(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のガイドプーリー装置は、その構成が複雑であることから、組み付け作業が難しいという問題がある。そして、これが製造コストを押し上げる要因となることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、構成簡素且つ組み付け容易なガイドプーリー装置及びこれを備えた車両用スライドドア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するガイドプーリー装置は、一方は巻き取られるとともに他方は繰り出される二本のケーブルが独立に巻き掛けられる複数の溝部を有したガイドプーリーと、前記ガイドプーリーを収容する収容部材と、を備え、前記収容部材は、前記ガイドプーリーの支持軸が立設される基部を有した第1の収容部材と、前記基部に対向する蓋部を有する第2の収容部材と、を組み付けてなるとともに、前記第1の収容部材は、前記基部とともに、前記各ケーブルの配索経路を形成する隔壁部と、該隔壁部に設けられて前記各溝部内に突出する爪部と、が一体に形成されてなることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、その構成を簡素化して部品点数を削減することができる。また、隔壁部と爪部とが集約されることによって、組み付け時、これら隔壁部及び爪部がガイドプーリーに干渉し難くなる。そして、これにより、その組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0011】
上記課題を解決するガイドプーリー装置は、前記隔壁部を挟んで設けられた第1及び第2のガイドプーリーを備えることが好ましい。
即ち、一方は巻き取られるとともに他方は繰り出される二本のケーブルが、二つのガイドプーリーに巻き掛けられる構成では、その両ガイドプーリー間において、これら各ケーブル間に干渉が起こりやすい。従って、上記構成によれば、効果的に、その各ケーブル間の干渉を防ぐことができる。
【0012】
また、隔壁部と爪部とが両ガイドプーリー間に集約されるため、その支持軸周りに、大きな組み付けスペースを確保することができる。そして、これにより、組み付け時、ガイドプーリーが隔壁部及び爪部に干渉し難くなることで、より一層、その組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0013】
更に、収容部材内に挿入された各ケーブルの挿入端が、それぞれ、その対応する配索経路を進むように隔壁部を形成することで、第1及び第2の収容部材を組み付けた後であっても、正しく、各ガイドプーリーに各ケーブルを巻き掛けることができる。そして、これにより、その組み付け作業を更に容易化することができる。
【0014】
上記課題を解決するガイドプーリー装置は、前記第1の収容部材は、樹脂により形成され、前記第2の収容部材は、金属により形成されることが好ましい。
即ち、第1の収容部材を樹脂製とすることで、設計自由度と製造容易性とを両立させることができる。その結果、その基部、隔壁部及び爪部が一体化された複雑な構造であっても、容易に形成することができる。そして、その第2の収容部材を金属製とすることで、その要求される強度を確保することができる。
【0015】
上記課題を解決するガイドプーリー装置は、前記第1の収容部材には、締結部材が挿通される金属製の筒状体が取着されることが好ましい。
上記構成によれば、その筒状体に挿通される締結部材の締結力に基づいて、確実にガイドプーリー装置を固定することができる。そして、その応力を筒状体で受けることにより、第1の収容部材の変形を防ぐことができる。その結果、ガイドプーリーの円滑な回転を担保して高い信頼性を確保することができる。
【0016】
上記課題を解決するガイドプーリー装置は、前記支持軸は、前記第1及び第2の収容部材間を締結するかしめ部材であって、前記基部には、前記かしめ部材が挿通される貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔は、その挿通されたかしめ部材を係止可能に構成されることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、かしめ部材が支持軸として第1の収容部材の基部に立設された状態で、ガイドプーリーを組み付けることができる。更に、治具等の特別な保持手段を要することなく、その仮組み状態のガイドプーリー装置を、次の作業工程が行われる場所(例えば、かしめ装置)まで移動させることができる。そして、これにより、より一層、その組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0018】
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、上記何れかに記載のガイドプーリー装置を備えた車両用スライドドア装置であることが好ましい。
上記構成によれば、そのガイドプーリー装置の構成を簡素して組み付けを容易なものとすることができる。そして、これにより、製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、構成の簡素化を実現して、その組み付けを容易なものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、車両用のスライドドア装置に設けられたガイドプーリー装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1のドア開口部2を開閉するスライドドア3は、車体4の側面4aに設けられたスライドレール5に支持されることにより、車両1の前後方向に移動可能に設けられている。
【0022】
本実施形態の車両1には、ドア開口部2の上縁部及び下縁部において、それぞれ車両前後方向に延設されたアッパレール5A及びロアレール5B、並びに、そのドア開口部2の後方において車両前後方向に延設されたセンターレール5Cが設けられている。そして、スライドドア3は、これらの各スライドレール5に対し、ガイドローラーユニット6を介して連結されることにより、その延設方向に沿って移動可能に支持されている。
【0023】
詳述すると、例えば、
図2に示すように、センターレール5Cに連結されるガイドローラーユニット6Cは、スライドドア3に固定されるブラケット7と、上下方向に延びる支持軸9を有して回動自在にブラケット7に支持された支持アーム8と、を備えている。そして、この支持アーム8の先端8aには、上記センターレール5Cに形成されたローラーガイド10に案内される複数のローラー11が設けられている。
【0024】
さらに詳述すると、車体4の側面4aにおけるドア開口部2の後方には、車両前後方向に延びる溝状の凹部12が形成されている。そして、センターレール5Cは、車外方向(同図中、右側)に開口する略コ字状の断面形状を有して、この凹部12内に配置されている。
【0025】
具体的には、本実施形態のセンターレール5Cは、その凹部12の底面12aに沿って車両前後方向延びる側壁部5Caと、この側壁部5Caの上端及び下端から車外方向に延在することにより互いに対向して配置された上壁部5Cb及び下壁部5Ccと、を備えている。更に、センターレール5Cは、上壁部5Cbの幅方向端部を下方に折り曲げることにより側壁部5Caに対向して配置された外壁部5Cdを備えている。そして、本実施形態では、その互いに対向する上壁部5Cb及び下壁部5Ccによって第1のローラーガイド10aが形成され、側壁部5Ca及び外壁部5Cdによって第2のローラーガイド10bが形成されている。
【0026】
本実施形態では、ガイドローラーユニット6Cを構成する上記支持アーム8の先端8aには、上記第1のローラーガイド10a内に配置されるロードローラー11a、及び第2のローラーガイド10b内に配置される垂直ローラー11bが設けられている。また、ロードローラー11aは、その下壁部5Ccの車外側端部と外壁部5Cdの下方側端部との間に形成される隙間よりも大きな車輪径を有している。そして、垂直ローラー11bは、その第2のローラーガイド10bを形成する側壁部5Ca及び外壁部5Cdの間隔よりも僅かに小さな車輪径を有している。
【0027】
即ち、本実施形態のガイドローラーユニット6Cは、これらの各ローラー11(11a,11b)が、そのローラーガイド10(10a,10b)を構成する上記各壁部(5Ca〜5Cd)に当接する状態で脱離不能にセンターレール5Cに連結されている。そして、ガイドローラーユニット6Cは、これらの各ローラー11(11a,11b)が、その当接するセンターレール5Cの各壁部(5Ca〜5Cd)上を転動することにより、当該センターレール5Cの延設方向に沿って移動することが可能となっている。
【0028】
また、各スライドレール5は、その車両前方が緩やかに車両内側に湾曲した形状を有している。即ち、スライドドア3は、その各スライドレール5の湾曲形状に従って、車両前方側に移動した全閉位置においては、その意匠面を構成するアウタパネル3aが車体4の側面4aと略面一となるように配置される。そして、その開動作により車両後方側に移動した場合には、車体4の側面4aに干渉しないように、その側面4aの車外側に配置される(
図1参照)。
【0029】
このとき、ガイドローラーユニット6Cにおいては、その基端8bに設けられた支持軸9を中心として支持アーム8が回動する。そして、これにより、そのガイドローラーユニット6Cに支持されたスライドドア3が揺動することによって、その円滑な前後移動、即ちスライドドア3の開閉動作が担保されるようになっている。
【0030】
尚、本実施形態では、上記アッパレール5A及びロアレール5Bに連結される各ガイドローラーユニット6A,6Bもまた、上記センターレール5Cに連結されるガイドローラーユニット6Cと略同様の構成を有している。このため、これらのガイドローラーユニット6A,6Bについては、その説明を省略する。
【0031】
また、
図1に示すように、本実施形態では、スライドドア3の内部には、モータ駆動により回転するドラム装置13が設けられている。更に、このドラム装置13には、当該ドラム装置13の回転によって、一方は巻き取られるとともに他方は繰り出される第1及び第2の駆動ケーブル14A,14Bが接続されている。そして、本実施形態では、これら第1及び第2の駆動ケーブル14A,14Bの一方の端末部をセンターレール5Cの前端側において車体4に固定し、他方の端末部をセンターレール5Cの後端側において車体4に固定することにより、そのモータMを駆動源としてスライドドア3を開閉動作させることが可能なスライドドア装置15が形成されている。
【0032】
詳述すると、本実施形態では、これらの第1及び第2の駆動ケーブル14A,14Bは、中継プーリー16を経由することにより、センターレール5Cに連結されるガイドローラーユニット6Cの近傍から、スライドドア3の外部に延出するように配索されている。また、ガイドローラーユニット6Cには、ガイドプーリー装置20が設けられている。そして、第1及び第2の駆動ケーブル14A,14Bは、このガイドプーリー装置20を経由してスライドドア3側から車体4側に渡されるようになっている。
【0033】
また、本実施形態では、センターレール5Cの下縁部には、そのセンターレール5Cの延設方向に延びるケーブルガイド18が設けられている。そして、第1及び第2の駆動ケーブル14A,14Bは、このケーブルガイド18に案内されることにより、その車両前後方向に延びるセンターレール5Cに沿うように、互いに相反する方向に配索されている。
【0034】
具体的には、ケーブルガイド18内において、第1の駆動ケーブル14Aは、車両前方側(
図1中、右側から左側)に向かって配索されている。また、第2の駆動ケーブル14Bは、車両後方側(
図1中、左側から右側)へと配索されている。そして、第1の駆動ケーブル14Aの端末部14Axは、センターレール5Cの前端側において車体4に固定され、第2の駆動ケーブル14Bの端末部14Bxは、センターレール5Cの後端側において車体4に固定されている。
【0035】
即ち、本実施形態のスライドドア装置15は、上記ドラム装置13によって、第1の駆動ケーブル14Aを巻き取りつつ第2の駆動ケーブル14Bを繰り出すことにより、そのスライドドア3を車両前方側に移動、つまり閉動作させることができる。そして、第2の駆動ケーブル14Bを巻き取りつつ第1の駆動ケーブル14Aを繰り出すことにより、そのスライドドア3を車両後方側に移動、つまり閉動作させることが可能となっている。
【0036】
(ガイドプーリー装置)
次に、本実施形態のスライドドア装置に設けられたガイドプーリー装置の構成について説明する。
【0037】
図2〜
図5に示すように、本実施形態のガイドプーリー装置20は、複数(二つ)の溝部G1,G2を有して上記第1及び第2の駆動ケーブル14A,14B(
図2参照)を構成する二本のケーブル21,22が独立に巻き掛けられるガイドプーリー23と、そのガイドプーリー23を収容する収容部材24と、を備えている。
【0038】
詳述すると、
図2に示すように、本実施形態のスライドドア装置15において、ガイドプーリー装置20は、ガイドローラーユニット6Cを構成する支持アーム8上に固定される。そして、ガイドプーリー装置20は、その支持アーム8に対する固定状態において、車体4側(同図中、左側)に配置される第1のガイドプーリー23Aと、スライドドア3側(同図中、右側)に配置される第2のガイドプーリー23Bと、を備えている。
【0039】
図2、
図4及び
図5に示すように、本実施形態では、第1のガイドプーリー23Aは、独立した二段の溝部Ga1,Ga2を有する一のプーリー25によって構成されている。また、第2のガイドプーリー23Bは、独立した二つのプーリー26,27を同軸に配置することにより形成されている。そして、
図3に示すように、二本のケーブル21,22は、これら第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに対して所謂「6の字型」に巻き掛けられるようになっている。
【0040】
一方、
図4及び
図5に示すように、本実施形態の収容部材24は、上記各ガイドプーリー23の支持軸30が立設される略平板状の基部31aを有した樹脂プレート31と、その基部31aに対向する略平板状の蓋部32aを有した金属ハウジング32とを組み付けることにより形成される。
【0041】
図5〜
図7に示すように、本実施形態では、樹脂プレート31の基部31a及び金属ハウジング32の蓋部32aには、これら樹脂プレート31及び金属ハウジング32を締結する「かしめ部材」としてのピン33が挿通される貫通孔34,35が形成されている。具体的には、樹脂プレート31の基部31aには、二本のピン33a,33bが挿通される一対の貫通孔34a,34bが形成されている。また、金属ハウジング32の蓋部32aにも、これらの各貫通孔34a,34bに対向する一対の貫通孔35a,35bが形成されている。そして、上記第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bは、それぞれ、そのピン33a,33bを支持軸30として回転自在に支承されるようになっている。
【0042】
さらに詳述すると、
図5に示すように、各ピン33a,33bは、それぞれ、予めフランジ状をなす「かしめ部F1」が基部31aに当接するようにして樹脂プレート31側の各貫通孔34a,34bに挿通される。また、
図8に示すように、これらの各貫通孔34の内周には、径方向内側に突出する複数(本実施形態では3つ)の突起36が設けられており、各ピン33は、これらの突起36を押し潰すようにして、各貫通孔34内に圧入される。そして、本実施形態では、これにより、その樹脂プレート31側の各貫通孔34a,34bに挿通された各ピン33a,33bを係止することが可能となっている。
【0043】
図5に示すように、本実施形態では、第1のガイドプーリー23Aを構成するプーリー25は、軸受37を介してピン33aに組み付けられる。そして、第2のガイドプーリー23Bを構成するプーリー26,27もまた、それぞれ、軸受38,39を介してピン33bに組み付けられるようになっている。
【0044】
また、
図5〜
図7に示すように、本実施形態の樹脂プレート31は、その基部31aの周縁部に、上記各貫通孔34a,34bを結ぶ方向(
図5中、左右方向)に延びる一対の側壁部40a,40bを備えている。更に、
図5に示すように、金属ハウジング32もまた、その蓋部32aの周縁部に、上記各貫通孔35a,35bを結ぶ方向に延びる一対の嵌合壁41a,41bを備えている。そして、金属ハウジング32は、これらの各嵌合壁41a,41bが、上記側壁部40a,40bに外嵌する態様で樹脂プレート31に組み付けられるようになっている。
【0045】
尚、本実施形態では、このようにして金属ハウジング32を樹脂プレート31に組み付けることにより、上記各ピン33(33a,33b)の先端に設定された「かしめ部F2」が、金属ハウジング32側の各貫通孔35a,35bから突出するようになっている。そして、その「かしめ部F2」をかしめることにより、これら樹脂プレート31及び金属ハウジング32によって、その内部に各ガイドプーリー23を収容する収容部材24が形成されるようになっている。
【0046】
また、
図6、
図7、
図9及び
図10に示すように、本実施形態の樹脂プレート31は、当該樹脂プレート31が形成する収容部材24内に、上記第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに巻き掛けられる二本のケーブル21,22の配索経路L1,L2を形成する隔壁部42を備えている。具体的には、隔壁部42は、第1のガイドプーリー23Aと第2のガイドプーリー23Bとの間に設けられている。そして、本実施形態では、これにより、その一方は巻き取られるとともに他方は繰り出される二本のケーブル21,22が互いに干渉しないように構成されている。
【0047】
詳述すると、
図4に示すように、本実施形態のガイドプーリー装置20において、一方のケーブル21は、収容部材24内における樹脂プレート31の基部31a側(同図中、下側)に配索され、他方のケーブル22は、金属ハウジング32の蓋部32a側(同図中、上側)に配索される。
【0048】
即ち、
図4及び
図9に示すように、一方のケーブル21は、第2のガイドプーリー23Bを構成する二つのプーリー26,27のうち、樹脂プレート31の基部31a側に配置されるプーリー26の溝部Gb1、及び第1のガイドプーリー23Aを構成するプーリー25における樹脂プレート31の基部31a側の溝部Ga1に巻き掛けられる。また、
図4及び
図10に示すように、他方のケーブル22は、金属ハウジング32の蓋部32a側のプーリー27の溝部Gb2、及び第1のガイドプーリー23Aを構成するプーリー25における金属ハウジング32の蓋部32a側の溝部Ga2に巻き掛けられる。そして、
図6及び
図7に示すように、本実施形態の隔壁部42は、これら二本のケーブル21,22の配索領域を樹脂プレート31の基部31a側と金属ハウジング32の蓋部32a側とに区画する中壁42aを備えている。
【0049】
また、本実施形態では、
図9に示すように、一方のケーブル21は、樹脂プレート31の上記側壁部40aに沿うように配索されて第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに掛け渡される。即ち、このケーブル21は、第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに対して同じく上記側壁部40a側(同図中、上側)から巻き掛けられる。そして、本実施形態の隔壁部42は、上記中壁42aによって区画された樹脂プレート31の基部31a側に、そのケーブル21の配索方向、即ち両ガイドプーリー23の支持軸30間を結ぶ方向に沿って延びる一対の案内壁42b,42cを備えている。
【0050】
これに対し、
図10に示すように、他方のケーブル22は、両側壁部40a,40bの一方側から他方側に向かって斜めに配索されて第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに掛け渡される。具体的には、このケーブル22は、第2のガイドプーリー23Bに対しては、一方の側壁部40a側(同図中、上側)から巻き掛けられ、第1のガイドプーリー23Aに対しては、他方の側壁部40b側(同図中、下側)から巻き掛けられる。そして、本実施形態の隔壁部42は、上記中壁42aによって区画された金属ハウジング32の蓋部32a側に、そのケーブル22の配索方向、即ち両ガイドプーリー23の支持軸30間を結ぶ方向に対して交差する方向に延びる一対の案内壁42d,42eを備えている。
【0051】
また、
図6、
図7、
図9及び
図10に示すように、本実施形態の隔壁部42は、第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bの径方向外側において、それぞれ、その各溝部G1,G2(Ga1,Ga2,Gb1,Gb2)に対向する略円弧状の周壁42f,42gを備えている。更に、これらの周壁42f,42gには、それぞれ、上記両案内壁42b,42cの間、及び両案内壁42d,42eの間に連通する連通孔42h〜42kが形成されている。そして、本実施形態では、これにより、それぞれが各ケーブル21,22に対応する独立した二つの配索経路L1,L2が形成されるようになっている。
【0052】
即ち、
図3、
図9及び
図10に示すように、本実施形態の収容部材24は、その両ガイドプーリー23の支持軸30間を結ぶ方向(各図中、左右方向)に、上記樹脂プレート31の各側壁部40a,40b及び金属ハウジング32の各嵌合壁41a,41bが形成されていない開口部24a,24bを有している。そして、上記のように第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに巻き掛けられた二本のケーブル21,22は、これらの開口部24a,24bから収容部材24の外部に延出されるようになっている。
【0053】
更に、
図6、
図7、
図9及び
図10に示すように、本実施形態では、上記隔壁部42を構成する各周壁42f,42gには、その対向するガイドプーリー23の各溝部G1,G2内に突出する複数の爪部45が設けられている。
【0054】
具体的には、一方の周壁42fには、第1のガイドプーリー23Aを構成するプーリー25の各溝部Ga1,Ga2内に突出する爪部45a,45bが設けられている。また、他方の周壁42gには、第2のガイドプーリー23Bを構成する二つのプーリー26,27の各溝部Gb1,Gb2内に突出する二つの爪部45c,45dが設けられている。そして、本実施形態では、これらの各爪部45によって、そのガイドプーリー23の各溝部G1,G2内に付着した氷結等の異物を排除する構成になっている。
【0055】
また、
図7及び
図11に示すように、本実施形態では、樹脂プレート31には、金属製の筒状体としての金属カラー50が取着される。そして、本実施形態のガイドプーリー装置20は、この金属カラー50に挿通されるボルト51の締結力に基づいて、上記ガイドローラーユニット6Cの支持アーム8上に固定されるようになっている。
【0056】
詳述すると、
図6、
図7及び
図11に示すように、本実施形態では、樹脂プレート31の基部31aには、その内側に上記金属カラー50を取着可能な複数の筒状部52が貫設されている。また、
図3、
図5及び
図11に示すように、金属ハウジング32の蓋部32aには、これらの筒状部52に対応する位置に、それぞれ貫通孔53が形成されている。そして、
図11に示すように、ガイドローラーユニット6C(の支持アーム8)に対する組み付け時、締結部材としてのボルト51は、その金属ハウジング32側から金属カラー50内に挿入されるようになっている。
【0057】
さらに詳述すると、
図8に示すように、本実施形態では、筒状部52の内周には、上記かしめ用の貫通孔34と同様に、その径方向内側に突出する複数(本実施形態では3つ)の突起55が形成されており、金属カラー50は、これらの突起55を押し潰すようにして、各筒状部52内に圧入される。そして、本実施形態では、これにより、その各筒状部52内に挿入された金属カラー50を係止することが可能となっている。
【0058】
また、
図11に示すように、本実施形態では、金属ハウジング32の蓋部32aに形成された各貫通孔53の直径は、金属カラー50の内径と略等しく設定されている。そして、樹脂プレート31と金属ハウジング32とが組み付けられた状態では、各筒状部52の先端が金属ハウジング32の蓋部32aに当接する状態となっている。
【0059】
更に、金属カラー50の軸方向長さX1は、その取着される各筒状部52の軸方向長さ(基部31aの厚みを含む)X0よりも長く設定されている。そして、本実施形態では、これにより、そのガイドローラーユニット6Cの締結面(支持アーム8の上面)に対して樹脂プレート31が接触しないようになっている。
【0060】
本実施形態では、以上のような構造を有する第1収容部材としての樹脂プレート31は、射出成形によって、その基部31a、両側壁部40a,40b、隔壁部42、各爪部45(45a〜45d)及び筒状部52が一体に形成されている。そして、これにより、その構成の簡素化と組み付け作業の容易化が図られている。
【0061】
次に、上記のように構成されたガイドプーリー装置20の作用について説明する。
本実施形態では、樹脂プレート31及び金属ハウジング32が、収容部材24として組み付けられた後において、その内部に収容された第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに二本のケーブル21,22を巻き掛けることが可能となっている。
【0062】
具体的には、
図9に示すように、一方のケーブル21は、第2のガイドプーリー23B側の開口部24b(同図中、左側の開口部)から周壁42gに沿うように、その収容部材24内に挿入される。更に、このケーブル21は、その周壁42gに形成された連通孔42hを介して両案内壁42b,42cの間に挿入され、第1のガイドプーリー23A側の連通孔42iから押し出される。そして、その連通孔42iが形成された周壁42fに沿って進み、第1のガイドプーリー23A側の開口部24a(同図中、右側の開口部)から引き出されることによって、各ガイドプーリー23の溝部G1に巻き掛けられる。
【0063】
図10に示すように、他方のケーブル22もまた同様に、第2のガイドプーリー23B側の開口部24bから周壁42gに沿うように、その収容部材24内に挿入される。更に、このケーブル22は、その周壁42gに形成された連通孔42jを介して両案内壁42d,42eの間に挿入され、第1のガイドプーリー23A側の連通孔42kから押し出される。そして、その連通孔42kが形成された周壁42fに沿って進み、第1のガイドプーリー23A側の開口部24aから引き出されることによって、各ガイドプーリー23の溝部G2に巻き掛けられる。
【0064】
このように、本実施形態のガイドプーリー装置20は、収容部材24に設定された二つの開口部24a,24bのうち、一方の開口部24bから各ケーブル21,22を挿入することで、これらの各ケーブル21,22の挿入端が、それぞれ、その対応する配索経路L1,L2を進むようになっている。そして、その挿入端を他方側の開口部24aから引き出すことによって、そのケーブル21,22を正しく第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに巻き掛けることが可能となっている。
【0065】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ガイドプーリー装置20は、一方は巻き取られるとともに他方は繰り出される二本のケーブル21,22が独立に巻き掛けられる複数(二つ)の溝部G1,G2を有したガイドプーリー23と、このガイドプーリー23を収容する収容部材24とを備える。また、収容部材24は、ガイドプーリー23の支持軸30が立設される基部31aを有した第1の収容部材としての樹脂プレート31と、その基部31aに対向する蓋部32aを有する第2の収容部材としての金属ハウジング32と、を組み付けてなる。そして、樹脂プレート31は、その基部31aとともに、各ケーブル21,22の配索経路L1,L2を形成する隔壁部42と、当該隔壁部42に設けられてガイドプーリー23の各溝部G1,G2内に突出する爪部45とが一体に形成される。
【0066】
上記構成によれば、その構成を簡素化して部品点数を削減することができる。また、隔壁部42と爪部45とが集約されることによって、組み付け時、これら隔壁部42及び爪部45がガイドプーリー23に干渉し難くなる。そして、これにより、その組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0067】
(2)また、第1の収容部材に樹脂プレート31を用いることで、設計自由度と製造容易性とを両立させることができる。その結果、その基部31a、隔壁部42及び爪部45が一体化された複雑な構造であっても、容易に形成することができる。そして、その第2の収容部材に金属ハウジング32を用いることで、その要求される強度を確保することができる。
【0068】
(3)ガイドプーリー装置20は、二つのガイドプーリー23(23A,23B)を備える。そして、隔壁部42は、第1のガイドプーリー23Aと第2のガイドプーリー23Bとの間に設けられる。
【0069】
即ち、一方は巻き取られるとともに他方は繰り出される二本のケーブル21,22が、二つのガイドプーリー23に巻き掛けられる構成では、その両ガイドプーリー23間において、これら各ケーブル21,22間に干渉が起こりやすい。従って、上記構成によれば、効果的に、その各ケーブル21,22間の干渉を防ぐことができる。
【0070】
また、隔壁部42と爪部45とが両ガイドプーリー23間に集約されるため、その支持軸30周りに大きな組み付けスペースを確保することができる。そして、これにより、組み付け時、ガイドプーリー23が隔壁部42及び爪部45に干渉し難くなることで、より一層、その組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0071】
更に、収容部材24の開口部24bから挿入された各ケーブル21,22の挿入端が、それぞれ、その対応する配索経路L1,L2を進むように隔壁部42を形成することで、樹脂プレート31及び金属ハウジング32を組み付けた後であっても、正しく、各ガイドプーリー23に各ケーブル21,22を巻き掛けることができる。そして、これにより、その組み付け作業を更に容易化することができる。
【0072】
(4)樹脂プレート31には、ボルト51を挿通可能な金属カラー50が取着される。これにより、そのボルト51の締結力に基づいて、確実にガイドプーリー装置20を固定することができる。そして、その応力を金属カラー50で受けることにより、樹脂プレート31の変形を防ぐことができる。その結果、ガイドプーリー23の円滑な回転を担保して高い信頼性を確保することができる。
【0073】
(5)金属カラー50は、その締結面に対して樹脂プレート31を非接触とすることが可能な軸方向長さX1を有する。このような構成とすることで、より確実に、応力の入力による樹脂プレート31の変形を防ぐことができる。
【0074】
(6)樹脂プレート31の基部31aには、かしめ部材としてのピン33が挿通される貫通孔34が形成される。また、ガイドプーリー23は、そのピン33を支持軸30として回転自在に支承される。そして、上記貫通孔34は、その挿通されたピン33を係止可能に構成される。
【0075】
上記構成によれば、ピン33が支持軸30として樹脂プレート31の基部31aに立設された状態で、ガイドプーリー23を組み付けることができる。更に、治具等の特別な保持手段を要することなく、その仮組み状態のガイドプーリー装置20を、次の作業工程が行われる場所(例えば、かしめ装置)まで移動させることができる。そして、これにより、より一層、その組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0076】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ガイドプーリー装置20は、第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bを備えることとした。しかし、これに限らず、収容部材24内に二本のケーブル21,22の配索経路L1,L2を形成する隔壁部42、及びガイドプーリー23の各溝部G1,G2内に突出する爪部45を有する構成であれば、ガイドプーリー23が一つの構成に適用してもよい。例えば、上記実施形態のガイドプーリー装置20から、そのスライドドア3側に配置される第2のガイドプーリー23B(及び隔壁部42の周壁42g)を除去したかたちが考えられる。そして、このような構成についても同様の効果を得ることができる。
【0077】
・上記実施形態では、二本のケーブル21,22が、第1及び第2のガイドプーリー23A,23Bに対して「6の字型」に巻き掛けられることとした(
図3参照)。しかし、これに限らず、各ケーブル21,22が所謂「8の字型」に巻き掛けられる構成に適用してもよい。即ち、上記ガイドプーリー装置20を基礎とした場合、ケーブル21もまた、「たすき掛け」の要領で両側壁部40a,40bの一方側から他方側に向かって斜めに配索される構成であってもよい。そして、このような構成についても同様の効果を得ることができる。尚、この場合、第2のガイドプーリー23Bについてもまた、第1のガイドプーリー23Aと同様、二段の溝部を有する一のプーリーによって構成できるという利点がある。
【0078】
・上記実施形態では、各貫通孔34の内周には、径方向内側に突出する複数の突起36が設けられる。そして、かしめ部材としての各ピン33は、各貫通孔34内に圧入されることにより、当該貫通孔34に係止されることとした。しかし、これに限らず、その挿通されたかしめ部材を係止する構成については、どのようなものであってもよい。
【0079】
・上記実施形態では、第1の収容部材に樹脂プレート31を用いることしたが、その他の材料で第1の収容部材が形成される構成についても、これを排除しない。また、第2の収容部材が金属以外の材料で形成される構成についても、これを排除しない。そして、金属カラー50が設けられない構成についても、これを排除しない。
【0080】
・上記実施形態では、ガイドプーリー23は、二つの溝部G1,G2を有することとした。しかし、これに限らず、二本のケーブル21,22を独立に巻き掛けることが可能な構成であれば、3つ以上の溝部を有する構成についても、これを排除しない。
【0081】
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記筒状体は、前記締結部材による締結対象に対して前記第1収容部材を非接触とすることが可能な軸方向長さを有すること、を特徴とするガイドプーリー装置。これにより、より確実に、応力の入力による第1の収容部材の変形を防ぐことができる。