特許第5958720号(P5958720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5958720画像または一般にグラフィカルパターンを表面上に再現するためのデバイスおよび対応する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958720
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】画像または一般にグラフィカルパターンを表面上に再現するためのデバイスおよび対応する方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20160719BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20160719BHJP
   H04N 1/387 20060101ALN20160719BHJP
【FI】
   B05C5/00 101
   B41J2/01 303
   !H04N1/387
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-509853(P2014-509853)
(86)(22)【出願日】2012年5月11日
(65)【公表番号】特表2014-516777(P2014-516777A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】IB2012000929
(87)【国際公開番号】WO2012156797
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】UD2011A000072
(32)【優先日】2011年5月13日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513269745
【氏名又は名称】ダル コル,アレッサンドロ
(73)【特許権者】
【識別番号】513269767
【氏名又は名称】タヴィアン,カルロ
(73)【特許権者】
【識別番号】513269778
【氏名又は名称】バティストン,ジアコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ダル コル,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】タヴィアン,カルロ
(72)【発明者】
【氏名】バティストン,ジアコモ
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−314005(JP,A)
【文献】 特開2006−338584(JP,A)
【文献】 特開2002−119897(JP,A)
【文献】 特表2008−510616(JP,A)
【文献】 米国特許第4920422(US,A)
【文献】 特開2005−207221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 12/00 −15/12
B05C 5/00 −21/00
B05D 1/00 − 7/26
B27M 1/00 − 3/38
B41F 16/00 −19/08
B41J 2/01
B41J 2/165− 2/20
B41J 2/21 − 2/215
B41J 5/00 − 5/52
B41J 21/00 −21/18
E01C 23/22
E04F 13/02 −13/18
E04F 13/21
E04F 13/24 −13/26
G02B 5/20
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像または一般にグラフィカルパターンを広い表面上に再現するためのデバイスであって、
第1の方向(y)に沿った少なくとも第1のガイド(16)、および第2の方向(x)に沿った少なくとも第2のガイド(24)を具備する支持フレーム(12)、
前記支持フレーム(12)に対して移動可能な少なくとも1つの印刷システム(14)、
前記少なくとも1つの印刷システム(14)を前記第1の方向(y)に沿って動かすように設計された少なくとも1つの第1のモータ手段(26)、および前記印刷システム(14)を前記第2の方向(x)に沿って動かすように設計された少なくとも1つの第2のモータ手段(28)、
次に制作されなければならない画像の隣接部分を制作するように、前記デバイスの正しい位置決めを可能にするために、支持フレーム(12)と結合され、すでに制作された画像の部分の位置を認識することができ、かつ画像の前記部分が制作されたステップで取り付けられたあり得る基準標識を認識することができる光学的観察システム(100)、および
再現される画像またはグラフィカルパターンを複数のサブ部分に分割して、前記サブ部分の第2の部分の制作のために、前記基準標識を使用して、前記支持フレーム(12)の位置決めを可能にするように、前記印刷システム(14)に、第1の再現ステップで、前記サブ部分の第1の部分および前記基準標識の1つを制作するように指令することができる制御ユニット(40)、を備え
前記印刷システム(14)の任意の起こり得る誤った向きを補償するために、装飾される壁(200)に対する前記支持フレーム(12)の向きを検出し、かつ制作される前記装飾の正しい向きを決定するように、前記支持フレーム(12)の少なくとも一つの側面に結合された、傾斜を検出するための少なくとも一つの加速度計(34)をさらに備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記支持フレーム(12)は、手動で駆動され、かつ支持されることができるようなハンドル(36)、および/または装飾される前記表面上に載っている前記支持フレーム(12)を配置するための支持脚部を有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記支持フレーム(12)は、側面のサイズが30cm〜100cmまでの間からなる正方形または長方形の形状を有することを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記支持フレーム(12)は、自動タイプの支持手段(208)と結合される、または結合可能であることを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載デバイス(10)を使用して、壁(200)または同種のものの上に画像を再現する方法であって、
A)電子タイプのメモリから、いかなる画像、グラフィカルパターンまたは装飾(212)も選択するステップ、
B)前記画像を複数のサブ部分に分割するステップ、
C)前記壁(200)または同種のものの上に前記サブ部分を制作するステップ、
D)隣接サブ部分を制作するために、制作された前記サブ部分に隣接する位置に前記デバイスを動かすステップ、
E)前記隣接サブ部分を整列して制作するため、および同じものを制作するために、制作された前記サブ部分内に存在する、すでに再現された前記画像の一部を認識するステップ、および
F)前述のステップC)〜E)を繰り返すステップ、を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記壁の上にすでに再現された部分のエッジの認識を容易にするために取り付けられた基準標識を使用することを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記壁(200)に対する前記デバイス(10)の傾斜を検出するステップを少なくとも備え、検出された、前記デバイスの前記傾斜に従って、再現される前記画像の補正が可能であることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像または一般にグラフィカルパターンを、その向きにかかわりなく、広い表面上に、たとえば壁、キャンバス、または他のものの上で再現するためのデバイスおよび対応する方法に関する。
【0002】
本発明は、実質的に任意の材料からなる表面上に、たとえば塗り壁、れんが積み、プラスチック、ガラス、セラミックタイル、金属、木材などの上に、復旧工事などで指示を行うために、部屋の装飾、建築物の正面、車両、床に特に適用されるが、これらに限定されるわけではない。
【背景技術】
【0003】
表面を、たとえば建築物の外壁または内壁、織物、キャンバスなどを装飾して美しくする、およびパーソナライズするために、グラフィカルパターン、たとえば画像、文書、写真のコピー、絵画、風景、装飾などを再現することが複雑であることは、一般に知られている。
【0004】
手作業による解決策は、個人の能力と密接な関係があり、再現性および一定の結果を欠いている。
【0005】
最新技術では、一部自動化された解決策が提案され、コンピュータ化された制御ユニットにより指令される移動装置により動かされる印刷システムを使用する。
【0006】
たとえば、デカルト型構造からなる、たとえばx軸およびy軸上で動くフレームからなる装置が公知であり、この装置は、塗装を施される表面に沿って、インク・ジェット・ヘッド、レーザヘッドまたは他のものを備える印刷システムを、たとえばペイント・スプレーヤ・タイプを動かす。
【0007】
他の例が米国特許第4920422号明細書で開示されており、固定された支持物上に多色のグラフィックを自動的に書くためのデバイスが教示されている。しかしながら、このようなデバイスは、デバイス自体より大きな支持物上に書くために使用するのに適していない。
【0008】
公知の解決策の1つの欠点が、装置の軸受構造が、プログラムされた所望の画像すべての印刷ステップ中、動かされないという事実に由来する。
【0009】
したがって、これらの解決策は、再現される画像が、使用される機械と同じサイズ、または使用される機械より小さいときには満足すべきものであるが、画像のサイズが機械より大きい場合、満足できない;あるいは、装置は、画像のサイズに匹敵するサイズを有する場合、複雑で、大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4920422号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の1つの目的が、限られたサイズの装置を使用して、画像、文書、装飾または一般にグラフィカルパターンを非常に広い表面上に再現するためのデバイスおよび方法を供給することであり、したがって、制限されたスペース、または到達困難なスペース内での移送および使用を簡単にする。
【0012】
他の目的が、再現された画像が、短期間かつ合理的コストで、高品質であり、再現可能であり、線およびグラフィカルパターンに連続性があり、さまざまな部分間の接合カ所が感知できないこと、ならびにこのことを、特に熟練者というわけではない人々でさえ容易に、事実上行うことができることを保証することである。
【0013】
本出願者らは、本発明を考案し、試験し、具体化して、最新技術の欠点を克服し、これらおよび他の目的および利点を得た。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、独立クレームで説明され、特徴づけられるが、縦続クレームが、本発明の他の特徴、または本発明の主要な考えの変形形態を説明する。
【0015】
上記の目的によれば、本発明は、装飾される、塗装される、または他の方法で装飾して美しくされるもしくは増強されるエリアが、複数の連続するサブエリアに分割される方法を提供し、サブエリアの各々には、再現される画像またはグラフィカルパターンの正確な部分がそれぞれ割り当てられる。
【0016】
本発明はまた、エリアのうち第1のエリアで画像の再現が完了した後、オペレータによる計測または観察を遂行する必要なしに、およびオペレータによる位置決めの必要がまったくなしに、印刷機器が、隣接位置にそのたびに再位置決めされ、いずれの場合にも、順々に再現される画像の隣接部分間での絶対的な連続性および精度が保証されることを提供する。
【0017】
本発明の実施形態の一形態によれば、上記の方法で使用されるデバイスは、デバイスが平面上で動かされることができるようにする支持フレーム上に搭載された最新技術で公知のものであってもよい印刷システムを、たとえば、プリントヘッド、ペイント・スプレーヤ・システム、または他のものを備える。
【0018】
支持フレームは、必要に応じて可変寸法を有するが、本発明の精神では、支持フレームは大きくはなく、移送、組立ておよび格納が容易である。本発明の一解決策では、支持フレームは、側面が30cm〜100cmの間からなる正方形または長方形である。
【0019】
第1の解決策では、デバイスは、印刷システムが装飾を行うことができるように、適切な距離で、装飾される表面を向く位置で、オペレータにより手作業で使用され、保持されるのに適している。
【0020】
一変形形態によれば、同じく自動タイプの支持システム、たとえば三脚台、基部、棒または同種のものにデバイスを結合することができる。
【0021】
本発明によれば、支持フレームにより、少なくとも2つの軸、たとえばデカルト平面の軸xおよびyに沿って印刷システムを動かすことができるようになる。
【0022】
この動きを遂行するために、電動式駆動を備える少なくとも2つのシステムが、軸の動きごとに1つ存在し、この動きによって、印刷システムは、プログラムされた印刷を行うように正確に位置決めされる。
【0023】
本発明によるデバイスはまた、たとえば1つもしくは複数のカメラ、または対応する電気光学変換器と結合されたLEDもしくはレーザデバイスを備える光学的観察システムを装備する。
【0024】
光学システムにより、たとえば、すでに制作された画像の部分の位置を認識することができるようになり、次に制作される画像の隣接部分を制作するように、デバイスの正しい位置決めを可能にするために、画像の前記部分の制作で装飾された壁、キャンバスまたは他のものに取り付けられたあり得る基準標識を確認することができるようになる。
【0025】
光学システムが、基準標識が認識されたことを示し、画像の次の部分を制作するために、たとえばデバイスを壁の上に載せるようオペレータに通知する位置まで、デバイス全体の次の位置決めをオペレータにより手作業で遂行することができる;変形の実施形態では、デバイスが搭載されたあり得る支持物を動かすための、デバイスの位置決めは、システムにより支配される。
【0026】
本発明の実施形態の一形態では、デバイスはまた、たとえば支持フレームと結合された、傾斜を検出するためのデバイスを備え、このデバイスは、印刷を開始する前に、および/または印刷中に、装飾される壁に対してフレームが正しく位置決めされているかどうかを検出し、正しく位置決めされていない支持フレームが存在する状態でさえ、おそらくは、印刷システムの位置および駆動を補正して、画像の部分が正しい方向に向けられていることを保証する。
【0027】
本発明によれば、デバイスは、デバイスの機能を調整し、管理する指令および制御ユニットと結合される。指令および制御ユニットは、再現されるグラフィカルパターンを選択するためにユーザがアクセスすることができる複数の画像、装飾、デザイン、風景および一般にグラフィカルパターンのアーカイブを含むメモリを少なくとも備える。
【0028】
その後適切なサイズを設定し、たとえば拡大して、装飾される表面上に再現することができる画像を取得するために、指令および制御ユニットは、画像を取得するためのユニットを、たとえばスキャナ、カメラまたは他の適切なデバイスを備えてもよい、またはこのユニットと結合されてもよい。
【0029】
指令および制御ユニットはまた、オペレータが、再現される画像をアーカイブから選択することができるだけではなく、再現される画像を修正する、たとえば文書または同種のものを挿入することもできる、または2つ以上の画像を一緒に組み合わせる、もしくは所望に応じて選択した画像を処理することができる指令インタフェースを備えてもよい。
【0030】
指令および制御ユニットはまた、印刷される画像に従ってデカルト軸上での印刷システムの動きを決定するために、印刷システムの支持フレームに接続される。
【0031】
本発明のこれらおよび他の特徴が、添付図面を参照して、限定しない例として示される、実施形態の優先的な形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態の一形態による、本発明によるデバイスの背面図を示す。
図2図1のAからAまでのデバイスの断面を示す。
図3図1のデバイスの印刷システムの詳細を示す。
図4A】本発明を使用する、壁の装飾ステップのシーケンスを示す。
図4b】本発明を使用する、壁の装飾ステップのシーケンスを示す。
図4c】本発明を使用する、壁の装飾ステップのシーケンスを示す。
図4d】本発明を使用する、壁の装飾ステップのシーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
理解を容易にするために、可能である場合には、図面の同一の共通要素を識別するために同じ参照番号を使用した。
【0034】
画像を再現するためのデバイス10は、図1および図2に示すように、側面が約50cmに等しいこの場合正方形の軸受フレーム12を備える。ここで示さない一解決策では、軸受フレーム12は、脚部もしくは小さな吸着盤、または装飾される壁の上にオペレータがデバイスを載せるのを容易にし、さらに、使用中のデバイスの安定性を増大させる類似の機構を有してもよい。
【0035】
図面に示すデバイス10の形状もサイズも、単に暗示しているにすぎないことは明らかである;サイズは変わってもよいが、デバイスは、主に手作業で使用するために構成されたままであり、その結果、デバイスのサイズおよび重量のために、同じく使用中にデバイスをオペレータにより所定の位置に保つことができるようになる。
【0036】
図面に示すデバイス10は、この場合、第1のガイド16に沿って垂直方向「y」に軸受フレーム内を動くことができるプリントヘッド14を備える。
【0037】
この場合、および以下、説明では、垂直および水平という方向は、図1の表現を指すが、デバイス10は、任意の向きで、さらには水平または垂直の方向に対して側面を傾けて使用することができることは明らかである。
【0038】
プリントヘッド14は、ウォームスクリュー18に通され、ウォームスクリュー18は、対応する支持物20に両端で接続される;支持物20はプリントヘッド14を支持し、プリントヘッド14が回転できるようにする。支持物20は、両方とも(図1に示すように)ベルト22に接続され、ベルト22により、支持物20は水平方向「x」に第2のガイド24に沿って動くことができるようになる。
【0039】
プリントヘッド14の垂直方向の動きは、ウォームスクリュー18が一方の方向または他方の方向に回転することができるという事実により生成され、回転の動きは、2つの支持物20の一方、この場合下の方の支持物20の内側に配置された第1の駆動手段26により決定される。
【0040】
支持フレーム12に水平の動きを与えるために、一方がフレーム12の第1の水平側に位置し、他方がフレーム12の反対側の水平側に位置する2つのベルト22を回転させるために、第2の駆動手段28が使用され、第2の駆動手段28の回転を2つのベルト22に伝える支持物30に接続される。
【0041】
第1の駆動手段26および第2の駆動手段28の機能は、ケーブル32を用いてデバイス10に接続された制御ユニット40(図4aに示す)により管理される。デバイス10が、無線接続、ブルートゥースまたは任意の他のタイプを用いて制御ユニットに接続されてもよいことが、本発明の分野の範囲に入る。
【0042】
制御ユニットにより塗装される画像の向きの補正が可能なように、デバイス10の傾斜を決定するために、フレーム12の一つの側面に、三軸加速度計34が存在する。
【0043】
明らかに、1つまたは複数の加速度計34が、支持フレーム12の1つまたは複数の対応する側面に配置されてもよいことが、本発明の分野の範囲に入る。
【0044】
図3に示すようなプリントヘッド14は、壁200を画像の部分で塗装するための、対応するカートリッジを備えるノズル102(たとえば5つ:シアン、マゼンタ、黄色、白色および黒色)、およびすでに作り出された1つまたは複数の部分の少なくとも位置を制御ユニット40により決定するため、したがって、壁200の塗装が再開されるべき地点を決定するために、デバイス10が動く際に使用される光学的検出システム100からなる。
【0045】
図2に示す実施形態の一形態では、デバイス10は、オペレータにより手作業で使用することができるようになる、デバイス10のフレーム12と結合された2つのハンドル36を有する。
【0046】
デバイス10はまた、より大きくすることができ、したがって、オペレータにより手作業で、または少なくとも、画像の個々の部分を完成するのに必要な期間、容易に保持することができない;この場合、本発明の実施形態の一形態が、支持フレーム12が自動支持物208(図4aに点線で示す)上に搭載され、かつこの場合、少なくとも一部オペレータなしに塗装作業を遂行することができることを提供する。
【0047】
これまで説明した装置10は、以下のように機能する。
【0048】
図4dは、垂直「y」にも水平「x」にも装飾要素204を繰り返すことにより得られる画像202で完全に塗装された壁を示す。
【0049】
図4Aは、デバイス10を使用して壁200を塗装する方法の第1のステップを示し、このステップでは、再現される画像202が、異なる連続した部分206、それぞれ206a、206b、206c、206dに分割される。デバイス10は、壁200の上に画像の第1の部分206aの再現が開始されるべき左上のエッジに対応して、2つのハンドル36を使用して、またはデバイス10を支持する自動デバイス208を使用して、オペレータにより手作業で位置決めされる。
【0050】
デバイス10は、デバイス10の全長に沿って、水平方向「x」にも垂直方向「y」にもプリントヘッド14を動かして、画像の第1の部分の塗装を開始する。
【0051】
画像の第2の部分206bが横方向に隣接してその次に配置される、画像の第1の部分206aの水平端部に対応して、デバイス10は、すでに塗装された画像の部分をその次に認識するために使用される垂直エッジ210aをトレースする。画像の他の部分206cが垂直方向に隣接してその次に配置される、画像の第1の部分206aの垂直端部に対応して、デバイス10は、すでに塗装された画像の部分をその次に認識するために使用される(図4bに示すような)水平エッジ210bをトレースする。
【0052】
図4bでは、デバイス10は、画像の第1の部分206aの塗装を終了し、この場合、その次に行われなければならない画像の次の部分とつながっている対応するエッジ210a、210bが示されている。したがって、画像の次の部分に向かってデバイス10を動かすことができる。図4bに示すように、デバイス10は、すでに塗装された画像の部分206aの右側にある画像の部分206bを再現することができるように、横方向に動かされる。塗装を再開する位置を決定するために、デバイス10は、プリントヘッド14の内側に搭載された検出システム100を使用して、すでに塗装された垂直エッジ210aの位置を解析する。
【0053】
図4cに示すように、エッジ210aの位置が決定されると、デバイス10は、前述と同じ特徴および方法で、画像の第2の部分206bの塗装を開始する。エッジ210aは、画像の部分206bと適合する色の影で塗装され、画像の部分206bの塗装により完全に覆われ、このようにして、画像202の連続性の考えを提供する。
【0054】
本発明の分野および範囲を逸脱することなく、これまで説明したように、画像を再現するためのデバイス10に修正および/または部分の追加を行ってもよいことは明らかである。
【0055】
たとえば、これまで説明したようなノズルを備える印刷システムの代わりに、たとえば、一般に特定のグラフィカルパターンに従って壁紙または装飾などの材料を適用するために、レーザ彫刻ヘッド、フライス加工、または接着材料の計量配分装置さえも使用されてもよいことが本発明の分野の範囲に入る。
【0056】
前述のように210aなどの特定のエッジをトレースする代わりに、基準として、いかなる基準標識も、または画像の一部も使用することができることは明らかである。
【0057】
いくつかの具体的な例を参照して本発明について説明したが、当業者は、特許請求の範囲で説明するような特徴を有し、したがって、特許請求の範囲により規定された保護の分野にすべて入る、画像を再現するためのデバイス10の、多くの他の均等な形態を確実に達成することができることも同じく明らかである。
図1
図2
図3
図4a-4b】
図4c-4d】