(54)【発明の名称】非接触給電用パッドの製造方法、その製造方法により製作される非接触給電用パッド、およびその非接触給電用パッドを用いたフォークリフトの非接触充電システム
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
位置決めのための複数個の補助部材によって、磁束経路が形成される予定の第1方向とその第1方向に直交する第2方向に対して位置決めされるように、床板上に磁性体を配置する工程と、
前記床板と前記床板の外周部に設けられた側板とで囲まれた空間内に接着性の樹脂を注入する工程と、
渦状に巻かれた2つのコイルのそれぞれの中央部が前記磁性体にそれぞれ重なるように、前記第1方向に並べて前記2つのコイルを配置する工程と、
前記床板と前記側板で囲まれた空間を蓋で覆う工程と、
を具備することを特徴とする非接触給電用パッドの製造方法。
磁性体を配置する工程において、前記第1方向に複数個の磁性体を当接させて並べることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
磁性体を配置する工程において、前記第2方向に間隔をあけて設けられた前記補助部材に従い、前記第2方向に間隔をあけて複数個の磁性体を配置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
磁性体を配置する工程において、前記第2方向に複数個の磁性体を当接させて並べることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
前記2つのコイルを配置する工程において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面と同じか、又はそれよりも低い箇所で、前記各コイルの一部が前記補助部材に重なるように、前記2つのコイルを配置することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
前記2つのコイルを配置する工程において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高い箇所で、前記各コイルの中央部に形成されている空間から前記補助部材が突出するように、前記2つのコイルを配置することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
前記2つのコイルを配置する工程において、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端の外方に、前記各コイルの2段以上に巻かれた部分がそれぞれ配置され、かつ、前記磁性体の上面に、前記各コイルの1段に巻かれた部分がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
磁性体を配置する工程において、前記磁性体に設けられた穴に前記補助部材を差し込むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に、前記磁性体の上面に接する第2の磁性体を配置する工程をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に、前記磁性体の上面に接する第2の磁性体を配置する工程をさらに具備し、前記第2の磁性体を配置する際に、前記第2の磁性体に設けられた第2の穴に、前記磁性体の上面から突出する前記補助部材を差し込むことを特徴とする請求項12に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
前記2つのコイルをそれぞれ形成する導線が配置される領域を除いた領域において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高いことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドの製造方法。
前記第1方向に直交する第2方向に間隔をあけて配置された複数個の磁性体を備え、これらの磁性体の間に前記補助部材が設けられていることを特徴とする請求項17または18に記載の非接触給電用パッド。
前記補助部材の高さが前記磁性体の上面と同じか、又はそれよりも低い箇所で、前記各コイルの一部が前記補助部材に重なるように、前記2つのコイルが配置されていることを特徴とする請求項17ないし20のいずれか1項に記載の非接触給電用パッド。
前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高い箇所で、前記各コイルの中央部に形成されている空間から前記補助部材が突出するように、前記2つのコイルが配置されていることを特徴とする請求項17ないし21のいずれか1項に記載の非接触給電用パッド。
前記2つのコイルがそれぞれ、上下に2段以上に巻かれた部分と、1段に巻かれた部分を有し、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端の外方に、前記各コイルの2段以上に巻かれた部分がそれぞれ配置され、かつ、前記磁性体の上面に、前記各コイルの1段に巻かれた部分がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項17ないし22のいずれか1項に記載の非接触給電用パッド。
前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に配置され、かつ前記磁性体の上面に接する第2の磁性体をさらに備えることを特徴とする請求項17ないし24のいずれか1項に記載の非接触給電用パッド。
前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に配置され、かつ前記磁性体の上面に接する第2の磁性体をさらに備え、前記第2の磁性体に設けられた第2の穴に、前記磁性体の上面から突出する前記補助部材が差し込まれていることを特徴とする請求項24に記載の非接触給電用パッド。
前記2つのコイルをそれぞれ形成する導線が配置される領域を除いた領域において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高いことを特徴とする請求項17ないし26のいずれか1項に記載の非接触給電用パッド。
前記2次側の非接触給電用パッドを予め保持し、かつ前記1次側の非接触給電用パッドを前記2次側の非接触給電用パッドに対向させて収納可能な隙間を形成するパッド収納部を備えた第2の筐体が、前記フォークリフトに配設されていることを特徴とする請求項29に記載のフォークリフトの非接触充電システム。
前記2次側の非接触給電用パッドが、前記バッテリの収納空間を覆う前記フォークリフトの背面カバーの内側の空間に固定されていることを特徴とする請求項29に記載のフォークリフトの非接触充電システム。
前記1次側の非接触給電用パッドの側板が、前記支持台に設けられた凹部を覆う天板に、弾性体を介して接合されて、その凹部内に前記天板から前記1次側の非接触給電用パッドが吊り下げられていることを特徴とする請求項32に記載のフォークリフトの非接触充電システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特許文献2に開示されている電力伝達パッドを実際に使用するときには、磁心と2つのコイルを筐体内に収納して使用することが考えられる。この場合、電力伝達パッドを製作する際に、筐体内の床面上で磁心が位置決めされている必要がある。磁心が位置決めされていないと、磁心の上面にコイルを配置するときに、磁心と2つのコイルとの間の相対的位置が所定の位置からズレるおそれがあるためである。この電力伝達パッドにおいて、有意な水平磁束成分が提供される電力伝達パッドの前面からの距離(給電範囲または給電距離)を決める因子の一つは、2つの磁極領域間の距離であり、2つの磁極領域は各コイルの中心ないしは中央部に設定されるので、2つのコイルが磁心に対して所定の位置に配置されていることが、パッドの性能にとって重要となる。しかし、上記した特許文献2に開示されている電力伝達パッドは、筐体内の床面上で磁心が位置決めされていないので、磁心と2つのコイルとの間で位置ズレが起こり易く、その製作が困難であった。
【0008】
また、上記したように、特許文献2に開示されているパッドは、磁心と各コイルとの間で位置ズレが起こり易く、所望の給電範囲または給電距離が得られないおそれがある。このため、フォークリフトの非接触充電システムに、特許文献2に開示されているパッドを用いると、1次側のパッドの給電範囲内に2次側のパッドが配置されず、そのためにフォークリフトに搭載されたバッテリの充電が行われないという問題が起こるおそれがある。
【0009】
本発明は、非接触給電用パッドの製作中に2つのコイルと磁性体との間の位置ズレが起こり難い非接触給電用パッドの製造方法と、その製造方法により製作される非接触給電用パッド、およびその非接触給電用パッドを用いたフォークリフトの非接触充電システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、
位置決めのための複数個の補助部材によって、磁束経路が形成される予定の第1方向とその第1方向に直交する第2方向に対して位置決めされるように、床板上に磁性体を配置する工程と、
前記床板と前記床板の外周部に設けられた側板とで囲まれた空間内に接着性の樹脂を注入する工程と、
渦状に巻かれた2つのコイルのそれぞれの中央部が前記磁性体にそれぞれ重なるように、前記第1方向に並べて前記2つのコイルを配置する工程と、
前記
床板と前記側板で囲まれた空間を蓋で覆う工程と、
を具備することを特徴とするものである。
【0011】
上記方法によれば、非接触給電用パッドの製造中に、補助部材によって、床板上で磁性体が所望の位置に規制されているので、コイルと磁性体との間の位置ズレが起こり難く、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製作が容易となる。また、上記方法によれば、接着性の樹脂によってコイルと磁性体が固定される。したがって、コイルと磁性体との間の位置ズレが起こり難い非接触給電用パッドを提供できる。また、磁性体とコイルの固定に樹脂を使用する場合、樹脂を注入する際に、樹脂の流動によって磁性体が移動するおそれがある。この問題に対し、上記方法によれば、樹脂の注入時に補助部材が磁性体の位置を規制しており、樹脂の流動による磁性体の移動は起こらない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、
磁性体を配置する工程の前に、
複数本の第1ピンが立設された第1治具を、前記複数本の第1ピンに対応する位置に複
数の第1ピン挿入口が形成された
床板に接近させて、前記複数の第1ピン挿入口に前記複
数本の第1ピンを挿入し、前記
床板から前記複数本の第1ピンを突出させる工程と、
前記
床板から突出する前記複数本の第1ピンに前記補助部材を取り付ける工程
を具備し、
前記
床板と前記側板で囲まれた空間を蓋で覆う工程の後に、前記第1治具を前記
床板か
ら離して、前記複数本の第1ピンを前記複数の第1ピン挿入口から抜く工程を具備する
ことを特徴とするものである。
【0013】
上記方法によれば、例えば、補助部材を床板に接着性の樹脂等で固定する場合に比べて、補助部材を所定の位置により容易に配置できる。また、例えば、補助部材が一体形成された床板を使用する場合、そのような床板を作製するための設備が必要となるが、上記方法によれば、そのような設備が不要となる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、
前記
床板と前記側板で囲まれた空間を蓋で覆う工程の後に、
複数の第2ピン挿入口が形成された蓋に、前記複数の第2ピン挿入口に対応する位置に複数本の第2ピンが立設された第2治具を接近させ、前記複数の第2ピン挿入口に前記複数本の第2ピンを挿入して、前記
床板と前記側板と前記蓋で囲まれた空間へ前記複数本の第2ピンを突出させ、前記2つのコイルをそれぞれ形成する導線が配置された位置から外れた複数個所で、前記補助部材に前記第2ピンを差し込む工程と、
前記第2治具を前記蓋から離して、前記複数本の第2ピンを前記複数の第2ピン挿入口から抜く工程
を具備することを特徴とするものである。
【0015】
上記方法によれば、補助部材を垂直に取り付けることが第1ピンだけでは困難な場合でも、第1ピンと第2ピンを併用することにより、補助部材を垂直に取り付けることが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、
前記
床板と前記側板で囲まれた空間を蓋で覆う工程の前に、複数の第2ピン挿入口が形成された蓋に、前記複数の第2ピン挿入口に対応する位置に複数本の第2ピンが立設された第2治具を接近させ、前記複数の第2ピン挿入口に前記複数本の第2ピンを挿入する工程を具備し、
前記
床板と前記側板で囲まれた空間を蓋で覆う工程において、前記
床板と前記側板と前記蓋で囲まれた空間へ前記複数本の第2ピンを突出させ、前記2つのコイルをそれぞれ形成する導線が配置された位置から外れた複数個所で、前記補助部材に前記第2ピンを差し込み、
前記
床板と前記側板で囲まれた空間を蓋で覆う工程の後に、前記第2治具を前記蓋から離して、前記複数本の第2ピンを前記複数の第2ピン挿入口から抜く工程を具備する
ことを特徴とするものである。
【0017】
上記方法によれば、補助部材を垂直に取り付けることが第1ピンだけでは困難な場合でも、第1ピンと第2ピンを併用することにより、補助部材を垂直に取り付けることが可能となる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発明であって、磁性体を配置する工程において、前記第1方向に複数個の磁性体を当接させて並べることを特徴とするものである。
非接触給電用パッドを製作する際に既存の磁性体を用いる場合、一つの磁性体を用いるのみでは所望の給電範囲または給電距離が得られないときには、複数個の磁性体を使用する必要がある。上記方法によれば、所望の磁束経路を形成するのに複数個の磁性体が必要な場合でも、非接触給電用パッドの製造中に、床板上で複数個の磁性体が所望の位置に規制されているので、これら複数個の磁性体はバラバラになり難い。よって、非接触給電用パッドの製造中にコイルと磁性体との間の位置ズレが起こり難くなるので、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製作が容易となる。また、磁束経路が通る方向に複数個の磁性体を当接させて並べるので、小規模な漏洩磁束を防止できる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発明であって、磁性体を配置する工程において、前記第2方向に間隔をあけて設けられた前記補助部材に従い、前記第2方向に間隔をあけて複数個の磁性体を配置することを特徴とするものである。この方法によれば、所望の磁束経路を形成するのに複数個の磁性体が必要な場合でも、非接触給電用パッドの製造中に、床板上で複数個の磁性体が所望の位置に規制されているので、これら複数個の磁性体はバラバラになり難い。よって、非接触給電用パッドの製造中にコイルと磁性体との間の位置ズレが起こり難くなるので、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製作が容易となる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発明であって、磁性体を配置する工程において、前記第2方向に複数個の磁性体を当接させて並べることを特徴とするものである。この方法によれば、所望の磁束経路を形成するのに複数個の磁性体が必要な場合でも、非接触給電用パッドの製造中に、床板上で複数個の磁性体が所望の位置に規制されているので、これら複数個の磁性体は、ばらばらになり難い。よって、非接触給電用パッドの製造中にコイルと磁性体との間の位置ズレが起こり難くなるので、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製作が容易となる。さらに、非接触給電用パッドのコンパクト化(面積の削減)を図ることが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発明であって、前記2つのコイルを配置する工程において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面と同じか、又はそれよりも低い箇所で、前記各コイルの一部が前記補助部材に重なるように、前記2つのコイルを配置することを特徴とするものである。この方法によれば、補助部材によってコイルの配置が制約されずに済む。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発明であって、前記2つのコイルを配置する工程において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高い箇所で、前記各コイルの中央部に形成されている空間から前記補助部材が突出するように、前記2つのコイルを配置することを特徴とするものである。この方法によれば、非接触給電用パッドの製造中に、補助部材が、コイルを配置する位置の目印となるので、コイルと磁性体との間の位置ズレがより発生し難くなる。したがって、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製造がより容易となる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明であって、接着性の樹脂を注入する工程が、前記2つのコイルを配置する工程以降に行われることを特徴とするものである。この方法によれば、非接触給電用パッドの製造中に補助部材が2つのコイルの位置を規制するので、2つのコイルの配置後に接着性の樹脂を注入することが可能となる。
【0024】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の発明であって、前記2つのコイルを配置する工程において、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端の外方に、前記各コイルの2段以上に巻かれた部分がそれぞれ配置され、かつ、前記磁性体の上面に、前記各コイルの1段に巻かれた部分がそれぞれ配置されることを特徴とするものである。
前記した特許文献2に開示されている電力伝達パッドは、各磁極領域の周囲にそれぞれ、平面的かつ螺旋状にコイルを巻いて構成されているため、パッドの平面的な広がりが大きく、パッドの外形寸法が大きくなる。これに対し、上記方法によれば、前記した特許文献2に開示の如くコイルを横一列に巻いたパッドと比較して、パッドの平面的な寸法を短くできる。また、磁性体を通る磁束経路の両端外方においてコイルが磁性体に近づくので、磁性体の起磁力が強くなり、性能が向上する。
【0025】
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の発明であって、磁性体を配置する工程において、前記磁性体に設けられた穴に前記補助部材を差し込むことを特徴とするものである。この方法によれば、補助部材を配置する領域を削減でき、非接触給電用パッドのコンパクト化(面積の削減)を図ることが可能となる。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の発明であって、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に、前記磁性体の上面に接する第2の磁性体を配置する工程をさらに具備することを特徴とするものである。この方法によれば、磁極領域に第2の磁性体が設けられて磁性体の起磁力が強くなり、性能が向上する。
【0027】
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の発明であって、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に、前記磁性体の上面に接する第2の磁性体を配置する工程をさらに具備し、前記第2の磁性体を配置する際に、前記第2の磁性体に設けられた第2の穴に、前記磁性体の上面から突出する前記補助部材を差し込むことを特徴とするものである。この方法によれば、磁極領域に第2の磁性体が設けられて磁性体の起磁力が強くなり、性能が向上する。
【0028】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の発明であって、前記2つのコイルをそれぞれ形成する導線が配置される領域を除いた領域において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高いことを特徴とするものである。この方法によれば、非接触給電用パッドの蓋に荷重が加えられたときに、補助部材によって蓋が支えられるので、割れ等が発生し難くなる。
【0029】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明であって、前記第1方向における前記床板の中央部で、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高いことを特徴とするものである。この方法によれば、非接触給電用パッドの蓋に荷重が加えられたときに、割れ等がより発生し難くなる。
【0030】
また前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項17に記載の発明は、
床板と、前記床板の外周部に設けられた側板と、前記床板と前記側板で囲まれた空間を覆う蓋と、を含む筐体と、
前記床板上に配置された磁性体と、
前記磁性体を囲む複数個の補助部材と、
それぞれ渦状に巻かれており、それぞれの中央部が前記磁性体に重なり、かつ磁束経路が形成される第1方向に並べて配置された2つのコイルと、
前記床板と前記側板とで囲まれた空間内に充填された接着性の樹脂と、
を備えることを特徴とするものである。
【0031】
上記構成によれば、磁束を発生し、または受ける非接触給電用パッドとして、外形が低く実質的に平面状のパッドを提供できる。また、コイルと磁性体との間の位置ズレの発生が少ないパッドを提供できる。
【0032】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の発明であって、前記第1方向に当接して並ぶ複数個の磁性体を備えることを特徴とするものである。この構成によれば、複数個の磁性体がバラツクことなく配置されたパッドを提供できる。また、磁束経路が通る方向に複数個の磁性体が当接して並ぶので、小規模な漏洩磁束を防止できる。
【0033】
請求項19に記載の発明は、請求項17または18に記載の発明であって、前記第1方向に直交する第2方向に間隔をあけて配置された複数個の磁性体を備え、これらの磁性体の間に前記補助部材が設けられていることを特徴とするものである。この構成によれば、複数個の磁性体がバラツクことなく配置されたパッドを提供できる。
【0034】
請求項20に記載の発明は、請求項17または18に記載の発明であって、前記第1方向に直交する第2方向に当接して並ぶ複数個の磁性体を備えることを特徴とするものである。この構成によれば、複数個の磁性体がバラツクことなく配置されたパッドを提供できる。また、非接触給電用パッドのコンパクト化(面積の削減)を図ることが可能となる。
【0035】
請求項21に記載の発明は、請求項17ないし20のいずれか1項に記載の発明であって、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面と同じか、又はそれよりも低い箇所で、前記各コイルの一部が前記補助部材に重なるように、前記2つのコイルが配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、補助部材によってコイルの配置が制約されずに済む。
【0036】
請求項22に記載の発明は、請求項17ないし21のいずれか1項に記載の発明であって、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高い箇所で、前記各コイルの中央部に形成されている空間から前記補助部材が突出するように、前記2つのコイルが配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、コイルと磁性体との間の位置ズレの発生がより少ないパッドを提供できる。
【0037】
請求項23に記載の発明は、請求項17ないし22のいずれか1項に記載の発明であって、前記2つのコイルがそれぞれ、上下に2段以上に巻かれた部分と、1段に巻かれた部分を有し、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端の外方に、前記各コイルの2段以上に巻かれた部分がそれぞれ配置され、かつ、前記磁性体の上面に、前記各コイルの1段に巻かれた部分がそれぞれ配置されていることを特徴とするものである。この構成によれば、前記した特許文献2に開示の如くコイルを横一列に巻いたパッドと比較して、パッドの平面的な寸法を短くできる。また、磁性体を通る磁束経路の両端外方においてコイルが磁性体に近づいているので、磁性体の起磁力が強くなり、性能が向上する。
【0038】
請求項24に記載の発明は、請求項17ないし23のいずれか1項に記載の発明であって、前記磁性体に設けられた穴に差し込まれた補助部材を備えることを特徴とするものである。この構成によれば、補助部材を配置する領域を削減でき、非接触給電用パッドのコンパクト化(面積の削減)を図ることが可能となる。
【0039】
請求項25に記載の発明は、請求項17ないし24のいずれか1項に記載の発明であって、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に配置され、かつ前記磁性体の上面に接する第2の磁性体をさらに備えることを特徴とするものである。この構成によれば、磁極領域に第2の磁性体が設けられているので、磁性体の起磁力が強くなり、性能が向上する。
【0040】
請求項26に記載の発明は、請求項24に記載の発明であって、前記磁性体が配置された全領域のうちの前記第1方向の両端部に配置され、かつ前記磁性体の上面に接する第2の磁性体をさらに備え、前記第2の磁性体に設けられた第2の穴に、前記磁性体の上面から突出する前記補助部材が差し込まれていることを特徴とするものである。この構成によれば、磁極領域に第2の磁性体が設けられているので、磁性体の起磁力が強くなり、性能が向上する。
【0041】
請求項27に記載の発明は、請求項17ないし26のいずれか1項に記載の発明であって、前記2つのコイルをそれぞれ形成する導線が配置される領域を除いた領域において、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高いことを特徴とするものである。この構成によれば、非接触給電用パッドの蓋に荷重が加えられたときに、補助部材によって蓋が支えられるので、割れ等が発生し難くなる。
【0042】
請求項28に記載の発明は、請求項27に記載の発明であって、前記第1方向における前記床板の中央部で、前記補助部材の高さが前記磁性体の上面よりも高いことを特徴とするものである。この構成によれば、非接触給電用パッドの蓋に荷重が加えられたときに、割れ等がより発生し難くなる。
【0043】
また前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項29に記載の発明は、
交流電源に接続される1次側の非接触給電用パッドと、
バッテリが搭載されたフォークリフトに配設された2次側の非接触給電用パッドと、
前記フォークリフトに配設され、前記2次側の非接触給電用パッドから送られてくる電流を整流する整流器と、
を備え、
前記1次側および2次側の非接触給電用パッドが、請求項17〜28のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドであり、
前記1次側の非接触給電用パッドから前記2次側の非接触給電用パッドへ非接触で電力を供給して、前記フォークリフトに搭載された前記バッテリを充電する
ことを特徴とするものである。
【0044】
上記構成によれば、前記した特許文献2に開示された電力伝達パッドと比較して、磁性体とコイルとの間で位置ズレが起こり難く、かつ所望の給電範囲または給電距離が得られ易いパッドを使用できるので、フォークリフトに搭載されたバッテリの充電をより確実に実現できる。
【0045】
請求項30に記載の発明は、請求項29に記載の発明であって、前記2次側の非接触給電用パッドを予め保持し、かつ前記1次側の非接触給電用パッドを前記2次側の非接触給電用パッドに対向させて収納可能な隙間を形成するパッド収納部を備えた第2の筐体が、前記フォークリフトに配設されていることを特徴とするものである。この構成によれば、運転者の技量にかかわらず、確実にフォークリフトのバッテリに非接触で給電できる。加えて、2次側の非接触給電用パッドの配置の自由度が向上する。また、1次側の非接触給電用パッドを地中に埋設したり、壁や柱に固定する必要がなくなり、1次側の非接触給電用パッドの敷設にかかる時間及び費用を減じせしめることができる。
【0046】
請求項31に記載の発明は、請求項29に記載の発明であって、前記2次側の非接触給電用パッドが、前記バッテリの収納空間を覆う前記フォークリフトの背面カバーの内側の空間に固定されていることを特徴とするものである。この構成によれば、フォークリフト内部に2次側の非接触給電用パッドを設置することが可能となるので、フォークリフトの外部に2次側の非接触給電用パッドが露出せず、外部の環境の影響を2次側の非接触給電用パッドが受けないようにすることが可能となる。また、フォークリフトの空きスペースを利用して2次側の非接触給電用パッドを設置することが可能となる。
【0047】
また前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項32に記載の発明は、
フォークリフトの一方の側部に装着されている車輪が乗ることが可能な支持台と、
前記支持台に設けられて、交流電源に接続される1次側の非接触給電用パッドと、
バッテリが搭載された前記フォークリフトに配設された2次側の非接触給電用パッドと、
前記フォークリフトに配設され、前記2次側の非接触給電用パッドから送られてくる電流を整流する整流器と、
を備え、
前記1次側の非接触給電用パッドが、請求項27または28に記載の非接触給電用パッドであり、
前記2次側の非接触給電用パッドが、請求項17〜28のいずれか1項に記載の非接触給電用パッドであり、
前記フォークリフトの前記一方の側部の下方から前記1次側の非接触給電用パッドによって供給される電力を受電できるよう、前記2次側の非接触給電用パッドが前記フォークリフトの前記一方の側部の下面または下部に設けられており、
前記1次側の非接触給電用パッドから前記2次側の非接触給電用パッドへ非接触で電力を供給して、前記フォークリフトに搭載された前記バッテリを充電する
ことを特徴とするものである。
【0048】
上記構成によれば、前記した特許文献2に開示された電力伝達パッドと比較して、磁性体とコイルとの間で位置ズレが起こり難く、かつ所望の給電範囲または給電距離が得られ易いパッドを使用できるので、フォークリフトに搭載されたバッテリの充電をより確実に実現できる。加えて、フォークリフトが支持台に乗り上げたときに非接触給電用パッドの蓋に荷重が加わっても、非接触給電用パッドの割れ等の不具合が起こり難い。また、1次側の非接触給電用パッドを地中に埋設せずに済むので、1次側の非接触給電用パッドの敷設が容易となり、その敷設にかかる時間及び費用を減じせしめることができる。さらに、2次側の非接触給電用パッドを取り付ける対象が既存のフォークリフトであっても、2次側の非接触給電用パッドをフォークリフトの一方の側部の下面または下部に配設すればよいので、車体の下面または下部に設ける2次側の非接触給電用パッドを、車体の中心線上(車体の幅方向の中央)に配設するのに比べて、2次側の非接触給電用パッドの取り付け及びメンテナンスが容易となる。
【0049】
請求項33に記載の発明は、請求項32に記載の発明であって、前記1次側の非接触給電用パッドの側板が、前記支持台に設けられた凹部を覆う天板に、弾性体を介して接合されて、その凹部内に前記天板から前記1次側の非接触給電用パッドが吊り下げられていることを特徴とするものである。この構成によれば、フォークリフトが支持台に乗り上げたときに非接触給電用パッドの蓋に荷重が加わっても、非接触給電用パッドの割れ等の不具合がより起こり難くなる。
【発明の効果】
【0050】
本発明の非接触給電用パッドの製造方法によれば、非接触給電用パッドの製造中に、床板上で磁性体が所望の位置に規制される。したがって本発明の非接触給電用パッドの製造方法は、非接触給電用パッドの製作中に2つのコイルと磁性体との間の位置ズレが起こり難い、という効果を有している。また本発明の非接触給電用パッドは、コイルと磁性体との間の位置ズレの発生が少ないパッドを提供できる、という効果を有している。また本発明のフォークリフトの非接触充電システムは、磁性体とコイルとの間で位置ズレが起こり難いパッドを使用するので、1次側のパッドの給電範囲内に2次側のパッドが配置されず、そのためにフォークリフトに搭載されたバッテリの充電が行われないという問題が起こり難くなる、という効果を有している。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、同じ構成要素には同じ符号を付与することによって重複する説明を省略する。また、図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を模式的に図示している。なお、以下の実施の形態で示す各構成要素の形状や材料や個数、コイルのターン数、補助部材やフェライトの配置等は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、以下の実施の形態で示す各構成要素の組み合わせは一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で、適宜、組み合わせることが可能である。
【0053】
以下、本実施の形態における非接触給電用パッドの製造方法について、
図1を参照して説明する。
図1は本実施の形態における非接触給電用パッドの製造方法を説明するための斜視図である。
【0054】
まず、立設する複数本の第1ピン2と、立設する複数本の側板位置決めピン3が設けられた第1治具1の面に、アルミニウム等の金属材からなる薄い板状の背面プレート4を接近させる。背面プレート4には、複数本の第1ピン2に対応する複数の貫通孔と、複数本の側板位置決めピン3に対応する複数の貫通孔が形成されており、第1治具1と背面プレート4の接近にともない、複数本の第1ピン2がこれらの各々に対応する貫通孔に挿入されて背面プレート4から突出するとともに、複数本の側板位置決めピン3がこれらの各々に対応する貫通孔に挿入されて背面プレート4から突出する。
【0055】
次に、複数本の第1ピン2と複数本の側板位置決めピン3が突出する背面プレート4の面に、例えば樹脂からなる
床板5を接近させて、背面プレート4上に
床板5を配置する。
床板5には、複数本の第1ピン2に対応する複数の貫通孔(第1ピン挿入口の一例)と、複数本の側板位置決めピン3に対応する複数の貫通孔が形成されており、背面プレート4と
床板5の接近にともない、複数本の第1ピン2がこれらの各々に対応する
床板5の貫通孔に挿入されて、
床板5から突出する一方で、複数本の側板位置決めピン3がこれらの各々に対応する
床板5の貫通孔に挿入されて、
床板5から突出する。このとき、複数本の側板位置決めピン3は、
床板5の外周部から突出する。本実施の形態では、
床板5は、平面視したときの外形が矩形状であり、4本の側板位置決めピン3が、
床板5の四隅から突出する。
【0056】
次に、
床板5から突出する各第1ピン2に、位置決めのための補助部材6を取り付ける。本実施の形態では、補助部材6は中空形状であり、
床板5から突出する各第1ピン2に補助部材6が差し込まれる。補助部材6の材質には、例えばアルミニウムやセラミック等を使用することができる。
【0057】
次に、複数個の補助部材6が立設する床板5の面(床面)に、複数個のフェライト(磁性体の一例)7が配置される。このとき、複数個のフェライト7は、複数個の補助部材6の間に配置されて、それぞれが複数個の補助部材6によって囲まれる。これにより、磁束経路が形成される予定の第1方向とその第1方向に直交する第2方向に、複数個のフェライト7が位置決めされる。
【0058】
次に、床板5の外周部に、例えば樹脂からなる側板8を配置する。このとき、
床板5の外周部または側板8の下端面に、接着性の樹脂を塗布しておくのが好適である。側板8には、複数本の側板位置決めピン3に対応する複数の貫通孔が形成されており、床板5の外周部に側板8が配置される際に、複数本の側板位置決めピン3がこれらの各々に対応する側板8の貫通孔に差し込まれる。これにより、側板8が床板5の外周部に位置決めされる。また、側板位置決めピン3を使用することにより、側板8が側板位置決めピン3によって所定の位置に案内されるので、側板8の配置が容易になる。なお、本実施の形態では2分割された側板8を使用するが、無論、分割されていない側板を使用してもよいし、3つ以上に分割された側板8を使用してもよい。
【0059】
その後、図示しないが、床板5と側板8で囲まれた空間内に接着性の樹脂を注入する。このとき、複数個の補助部材6は第1治具1の複数本の第1ピン2によって水平方向への移動が規制されており、複数個のフェライト7は、複数個の補助部材6によって水平方向への移動が規制されている。したがって、注入された樹脂の流動によって、複数個の補助部材6と複数個のフェライト7が水平方向へ動くことはない。同様に、側板8も水平方向へ動くことはない。
【0060】
次に
図1に示すように、予め渦状に巻かれた2つのコイル9、10のそれぞれの中央部がフェライト7にそれぞれ重なるように、前記した第1方向に並べて2つのコイル9、10を配置する。このとき、床板5と側板8で囲まれた空間内に接着性の樹脂が充填されているので、2つのコイル9、10は樹脂の中に埋め込まれる。
【0061】
次に、
床板5と側板8で囲まれた空間を、例えば樹脂からなる蓋11で覆う。このとき、側板8の上端面または蓋11の外周部に、接着性の樹脂が塗布されているのが好適である。蓋11には複数の貫通孔(第2ピン挿入口の一例)が形成されている。これら複数の貫通孔は、複数本の第1ピン2が床板5から突出する位置のうち、2つのコイル9、10をそれぞれ形成する導線に重なる位置を除いた位置に開口している。
【0062】
次に、蓋11に第2治具12を接近させる。第2治具12には、蓋11の複数の貫通孔に対応する位置に複数本の第2ピン13が立設されており、第2治具12は、複数本の第2ピン13が蓋11の複数の貫通孔に挿入されるように、蓋11に接近する。これにより、
床板5と側板8と蓋11で囲まれた空間へ複数本の第2ピン13が突出して、複数個の補助部材6の一部に第2ピン13が差し込まれる。具体的には、第2ピン13は、2つのコイル9、10をそれぞれ形成する導線に重なる位置を除いた位置に配置された補助部材6に差し込まれる。
【0063】
本実施の形態では、
図1に示すように、蓋11の外周部に側板8を確実に配置するために、蓋11の外周部に複数の貫通孔が形成されており、その蓋11の外周部の複数の貫通孔に対応する複数本の側板位置決めピン14が、第2治具12に立設している。第2治具12の複数本の側板位置決めピン14は、第2治具12が蓋11に接近することにより、蓋11の外周部の複数の貫通孔に挿入されて、側板8の複数の貫通孔に差し込まれる。ここでは、第1治具1の側板位置決めピン3が挿入された側板8の複数の貫通孔に、第1治具1の側板位置決めピン3とは反対側(側板8の上端面側)から、第2治具12の側板位置決めピン14が挿入される。
【0064】
その後、図示しないが、第1治具1を背面プレート4から離す一方で、第2治具12を蓋11から離すことにより、第1治具1の複数本の第1ピン2と複数本の側板位置決めピン3を背面プレート4と床板5から抜き、第2治具12の複数本の第2ピン13と複数本の側板位置決めピン14を蓋11から抜く。この作業(工程)は、
床板5と側板8と蓋11で囲まれた空間に充填されている接着性の樹脂が乾いて硬化した後に実施するのが好適である。また、床板5と側板8の下端面との間や、蓋11と側板8の上端面との間に、接着性の樹脂が塗布されている場合には、それらの接着性の樹脂も乾いてから、第1治具1と第2治具12を離すのが好適である。
【0065】
最後に、図示しないが、蓋11の貫通孔から、対応する背面プレート4の貫通孔までボルトを通して、そのボルトの先端を背面プレート4の貫通孔に螺着させるか、または、そのボルトの先端を背面プレート4の外部でナット等の受け具に螺着させることにより、背面プレート4と床板5と側板8と蓋11を結合する。但し、背面プレート4と床板5と側板8と蓋11を強固に結合できる数のボルトを使用すればよいので、背面プレート4と床板5と側板8と蓋11を強固に結合するのに、蓋11の貫通孔の全てにボルトを通さなくてもよい場合には、蓋11の貫通孔のうち所定の貫通穴にのみボルトを通してもよい。
【0066】
なお、蓋11の貫通穴と第2治具12の第2ピン13は、背面プレート4と床板5と側板8と蓋11を強固に結合するためにボルトを通すことが必要な位置にのみ対応させて設けてもよい。また、この実施の形態では、蓋11の側から背面プレート4へ向けてボルトを通したが、背面プレート4の側から蓋11へ向けてボルトを通してもよい。この場合、蓋11の貫通孔にナット等の受け具を装着しておくか、または、蓋11の外部でボルトの先端にナット等の受け具を螺着させる。また、側板8の固定にボルトを使用しない場合は、第1治具1の側板位置決めピン3とは異なる位置で、第2治具12の側板位置決めピン14を側板8に差し込んでもよい。また、この場合、側板位置決めピン3、14が挿入される孔は貫通孔である必要はない。
【0067】
以上のように、本実施の形態では、位置決めのための複数個の補助部材6によって、磁束経路が形成される予定の第1方向とその第1方向に直交する第2方向に対して位置決めされるように、床板5上に複数個のフェライト7が配置された後、床板5と、床板5の外周部に設けられた側板8と、で囲まれた空間内に接着性の樹脂が注入される。次ぎに、渦状に巻かれた2つのコイル9、10のそれぞれの中央部がフェライト7にそれぞれ重なるように、前記した第1方向に並べて2つのコイル9、10が配置された後、
床板5と側板8で囲まれた空間が蓋11で覆われる。この非接触給電用パッドの製造方法によれば、非接触給電用パッドの製造中に、補助部材6によって、床板5上でフェライト7が所望の位置に規制されるので、コイル9、10とフェライト7との間の位置ズレが起こり難くなり、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製作が容易となる。また、接着性の樹脂によって2つのコイル9、10とフェライト7が固定されるため、コイル9、10とフェライト7との間の位置ズレが起こり難い非接触給電用パッドを提供できる。また、コイル9、10とフェライト7の固定に樹脂を使用する場合、樹脂を注入する際に、樹脂の流動によってフェライト7が移動するおそれがある。この問題に対し、本実施の形態によれば、樹脂の注入時に補助部材6がフェライト7の位置を規制しているので、樹脂の流動によるフェライト7の移動が起こらない。また、樹脂の注入後に2つのコイル9、10が配置されるので、2つのコイル9、10の移動も起こらない。さらに、床板5上で立設する複数個の補助部材6に従って複数個のフェライト7を配置すればよいので、複数個のフェライト7の位置決めが容易となる。つまり、床板5上で立設する複数個の補助部材6によって複数個のフェライト7が所定の位置へ案内される。
【0068】
また、本実施の形態では、フェライト7が配置される前に、複数本の第1ピン2が立設された第1治具1が、複数本の第1ピン2に対応する位置に複数の貫通孔(第1ピン挿入口の一例)が形成された
床板5に接近して、
床板5の複数の貫通孔に複数本の第1ピン2が挿入され、
床板5から複数本の第1ピン2が突出し、その
床板5から突出する複数本の第1ピン2に補助部材6が取り付けられる。そして、
床板5と側板8で囲まれた空間が蓋11で覆われた後に、第1治具1が
床板5から離れて、複数本の第1ピン2が床板3の複数の貫通孔から抜かれる。したがって、第1治具1を用いて床板5から複数の第1ピン2を突出させ、これら複数の第1ピン2に補助部材6を取り付ければよいので、非接触給電用パッドの製造中に、補助部材6を所定の位置に容易に配置することができる。
なお、第1ピン2に補助部材6を取り付ける代わりに、床板5に補助部材6を接着性の樹脂等で固定してもよい。但し、本実施の形態のように第1ピン2に補助部材6を取り付けることにより、補助部材6を所定の位置により容易に配置できる。また例えば、第1ピン2に補助部材6を取り付ける代わりに、補助部材6が一体形成された床板5を使用してもよい。但し、この場合、そのような床板を作製するための設備ないしは作業が必要となる。これに対し、上記した非接触給電用パッドの製造方法は、そのような設備ないしは作業が不要となるので、より好適である。
【0069】
また、本実施の形態では、
床板5と側板8で囲まれた空間が蓋11で覆われた後に、複数の貫通孔(第2ピン挿入口の一例)が形成された蓋11に、その蓋11の複数の貫通孔に対応する位置に複数本の第2ピン13が立設された第2治具12が接近して、蓋11の複数の貫通孔に複数本の第2ピン13が挿入され、
床板5と側板8と蓋11で囲まれた空間へ複数本の第2ピン13が突出して、2つのコイル9、10をそれぞれ形成する導線が配置された位置から外れた複数個所で、補助部材6に第2ピン13が差し込まれる。その後、第2治具12が蓋11から離れて、複数本の第2ピン13が蓋11の複数の貫通孔から抜かれる。これによれば、補助部材6を垂直に取り付けることが第1ピン2だけでは困難な場合でも、第1ピン2と第2ピン13を併用することにより、補助部材6を垂直に取り付けることが可能となる。
なお、
床板5と側板8で囲まれた空間が蓋11で覆われる前に、複数の貫通孔(第2ピン挿入口の一例)が形成された蓋11に、その蓋11の複数の貫通孔に対応する位置に複数本の第2ピン13が立設された第2治具12を接近させて、蓋11の複数の貫通孔に複数本の第2ピン13を挿入し、
床板5と側板8で囲まれた空間を蓋11で覆う際に、
床板5と側板8と蓋11で囲まれた空間へ複数本の第2ピン13を突出させ、2つのコイル9、10をそれぞれ形成する導線が配置された位置から外れた複数個所で、補助部材6に第2ピン13を差し込んでもよい。
【0070】
また、複数個のフェライト7を床板5上に配置した後に側板8を床板5の外周部に配置したが、複数個のフェライト7を配置する前に側板8を床板5の外周部に配置してもよいし、側板8が一体形成された床板5を使用してもよい。但し、複数のフェライト7を配置する前に側板8が床板5の外周部に設けられていると、複数個のフェライト7を床板5上に配置する作業のスペースが狭まるので、複数個のフェライト7を床板5上に配置した後に側板8を床板5の外周部に配置するのが好適である。また側板8が一体形成された床板5を使用する場合、そのような
床板5を製造するための設備ないしは作業が必要となる。これに対し、上記した非接触給電用パッドの製造方法では、そのような設備ないしは作業が不要となるので、より好適である。
【0071】
また、蓋11と側板8と床板5と背面プレート4をボルトによって固定したが、蓋11と側板8と床板5からなる筐体内に充填された接着性の樹脂によって、これら蓋11と側板8と床板5を固定し、背面プレート4側からボルトを挿入して、背面プレート4と床板5のみを、ボルトによって固定してもよい。あるいは、かしめ等によって構造的に背面プレート4と床板5を固定してもよいし、背面プレート4と床板5の固定にも、接着性の樹脂が使用されてもよい。また、側板8と床板5の固定と、側板8と蓋11の固定に、接着性の樹脂のみが使用される場合、側板位置決めピン3、14を使用しなくてもよい。ただし、側板位置決めピン3を使用することにより、側板8を床板5の外周部に容易に位置決めすることができる。また、側板位置決めピン14を使用することにより、蓋11の外周部に側板8を確実に配置することができる。
【0072】
また、上記した非接触給電用パッドの製造方法では、所定の補助部材6にボルトを通して、蓋11と床板5と背面プレート4を結合するので、ボルトを貫通させる補助部材6は、垂直に立設している必要がある。これに対して、上記した非接触給電用パッドの製造方法では、補助部材6の両方向からピン2、13が挿入されるので、ボルトを貫通させる補助部材6の姿勢を垂直に維持することができる。なお、第1治具1に、補助部材6の姿勢を垂直に維持できる高さの第1ピン2を設けることができる場合には、第2ピン13を用いなくてもよい。
【0073】
続いて、上記した非接触給電用パッドの製造方法によって製作される非接触給電用パッドの一例について説明する。
図2は本実施の形態における非接触給電用パッドの内部構造を説明するための斜視図である。ただし、説明のために、上記したコイル9、10と接着性の樹脂と蓋11は図示されていない。
図2に示すように、複数個のフェライト7は、複数個の補助部材6の間に配置されて、それぞれが複数個の補助部材6によって囲まれる。本実施の形態では、磁束経路が形成される第1方向に複数個のフェライト7が当接して並んでいる。さらに、前記した第1方向に直交する第2方向に間隔をあけて設けられた補助部材6に従い、その第2方向に間隔をあけて複数個のフェライト7が配置されている。したがって、その第2方向において隣接するフェライト7間に補助部材6が配置される。また、補助部材6には、フェライト7の上面よりも高い補助部材6a、6b、6cと、フェライト7の上面と同じ高さか、またはフェライト7の上面よりも低い高さの補助部材6dが使用される。本実施の形態では、補助部材6a、6b、6cは、側板8の上端面と同じ高さであり、補助部材6dはフェライト7の上面と同じ高さである。また、補助部材6dは、上記したコイル9、10を形成する導線に重なる位置に配置される。
非接触給電用パッドを製作する際に既存のフェライトを用いる場合、1個のフェライトを用いるのみでは所望の給電範囲または給電距離が得られないときには、例えば
図2に示すように複数個のフェライト7を使用する必要がある。本実施の形態によれば、所望の磁束経路を形成するのに複数個のフェライト7が必要な場合でも、非接触給電用パッドの製造中に、床板5上で複数個のフェライト7が所望の位置に規制されているので、これら複数個のフェライト7はバラバラになり難い。よって、非接触給電用パッドの製造中に上記したコイル9、10とフェライト7との間の位置ズレが起こり難くなるので、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製作が容易となる。また、磁束経路が通る第1方向に複数個のフェライト7が当接して並ぶので、小規模な漏洩磁束を防止できる。
【0074】
図3は本実施の形態における非接触給電用パッドの内部構造を示す平面図であり、詳しくは、上記した蓋11を外した状態の非接触給電用パッドを示している。また、
図4は
図3のA−A断面図である。
図3に示すように、前記した第1方向に繋がる複数個のフェライト7からなるフェライトの列が、その第1方向に直交する第2方向に複数列配置されており、
図4に示すように、フェライト7の各列の両端部にそれぞれ磁極領域15、16が設定され、各コイル9、10がそれぞれ、
図3に示すように、前記した各磁極領域15、16の周囲に、フェライト7の各列の端の外方からフェライト7の各列の上面に渡って渦状(螺旋状)に巻かれている。本実施の形態では、各コイル9、10はそれぞれ、
図4に示すように、フェライト7の各列の上面において平面的に1段に巻かれ、フェライト7の各列の端の外方において、上下に2段に巻かれている。なお、巻線数は8本としている。
【0075】
また、
図3、
図4に示すように、側板8の上端面と同じ高さの補助部材6a、6bが、各コイル9、10の中央部に形成されている空間から突出している。また、前記した第1方向における床板5の中央部に、側板8の上端面と同じ高さの補助部材6cが配置されている。このように、フェライト7の上面よりも高い補助部材6a〜6cは、2つのコイル9、10をそれぞれ形成する導線が配置される領域を除いた領域に配置されている。なお、図示されていないが、各コイル9、10の一部が、上記したフェライト7の上面と同じ高さの補助部材6dの上を通過している。
【0076】
また、
図3、
図4に示すように、
床板5、側板8及び蓋11からなる筐体内には、前記した接着性の樹脂17が充填されており、各補助部材6、各フェライト7および各コイル9、10が、非接触給電用パッドの筐体内で固定されている。各コイル9、10の両端部はそれぞれ、非接触給電用パッドの筐体の外方に引き出されており、端子18が取り付けられている。
【0077】
なお、コイル9とコイル10の間隙の寸法Sは、コイル9とコイル10の巻き数が一定の下で、有意の水平磁束成分を提供できる非接触給電用パッドの前面からの距離(給電範囲または給電距離)を決める因子の一つであり、その給電範囲(または給電距離)は、寸法Sが長くなるほど、大きくなる。したがって、2つの非接触給電用パッドが離れた位置に配置されて給電が行われる場合には、コイル9とコイル10の間に隙間を広げるのが好適である。
【0078】
以上のように、本実施の形態の非接触給電用パッドは、
床板5と、床板5の外周部に設けられた側板8と、床板5と側板8で囲まれた空間を覆う蓋11と、を含む筐体と、
床板5上に配置された複数個のフェライト7と、
各フェライト7をそれぞれ囲む複数個の補助部材6と、
それぞれ渦状に巻かれており、それぞれの中央部がフェライト7に重なり、かつ磁束経路が形成される第1方向に並べて配置された2つのコイル9、10と、
床板5と側板8とで囲まれた空間内に充填された接着性の樹脂17と、
を備える。この構成によれば、磁束を発生し、または受ける非接触給電用パッドとして、外形が低く実質的に平面状のパッドを提供できる。また、各コイル9、10とフェライト7との間の位置ズレの発生が少ないパッドを提供できる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、補助部材6の高さがフェライト7の上面と同じ箇所で、各コイル9、10の一部が補助部材6に重なるように、2つのコイル9、10が配置されるので、補助部材6によって2つのコイル9、10の配置が制約されずに済む。
また、本実施の形態では、補助部材6の高さがフェライト7の上面よりも高い箇所で、各コイル9、10の中央部に形成されている空間から補助部材6が突出するように、2つのコイル9、10が配置される。したがって、非接触給電用パッドの製造中に、補助部材6(6a、6b)が、各コイル9、10を配置する位置の目印となるので、2つのコイル9、10とフェライト7との間の位置ズレがより発生し難くなる。このため、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製造がより容易となる。なお、フェライト7の上面よりも高い補助部材6a、6bを各コイル9、10の中央部に形成されている空間から突出させる場合、2つのコイル9、10の配置後に接着性の樹脂17を注入してもよい。このようにしても、補助部材6a、6bによって2つのコイル9、10の位置が規制されるので、接着性の樹脂17の流動による各コイル9、10の移動が阻止されて、2つのコイル9、10とフェライト7との間の位置ズレは起こり難くい。
【0080】
また、本実施の形態では、2つのコイル9、10がそれぞれ、上下に2段に巻かれた部分と、1段に巻かれた部分を有し、複数個のフェライト7が配置された全領域のうちの、前記した第1方向の両端の外方に、各コイル9、10の2段に巻かれた部分がそれぞれ配置され、かつ、複数個のフェライト7が配置された領域内では、フェライト7の上面に、各コイル9、10の1段に巻かれた部分がそれぞれ配置される。したがって、前記した特許文献2に開示の如くコイルを横一列に巻いたパッドと比較して、パッドの平面的な寸法を短くできる。また、フェライト7を通る磁束経路の両端外方において各コイル9、10がフェライト7に近づくので、フェライト7の起磁力が強くなり、性能が向上する。なお、フェライト7の起磁力を強くするために、好適には、各コイル9、10の中央部に形成されている空間から突出させる補助部材6の径を可能な限り小さくして、各コイル9、10がフェライト7に、可能な限り近づけるようにする。本実施の形態では、
図2、
図3に示すように、複数個のフェライト7が配置される全領域のうちの、前記した第1方向の両端の外方に設ける補助部材6aの径を、他の補助部材6b〜6dの径よりも細くしている。
【0081】
また、本実施の形態では、2つのコイル9、10をそれぞれ形成する導線が配置される領域を除いた領域に、フェライト7の上面よりも高い補助部材6a〜6cが配置されている。これによれば、蓋11に荷重が加えられたときに、補助部材6a〜6cが蓋11を支持するので、非接触給電用パッドに割れ等の不具合が起こり難くなる。特に、本実施の形態では、前記した第1方向における床板5の中央部に配置された補助部材6cが、フェライト7の上面よりも高いので、蓋11に荷重が加えられたときに起こる非接触給電用パッドの割れ等の不具合を、より確実に防止できる。さらに、本実施の形態では、前記した第1方向に直交する第2方向において隣接するフェライト7間に、フェライト7の上面よりも高い補助部材6b、6cを配置したので、その第2方向において複数個のフェライト7間に隙間を設けない場合に比べて、割れ等の不具合をより確実に防止できる。なお、非接触給電用パッドの蓋11に過大な加重が加えられるおそれがないときには、補助部材6は全て、フェライト7の上面と同じ高さか、またはフェライト7の上面よりも低い高さであってもよい。ただし、各コイル9、10の中央部に形成されている空間内に配置される補助部材6については、フェライト7の上面よりも高くすることで、2つのコイル9、10を配置する位置の目印となるので、フェライト7の上面より高くするのが好適である。
【0082】
なお、補助部材6の配置や数は特に限定されるものではなく、複数個の補助部材6が、複数個のフェライト7の位置を所定の位置に規制できるように配置すればよい。また、フェライト7の上面よりも高い補助部材6の配置も特に限定されるものではなく、2つのコイル9、10をそれぞれ形成する導線が配置される領域を除いた領域に配置されればよい。ただし、フェライト7の上面よりも高い補助部材6の個数が多いほど、蓋11に荷重が加えられたときに起こる非接触給電用パッドの割れ等の不具合の防止が、より一層確実なものとなる。また、フェライト7の上面よりも高い補助部材6の高さは、側板8の上端面と同じ高さに限定されるものではなく、フェライト7の上面よりも高く、かつ、側板8の上端面以下の高さであればよい。ただし、フェライト7の上面よりも高い補助部材6が高いほど、蓋11に荷重が加えられたときに起こる非接触給電用パッドの割れ等の不具合を、より確実に防止できる。
【0083】
また、床板5の底面に、アルミニウム等の金属材からなる薄い板状の背面プレート4が設けられたが、背面プレート4は省略してもよい。ただし、非接触給電用パッドに背面プレート4を設けることにより、フェライト7に欠陥や不具合があった場合に、小規模な漏洩磁束を防止できる。
また、背面プレート4上に床板5を載置したが、背面プレート4を床板として使用して、床板5を省略しても構わない。
また、コイル9またはコイル10を形成する導線が配置される領域から外れた位置にのみ補助部材6を設ける場合には、全ての補助部材6の高さをフェライト7の上面より高くしても構わない。
また、平面視したときの補助部材6の外形は円形に限定されるものではなく、例えば正方形や長方形などの四角形等であってもよい。
また、本実施の形態では、各コイル9、10の巻線数を8本としているが、8本に限ることはない。またフェライト7の各列の端の外方において各コイル9、10を2段としているが、さらに多くの段数、3段、4段とすることも可能である。但し、非接触給電用パッドの厚さを薄くするには2段が好ましい。
また、本実施の形態では、フェライト7の各列の端の外方において各コイル9、10を2段としているが、特許文献2に開示の如く、横一列に巻かれたコイルを、複数個のフェライト7が配置される全領域内に納まるように配置することも可能である。
また本実施の形態では、コイル9、10を2本の導線によって形成しているが、コイル9、10を直列接続する場合には、1本の導線によりコイル9、10を形成してもよい。
【0084】
以上説明した非接触給電用パッドは、可搬であって通常3次元というよりも2次元的に配設でき、例えばフォークリフトの非接触充電に利用することができる。この場合、
図5に示すように、一つのパッドは1次側のパッドとして、高周波電源装置21に接続され、他のパッドは、
図6に示すように、2次側のパッドとしてフォークリフトに備え付けられて、フォークリフトに搭載されているバッテリ22を充電する充電器23に接続される。
詳しくは、1次側のパッドとして使用される非接触給電用パッドの2つのコイル9、10には、
図5に示すように、商用電源24(例えば、AC200V)に接続する高周波電源装置21から高周波電圧が印加される。これにより、
図7に示すように、磁束が、一方の磁極領域15、16からフェライト7の内部を通って他方の磁極領域16、15から出て、空気中を通って一方の磁極領域15、16に到る磁束経路25が形成され、すなわち非接触給電用パッドの上方にアーチ状の磁束経路25が形成され、パッドの前面の上方の有意の距離に有意の水平の磁束成分が提供される。なお、パッドの裏面側には本質的に磁束経路は形成されない。
したがって、2次側のパッドとして使用される非接触給電用パッドが、アーチ状の磁束経路25内に配置されると、1次側のパッドとして使用される非接触給電用パッドに対して上下方向にずれても、また横方向にずれても、その2次側の非接触給電用パッドの2つのコイル9、10に誘導電圧(高周波電圧)が誘起され、充電器23によりバッテリ22が充電される。例えば、
図6に示すように、並列接続された2つのコイル9、10の両端に、これらのコイル9、10とともに高周波電圧の周波数で共振する共振コンデンサ26を接続し、この共振コンデンサ26の両端に充電器23を接続して、バッテリ22を充電する回路を構成してもよい。充電器23は少なくとも整流器を含み、誘導電圧(高周波電圧)を直流電圧(例えば、DC300V)に変換して、バッテリ22を充電する。
【0085】
なお、
図5には、2つのコイル9、10が高周波電源装置21に直接接続された回路構成を示しているが、その2つのコイル9、10と高周波電源装置21との間に、コイル9、10とともに高周波電圧の周波数で共振する共振コンデンサを接続してもよい。この場合、コイル9、10に対して共振コンデンサを並列に接続して並列共振回路を構成してもよいし、直列に接続して直列共振回路を構成してもよい。
また、
図6には、2つのコイル9、10のそれぞれの両端に、1つの共振コンデンサ26が共通に並列接続された回路構成を示しているが、コイル9、10に対して共振コンデンサ26を直列に接続して直列共振回路を構成してもよい。
また、
図5には、2つのコイル9、10を直列に接続した回路構成を示し、
図6には、2つのコイル9、10を並列に接続した回路構成を示しているが、1次側のパッドとして使用される非接触給電用パッドにおいて、2つのコイル9、10は並列に接続されてもよいし、2次側のパッドとして使用される非接触給電用パッドにおいて、2つのコイル9、10は直列に接続されてもよい。
【0086】
続いて、本実施の形態における非接触給電用パッドの変形例について説明する。非接触給電用パッドの内部に配置されるフェライト7の個数や配置は、特に限定されるものではなく、所望の給電範囲または給電距離が得られるように、決定される。
【0087】
例えば、
図2に示すように、磁束経路が形成される第1方向に複数個のフェライト7を配置する代わりに、
図8に示すように、1個の細長い板状のフェライト7を配置してもよい。この場合、フェライト7の位置を規制する補助部材6の数を減らすことができる。したがって
図8に示すように、フェライト7の上面より高い補助部材6a〜6cのみが使用されてもよい。
【0088】
また、例えば
図9に示すように1枚の広い面積のフェライト7が使用されてもよい。この場合、フェライト7の外周に沿ってのみ、複数個の補助部材6を配置すればよいので、補助部材6の数を減らすことができる。したがって
図9に示すように、フェライト7の上面より高い補助部材6a〜6cのみが使用されてもよい。
【0089】
また、例えば
図10や
図11に示すように、磁束経路が形成される第1方向に直交する第2方向において複数個のフェライト7を当接させて並べてもよい。このような構成の非接触給電用パッドを製作する場合も、非接触給電用パッドの製造中に、床板5上で複数個のフェライト7が所望の位置に規制されるので、これら複数個のフェライト7は、ばらばらになり難い。よって、非接触給電用パッドの製造中に2つのコイル9、10とフェライト7との間の位置ズレが起こり難くなるので、所期の性能を持つ非接触給電用パッドの製作が容易となる。加えて、フェライト7が配置される全領域の外周に沿ってのみ、複数個の補助部材6を配置すればよいので、補助部材6の数を減らすことができる。したがって、フェライト7の上面より高い補助部材6a〜6cのみが使用されてもよい。さらに、この場合、非接触給電用パッドのコンパクト化(面積の削減)を図ることが可能となる。
【0090】
また、前記した磁極領域15、16にそれぞれ、
図12に示すように、フェライト7の上面に接する板状の第2フェライト(第2の磁性体の一例)19が設けられてもよい。この場合、第2フェライト19は、好適には、下段のフェライト7の端に揃えて配置される。このように、下段のフェライト7が配置された全領域のうちの、前記した第1方向の両端部に、下段のフェライト7の上面に接する第2のフェライト19が配置されることにより、磁極領域15、16にそれぞれ第2フェライト19が設けられてフェライト7、19の起磁力が強くなり、性能が向上する。なお、第2フェライト19は、接着性の樹脂17の樹脂が充填された後に配置されるのが好適である。また、例えば
図13に示すように、接着性の樹脂17は、第2フェライト19の前面(上面)を除いて、非接触給電用パッドの筐体内に充填されて、フェライト7、19やコイル9、10を固定してもよい。
【0091】
また、フェライト7に貫通孔が形成されている場合には、例えば
図14に示すように、そのフェライト7の貫通孔に補助部材6を差し込んでもよい。このようにすれば、補助部材6を配置する領域を削減でき、非接触給電用パッドのコンパクト化(面積の削減)を図ることが可能となる。例えば
図14に示すように、前記した第1方向における両端のフェライト7に形成されている貫通孔に補助部材6bを挿入すれば、
図2に示す補助部材6aを用いずに済み、フェライト7が配置される全領域のうちの、前記した第1方向における両端外方において各コイル9、10をフェライト7により近づけることが可能となる。
同様に、例えば
図15に示すように、下段のフェライト7の上面から突出する補助部材6bが、上段の第2フェライト19に形成された穴に差し込まれてもよい。この場合、下段のフェライト7の上面から突出する補助部材6bによって第2フェライト19の位置を規制することが可能となるので、第2フェライト19は、接着性の樹脂17の樹脂が充填される前に配置されてもよい。
【0092】
続いて、上記説明した非接触給電用パッドを用いたフォークリフトの非接触充電システムについて説明する。以下で説明する非接触充電システムは、既存のカウンタバランス式の電動フォークリフト(バッテリ車)等に搭載されているバッテリ(例えば、鉛蓄電池など)を充電するためのものである。
【0093】
図16は本実施の形態における非接触充電システムの全体構成を説明するための斜視図、
図17は本実施の形態における非接触充電システムの全体構成を説明するための側面図である。
図16および
図17に示す非接触充電システムは、図示しない高周波電源装置(交流電源の一例)に接続される1次側の非接触給電用パッド30aと、バッテリ(例えば、鉛蓄電池など)31とそのバッテリ31を充電する充電器32とが搭載されたフォークリフト33に配設された2次側の非接触給電用パッド30bと、フォークリフト33に配設され、2次側の非接触給電用パッド30bから送られてくる高周波電圧を直流電圧に変換して充電器32へ送る整流器34と、を備え、1次側の非接触給電用パッド30aおよび2次側の非接触給電用パッド30bが、上記説明した非接触給電用パッドであり、1次側の非接触給電用パッド30aから2次側の非接触給電用パッド30bへ非接触で電力を供給して、フォークリフト33に搭載されているバッテリ31を充電する。
さらに、この非接触充電システムは、地面に設置されて、フォークリフト33の一方の側部に装着されている車輪(前輪35aおよび後輪35b)が乗ることが可能な、例えばアルミニウム製の支持台36をさらに備え、1次側の非接触給電用パッド30aが支持台36に設けられており、支持台36(フォークリフト33の一方の側部の下方)から1次側の非接触給電用パッド30aによって供給される電力を受電できるよう、2次側の非接触給電用パッド30bがフォークリフト33の一方の側部の下面または下部に設けられている。
なお、フォークリフト33から1次側の非接触給電用パッド30aの蓋に荷重が加えられたときに起こる1次側の非接触給電用パッド30aの割れ等の不具合を防止できるように、1次側の非接触給電用パッド30aの筐体内に配置される前記した補助部材には、フェライトの上面よりも高い補助部材が含まれる。一方、フォークリフト33に配設される2次側の非接触給電用パッド30bには、フェライトの上面よりも高い補助部材が含まれていても、含まれていなくてもよい。
【0094】
1次側の非接触給電用パッド30aの2つのコイル9、10には、例えば
図5に示すように、商用電源24に接続する高周波電源装置21から高周波電圧が印加される。一方、2次側の非接触給電用パッド30bは、
図17に示すように、整流器34に接続している。既存のフォークリフト33は、商用電源に繋がるケーブルの先端に設けられているプラグが人手によって差し込まれるコネクタを装備しており、そのコネクタは充電器32に接続している。充電器32は少なくとも整流器を含み、商用電源からケーブルを介してコネクタに供給された交流電圧(例えば、AC200V)を直流電圧(例えば、DC300V)に変換して、バッテリ31を充電する。そこで、本実施の形態では、フォークリフト33に装備されているコネクタ(図示せず)に、2次側の非接触給電用パッド30bが整流器34を介して接続する構成としている。この構成によれば、1次側の非接触給電用パッド30aの上方にアーチ状に形成される磁束経路内に2次側の非接触給電用パッド30bが配置されたとき、その2次側の非接触給電用パッド30bの2つのコイル9、10に誘導電圧(高周波電圧)が誘起され、その誘導電圧が整流器34によって直流電圧(例えば、DC300V)となり、その直流電圧がフォークリフト33に装備されているコネクタ(図示せず)に供給される。そして、フォークリフト33に搭載されている充電器32により、フォークリフト33のバッテリ31が充電される。なお、2次側の非接触給電用パッド30bを含む回路は、例えば、
図6に示す回路構成に整流器34を追加した構成としてもよい。すなわち、共振コンデンサ26と充電器23(
図17の充電器32に対応する)との間に整流器34を接続した構成としてもよい。
【0095】
支持台36は、
図16、
図17に示すように平坦な上面36aを有し、フォークリフト33の進行方向に長くなるように構成されている。支持台36の上面36aの長さは、フォークリフト33が所定の充電位置で停止しているときに、フォークリフト33の一方の側部の前輪35aおよび後輪35bが上面36aに同時に乗ることが可能な長さにする。なお、既存の電動フォークリフトのホイールベースは一定ではない。そこで、支持台36の上面36aの長さは、充電対象のフォークリフトのホイールベースに対応させる。上記説明した非接触給電用パッドは、1次側のパッドと2次側のパッドが横方向にずれても、2次側のパッドの2つのコイル9、10に誘導電圧(高周波電圧)が誘起されるので、その許容される横方向のずれ量に合わせて、既存の電動フォークリフトのホイールベースを複数のグループに分けて、各グループごとに支持台36の上面36aの長さを決定することができる。または、支持台36を、複数のパーツを繋げる構成にして、充電対象のフォークリフト33のホイールベースに合せて、地面に載置して繋げるパーツの数を変化させることにより、支持台36の上面36aの長さを変更してもよい。この場合も、上記した許容される横方向のずれ量に合わせて、既存の電動フォークリフトのホイールベースを複数のグループに分けることにより、支持台36を構成するパーツの数を減らすことができる。あるいは、支持台36の上面36aの長さは、既存の電動フォークリフトのホイールベースのうちの最大のホイールベースに対応させてもよい。
【0096】
1次側の非接触給電用パッド30aを支持台36に設ける位置は、例えば、フォークリフト33の前輪35aからの距離によって決定してもよい。このようにすれば、フォークリフト33の前輪35aが所定の位置に停止したときに、支持台36に設けられた1次側の非接触給電用パッド30aから発生する交番磁界によって誘導電圧が誘起される位置に、フォークリフト33に設けられた2次側の非接触給電用パッド30bを配置させることができる。フォークリフト33の前輪35aの位置決めは、上記したように、1次側のパッドと2次側のパッドが横方向にずれても、2次側の2つのコイル9、10に誘導電圧(高周波電圧)が誘起されるので、例えば
図16に示すように、運転者が停止線37を目印にフォークリフト33を停止させることにより実現してもよい。
【0097】
支持台36の高さHは、1次側の非接触給電用パッド30aの厚み(高さ)に依存する。フォークリフト33の一方の側部の前輪35aおよび後輪35bのみが支持台36に乗り、他方の側部に装着されている前輪および後輪が地面に支持される場合、支持台36に乗ったフォークリフト33は傾くので、支持台36の高さが高くなるほど、不安定な状態となるが、上記説明したように、本実施の形態の非接触給電用パッドは、その厚さを薄くすることができるので、本実施の形態によれば、片輪が支持台36に乗り上げて傾斜するフォークリフト33の不安定さを軽減することができる。
支持台36の幅Wは、フォークリフト33の車輪35の幅以上とし、例えば300mmにする。但し、上記したように支持台36に乗ったフォークリフト33は傾くので、その傾斜したフォークリフト33の下面が支持台36に接触しない程度の幅以下にする必要がある。また、前輪35aと後輪35bの内側面と外側面の少なくとも一方の位置が車体の幅方向においてずれているときには、より外側にある外側面と、より内側にある内側面との間の、車体の幅方向における間隔以上に、支持台36の幅Wは設定される。
なお、図示するように、フォークリフト33の支持台36への乗り降りがスムーズになるように、フォークリフト33の進行方向の両端部にスロープ36bを設けてもよい。
【0098】
1次側の非接触給電用パッド30aは、例えば
図18(a)に示すように、弾性体38によって天板39に結合されて、1次側の非接触給電用パッド30aの厚みよりも深くなるように支持台36に形成された凹部40内に、配置されてもよい。詳しくは、1次側の非接触給電用パッド30aの側板が、支持台36に設けられた凹部40を覆う天板39に、弾性体38を介して接合されて、その凹部40内に天板39から1次側の非接触給電用パッド30aが吊り下げられている。この構成によれば、
図18(b)に示すように、フォークリフト33が支持台36に乗ったときに天板39が変形しても、弾性体38によって天板39から吊り下げられた1次側の非接触給電用パッド30aの筐体は変形し難くなる。よって、フォークリフト33が支持台36に乗り上げたときに1次側の非接触給電用パッド30aの蓋に荷重が加わっても、1次側の非接触給電用パッド30aの割れ等の不具合は起こり難い。なお、天板39の材質には、1次側の非接触給電用パッド30aから発生する磁界(磁束)に与える影響が小さいものを選択する。
【0099】
1次側の非接触給電用パッド30aへの高周波電圧の印加は、例えば、フォークリフト33の一方の側部の前輪35aおよび後輪35bが支持台36に乗り上げて、前輪35aが所定の位置で停止した後に、運転者または操作者が、高周波電圧の印加を指示するスイッチを操作することによって開始してもよいし、例えば
図19に示すように、支持台36の凹部40内に反射型フォトインタラプタ41を配置するとともに、天板39に開口部39aを設け、その反射型フォトインタラプタ41から発生する信号に基いて開始してもよい。
【0100】
以上のように本実施の形態の非接触充電システムでは、フォークリフト33の一方の側部に装備されている前輪35aおよび後輪35bが乗り上げる支持台36に1次側の非接触給電用パッド30aが配設され、フォークリフト33の一方の側部の下面または下部に2次側の非接触給電用パッド30bが配設される。
一方、ガレージの床面や駐車場の地面等に固定された1次側のパッドから、車体の下面に設けられた2次側のパッドへ、電力が非接触で伝達される一般的な電気自動車の非接触充電システムでは、車体の中心線上(車体の幅方向の中央)に2次側のパッドが配設される。しかし、非接触で電力を伝達する対象がフォークリフトである場合、フォークリフトの車体の下面に設ける2次側のパッドを、その車体の中心線上に配設すると、地面に固定された1次側のパッドにフォークが接触して、1次側のパッドが破損する虞がある。この問題を回避するには、1次側のパッドを地中に埋設する必要があり、1次側のパッドの敷設工事に時間及び費用を要する。さらに、2次側のパッドを取り付ける対象が既存のフォークリフトである場合、フォークリフトの車体は一般的な電気自動車に比べて重く、また強固であるため、車体の下面に設ける2次側のパッドを、車体の中心線上に取り付ける作業は、困難なものとなる。
【0101】
これらの問題に対し、本実施の形態によれば、1次側の非接触給電用パッド30aを地中に埋設せずに済むので、1次側の非接触給電用パッド30aの敷設が容易となり、その敷設にかかる時間及び費用を減じせしめることができる。さらに、2次側の非接触給電用パッド30bを取り付ける対象が既存のフォークリフト33であっても、2次側の非接触給電用パッド30bをフォークリフト33の一方の側部の下面または下部に配設すればよいので、車体の下面または下部に設ける2次側の非接触給電用パッド30bを、車体の中心線上に配設するのに比べて、2次側の非接触給電用パッド30bの取り付け及びメンテナンスが容易となる。また、支持台36は、フォークリフト33を所定の充電位置へガイドするガイド部としても機能することができ、一般的な電気自動車の非接触充電システムのように、1次側のパッドとは別の場所にガイド部を設ける必要がなく、非接触充電システムの1次側を敷設するのにかかる労力及び費用を減じせしめることができる。
また本実施の形態によれば、片輪が支持台36に乗り上げてフォークリフト33が傾斜するので、フォークリフト33の重心が移動する。よって、支持台36がフォークリフト33から受ける圧力を減じせしめることができる。
【0102】
なお、本実施の形態では、運転者が停止線37を目印にフォークリフト33を停止させる場合について説明したが、例えば
図20に示すように、支持台36に輪止め42を設けることにより、フォークリフト33の前輪35aの位置決めを実現してもよい。また、この場合、
図20に示すように、その輪止め42に接触センサ43を設けて、フォークリフト33の前輪35aが輪止め42に当接することにより接触センサ43から発生する信号によって、1次側の非接触給電用パッド30aへの高周波電圧の印加を開始してもよい。
また本実施の形態では、フォークリフト33の一方の側部に装着されている車輪(前輪35aおよび後輪35b)が乗ることが可能な支持台36のみを地面に設置する場合について説明したが、上記したように、この場合、フォークリフト33が傾き、不安定な状態となる。そこで、
図21に示すように、フォークリフト33が傾斜しないように、フォークリフト33の他方の側部に装着されている車輪が乗ることが可能な支持台44をさらに地面に設置してもよい。この支持台44には、1次側の非接触給電用パッドを設ける必要はない。
【0103】
続いて、支持台36の変形例について説明する。
図22(a)〜
図22(c)は支持台36の変形例を示している。
図22(a)〜
図22(c)に示すように、支持台36の幅Wは一定に限るものではなく、例えば、フォークリフト33が乗り上げる側の端部の幅が広がっていてもよい。このようにすれば、フォークリフト33が曲がりながら支持台36に乗り上げるときにも、フォークリフト33の後輪35bを支持台36に乗せることが容易となる。また、
図22(a)に示すように、幅が広がっている端部の側面にもスロープ36cを設ければ、より容易に、フォークリフト33の後輪35bを支持台36に乗せることができるようになる。
【0104】
続いて、非接触給電用パッドを用いたフォークリフトの非接触充電システムの他例について説明する。上記した非接触充電システムは、車体の下方から非接触でフォークリフト33に給電したが、
図23に示すように、車体の一方の側部または側面に2次側の非接触給電用パッド30bを配設して、車体の一方の側方から非接触でフォークリフト33に給電するようにしてもよいし、
図24に示すように、フォークリフト33の座席33aの後方に2次側の非接触給電用パッド30bを配設して、車体の後方から非接触でフォークリフト33に給電するようにしてもよいし、
図25に示すように、フォークリフト33のヘッドガード33bに2次側の非接触給電用パッド30bを配設して、車体の上方から非接触でフォークリフト33に給電するようにしてもよいし、
図26、
図27に示すように、フォークリフト33の背面カバー33cの裏のスペースに2次側の非接触給電用パッド30bを配設して、車体の後方から非接触でフォークリフト33に給電するようにしてもよい。あるいは、
図28に示すような、2次側の非接触給電用パッド30bを予め保持する筐体52を用いて、その筐体52をフォークリフト33に配設してもよい。なお、これらの非接触充電システムの他例では、フォークリフト33から1次側の非接触給電用パッド30aの蓋に荷重が加えられるおそれがないので、2次側の非接触給電用パッド30bと同様に、1次側の非接触給電用パッド30aの補助部材には、フェライトの上面よりも高い補助部材が含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
【0105】
車体の一方の側方から非接触でフォークリフト33に給電する場合、1次側の非接触給電用パッド30aは、フォークリフト33の側面に対向できるように配設される。例えば
図23に示すように、柱45に固定されて水平方向に突出する支持部材46に、フォークリフト33に配設した2次側の非接触給電用パッド30bと同じ高さ位置で1次側の非接触給電用パッド30aを支持させてもよい。停止線37は、その停止線37を目印に運転者がフォークリフト33を停止させることにより、支持部材46に支持されている1次側の非接触給電用パッド30aから発生する交番磁界によって誘導電圧が誘起される位置に、フォークリフト33に設けられた2次側の非接触給電用パッド30bが配置されるように、地面に引かれている。
【0106】
なお、1次側の非接触給電用パッド30aから発生する有意な磁界の範囲内に2次側の非接触給電用パッド30bが確実に配置されるように、アクチュエータによって突出方向に伸縮可能な支持アームを支持部材46として用いて、1次側の非接触給電用パッド30aが2次側の非接触給電用パッド30bに対して近づいたり、遠ざかったりして、1次側の非接触給電用パッド30aと2次側の非接触給電用パッド30bとの間の間隔を調整できるようにしてもよい。また、停止線37に代えて、フォークリフト33の前輪を位置決めする輪止めを地面に敷設してもよい。あるいは、2次側の非接触給電用パッド30bが1次側の非接触給電用パッド30aから発生する有意な磁界の範囲内に配置されるようにフォークリフト33をガイドする部材として、
図21に示す支持台44を一対地面に設置してもよい。この場合、停止線37に代えて、フォークリフト33の前輪を位置決めする輪止めを一対の支持台44のうちの少なくとも一方に設けてもよい。
【0107】
車体の後方から非接触でフォークリフト33に給電する場合、
図24に示すように、2次側の非接触給電用パッド30bは、フォークリフト33の座席33aの後方の、カウンタウエイト33dの上方に設けられる。この2次側の非接触給電用パッド30bの配設は、例えば、2次側の非接触給電用パッド30bを保持可能な板状部材をフォークリフト33の座席33aの後方に固定することにより実現してもよい。一方、1次側の非接触給電用パッド30aは、フォークリフト33の座席後面に対向できるように配設される。例えば
図24に示すように、壁47に固定されて水平方向に突出する支持部材48に、フォークリフト33に配設した2次側の非接触給電用パッド30bと同じ高さ位置で1次側の非接触給電用パッド30aを支持させてもよい。停止線37は、その停止線37を目印に運転者がフォークリフト33を停止させることにより、支持部材48に支持されている1次側の非接触給電用パッド30aから発生する交番磁界によって誘導電圧が誘起される位置に、フォークリフト33に設けられた2次側の非接触給電用パッド30bが配置されるように、地面に引かれている。
【0108】
なお、1次側の非接触給電用パッド30aから発生する有意な磁界の範囲内に2次側の非接触給電用パッド30bが確実に配置されるように、アクチュエータによって突出方向に伸縮可能な支持アームを支持部材48として用いて、1次側の非接触給電用パッド30aが2次側の非接触給電用パッド30bに対して近づいたり、遠ざかったりして、1次側の非接触給電用パッド30aと2次側の非接触給電用パッド30bとの間の間隔を調整できるようにしてもよい。また、停止線37に代えて、フォークリフト33の後輪を位置決めする輪止めを地面に敷設してもよい。あるいは、2次側の非接触給電用パッド30bが1次側の非接触給電用パッド30aから発生する有意な磁界の範囲内に配置されるようにフォークリフト33をガイドする部材として、
図21に示す支持台44を一対地面に設置してもよい。この場合、停止線37に代えて、フォーリフト33の後輪を位置決めする輪止めを一対の支持台44のうちの少なくとも一方に設けてもよい。
【0109】
車体の上方から非接触でフォークリフト33に給電する場合、1次側の非接触給電用パッド30aはフォークリフト33のヘッドガード33bの上面に対向できるように配設される。例えば
図25に示すように、柱49に固定されて水平方向に突出する支持部材50に、フォークリフト33のヘッドガード33bよりも高い位置で、磁束経路が下方に形成されるように1次側の非接触給電用パッド30aを支持させてもよい。停止線37は、その停止線37を目印に運転者がフォークリフト33を停止させることにより、支持部材50に支持されている1次側の非接触給電用パッド30aから発生する交番磁界によって誘導電圧が誘起される位置に、フォークリフト33に設けられた2次側の非接触給電用パッド30bが配置されるように、地面に引かれている。
【0110】
なお、1次側の非接触給電用パッド30aから発生する有意な磁界の範囲内に2次側の非接触給電用パッド30bが確実に配置されるように、アクチュエータによって突出方向に伸縮可能な支持アームを支持部材50として用いて、1次側の非接触給電用パッド30aが横方向(水平方向)において2次側の非接触給電用パッド30bに対して近づいたり、遠ざかったりして、2次側の非接触給電用パッド30bに対する1次側の非接触給電用パッド30aの横方向(水平方向)の位置を調整できるようにしてもよい。また、停止線37に代えて、フォークリフト33の前輪を位置決めする輪止めを地面に敷設してもよい。また、2次側の非接触給電用パッド30bが1次側の非接触給電用パッド30aから発生する有意な磁界の範囲内に配置されるようにフォークリフト33をガイドする部材として、
図21に示す支持台44を一対地面に設置してもよい。この場合、停止線37に代えて、フォークリフト33の前輪を位置決めする輪止めを一対の支持台44のうちの少なくとも一方に設けてもよい。
【0111】
フォークリフト33の車体の背面に設けられた背面カバー33cの裏のスペースに2次側の非接触給電用パッド30bを設ける場合、
図26に示すように、フォークリフト33の内部に2次側の非接触給電用パッド30bを設置することが可能となる。背面カバー33cは開閉可能であり、背面カバー33cを開くことで、フォークリフト33の車体内部に設置されたバッテリ31のメンテナンスが可能となる。なお、
図26(a)は背面カバー33cが閉じている状態を示し、
図26(b)は背面カバー33cが開いている状態を示している。非接触でフォークリフト33に給電する場合、1次側の非接触給電用パッド30aは、背面カバー33cの裏のスペースに設けられた2次側の非接触給電用パッド30bに対向できるように配設される。例えば
図27に示すように、基台51aと、基台51aから鉛直方向に突出する鉛直柱51bと、鉛直柱51bから水平方向へ突出する支持部材51cからなる台車51を用いて、その台車51の支持部材51cに、フォークリフト33に設けられた2次側の非接触給電用パッド30bに対向できるように1次側の非接触給電用パッド30aを支持させ、台車51を移動させて1次側の非接触給電用パッド30aを2次側の非接触給電用パッド30bに近づけることにより、非接触給電を行ってもよい。背面カバー33cが樹脂製である場合、
図27に示すように、背面カバー33cを閉じたまま、非接触給電を行うことができる。
【0112】
このように、2次側の非接触給電用パッド30bが、バッテリ31の収納空間を覆うフォークリフト33の背面カバー33cの内側の空間に固定されることにより、フォークリフト33の内部に2次側の非接触給電用パッド30bを設置することが可能となるので、フォークリフト33の外部に2次側の非接触給電用パッド30bが露出せず、外部の環境の影響を2次側の非接触給電用パッド30bが受けないようにすることが可能となる。また、フォークリフト33の空きスペースを利用して2次側の非接触給電用パッド30bを設置することが可能となる。
【0113】
なお、
図23に示すように、車体の一方の側部または側面に2次側の非接触給電用パッド30bを配設する場合や、
図24に示すように、フォークリフト33の座席33aの後方に2次側の非接触給電用パッド30bを配設する場合において、例えば
図27に示すように、台車51の支持部材51cに、フォークリフト33に設けられた2次側の非接触給電用パッド30bに対向できるように1次側の非接触給電用パッド30aを支持させ、台車51を移動させて1次側の非接触給電用パッド30aを2次側の非接触給電用パッド30bに近づけることにより、非接触給電を行ってもよい。
【0114】
続いて、2次側の非接触給電用パッド30bを予め保持する筐体52を用いる場合について説明する。この筐体52は、例えば
図28に示すように、1次側の非接触給電用パッド30aを2次側の非接触給電用パッド30bに対向させて収納可能な隙間52aを形成するパッド収納部53を備え、例えば
図29に示すようにフォークリフト33の座席33aの下に配置される。但し、この筐体52を配置する位置は、特に限定されず、例えば
図30に示すようにフォークリフト33の車体の側面に配置してもよいし、例えば
図31に示すように運転席の床に設置してもよいし、例えば
図32に示すように操作台33eの側面に配置してもよい。非接触給電を行うときには、
図28に示すように、1次側の非接触給電用パッド30aを隙間52aに収納する。
【0115】
このように、1次側の非接触給電用パッド30aを2次側の非接触給電用パッド30bに対向させて収納可能な隙間52aが形成された筐体52を用いることで、運転者の技量にかかわらず、確実にフォークリフト33のバッテリ31を充電することが可能となる。加えて、2次側の非接触給電用パッド30bの配置の自由度が向上する。また、1次側の非接触給電用パッド30aを地中に埋設したり、壁や柱に固定する必要がなくなり、1次側の非接触給電用パッド30aの敷設にかかる時間及び費用を減じせしめることができる。
【0116】
なお、筐体52は、
図28に示すように、1次側の非接触給電用パッド30aの後面の全部を覆う構成に限定されるものではない。例えば
図33に示すように、筐体52は、1次側の非接触給電用パッド30aの後面の一部を覆う構成であってもよい。なお、
図33(a)は斜視図、
図33(b)は平面図(上面図)、
図33(c)は側面図、
図33(d)は正面図である。
【0117】
以上のように本実施の形態によれば、フェライト7とコイル9、10との間で位置ズレが起こり難く、所望の給電範囲または給電距離が得られ易いパッドを使用しているので、フォークリフトに搭載されたバッテリの充電をより確実に実現できる。また、フェライト7の各列の端の外方において各コイル9、10を2段以上とすることにより、1次側および2次側の非接触給電用パッド30aおよび30bの起磁力が強くなり、性能を向上できる。
【0118】
なお、本実施の形態では、カウンタバランス式の電動フォークリフト(バッテリ車)を例に、フォークリフトの非接触充電システムを説明したが、本実施の形態におけるフォークリフトの非接触充電システムは、例えば
図34に示すように、リーチ式の電動フォークリフト(バッテリ車)54にも適用することができる。
図34に示す非接触充電システムは、
図16に示す非接触充電システムに対応しているが、本実施の形態で説明した非接触充電システムの変形例や他の例も、
図16に示す非接触充電システムと同様に、リーチ式のフォークリフトに適用することができる。