【実施例】
【0036】
以下において例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。使用した原材料と各種評価方法を次に示す。
【0037】
[熱可塑性樹脂組成物(A)]
・ポリアミド樹脂組成物(a−1)
1質量%のアミノシランカップリング剤で表面処理した平均粒径14μmのタルク(富士タルク工業株式会社のPKP−80)を40質量%と、相対粘度2.47、水抽出分5質量%以下のポリアミド6を60質量%、とからなるポリアミド樹脂組成物。(以下、(a−1)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−2)
(a−1)において、タルクの配合量を0.5質量%とした以外は(a−1)と同様であるポリアミド樹脂組成物(a−2)(以下、(a−2)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−3)
平均粒径が8μmのタルク(日本タルク株式会社のシムゴンM)を30質量%と、相対粘度2.47、水抽出分5質量%以下のポリアミド6を70質量%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−3)(以下、(a−3)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−4)
平均粒径が33μm、かさ密度0.18g/cm
3のグラファイト(日本黒鉛工業株式会社のSP−10)を40体積%と、相対粘度2.47、水抽出分5質量%以下のポリアミド6を60体積%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−4)(以下、(a−4)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−5)
平均粒径が2.3μm、かさ密度0.4g/cm
3の酸化マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社のRF−50−AC)を40体積%と、相対粘度2.47、水抽出分5質量%以下のポリアミド6を60体積%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−5)(以下、(a−5)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−6)
平均粒径が7〜9μmのウォラストナイト(キンセイマテック株式会社のFPW−400S)を40質量%と、相対粘度2.47、水抽出分5質量%以下のポリアミド6を60質量%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−6)(以下、(a−6)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−7)
ガラス繊維(日本電気硝子株式会社のECS03T249)を30質量%と、相対粘度2.64、水抽出分5質量%以下のポリアミド6を70質量%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−7)(以下、(a−7)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−8)
ガラス繊維(日本電気硝子株式会社のECS03T249)を45質量%と、相対粘度2.64、水抽出分5質量%以下のポリアミド6を55質量%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−8)(以下、(a−8)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−9)
ガラス繊維(日本電気硝子株式会社のECS03T289)を45質量%と、相対粘度2.75、水抽出分5質量%以下のポリアミド66を55質量%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−9)(以下、(a−9)と称する。)
・ポリアミド樹脂組成物(a−10)
ガラス繊維(日本電気硝子株式会社のECS03T289)を35質量%と、ポリアミド12を5質量%と、芳香族ポリアミドを13質量%と、相対粘度2.75、水抽出分5質量%以下のポリアミド66を47質量%、とからなるポリアミド樹脂組成物(a−10)(以下、(a−10)と称する。)
・ポリアミド6樹脂(a−11)
相対粘度2.47、水抽出分5質量%以下、結晶化温度Tcが179.8℃のポリアミド6樹脂(a−11)(以下、(a−11)と称する。)
【0038】
[金属(B)]
外寸が12mm×12mm、厚みが1.0mm、長さが150mmであるステンレス、鋼材及びアルミニウムの試験片を準備する。
ステンレスは、18%のCrと8%のNiを含むステンレス鋼であるSUS304−HLを使用し、
鋼材は、機械構造用角形鋼管の規格のSTKMR290を使用し、
アルミニウムは、JIS H4040:2006に規定されるA5052を使用した。
それぞれの試験片の表面に対して、微細凹凸を形成するものとして特許文献1に記載されている侵食性液体(ヒドラジン)を用いた表面処理(以下処理1ともいう。)、もしくは、金属表面に固着するものとして特許文献3に記載されているトリアジンジチオール誘導体を用いる表面処理(以下処理2ともいう。)を施した。
表面処理後の金属はポリエチレンとアルミニウムの多層袋の中に入れ、ヒートシール機で密封し、樹脂との接合成形の直前まで室温で保管した。
【0039】
(強度測定および接合性評価)
図1の1に示す複合体の金属部材をERON社製万力N735に固定する。樹脂部の開口側に200mm×150mm×12mmのSUS304製板材を挿入し、曲げ荷重を挿入した板材の複合体の樹脂と金属の境界面である
図1の斜線部分4から0.2m離れた部分にかけて複合体を破壊させた。破壊時の曲げモーメントを接合面全体の断面係数で割り、曲げ強度を求めた。具体的には、下記式より求めた。
曲げ強度(Pa)=0.2(m)×破壊時の荷重(N)/(0.15(m)×0.012(m)×0.012(m)/6)
接合性とは、その破壊面の状態を下記のA〜Eの5段階で評価したものである。
A:剥離させるのに工具を要し、金属と樹脂の境界面で剥離せず樹脂部が破壊する。
B:剥離させるのに工具を要し、金属側に0.2mm以上の厚さを持った樹脂が残る。
C:取り出し後、手で剥がれるが、抵抗感があり、金属の剥離面に変色がある。
D:取り出し後手で剥がれ、肉眼では界面に変化がない。
E:突き出し時、または取り出し時に手を触れることなく剥離する。
【0040】
(線膨張係数の測定)
複合体を成形する際に得られる
図1の5のスプルー部分から、幅4mm、厚み4mm、長さ10mmの試験片を切り出す。セイコーインスツル株式会社のTMA装置SSC5000を用い、切り出した試験片に2gの荷重をかけ、5℃/分の昇温速度にて50〜150℃の温度範囲の線膨張係数を測定し、その間の平均値を熱可塑性樹脂の線膨張係数とした。
【0041】
(結晶化温度Tcの測定)
線膨張係数と同様、スプルー部分から直径6mm、厚さ1mmの円板寸法からはみ出さない薄板状試験片を切り出す。装置はセイコーインスツル株式会社製示差走査熱量計EXSTAR6000 DSC6220を用いて窒素雰囲気中で測定した。試験片は室温から250℃まで10℃/分の速度で昇温し、250℃で10分保持した後、25℃まで10℃/分の速度で降温した。得られたDSCチャートで降温のピーク温度をTcとした。
【0042】
実施例1
処理1で表面処理したアルミニウムの試験片を200℃に設定したアズワン株式会社の自然対流乾燥器SONW−450で予熱し、その試験片を住友重機械工業株式会社の射出成形機SE−100Dに取り付けた
図1の複合体が成形できる金型内に設置し、(a−1)を12.5質量%と(a−6)を87.5質量%とを混合したポリアミド樹脂組成物を同射出成形機に導入し、金型温度150℃の金型に樹脂温度260℃で射出し、保持圧力40MPaを40秒間かけた後、金型内で45秒冷却し、
図1の形状の複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0043】
実施例2
実施例1において、(a−1)を25質量%、(a−6)を75質量%にした以外は、実施例1と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0044】
実施例3
実施例1において、(a−1)を50質量%、(a−6)を50質量%にした以外は、実施例1と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0045】
実施例4
実施例1において、(a−6)を使用せず、(a−1)を100質量%にした以外は、実施例1と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0046】
比較例1
実施例1において、(a−1)を使用せず、(a−6)を100質量%にした以外は、実施例1と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例5
処理1で表面処理した鋼材の試験片を200℃に設定したアズワン株式会社の自然対流乾燥器SONW−450で予熱し、その試験片を住友重機械工業株式会社の射出成形機SE−100Dに取り付けた
図1の複合体が成形できる金型内に設置し、(a−2)2質量%、(a−7)66.7質量%及び(a−11)31.3質量%を混合したポリアミド樹脂組成物を同射出成形機に導入し、樹脂温度270℃で、金型温度150℃の金型に射出し、保持圧力50MPaを45秒間にかけた後、金型内で45秒冷却し、
図1の形状の複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0049】
実施例6
実施例5において、(a−2)20質量%、(a−7)66.7質量%及び(a−11)13.3質量%にした以外は、実施例5と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0050】
実施例7
実施例5において、(a−1)2.5質量%、(a−7)66.7質量%及び(a−11)30.8質量%にした以外は、実施例5と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0051】
実施例8
実施例5において、(a−1)25質量%、(a−7)66.7質量%及び(a−11)8.3質量%にした以外は、実施例5と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0052】
実施例9
実施例5において、(a−1)50質量%、(a−8)44.4質量%及び(a−11)5.6質量%にした以外は、実施例5と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0053】
比較例2
実施例5において、(a−7)66.7質量%及び(a−11)33.3質量%にした以外は、実施例5と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
実施例10
処理1で表面処理したステンレスの試験片を200℃に設定したアズワン株式会社の自然対流乾燥器SONW−450で予熱し、その試験片を住友重機械工業株式会社の射出成形機SE−100Dに取り付けた
図1の複合体が成形できる金型内に設置し、(a−1)を同射出成形機に導入し、樹脂温度270℃で、金型温度140℃の金型に射出し、保持圧力60MPaを15秒間かけた後、金型内で30秒冷却することにより
図1の形状の複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0056】
実施例11
実施例10において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、実施例10と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0057】
実施例12
実施例10において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、実施例10と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0058】
実施例13
実施例10において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したステンレスの試験片にした以外は、実施例10と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0059】
実施例14
実施例13において、処理2で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、実施例10と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0060】
実施例15
実施例13において、処理2で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、実施例10と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0061】
実施例16
処理1で表面処理したステンレスの試験片を200℃に設定したアズワン株式会社の自然対流乾燥器SONW−450で予熱し、その試験片を住友重機械工業株式会社の射出成形機SE−100Dに取り付けた
図1の複合体が成形できる金型内に設置し、(a−3)を同射出成形機に導入し、樹脂温度270℃で、金型温度140℃の金型に射出し、保持圧力60MPaを15秒間かけた後、金型内で30秒冷却し、
図1の形状の複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0062】
実施例17
実施例16において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、実施例16と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0063】
実施例18
実施例16において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、実施例16と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0064】
実施例19
実施例16において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したステンレスの試験片にした以外は、実施例16と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0065】
実施例20
実施例19において、処理2で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、実施例19と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0066】
実施例21
実施例19において、処理2で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、実施例19と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0067】
実施例22
実施例10において樹脂組成物を(a−1)50質量%および(a−9)50質量%の混合物、金型温度を120℃とした以外は実施例10と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0068】
実施例23
実施例22において樹脂組成物を(a−4)、金属の種類をアルミニウムにした以外は実施例22と同様にして複合体を得、接合性の評価を行った。また切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0069】
実施例24
実施例23において樹脂組成物のグラファイトを酸化マグネシウムにして樹脂組成物(a−5)とした以外は実施例23と同様にして複合体を得、接合性の評価を行った。また切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0070】
比較例3
処理1で表面処理したステンレスの試験片を180℃に設定したアズワン株式会社の自然対流乾燥器SONW−450で予熱し、その試験片を住友重機械工業株式会社の射出成形機SE−100Dに取り付けた
図1の複合体が成形できる金型内に設置し、(a−7)を同射出成形機に導入し、樹脂温度290℃で、金型温度80℃の金型に射出し、保持圧力60MPaを15秒間かけた後、金型内で30秒冷却し、
図1の形状の複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0071】
比較例4
比較例3において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、比較例3と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0072】
比較例5
比較例3において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、比較例3と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0073】
比較例6
比較例3において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したステンレスの試験片にした以外は、比較例3と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0074】
比較例7
比較例6において、処理2で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、比較例6と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0075】
比較例8
比較例6において、処理2で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、比較例6と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0076】
比較例9
比較例3において、試験片を200℃で予熱し、金型温度を150℃にした以外は、比較例3と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0077】
比較例10
比較例9において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したステンレスの試験片にした以外は、比較例9と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0078】
比較例11
比較例9において、(a−7)を(a−9)にした以外は、比較例9と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0079】
比較例12
比較例11において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、比較例11と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0080】
比較例13
比較例11において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、比較例11と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0081】
比較例14
比較例9において、(a−9)を(a−6)にした以外は、比較例9と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0082】
比較例15
比較例14において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したステンレスの試験片にした以外は、比較例11と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0083】
比較例16
処理1で表面処理したステンレスの試験片を200℃に設定したアズワン株式会社の自然対流乾燥器SONW−450で予熱し、その試験片を住友重機械工業株式会社の射出成形機SE−100Dに取り付けた
図1の複合体が成形できる金型内に設置し、(a−10)を同射出成形機に導入し、樹脂温度290℃で、金型温度80℃の金型に射出し、保持圧力60MPaを15秒間かけた後、金型内で30秒冷却することにより
図1の形状の複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。その結果を表3に示す。
【0084】
比較例17
比較例16において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理2で表面処理したステンレスの試験片にした以外は、比較例16と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。その結果を表3に示す。
【0085】
比較例18
比較例16において、(a−10)を(a−8)にした以外は、比較例16と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0086】
比較例19
比較例18において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理した鋼材の試験片にした以外は、比較例18と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0087】
比較例20
比較例18において、処理1で表面処理したステンレスの試験片を処理1で表面処理したアルミニウムの試験片にした以外は、比較例18と同様にして複合体を得た。得られた複合体の強度測定および接合性評価を行った。また、切り出した試験片から線膨張係数と結晶化温度の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0088】
【表3】