(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
予め定められた記述形式の付帯情報を有する医用画像を表示するための患者別のビューアー画面を表示手段に表示し、前記ビューアー画面からの操作に応じて前記ビューアー画面に表示された医用画像に対する処理を行う医用画像処理手段と、
電子カルテ情報を入力及び表示するための患者別のカルテ画面を前記表示手段に表示し、当該カルテ画面上の新規カルテ入力領域から入力された電子カルテ情報を患者情報に対応付けて記憶手段に記憶させる電子カルテ処理手段と、を備え、
前記医用画像処理手段は、前記ビューアー画面に表示された医用画像が有する付帯情報のうち、予め定められた項目の情報を抽出してそのテキスト情報を生成し、前記付帯情報に含まれる患者識別情報に対応付けて前記電子カルテ処理手段に出力し、
前記電子カルテ処理手段は、前記医用画像処理手段により出力されたテキスト情報を前記患者識別情報に対応する患者のカルテ画面の前記新規カルテ入力領域に入力し表示する、医用情報処理装置。
前記医用画像処理手段は、前記医用画像に計測処理を施す計測処理手段と、前記計測処理手段による計測値を前記予め定められた記述形式で前記付帯情報に書き込む書き込み手段を有し、前記書き込み手段により前記付帯情報に書き込まれた前記計測値を抽出してそのテキスト情報を生成し当該付帯情報に含まれる患者識別情報に対応付けて前記電子カルテ処理手段に出力する請求項1〜3の何れか一項に記載の医用情報処理装置。
前記医用画像処理手段は、前記医用画像に対してアノテーション情報を入力するアノテーション情報入力手段と、当該アノテーション情報入力手段から入力されたアノテーション情報を前記予め定められた記述形式で前記医用画像の付帯情報に書き込む書き込み手段を有し、前記書き込み手段により前記付帯情報に書き込まれた前記アノテーション情報を抽出してそのテキスト情報を生成し当該付帯情報に含まれる患者情報に対応付けて前記電子カルテ処理手段に出力する請求項1〜3の何れか一項に記載の医用情報処理装置。
前記電子カルテ処理手段は、前記医用画像処理手段から出力されたテキスト情報及び縮小画像を前記新規カルテ入力領域に表示する場合、前記テキスト情報を前記縮小画像に関連付けた態様で表示する請求項2に記載の医用情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、一般的に、電子カルテ装置はDICOM規格に準拠しておらず、電子カルテ装置ではDICOM形式の医用画像を取り扱うことができない。そのため、PACS側から医用画像を電子カルテ装置に送信する場合には、DICOM形式の医用画像をJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の汎用画像に変換して送信していた。付帯情報に含まれる基本情報や計測結果等を電子カルテ情報に記載したい場合には、ユーザーは医用画像上に表示された付帯情報を電子カルテ装置においてキーボード等により所定の入力領域に転記するほかなく、煩雑で、また転記ミスが発生する可能性もあった。
【0008】
本発明の課題は、医用画像の付帯情報をユーザーが転記することなしに容易に電子カルテ情報として取り込めるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の医用情報処理装置は、
予め定められた記述形式の付帯情報を有する医用画像を表示するための患者別のビューアー画面を表示手段に表示し、前記ビューアー画面からの操作に応じて前記ビューアー画面に表示された医用画像に対する処理を行う医用画像処理手段と、
電子カルテ情報を入力及び表示するための患者別のカルテ画面を前記表示手段に表示し、当該カルテ画面上の新規カルテ入力領域から入力された電子カルテ情報を患者情報に対応付けて記憶手段に記憶させる電子カルテ処理手段と、を備え、
前記医用画像処理手段は、前記ビューアー画面に表示された医用画像が有する付帯情報のうち、予め定められた項目の情報を抽出してそのテキスト情報を生成し、前記付帯情報に含まれる患者識別情報に対応付けて前記電子カルテ処理手段に出力し、
前記電子カルテ処理手段は、前記医用画像処理手段により出力されたテキスト情報を前記患者識別情報に対応する患者のカルテ画面の前記新規カルテ入力領域に入力し表示する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記医用画像処理手段は、前記医用画像の縮小画像を生成し、前記テキスト情報とともに前記電子カルテ処理手段に出力し、
前記電子カルテ処理手段は、前記テキスト情報とともに前記縮小画像を前記新規カルテ入力領域に入力し表示する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記記憶手段は、前記医用画像を患者情報に対応付けて記憶し、
前記医用画像処理手段は、前記テキスト情報とともに前記医用画像の前記記憶手段における格納位置情報を前記電子カルテ処理手段に出力し、
前記電子カルテ処理手段は、前記新規カルテ入力領域に表示されたテキスト情報が操作手段により操作された場合に、前記格納位置情報を前記医用画像処理手段に出力し、
前記医用画像処理手段は、前記電子カルテ処理手段から出力された格納位置情報に基づいて前記記憶手段から前記テキスト情報に対応する医用画像を読み出して前記表示手段に表示する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記医用画像処理手段は、前記医用画像に計測処理を施す計測処理手段と、前記計測処理手段による計測値を前記予め定められた記述形式で前記付帯情報に書き込む書き込み手段を有し、前記書き込み手段により前記付帯情報に書き込まれた前記計測値を抽出してそのテキスト情報を生成し当該付帯情報に含まれる患者識別情報に対応付けて前記電子カルテ処理手段に出力する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記医用画像処理手段は、前記医用画像に対してアノテーション情報を入力するアノテーション情報入力手段と、当該アノテーション情報入力手段から入力されたアノテーション情報を前記予め定められた記述形式で前記医用画像の付帯情報に書き込む書き込み手段を有し、前記書き込み手段により前記付帯情報に書き込まれた前記アノテーション情報を抽出してそのテキスト情報を生成し当該付帯情報に含まれる患者情報に対応付けて前記電子カルテ処理手段に出力する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記電子カルテ処理手段は、前記医用画像処理手段から出力されたテキスト情報及び縮小画像を前記新規カルテ入力領域に表示する場合、前記テキスト情報を前記縮小画像に関連付けた態様で表示する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、
コンピューターを、
予め定められた記述形式の付帯情報を有する医用画像を表示するための患者別のビューアー画面を表示手段に表示し、前記ビューアー画面からの操作に応じて前記ビューアー画面に表示された医用画像に対する処理を行う医用画像処理手段、
電子カルテ情報を入力及び表示するための患者別のカルテ画面を前記表示手段に表示し、当該カルテ画面上の新規カルテ入力領域から入力された電子カルテ情報を患者情報に対応付けて記憶手段に記憶させる電子カルテ処理手段、として機能させ、
前記医用画像処理手段は、前記ビューアー画面に表示された医用画像が有する付帯情報のうち、予め定められた項目の情報を抽出してそのテキスト情報を生成し、前記付帯情報に含まれる患者識別情報に対応付けて前記電子カルテ処理手段に出力し、
前記電子カルテ処理手段は、前記医用画像処理手段により出力されたテキスト情報を前記患者識別情報に対応する患者のカルテ画面の前記新規カルテ入力領域に入力し表示するプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、医用画像の付帯情報をユーザーが転記することなしに容易に電子カルテ情報として取り込むことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0019】
まず、本実施形態の構成について説明する。
〔診断システムの構成〕
図1に、本実施形態における診断システム1の全体構成例を示す。
診断システム1は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、
図1に示すように、モダリティー10と、医用情報処理装置20と、受付装置30と、医事会計システム40と、を備えて構成されている。診断システム1を構成する各装置は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0020】
モダリティー10は、撮影室に設けられ、患者の診断対象部位を撮影し、デジタルの医用画像を生成する画像生成装置である。モダリティー10としては、CR装置、FPD装置等のX線画像撮影装置、超音波診断装置(US)等が適用可能である。
本実施形態において、モダリティー10は、DICOM形式で医用画像を生成する。DICOM形式の医用画像は、画像部とヘッダー部とから構成されている。画像部には医用画像の画像データ、ヘッダー部にはDICOM SR規格で定義された記述形式で当該医用画像に関する付帯情報が書き込まれている。付帯情報には、医用画像に係る基本情報(患者ID、患者氏名、性別、年齢等の患者情報、画像ID、撮影日時、モダリティー種、担当医師名等)が含まれる。また、付帯情報は、当該医用画像に基づいて算出された計測値、当該医用画像上から入力されたアノテーション情報等を書き込むことが可能である。
【0021】
医用情報処理装置20は、診察室に設けられたコンピューター装置である。この医用情報処理装置20は、医用画像処理部211、電子カルテ処理部212を備えている(
図2参照)。
【0022】
医用画像処理部211は、モダリティー10において生成された医用画像(DICOM形式の医用画像)に含まれる付帯情報を認識可能であり、医用画像を保存、管理するとともに、医用画像をビューアー画面G1(
図3参照)に表示し、ビューアー画面G1からの操作に応じてビューアー画面G1に表示された医用画像に対する各種処理を行う。
【0023】
電子カルテ処理部212は、例えば、電子カルテ情報を入力及び表示するためのカルテ画面G3(
図5参照)の表示、カルテ画面G3から入力された電子カルテ情報の保存、電子カルテ情報に含まれる診療行為情報等の医事会計システム40への送信等、電子カルテに係る各種処理を行う。
【0024】
ここで、電子カルテ情報は、患者情報(患者ID、患者名、性別、年齢等)、日付、自由記述情報及び診療行為情報により構成される。自由記述情報は、例えば、所見、主訴、既往症、嗜好、診断に用いた医用画像の縮小画像、計測値、アノテーション情報等、医師が必要と認める情報を自由に記録した情報である。診断行為情報は、医師が患者に対して行った診療行為を示す情報、例えば、傷病名、投薬(処方)、処置、注射、検査、手術、画像診断、リハビリテーション等の情報である。
【0025】
受付装置30は、受付に設けられ、患者の受付情報(受付日付、受付番号、受付された患者の患者情報)を入力するためのコンピューター装置である。受付装置30は、入力された受付情報を記憶するとともに、受付情報を医用情報処理装置20、医事会計システム40に送信する。
【0026】
医事会計システム40は、会計計算や保険点数計算等を行うためのコンピューター装置である。医事会計システム40は、医用情報処理装置20から電子カルテ情報に含まれる患者情報、日付及び診療行為情報を受信する。医事会計システム40は、診療行為情報に含まれる診療行為を診療報酬の点数に変換し、会計計算や保険点数計算を行い、レセプトデータを生成する。レセプトデータは、患者が受けた診療について、医療機関が保険者(市町村や健康保険組合等)に医療費を請求するための診療報酬明細書(レセプト)の情報である。レセプトデータには、患者情報(患者氏名、性別、生年月日等)、患者の健康保険加入情報、請求元の医療機関名、診療科、診療行為情報、診療行為情報に含まれる各診療行為に対応する診療報酬の点数等が記載されている。
【0027】
なお、診断システム1を構成する各装置の数は、特に限定されない。
また、診断システム1における通信方式としては、一般的に、DICOM規格が用いられており、各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。
【0028】
〔医用情報処理装置の構成〕
図2に、医用情報処理装置20の機能的構成を示す。
図2に示すように、医用情報処理装置20は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、RAM(Random Access Memory)25、記憶部26等を備えて構成されており、各部はバス27により接続されている。
【0029】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、医用情報処理装置20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、記憶部26に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM25に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。制御部21は、医用画像処理プログラムP1との協働により、医用画像処理部211として機能する。また、制御部21は、電子カルテ処理プログラムP2との協働により、電子カルテ処理部212として機能する。
【0030】
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部21に出力する。
また、操作部22は、表示部23の表面を覆うように透明電極を格子状に配置したタッチパネル等を有し、手指やタッチペン等で押下された位置を検出し、その位置情報を操作情報として制御部21に出力する構成としてもよい。
【0031】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0032】
例えば、表示部23は、患者別にビューアー画面G1、カルテ・ビューアー画面G2、カルテ画面G3等を表示する。
【0033】
図3に、ビューアー画面G1の一例を示す。ビューアー画面G1は、医用画像を医師の診断のために表示したり、操作部22の操作に応じて医用画像に各種処理を施したりするための画面である。
図3に示すように、ビューアー画面G1には、医用画像を表示するための医用画像表示領域71、縮小画像選択領域72、計測ボタン73、アノテーションボタン74、画像取り込みボタン75等が設けられている。
【0034】
医用画像表示領域71は、医師の診断のために、モダリティー10から取り込んだ医用画像や、現在表示対象となっている患者(患者情報表示領域Pに表示されている患者)の過去画像等を表示するための領域である。
縮小画像選択領域72は、医用画像表示領域71に表示する医用画像を選択するために、現在表示対象となっている患者の医用画像(過去に撮影された画像を含む)の縮小画像を表示するための領域である。
計測ボタン73は、計測メニューの表示を指示するためのボタンである。計測メニューには、例えば、心胸郭比計測、骨盤計測等が含まれる。
アノテーションボタン74は、医用画像表示領域71に表示されている医用画像上にアノテーション情報を入力するアノテーションモードへの移行を指示するためのボタンである。アノテーション情報は、医用画像上の指摘箇所を示す矢印等のマーカー情報や指摘箇所の注釈等を表す文字情報を含む。
画像取り込みボタン75は、モダリティー10から送信された医用画像を現在表示対象となっている患者の医用画像として取り込むことを指示するためのボタンである。画像取り込みボタン75は、「CR」、「DR−1(FPD)」、「US」のように、モダリティー10の種類毎に設けられている。画像取り込みボタン75が押下された場合、モダリティー10から送信された医用画像は表示対象となっている患者の患者情報と対応付けて画像DB262に記憶される。
【0035】
図4に、カルテ・ビューアー画面G2の一例を示す。カルテ・ビューアー画面G2は、カルテ画面G3を表示するための領域61とビューアー画面G1を表示するための領域62を有し、双方の画面を同時に表示することができる。また、カルテ・ビューアー画面G2に表示される医用画像表示領域71には、表示されている医用画像の付帯情報のうち、所定の項目の情報(例えば、心胸郭比の計測値、アノテーション情報の文字情報)及び医用画像の縮小画像を新規カルテ入力領域52a(
図5参照)に入力及び表示することを指示するためのカルテ貼付ボタン76が設けられている。
【0036】
図5に、カルテ画面G3の一例を示す。
図5に示すように、カルテ画面G3には、カルテ表示領域51、カルテ表示領域52、過去カルテ選択領域53、新規カルテボタン54等が設けられている。
カルテ表示領域51、52は、過去カルテ選択領域53から選択された過去カルテ(過去の電子カルテ情報)、又は、新規の電子カルテ情報を入力するための新規カルテ入力領域52aを表示するための領域である。なお、デフォルトでは、カルテ表示領域51、52には、それぞれ直近に作成された2つの過去の電子カルテ情報が表示される。
新規カルテボタン54は、カルテ表示領域52に新規カルテ入力領域52aを表示する(新規カルテを開く)ことを指示するためのボタンである。
【0037】
図5は、カルテ表示領域52に新規カルテ入力領域52aが表示された場合の例を示している。新規カルテ入力領域52aには、自由記述領域521と診療行為領域522が設けられている。自由記述領域521は、上述の自由記述情報を入力するための領域である。診療行為領域522は、上述の診療行為情報を入力するための領域である。
【0038】
また、ビューアー画面G1、カルテ・ビューアー画面G2、カルテ画面G3の上端部には、患者情報表示領域P、表示モード選択ボタンB1〜B3が設けられている。
【0039】
患者情報表示領域Pは、現在表示対象(診断対象)となっている患者の患者情報を表示する領域である。
表示モード選択ボタンB1〜B3は、表示部23における画面の表示モードを選択するためのボタンである。表示モード選択ボタンB1は、画面の表示モードとして、カルテ画面G3を表示部23の画面全面に表示するカルテ表示モードを選択するためのボタンである。
表示モード選択ボタンB2は、表示部23における画面の表示モードとして、カルテ・ビューアー画面G2を表示部23に表示するカルテ・ビューアー表示モードを選択するためのボタンである。
表示モード選択ボタンB3は、表示部23における画面の表示モードとして、ビューアー画面G1を表示部23の画面全面に表示するビューアー表示モードを選択するためのボタンである。
【0040】
通信部24は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部24は、受付装置30から受付情報を受信する。また、通信部24は、モダリティー10により患者を撮影して得られた医用画像を受信する。また、通信部24は、電子カルテ情報の患者情報、日付及び診療行為情報を医事会計システム40に送信する。
【0041】
RAM25は、制御部21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0042】
記憶部26は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリー等により構成され、各
種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なデータを記憶している。
具体的に、記憶部26には、医用画像処理プログラムP1、電子カルテ処理プログラムP2、受付リストDB261、画像DB262、電子カルテDB263等が記憶されている。
【0043】
医用画像処理プログラムP1は、制御部21に上述の医用画像処理部211としての機能を実現させるためのプログラムである。
電子カルテ処理プログラムP2は、制御部21に上述の電子カルテ処理部212としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0044】
なお、本実施形態においては、医用画像処理プログラムP1及び電子カルテ処理プログラムP2は記憶部26に記憶されている構成とするが、医用情報処理装置20の起動時にインターネット等を介して外部のデータ管理サーバーにアクセスしてダウンロードするSaaS(Software as a Service)型のプログラムとしてもよい。
【0045】
受付リストDB261は、通信部24により受付装置30から送信され、通信部24により受信された受付情報を格納するためのデータベースである。
画像DB262は、通信部24によりモダリティー10から送信され、通信部24により受信された医用画像を患者情報と対応付けて格納するためのデータベースである。
電子カルテDB263は、カルテ画面G3における入力に基づいて作成された電子カルテ情報を格納するためのデータベースである。
【0046】
〔診断システムの動作〕
次に、診断システム1の動作について説明する。
本実施形態においては、医用情報処理装置20において、医用画像から心胸郭比を計測する際の処理の動作、及び医用画像上にアノテーションを入力する際の処理の動作について説明する。
【0047】
(心胸郭比を計測する際の処理)
まず、医用画像から心胸郭比を計測する際の処理の動作について説明する。
図6は、医用情報処理装置20において医用画像から心胸郭比を計測する際に、医用画像処理部211及び電子カルテ処理部212の協働により実行される処理の流れを示す図である。なお、表示部23には、受付リストDB261に記憶されている患者情報の一覧を表示する受付リスト画面(図示せず)に表示されているものとする。
【0048】
受付リスト画面から操作部22により処理の対象のとなる患者の患者情報が指定されると(ステップS1)、医用画像処理部211は、指定された患者についてのビューアー画面G1を表示部23に表示する(ステップS2)。操作部22によりビューアー画面G1の縮小画像選択領域72から医用画像表示領域71に表示する医用画像(ここでは胸部画像)の縮小画像が選択されると、医用画像処理部211は、選択された縮小画像に対応する医用画像を画像DB262から読み出して医用画像表示領域71に表示する(ステップS3)。
【0049】
操作部22によりビューアー画面G1の表示モード選択ボタンB2が押下されると、医用画像処理部211は、表示部23にカルテ・ビューアー画面G2のレイアウトの表示及び領域62へのビューアー画面G1の表示を行い(ステップS4)、ステップS1で指定された患者のカルテ画面G3の起動を電子カルテ処理部212に指示する(ステップS5)。
【0050】
電子カルテ処理部212においては、医用画像処理部211からの指示に応じて、表示部23に表示されているカルテ・ビューアー画面G2の領域61にステップS1で指定された患者のカルテ画面G3を表示する(ステップS6)。操作部22によりカルテ画面G3の新規カルテボタン54が押下されると、電子カルテ処理部212は、指定された患者の新規カルテを開く、即ち、表示部23に表示されているカルテ画面G3のカルテ表示領域52に、ステップS1で指定された新規カルテ入力領域52aを表示する(ステップS7)。
【0051】
ビューアー画面G1において、操作部22により計測ボタン73が押下され、計測メニューから心胸郭計測が選択されると(ステップS8)、医用画像処理部211は、心胸郭比計測処理を実行する(ステップS9)。
心胸郭比計測処理は、ユーザーによる操作部22の操作に応じて実行される。まず、ユーザーは、操作部22の操作により、表示されている医用画像上において計測線を描画すべき位置を指定する。具体的には、医用画像上の心臓の左端、心臓の右端、胸郭の左端、胸郭の右端を操作部22により指定する。なお、正中線に相当する計測線については、医用画像処理部211が胸郭幅の中点から自動的に決定するため、指定は不要である。計測線の位置が指定されると、医用画像処理部211は、指定された計測線の情報(計測線の両端の座標、線の太さ、線の色等)をRAM25に記憶させるとともに、各計測線の位置に基づいて、計測値の算出を行う。ここでは、心臓幅、胸郭幅及び心胸比を算出する。心臓幅は、心臓の左端を示す計測線と心臓の右端を示す計測線との距離に相当する。胸郭幅は、胸郭の左端に示す計測線と胸部の右端を示す計測線との距離に相当する。心胸比とは、胸部幅に対する心臓幅の割合をいい、次式によって求められる。
心胸比=(心臓幅/胸郭幅)×100(%)
【0052】
心胸郭比の計測が終了すると、医用画像処理部211は、計測値77を医用画像表示領域71の医用画像上に表示する(ステップS10。
図7参照)。また、計測値及び計測線の情報をDICOM SR規格に準じた記述形式で表示対象の医用画像の付帯情報に書き込む(ステップS11)。
【0053】
操作部22によりカルテ貼付ボタン76が押下されると(ステップS12)、医用画像処理部211は、表示対象の医用画像の付帯情報から心胸郭比計測処理の計測値を抽出し、計測値のテキスト情報を生成する(ステップS13)。ここで、テキスト情報とは、文字だけで構成された形式(テキスト形式)の情報(テキストファイル)であり、一般的なソフトウエアやコンピューターで認識可能な汎用的な形式の情報である。
また、医用画像処理部211は、表示対象の医用画像(計測線及び計測結果を含む)を縮小して縮小画像を生成し(ステップS14)、生成した計測値のテキスト情報及び縮小画像のファイルを患者ID及びモダリティーの種類とともに電子カルテ処理部212に出力する(ステップS15)。縮小画像は、例えば、JPEG方式等、電子カルテ処理部212で使用できる、汎用的な形式の画像ファイルで生成される。
【0054】
電子カルテ処理部212は、テキスト情報及び縮小画像を受信すると、受信したテキスト情報及び縮小画像をカルテ画面G3の新規カルテ入力領域52aの自由記述領域521に自動的に入力(貼り付け)し、表示部23に表示する(ステップS16)。
【0055】
操作部22によりカルテ画面G3を閉じる指示が入力されると、電子カルテ処理部212は、新規カルテ入力領域52aから入力された電子カルテ情報(自由記述情報及び診療行為情報)に開いていたカルテ画面G3の患者情報及び当日の日付を付加して電子カルテDB263に記憶(保存)する。また、電子カルテ処理部212は、電子カルテ情報のうち患者情報、日付及び診療行為情報を通信部24により医事会計システム40に送信する(ステップS17)。
【0056】
図7に、ステップS16において、心胸郭比の計測が行われた医用画像の縮小画像TH及び計測値のテキスト情報T1が新規カルテ入力領域52aに表示された例を示す。
図7に示すように、ステップS16においては、計測値のテキスト情報T1及び医用画像の縮小画像THが新規カルテ入力領域52aの自由記述領域521に自動的に入力及び表示される。従って、ユーザーである医師は、計測値を電子カルテ情報に取り込むために、ビューアー画面G1の医用画像上に表示された計測値をわざわざ新規カルテ入力領域52aに操作部22のキーボード等を用いて入力する必要がなくなり、利便性が向上する。また、計測値の転記ミス等も防止することができる。また、計測に用いた医用画像の縮小画像をモダリティー10や医用画像管理装置から取り込んで新規の電子カルテ情報に貼り付ける操作をしなくても、医用画像の縮小画像を電子カルテ情報として記録することが可能となり、利便性が向上する。
【0057】
上記実施形態においては、心胸郭比を計測対象とした場合を例にとり説明したが、計測対象はこれに限定されず、他の部位としてもよい。
【0058】
(アノテーション情報を入力する際の処理)
次に、医用画像上にアノテーションを入力する際の処理の動作について説明する。
図8は、医用情報処理装置20において医用画像上からアノテーション情報を入力する際に、医用画像処理部211及び電子カルテ処理部212の協働により実行される処理の流れを示す図である。なお、表示部23には、受付リストDB261に記憶されている患者情報の一覧を表示する受付リスト画面(図示せず)に表示されているものとする。
【0059】
まず、ステップS21〜ステップS27の処理が実行される。ステップS21〜ステップS27の処理は、上述のステップS1〜ステップS7の処理と同様であるので説明を援用する。なお、ステップS23において表示する医用画像は、ここでは胸部画像に限定されない。
【0060】
ビューアー画面G1において操作部22によりアノテーションボタン74が押下され、アノテーションメニューが選択されると(ステップS28)、医用画像処理部211は、アノテーションモードに移行し、医用画像表示領域71に表示されている医用画像上からの操作部22によるアノテーション情報の入力を受け付け、入力されたアノテーション情報を医用画像上に表示する(ステップS29。
図9参照)。また、入力されたアノテーション情報をDICOM SR規格に準じた記述形式で表示対象の医用画像の付帯情報に書き込む(ステップS30)。付帯情報に書き込まれるアノテーション情報としては、例えば、「陰影あり」等の文字情報の他、指摘箇所の位置情報(座標)、指摘箇所のマーカーの種類(例えば、楕円、矢印等)等が含まれる。
【0061】
操作部22によりカルテ貼付ボタン76が押下されると(ステップS31)、医用画像処理部211は、アノテーション情報の入力対象となった医用画像の保存先パスの情報(記憶部26における格納位置情報)を取得する(ステップS32)。また、医用画像処理部211は、表示対象の医用画像の付帯情報からアノテーション情報の文字情報を抽出し、その医用画像の格納位置情報を埋め込んだテキスト情報(ハイパーテキスト)を生成する(ステップS33)。そして、医用画像処理部211は、生成されたテキスト情報を患者ID、モダリティーの種類とともに電子カルテ処理部212に出力する(ステップS34)。
【0062】
電子カルテ処理部212は、医用画像処理部211から出力されたアノテーション情報のテキスト情報をカルテ画面G3の新規カルテ入力領域52aの自由記述領域521に自動的に入力(貼り付け)し、表示部23に表示する(ステップS35)。
【0063】
図9に、ステップS35において、新規カルテ入力領域52aに表示されたアノテーション情報のテキスト情報T2の一例を示す。
図9に示すように、ステップS35においては、アノテーション情報のテキスト情報T2が新規カルテ入力領域52aの自由記述領域521に自動的に入力及び表示される。従って、ユーザーである医師は、ビューアー画面G1の医用画像上に入力したアノテーション情報の文字情報をわざわざ新規カルテ入力領域52aに操作部22のキーボード等を用いて入力する必要がなくなり、利便性が向上する。また、アノテーション情報の転記ミス等も防止することができる。
【0064】
操作部22によりカルテ画面G3を閉じる指示が入力されると、電子カルテ処理部212は、新規カルテ入力領域52aから入力された電子カルテ情報(自由記述情報及び診療行為情報)に開いていたカルテ画面G3の患者情報及び当日の日付を付加して電子カルテDB263に記憶(保存)する。また、電子カルテ処理部212は、電子カルテ情報のうち患者情報、日付及び診療行為情報を通信部24により医事会計システム40に送信する(ステップS36)。
【0065】
ここで、電子カルテDB263に記憶された電子カルテ情報を読み出してカルテ表示モードでカルテ画面G3に表示した場合、アノテーション情報のテキスト情報が表示される。このテキスト情報を操作部22により押下すると、電子カルテ処理部212は、押下されたテキスト情報(ハイパーテキスト)に埋め込まれた医用画像の格納位置情報を医用画像処理部211に出力する。医用画像処理部211は、格納位置情報を受信すると、カルテ・ビューアーモードに切り替えてカルテ・ビューアー画面G2のレイアウトを表示部23に表示し、電子カルテ処理部212から出力された格納位置情報に基づいて、画像DB262からアノテーション情報の入力対象となった医用画像を読み出してビューアー画面G1の医用画像表示領域71に表示する。即ち、ユーザーは、カルテ画面G3に表示された電子カルテ情報のテキスト情報を操作部22により押下するだけで、そのテキスト情報に対応する医用画像を容易に同一画面上に表示することができる。
【0066】
なお、
図8の処理においても、医用画像処理部211において医用画像(アノテーション情報が入ったもの)の縮小画像を生成し、電子カルテ処理部212において新規カルテ入力領域52aの自由記述領域521にテキスト情報とともに縮小画像を入力(貼り付け)し、表示することとしてもよい。
【0067】
以上説明したように、医用情報処理装置20によれば、医用画像処理部211は、ビューアー画面G1に表示された医用画像が有する付帯情報のうち、予め定められた項目の情報、例えば、心胸郭比の計測値やアノテーション情報の文字情報を抽出してそのテキスト情報を生成し、付帯情報に含まれる患者IDに対応付けて電子カルテ処理部212に出力する。電子カルテ処理部212は、医用画像処理部211により出力されたテキスト情報を患者IDに対応する患者のカルテ画面G3の新規カルテ入力領域52aに入力し表示する。
従って、ユーザーである医師は、付帯情報の予め定められた項目の情報、例えば、計測値やアノテーション情報を電子カルテ情報に取り込むために、ビューアー画面G1の医用画像上に表示された情報をわざわざ新規カルテ入力領域52aに操作部22のキーボード等を用いて入力する必要がなくなり、利便性が向上する。また、転記ミス等も防止することができる。
【0068】
また、医用画像処理部211において、医用画像の縮小画像を生成し、テキスト情報とともに電子カルテ処理部212に出力し、電子カルテ処理部212において、テキスト情報とともに縮小画像を新規カルテ入力領域52aに入力し表示するようにすることで、テキスト情報に対応する医用画像の縮小画像をモダリティー10や医用画像管理装置から取り込んで新規の電子カルテ情報に貼り付ける操作をしなくても電子カルテ情報として記録することが可能となり、利便性が向上する。
【0069】
また、カルテ画面G3に表示されたテキスト情報が操作部22により押下された場合に、そのテキスト情報に対応する医用画像を画像DB262から読み出してビューアー画面G1に表示するようにすることで、ユーザーは、電子カルテ情報のテキスト情報を押下するという簡単な操作で、テキスト情報に関連する医用画像を参照することが可能となり、利便性が向上する。
【0070】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る医用情報処理装置20の好適な例であり、これに限定されるものではない。
【0071】
例えば、上記実施形態においては、医用画像処理部211は、医用画像の付帯情報から計測値、又はアノテーション情報を抽出してそのテキスト情報を電子カルテ処理部212に出力することとしたが、例えば、基本情報等、付帯情報に含まれる他の項目の情報を抽出して電子カルテ処理部212に出力し、電子カルテ処理部212において新規カルテ入力領域52aに入力することとしてもよい。
【0072】
また、電子カルテ処理部212は、医用画像処理部211から出力されたテキスト情報及び縮小画像を新規カルテ入力領域52aに表示する場合は、テキスト情報を縮小画像に関連付けた態様で表示することが好ましい。テキスト情報を縮小画像に関連付けた態様で表示するとは、テキスト情報が縮小画像に関連していることをユーザーが認識可能な態様で表示することをいう。例えば、テキスト情報の文字の色と縮小画像の画像枠の色を同じにする、テキスト情報と縮小画像を1つの枠で囲む等が挙げられる。これにより、テキスト情報と縮小画像に関連があることをユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0073】
また、医用画像処理部211は、医用画像の付帯情報から計測値を抽出しテキスト情報を生成する際に、画像DB262における当該医用画像が格納されている格納位置情報を埋め込むようにしてもよい。そして、電子カルテ処理部212においてカルテ画面G3に表示されたテキスト情報が操作部22により押下された場合に、電子カルテ処理部212はテキスト情報に埋め込まれた格納位置情報を医用画像処理部211に出力し、医用画像処理部211はその格納位置情報に基づいてテキスト情報に対応する医用画像を画像DB262から読み出して表示部23に表示することとしてもよい。
【0074】
また、以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性メモリーを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0075】
その他、医用情報処理装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。