(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958446
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ロードポート装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-222978(P2013-222978)
(22)【出願日】2013年10月28日
(65)【公開番号】特開2015-88500(P2015-88500A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2014年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100096943
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(72)【発明者】
【氏名】江本 淳
【審査官】
今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−258206(JP,A)
【文献】
特開2014−036185(JP,A)
【文献】
特開2014−036049(JP,A)
【文献】
特開2012−248785(JP,A)
【文献】
特表2002−531934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/687
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポッドの蓋を開閉して前記ポッドに対して被処理物の挿脱を可能とし、被処理物の処理装置に付随して、前記処理装置に対する前記被処理物の搬送を可能とするロードポート装置であって、
前記ポッドが載置される載置台と、
鍔部を有して一の開口が前記載置台上に位置する筒状のガス流通ノズルと、
前記ガス流通ノズルが軸方向に貫通し、前記鍔部によって第一の圧力調整室及び第二の圧力調整室に分離画定される圧力室を有するハウジング部と、
前記ガス流通ノズルの他の開口が内部に開口し、前記圧力室との位置関係が固定されるガス流通室と、
前記第一の圧力調整室及び前記第二の圧力調整室の間に差圧を生成させ、前記差圧を前記鍔部に作用させて前記ガス流通ノズルを前記軸方向に移動させる差圧生成手段と、を有し、
前記ガス流通室は、前記差圧により前記ガス流通ノズルが前記軸方向に移動する際の前記他の開口の移動範囲を含む大きさを有することを特徴とするロードポート装置。
【請求項2】
ポッドの蓋を開閉して前記ポッドに対して被処理物の挿脱を可能とし、被処理物の処理装置に付随して、前記処理装置に対する前記被処理物の搬送を可能とするロードポート装置であって、
前記ポッドが載置される載置台と、
鍔部を有して一の開口が前記載置台上に位置する筒状のガス流通ノズルと、
前記ガス流通ノズルが軸方向に貫通し、前記鍔部によって第一の圧力調整室及び第二の圧力調整室に分離画定される圧力室を有するハウジング部と、
前記ガス流通ノズルの他の開口が内部に開口し、前記圧力室との位置関係が固定されるガス流通室と、
前記第一の圧力調整室及び前記第二の圧力調整室の間に差圧を生成させ、前記差圧を前記鍔部に作用させて前記ガス流通ノズルを前記軸方向に移動させる差圧生成手段と、を有し、
前記差圧生成手段は、前記第二の圧力調整室にのみ接続されていることを特徴とするロードポート装置。
【請求項3】
前記第一の圧力調整室は、外部の空間と連通する抜き孔を有することを特徴とする請求項2に記載のロードポート装置。
【請求項4】
ポッドの蓋を開閉して前記ポッドに対して被処理物の挿脱を可能とし、被処理物の処理装置に付随して、前記処理装置に対する前記被処理物の搬送を可能とするロードポート装置であって、
前記ポッドが載置される載置台と、
鍔部を有して一の開口が前記載置台上に位置する筒状のガス流通ノズルと、
前記ガス流通ノズルが軸方向に貫通し、前記鍔部によって第一の圧力調整室及び第二の圧力調整室に分離画定される圧力室を有するハウジング部と、
前記ガス流通ノズルの他の開口が内部に開口し、前記圧力室との位置関係が固定されるガス流通室と、
前記第一の圧力調整室及び前記第二の圧力調整室の間に差圧を生成させ、前記差圧を前記鍔部に作用させて前記ガス流通ノズルを前記軸方向に移動させる差圧生成手段と、を有し、
前記第一の圧力調整室又は前記第二の圧力調整室の一方の室内に配されて前記鍔部に対して軸方向の付勢力を加える付勢力補助手段を有することを特徴とするロードポート装置。
【請求項5】
前記差圧生成手段は、前記軸方向において前記一の開口側に配置される前記第二の圧力調整室の内部に対して気体の供給及び排出を為して前記内部の圧力を調整する圧力調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロードポート装置。
【請求項6】
ポッドが載置される載置台と、
鍔部を有して一の開口が前記載置台上に位置する筒状のガス流通ノズルと、
前記ガス流通ノズルが軸方向に貫通し、前記鍔部によって第一の圧力調整室及び第二の圧力調整室に分離画定される圧力室を有するハウジング部と、
前記ガス流通ノズルの他の開口が内部に開口し、前記圧力室との位置関係が固定されるガス流通室と、
前記第一の圧力調整室及び前記第二の圧力調整室の間に差圧を生成させ、前記差圧を前記鍔部に作用させて前記ガス流通ノズルを前記軸方向に移動させる差圧生成手段と、を有し、
前記ガス流通室は、前記差圧により前記ガス流通ノズルが前記軸方向に移動する際の前記他の開口の移動範囲を含む大きさを有することを特徴とする気体供給排出機構。
【請求項7】
ポッドが載置される載置台と、
鍔部を有して一の開口が前記載置台上に位置する筒状のガス流通ノズルと、
前記ガス流通ノズルが軸方向に貫通し、前記鍔部によって第一の圧力調整室及び第二の圧力調整室に分離画定される圧力室を有するハウジング部と、
前記ガス流通ノズルの他の開口が内部に開口し、前記圧力室との位置関係が固定されるガス流通室と、
前記第一の圧力調整室及び前記第二の圧力調整室の間に差圧を生成させ、前記差圧を前記鍔部に作用させて前記ガス流通ノズルを前記軸方向に移動させる差圧生成手段と、を有し、
前記差圧生成手段は、前記第二の圧力調整室にのみ接続されていることを特徴とする気体供給排出機構。
【請求項8】
前記第一の圧力調整室は、外部の空間と連通する抜き孔を有することを特徴とする請求項7に記載の気体供給排出機構。
【請求項9】
ポッドが載置される載置台と、
鍔部を有して一の開口が前記載置台上に位置する筒状のガス流通ノズルと、
前記ガス流通ノズルが軸方向に貫通し、前記鍔部によって第一の圧力調整室及び第二の圧力調整室に分離画定される圧力室を有するハウジング部と、
前記ガス流通ノズルの他の開口が内部に開口し、前記圧力室との位置関係が固定されるガス流通室と、
前記第一の圧力調整室及び前記第二の圧力調整室の間に差圧を生成させ、前記差圧を前記鍔部に作用させて前記ガス流通ノズルを前記軸方向に移動させる差圧生成手段と、を有し、
前記第一の圧力調整室又は前記第二の圧力調整室の一方の室内に配されて前記鍔部に対して軸方向の付勢力を加える付勢力補助手段を有することを特徴と気体供給排出機構
【請求項10】
前記差圧生成手段は、前記軸方向において前記一の開口側に配置される前記第二の圧力調整室の内部に対して気体の供給及び排出を為して前記内部の圧力を調整する圧力調整手段を有することを特徴とする請求項6乃至9の何れか一項に記載の気体供給排出機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードポート装置に関する。より詳細には、半導体製造プロセス等において、ポッドと呼ばれる密閉型の搬送容器の内部に保持されたウエハを半導体処理装置に移載する際に、該ポッドの開閉を行うロードポート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスでは、ウエハを収容するポッドの内部、及びウエハの該ポッドに対する挿脱と各処理装置への受け渡しを行う微小空間の内部、の高清浄により、該プロセスでの所謂歩留まりの向上を図っている。しかしながら、単純に塵等を排除した所謂空気を用いた環境下では、ウエハ表面或いはウエハ上に形成された各種配線等に自然酸化膜が生じることが避けられずにいる。このため、特許文献1に示されるようにポッド内部を不活性ガスたる窒素によって満たすことにより、ポッド搬送時等での自然酸化膜の発生の抑制が図られている。ポッドに対する不活性ガス等の注入と排出とを為す特許文献1に例示される構成によれば、ポッド内の気体を好適に置換して酸化性気体の分圧を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−187539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1に開示される気体の注入及び排出のためのノズル機構は、ポッドが載置される載置台の下部に配置されるが、当該位置には該載置台をロードポートの開口部に対して接近或いは離間を為すための載置台の駆動機構も配置される。個々の構成及び機構には配線、配管等も付随することから、メンテナンス等の関係上、主要構成は極力小型化されることが望ましい。また、該ノズル機構は、ロードポートの開口部の開閉及びポッド蓋の挿脱を行うドアの駆動系と共に、載置台下部に配置される所謂下カバーにより覆われている。該下カバーに覆われる領域は、ドアの駆動系を介して微小空間と繋がることから、これら構成によって気体が滞留する領域が発生すると微小空間の清浄度の管理が難しくなる恐れも存在する。よってこの観点からも載置台下部に配置される構成は小型化されることが好ましい。引用文献1に開示されるノズル機構は、複数のエアシリンダ、ノズル、該エアシリンダとノズルとを連結する機構を要することから、小型化の点で難点を有する。
【0005】
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであり、より小型化が可能であって、且つ載置台に載置されたポッドに対して好適の気体の供給、排出を可能とするロードポート装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るロードポート装置は、ポッドの蓋を開閉して前記ポッドに対して被処理物の挿脱を可能とし、被処理物の処理装置に付随して、前記処理装置に対する前記被処理物の搬送を可能とするロードポート装置であって、
前記ポッドが載置される載置台と、
鍔部を有して一の開口が前記載置台上に位置する筒状のガス流通ノズルと、
前記ガス流通ノズルが軸方向に貫通し、前記鍔部によって第一の圧力調整室及び第二の圧力調整室に分離画定される圧力室を有するハウジング部と、
前記ガス流通ノズルの他の開口が内部に開口し、前記圧力室との位置関係が固定されるガス流通室と、
前記第一の圧力調整室及び前記第二の圧力調整室の間に差圧を生成させ、前記差圧を前記鍔部に作用させて前記ガス流通ノズルを前記軸方向に移動させる差圧生成手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
上述したロードポート装置にあって、前記ガス流通室は、前記差圧により前記ガス流通ノズルが前記軸方向に移動する際の前記他の開口の移動範囲を含む大きさを有することが好ましい。また、前記差圧生成手段は、前記軸方向において前記一の開口側に配置される前記第二の圧力調整室の内部に対して気体の供給及び排出を為して前記内部の圧力を調整する圧力調整手段を有することがより好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、載置台に載置されたポッドに対して好適の気体の供給、排出をより小型化が可能な気体供給排出機構によって行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係るロードポート装置に配される気体供給排出機構の概念図である。
【
図2】
図1に示す概念図について、当該気体供給排出機構の気体供給方向断面の内部構造を模式的に示す図である。
【
図3】
図2に示す気体供給排出機構を有するロードポート装置の主要構成及びこれに載置されたポッドを模式的に示す図である。
【
図4】従来の気体供給排出機構を有するロードポート装置の主要構成について
図3と同じ様式にて示す図である。
【
図5】
図2に示す気体供給排出機構におけるノズルの昇降について、その各段階における状態を各々模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るにロードポート装置において用いられる気体供給排出機構の概念図である。また、
図2は、当該気体供給排出機構の内部構成の例を模式的に示している。より詳細には、
図2において、当該気体供給排出機構においてポッドに気体を供給する際の気体の流れ方向ついての断面における概略構成を示す。また、
図3は、
図2に示す気体供給排出機構を有するロードポート装置の主要構成及びこれに載置されたポッドを模式的に示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態における気体供給排出機構10は、ガス流通ノズル3、ハウジング部7、ガス流通室11、及び差圧生成手段15を有する。ガス流通ノズル3は、一の開口3aと他の開口3bとを有する筒形状を有し、該筒形状の軸方向に一の開口3aと他の開口3bとを連通させる気体流路3c形成する。また、ガス流通ノズル3は、該軸方向とは異なる方向、本実施形態では垂直な方向に張り出すフランジ状の鍔部5を有する。
【0012】
ガス流通ノズル3が軸方向に貫通するハウジング部7は、圧力室9を有する。圧力室9は、該鍔部5によって第一の圧力調整室9a及び第二の圧力調整室9bに分離画定される。また、該圧力室9は、ガス流通ノズル3が軸方向の移動を行う際に、鍔部5の外周面が当該室の内周面に近接した室分離を維持した状態で軸方向への摺動を可能とする広さ及び軸方向長さを有する。ガス流通室11は圧力室9との位置関係が固定された状態で配置され、ガス流通ノズル3の他の開口3bは当該室内に位置する。ガス流通室11には、不図示の気体供給排出系からの気体供給排出配管13が接続されている。ガス流通ノズル3を介して不図示のポッド内に供給する気体、或いは該ポッド内からガス流通ノズル3を介して排出される気体は、気体供給排出系との間に配置される当該ガス流通室11をバッファ空間としてここで一旦滞留される。
【0013】
本実施形態では、第二の圧力調整室9bに対して圧力調整用経路17が接続されている。当該圧力調整用経路17は、真空系17a及び加圧空気供給系17b(
図2参照)と接続されており、当該第二の圧力調整室9b内の圧力の増減が可能となっている。圧力調整用経路17により第二の圧力調整室9b内の気体を排気することにより、第二の圧力調整室9b内の気圧を第一の圧力調整室9a内の気圧より小さくし、これら室間にて差圧を生成する。当該差圧は、鍔部5に対してガス流通ノズル3を軸上第一の開口3a方向、即ち図中矢印B方向に向かう付勢力を生成し、ガス流通ノズル3自体を矢印B方向に移動させる。また、第二の圧力調整室9b内に加圧空気を供給することにより、第二の圧力調整室9b内の気圧を第一の圧力調整室9a内の気圧より大きくし、鍔部5に矢印Bとは逆の他の開口3b方向に向かう付勢力を生成することも可能である。即ち、これら差圧のよりガス流通ノズル3の軸方向の移動を可能としている。以上述べた圧力調整用経路17に例示される第一の圧力調整室9a及び第二の圧力調整室9bに差圧を生成する構成は、本発明における差圧生成手段15を構成する。
【0014】
前述した差圧の生成により、ガス流通ノズル3は矢印Bの前後方向に移動する。気体供給排出機構10における一の開口3aが配置される上面10aは、後述する載置台の上面に位置し、当該上面にはポッドが載置される。また、ポッドの下面となる載置台との対向面には気体の導入或いは排出のための弁が配置されている。矢印B方向の移動によりガス流通ノズル3の一の開口3aは上面10aより突出し、ポッドにおける弁と当接する。これにより、ガス流通ノズル3及び当該弁を介してのポッド内部に対する気体の導入或いは排出の操作が可能となる。また、差圧によって矢印Bとは逆の方向にガス流通ノズル3を駆動することにより、前述した気体の導入或いは排出の操作を終了し、ポッド内部の所定雰囲気への所謂雰囲気置換の操作を終了することが出来る。
【0015】
なお、ガス流通室11は、ガス流通ノズル3と常に接続されていなければならない関係上、ガス流通ノズル3の矢印B方向の駆動によらず、他の開口3bが当該ガス流通室11内部に開口していることを要する。従って、当該ガス流通室11は、前述する軸方向に関して、ガス流通ノズル3の駆動範囲以上の厚さ、或いは他の開口3bの移動範囲を含む大きさ有する必要がある。なお、以上述べた構成は、気体供給排出機構10の主たる構成について、簡略化して示した図を参照して述べたものであって、実際には個々の圧力調整室の圧力を維持可能とするように各種シール部材が要所に配置される等、更に付随する構成が存在する。
【0016】
(実施例)
次に、気体供給排出機構10の内部構成の具体的な実施例について、
図2等を参照して述べる。なお、以降の実施例について、先の
図1において述べた構成と同じ作用効果を呈する構成については同じ参照番号を用いて示すこととし、詳細な説明は割愛する。本実施例の気体供給排出機構10では、ガス流通ノズル3とハウジング部7との間に複数のシール部材16a、16b、16cが配置される。第一のシール部材16aはガス流通ノズル3において鍔部5よりも他の開口3b側に配置され、ガス流通室11と第一の圧力調整室9aとの間の気密と、ガス流通ノズル3のハウジング部7に対する摺動とを確保する。第二のシール部材16bは鍔部5の外周面と圧力室9の内周面との間に配置され、第一の圧力調整室9aと第二の圧力調整室9bとの室分離を為し、これら室間での差圧の生成を容易とする。第三のシール部材16cはガス流通ノズル3において鍔部5よりも一の開口3a側に配置され、第二の圧力調整室9bと外部空間との間の気密と、ガス流通ノズル3のハウジング部7に対する摺動とを確保する。
【0017】
圧力調整用経路17は、第二の圧力調整室9bに対して接続されている。当該圧力調整用経路17は、真空系17a及び加圧空気供給系17bと接続されており付随するバルブの操作によって、第二の圧力調整室9b内の圧力の増減を可能としている。これら圧力調整用経路17に例示される第一及び第二の圧力調整室9a、9bに差圧を生成する構成は、差圧生成手段15を構築する。また、一の開口3aの周囲には第四のシール部材16dが配置されており、第一の開口3aが不図示のポッド側の弁と接続された際の外部空間との空間分離が該第四のシール部材16dにより為される。
【0018】
以上に述べた形態とすることにより、所謂大気圧よりも内圧が高くなる室は第二の圧力調整室9bのみとなる。該第二の圧力調整室9bとガス流通室11との間には第一の圧力調整室9aが配置されることとなる。当該気体供給排出機構10をポッド内に窒素等に例示される不活性ガスの供給経路として用いる場合、ガス流通室11には高純度のかつ乾燥された不活性ガスが供給される。加圧される第二の圧力調整室9bとガス流通室11との間に大気圧に準じた内圧の第
一の圧力調整室9aが配置されることにより、第二の圧力調整室9bからガス流通室11への気体の漏洩を抑制するという副次的な効果が得られる。
【0019】
しかしながら、差圧生成手段15の態様は、本実施形態に限定されない。例えば、第二の圧力調整室9bのみでのガス流通バルブ3の移動をより容易にするために、第一の圧力調整室9aと外部空間とを連通させて該第一の圧力調整室9aの圧力変動を無くすための空気抜き穴9c(
図2参照)を配しても良い。前述した圧力調整用経路17を第一の圧力調整室9aのみに接続する構成とすることも可能である。また、当該圧力調整用経路17を第一の圧力調整室9a及び第二の圧力調整室9bの両者に接続しこれら個々の内圧を別個に制御することとしても良い。これら構成とすることにより、大きな差圧を得ることが可能となり、ガス流通バルブ3の移動を迅速且つ確実に行うという効果が得られる。また、圧力調整用経路17を一方の圧力調整室のみに接続する構成の場合、差圧のみでは充分なガス流通バルブ3の移動速度が確保しづらい場合には、一方の室内に付勢力を補助する付勢力補助手段としてバネ等に例示される弾性部材を配することとしても良い。例えば第二の圧力調整室9bのみでのガス流通バルブ3の移動を為す場合であれば、
図2に例示するように第一の圧力調整室9a側内部に、ガス流通バルブ3を矢印B方向に付勢する弾性部材19を配することが好ましい。
【0020】
次に、前述した気体供給排出機構10が配されたロードポート装置100について説明する。
図3は、
図2に示した気体供給排出機構10を複数有するロードポート装置100の主要構成と、載置台上に載置されたポッド120とを側面から見た状態を示す図である。ロードポート装置100は、ベースプレート101、ドア105、載置台109、及び気体供給排出機構10を有する。ベースプレート101は周囲環境から清浄度が管理された微小空間を分離し、且つポッド120の開口と相対するように設けられる開口部102を有する。載置台109上にはポッド120が載置され、不図示の蓋により閉鎖されるポッド120の開口を微小空間の開口部102に相対させる。
【0021】
ドア105は待機時において開口部102を閉鎖して微小空間を閉鎖空間とすると共に、ポッド120が載置台109に載置された状態でポッド120の蓋を保持、取外しをしてポッド120を開放させる。ポッド120の下面には、前述した弁120aが設けられており、気体供給排出機構10及び当該弁120aを介してのポッド120内への不活性ガス等の気体の供給或いは排出を可能とする。
図3に示す実施例では、開口部102側に配置された気体供給排出機構10よりポッド120内への不活性ガスの供給を実施し、他方の気体供給排出記憶10によりポッド120内からの過剰な内部雰囲気の排出を行う。当該操作を適当な時間行うことにより、ポッド120内の雰囲気を高純度の乾燥不活性ガスによって置換し、該雰囲気中の酸化性気体の分圧を所望の値より低下させることが可能となる。
【0022】
ここで、
図3と同様の様式により、従来より用いられている気体供給排出機構130を用いた場合を比較例として
図4に示す。なお、
図4に示す従来のロードポート装置において、気体供給排出機構130以外に本発明と異なる構成は無いことから、その他構成については同一の参照番号を用いて示すことによりその説明は省略する。同図から理解されるように、従来の気体供給排出機構130では、下方にシリンダ駆動用或いは不活性ガス供給用の配管131が存在する。このため、本発明の気体供給排出機構10を用いた場合と比較して、載置台109或いはその下部に配置される構造物が占有する空間が大きくなっている。
【0023】
前述したように、現在の半導体製造工程では、ポッド自体が搬送される空間の所謂清浄度は、微小空間程の清浄性は求められない。しかし、ドア105の駆動機構等も存在する載置台109の下方の空間は、該ドア105を支持するアームが微小空間に張り出すために、当該空間と一部連通している。このため、載置台109の下部空間もある程度以上の清浄度は常に求められる。従って、清浄度を維持する上で避けたい従来構成のような占有空間を必要とする構成は、極力減らすことが望ましい。
図3に示すように、本発明における気体供給排出機構10であれば、この占有空間を小さく押さえると共に、配管等も削減することが可能となり、当該空間の清浄度の維持が容易となる。
【0024】
ここで、図面を参照して実際のガス流通バルブ3の動作を説明する。
図5(a)〜(c)は、ロードポート装置100における気体供給排出機構10と関連する構成を
図2と同様の様式にて示すものであって、動作時の各段階を各々示している。
図5(a)は、待機状態の気体供給排出機構10を示すものであって、加圧空気供給系17bにより第二の圧力調整室9b内を加圧し、これによりガス流通ノズル3を下方の待機位置に停止させている。これに対して、不図示のポッドが載置台上に載置され、待機状態のガス流通ノズル3とポッドの弁120aとが図に示す所定の位置関係とされる。
【0025】
所定の位置関係にあることが確認された後、加圧空気供給系17bの経路を閉じ、真空系17aを開放する。これにより第二の圧力調整室9b内は減圧され、大気圧に維持されている第一の圧力調整室9a内との差圧により、ガス流通ノズル3は上方に移動される。上方への移動は、ガス流通ノズル3の一の開口3aが弁120aと接続され、該弁120aを介する気体の給排気が可能となった段階で停止する。この状態を
図5(b)に示す。続いて、加圧空気供給系17bと真空系17aとの状態を維持したまま、気体供給排出配管13を介してガス流通室11に対する不活性ガスの供給が開始される。当該不活性ガスは、ガス流通室11、ガス流通ノズル3の他の開口3bから一の開口3aへの経路、及び弁120aを介してポッド内へ流れる。以上の操作によって、ポッド内への不活性ガスの供給が実行される。
【0026】
また、同様の操作が内部雰囲気排出用の気体供給排出機構10においても行われ、不活性ガスの供給によって過剰となったポッド内雰囲気が、弁120a、ガス流通ノズル3の一の開口3aから他の開口3bへの経路、ガス流通室11の経路を介して気体供給排出配管13より排出される。ポッド内の雰囲気置換終了後には、ここで述べた操作とは逆の操作により、ガス流通ノズル3の下方への移動が行われ、
図5(a)に示す待機位置に復帰する。以上の構成からなる小型化された気体供給排出機構10をロードポート装置100に配することにより、載置台109の下方空間に配置される構成を削減し、当該空間の清浄度の維持管理がより容易なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上述べたように、本発明は半導体処理装置に対して好適に用いるロードロックチャンバに関している。しかしながら、本発明の利用可能性は当該処理装置に限定されず、例えば液晶ディスプレイのパネルを扱う処理装置等、半導体に準じた各種処理が行われる種々の処理装置に用いられる所謂ロードロックチャンバに対しても適用可能である。従って、前述した実施形態におけるウエハは被処理物として、ポッドは種々の被処理物を収容するとして、また半導体処理装置は被処理物に処理を施す処理装置として解されることが好ましい。
【符号の説明】
【0028】
3:ガス流通ノズル、 3a:一の開口、 3b:他の開口、 5:鍔部、 7:ハウジング部、 9:圧力室、 9a:第一の圧力調整室、 9b:第二の圧力調整室、 9c:空気抜き穴、 10:気体供給排出機構、 10a:上面、 11:ガス流通室、 13:気体供給排出配管、 15:差圧生成手段、 16a:第一のシール部材、 16b:第二のシール部材、 16c:第三のシール部材、 17:圧力調整用経路、 17a:真空系17a、 17b:加圧空気供給系、 19:弾性部材、 100:ロードポート装置、 101:ベースプレート、 102:開口部、 105:ドア、 109:載置台、 120:ポッド、 120a:弁、 130:気体供給排出機構、 131:配管