(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報提供手段は、前記取引処理手段により前記応答情報が受信されない場合に前記通信中の自動取引装置が前記他行の自動取引装置であることをユーザに通知し、当該通知後に前記取引を続行する意志が示された場合には前記自行の自動取引装置の位置情報をユーザに提供しない
ことを特徴とする、請求項4又は5に記載のプログラム。
前記情報提供手段は、前記取引処理手段により前記応答情報が受信されない場合に前記通信中の自動取引装置が前記他行の自動取引装置であることをユーザに通知し、当該通知後に前記取引を続行する意志が示されない状態で所定時間が経過した場合には前記自行の自動取引装置の位置情報をユーザに提供しない
ことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載のプログラム。
前記情報提供手段は、前記通信中の自動取引装置が前記他行の自動取引装置であることを、振動の発生、音の出力、光の出力、画像の表示、文字の表示のいずれか1つ又は複数の組み合わせにより通知する
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載のプログラム。
前記取引処理手段は、前記情報提供手段が前記自行の自動取引装置の位置情報をユーザに提供しない場合、前記通信中の自動取引装置において前記取引を実施可能な状態にするための処理を続行する
ことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載のプログラム。
前記取引処理手段は、前記第1の通信手段を用いて通信中の自動取引装置が前記他行の自動取引装置であった場合でも、当該通信中の自動取引装置において前記取引を実施可能な状態にし、
前記情報提供手段は、前記取引処理手段が前記他行の自動取引装置において前記取引を実施可能な状態にする処理を実行しようとした際、当該自動取引装置において過去に前記取引を実施した履歴がある場合、現在位置付近に存在する前記自行の自動取引装置の位置情報をユーザに提供する
ことを特徴とする、請求項3に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、
図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係るシステム構成例について説明する。次いで、
図2を参照しながら、本実施形態に係る自行自動取引装置11の機能構成例について説明する。次いで、
図3を参照しながら、本実施形態に係る他行自動取引装置12の機能構成例について説明する。次いで、
図4を参照しながら、本実施形態に係る電子機器20の機能構成例について説明する。次いで、
図5を参照しながら、本実施形態に係る管理サーバ30の機能構成例について説明する。
【0027】
次いで、
図6〜
図13を参照しながら、電子機器20が自行自動取引装置11又は他行自動取引装置12に翳された場合におけるシステムの動作について説明する。次いで、
図14及び
図15を参照しながら、電子機器20が自行自動取引装置11又は他行自動取引装置12に翳された場合におけるシステムの動作について変形例(変形例#1)を示す。次いで、
図16を参照しながら、電子機器20が他行自動取引装置12に翳された場合におけるシステムの動作について他の変形例(変形例#2)を示す。次いで、
図17を参照しながら、本実施形態に係る電子機器20等の機能を実現することが可能なハードウェア構成例について紹介する。
【0028】
<1:はじめに>
近年、金融機関の連携が進み、他行の自動取引装置を利用して現金の引き出しや振込などの処理を行えるようになった。しかしながら、他行の自動取引装置を利用すると、自行の自動取引装置を利用するよりも高い手数料を請求されてしまう。そのため、ユーザは、通常、自行の自動取引装置を利用しようとする。但し、普段通勤や通学などで利用する駅周辺の自動取引装置、或いは、自宅や会社周辺の自動取引装置などを利用する場合には、自行の自動取引装置を容易に探し出せるが、馴染みの薄い土地においては自行の自動取引装置を探し出せないことが多い。こうした場合、近隣に自行の自動取引装置が存在するにもかかわらず、ユーザは、他行の自動取引装置を利用して高い手数料を支払うことになってしまう。
【0029】
一方、最近では携帯電話や携帯情報端末などを利用して様々な検索サービスを利用できるようになってきている。そのため、ユーザが自動取引装置の位置を地図上に表示させ、自行の自動取引装置を探索することも可能になっている。しかしながら、こうしたサービスを利用するには、携帯電話や携帯情報端末を利用してサービス提供サイトにアクセスし、地図上に表示された自動取引装置の中から自行の自動取引装置を検索するという面倒な操作が必要になる。また、こうした操作を行なっても、自行の自動取引装置が近隣に存在しないこともある。自行の自動取引装置が近隣に存在する場合には、ユーザとしても自行の自動取引装置を積極的に利用したいと考えるが、自行の自動取引装置が近隣に存在しない場合には高い手数料を支払っても他行の自動取引装置で手早く取引を済ませたいと考えるであろう。
【0030】
上記の問題を解決するためには、他行の自動取引装置を利用しても同じ手数料で取引が行えるようになるのが好ましいが、実際には他行の自動取引装置から自行の顧客情報にアクセスできるようにするためのコストや、他行との連携により生じる余分な必要経費などの観点、及び他行の自動取引装置を自行のユーザが利用することによる潜在的な負の営業効果などを考慮すると、他行の自動取引装置を利用する場合の手数料が高くなるのは致し方ないことである。しかし、ユーザに対するサービス向上の観点から、自行の自動取引装置が近隣に存在する場合には、手数料の安い自行の自動取引装置へと誘導するような仕組みが検討されている。
【0031】
例えば、上記の特許文献1に記載があるように、他行の自動取引装置で取引を実施しようとすると、当該他行の自動取引装置の画面に、より手数料の安い自行の自動取引装置の位置を表示する仕組みなどが考えられている。しかしながら、このよう仕組みを実現するには、他行の自動取引装置に手を加える必要がある。そのため、他行の協力がなければ、このような仕組みは実現できない。しかし、現実的には、他行の自動取引装置の利用機会を低下させるような上記の仕組みについて他行の協力が得られるとは考えにくく、上記の仕組みは実現性の点で難がある。そこで、本件発明者は、他行の自動取引装置に手を加える必要なしに、ユーザを近隣にある自行の自動取引装置に誘導したり、自行の自動取引装置が近隣にあるか否かを通知したりできるようにする仕組みを考案した。
【0032】
現在、多くの金融機関のキャッシュカードやクレジットカードは、ICチップを搭載したものとなっている。こうしたICチップにはセキュアメモリ及び認証機能が搭載されており、自動取引装置との間で認証が成功しない限り、セキュアメモリに格納された顧客情報が読み出せないようになっている。そのため、最近のキャッシュカードやクレジットカードは、スキミングや偽造などの犯罪に対して高い耐性を有している。こうした技術を発展させ、ユーザの利便性をさらに向上させるために、非接触ICカード機能を搭載した携帯電話などの電子機器をキャッシュカードやクレジットカードとして利用する仕組みが検討されている。
【0033】
上記の非接触ICカードとは、電子マネー情報などの情報が格納されたセキュアメモリと、セキュアメモリ内の情報を読み書きする際に要する認証を実行するための認証機能と、所謂リーダ/ライタとの間で近接通信するための非接触通信機能とを有する情報記録媒体のことを意味する。非接触ICカードは、現在、小売店舗における決済処理や、公共交通機関の改札処理などに広く利用されている。また、非接触ICカードと同等の機能を搭載した携帯電話などの電子機器も市場に出回っている。こうした電子機器における非接触ICカード機能は、電子機器に搭載された非接触ICチップにより実現されていることが多い。特に、セキュアメモリの管理機能や認証機能は、耐タンパ性の高い非接触ICチップにより実現される。
【0034】
しかし、上記のような電子機器は、単に非接触ICチップを機械的に接続した電子機器であるというわけではない。つまり、電子機器のアプリケーションから、非接触ICチップへとアクセスする手段が設けられているのである。非接触ICチップへのアクセスはセキュリティの観点から慎重にすべきであるが、非接触ICチップに格納された情報や非接触ICチップが受信した情報を取得して電子機器で利用することは可能であろう。そこで、本件発明者は、上記のような想定される状況を考慮し、非接触ICチップが自動取引装置から取得した情報などを利用して、他行の自動取引装置に手を加えず、ユーザに自行の自動取引装置に関する情報を提供したり、自行の自動取引装置に誘導したりする仕組みを考案した。以下、この仕組みに関する実施形態について述べる。
【0035】
<2:実施形態>
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、他行の自動取引装置で取引しようとするユーザに対して近隣にある自行の自動取引装置の情報を提供する技術に関する。なお、後段において言及するが、本実施形態に係る技術を金融機関以外の企業や個人が管理する自動取引装置に応用することや、ATM以外の自動取引装置に応用することなども可能である。こうした応用についても当然に本実施形態の技術的範囲に属する。但し、説明の都合上、多くの部分については金融機関の自動取引装置を想定して説明を進める。
【0036】
[2−1:システム構成]
以下、本実施形態に係るシステムのシステム構成について説明する。
【0037】
(2−1−1:全体構成)
まず、
図1を参照しながら、本実施形態に係るシステムの全体的な構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るシステムの全体的な構成について説明するための説明図である。なお、
図1に示したシステム構成は一例であり、本実施形態に係る技術の適用範囲がこれに限定されるわけではない。
【0038】
図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、主に、自行自動取引装置11と、他行自動取引装置12と、電子機器20と、管理サーバ30とにより構成される。
【0039】
自行自動取引装置11は、電子機器20にとって自行の自動取引装置である。また、自行自動取引装置11は、リーダ/ライタ111及び表示手段115を有する。他行自動取引装置12は、電子機器20にとって他行の自動取引装置である。また、他行自動取引装置12は、リーダ/ライタ121及び表示手段124を有する。電子機器20は、表示手段201及び非接触ICチップ202を有する。
【0040】
ユーザが電子機器20を自行自動取引装置11のリーダ/ライタ111に翳すと、自行自動取引装置11は、リーダ/ライタ111を介して非接触ICチップ202に格納された情報を読み出す。そして、自行自動取引装置11は、読み出した情報を利用して取引の実施を準備する。例えば、自行自動取引装置11は、読み出した情報を利用してユーザが実施可能な取引の種類を表示手段115に表示し、実施を希望する取引をユーザに選択させる。また、実施を希望する取引が選択され、当該取引に必要な情報が入力された場合、自行自動取引装置11は、基幹系システム41(非図示)にアクセスして当該取引に関する処理を実行させる。また、自行自動取引装置11は、出金や入金の処理を実施したり、取引の明細書を発行したりする。
【0041】
同様に、ユーザが電子機器20を他行自動取引装置12のリーダ/ライタ121に翳すと、他行自動取引装置12は、リーダ/ライタ121を介して非接触ICチップ202に格納された情報を読み出す。そして、他行自動取引装置12は、読み出した情報を利用して取引の実施を準備する。例えば、他行自動取引装置12は、読み出した情報を利用してユーザが実施可能な取引の種類を表示手段124に表示し、実施を希望する取引をユーザに選択させる。また、実施を希望する取引が選択され、当該取引に必要な情報が入力された場合、他行自動取引装置12は、基幹系システム42(非図示)にアクセスして当該取引に関する処理を実行させる。また、他行自動取引装置12は、出金や入金の処理を実施したり、取引の明細書を発行したりする。
【0042】
但し、自行自動取引装置11は、電子機器20がリーダ/ライタ111に翳された場合に、非接触ICチップ202から読み出した情報に基づいて自行判定を実施する。ここで言う自行判定とは、非接触ICチップ202が自行の金融機関により発行されたクレジットカードやキャッシュカードなどとして機能するものであるか否かを判定することである。例えば、自行判定とは、M銀行で発行されたキャッシュカードとして機能する非接触ICチップ202をM銀行のATMで利用しているか否かを判定することである。
図1の例では、自行自動取引装置11が電子機器20にとって自行の自動取引装置であるから、自行自動取引装置11は、自行判定の結果、自行であると判定する。
【0043】
自行であると判定すると、自行自動取引装置11は、リーダ/ライタ111を介して非接触ICチップ202へと応答情報を送信する。この応答情報を受信すると、非接触ICチップ202は、自行判定の結果を電子機器20本体に搭載されたアプリケーションに関する所定の処理を実行したり、取引を実施可能な状態にすべく取引に必要な情報を自行自動取引装置11へと提供したりする。一方、他行自動取引装置12は、電子機器20がリーダ/ライタ121に翳されても、自行自動取引装置11が実施するような自行判定はせず、取引を実施するための準備を進める。そのため、この場合には非接触ICチップ202に対して応答情報が送信されない。応答情報を受信できない場合、非接触ICチップ202は、電子機器20本体に搭載されたアプリケーションに関して応答情報を受信した場合とは異なる所定の処理を実行する。なお、所定の処理については後述する。
【0044】
上記のように、本実施形態に係るシステムは、非接触ICチップ202から読み出した情報に基づいて自行判定する自行自動取引装置11の機能、及び応答情報の有無に応じて自行判定する非接触ICチップ202又は電子機器20本体の機能に特徴がある。また、自行判定の結果に応じて非接触ICチップ202又は電子機器20本体が実施する動作(後述)にも特徴がある。当該動作の一つとして、他行自動取引装置12に電子機器20を翳したユーザを近隣にある自行の自動取引装置へと誘導する動作がある。また、他の動作として、他行自動取引装置12に電子機器20を翳したユーザに対して近隣に自行の自動取引装置が存在することを通知する動作がある。これらの動作により、自動取引装置を利用するユーザの利便性や経済性を向上させることができる。
【0045】
さて、電子機器20は、ユーザに対して近隣に存在する自行の自動取引装置の情報を提供する際に管理サーバ30を利用する。管理サーバ30は、1台又は複数台の情報処理装置又は記憶装置などにより構成されており、有線及び/又は無線の通信経路を介して電子機器20と通信可能な状態で設置されている。例えば、管理サーバ30として、所謂クラウドシステムを利用することも可能である。管理サーバ30は、例えば、自動取引装置の位置情報を管理し、所定種類の自動取引装置の位置情報を検索する機能を有する。また、管理サーバ30は、地図情報や自動取引装置の位置情報を表示するための表示情報、或いは、当該表示情報に付随して表示すべき文字情報などを管理している。電子機器20は、必要に応じて管理サーバ30にアクセスし、検索機能を利用したり、表示情報などを取得したりする。
【0046】
以上、本実施形態に係るシステムの全体的な構成について説明した。以下では、各構成要素の機能について、より詳細に説明する。
【0047】
(2−1−2:自行自動取引装置11の機能構成)
次に、
図2を参照しながら、本実施形態に係る自行自動取引装置11の機能構成について、より詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る自行自動取引装置11の機能構成について、より詳細に説明するための説明図である。なお、
図2に示した機能構成は一例であり、本実施形態に係る技術の適用範囲がこれに限定されるわけではない。
【0048】
図2に示すように、自行自動取引装置11は、主に、リーダ/ライタ111と、情報取得手段112と、自行通知手段113と、取引処理手段114と、表示手段115と、入力手段116と、により構成される。
【0049】
リーダ/ライタ111は、電子機器20の非接触ICチップ202との間で非接触通信を行い、非接触ICチップ202に格納された情報を読みだしたり、非接触ICチップ202に情報を書き込んだりする手段である。また、リーダ/ライタ111は、非接触ICチップ202との間で通信経路を確立するための認証処理を実施する機能を有する。情報取得手段112は、リーダ/ライタ111を利用して非接触ICチップ202から情報を取得する手段である。
【0050】
例えば、情報取得手段112は、非接触ICチップ202から取引に利用する顧客情報や金融機関コードなどの情報(以下、取引用情報)を取得する。また、非接触ICチップ202から自行判定用の情報(以下、判定用情報)が送信される場合、或いは、非接触ICチップ202から判定用情報が読み出せる場合、情報取得手段112は、判定用情報を取得する。取引用情報又は判定用情報を取得した情報取得手段112は、自行判定に利用可能な取引用情報の一部又は判定用情報を自行通知手段113に入力する。当該取引用情報の一部又は判定用情報が入力されると、自行通知手段113は、入力された情報を用いて自行判定を実施する。
【0051】
自行判定の結果、自行であると判定された場合、自行通知手段113は、リーダ/ライタ111を用いて非接触ICチップ202に応答情報を送信する。一方、自行判定の結果、他行であると判定された場合、自行通知手段113は、応答情報を送信しない。なお、他行であると判定された場合にエラー情報を電子機器20側へと送信するように自行通知手段113を構成してもよいが、ここでは応答情報を送信しない仕組みとする。この仕組みにすることで、電子機器20側では応答情報を待つだけで自行判定が可能になる上、余分な情報の授受が発生しなくなるためにレスポンスの向上や機能の簡略化が期待できる。特に、本実施形態においては、処理能力が低い非接触ICチップ202を利用することが前提であるため、処理負荷の低い上記の仕組みを採用することは非常に重要である。
【0052】
図1の例では、自行自動取引装置11は、電子機器20にとって自行の自動取引装置であるため、自行通知手段113は、リーダ/ライタ111を用いて電子機器20に応答情報を送信する。応答情報の送信を終えると、取引処理手段114は、取引を実施する準備を開始する。情報取得手段112により取引用情報が取得されている場合、取引処理手段114は、情報取得手段112から取引用情報を取得する。一方、取引用情報が取得されていない場合、取引処理手段114は、情報取得手段112を制御して非接触ICチップ202から取引用情報を取得させる。取引用情報を取得すると、取引処理手段114は、取得した取引用情報に基づいて実施可能な取引の情報を表示手段115に表示させ、ユーザに取引の選択を促す。
【0053】
ユーザにより所望の取引が選択されると、取引処理手段114は、必要に応じて基幹系システム41にアクセスして、取引可能な金額や実施対象となりうる取引先などの情報を取得し、取引条件の入力画面などを表示手段115に表示させる。例えば、振込が選択された場合、取引処理手段114は、口座残高、振込可能な金額、振込先として指定可能な金融機関、振込先の口座種別などの情報を基幹系システム41から取得し、振込先や振込金額などの取引条件を入力するようにユーザに促す。取引条件が入力されると、取引処理手段114は、入力された取引条件を基幹系システム41に送信し、当該取引条件に従って取引を実行させる。なお、入金が必要な取引の場合、取引処理手段114は、ユーザに入金を促したり、入金された金額の計数などを実施する。
【0054】
取引の処理が完了すると、取引処理手段114は、基幹系システム41から取得した情報に基づいて取引内容を記載した明細書を発行したり、必要に応じて出金の処理を実施したり、記帳などの処理を実施したりする。なお、取引の選択や取引条件の入力などの入力操作は、入力手段116を用いて行われる。また、取引処理手段114は、取引の完了を通知する表示や現金の取り忘れを防止するための警告表示の他、電子機器20をリーダ/ライタ111から離してもよい旨の表示を出力するようにしてもよい。例えば、取引処理手段114は、必要な取引用情報を取得し終えたタイミングで、電子機器20をリーダ/ライタ111から離してもよい旨を表示手段115に表示させる。
【0055】
このような表示を行うことで、意図せずに電子機器20がリーダ/ライタ111から離れてしまうことによって取引に不都合が生じてしまうのではないか、或いは、口座残高などに間違いが生じてしまうのではないかといったユーザの不安を低減できる。また、取引処理手段114は、必要に応じて再度電子機器20をリーダ/ライタ111に翳すように促す表示を出力してもよい。なお、表示手段115としては、例えば、LCDモニタやELDモニタなどの表示デバイスを利用することが可能である。さらに、これらの表示デバイスとLEDライトなどの照明デバイスを組み合わせて表示手段115を構成してもよい。また、入力手段116としては、例えば、タッチパネルやキー入力デバイスなどを利用することが可能である。
【0056】
以上、自行自動取引装置11の機能構成について説明した。
【0057】
(2−1−3:他行自動取引装置12の機能構成)
次に、
図3を参照しながら、本実施形態に係る他行自動取引装置12の機能構成について、より詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る他行自動取引装置12の機能構成について、より詳細に説明するための説明図である。なお、
図3に示した機能構成は一例であり、本実施形態に係る技術の適用範囲がこれに限定されるわけではない。
【0058】
図3に示すように、他行自動取引装置12は、主に、リーダ/ライタ121と、情報取得手段122と、取引処理手段123と、表示手段124と、入力手段125と、により構成される。
【0059】
リーダ/ライタ121は、電子機器20の非接触ICチップ202との間で非接触通信を行い、非接触ICチップ202に格納された情報を読みだしたり、非接触ICチップ202に情報を書き込んだりする手段である。また、リーダ/ライタ121は、非接触ICチップ202との間で通信経路を確立するための認証処理を実施する機能を有する。情報取得手段122は、リーダ/ライタ121を利用して非接触ICチップ202から情報を取得する手段である。
【0060】
例えば、情報取得手段122は、非接触ICチップ202から取引に利用する顧客情報や金融機関コードなどの情報(取引用情報)を取得する。情報取得手段122が取得した取引用情報は、取引処理手段123に入力される。なお、他行自動取引装置12は、非接触ICチップ202が自行に対応するものか、他行に対応するものかにかかわらず、応答情報を非接触ICチップ202に送信しない。取引用情報が入力されると、取引処理手段123は、取引を実施する準備を開始する。まず、取引処理手段123は、取得した取引用情報に基づいて実施可能な取引の情報を表示手段124に表示させ、ユーザに取引の選択を促す。
【0061】
ユーザにより所望の取引が選択されると、取引処理手段123は、必要に応じて基幹系システム42にアクセスして、取引可能な金額や実施対象となりうる取引先などの情報を取得し、取引条件の入力画面などを表示手段124に表示させる。例えば、振込が選択された場合、取引処理手段123は、口座残高、振込可能な金額、振込先として指定可能な金融機関、振込先の口座種別などの情報を基幹系システム42から取得し、振込先や振込金額などの取引条件を入力するようにユーザに促す。取引条件が入力されると、取引処理手段123は、入力された取引条件を基幹系システム42に送信し、当該取引条件に従って取引を実行させる。なお、入金が必要な取引の場合、取引処理手段123は、ユーザに入金を促したり、入金された金額の計数などを実施する。
【0062】
取引の処理が完了すると、取引処理手段123は、基幹系システム42から取得した情報に基づいて取引内容を記載した明細書を発行したり、必要に応じて出金の処理を実施したり、記帳などの処理を実施したりする。なお、取引の選択や取引条件の入力などの入力操作は、入力手段125を用いて行われる。また、取引処理手段123は、取引の完了を通知する表示や現金の取り忘れを防止するための警告表示などを行う。なお、表示手段124としては、例えば、LCDモニタやELDモニタなどの表示デバイスが利用される。また、入力手段125としては、例えば、タッチパネルやキー入力デバイスなどが利用される。
【0063】
以上、他行自動取引装置12の機能構成について説明した。
【0064】
(2−1−4:電子機器20の機能構成)
次に、
図4を参照しながら、本実施形態に係る電子機器20の機能構成について、より詳細に説明する。
図4は、本実施形態に係る電子機器20の機能構成について、より詳細に説明するための説明図である。なお、
図4に示した機能構成は一例であり、本実施形態に係る技術の適用範囲がこれに限定されるわけではない。また、
図1の例では、電子機器20として携帯電話を模した図を示したが、電子機器20の形態は携帯電話に限らず、情報端末、ゲーム機、音楽プレーヤ、映像プレーヤなど、非接触ICチップ202を搭載可能な任意のデジタル機器が対象となる。
【0065】
図4に示すように、電子機器20は、主に、表示手段201と、非接触ICチップ202と、自行判別手段203と、表示制御手段204と、合意確認手段205と、入力手段206と、現在位置取得手段207と、装置位置取得手段208と、通信手段209と、により構成される。但し、
図4に示した機能構成のうち、一部の構成要素を省略したり、さらに構成要素を追加したりする変形も可能である。そして、このような変形についても当然に本実施形態の技術的範囲に属する。
【0066】
(非接触ICチップ202について)
まず、非接触ICチップ202の機能構成について説明する。
図4に示すように、非接触ICチップ202は、主に、非接触通信手段2021と、セキュアメモリ2022と、演算処理手段2023とを有する。非接触通信手段2021は、リーダ/ライタ111、121との間で非接触通信するための通信デバイスである。例えば、非接触通信手段2021は、ループアンテナを搭載しており、当該ループアンテナと、通信相手のリーダ/ライタ111、121に搭載されたループアンテナとの間で生じる電磁結合を利用して通信する。但し、将来において異なる非接触通信方式が実現された場合においては、そのような非接触通信方式の非接触通信手段2021を採用してもよい。
【0067】
セキュアメモリ2022は、耐タンパ性を有するメモリデバイスである。例えば、セキュアメモリ2022に対する不正にアクセスがあった場合に、セキュアメモリ2022内の情報が破棄される仕組みなどを有する。また、セキュアメモリ2022内の情報は、高度に暗号化して格納されている。さらに、セキュアメモリ2022内の情報にアクセスするためには、予め認証に成功する必要がある。
【0068】
上記の認証処理は、演算処理手段2023により実行される。まず、演算処理手段2023は、非接触通信手段2021によりリーダ/ライタ111、121との間で通信経路が確立した後、リーダ/ライタ111、121との間でセキュアメモリ2022内の情報にアクセスするための認証を実施する。この認証は、セキュアメモリ2022内に区切られた各エリアに対して実施される。例えば、M銀行の取引用情報が格納されたエリアにアクセスする場合には、そのエリアにアクセスするための認証に成功する必要がある。なお、認証の方法については、現在又は将来利用される非接触ICチップ202において採用されている任意の認証方式を利用可能である。
【0069】
以上、非接触ICチップ202の機能構成について説明した。以下では上記のような非接触ICチップ202の構成を想定して説明を進める。
【0070】
(自行自動取引装置11に翳した場合)
次に、電子機器20が自行自動取引装置11に翳された場合における処理の流れに沿って各構成要素の機能を詳細に説明する。
【0071】
電子機器20が自行自動取引装置11に翳された場合、非接触ICチップ202は、自行自動取引装置11のリーダ/ライタ111との間で通信経路を確立し、自行自動取引装置11との通信を開始する。まず、自行自動取引装置11は、非接触ICチップ202から判定用情報又は取引用情報を読み出す。この例において、自行自動取引装置11は非接触ICチップ202にとって自行であるから、自行自動取引装置11から非接触ICチップ202へと応答情報が送信される。この応答情報を受信すると、非接触ICチップ202は、応答情報の受信を自行判別手段203に通知する。この通知を受けた自行判別手段203は、通信相手の自動取引装置が自行の自動取引装置であると判別し、何もしないか、或いは、非接触ICチップ202に対して取引の続行を許可する旨を通知する。
【0072】
自行判別手段203により通信相手の自動取引装置が自行の自動取引装置であると判別された場合、電子機器20は、ユーザに対して何らの通知もせず、取引を実施することが可能な状態にする。例えば、非接触ICチップ202から取引用情報が読み出されていない場合、自行自動取引装置11が取引用情報を読み出し可能な状態にしたり、或いは、自行自動取引装置11に対して取引用情報を送信したりする。このように、電子機器20が自行自動取引装置11に翳された場合には、自行自動取引装置11が自行の自動取引装置であると判別されるため、非接触ICチップ202を利用した通常の取引が可能なように電子機器20は動作する。
【0073】
(他行自動取引装置12に翳した場合)
次に、電子機器20が他行自動取引装置12に翳された場合における処理の流れに沿って各構成要素の機能を詳細に説明する。
【0074】
電子機器20が他行自動取引装置12に翳された場合、非接触ICチップ202は、他行自動取引装置12のリーダ/ライタ121との間で通信経路を確立し、他行自動取引装置12との通信を開始する。まず、他行自動取引装置12は、非接触ICチップ202から判定用情報又は取引用情報を読み出す。しかし、他行自動取引装置12は自行判定を実行しないため、応答情報を非接触ICチップ202へ送信することはない。自行判別手段203は、判定用情報又は取引用情報を他行自動取引装置12が読み出してから所定時間が経過するまで応答情報の受信を待ち、応答情報の受信がない場合、通信中の自動取引装置が他行の自動取引装置であると判別する。
【0075】
他行の自動取引装置であると判別した場合、自行判別手段203は、判別結果を表示制御手段204及び合意確認手段205に入力する。判別結果を受けた表示制御手段204は、例えば、通信中の自動取引装置が他行の自動取引装置であることをユーザに通知するためのメッセージを表示手段201に表示する(例えば、
図9を参照)。また、判別結果を受けた合意確認手段205は、例えば、通信中の自動取引装置が他行の自動取引装置であることをユーザに通知するために振動を発生させたり、音や音声メッセージを出力させたり、LEDライトの点灯/点滅などを生じさせたりする。
【0076】
また、合意確認手段205は、取引を続行するか否かをユーザに確認するためのメッセージ、及び、近隣に存在する自行の自動取引装置の位置情報を取得する。このとき、合意確認手段205は、現在位置の取得に現在位置取得手段207を利用し、自行の自動取引装置の位置情報を取得するために装置位置取得手段208を利用する。まず、現在位置取得手段207は、GPS機能や基地局との交信状況を利用して現在位置を取得する。次いで、装置位置取得手段208は、通信手段209を利用して管理サーバ30に現在位置の情報を送信し、現在位置周辺に存在する自行の自動取引装置の位置情報を取得する。なお、装置位置取得手段208は、管理サーバ30に対して現在位置の情報に加え、自行の情報を送信するように構成されていてもよい。
【0077】
通信手段209を介して自行の自動取引装置の位置情報を取得すると、装置位置取得手段208は、取得した位置情報を表示制御手段204に入力する。また、取引を続行するか否かをユーザに確認するためのメッセージを管理サーバ30から併せて取得した場合、装置位置取得手段208は、そのメッセージを表示制御手段204に入力する。このようにして位置情報及びメッセージが入力されると、表示制御手段204は、入力された位置情報及びメッセージを表示手段201に表示させ、取引の続行に対するユーザの意思を確認する。位置情報の表示方法としては、例えば、
図11又は
図12に示すような方法が考えられる。また、メッセージの表示方法としては、例えば、
図13に示すような方法が考えられる。このような方法を用いて取引の続行に対するユーザの意思を確認する。
【0078】
入力手段206を用いてユーザが取引続行の意思を示した場合、合意確認手段205は、非接触ICチップ202に対し、取引を実施することが可能な状態にするように指示する。例えば、取引用情報を他行自動取引装置12に提供していない場合、合意確認手段205は、非接触ICチップ202に取引用情報を送信するか、或いは、取引用情報の読み出しが可能な状態にする。一方、取引用情報が他行自動取引装置12により既に読み出され、取引を実施することが可能な状態になっている場合、合意確認手段205は、非接触ICチップ202に対して特段の指示を発することはない。このように、電子機器20が他行自動取引装置12に翳された場合、電子機器20は、ユーザに対して近隣に存在する自動取引装置を知らせ、取引を続行する意思を確認する。なお、近隣に自行の自動取引装置が存在しない場合には、その旨をユーザに通知する仕組みを設けたり、取引続行の意思を確認せずに取引を実施することが可能な状態にするようにしてもよい。
【0079】
以上、電子機器20の機能構成について説明した。
【0080】
(2−1−5:管理サーバ30の機能構成)
次に、
図5を参照しながら、本実施形態に係る管理サーバ30の機能構成について、より詳細に説明する。
図5は、本実施形態に係る管理サーバ30の機能構成について、より詳細に説明するための説明図である。なお、
図5に示した機能構成は一例であり、本実施形態に係る技術の適用範囲がこれに限定されるわけではない。例えば、管理サーバ30の各機能は、それぞれ異なる1台又は複数台の情報処理装置又は記憶装置を用いて実現されてもよいし、或いは、1台又は1群の情報処理装置により実現されてもよい。
【0081】
図5に示すように、管理サーバ30は、主に、通信手段301と、表示情報提供手段302と、表示情報データベース303と、自行検索手段304と、装置位置データベース305とにより構成される。
【0082】
通信手段301は、無線通信回線又は携帯電話回線などの通信経路を利用して電子機器20と通信するための通信デバイスである。表示情報提供手段302は、取引を続行する意思を確認するためのメッセージや画像などの表示情報を電子機器20に提供する手段である。表示情報データベース303は、表示情報提供手段302が提供する表示情報を格納しておくための記憶手段である。自行検索手段304は、電子機器20から受信した現在位置の情報(及び自行の情報)に基づき、現在位置の周辺に存在する自行の自動取引装置の位置情報を検索する手段である。例えば、自行検索手段304は、自動取引装置の位置情報が格納された装置位置データベース305を参照し、該当する自動取引装置の位置情報を抽出する。装置位置データベース305には、例えば、
図10に示すように、自動取引装置の種類を示す識別ID、店名、位置情報(緯度、経度)などが対応付けて格納されている。
【0083】
但し、自行検索手段304は、装置位置データベース305を利用せず、或いは、これと併用して、ネットワーク上に公開されている地図情報から現在位置周辺に存在する自行の自動取引装置の位置情報を取得してもよい。現在位置周辺に存在する自行の自動取引装置の位置情報を取得できた場合、自行検索手段304は、取得した位置情報を電子機器20に送信する。一方、現在位置周辺に自行の自動取引装置が存在しない場合、自行検索手段304は、自行の自動取引装置が存在しない旨の通知を電子機器20に送信する。なお、現在位置周辺とする地理的範囲は、ユーザにより予め設定されていてもよいし、管理者側で予め設定されていてもよい。また、この地理的範囲は、現在位置を中心とする半径により規定されていてもよいし、ユーザが徒歩又は交通機関を利用して移動する場合の移動時間により規定されていてもよい。
【0084】
以上、管理サーバ30の機能構成について説明した。なお、先に説明した電子機器20の自行判別機能を管理サーバ30により実現する仕組みを設けてもよい。例えば、応答情報に支店コードなどを含めて応答情報を管理サーバ30に送信するようにし、その応答情報に基づいて管理サーバ30が自動的にメッセージと位置情報とを電子機器20に送信するような仕組みが考えられる。このように、電子機器20の一部機能を管理サーバ30側に委譲するような変形も可能である。
【0085】
以上、本実施形態に係るシステムのシステム構成について説明した。
【0086】
[2−2:システムの動作]
次に、本実施形態に係るシステムの動作について説明する。
【0087】
(2−2−1:基本動作)
はじめに、
図6〜
図8を参照しながら、本実施形態に係るシステムの基本動作について説明する。ここで説明する基本動作は、判定用情報を利用する仕組みに関する。
【0088】
(電子機器20を自行自動取引装置11に翳した場合の動作)
まず、
図6を参照する。
図6は、電子機器20を自行自動取引装置11に翳した場合の動作について説明するための説明図である。
【0089】
電子機器20は、電源投入時又は自行判定用アプリケーションの起動時に必要に応じて管理サーバ30から表示情報を取得する(S101)。なお、ステップS101の処理は省略してもよい。ユーザが電子機器20を自行自動取引装置11に翳すと(S102)、電子機器20は、自行判定用の識別情報として判定用情報を自行自動取引装置11に送信する(S103)。なお、電子機器20が翳された場合に自行自動取引装置11が自動的に判定用情報を読み出すように構成されていてもよい。判定用情報を取得した自行自動取引装置11は、自行判定を実施し、自行判定の結果を電子機器20に通知する(S104)。つまり、自行自動取引装置11は、応答情報を電子機器20に送信する。
【0090】
次いで、電子機器20は、応答情報を受け、「自行」であることを確認し(S105)、取引を実施することが可能な状態にする。例えば、電子機器20は、非接触ICチップ202に格納された取引用情報の読み出しが可能になるようにしたり、或いは、当該取引用情報を自行自動取引装置11に送信したりする。次いで、自行自動取引装置11は、非接触ICチップ202から金融機関コード、店番号、預金種目コード、口座番号などの取引用情報を取得する(S106)。次いで、自行自動取引装置11は、取得した取引用情報を利用して各種取引の実行を開始する(S107)。ステップS107の後、自行自動取引装置11は、実施可能な取引種別をユーザに選択させたり、ユーザが選択した取引に関する処理を実施可能になる。
【0091】
以上、電子機器20を自行自動取引装置11に翳した場合の動作について説明した。
【0092】
(電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作)
次に、
図7を参照する。
図7は、電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作について説明するための説明図である。
【0093】
電子機器20は、電源投入時又は自行判定用アプリケーションの起動時に必要に応じて管理サーバ30から表示情報を取得する(S111)。なお、ステップS111はステップS116の前段に移動してもよい。ユーザが電子機器20を他行自動取引装置12に翳すと(S112)、電子機器20は、自行判定用の識別情報として判定用情報を他行自動取引装置12に送信する(S113)。しかし、他行自動取引装置12は、自行判定を実施しないため、自行判定の結果が電子機器20に通知されることはない(S114)。つまり、他行自動取引装置12から電子機器20に応答情報が送信されることはない。
【0094】
次いで、電子機器20は、応答情報が受信できないことから、「他行」であることを確認し(S115)、ユーザに対して取引を続行するか否かを確認する(S116)。このとき、電子機器20は、「他行」であることをメッセージ、振動、音、光などを利用してユーザに通知し、取引を続行する意思を確認する。例えば、
図13に示すように、電子機器20は、表示手段201にメッセージを表示すると共に、近隣に存在する自行の自動取引装置を検索するためのボタン2061や、取引続行の意思を表示するためのボタン2062などを表示する。例えば、電子機器20は、ボタン2062が操作された場合に取引続行の意思があるとみなす。また、電子機器20は、通知後、リーダ/ライタ121に翳した状態で何の操作もなく所定時間が経過した場合に、取引続行の意思があるとみなしてもよい。
【0095】
取引続行の意思があるとみなされた場合(S117)、電子機器20は、取引を実施することが可能な状態にする。例えば、電子機器20は、非接触ICチップ202に格納された取引用情報の読み出しが可能になるようにしたり、或いは、当該取引用情報を他行自動取引装置12に送信したりする。取引を実施することが可能な状態になった後、処理は、ステップS118に進行する。一方、取引続行の意思がないとみなされた場合(S117)、電子機器20は、自行への誘導を開始する(S120)。なお、自行へ誘導する処理については後段において詳述する。
【0096】
処理がステップS118に進行した場合、他行自動取引装置12は、非接触ICチップ202から金融機関コード、店番号、預金種目コード、口座番号などの取引用情報を取得する(S118)。次いで、他行自動取引装置12は、取得した取引用情報を利用して各種取引の実行を開始する(S119)。ステップS119の後、他行自動取引装置12は、実施可能な取引種別をユーザに選択させたり、ユーザが選択した取引に関する処理を実施可能になる。一方、ステップS120の処理が完了した場合、他行自動取引装置12における取引に関する一連の処理は終了する。
【0097】
(S120:自行へ誘導)
ここで、
図8を参照しながら、ステップS120の処理について説明を補足する。
【0098】
ステップS120に処理を進めた場合、電子機器20は、現在位置を取得する(S131)。次いで、電子機器20は、現在位置を含む情報を管理サーバ30に送信する(S132)。現在位置を含む情報を受信した管理サーバ30は、電子機器20の現在位置付近に存在する自行自動取引装置11を検索する(S133)。自行自動取引装置11の検索結果が得られると、管理サーバ30は、検出した自行自動取引装置11の位置情報を電子機器20に送信する(S134)。自行自動取引装置11の位置情報を受信した電子機器20は、受信した位置情報を表示してユーザを自行自動取引装置11へと誘導し(S135)、ステップS120の処理を終了する。
【0099】
このとき、電子機器20は、例えば、
図11又は
図12に示すように、現在位置周辺の地図を表示し、その地図上に自行自動取引装置11の位置情報を重ねて表示する。
図11の例では、自行自動取引装置11の位置が店名と共に表示されている。一方、
図12の例では、現在位置が黒丸で表示され、各自行自動取引装置11の位置及び店名が画面内に表示されている。また、自行自動取引装置11の住所や、最寄り駅からの道順などを併せて表示するように構成されていてもよい。さらに、各自行自動取引装置11が提供するサービスの種類や、自行自動取引装置11が金融機関の営業店舗内に設置されたものか、自行自動取引装置11が単独で設置されたものか、などの情報が併せて表示されるように構成されていてもよい。
【0100】
以上、電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作について説明した。
【0101】
(2−2−2:変形例#1)
次に、
図14及び
図15を参照しながら、本実施形態に係るシステムの一変形例(変形例#1)に係る動作について説明する。ここで説明する変形例#1の動作は、取引用情報を利用する仕組みに関する。
【0102】
(電子機器20を自行自動取引装置11に翳した場合の動作)
まず、
図14を参照する。
図14は、電子機器20を自行自動取引装置11に翳した場合の動作について説明するための説明図である。
【0103】
電子機器20は、電源投入時又は自行判定用アプリケーションの起動時に必要に応じて管理サーバ30から表示情報を取得する(S201)。なお、ステップS201の処理は省略してもよい。ユーザが電子機器20を自行自動取引装置11に翳すと(S202)、電子機器20は、自行判定用の識別情報として利用可能な取引用情報を自行自動取引装置11に送信する(S203)。なお、電子機器20が翳された場合に自行自動取引装置11が自動的に取引用情報を読み出すように構成されていてもよい。取引用情報には、例えば、金融機関コード、店番号、預金種目コード、口座番号などが含まれる。この場合、金融機関コードを利用すれば自行判定が可能である。
【0104】
取引用情報を取得した自行自動取引装置11は、自行判定を実施し、自行判定の結果を電子機器20に通知する(S204)。つまり、自行自動取引装置11は、応答情報を電子機器20に送信する。次いで、電子機器20は、応答情報を受け、「自行」であることを確認する(S205)。次いで、自行自動取引装置11は、ステップS203で取得した取引用情報を利用して各種取引の実行を開始する(S206)。ステップS206の後、自行自動取引装置11は、実施可能な取引種別をユーザに選択させたり、ユーザが選択した取引に関する処理を実施可能になる。
【0105】
以上、電子機器20を自行自動取引装置11に翳した場合の動作について説明した。
【0106】
(電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作)
次に、
図15を参照する。
図15は、電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作について説明するための説明図である。
【0107】
電子機器20は、電源投入時又は自行判定用アプリケーションの起動時に必要に応じて管理サーバ30から表示情報を取得する(S211)。なお、ステップS211はステップS216の前段に移動してもよい。ユーザが電子機器20を他行自動取引装置12に翳すと(S212)、電子機器20は、自行判定用の識別情報として利用可能な取引用情報を他行自動取引装置12に送信する(S213)。なお、電子機器20が翳された場合に他行自動取引装置12が自動的に取引用情報を読み出すように構成されていてもよい。取引用情報には、例えば、金融機関コード、店番号、預金種目コード、口座番号などが含まれる。この場合、金融機関コードを利用すれば自行判定が可能である。
【0108】
しかし、他行自動取引装置12は、自行判定を実施しないため、自行判定の結果が電子機器20に通知されることはない(S214)。つまり、他行自動取引装置12から電子機器20に応答情報が送信されることはない。
【0109】
次いで、電子機器20は、応答情報が受信できないことから、「他行」であることを確認し(S215)、ユーザに対して取引を続行するか否かを確認する(S216)。このとき、電子機器20は、「他行」であることをメッセージ、振動、音、光などを利用してユーザに通知し、取引を続行する意思を確認する。例えば、
図13に示すように、電子機器20は、表示手段201にメッセージを表示すると共に、近隣に存在する自行の自動取引装置を検索するためのボタン2061や、取引続行の意思を表示するためのボタン2062などを表示する。例えば、電子機器20は、ボタン2062が操作された場合に取引続行の意思があるとみなす。また、電子機器20は、通知後、リーダ/ライタ121に翳した状態で何の操作もなく所定時間が経過した場合に、取引続行の意思があるとみなしてもよい。
【0110】
取引続行の意思があるとみなされた場合(S217)、処理はステップS218に進行する。一方、取引続行の意思がないとみなされた場合(S217)、電子機器20は、自行への誘導を開始する(S219)。ステップS219の処理は、
図8を参照しながら説明したステップS120の処理と実質的に同じであるため説明を省略する。
【0111】
処理がステップS118に進行した場合、他行自動取引装置12は、ステップS213で取得した取引用情報を利用して各種取引の実行を開始する(S218)。ステップS218の後、他行自動取引装置12は、実施可能な取引種別をユーザに選択させたり、ユーザが選択した取引に関する処理を実施可能になる。一方、ステップS219の処理が完了した場合、他行自動取引装置12における取引に関する一連の処理は終了する。
【0112】
以上、電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作について説明した。
【0113】
(2−2−3:変形例#2)
次に、
図16を参照しながら、本実施形態に係るシステムの一変形例(変形例#2)に係る動作について説明する。ここで説明する変形例#2の動作は、他行であっても取引を続行し、次回の取引時に必要に応じて自行への誘導を実施する仕組みに関する。なお、ここでは取引用情報を利用して自行判定する構成を示すが、判定用情報を利用して自行判定する構成にすることも同様にして可能である。なお、電子機器20を自行自動取引装置11に翳した場合の動作は、上記の変形例#1と実質的に同じである。
【0114】
(電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作)
図16を参照する。
図16は、電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作について説明するための説明図である。
【0115】
電子機器20は、電源投入時又は自行判定用アプリケーションの起動時に必要に応じて管理サーバ30から表示情報を取得する(S311)。なお、ステップS311はステップS316の前段に移動してもよい。ユーザが電子機器20を他行自動取引装置12に翳すと(S312)、電子機器20は、自行判定用の識別情報として利用可能な取引用情報を他行自動取引装置12に送信する(S313)。なお、電子機器20が翳された場合に他行自動取引装置12が自動的に取引用情報を読み出すように構成されていてもよい。取引用情報には、例えば、金融機関コード、店番号、預金種目コード、口座番号などが含まれる。この場合、金融機関コードを利用すれば自行判定が可能である。
【0116】
しかし、他行自動取引装置12は、自行判定を実施しないため、自行判定の結果が電子機器20に通知されることはない(S314)。つまり、他行自動取引装置12から電子機器20に応答情報が送信されることはない。
【0117】
次いで、電子機器20は、応答情報が受信できないことから、「他行」であることを確認し(S315)、電子機器20は、「他行」であることをメッセージ、振動、音、光などを利用してユーザに通知する。次いで、電子機器20は、前回も同じ他行自動取引装置12において取引を続行したか否かを判定する(S317)。前回も同じ他行自動取引装置12において取引を続行している場合、電子機器20は、処理をステップS319に進める。一方、同じ他行自動取引装置12において取引を続行した履歴がない場合、処理は、ステップS318に進行する。なお、履歴としては、例えば、過去に他行自動取引装置12で取引を続行した際の現在位置の情報を利用することが可能である。
【0118】
処理をステップS319に進めた場合、電子機器20は、自行への誘導を開始する(S319)。ステップS319の処理は、
図8を参照しながら説明したステップS120の処理と実質的に同じであるため説明を省略する。
【0119】
処理がステップS318に進行した場合、他行自動取引装置12は、ステップS313で取得した取引用情報を利用して各種取引の実行を開始する(S318)。ステップS318の後、他行自動取引装置12は、実施可能な取引種別をユーザに選択させたり、ユーザが選択した取引に関する処理を実施可能になる。一方、ステップS319の処理が完了した場合、他行自動取引装置12における取引に関する一連の処理は終了する。
【0120】
以上、電子機器20を他行自動取引装置12に翳した場合の動作について説明した。
【0121】
[2−3:その他]
ここで、本実施形態に係るシステムの変形例や応用例について説明を補足する。
【0122】
(2−3−1:アプリケーションの起動タイミングについて)
まず、電子機器20本体に搭載される自行誘導用アプリケーションの起動タイミングについて説明する。上記の通り、本実施形態に係る電子機器20は、取引用情報が格納された非接触ICチップ202を搭載している。そのため、非接触ICチップ202の機能を利用して自動取引装置による取引の実施が可能である。一方、自行判定の結果に応じてユーザに自行の自動取引装置の位置情報を提供したり、通信中の自動取引装置が他行の自動取引装置であることを通知したりする機能の一部又は全部は、電子機器20本体に搭載される自行誘導用アプリケーションにより実現される。
【0123】
自行誘導用アプリケーションの起動タイミングとしては、例えば、電子機器20の電源投入時に起動するように構成する方法が考えられる。また、電子機器20が自動取引装置に翳されたタイミングで自行誘導用アプリケーションが起動するように構成する方法も考えられる。しかし、電子機器20が自行自動取引装置11に翳された場合、ユーザに対して現在位置周辺に存在する自行の自動取引装置の位置情報を通知する必要はない。そのため、通信中の自動取引装置が自行の自動取引装置の場合には自行誘導用アプリケーションを起動せず、他行の自動取引装置に翳されたタイミングで自行誘導用アプリケーションを起動する構成にする方法が効率的であると考えられる。但し、自行誘導用アプリケーションの起動時間が長く、レスポンスが低下するようであれば、事前に起動しておく方法が好ましいと考えられる。
【0124】
(2−3−2:非接触ICチップ202の機能について)
次に、非接触ICチップ202が実行する処理の範囲について説明を補足する。
図4に例示したように、まず、非接触ICチップ202を非接触通信用の通信手段及び取引用情報の格納手段として利用する構成が考えられる。また、他の例として、非接触ICチップ202に自行判別手段203の機能を搭載すると共に、自行判別の結果に応じて自行誘導用アプリケーションを起動する機能を非接触ICチップ202に搭載する構成が考えられる。一方で、非接触ICチップ202は単に応答情報を保持するにとどめ、自行誘導用アプリケーションが非接触ICチップ202の保持する応答情報の有無を監視する構成が考えられる。また、自行判別は行わないが、自動取引装置へ翳されたことを検知した場合に自行誘導用アプリケーションを起動する機能を非接触ICチップ202に搭載する構成も考えられる。
【0125】
(2−3−3:ATM以外の実施例)
次に、自動取引装置の形態について説明を補足する。
【0126】
(街角端末への応用例)
これまで、銀行ATMを想定して説明を進めてきたが、本実施形態に係る技術の適用範囲に属する自動取引装置の形態は銀行ATMに限定されない。具体的には、非接触ICチップ202との間で非接触通信する機能を搭載し、自行判定する機能を搭載した装置であればよい。こうした装置として、街角に設置される情報提供用の端末装置を例示することができる。より具体的には、リーダ/ライタ機能と、自行判定機能とを搭載した端末装置であって、非接触ICチップ202との間で通信経路を確立し、応答情報を送信せずに擬似的に他行の自動取引装置であると認識させる端末装置が考えられる。この端末装置は自行判定を行わないが、上述した電子機器20の仕組みを利用してユーザに自行の自動取引装置の位置情報を提供することができる。
【0127】
(自動販売機への応用例)
上述した仕組みを自動販売機へと応用することも考えられる。例えば、C社に対応する非接触ICチップ202を搭載した電子機器20をD社の自動販売機に翳すと、近隣に存在するC社の自動販売機が推薦されるという仕組みに応用することができる。
【0128】
このように、本実施形態に係る技術は、様々な形態で実施可能であり、また、その応用範囲は金融機関という一つのジャンルにとらわれない。
【0129】
[2−4:ハードウェア構成例]
上記の電子機器20等が有する各構成要素の機能は、例えば、
図17に示すハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて
図17に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0130】
図17に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0131】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0132】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0133】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0134】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0135】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
【0136】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0137】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0138】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。