【実施例】
【0048】
以下に実施例によって、本発明をより具体的に説明する。なお例中、特に断りのない限り「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
また、「Mn」は数平均分子量を、「Mw」は重量平均分子量をそれぞれ表す。
【0049】
(数平均分子量および重量平均分子量の測定条件)
東ソー社製 高速GPC装置 8020シリーズ(テトラヒドロフラン溶媒、カラム温度40℃、ポリスチレン標準)を用いて測定した。具体的には、カラムとして東ソー製G1000HXL、G2000HXL、G3000HXL、G4000HXLの4本を直列に連結し、流量1.0ml/minにて測定して得られた測定値である。
【0050】
(ガラス転移温度の測定条件)
示差走査熱量計(DSC)(「DSC6220」 SII社製)を用いて10℃/分の昇温速度で測定した。
【0051】
(酸価の測定条件)
ポリエステル樹脂0.2gを20mlのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、0.1N のKOHエタノール溶液で滴定し、ポリエステル樹脂の酸価(mgKOH/g)を求めた。
【0052】
ポリエステル樹脂(A)の製造例
[製造例(A)−1(エステル交換法)]
ジメチルテレフタル酸141.6部、エチレングリコール67.9部、2−メチル−1,3−プロパンジオール98.5部、1,4−ブタンジオール197.1部、トリメチロールプロパン4.9部、酢酸亜鉛0.1部、チタンブトキサイド0.01部を仕込み、220℃まで徐々に昇温しエステル交換反応を行った。理論量のメタノールを留出させた後、イソフタル酸460.5部、セバシン酸29.5部を添加し3時間かけて250℃まで徐々に昇温しエステル化反応を行った。次に、30分かけて圧力を5mmHg以下まで下げ、その状態で3時間重合反応を行った。この後、樹脂を窒素気流下で200℃まで冷却し、これに無水トリメリット酸7.0部を添加し、2時間反応した。以上より、本発明のポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂は、Flexisolv DBE esters(インビスタ社製)/キシレン=1/1(重量比)の混合溶剤で不揮発分が40%になるように調整して樹脂ワニスを得た。
なお、上記の重合に使用した各単量体の比率を、表1にモル比として表記する。
【0053】
[製造例(A)−2(直接重合法)]
テレフタル酸123.7部、イソフタル酸470.1部、セバシン酸30.1部、エチレングリコール69.3部、2−メチル−1,3−プロパンジオール100.6部、1,4−ブタンジオール201.2部、トリメチロールプロパン5.0部、チタンブトキサイド0.01部を重合反応器に仕込み、窒素雰囲気下で250℃まで徐々に昇温し、6時間かけてエステル化反応を行った。次に、30分かけて圧力を5mmHg以下まで下げ、その状態で2時間重合反応を行った。この後、樹脂を窒素気流下で200℃まで冷却し、これに無水トリメリット酸7.1部を添加し、2時間反応した。以上より、本発明のポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂は、Flexisolv DBE esters(インビスタ社製)/キシレン=1/1(重量比)の混合溶剤で不揮発分が40%になるように調整して樹脂ワニスを得た。
【0054】
[製造例(A)−4(直接重合法)]
テレフタル酸116.4部、イソフタル酸436.6部、セバシン酸35.4部、プロピレングリコール53.3部、1,4−ブタンジオール252.5部、1,4−シクロヘキサンジメタノール101.0部、トリメチロールプロパン4.7部、チタンブトキサイド0.01部を重合反応器に仕込み、窒素雰囲気下で250℃まで徐々に昇温し、6時間かけてエステル化反応を行った。次に、30分かけて圧力を5mmHg以下まで下げ、その状態で2時間重合反応を行い、本発明のポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂は、Flexisolv DBE esters(インビスタ社製)/キシレン=1/1(重量比)の混合溶剤で不揮発分が40%になるように調整して樹脂ワニスを得た。
【0055】
[製造例(A)−3、(A)−5、(A)−6]
製造例(A)−2の原料を表1に示す原料に置き換えた以外は、製造例(A)−2と同様に行うことでポリエステル樹脂を合成し、それぞれ製造例(A)−3、(A)−5、(A)−6の樹脂ワニスを得た。
た。
【0056】
[比較製造例 (A)−7〜(A)−11]
製造例(A)−2の原料を表1に示す原料に置き換えた以外は、製造例(A)−2と同様に行うことでポリエステル樹脂を合成し、それぞれ比較製造例(A)−7〜(A)−11の樹脂ワニスを得た。
【0057】
[比較製造例 (A)−12]
製造例(A)−4の原料を表1に示す原料に置き換えた以外は、製造例(A)−4と同様に行うことでポリエステル樹脂を合成し、比較製造例(A)−12の樹脂ワニスを得た。
【0058】
【表1】
【0059】
ポリエステル樹脂(B)の製造例
[製造例(B)−1(直接重合法)]
テレフタル酸172.5部、イソフタル酸402.6部、エチレングリコール43.0部、2−メチル−1,3−プロパンジオール202.7部、1,4−シクロヘキサンジメタノール174.6部、トリメチロールプロパン4.6部、チタンブトキサイド0.01部を重合反応器に仕込み、窒素雰囲気下で250℃まで徐々に昇温し、4時間かけてエステル化反応を行った。次に、30分かけて圧力を5mmHg以下まで下げ、その状態で2時間重合反応を行った。この後、樹脂を窒素気流下で200℃まで冷却し、これに無水トリメリット酸6.6部を添加し、2時間反応した。以上より、本発明のポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂は、Flexisolv DBE esters(インビスタ社製)/キシレン=1/1(重量比)の混合溶剤で不揮発分が40%になるように調整して樹脂ワニスを得た。
【0060】
[製造例(B)−2〜(B)−8]
製造例(B)−1の原料を表2に示す原料に置き換えた以外は、製造例(A)−2と同様に行うことでポリエステル樹脂を合成し、それぞれ製造例(B)−2〜(B)−8の樹脂ワニスを得た。
【0061】
【表2】
【0062】
[実施例1]
製造例(A)−1のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部、フェノール樹脂としてスミライトレジンPR−55317(メタクレゾール系フェノール樹脂、不揮発分50%のn−ブタノール溶液、住友ベークライト社製)43.1 部、溶剤として、Flexisolv DBE esters(インビスタ社製)153.4部、キシレン191.1部、ブチルセロソルブ23.6部、n−ブタノール28.4部、シクロヘキサノン76.8部を混合し、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸0.4部添加し、不揮発分21.5%の塗料を得た。
【0063】
[実施例2]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0064】
[実施例3]
製造例(A)−3のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0065】
[実施例4]
製造例(A)−4のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0066】
[実施例5]
製造例(A)−5のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0067】
[実施例6]
製造例(A)−6のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0068】
[実施例7]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−2のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0069】
[実施例8]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−3のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0070】
[実施例9]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス96.7部、製造例(B)−4のポリエステル樹脂ワニス386.7部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0071】
[実施例10]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−5のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0072】
[実施例11]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0073】
[実施例12]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス96.7部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス386.7部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0074】
[実施例13]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス241.7部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス241.7部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0075】
[実施例14]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス72.5部、製造例(B)−3のポリエステル樹脂ワニス410.9部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0076】
[実施例15]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス193.4部、製造例(B)−3のポリエステル樹脂ワニス290.0部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0077】
[実施例16]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス290.0部、製造例(B)−3のポリエステル樹脂ワニス193.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0078】
[実施例17]
製造例(A)−3のポリエステル樹脂ワニス241.7部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス241.7部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0079】
[実施例18]
製造例(A)−3のポリエステル樹脂ワニス241.7部、製造例(B)−2のポリエステル樹脂ワニス241.7部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0080】
[実施例19]
製造例(A)−5のポリエステル樹脂ワニス193.4部、製造例(B)−5のポリエステル樹脂ワニス290.0部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0081】
[実施例20]
製造例(A)−5のポリエステル樹脂ワニス241.7部、製造例(B)−4のポリエステル樹脂ワニス241.7部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0082】
[実施例21]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス128.9部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス300.9部、スミライトレジンPR−55317(メタクレゾール系フェノール樹脂、不揮発分50%のn−ブタノール溶液、住友ベークライト社製)86.0 部、キシレン201.8部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0083】
[実施例22]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス149.9部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス349.8部、スミライトレジンPR−55317(メタクレゾール系フェノール樹脂、不揮発分50%のn−ブタノール溶液、住友ベークライト社製)30.1部、 キシレン187.8部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0084】
[比較例1]
比較製造例(A)−7のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0085】
[比較例2]
比較製造例(A)−8のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0086】
[比較例3]
比較製造例(A)−9のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0087】
[比較例4]
比較製造例(A)−10のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0088】
[比較例5]
比較製造例(A)−11のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0089】
[比較例6]
比較製造例(A)−12のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0090】
[比較例7]
比較製造例(A)−7のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0091】
[比較例8]
比較製造例(A)−8のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0092】
[比較例9]
比較製造例(A)−9のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0093】
[比較例10]
比較製造例(A)−10のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0094】
[比較例11]
比較製造例(A)−11のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0095】
[比較例12]
比較製造例(A)−12のポリエステル樹脂ワニス145.0部、製造例(B)−1のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0096】
[比較例13]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス145.0部、比較製造例(B)−6のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0097】
[比較例14]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス145.0部、比較製造例(B)−7のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0098】
[比較例15]
製造例(A)−2のポリエステル樹脂ワニス145.0部、比較製造例(B)−8のポリエステル樹脂ワニス338.4部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0099】
[比較例16]
比較製造例(A)−7のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−2のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0100】
[比較例17]
比較製造例(A)−7のポリエステル樹脂ワニス48.3部、製造例(B)−3のポリエステル樹脂ワニス435.1部を用いた以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0101】
[比較例18]
製造例(A)−6のポリエステル樹脂ワニス483.4部を用い、ポリエステル樹脂(B)を用いなかった以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0102】
[比較例19]
製造例(B)−3のポリエステル樹脂ワニス483.4部を用い、ポリエステル樹脂(A)を用いなかった以外は、実施例1と同様に行ない塗料を得た。
【0103】
[テストパネルの作製]
実施例1〜22、及び比較例1〜19で得られた塗料を厚さ0.26mmのアルミ板上に乾燥重量が80mg/dm
2となるようにバーコーターで塗装し、次いで第1ゾーンの温度が286℃ 、第2ゾーンの温度が326℃である2連型のコンベアーオーブンを24秒間で通過させて乾燥・硬化することで塗膜を備えたテストパネルを作製した。得られたテストパネルを下記の通り評価した。
【0104】
<折り曲げ加工性>
テストパネルを幅30mm縦50mmの大きさに準備した。次いで
図1の(a)に示す通りテストパネル1の塗膜を外側にして、縦長さ30mmの位置に直径3mmの丸棒2を添える。そして。
図1の(b)に示す通り丸棒2に沿ってテストパネル2を2つ折りにして試験片3を作製した。この2つ折りにした試験片3の間に厚さ0.26mmのアルミ板(省略)2枚はさみ、
図1の(c)に示す通り幅15cm×高さ5cm×奥行き5cmの直方体状の1kgのおもり4を高さ40cmから試験片3の折り曲げ部に落下させて完全に折り曲げた。
次いで、アルミ板を取り除いた上で、試験片3の折り曲げ部を濃度1%の食塩水中に浸漬させた。次いで、試験片3の、食塩水中に浸漬されていない平面部の金属部分と、食塩水との間を6.0V×6秒間通電させて、その電流値を測定した。
塗膜の加工性が乏しい場合、折り曲げ加工部の塗膜がひび割れて、下地の金属板が露出して導電性が高まるため、電流値が高くなる。
◎:5mA未満(良好)
○:5mA以上10mA未満(使用可)
△:10mA以上20mA未満(使用不可)
×:20mA以上(不良)
【0105】
<開口性試験>
テストパネルを縦50mm×横50mmの大きさに準備した。プレス機を使用してテストパネルの塗装面に飲料缶で一般的なステイオンタブ開口部の形状に型を成形し試料とした。次いで、同試料の無塗装面の側から、開口部の形状に沿ってアルミニウム板を引き剥がし、その開口部を顕微鏡で拡大し目視判定した。開口性が不良であると、塗膜が開口部の周辺部に残存しやすくなり、開口部内にはみ出す幅が大きくなる。開口性が良好であるとは、塗膜が開口部内にまったくはみ出さないか、あるいは、はみ出したとしても、そのはみ出し幅がごくわずかである状態をいう。具体的な判定方法としては、はみ出ている塗膜の幅を測定し、下記評価基準にて評価した。
◎ : はみ出ている塗膜の最大幅が100μm未満(良好)
○ : はみ出ている塗膜の最大幅が100μm以上、200μm未満(使用可)
△ : はみ出ている塗膜の最大幅が200μm以上、400μm未満(使用不可)
× : はみ出ている塗膜の最大幅が400 μm 以上(不良)
【0106】
<耐レトルト性試験>
テストパネルを水に浸漬したまま、レトルト釜で125℃−30分間レトルト処理を行い、塗膜の外観について目視で評価した。
◎:未処理の塗膜と変化なし(良好)
○:ごく薄く白化(使用可)
△:やや白化(使用不可)
×:著しく白化(不良)
【0107】
耐腐食性を耐酸性試験および耐アルカリ性試験で評価した。
<耐酸性試験>
テストパネルをクエン酸を2重量%含むpH2程度の水溶液に浸漬したまま、レトルト釜で125℃−30分間レトルト処理を行い、塗膜の外観について目視で評価した。
◎:未処理の塗膜と変化なし(良好)
○:ごく薄く白化(使用可)
△:やや白化(使用不可)
×:著しく白化(不良)
【0108】
<耐アルカリ性試験>
テストパネルを水酸化ナトリウムを使用してpH12に調整した水溶液に浸漬したまま、レトルト釜で125℃−30分間レトルト処理を行い、塗膜の外観について目視で評価した。
◎:未処理の塗膜と変化なし(良好)
○:ごく薄く白化(使用可)
△:やや白化(使用不可)
×:著しく白化(不良)
【0109】
<内容物汚染性試験>
レトルト釜にテストパネルを投入し水中に浸漬させた。次いで、125℃−30分間レトルト処理を行った。テストパネルの面積(すわなち塗膜の面積)と水との比率は、テストパネル100cm
2に対して、水が100mLとなるようにした。
レトルト処理後の水を「TOC−L CPH」(島津製作所社製)を使用して分析し、
全有機炭素(TOC)量を測定した。なお、TOC量とは、水中に存在する有機物の総量を有機物中の炭素量で示したものである。
◎:1ppm未満(良好)
○:1ppm以上1.5ppm未満(使用可)
△:1.5ppm以上2ppm未満(使用不可)
×:2ppm以上(不良)
【0110】
<経時加工性試験>
テストパネルを37℃の恒温槽に60日間静置後、上記折り曲げ加工性の試験と同様にしてパネルを加工し、電流値を測定した。次いで、上記折り曲げ加工性の試験で得られた電流値と、パネル経時後の電流値の差(パネル経時後の電流値−パネル経時前の電流値)を求めて耐経時加工性を評価した。
◎:1mA未満(良好)
○:1mA以上5mA未満(使用可)
△:5mA以上10mA未満(使用不可)
×:10mA以上(不良)
【0111】
表3、4に、各塗料組成物の物性評価結果を示す。表中の塗料配合組成について、ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の配合比を重量比で示す。また、塗料は、塗料100重量部に含まれるポリエステル樹脂の配合部とフェノール樹脂の配合部を示している。
【0112】
【表3】
【0113】
【表4】