。
【0033】
次に、例えば不図示のシフトレバーのシフトポジションがパーキング(P)レンジから、例えばニュートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ及びリバース(R)レンジ等の非パーキング(not P)レンジに操作されると、該シフトポジションがパーキング(P)レンジから他のシフトポジションに移動された旨のシフト信号及び制御信号が発信され、油圧制御装置(不図示)から油圧アクチュエータ20の作動油室24に対して油圧が供給される。
【0034】
すると、車両用パーキング装置1において、
図2(b)に示すように、油圧アクチュエータ20に供給された油圧に応じてピストン21がリターンスプリング28の付勢力に抗してシリンダ部23とは反対側に移動駆動され、二股部21aの根元部によって回動レバー10の延設部10bが
図2中の反時計回りに回動されることで、マニュアルシャフト11を支点として延設部10aが反時計回りに回動され、パーキングロッド7のカム6がパーキングギヤ3及びパーキングポール4から離反したパーキング解除位置(非パーキング状態)にスライド駆動される。これにより、パーキングポール4は不図示のスプリングによってパーキングギヤ3から離反される。またこの際、カム6は抜け止め部材5により回動レバー10側に移動駆動されるが、上述した規制部材15により端部8b(座金9)の位置が移動不能に規制されているため、コイルスプリング8が抜け止め部材5(パーキングロッド7)が移動した分の距離d1だけ収縮した状態で、カム6がパーキングポール4から離反した位置に待機される。
【0035】
その後、例えば不図示のシフトレバーのシフトポジションが上述の非パーキング(not P)レンジからパーキング(P)レンジに操作されると、不図示の制御部は、油圧制御装置に指令して油圧アクチュエータ20への油圧供給を停止して該油圧を排出し、
図2(b)に示す状態から
図2(a)に示す状態に移行する。
【0036】
この際、パーキングロッド7は、油圧アクチュエータ20に内蔵されたリターンスプリング28の付勢力でパーキング噛合位置(
図2(a)の位置)に移動駆動されると共に、カム6には、上述したように距離d1だけ収縮していたコイルスプリング8の付勢力が加わって、パーキングロッド7のカム6がパーキングポール4に向けて移動駆動され、つまり上述したパーキング状態に移行される。
【0037】
以上説明したように、本車両用パーキング装置1によると、油圧アクチュエータ20によりパーキングロッド7をパーキング解除位置(
図2(b)の位置)に移動駆動した際に、コイルスプリング8が抜け止め部材5により規制部材15に対して収縮された状態となるので、油圧アクチュエータ20への油圧を非供給にしてパーキングロッド7をパーキング噛合位置(
図2(a)の位置)に移動駆動する際に、リターンスプリング28の付勢力に、収縮されていたコイルスプリング8の付勢力を加えることができる。このようにパーキングロッド7をパーキング噛合位置に移動駆動する際にコイルスプリング8の付勢力が加わる分、リターンスプリング28の付勢力を低減した設計が可能となり、リターンスプリング28のコンパクト化(油圧アクチュエータ20のコンパクト化)を図ることができるものでありながら、リターンスプリング28の耐久性の向上も図ることができる。
【0038】
また、パーキングロッド7と油圧アクチュエータ20のピストン21との間に介在されて連動され、回動されることで、パーキングロッド7をパーキング噛合位置(
図2(a)の位置)とパーキング解除位置(
図2(b)の位置)とに移動させる回動レバー10を備えているので、例えば油圧アクチュエータ20の駆動力を増幅してパーキングロッド7に伝達することを可能とすることができる。
【0039】
そして、パーキングロッド7をパーキング噛合位置に付勢するためのスプリングが、油圧アクチュエータ20に内蔵されてピストン21を作動油室24側に付勢するリターンスプリング28であるので、パーキングロッド7をパーキング噛合位置に付勢するためのスプリングを油圧アクチュエータ20の外部に配置する場合に比して、車両用パーキング装置1の車両への搭載性向上を図ることができる。
【0040】
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について
図3に沿って説明する。なお、本第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態と同様な部分に同符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
本第2の実施の形態に係る車両用パーキング装置1は、上述した第1の実施の形態に比して、油圧アクチュエータ20のリターンスプリング28を無くし、回動レバー10に当接するように配置されると共に、該回動レバー10を直接的に付勢することでパーキングロッド7をパーキング噛合位置に付勢するねじりコイルスプリング(第2スプリング)18を備えたものである。なお、油圧アクチュエータ20のピストン21で回動レバー10の延設部10bを引っ張ることがないので、ピストン21の端部21cは、回動レバー10の延設部10bに当接するだけに構成されており、これにより、ピストン21とパーキングロッド7とを回動レバー10によって連動するように構成されている。
【0042】
詳細には、
図3に示すように、回動レバー10には、マニュアルシャフト11に対して延設部10a及び延設部10bとは異なる方向に延設された延設部10cが形成されており、該マニュアルシャフト11の外周には、ねじりコイルスプリング18が配設されている。そして、該ねじりコイルスプリング18の一端部18aは、例えば自動変速機のケース30に当接して支持されており、他端部18bが延設部10cに引っ掛けられるように配置されている。これにより、ねじりコイルスプリング18は、回動レバー10を図中の時計回り方向、つまりパーキングロッド7をパーキング噛合位置(パーキング状態)になるように付勢するように配設されている。
【0043】
このように構成された第2の実施の形態の車両用パーキング装置1は、例えば不図示のシフトレバーがパーキング(P)レンジされ、油圧制御装置(不図示)から油圧アクチュエータ20の作動油室24に対して油圧が非供給となると、
図3(a)に示すように、ねじりコイルスプリング18の付勢力により、パーキングロッド7がパーキング噛合位置(パーキング状態)にスライド駆動されると共に、油圧アクチュエータ20のピストン21が、その端部21cが回動レバー10の延設部10bで押圧されることによって、シリンダ部23側(取付け位置)に付勢されて移動される(即ち、回動レバー10は、パーキングロッド7とピストン21と連動する)。
【0044】
続いて、例えば不図示のシフトレバーが非パーキング(not P)レンジされ、油圧制御装置(不図示)から油圧アクチュエータ20の作動油室24に対して油圧が供給されると、
図3(b)に示すように、ピストン21がねじりコイルスプリング18の付勢力に抗してシリンダ部23とは反対側に移動駆動され、回動レバー10が
図2中の反時計回りに回動されることで、パーキングロッド7のカム6がパーキングギヤ3及びパーキングポール4から離反したパーキング解除位置(非パーキング状態)にスライド駆動される(即ち、回動レバー10は、パーキングロッド7とピストン21と連動する)。これにより、パーキングポール4は不図示のスプリングによってパーキングギヤ3から離反される。
【0045】
この際、第1の実施の形態と同様に、カム6は抜け止め部材5により回動レバー10側に移動駆動されるが、上述した規制部材15により端部8b(座金9)の位置が移動不能に規制されているため、コイルスプリング8が抜け止め部材5(パーキングロッド7)が移動した分の距離d1だけ収縮した状態で、カム6がパーキングポール4から離反した位置に待機される。
【0046】
その後、例えば不図示のシフトレバーのシフトポジションが上述の非パーキング(not P)レンジからパーキング(P)レンジに操作されると、不図示の制御部は、油圧制御装置に指令して油圧アクチュエータ20への油圧供給を停止して該油圧を排出し、
図3(b)に示す状態から
図3(a)に示す状態に移行する。
【0047】
この際、パーキングロッド7は、ねじりコイルスプリング18の付勢力でパーキング噛合位置(
図3(a)の位置)に移動駆動されると共に、カム6には、上述したように距離d1だけ収縮していたコイルスプリング8の付勢力が加わって、パーキングロッド7のカム6がパーキングポール4に向けて移動駆動され、つまり上述したパーキング状態に移行される。
【0048】
このように、本第2の実施の形態に係る車両用パーキング装置1によると、油圧アクチュエータ20によりパーキングロッド7をパーキング解除位置(
図3(b)の位置)に移動駆動した際に、コイルスプリング8が抜け止め部材5により規制部材15に対して収縮された状態となるので、油圧アクチュエータ20への油圧を非供給にしてパーキングロッド7をパーキング噛合位置(
図3(a)の位置)に移動駆動する際に、ねじりコイルスプリング18の付勢力に、収縮されていたコイルスプリング8の付勢力を加えることができる。このようにパーキングロッド7をパーキング噛合位置に移動駆動する際にコイルスプリング8の付勢力が加わる分、ねじりコイルスプリング18の付勢力を低減した設計が可能となり、ねじりコイルスプリング18のコンパクト化を図ることができるものでありながら、ねじりコイルスプリング18の耐久性の向上も図ることができる。
【0049】
また、パーキングロッド7をパーキング噛合位置に付勢するためのスプリングが、回動レバー10を直接的に付勢するねじりコイルスプリング18であるので、例えば油圧アクチュエータ20の構造を複雑化することなく、簡易な構造で車両用パーキング装置1を構成することができる。
【0050】
なお、これ以外の第2の実施の形態における構成、作用、効果は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0051】
なお、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、パーキングロッド7と油圧アクチュエータ20との間に回動レバー10を介在させるように配設したものを説明したが、回動レバーを無くして、油圧アクチュエータ20で直接的にパーキングロッド7を移動駆動するように構成してもよい。この場合、特に第2の実施の形態では、回動レバー10が無くなっても、例えば油圧アクチュエータ20のシリンダ部材25とパーキングロッド7との間に介在する、いわゆる外付けのコイルスプリングを設ける等で、ねじりコイルスプリング18の代わりとすることも考えられる。
【0052】
また、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、規制部材15が自動変速機のケース30に固定されたものとして説明したが、これに限らず、例えば油圧制御装置に固定したり車体のメンバに固定したりしてもよく、つまり規制部材15は、パーキングロッド7に対して相対移動不能に固定された固定部材に固定支持されていればよい。また、規制部材の形状は、コイルスプリング8の端部8bの移動を規制できるものであれば、どのような形状であってもよく、さらに、座金9を備えてなく、規制部材15に直接的にコイルスプリング8の端部8bが当接する構造であってもよい。
【0053】
また、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、油圧アクチュエータ20が油圧制御装置と別体であるようなものを説明したが、油圧アクチュエータ20が油圧制御装置に内蔵されているようなものでもよい。
【0054】
また、本第2の実施の形態においては、ねじりコイルスプリング18の一端部18aが自動変速機のケース30に当接支持されたものを説明したが、ねじりコイルスプリング18の一端部18aが支持されるような固定された部材であれば何でもよく、例えば油圧制御装置に当接支持させたり車体のメンバに当接支持させたりすることも考えられる。
【0055】
そして、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、車両用パーキング装置1が自動変速機に搭載されたものとして説明したが、勿論、ハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置、電気自動車の電動駆動装置などにも、本車両用パーキング装置1を適用することができる。