(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。但し、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0011】
[外観構成]
まず、本実施形態におけるプログラム電卓1の外観構成について説明する。
図1(a)は、プログラム電卓1の平面図であり、
図1(b)は、プログラム電卓1の側面図である。
これらの図に示すように、プログラム電卓1は、ディスプレイ2と、前面キー3及び側面キー4とを備えている。
【0012】
ディスプレイ2は、プログラム電卓1本体の前面の上部に配置された表示画面であり、ユーザによる前面キー3や側面キー4の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する。このディスプレイ2は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。
【0013】
前面キー3は、プログラム電卓1本体の前面のうちディスプレイ2よりも下側に配置された操作キー群であり、ユーザからプログラム電卓1を操作するための操作を受ける各種キーを有している。具体的には、前面キー3は、カーソルキー31と、EXEキー32と、EXITキー33と、ファンクションキー34と、テンキー35等とを有している。
【0014】
このうち、カーソルキー31は、方向の指定操作を受けるキーであり、ディスプレイ2内で選択対象位置を示すカーソルC(
図5(a)等参照)を所定の方向に移動させる場合等に押下され、本実施形態においては上下左右の4方向を指定可能となっている。
EXEキー32は、処理の実行操作を受けるキーである。
EXITキー33は、実行されている処理の終了操作を受けるキーである。
ファンクションキー34は、所定の処理の実行操作を受ける複数のキーを有しており、本実施形態においては「F1」〜「F6」の6つのキーを有している。
テンキー35は、数字の入力操作を受けるキーである。
【0015】
側面キー4は、プログラム電卓1本体の左側面に配置された操作キー群であり、ユーザからの所定の操作を受ける3つのキーを有している。この側面キー4は、本実施形態では、ユーザが左手だけで背面を支えつつプログラム電卓1本体を把持したときに、左手の親指で操作(押下)できるように、プログラム電卓1本体の左側面中央の互いに近接した位置に上下方向に並設されている。
【0016】
具体的には、側面キー4は、2つの方向キー41と、実行キー42とを有している。
このうち、2つの方向キー41は、方向の指定操作を受けるキーであり、上方を指定す
る上方向キー41Uと、下方を指定する下方向キー41Dとから構成されている。
一方、実行キー42は、処理の実行操作を受けるキーである。また、実行キー42は、隣りの下方向キー41Dと同時に押下されることで、実行されている処理の終了操作を受けるようになっている。
【0017】
[内部構成]
続いて、プログラム電卓1の内部構成について説明する。
図2は、プログラム電卓1の内部構成を示すブロック図である。
【0018】
この図に示すように、プログラム電卓1は、入力部30、表示部40、記憶媒体読取部50、通信部60、記憶部70、CPU(Central Processing Unit)20を備え、各部
がバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0019】
入力部30は、上述の前面キー3及び側面キー4を備えており、押下(操作)されたキーの位置に対応する信号をCPU20に出力する。
表示部40は、上述のディスプレイ2を備えており、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種情報をディスプレイ2に表示する。
【0020】
記憶媒体読取部50は、着脱自在に装着されるUSBメモリ等の外部情報記憶媒体50aから情報を読み取るものである。
通信部60は、ネットワークNに接続可能となっており、これにより、ネットワークNに接続される外部機器(例えばサーバN1)との通信が可能となっている。
【0021】
記憶部70は、プログラム電卓1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、CPU20の作業領域としても機能するメモリである。本実施形態においては、記憶部70は、データ入力表示制御プログラム71と、複数の計算プログラム72と、複数のリストデータ73等とを記憶している。
【0022】
データ入力表示制御プログラム71は、後述のデータ入力・表示処理(
図3,4参照)をCPU20に実行させるためのプログラムである。
計算プログラム72は、各種の計算処理をCPU20に実行させるためのプログラムであり、本実施形態においては、土木・測量分野における各種計算を行うものである。
リストデータ73は、複数の数値データをまとめて格納するものである。
【0023】
CPU20は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、プログラム電卓1を統括的に制御する。具体的には、CPU20は、入力部30から入力される操作信号等に応じて記憶部70に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU20は、処理結果を記憶部70に一時保存するとともに、当該処理結果を表示部40に適宜出力させる。
【0024】
[動作]
続いて、プログラム電卓1がデータ入力・表示処理を実行する際の動作について説明する。
図3及び
図4は、CPU20がデータ入力表示制御プログラム71を読み出して実行するデータ入力・表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0025】
図3に示すように、データ入力・表示処理では、まずCPU20は、ユーザ操作に応じて、計算プログラム72を実行させるプログラム機能が選択されるか否かを判定する(ステップS1)。
【0026】
このステップS1において、プログラム機能が選択されたと判定した場合(ステップS1;Yes)、CPU20は、記憶部70に格納された複数の計算プログラム72のプログラム名をディスプレイ2に一覧表示させる(ステップS2)。またこのとき、CPU20は、プログラム名が一覧表示されたプログラムリストのうち、先頭の計算プログラム72(プログラム名)を、カーソルC(
図5(a)等参照)で指定表示させる。
【0027】
次に、CPU20は、ユーザにより前面キー3又は側面キー4が操作されるか否かを判定し(ステップS3)、何れのキーも操作されないと判定した場合には(ステップS3;No)、当該ステップS3を繰り返す。
【0028】
このステップS3において、ユーザにより前面キー3又は側面キー4が操作されたと判定した場合には(ステップS3;Yes)、CPU20は、この操作されたキーが側面キー4であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0029】
このステップS4において、操作されたキーが側面キー4であると判定した場合には(ステップS4;Yes)、CPU20は、前面キー3のうちのEXEキー32を操作無効に設定する(ステップS5)。なお、このステップS5では、前面キー3のうち、EXEキー32に加えてカーソルキー31も操作無効に設定することとしてもよい。
【0030】
次に、CPU20は、上述のステップS3で操作された側面キー4が方向キー41であるか否かを判定する(ステップS6)。但し、このステップS6では、上述のステップS5を経た後における当該ステップS6での判定回数が2回目以降であるとき(つまり、上述のステップS3で操作された側面キー4が何れのキーであるかが判明した後の判定時)には、CPU20は、ユーザにより新たに方向キー41が操作されるか否かを判定する。
【0031】
このステップS6において、操作された側面キー4が方向キー41であると判定した場合には(ステップS6;Yes)、CPU20は、所定時間内に同じ方向キー41が操作されるか否か,つまり当該方向キー41がダブルクリック操作されるか否かを判定する(ステップS7)。
【0032】
このステップS7において、同一の方向キー41がダブルクリック操作されたと判定した場合(ステップS7;Yes)、CPU20は、ディスプレイ2に表示されたプログラムリストを当該方向キー41と対応した方向に頁単位でスクロール表示させ(ステップS8)、上述のステップS6へ移行する。
ここで「頁」とは、ディスプレイ2の一画面分のプログラムリストのことである。したがって、このステップS7では、CPU20は、ディスプレイ2に表示されていた最後尾のプログラム名の次のプログラム名が先頭に位置するように、当該プログラムリストをスクロール表示させる。またこのときには、カーソルCの位置は移動させない。但し、プログラム名(計算プログラム72)の数がディスプレイ2の一画面分を超えないときには、CPU20は、表示されたプログラムリストはそのままに、カーソルCをプログラムリスト中の最後尾のプログラム名に移動させる。
【0033】
また、ステップS7において、同一の方向キー41がダブルクリック操作されない,つまり当該方向キー41がシングルクリック操作されたと判定した場合には(ステップS7;No)、CPU20は、カーソルCで指定表示されるプログラム名が当該方向キー41と対応した方向にプログラムリスト上で1行だけ移動するように移動表示させた後(ステップS9)、上述のステップS6へ移行する。なお、このときに移動表示させる行数は、プログラムリスト上で1頁未満の所定行であればよく、1行でなくともよい。また、この移動表示では、プログラムリストをスクロールさせずに当該プログラムリスト上でカーソ
ルCの位置を移動させてもよいし、カーソルCの位置を移動させずにプログラムリストを1行スクロールさせてもよい。
【0034】
また、上述のステップS6において、上述のステップS3で操作された側面キー4が方向キー41ではないと判定した場合には(ステップS6;No)、CPU20は、操作された側面キー4が実行キー42であると判定し、プログラムリストのうちカーソルCで指定表示されたプログラム名の計算プログラム72を実行する(ステップS10)。そして、CPU20は、ユーザによる側面キー4の操作に応じて、計算プログラム72の実行結果をディスプレイ2に順次表示させる。但し、このステップS10では、上述のステップS5を経た後におけるステップS6及び当該ステップS10での総判定回数が3回目以降であるとき(つまり、上述のステップS3で操作された側面キー4が何れのキーであるかが判明した後の判定時)には、CPU20は、ユーザにより新たに実行キー42が操作されるか否かを判定する。
【0035】
次に、CPU20は、ユーザにより終了操作が行われるか否かを判定し(ステップS11)、終了操作が行われないと判定した場合には(ステップS11;No)、他の処理へ移行する。一方、終了操作が行われたと判定した場合には(ステップS11;Yes)、CPU20は、上述のステップS5で設定された前面キー3の操作無効設定を解除し(ステップS12)、上述のステップS2へ移行する。
【0036】
また、上述のステップS4において、上述のステップS3で操作されたキーが側面キー4ではないと判定した場合には(ステップS4;No)、CPU20は、操作されたキーが前面キー3であると判定し、側面キー4のうちの実行キー42を操作無効に設定する(ステップS15)。なお、このステップS15では、側面キー4のうち、実行キー42に加えて方向キー41も操作無効に設定することとしてもよい。
【0037】
次に、CPU20は、上述のステップS3で操作された前面キー3がカーソルキー31であるか否かを判定する(ステップS16)。但し、ここで操作の有無を判定するカーソルキー31は、プログラムリスト上でカーソルCを移動させるために有効なものであり、例えば上下方向に一覧表示されたプログラムリストにおいて、カーソルキー31のうち左右方向を指定するものが操作された場合には、有効なカーソルキー31の操作とは判定されない。また、このステップS16では、上述のステップS15を経た後における当該ステップS16での判定回数が2回目以降であるとき(つまり、上述のステップS3で操作された前面キー3が何れのキーであるかが判明した後の判定時)には、CPU20は、ユーザにより新たにカーソルキー31が操作されるか否かを判定する。
【0038】
このステップS16において、上述のステップS3で操作された前面キー3がカーソルキー31であると判定した場合には(ステップS16;Yes)、CPU20は、カーソルCで指定表示されたプログラム名が当該カーソルキー31と対応した方向にプログラムリスト上で1行だけ移動するように移動表示させた後(ステップS17)、上述のステップS16へ移行する。なお、このときに移動表示させる行数は、上述のステップS9と同様に、プログラムリスト上で1頁未満の所定行であればよく、1行でなくともよい。また、この移動表示では、上述のステップS9と同様に、プログラムリストをスクロールさせずに当該プログラムリスト上でカーソルCの位置を移動させてもよいし、カーソルCの位置を移動させずにプログラムリストを1行スクロールさせてもよい。
【0039】
また、上述のステップS16において、上述のステップS3で操作された前面キー3がカーソルキー31ではないと判定した場合には(ステップS16;No)、CPU20は、この操作された前面キー3がEXEキー32であるか否かを判定する(ステップS18)。但し、このステップS18では、上述のステップS15を経た後におけるステップS
16及び当該ステップS18での総判定回数が3回目以降であるとき(つまり、上述のステップS3で操作された前面キー3が何れのキーであるかが判明した後の判定時)には、CPU20は、ユーザにより新たにEXEキー32が操作されるか否かを判定する。
【0040】
このステップS18において、上述のステップS3で操作された前面キー3がEXEキー32であると判定した場合には(ステップS18;Yes)、CPU20は、プログラムリストのうちカーソルCで指定表示されたプログラム名の計算プログラム72を実行する(ステップS19)。そして、CPU20は、ユーザによる前面キー3の操作に応じて、計算プログラム72の実行結果をディスプレイ2に順次表示させた後、後述のステップS22へ移行する。
【0041】
また、ステップS18において、上述のステップS3で操作された前面キー3がEXEキー32ではないと判定した場合には(ステップS18;No)、CPU20は、この操作された前面キー3がEDIT(編集)操作を行うものであるか否かを判定し(ステップS20)、EDIT操作を行うものではないと判定した場合には(ステップS20;No)、他の処理へ移行する。但し、このステップS20では、上述のステップS15を経た後におけるステップS16,ステップS18及び当該ステップS18での総判定回数が4回目以降であるとき(つまり、上述のステップS3で操作された前面キー3が何れのキーであるかが判明した後の判定時)には、CPU20は、ユーザにより新たにEDIT操作が行われるか否かを判定する。
【0042】
また、ステップS20において、上述のステップS3で操作された前面キー3がEDIT操作を行うものであると判定した場合には(ステップS20;Yes)、CPU20は、プログラムリストのうちカーソルCで指定表示されたプログラム名の計算プログラム72の内容をディスプレイ2に表示させる(ステップS21)。そして、CPU20は、ユーザによる前面キー3の操作に応じて、表示させた計算プログラム72の内容を編集する。
【0043】
次に、CPU20は、ユーザによりEXITキー33が操作されるか否かを判定し(ステップS22)、EXITキー33が操作されないと判定した場合には(ステップS22;No)、他の処理へ移行する。また、EXITキー33が操作されたと判定した場合には(ステップS22;Yes)、CPU20は、上述のステップS15で設定された側面キー4の操作無効設定を解除し(ステップS23)、上述のステップS2へ移行する。
【0044】
また、上述のステップS1において、プログラム機能が選択されないと判定した場合には(ステップS1;No)、
図4に示すように、CPU20は、リストデータ73の入力・編集を行うリスト機能が選択されるか否かを判定し(ステップS31)、リスト機能が選択されないと判定した場合には(ステップS31;No)、他の処理へ移行する。
【0045】
このステップS31において、リスト機能が選択されたと判定した場合(ステップS31;Yes)、CPU20は、記憶部70に格納された複数のリストデータ73(表データ)をディスプレイ2に一覧表示させる(ステップS32)。またこのとき、CPU20は、複数のリストデータ73の数値データが一覧表示された表データリストのうち、最初のリストの先頭の数値(セル)を、カーソルCで指定表示させる。
【0046】
次に、CPU20は、上述のプログラム機能実行時におけるステップS3〜S5と同様に、ユーザによるキー操作があった場合に当該操作キーが側面キー4であるか否かを判定し(ステップS33,S34)、側面キー4であった場合には(ステップS34;Yes)、前面キー3のうちのEXEキー32を操作無効に設定する(ステップS35)。なお、このステップS35では、前面キー3のうち、EXEキー32に加えてカーソルキー3
1も操作無効に設定することとしてもよい。
【0047】
次に、CPU20は、上述のプログラム機能実行時におけるステップS6,S7と同様に、操作された側面キー4が方向キー41であるか否かを判定し(ステップS36)、方向キー41であった場合には(ステップS36;Yes)、当該方向キー41がダブルクリック操作されるか否かを判定する(ステップS37)。
【0048】
そして、ステップS37において、同一の方向キー41がダブルクリック操作されたと判定した場合(ステップS37;Yes)、CPU20は、上述のプログラム機能実行時におけるステップS8と同様に、ディスプレイ2に表示された表データリストを当該方向キー41と対応した方向に頁単位でスクロール表示させ(ステップS38)、上述のステップS36へ移行する。
【0049】
また、ステップS37において、同一の方向キー41がダブルクリック操作されない(シングルクリック操作された)と判定した場合には(ステップS37;No)、CPU20は、上述のプログラム機能実行時におけるステップS9と同様に、カーソルCで指定表示される数値(セル)が当該方向キー41と対応した方向に当該表データリスト上で1行だけ移動するように移動表示させた後(ステップS39)、上述のステップS36へ移行する。なお、このときに移動表示させる行数は、上述のステップS9と同様に、表データリスト上で1頁未満の所定行であればよく、1行でなくともよい。
【0050】
また、上述のステップS36において、操作された側面キー4が方向キー41ではないと判定した場合には(ステップS36;No)、CPU20は、ユーザにより終了操作が行われるか否かを判定し(ステップS40)、終了操作が行われないと判定した場合には(ステップS40;No)、上述のステップS36へ移行する。一方、終了操作が行われたと判定した場合には(ステップS40;Yes)、CPU20は、上述のステップS35で設定された前面キー3の操作無効設定を解除し(ステップS41)、上述のステップS32へ移行する。
【0051】
また、上述のステップS34において、上述のステップS33で操作されたキーが側面キー4ではないと判定した場合には(ステップS34;No)、CPU20は、上述のプログラム機能実行時におけるステップS15と同様に、操作されたキーが前面キー3であると判定し、側面キー4のうちの実行キー42を操作無効に設定する(ステップS45)。なお、このステップS45では、側面キー4のうち、実行キー42に加えて方向キー41も操作無効に設定することとしてもよい。
【0052】
次に、CPU20は、上述のプログラム機能実行時におけるステップS16と同様に、上述のステップS33で操作された前面キー3がカーソルキー31であるか否かを判定する(ステップS46)。そして、この前面キー3がカーソルキー31であると判定した場合には(ステップS46;Yes)、CPU20は、カーソルCで指定表示される数値(セル)が当該カーソルキー31と対応した方向に当該表データリスト上で1行又は1列だけ移動するように移動表示させた後(ステップS47)、ステップS46へ移行する。なお、このときに移動表示させる行数又は列数は、表データリスト上で1頁未満の所定行又は所定列であればよく、1行又は1列でなくともよい。
【0053】
また、ステップS46において、上述のステップS33で操作された前面キー3がカーソルキー31ではないと判定した場合には(ステップS46;No)、CPU20は、この前面キー3がテンキー35であるか否かを判定する(ステップS48)。但し、このステップS48では、上述のステップS45を経た後におけるステップS46及び当該ステップS48での総判定回数が3回目以降であるとき(つまり、上述のステップS33で操
作された前面キー3が何れのキーであるかが判明した後の判定時)には、CPU20は、ユーザにより新たにテンキー35が操作されるか否かを判定する。
【0054】
このステップS48において、操作された前面キー3がテンキー35であると判定した場合には(ステップS48;Yes)、CPU20は、表データリストのうちカーソルCで指定表示された数値を、操作されたテンキー35に応じた数値に修正してディスプレイ2に表示させる(ステップS49)。
【0055】
次に、CPU20は、ユーザによりEXEキー32が操作されるか否かを判定し(ステップS50)、EXEキー32が操作されたと判定した場合には(ステップS50;Yes)、数値の修正入力を実行し、記憶部70のリストデータ73を更新した後(ステップS51)、上述のステップS46へ移行する。また、このステップS50において、EXEキー32が操作されないと判定した場合には(ステップS50;No)、CPU20は、当該ステップS50を繰り返す。但し、例えばEXITキー33の操作などで修正入力をキャンセルして元の数値に戻すようにしてもよい。
【0056】
また、上述のステップS48において、操作された前面キー3がテンキー35ではないと判定した場合には(ステップS48;No)、CPU20は、ユーザによりEXITキー33が操作されるか否かを判定し(ステップS52)、EXITキー33が操作されないと判定した場合には(ステップS52;No)、他の処理へ移行する。また、EXITキー33が操作されたと判定した場合には(ステップS52;Yes)、CPU20は、上述のステップS45で設定された側面キー4の操作無効設定を解除し(ステップS53)、上述のステップS32へ移行する。
【0057】
[動作例]
続いて、上述したプログラム電卓1の動作について、具体例を示して説明する。
図5〜
図7は、上述のデータ入力・表示処理におけるディスプレイ2の表示例を示す図である。
なお、本動作例では、ユーザが左手だけでプログラム電卓1を把持して(持ち上げて)おり、右手で前面キー3の操作を行い、左手で側面キー4の操作を行うものとする。
【0058】
<動作例1>
まず、プログラム機能の実行時におけるプログラム電卓1の動作例について説明する。
【0059】
ユーザが、所定の操作によってプログラム機能の実行を選択すると(ステップS1;Yes)、
図5(a)に示すように、複数の計算プログラム72のプログラムリストがディスプレイ2に表示される(ステップS2)。本動作例1では、複数の計算プログラム72が同一のアルファベット3文字からなる各プログラム名を有しており、このプログラム名がアルファベット順に上から並んだ状態で、各ファイルサイズとともに表示される。また、ディスプレイ2一画面には、6行分のプログラム名が表示される。
【0060】
このとき、ディスプレイ2に表示されたプログラムリストでは、先頭(最上行)の計算プログラム72(プログラム名「AAA」)がカーソルCで指定表示されている。またこのとき、ディスプレイ2の最下部には、ファンクションキー34に対応した複数のコマンドボタンを有するファンクション表示領域Fが表示される。このファンクション表示領域Fには、ファンクションキー34「F1」に対応した「EXE」(実行処理)、「F2」に対応した「EDIT」(編集処理)、「F3」に対応した「NEW」(新規作成処理)、「F4」に対応した「DEL」(削除処理)、「F5」に対応した「DEL・A」(全件削除処理)等のコマンドボタンが表示される。
【0061】
次に、ユーザが側面キー4のうちの下方向キー41Dを左手の親指でシングルクリック操作すると(ステップS3;Yes、S4;Yes、S6;Yes、S7;No)、
図5(b)に示すように、カーソルCがプログラムリスト上で下方へ1行移動し、プログラム名「BBB」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS9)。このとき、側面キー4が操作されたことで、前面キー3のうちのEXEキー32が操作無効に設定される(ステップS5)。
【0062】
次に、ユーザが側面キー4のうちの下方向キー41Dを左手の親指でさらにシングルクリック操作すると(ステップS6;Yes、S7;No)、
図5(c)に示すように、カーソルCがプログラムリスト上でさらに下方へ1行移動し、プログラム名「CCC」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS9)。
【0063】
次に、ユーザが側面キー4のうちの下方向キー41Dを左手の親指でダブルクリック操作すると(ステップS6;Yes、S7;Yes)、
図5(d)に示すように、ディスプレイ2中のカーソルC位置はそのままに、プログラムリストが下方へ頁(6行)単位でスクロール表示され、プログラム名「III」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS8)。
【0064】
次に、ユーザが側面キー4のうちの下方向キー41Dを左手の親指でさらにダブルクリック操作すると(ステップS6;Yes、S7;Yes)、
図5(e)に示すように、プログラムリストがさらに下方へ頁(6行)単位でスクロール表示され、プログラム名「OOO」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS8)。
【0065】
次に、ユーザが側面キー4のうちの実行キー42を左手の親指で操作すると(ステップS6;No)、図示は省略するが、カーソルCで指定表示されたプログラム名「OOO」の計算プログラム72が実行され、その実行結果がディスプレイ2に表示される(ステップS10)。
【0066】
次に、ユーザが下方向キー41Dと実行キー42を左手の親指で同時押しして終了操作を行うと(ステップS11;Yes)、前面キー3の操作無効設定が解除され(ステップS12)、
図6(a)に示すように、ディスプレイ2はプログラムリストの表示状態に復帰する(ステップS2)。このときには、プログラム名「AAA」の計算プログラム72が指定表示された初期状態に復帰するが、直前に実行したプログラム名「OOO」の計算プログラム72が指定表示された状態に復帰することとしてもよい。
【0067】
次に、ユーザが前面キー3のうちカーソルキー31の下ボタン「▽」を右手で操作すると(ステップS3;Yes、S4;No、S16;Yes)、
図6(b)に示すように、カーソルCがプログラムリスト上で下方へ1行移動し、プログラム名「BBB」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS17)。このとき、前面キー3が操作されたことで、側面キー4のうちの実行キー42が操作無効に設定される(ステップS15)。
【0068】
次に、ユーザが前面キー3のうちカーソルキー31の下ボタン「▽」を右手でさらに操作すると(ステップS16;Yes)、
図6(c)に示すように、カーソルCがプログラムリスト上でさらに下方へ1行移動し、プログラム名「CCC」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS17)。
【0069】
次に、ユーザが前面キー3のうちカーソルキー31の下ボタン「▽」を右手でダブルクリック操作すると、
図6(d)に示すように、カーソルCがプログラムリスト上で下方へ
2行移動し、プログラム名「EEE」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS16;Yes、S17、S16;Yes、S17)。
【0070】
次に、ユーザが前面キー3のうちカーソルキー31の下ボタン「▽」を右手でさらにダブルクリック操作すると、
図6(e)に示すように、カーソルCがプログラムリスト上でさらに下方へ2行移動し、プログラム名「GGG」の計算プログラム72がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS16;Yes、S17、S16;Yes、S17)。より詳しくは、一度目の操作(クリック)の時点でカーソルCがディスプレイ2中の最下行に位置するため、二度目の操作(クリック)では、カーソルCがプログラムリスト上でさらに下方へ1行移動するように、ディスプレイ2中のカーソルC位置は最下行のままに、プログラムリストが下方へ1行スクロール表示される。
【0071】
次に、ユーザが前面キー3のうちのファンクションキー34の「F2」を右手で操作してEDIT操作を行うと(ステップS16;No、S18;No、S20;Yes)、図示は省略するが、カーソルCで指定表示されたプログラム名「GGG」の計算プログラム72の内容がディスプレイ2に表示される(ステップS21)。そして、ユーザは、前面キー3を操作して、表示させた計算プログラム72の内容を編集する。
【0072】
<動作例2>
続いて、リスト機能の実行時におけるプログラム電卓1の動作例について説明する。
【0073】
ユーザが所定の操作によってリスト機能の実行を選択すると(ステップS1;No、S31;Yes)、
図7(a)に示すように、複数のリストデータ73の表データリストがディスプレイ2に表示される(ステップS32)。本動作例2では、2つのリストデータ73(「List 1」、「List 2」)が左から順に並ぶとともに、各リストデータ73の数値が上から順に並んだ状態で表示される。また、ディスプレイ2一画面には、各リストデータ73の4行分の数値が表示される。
【0074】
このとき、ディスプレイ2に表示された表データリストでは、リストデータ73「List
1」の先頭(最上行)の数値がカーソルCで指定表示されている。またこのとき、ディスプレイ2の最下部のファンクション表示領域Fには、ファンクションキー34「F1」に対応した「GRPH」(グラフ描画処理)、「F2」に対応した「CALC」(各種演算処理)、「F3」に対応した「TEST」(検定計算処理)、「F4」に対応した「INTR」(信頼区間計算処理)、「F5」に対応した「DIST」(分布計算処理)等のコマンドボタンが表示される。
【0075】
次に、ユーザが側面キー4のうちの下方向キー41Dを左手の親指でダブルクリック操作すると(ステップS33;Yes、S34;Yes、S36;Yes、S37;Yes)、
図7(b)に示すように、ディスプレイ2中のカーソルC位置はそのままに、表データリストが下方へ頁(4行)単位でスクロール表示され、リストデータ73「List 1」の5行目の数値がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS38)。このとき、側面キー4が操作されたことで、前面キー3のうちのEXEキー32が操作無効に設定される(ステップS35)。
【0076】
次に、ユーザが側面キー4のうちの下方向キー41Dを左手の親指でさらにダブルクリック操作すると(ステップS36;Yes、S37;Yes)、
図7(c)に示すように、表データリストがさらに下方へ頁(4行)単位でスクロール表示され、リストデータ73「List 1」の9行目の数値がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS38)。
【0077】
次に、ユーザが側面キー4のうちの上方向キー41Uを左手の親指でダブルクリック操作すると(ステップS36;Yes、S37;Yes)、
図7(d)に示すように、表データリストが上方へ頁(4行)単位でスクロール表示され、リストデータ73「List 1」の5行目の数値がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS38)。
【0078】
次に、ユーザが側面キー4のうちの上方向キー41Uを左手の親指でシングルクリック操作すると(ステップS36;Yes、S37;No)、
図7(e)に示すように、カーソルCが表データリスト上で上方へ1行移動し、リストデータ73「List 1」の4行目の数値がカーソルCで指定表示された状態となる(ステップS39)。より詳しくは、この操作の前の時点でカーソルCがディスプレイ2中の最上行に位置しているため、カーソルCが表データリスト上で上方へ1行移動するように、ディスプレイ2中のカーソルC位置は最上行のままに、表データリストが上方へ1行スクロール表示される。
【0079】
以上、本実施形態によれば、
図3のステップS6〜S9や、
図4のステップS36〜S39、
図5及び
図7等に示したように、ディスプレイ2にリスト(プログラムリスト又は表データリスト)が表示された場合において、ユーザにより側面キー4の方向キー41がシングルクリック操作されたときには、リストのうち指定表示されるデータが当該方向キー41と対応した方向に当該リスト上で1頁未満の所定行(本実施形態では1行)だけ移動するように移動表示され、ユーザにより側面キー4の方向キー41がダブルクリック操作されたときには、当該方向キーと対応した方向にリストが頁単位でスクロール表示される。これにより、本体前面に配置されたキーの操作が必要であった従来と異なり、電卓本体を把持した手での操作が容易な側面キー4を操作することによって、リスト内のデータを閲覧することができる。したがって、本体を把持した片手での操作性を向上させることができる。
【0080】
また、
図3のステップS10等に示したように、ディスプレイ2にプログラムリストが表示された場合において、ユーザにより側面キー4の実行キー42が操作されたときには、プログラムリストのうちカーソルCで指定表示されたプログラム名の計算プログラム72が実行される。したがって、電卓本体を把持した手での操作が容易な側面キー4を操作することによって、計算プログラム72を実行させることができ、ひいては、本体を把持した片手での操作性をさらに向上させることができる。
【0081】
また、
図3のステップS5や、
図4のステップS35等に示したように、ユーザにより側面キー4が操作されたときには、前面キー3のうちのEXEキー32が操作無効に設定される。これにより、側面キー4の操作時において、前面キー3(EXEキー32)の誤操作により実行処理が行われてしまうことを防止できる。
さらに、ユーザにより側面キー4が操作されたときに、前面キー3のうちのカーソルキー31も操作無効に設定されることにより、側面キー4の操作時において、前面キー3(カーソルキー31)の誤操作により方向指定処理が行われてしまうことを防止できる。
【0082】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0083】
例えば、本発明に係るプログラム電卓は、タブレットパソコンやPDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの、片手での把持が可能な電子機器全般に適用可能である。
【0084】
また、側面キー4が操作されたときに前面キー3の一部が操作無効に設定され、前面キー3が操作されたときには側面キー4の一部が操作無効に設定されることとしたが、これらの操作無効状態のときに、ユーザが操作可能な何れかのキーを操作することで当該無効
設定を解除できるように構成してもよい。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
本体前面に配置された表示画面と、
前記本体前面に配置された前面キーと、
前記本体側面に配置され、方向の指定操作を受ける方向キーを含む側面キーと、
ユーザによる前記前面キーの操作により入力された複数のデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶された前記複数のデータを前記表示画面に一覧表示させるとともに、当該一覧表示されたデータのうちの一のデータを指定表示させる一覧表示手段と、
前記一覧表示手段により前記表示画面にデータが一覧表示された場合に、ユーザにより前記側面キーの前記方向キーがシングルクリック操作されたときには、前記一覧表示されたデータのうち指定表示されるデータが当該方向キーと対応した方向に当該一覧表示上で1頁未満の所定行だけ移動するように移動表示させ、ユーザにより前記側面キーの前記方向キーがダブルクリック操作されたときには、当該方向キーと対応した方向に前記一覧表示されたデータを頁単位でスクロール表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするプログラム電卓。
<請求項2>
請求項1に記載のプログラム電卓において、
前記前面キーは、方向の指定操作を受ける方向キーを含み、
前記表示制御手段は、ユーザにより前記前面キーの前記方向キーがダブルクリック操作されたときに、前記一覧表示されたデータのうち指定表示されるデータが当該方向キーと対応した方向に当該一覧表示上で2行移動するように移動表示させることを特徴とするプログラム電卓。
<請求項3>
請求項1又は2に記載のプログラム電卓において、
前記側面キーは、実行操作を受ける実行キーをさらに含み、
前記データは、所定の処理を行うプログラムであり、
前記一覧表示手段は、複数のプログラムのプログラム名を前記表示画面に一覧表示させ、
前記一覧表示手段により前記表示画面に前記プログラム名が一覧表示された場合に、ユーザにより前記側面キーの前記実行キーが操作されたときには、一覧表示された前記プログラム名のうち指定表示されたプログラム名のプログラムを実行するプログラム実行手段を備えることを特徴とするプログラム電卓。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム電卓において、
前記前面キーは、実行操作を受ける実行キーを含み、
ユーザにより前記側面キーが操作されたときに、前記前面キーのうちの前記実行キーを操作無効に設定するキー操作無効設定手段を備えることを特徴とするプログラム電卓。
<請求項5>
請求項4に記載のプログラム電卓において、
前記前面キーは、方向の指定操作を受ける方向キーを含み、
前記キー操作無効設定手段は、ユーザにより前記側面キーが操作されたときに、前記前面キーのうちの前記方向キーを操作無効に設定することを特徴とするプログラム電卓。
<請求項6>
本体前面に配置された表示画面と、
前記本体前面に配置された前面キーと、
前記本体側面に配置され、方向の指定操作を受ける方向キーを含む側面キーと、
ユーザによる前記前面キーの操作により入力された複数のデータを記憶するデータ記憶手段と、
を備えるコンピュータに、
前記データ記憶手段に記憶された前記複数のデータを前記表示画面に一覧表示させるとともに、当該一覧表示されたデータのうちの一のデータを指定表示させる一覧表示機能と、
前記一覧表示機能により前記表示画面にデータが一覧表示された場合に、ユーザにより前記側面キーの前記方向キーがシングルクリック操作されたときには、前記一覧表示されたデータのうち指定表示されるデータが当該方向キーと対応した方向に当該一覧表示上で1頁未満の所定行だけ移動するように移動表示させ、ユーザにより前記側面キーの前記方向キーがダブルクリック操作されたときには、当該方向キーと対応した方向に前記一覧表示されたデータを頁単位でスクロール表示させる表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。