特許第5958401号(P5958401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958401
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】画像形成システム及び中間装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20160719BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20160719BHJP
   G03G 15/23 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   G03G21/16 104
   G03G21/00 500
   G03G15/23
【請求項の数】13
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-70655(P2013-70655)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-194475(P2014-194475A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2014年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 元
(72)【発明者】
【氏名】磯原 英夫
【審査官】 野口 聖彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−237924(JP,A)
【文献】 特開昭57−020753(JP,A)
【文献】 特開2012−150413(JP,A)
【文献】 特開2011−164319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 15/23
G03G 15/00
B41J 29/00
B65H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙搬送方向の上流側に配置され第1画像形成装置と、
用紙搬送方向の下流側に配置された第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間に配置された中間装置と、を備え、
前記中間装置は、
前記第1画像形成装置から前記第2画像形成装置へ用紙を搬送する第1の用紙搬送路と、
前記第1の用紙搬送路上に設けられ、用紙の斜行補正を行う第1のレジストローラと、を有し、
給紙トレイから給紙されうる用紙について、前記第1のレジストローラにより停止した用紙の後端が、前記第1の用紙搬送路上に位置する
画像形成システム。
【請求項2】
前記第2画像形成装置は、
前記中間装置から搬送された用紙を搬送する第2の用紙搬送路と、
前記第2の用紙搬送路上に設けられ、用紙の斜行補正を行う第2のレジストローラと、を備え、
前記給紙トレイから給紙されうる用紙について、前記第2のレジストローラにより停止した用紙の後端が、前記第1の用紙搬送路上に位置する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第1の用紙搬送路が湾曲している
請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1の用紙搬送路上には、搬送される用紙のカールを矯正するカール矯正部が設けられている
請求項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記中間装置は、前記第1の用紙搬送路の近傍に、搬送されてくる用紙に形成された画像の濃度を測定する濃度センサを備え、
前記第2画像形成装置は、前記濃度センサの測定結果に基づいて当該第2画像形成装置で形成する画像の濃度を調整する
請求項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記第1画像形成装置と前記中間装置との間に、第2の中間装置が配置され、
前記第2の中間装置が配置された場合、前記中間装置は、前記第2の中間装置から搬送された用紙を前記第2画像形成装置へ搬送し、前記第1の用紙搬送路は、前記給紙トレイから給紙されうる用紙について、前記第1のレジストローラにより停止した用紙の後端が、前記第2の中間装置に入らない長さを有している
請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記第1画像形成装置と前記中間装置との間に、第2の中間装置が配置され、
前記第2の中間装置が配置された場合、前記中間装置は、前記第2の中間装置から搬送された用紙を前記第2画像形成装置へ搬送し、前記第1の用紙搬送路は、前記給紙トレイから給紙されうる用紙について、前記第2のレジストローラにより停止した用紙の後端が、前記第2の中間装置に入らない長さを有している
請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項8】
第1画像形成装置と第2画像形成装置との間に配置され、前記第1画像形成装置から搬送された用紙を前記第2画像形成装置へと搬送する中間装置において、
前記第1画像形成装置から前記第2画像形成装置へ用紙を搬送する第1の用紙搬送路と、
前記第1の用紙搬送路上に設けられ、用紙の斜行補正を行う第1のレジストローラと、を備え、
給紙トレイから給紙されうる用紙について、前記第1のレジストローラにより停止した用紙の後端が、前記第1の用紙搬送路上に位置する
中間装置。
【請求項9】
前記第2画像形成装置は、
前記中間装置から搬送された用紙を搬送する第2の用紙搬送路と、
前記第2の用紙搬送路上に設けられ、用紙の斜行補正を行う第2のレジストローラと、を備え、
前記給紙トレイから給紙されうる用紙について、前記第2のレジストローラにより停止した用紙の後端が、前記第1の用紙搬送路上に位置する
請求項に記載の中間装置。
【請求項10】
前記第1の用紙搬送路が湾曲している
請求項8または9に記載の中間装置。
【請求項11】
前記第1の用紙搬送路上には、搬送される用紙のカールを矯正するカール矯正部が設けられている
請求項10に記載の中間装置。
【請求項12】
前記第1の用紙搬送路の近傍に、搬送されてくる用紙に形成された画像の濃度を測定する濃度センサを備え、
前記第2画像形成装置は、前記濃度センサの測定結果に基づいて当該第2画像形成装置で形成する画像の濃度を調整する
請求項10に記載の中間装置。
【請求項13】
前記第1画像形成装置と当該中間装置との間に、第2の中間装置が配置され、
前記第2の中間装置が配置された場合、当該中間装置は、前記第2の中間装置から搬送された用紙を前記第2画像形成装置へ搬送し、前記第1の用紙搬送路は、前記給紙トレイから給紙されうる用紙について、前記第1のレジストローラにより停止した用紙の後端が、前記第2の中間装置に入らない長さを有している
請求項8乃至12のいずれかに記載の中間装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の画像形成装置が直列的に接続されたタンデム方式の画像形成システム、及び画像形成装置間に配置される中間装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2台の画像形成装置を直列的に接続して構成されるタンデム方式の画像形成システム(以下、単に「画像形成システム」と称することがある)が知られている。この画像形成システムによれば、用紙の両面に画像を形成する場合、例えば上流の画像形成装置により用紙の表面に画像を形成し、下流の画像形成装置により用紙の裏面に画像を形成することができる。用紙の表面及び裏面に画像を形成する処理を、それぞれの画像形成装置で分担して行うことにより、1台の画像形成装置で用紙の両面に画像を形成する場合と比較して、生産性を向上させることができる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−143964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上流の画像形成装置で表面に画像が形成された用紙は、裏面に画像を形成するために下流の画像形成装置に送られる。そして、下流の画像形成装置内で該用紙に画像を転写するタイミングを調整するため、用紙を一旦停止させるレジスト動作(斜行補正)を行う。
このとき、用紙の搬送方向における長さによっては、上流の画像形成装置内に用紙の一部がかかる状態となる。そのため、上流の画像形成装置の画像形成動作を待機させる、あるいは画像形成時の紙間を長くとる必要があるため、生産性を低下させてしまう。
【0005】
上記の状況から、タンデム方式の画像形成システムにおいては、用紙の搬送方向における長さにかかわらず生産性を低下させない手法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の画像形成システムは、用紙搬送方向の上流側に配置された第1画像形成装置と、用紙搬送方向の下流側に配置された第2画像形成装置と、第1画像形成装置と第2画像形成装置との間に配置された中間装置を備える。
中間装置は、第1画像形成装置から第2画像形成装置へ用紙を搬送する第1の用紙搬送路と、第1の用紙搬送路上に設けられ、用紙の斜行補正を行う第1のレジストローラと、を有する。
そして、画像形成システムは、給紙トレイから給紙されうる用紙について、第1のレジストローラにより停止した用紙の後端が、第1の用紙搬送路上に位置するように形成されている。
【0007】
本発明の一側面の中間装置は、第1画像形成装置と第2画像形成装置との間に配置され、第1画像形成装置から搬送された用紙を第2画像形成装置へと搬送する。
中間装置は、第1画像形成装置から第2画像形成装置へ用紙を搬送する第1の用紙搬送路と、第1の用紙搬送路上に設けられ、用紙の斜行補正を行う第1のレジストローラと、を備える。
そして、中間装置は、給紙トレイから給紙されうる用紙について、第1のレジストローラにより停止した用紙の後端が、第1の用紙搬送路上に位置するように形成されている。
【0008】
上記構成においては、用紙搬送路は、該用紙搬送路上で用紙が停止した場合に、当該用紙の後端が、中間装置内の用紙搬送路上に位置するように形成されている。そのため、用紙が上流側の第1画像形成装置にかからず、第1画像形成装置の動作に影響を及ぼさない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数台の画像形成装置を備える画像形成システムにおいて、用紙の大きさにかかわらず生産性を低下させることなく、稼動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。
図2】用紙の停止位置と中間装置の用紙搬送路との関係(第1例)を示す説明図である。
図3】用紙の停止位置と中間装置の用紙搬送路との関係(第2例)を示す説明図である。
図4】中間装置の用紙搬送路の要部(ロック状態)を示す構成図である。
図5】中間装置の用紙搬送路の要部(ロック解除状態)を示す構成図である。
図6】自動経路開放機構のロック解除動作の第1の説明図である。
図7】自動経路開放機構のロック解除動作の第2の説明図である。
図8】自動経路開放機構のロック解除動作の第3の説明図である。
図9】画像形成システムの第1画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図10】画像形成システムの第2画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図11】中間装置におけるジャム用紙除去処理を示すフローチャートである。
図12】第2画像形成装置のレジスト部の概略構成図である。
図13】中間装置のレジスト部の概略構成図である。
図14】第2画像形成装置のレジスト部により形成するループを説明する模式図である。
図15】中間装置のレジスト部により形成するループを説明する模式図である。
図16】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの全体構成の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0012】
[画像形成システムの全体構成]
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの概要について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、用紙の搬送経路の上流側から、給紙装置10、第1画像形成装置20、中間装置30、第2画像形成装置40、後処理装置50等が直列的に連結された直列タンデム方式の構成となっている。
【0013】
第1画像形成装置20と第2画像形成装置40は、連結される際に、画像形成システム1を統括的に管理するメイン機、当該メイン機の指示に従って稼動するサブ機のいずれかであるかが設定される。本実施の形態では、用紙搬送方向において上流側に設けられた第1画像形成装置20がメイン機、第2画像形成装置40がサブ機として設定されているものとする。
【0014】
本実施の形態における画像形成システム1では、用紙の両面に画像を形成する両面モードのジョブを実行する場合、第1画像形成装置20が用紙の一方の面に画像形成を行なう第1の画像形成装置として機能し、第2画像形成装置40が用紙の他方の面に画像形成を行なう第2の画像形成装置として機能する。
両面モードのジョブを実行する場合、給紙装置10又は第1画像形成装置20内の給紙部から搬送された用紙に対して、第1画像形成装置20が表面の画像を形成する。そして、表面の画像が形成された用紙は、第1画像形成装置20内の反転部によって表裏が反転された後、中間装置30を通過して第2画像形成装置40へ搬送され、当該用紙の裏面に画像が形成され、後処理装置50へ搬送される。
【0015】
また、用紙の片面に画像を形成する片面モードのジョブを実行する場合、給紙装置10又は第1画像形成装置20内の給紙部から搬送された用紙の一方の面に対して、第1画像形成装置20が画像を形成する。そして、一方の面に画像が形成された用紙は、中間装置30、第2画像形成装置40を通過して後処理装置50へ搬送される。
【0016】
(給紙装置)
給紙装置10は、PFU(Paper Feed Unit)と称されるものであり、複数の給紙トレイや、給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段等を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙手段により第1画像形成装置20の用紙搬送部へ用紙が搬送される。給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報(用紙サイズ、紙種等)は、第1画像形成装置20の後述する不揮発メモリ251に記憶されている。給紙装置10は、第1画像形成装置20の給紙部として機能する。
【0017】
(第1画像形成装置)
第1画像形成装置20は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に画像形成する。また、外部装置等からPDL(Page Description Language)形式やTiff形式等のページ記述言語形式のプリントデータ及びプリント設定データを受信し、受信したプリントデータ及びプリント設定データ等に基づいて画像を用紙上に形成したりする。第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23等を備えて構成される。
【0018】
画像読取部21は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部と読取部とを備え、操作表示部22により受け付けられた設定情報に基づいて複数の原稿の画像を読み取る。自動原稿送り部の原稿トレイに載置された原稿は、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、光学系により原稿の片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)211(図9参照)により原稿の画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等の画像データに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0019】
操作表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)221、LCD221を覆うように設けられたタッチパネル、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群等から構成される。操作表示部22は、ユーザからの指示を受け付けその操作信号を後述する制御部250に出力する。また、制御部250から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する操作画面をLCD221上に表示する。
【0020】
プリント部23は、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部231、用紙搬送部232、画像形成部233、定着部234等のプリント出力に係る各部を備えて構成される。なお、本実施の形態のプリント部23では、電子写真方式を適用した例を説明するが、これに限らず、インクジェット方式、熱昇華方式等、他のプリント方式を適用してもよい。
【0021】
給紙部231は、複数の給紙トレイと給紙トレイ毎に設けられた給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された給紙され得る用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙手段により用紙搬送部に向けて搬送される。また、給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報(紙種、坪量、用紙サイズ等)は、不揮発メモリ251に記憶されている。
【0022】
用紙搬送部232は、給紙装置10又は給紙部231から搬送された用紙を、複数の中間ローラ、レジストローラ等を経る画像形成部233への用紙搬送路上に用紙を搬送する。そして、画像形成部233の転写位置へと搬送し、さらに第2画像形成装置40へ搬送する。用紙は、曲がり補正を行うレジストローラ233aの上流側で一旦待機し、画像形成タイミングに応じて、レジストローラ233aの下流側への搬送が再開される。
【0023】
また、用紙搬送部232は、搬送路切替部232aや反転ローラ等から構成される反転部232bを備える。反転部232bは、搬送路切替部232aの切り替え動作に応じて、定着部234を通過した用紙の表裏を反転せずに下流側に連結された装置へ搬送したり、反転ローラ等によりスイッチバックして用紙の表裏を反転させた後に下流側に連結された装置へ搬送したりする。また、反転部232bは、定着部234を通過した用紙の表裏を反転させて第1画像形成装置20の画像形成部233へ再給紙する循環経路部を備えていてもよい。
【0024】
画像形成部233は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等を備え、印刷画像データに基づき、用紙面上に画像を形成する。なお、第1画像形成装置20がカラー画像を形成するものである場合には、画像形成部233が色(Y,M,C,Bk)毎に設けられる。
【0025】
画像形成部233では、帯電装置により帯電された感光体ドラムの表面に、露光装置から印刷画像データに応じた光が照射され静電潜像が書き込まれる。そして、静電潜像が書き込まれた感光体ドラムの表面に、現像装置により帯電したトナーが付着されて静電潜像が現像される。感光体ドラム上に付着したトナー画像は、転写位置で用紙に転写される。用紙にトナー画像が転写された後、クリーニング装置により、感光体ドラム表面の残留電荷や残留トナー等が除去され、除去されたトナー等はトナー回収容器へ回収される。
【0026】
定着部234は、定着ヒータ、定着ローラ、定着外部加熱部等から構成され、用紙に転写されたトナー画像を熱定着する。
【0027】
(中間装置)
中間装置30は、用紙搬送方向において、第1画像形成装置20の下流側、かつ、第2画像形成装置40の上流側に設置されている。本実施の形態では、中間装置30は、第2画像形成装置40からの指示に従って、第1画像形成装置20から搬送された用紙を、第2画像形成装置40へと搬送する。
中間装置30の用紙搬送路31の長さは、中間装置30又は第2画像形成装置40が用紙搬送路31内で用紙の停止を指示した場合に、第1画像形成装置20にその用紙の後端がかからないように形成されている。用紙搬送路31は、中間装置30の正面側から見ると、用紙搬入側の搬送ローラ311付近から用紙排出側の搬送ローラ318付近まで湾曲するように構成されている。本実施の形態では、用紙搬送路31の湾曲形状は、下方向に凸形状の略Uの字形状である。用紙搬送路31を湾曲させることにより、限られたスペースの中で用紙搬送路31の長さを確保できる。換言すると、用紙搬送路31を湾曲させることによって、用紙搬送路31の長さを確保した上で中間装置30を小型にすることができる。
【0028】
用紙搬送路31に必要な長さとして以下の例が挙げられる。
第1に、第2画像形成装置40の用紙搬送路の途中に用紙停止位置を有する場合、用紙搬送路31の長さは、第2画像形成装置40内で停止した用紙の先端を基点として、当該用紙の後端が中間装置30内に収まるように形成されている。
第2に、中間装置30の用紙搬送路31の途中に用紙停止位置を有する場合、用紙搬送路31の長さは、中間装置30内で停止した用紙の先端を基点として、当該用紙の後端が中間装置30内に収まるように形成されている。
【0029】
図2は、用紙の停止位置と中間装置30の用紙搬送路31との関係(第1例)を示す説明図である。
図2の例では、第2画像形成装置40のレジストローラ433aを用紙停止位置としている。この場合、用紙搬送路31の長さは、第2画像形成装置40のレジストローラ433aのニップ部を、用紙Sの先端の基点として、当該用紙Sの後端が中間装置30内に収まるように形成されている。用紙の後端は、中間装置30の用紙搬送路31の途中、例えば搬送ローラ315の近くに位置している。
【0030】
図3は、用紙の送り方向の最大長さと中間装置30の用紙搬送路31との関係(第2例)を示す説明図である。
図3の例では、中間装置30のレジストローラ317を用紙停止位置としている。この場合、用紙搬送路31の長さは、中間装置30のレジストローラ317のニップ部を、用紙Sの先端の基点として、当該用紙Sの後端が中間装置30内に収まるように形成されている。用紙の後端は、中間装置30の用紙搬送路31の用紙搬入側にある搬送ローラ311の近くに位置している。
【0031】
また、中間装置30は、ジャム発生時に用紙搬送路31を開放する自動経路開放機構32(経路開放機構の一例)を備える。ジャムとは、画像形成システム1内で用紙が何らかの理由により異常に停止することを指し、画像形成システム1内で異常に停止した用紙をジャム用紙といい、ユーザが異常に停止した用紙及び搬送中に停止されたジャム用紙以外の用紙(残留紙)を除去する行為をジャム処理と記す。
【0032】
用紙搬送路31でジャムが発生したとき、自動経路開放機構32が用紙搬送路31の一部を開放することにより、ジャム発生時に用紙搬送路31に残留した用紙を下方に設置された収容部33に収容する構成となっている。中間装置30は、不図示の前扉の開閉状態を検知し、検知結果を第2画像形成装置40へ出力する扉開閉検知センサ30dを備えている。自動経路開放機構32の開放は、例えば扉開閉検知センサ30dが出力する、前扉が開けられたことを示す信号を検知することにより行われる。ユーザが、ジャム用紙、及び用紙搬送路31内で搬送が停止された用紙を除去すること、すなわちジャム処理を行うことにより、画像形成システム1の動作を再開することができる。
【0033】
(第2画像形成装置)
第2画像形成装置40は、プリント部43等を備えて構成され、第1画像形成装置20と協働して用紙面上に画像を形成する。
第1画像形成装置20から搬送された用紙は、搬送ローラ434aを経てレジストローラ433aへ搬送される。用紙は、レジストローラ433aの上流側で一旦待機し、画像形成タイミングに応じて、レジストローラ433aの下流側への搬送が再開される。
なお、第2画像形成装置40が備えるプリント部43は、第1画像形成装置20が備えるプリント部23と同様に、給紙部431、反転部432bを備えた用紙搬送部、画像形成部、定着部等のプリント出力に係る各部を備えて構成されているため、説明は省略する。
【0034】
(後処理装置)
後処理装置50は、用紙搬送方向において、第2画像形成装置の下流側に設置されており、ソート部、ステイプル部、パンチ部、折り部等の各種後処理部と、排紙トレイ(大容量排紙トレイT1やサブトレイT2)等を備え、第2画像形成装置40から搬送された用紙に対して各種後処理を施し、後処理が施された用紙を大容量排紙トレイT1やサブトレイT2に排出する。大容量排紙トレイT1は、昇降移動するステージを有し、用紙をステージに積み重ねた状態で大量に収容する。サブトレイT2には、用紙が外部に露出され、目視可能な状態で排紙される。
【0035】
(用紙搬送路の要部とその周辺の構成)
ここで、上記構成の画像形成システム1における中間装置30の自動経路開放機構32の構成について、さらに説明する。
図4は、中間装置30を正面から見た用紙搬送路31の要部(ロック状態)の構成を示している。図5は、中間装置30を正面から見た用紙搬送路31の要部(ロック解除状態)の構成を示している。
【0036】
図4に示すように、中間装置30は、下方向に湾曲した用紙搬送路31と、自動経路開放機構32を備えている。
中間装置30内の用紙搬送路31は、湾曲した板状の内側ガイド部31aと、内側ガイド部31aに対向するように設けられた湾曲した板状の固定ガイド部31b,31cと、下方向に回動可能な第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35(可動ガイド部の一例)から構成されている。第1可動ガイド部34は、内側ガイド部31aに対向するように設けられた板状のガイド部343を有し、第2可動ガイド部35は、内側ガイド部31aに対向するように設けられた板状のガイド部353を有している。
用紙搬送方向の上流側から、固定ガイド部31b、ガイド部343、ガイド部353、固定ガイド部31cの順に配置されている。
用紙搬送路31に沿って、複数のローラが配置されている。図4には、カール矯正ローラ314、搬送ローラ315、搬送ローラ316、レジストローラ317、搬送ローラ318が示されている。搬送ローラ316は、用紙にループを形成するためのループ作成用ローラでもある。
【0037】
内側ガイド部31aと、固定ガイド部31b,31cは、中間装置30の裏面30Aに直接、又は任意の部材を介して固定されている。
内側ガイド部31aは、下方向に湾曲した用紙搬送路31の内側において固定される固定ガイド部を構成する。一方、固定ガイド部31b,31cと、第1可動ガイド部34のガイド部343と、第2可動ガイド部35のガイド部353によって、用紙搬送路31の外側のガイド部が構成される。
固定ガイド部31b,31cと、第1可動ガイド部34のガイド部343と、第2可動ガイド部35のガイド部353は、内側ガイド部31aの湾曲形状に沿って湾曲している。なお、第1可動ガイド部本体341の形状も内側ガイド部31aの湾曲形状に沿うように湾曲している。
【0038】
第1可動ガイド部34は、用紙搬送方向の上流側の端部に設けられた回動軸部342に回動可能に軸支された、第1可動ガイド部本体341を備えている。第1可動ガイド部本体341は、不図示のガイド部駆動機構により上流側を下方に開放するように回動駆動される。回動軸部342は、用紙搬送方向に直交している。各種ローラ及び回動軸部342の一方の端部は、中間装置30内部の裏面30A側に配置された固定板36に取り付けられる。また各種ローラ及び回動軸部342の他方の端部は、中間装置30内部の前面側に配置された固定板37(図6参照)に取り付けられる。
第1可動ガイド部本体341の所定の位置には、係止部材344が回動軸部345によって回動可能に軸支されている。係止部材344は、一方の端部に回動軸部345が軸通されており、他方の端部に鉤状のかぎ部344aが形成されている。
【0039】
係止部材344のかぎ部344aが、図6に示す固定ピン371に掛け止められることにより、第1可動ガイド部本体341が係止され、それにより用紙のガイドが可能となる位置(案内位置)に保持される(ロック状態)。
第1可動ガイド部本体341と第2可動ガイド部本体351がロックされているときは、第1可動ガイド部本体341の先端部341tと、第2可動ガイド部本体351の先端部351tが近接し、対向した状態に配置されている。
【0040】
一方、係止部材344のかぎ部344aが、固定ピン371に掛け止められていない場合、第1可動ガイド部本体341の上流側がその自重により回動軸部342を中心に時計回りに回動し(開放位置)、用紙搬送路31が開放される(ロック解除状態)(図5参照)。
第1可動ガイド部本体341には、レジストローラ317の従動ローラ317bが取り付けられており、第1可動ガイド部本体341の回動に伴って従動ローラ317bが移動する。このように、第1可動ガイド部本体341の開放時に、レジストローラ317の従動ローラ317bが第1可動ガイド部本体341の回動動作と一体に退避し、レジストローラ317の圧接が解除される。
【0041】
第2可動ガイド部35は、用紙搬送路31の中間地点を境に第1可動ガイド部34とおおよそ左右対称の形状であり、第1可動ガイド部34とほぼ同じ要素から構成される。
第2可動ガイド部35の第2可動ガイド部本体351は、用紙搬送方向の上流側の端部に設けられた回動軸部352によって回動可能に軸支されている。第2可動ガイド部本体351は、不図示のガイド部駆動機構により下流側を下方に開放するように回動駆動される。回動軸部352は、用紙搬送方向に直交している。回動軸部352の一方の端部は、中間装置30内部の裏面30A側に配置された固定板36に取り付けられる。また回動軸部352の他方の端部は、中間装置30の前面側に配置された固定板37(図8参照)に取り付けられる。
第2可動ガイド部本体351の所定の位置には、係止部材354が回動軸部355によって回動可能に軸支されている。係止部材354は、一方の端部に回動軸部355が軸通されており、他方の端部に鉤状のかぎ部354aが形成されている。
【0042】
係止部材354のかぎ部354aが、図6に示す固定ピン372に掛け止められることにより、第2可動ガイド部本体351が係止され、それにより用紙のガイドが可能となる位置(案内位置)に保持される(ロック状態)。
【0043】
一方、係止部材354のかぎ部354aが、固定ピン372に掛け止められていない場合、第2可動ガイド部本体351の下流側がその自重により回動軸部352を中心に時計回りに回動し(開放位置)、用紙搬送路31が開放される(ロック解除状態)(図5参照)。
第2可動ガイド部本体351には、搬送ローラ316の従動ローラ316bが取り付けられており、第2可動ガイド部本体351の回動に伴って従動ローラ316bが移動する。このように、第2可動ガイド部本体351の開放時に、搬送ローラ316の従動ローラ316bが第2可動ガイド部本体351の回動動作と一体に退避し、搬送ローラ316の圧接が解除される。
【0044】
第1可動ガイド部本体341の回動軸部345に軸支された操作部346と、第2可動ガイド部本体351の回動軸部355に軸支された操作部356は、第1可動ガイド部本体341と第2可動ガイド部本体351をそれぞれロック位置に戻すために利用される。例えば、ユーザが、第1可動ガイド部本体341と第2可動ガイド部本体351をそれぞれロック位置に戻して操作部346と操作部356を操作すると、係止部材344,354がそれぞれ固定ピン371,372に掛止され、ロック状態となる。レジストローラ317の従動ローラ317bは、操作部346よりも下流側にある回動軸部342に近い位置に配置されている。
【0045】
上述したように、本実施の形態に係る自動経路開放機構32は、用紙搬送路31を開放する第1及び第2可動ガイド部34,35を有する。第1及び第2可動ガイド部34,35は、回動軸部342,352を中心に回動し、用紙を案内するガイド部343,353を備えた第1及び第2可動ガイド部本体341,351と、用紙の案内が可能となる位置に第1及び第2可動ガイド部本体341,351を保持するためのロック機構を備える。さらに、ジャム発生時に第1及び第2可動ガイド部本体341,351のロック状態を解除するロック解除機構と、レジストローラ317の従動ローラ317bを備える。
そして、ジャム発生時に、第1可動ガイド部本体341を開放し、この開放動作と一体にレジストローラ317の従動ローラ317bが移動することにより、レジストローラ317の圧接が解除される。これと同時に、第2可動ガイド部本体351を開放し、この開放動作と一体に搬送ローラ316の従動ローラ316bが移動することにより、搬送ローラ316の圧接が解除される。このような構成とすることにより、用紙搬送路31に残留した用紙が収容部33に収容され、ユーザはこれらの用紙を集約して除去することができる。
【0046】
なお、用紙搬送路31に配置された搬送ローラ315の上流側に、カール矯正ローラ314(カール矯正部の一例)が設けられている。さらに、カール矯正ローラ314の上流側には、用紙のカールの方向及びカールの程度を検出するカール検出部(不図示)が設置されている。カール矯正ローラ314は、カール検出部による検出結果に基づき、例えば硬度の異なるローラ対を使用して用紙のカールを矯正する。カール矯正部は、その他の例としてコロとベルトを用いて構成したものでもよい。
【0047】
[自動経路開放機構のロック解除動作]
次に、自動経路開放機構32のロック解除動作を説明する。
図6は、自動経路開放機構32のロック解除動作の第1の説明図である。
図7は、自動経路開放機構32のロック解除動作の第2の説明図である。
図8は、自動経路開放機構32のロック解除動作の第3の説明図である。
【0048】
中間装置30の前面側に配置された固定板37の前面側の表面に、固定ピン371,372が立設されている。図8に示すように、自動経路開放機構32が開放されていない、すなわち第1可動ガイド部34がロック状態であるとき、第1可動ガイド部34が備える係止部材344のかぎ部344aが固定ピン371に掛止されている。同様に、第2可動ガイド部35が備える係止部材354のかぎ部354aが固定ピン372に掛止されている。
【0049】
ロック解除機構38は、揺動カム381と偏芯カム384を備える。
揺動カム381は、略扇形であり、扇のかなめ部分に相当する位置にある回動軸382に軸支され、回動軸382を中心に変位する。揺動カム381は、所定位置に偏芯カム384を案内するガイド孔383と、ガイドピン387,388を案内するガイド孔385,386が形成されている。ガイドピン387,388は、固定板37の前面側の表面に立設されている。回動軸382に近い側からガイドピン387、ガイドピン388の順に配置されている。
【0050】
偏芯カム384は、揺動カム駆動制御部471の制御の下、不図示の偏芯カム駆動部によって回転軸384aを中心に回転駆動する。偏心カム駆動部としては、モータと各種の機構を組み合わせたものや、各種のアクチュエータを採用することができる。偏芯カム384が回転すると、回転軸384aからガイド孔383の縁までの距離が変化して、ガイド孔383の縁に当接する。それにより、揺動カム381が回動軸382を中心に左右に揺動する。図6に示す揺動カム381の位置は、第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35のいずれのロック状態も解除していないホームポジション(図4参照)である。
【0051】
揺動カム381の外周部の、レジストローラ317の駆動ローラ317aと対向する部分には、駆動ローラ317aの曲面に合わせて凹形状とされた逃げ部381cが形成されている。また、揺動カム381の外周部の、搬送ローラ316の駆動ローラ316aと対向する部分には、駆動ローラ316aの曲面に合わせて凹形状とされた逃げ部381dが形成されている。これらの逃げ部381c,381dにより、揺動カム381が左右に揺動しても、揺動カム381の外周部が各駆動ローラに接触しない。このような形状とすることにより、揺動カム381の小型化につながる。
【0052】
図7に示すように、偏芯カム384が回転して回転軸384aの左側の径が長くなると、揺動カム381が左方向に変位する。それにより、揺動カム381の突部381aが、第1可動ガイド部34が備える係止部材344のかぎ部344aを押し出す。係止部材344のかぎ部344aが押し出されることにより、第1可動ガイド部34のロック状態が解除され、第1可動ガイド部本体341は自重で開放される(図5参照)。
【0053】
図8に示すように、偏芯カム384が図7に示した状態からさらに回転を続け、偏芯カム384の回転軸384aの右側の径が長くなると、揺動カム381が右方向に変位する。それにより、揺動カム381の突部381が、第2可動ガイド部35が備える係止部材354のかぎ部354aを押し出す。係止部材354のかぎ部34aが押し出されることにより、第2可動ガイド部35のロック状態が解除され、第2可動ガイド部本体351は自重で開放される(図5参照)。
【0054】
揺動カム381が右方向への変位により第2可動ガイド部35が備える係止部材354のかぎ部354aを押し出した後、図示しない偏芯カム駆動軸上の位相アクチュエータにより、偏芯カム384はホームポジション(図6参照)まで回転して停止する。
【0055】
以上、図6図8を参照して、中間装置30の前面側に配置された揺動カム381を用いた自動経路開放機構32のロック解除動作について説明したが、揺動カム381を含む自動経路開放機構32は中間装置30内部の裏面30A側にも配置されている。ただし、揺動カム381を含む自動経路開放機構32は、少なくとも裏面30A側又は前面側のいずれかに配置されていればよい。
【0056】
[第1画像形成装置の内部構成]
図9は、画像形成システム1の第1画像形成装置20の内部構成を示すブロック図である。
図9に示すように、第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23、コントローラ24、画像制御基板25、通信部26等を備えて構成されている。第1画像形成装置20は、コントローラ24のLANIF(Local Area Network InterFace)244を介してネットワーク3上の外部装置2と相互にデータが送受信可能に接続されている。
【0057】
画像読取部21は、上述した自動原稿送り部及び読取部と、画像読取制御部210とを備える。画像読取制御部210は、制御部250からの指示に基づいて自動原稿送り部及び読取部等を制御して、複数の原稿の画像を読み取るスキャナ機能を実現させる。画像読取部21により読み取られたアナログ画像データは、読取処理部253に出力され、読取処理部253においてA/D変換され各種画像処理が施される。
【0058】
操作表示部22は、上述したLCD221やタッチパネル等と、操作表示制御部220とを備える。操作表示制御部220は、制御部250から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等を表示する操作画面をLCDに表示させる。また、操作表示制御部220は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネル等から入力される操作信号を制御部250に出力する。
【0059】
プリント部23は、上述した給紙部231、用紙搬送部232、画像形成部233、定着部234(図1参照)等のプリント出力に係る各部と、プリント制御部230とを備える。プリント制御部230は、制御部250からの指示に従って画像形成部233等のプリント部23の各部の動作を制御し、書込処理部258から入力された印刷画像データに基づいて画像形成を行わせる。
【0060】
コントローラ24は、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成システム1に入力されるデータの管理及び制御を行うものである。コントローラ24は、外部装置2からプリント対象のデータ(プリントデータ及びプリント設定データ)を受信し、当該プリントデータを展開して生成した画像データとプリント設定データとを画像制御基板25へ送信する。
コントローラ24は、コントローラ制御部241、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC242、画像メモリ243、LANIF244等から構成される。
【0061】
コントローラ制御部241は、コントローラ24各部の動作を統括的に制御し、LANIF244を介して外部装置2から入力されるプリントデータを展開してビットマップ形式の画像データの生成を行う。
【0062】
DRAM制御IC242は、LANIF244により受信されたプリントデータのコントローラ制御部241への転送や、画像メモリ243に対する画像データ及びプリント設定データの書き込み/読み出しを制御する。また、DRAM制御IC242は、画像制御基板25のDRAM制御IC255とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されている。DRAM制御IC242は、コントローラ制御部241からの指示に従って、プリント対象の画像データ及びプリント設定データを画像メモリ243から読み出してDRAM制御IC255に出力する。
【0063】
画像メモリ243は、DRAM等の揮発性メモリから構成され、画像データ及びプリント設定データを一時的に記憶する。
【0064】
LANIF244は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からプリントデータやプリント設定データを受信する。受信されたプリントデータやプリント設定データは、DRAM制御IC242に出力される。
【0065】
画像制御基板25は、制御部250、不揮発メモリ251、RAM(Random Access Memory)252、読取処理部253、圧縮IC254、DRAM制御IC255、画像メモリ256、伸長IC257、書込処理部258等を備える。
【0066】
制御部250は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ251に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM252に展開する。そして、制御部250は、RAM252に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第1画像形成装置20の各部を集中制御する。
【0067】
また、第1画像形成装置20がメイン機に設定されていることから、制御部250は、画像形成システム1を構成する各装置から、各装置の状態を示す信号を通信部26を介して受信する。そして、制御部250は、当該各装置の状態を示す信号に基づいて画像形成システム1全体を統括的に制御する。例えば、第2画像形成装置40内でのエラー(JAM発生、用紙切れ、トナー不足等)を示す信号を受信した場合には、当該エラーに応じた表示信号や動作指示信号を生成し、当該生成した信号を操作表示部22や第2画像形成装置等へ送信する。
【0068】
また、制御部250は、外部装置2からコントローラ24を介して入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び操作表示部22により設定された設定情報、に基づいてジョブデータ及び圧縮画像データを生成する。そして、制御部250は、生成したジョブデータ及び圧縮画像データに基づいて、第2画像形成装置40と協働してジョブを実行する。
【0069】
ジョブとは、画像形成に関する一連の動作であり、例えば、所定ページの原稿からなる複写物を作成する場合には、所定ページの原稿の画像形成に関する一連の動作が1ジョブである。このジョブの動作を実行するためのデータがジョブデータである。
【0070】
ジョブデータは、ジョブ情報とページ情報とを含む。
ジョブ情報は、全ページに共通する情報である。例えば、ジョブ情報は、ジョブの設定部数、排紙トレイ、応用機能(集約、リピート等)、カラー/モノクロ等を含む。
ページ情報は、各ページの圧縮画像データと関連付けられており、関連付けられた圧縮画像データに係る情報である。例えば、ページ情報は、ページ番号、画像サイズ(縦、横)、画像の向き、画像の幅、画像の回転角度、画像が形成される用紙の種類、当該用紙が格納されている給紙トレイ、プリントモード(両面モード/片面モード)、圧縮画像データの格納アドレス等を含む。
【0071】
不揮発メモリ251は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データ等を記憶する。また、不揮発メモリ251は、給紙装置10、第1画像形成装置20の給紙部、第2画像形成装置40の給紙部が、それぞれ備える給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報を記憶している。
【0072】
RAM252は、制御部250により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
また、RAM252は、コントローラ24から入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び当該画像データが取得される際に操作表示部22により設定された設定情報、に基づいて制御部250により生成されたジョブデータを一時的に記憶する。
【0073】
読取処理部253は、画像読取部21から入力されるアナログ画像データに、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC254に出力される。
【0074】
圧縮IC254は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC255に出力する。
【0075】
DRAM制御IC255は、制御部250からの指示に従って、圧縮IC254による画像データの圧縮処理及び伸長IC257による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ256への画像データの入出力制御を行う。
【0076】
例えば、DRAM制御IC255は、画像読取部21により読み取られた画像データの保存指示が制御部250から入力されると、読取処理部253に入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。また、DRAM制御IC255は、コントローラ24のDRAM制御IC242から画像データが入力されると、当該画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させ、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。
【0077】
更に、DRAM制御IC255は、圧縮メモリ256aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部250から入力されると、圧縮メモリ256aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC257により伸長処理を施してページメモリ256bに記憶させる。さらに、ページメモリ256bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ256bから画像データを読み出して書込処理部258に出力する。
【0078】
画像メモリ256は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ256aとページメモリ256bとを備える。圧縮メモリ256aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ256bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶、又は、コントローラから受信した画像データを圧縮前に一時的に記憶するためのメモリである。
【0079】
伸長IC257は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0080】
書込処理部258は、DRAM制御IC255から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部23に出力する。
【0081】
通信部26は、画像形成システム1を構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスである。例えば、通信部26は、NIC(Network Interface Card)等を用いて第2画像形成装置40と通信を行い、また、給紙装置10及び中間装置30とシリアル通信を行なう。
【0082】
[第2画像形成装置の内部構成]
図10は、画像形成システム1の第2画像形成装置40の内部構成を示すブロック図である。
図10に示すように、第2画像形成装置40は、プリント部43、画像制御基板45、通信部46等を備えて構成されている。
【0083】
プリント部43は、第1画像形成装置20のプリント部23と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0084】
画像制御基板45は、制御部450、不揮発メモリ451、RAM452、DRAM制御IC455、画像メモリ456、伸長IC457、書込処理部458等を備える。
【0085】
制御部450は、CPU等から構成され、不揮発メモリ451に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM452に展開する。そして、制御部250は、RAM452に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第2画像形成装置40及び中間装置30の各部を集中制御する。
【0086】
不揮発メモリ451は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データ等を記憶する。また、不揮発メモリ451は、給紙装置10、第2画像形成装置40の給紙部、第1画像形成装置20の給紙部、それぞれが備える給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報を記憶している。
【0087】
RAM452は、制御部450により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
また、RAM452には、通信部46を介して第1画像形成装置20から入力されたデータが一時的に記憶される。
【0088】
DRAM制御IC455は、制御部450からの指示に従って、伸長IC457による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ456への画像データの入出力制御を行う。
【0089】
例えば、DRAM制御IC455は、通信部46からジョブデータ及び圧縮画像データが入力されると、ジョブデータをRAM452に、圧縮画像データを画像メモリ456の圧縮メモリ456aにそれぞれ記憶させる。
また、DRAM制御IC455は、圧縮メモリ456aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部450から入力されると、圧縮メモリ456aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC457により伸長処理を施してページメモリ456bに記憶させる。さらに、ページメモリ456bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ456bから画像データを読み出して書込処理部458に出力する。
【0090】
画像メモリ456は、DRAMから構成される圧縮メモリ456aとページメモリ456bとを備える。圧縮メモリ456aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ456bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶するためのメモリである。
【0091】
伸長IC457は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0092】
書込処理部458は、DRAM制御IC455から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部43に出力する。
【0093】
通信部46は、画像形成システム1を構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスである。例えば、通信部46は、NIC等を用いて第1画像形成装置20と通信を行い、また、中間装置30及び後処理装置50とシリアル通信を行なう。
【0094】
揺動カム駆動制御部471は、制御部450の制御の下、揺動カム381(図6参照)を揺動させる偏芯カム384の駆動を制御するための制御信号を生成し、通信部46を介して、該制御信号を偏芯カム駆動部(図示略)へ送る。
【0095】
カール矯正ローラ駆動制御部472は、制御部450の制御の下、搬送された用紙のカールを矯正するカール矯正ローラ314の駆動を制御するための制御信号を生成し、通信部46を介して、該制御信号をカール矯正ローラ駆動部(図示略)へ送る。
【0096】
濃度センサ信号処理部473は、制御部450の制御の下、濃度センサ319が搬送されてくる用紙に形成された画像の濃度を測定した結果として出力するセンサ信号を、通信部46を介して受信し、所定の信号処理を行い制御部450に送る。制御部450は、濃度センサ信号処理部473から送られた信号を受信し、濃度センサ319の測定結果に基づいて、第2画像形成装置40で形成する画像の濃度を調整する。一例としてテストパターン画像のガンマカーブの補正を行う。
【0097】
また制御部450は、扉開閉検知センサ30dが出力する扉開閉検知信号を通信部46を介して受信し、該扉開閉検知信号に基づいて自動経路開放機構32の駆動を制御する。
【0098】
なお、揺動カム駆動制御部471、カール矯正ローラ駆動制御部472、及び濃度センサ信号処理部473を制御部450とは別体として説明したが、これらの機能の全部又は一部を制御部450が備えていてもよい。
【0099】
(ジャム処理)
次に、中間装置30にジャムが発生した場合に行うジャム処理を説明する。
図11は、中間装置30におけるジャム用紙除去処理を示すフローチャートである。
まず、第2画像形成装置40の制御部450は、ジャム信号の有無により画像形成システム1でジャムが発生したか否かを判定し、ジャムが発生しない場合はこの判定処理を継続する(ステップS1)。
【0100】
ステップS1の判定処理でジャムが発生した場合は、制御部450は、受信したジャム信号に基づき、ジャムが中間装置30内、又はその上流側の装置(例えば第1画像形成装置20)を起因に発生したか否かを判定する(ステップS2)。ジャムが中間装置30内、又はその上流側の装置を起因に発生した場合は、制御部450は、即座に用紙の搬送を停止し、ユーザに対しジャム用紙及び残留紙の処理を指示するメッセージを操作表示部22のLCD221に表示する制御を行う。
【0101】
ステップS2の判定処理においてジャムが中間装置30内、又はその上流側の装置を起因に発生したものではない場合は、制御部450は、揺動カム駆動制御部471を駆動制御し、偏芯カム384の動作を開始する。そして、制御部450は、偏芯カム384を回転させて揺動カム381を左右に揺動し、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35のロック状態を解除し、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を開放する(ステップS3)。これにより、レジストローラ317と搬送ローラ316のそれぞれの圧接が解除される。
【0102】
制御部450は、中間装置30内、又はその上流側の装置内の残留紙を搬送する。そして、中間装置30の第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を開放した後の用紙搬送路31から、残留紙を集中的に収容部33に排出する。同時に、制御部450は、揺動カム381をホームポジションへ復帰させる(ステップS4)。
【0103】
次に、制御部450は、収容部33へ排出した残留紙の処理と、及び開放した第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35の戻しを指示するメッセージを、操作表示部22のLCD221に表示する制御を行う(ステップS5)。
【0104】
そして、制御部450は、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35が、用紙のガイドが可能となる位置(案内位置)に戻されたか否かを検出する(ステップS6)。このステップS6の処理が終了したら中間装置30のジャム処理を終了する。
【0105】
この第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35が案内位置に戻されたか否かの検出は、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35の位置を検出する位置検出部(図示略)を設けることで実現できる。
位置検出部は、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35の各々の近傍に設けられる。例えば、位置検出部として位置検出スイッチを適用できる。第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35が案内位置(ロック状態)に戻されたときに、位置検出スイッチが第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35と当接したことを検出し、検出信号を制御部450に出力するようにしてもよい。あるいは、位置検出部に回転検出センサ(ロータリーエンコーダ)を適用してもよい。回転検出センサが操作部346,356又はかぎ部344a,354aの回転角度を検出し、その回転の角度から、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35の戻りを検出するようにしてもよい。
【0106】
このように、ジャム発生時、レジストローラ317と搬送ローラ316の圧接が解除されるため、用紙搬送路31に停止した用紙を破ることなく簡単に取り除くことができる。なお、上述した例では、ジャムが中間装置30内、又はその上流側の装置を起因に発生した場合に、即座に用紙の搬送を停止し、ジャム用紙及び残留紙の処理を指示したが、この例に限られない。例えば、用紙搬送路31のうち第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35に対応する位置からその上流側のジャムが発生した位置までの残留紙を、第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35を開放して収容部33に排出するようにしてもよい。
【0107】
図11の例では、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を自動で開放することを想定して説明したが、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を手動で開放してもよい。
例えば、制御部450は、扉開閉検知センサ30dの検知結果から中間装置30の前扉が開けられたか否かを判定する。そして、中間装置30の前扉が開けられた場合は、制御部450は、揺動カム駆動制御部471を駆動制御し、偏芯カム384を回転させて揺動カム381を左右に揺動する。この処理により、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35のロック状態が解除され、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35が開放され、レジストローラ317と搬送ローラ316の圧接が解除される。ユーザは、用紙搬送路31から排出されて収容部33に収容されたジャム用紙を除去し、ジャム処理を終了する。
【0108】
(用紙搬送路上のレジスト部)
次に、用紙搬送路31上のレジスト部について説明する。
画像形成システム1の第1及び第2画像形成装置20,40と中間装置30は、それぞれ用紙の斜行を補正するレジスト部を備える。本実施の形態では、第2画像形成装置40はレジスト部としてレジストローラ433aと搬送ローラ434a、また中間装置30はレジスト部としてレジストローラ317と搬送ローラ316を備えている。これらのレジスト部は、上流側の搬送ローラからレジストローラに用紙を押し込み、レジストローラと搬送ローラとの間で用紙にループを形成することによって用紙に斜行補正を行う。
【0109】
中間装置30のレジスト部は、図4に示すように、略Uの字形状の湾曲部を持つ用紙搬送路31に設けられている。中間装置30のレジスト部の用紙搬送路31は、湾曲しているため、用紙搬送路31内の用紙にループが形成されている状態に近い。一方、第2画像形成装置40のレジスト部の用紙搬送路は略直線である。したがって、中間装置30のレジスト部の用紙搬送路31は、第2画像形成装置40のものよりも曲率が大きくなっている。
そのため、中間装置30では、第2画像形成装置40の直線的な用紙搬送路に設けられたレジスト部で形成されるループ形成量よりもさらにループ形成量を多くする。湾曲した用紙搬送路31内においてループ形成量が少ないと、搬送ローラ316からの押し込み力が不足し、用紙に対し十分な斜行補正を行うことができないからである。
【0110】
図12は、第2画像形成装置40のレジスト部の概略構成図である。
図13は、中間装置30のレジスト部の概略構成図である。
図12に示すように、第2画像形成装置40のレジスト部では、レジストローラ433aの上流側に、それぞれ板状の下側ガイド部435uと上側ガイド部435tを有する。下側ガイド部435uと上側ガイド部435tと間には、ループさせた用紙を収めるループ形成用空間436が形成されている。
図13に示すように、中間装置30のレジスト部では、レジストローラ317の上流側に、内側ガイド部31aと第1可動ガイド部本体341のガイド部343を有する。内側ガイド部31aとガイド部343との間には、ループさせた用紙を収めるループ形成用空間347が形成されている。
【0111】
図14は、第2画像形成装置40のレジスト部により形成するループを説明する模式図である。
図15は、中間装置30のレジスト部により形成するループを説明する模式図である。
本実施の形態では、ループ形成量は、「レジストローラ対と搬送ローラ対との間(レジスト部)の用紙のループ長さ」と「レジストローラ対と搬送ローラ対との間(レジスト部)の用紙搬送路長」の差分で表される。
中間装置30のレジスト部は、第2画像形成装置40のレジスト部よりも用紙のループ形成量を多くするため、ループ形成量は下記条件式を満たしている。
【0112】
【数1】

ただし、lp、d、lp、dは以下のとおりである。
lp:第2画像形成装置40のレジスト部における用紙のループ長
:第2画像形成装置40のレジスト部におけるレジストローラ433aのニップ
部から搬送ローラ434aのニップ部までの用紙搬送路長
lp:中間装置30のレジスト部における用紙のループ長
中間装置30のレジスト部におけるレジストローラ317のニップ
部から搬送ローラ316のニップ部までの用紙搬送路長
【0113】
このように、中間装置30のレジスト部は、下流側の画像形成装置(第2画像形成装置40)のレジスト部よりも用紙に与えるループ形成量を多くする。これにより、湾曲している用紙搬送路31においても、用紙に対する斜行補正能力を確保することができる。
【0114】
なお、中間装置30のレジスト部のループ形成用空間347は、第2画像形成装置40のレジスト部のループ形成用空間436よりも広くすることがより望ましい。それにより、搬送ローラによる用紙の送り量が多くなり、ループ形成量が増える。
【0115】
図13に示すように、中間装置30のレジスト部を構成する下流側のガイド部343と上流側のガイド部353は分割されており、下流側のガイド部343と内側ガイド部31a間の隙間を上流側のガイド部353と内側ガイド部31a間のものよりも広くすることがより望ましい。それにより、ループ形成の空間に余裕が与えられる。
【0116】
[画像形成システムの変形例]
図16は、本発明の一実施の形態に係る画像形成システム1の全体構成の変形例を示す概略図である。
図16に示す画像形成システム1は、第1画像形成装置20と中間装置30の間に、中間装置60が配置されている。すなわち、中間装置60は、用紙搬送方向において、第1画像形成装置20の下流側、かつ、中間装置30の上流側に設置されている。本実施の形態では、中間装置60は、第1画像形成装置20からの指示に従って、第1画像形成装置20から搬送された用紙を、中間装置30へと搬送する。
【0117】
中間装置60は、搬送路切替部61aや反転ローラ等を有する反転部61、画像形成済みの用紙を格納(スタック)するスタック部62等を備えている。
【0118】
中間装置30へ搬送する用紙の表裏を反転させる必要がある場合には、搬送路切替部61aの切替動作によって、第1画像形成装置20から搬送された用紙が反転部61に搬送され、反転部61の反転ローラよって当該用紙はスイッチバックされることにより表裏反転され、中間装置30へと搬送される。
【0119】
用紙の表裏を反転させる必要がない場合には、搬送路切替部61aの切替動作によって、第1画像形成装置20から搬送された用紙は反転部61へ搬送されず、表裏が反転されずに中間装置30へ搬送される。
【0120】
また、第1画像形成装置20から搬送された用紙を一時的に格納させる必要がある場合には、第1画像形成装置20から搬送された用紙がスタック部62に一時的に格納される。なお、中間装置60は、第1画像形成装置20から搬送された用紙を排出する排紙トレイを備えていてもよい。
【0121】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明した。しかしながら、上記実施の形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0122】
上述した実施の形態では、第1及び第2画像形成装置20,40から構成された直列タンデム方式の画像形成システム1を説明したが、3台以上の画像形成装置を用いて直列タンデム方式の画像形成システムを構成してもよい。この場合、画像形成システムを構成する複数の画像形成装置のうち、用紙搬送方向において最上流側に設けられた画像形成装置がメイン機、メイン機を除く画像形成装置がサブ機として設定されるものとする。
【0123】
また上述した実施の形態では、中間装置30が自動経路開放機構32を備え、前扉の開放をトリガとして自動的に自動経路開放機構32の第1及び第2可動ガイド部34,35を開放する構成を説明したが、手動で開放するようにしてもよい。
例えば、中間装置30の前扉を開放したときユーザから見える位置にハンドルを設けておき、ユーザがハンドルを操作することにより偏芯カム384が回転して揺動カム381が揺動し、第1及び第2可動ガイド部34,35のロック状態が解除される構成とする。あるいは、第1及び第2可動ガイド部34,35を開放するための操作画面を操作表示部22のLCD221に表示し、ユーザがタッチパネルに入力した操作信号をトリガにして第1及び第2可動ガイド部34,35のロック状態を解除するように構成してもよい。
【0124】
さらに上述した実施の形態では、自動経路開放機構32が第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を備える構成を説明したが、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を一体に構成してもよい。すなわち一つの可動ガイド部に、レジストローラ317の従動ローラ317bと、ループ作成用ローラでもある搬送ローラ316の従動ローラ316bが配置されており、この可動ガイド部が用紙搬送路31付近の回動軸を中心に回動できる構成とする。この可動ガイド部が回動することにより、レジストローラ317の従動ローラ317bと搬送ローラ316の従動ローラ316bが該可動ガイド部と一体に移動し、レジストローラ317と搬送ローラ316の圧接が一緒に解除される。
【符号の説明】
【0125】
1…画像形成システム、 20…第1画像形成装置、 40…第2画像形成装置、 30,60…中間装置、 30A…裏面、 30d…扉開閉検知センサ、 31…用紙搬送路、 31a…内側ガイド部、 31b,31c…固定ガイド部、 314…カール矯正ローラ、 315,316,318…搬送ローラ、 316a…駆動ローラ、 316b…従動ローラ、 317…レジストローラ、 317a…駆動ローラ、 317b…従動ローラ、 318…搬送ローラ、 319…濃度センサ、 32…自動経路開放機構、 33…収容部、 34…第1可動ガイド部、 341…第1可動ガイド部本体、 341t…先端部、 342…回動軸部、 343…ガイド部、 344…係止部材、 344a…かぎ部、 345…回動軸部、 346…操作部、 35…第2可動ガイド部、 351…第2可動ガイド部本体、 351t…先端部、 352…回動軸部、 353…ガイド部、 354…係止部材、 354a…かぎ部、 355…回動軸部、 356…操作部、 371,372…固定ピン、 38…ロック解除機構、 381…揺動カム、 381a,381b…突部、 382…回動軸、 383…ガイド孔、 384…偏芯カム、 384a…回転軸、 385,386…ガイド孔、 387,388…ガイドピン、 436…ループ形成用空間
図1
図2
図3
図4
図5
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