特許第5958745号(P5958745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958745
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】風呂装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/00 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   F24H1/00 604F
   F24H1/00 604E
   F24H1/00 G
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-103533(P2012-103533)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-231547(P2013-231547A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】米多 恵梨
(72)【発明者】
【氏名】跡部 嘉史
(72)【発明者】
【氏名】井上 晴喜
(72)【発明者】
【氏名】久保 隆志
(72)【発明者】
【氏名】中野 智也
(72)【発明者】
【氏名】長野 克則
(72)【発明者】
【氏名】田邉 憲司
(72)【発明者】
【氏名】山口 大輔
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−011181(JP,A)
【文献】 特開2005−348475(JP,A)
【文献】 特開2007−101232(JP,A)
【文献】 特開平07−071813(JP,A)
【文献】 特開平08−121870(JP,A)
【文献】 特開2007−151617(JP,A)
【文献】 特開2004−347214(JP,A)
【文献】 特開2002−229637(JP,A)
【文献】 特開2011−094874(JP,A)
【文献】 特開2002−318003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00− 1/52
F24D17/00
H02P 5/00
G05B 9/00− 9/05
G05B23/00−26/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の水位を検知する水位センサーを備えた風呂装置において、電源回路部と、前記水位センサーが正常に水位を検知し得る状態であるか否かを診断するセンサー診断機能と、水位センサーを初期化する初期化機能を有し、前記センサー診断機能で診断した結果、正常に水位を検知し得ない状態である場合には、前記初期化機能によって自動的に水位センサーが初期化されるものであり、
水位センサーは、起動に電力を必要とするものであり、前記初期化機能は、水位センサーに対する電源回路部からの電力供給を一旦停止し、再度電力供給を行う行為を含み、
水位センサーは、電源入力端子と、スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部を有し、当該スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に所定の電圧又は信号が入力されていることを条件として動作するものであり、前記初期化機能は、前記スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に対する入力を一旦停止し、再度入力を行う行為を含み、
前記スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に前記所定の電圧又は信号を入力するリセット用ICを有し、当該リセット用ICは電源部に供給される電圧が最低作動電圧を下回ると出力が消失するものであり、前記リセット用ICの電源部と、前記水位センサーの前記電源入力端子とが、並列に前記電源回路部から電力供給を受ける回路構成であり、
前記初期化機能は前記電源回路部から、前記リセット用ICの電源部と、前記水位センサーの前記電源入力端子に対する電力供給の一旦停止及び再度の電力供給を行うものであり、
前記初期化機能によって前記スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に対する入力が一旦停止された後に再度入力されることを特徴とする風呂装置。
【請求項2】
水位センサーに対する診断は、水位センサーによる水位検出処理を行う前に実行されることを特徴とする請求項に記載の風呂装置。
【請求項3】
水位センサーに対する診断及び/又は水位センサーの初期化が、定期的に実行されることを特徴とする1又は2に記載の風呂装置。
【請求項4】
水位センサーによって定期的に浴槽の水位が検知され、水位センサーに対する診断及び/又は水位センサーの初期化が、浴槽の水位を検知していない時間帯に実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の風呂装置。
【請求項5】
風呂装置自体に対する電源投入に遅延して水位センサーが起動されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の風呂装置。
【請求項6】
風呂装置は、電源投入後に各構成機器の一部又は全部を初期化及び/又は動作確認するイニシャル動作を実施するものであり、各構成機器の一部又は全部のイニシャル動作が完了したことを契機として水位センサーが起動されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の風呂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位センサーを備えた風呂装置に関するものである。本発明は、浴槽に対して湯を落とし込んだり、風呂の追い焚きを行う機能を備えた風呂装置として好適である。
【背景技術】
【0002】
浴槽に湯を落とし込んだり、湯の追い焚きを行う機能を有する風呂装置が広く普及している。また「風呂自動運転」と称し、浴槽の水位と、湯の温度を監視してこれを一定に保つ機能を備えた風呂装置も広く普及している。
これらの風呂装置は、浴槽と熱交換器との間を環状に繋いだ追い焚き循環回路を有し、当該追い焚き循環器回路に浴槽循環ポンプが設けられている。また熱交換器を加熱するバーナを持つ。
そして浴槽内の湯水の温度が低下した場合には、浴槽循環ポンプを起動して浴槽内の湯水を熱交換器側に循環させると共にバーナに点火し、湯水を加熱する。
【0003】
また「風呂自動運転」を行う機能を備えた風呂装置は、多くの場合、水位センサーを備えていて、浴槽の水位を監視している。そして浴槽内の湯水が減少すると、自動的に湯が落とし込まれる。
そのため水位センサーが故障すると、浴槽内の水位を正確に検知することが出来なくなり、落とし込み量が過大となって浴槽から湯水が溢れたり、落とし込み量が過小となって湯量が不十分となってしまうという問題があった。
そこで特許文献1では、水位センサーの故障を検知し、水位センサーが故障していないことを条件として浴槽循環ポンプを駆動させる発明が開示されている。また水位センサーが故障している場合には、警報を発して使用者に知らせる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−121870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された発明によると、水位センサーが故障していない場合に限って浴槽循環ポンプが駆動されるので、ポンプの空回りは防止される。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、水位センサーが故障した場合の対策が十分に検討されていない。即ち特許文献1に開示された発明では、水位センサーが故障していることが判明すると、前記した様に、警報が発せられる。警報で水位センサーが故障していることを知った使用者は、販売店等に連絡して修理したもらうこととなるが、その間、風呂装置を使用することができない。
即ち特許文献1に記載の発明では、水位センサーの故障を検知した場合は、浴槽循環ポンプが駆動し得なくなるから、風呂の追い焚きを行うことができない。
また多くの場合、浴槽内に湯水を落とし込む際には、前記した浴槽循環ポンプが駆動されるから、水位センサーの故障を検知した場合には、浴槽に湯水を落とし込むことも出来ない状態となってしまう。
【0006】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、水位センサーの不具合を自動的に修復することができる風呂装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、浴槽の水位を検知する水位センサーを備えた風呂装置において、電源回路部と、前記水位センサーが正常に水位を検知し得る状態であるか否かを診断するセンサー診断機能と、水位センサーを初期化する初期化機能を有し、前記センサー診断機能で診断した結果、正常に水位を検知し得ない状態である場合には、前記初期化機能によって自動的に水位センサーが初期化されるものであり、水位センサーは、起動に電力を必要とするものであり、前記初期化機能は、水位センサーに対する電源回路部からの電力供給を一旦停止し、再度電力供給を行う行為を含み、
水位センサーは、電源入力端子と、スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部を有し、当該スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に所定の電圧又は信号が入力されていることを条件として動作するものであり、前記初期化機能は、前記スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に対する入力を一旦停止し、再度入力を行う行為を含み、前記スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に前記所定の電圧又は信号を入力するリセット用ICを有し、当該リセット用ICは電源部に供給される電圧が最低作動電圧を下回ると出力が消失するものであり、前記リセット用ICの電源部と、前記水位センサーの前記電源入力端子とが、並列に前記電源回路部から電力供給を受ける回路構成であり、前記初期化機能は前記電源回路部から、前記リセット用ICの電源部と、前記水位センサーの前記電源入力端子に対する電力供給の一旦停止及び再度の電力供給を行うものであり、前記初期化機能によって前記スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に対する入力が一旦停止された後に再度入力されることを特徴とする風呂装置である。
【0008】
本発明の風呂装置では、水位センサーが正常に水位を検知し得る状態であるか否かを診断するセンサー診断機能を備えている。ここで「センサー診断機能」は、あくまでも「水位センサーが正常に水位を検知し得る状態であるか否かを診断する」機能であり、水位センサーが故障しているか否かは問わない。もちろん、水位センサーが故障している場合は、「水位センサーが正常に水位を検知し得る状態」ではないが、水位センサーが故障していない場合であっても、水位センサーの制御部のソフトウェア上の都合で、一時的に水位を検知し得ない場合がある。本発明の「センサー診断機能」は、故障ではないものの、一時的に水位を検知し得ない状態となっている場合についても診断する。
そして本発明の風呂装置では、水位センサーが正常に水位を検知し得ない状態である場合には、自動的に水位センサーを初期化する。
なおここで言う「初期化」とは、一般的な電源リセットの様な処理であり、内部のソフトウェアやデータを完全に消去してしまうという意味ではない。また「初期化」は全ての領域や機能を初期化することに限定されるものではない。
この処理(初期化処理)によって、多くの場合、水位センサーは、正常な状態に復帰する。そのため水位センサーは、浴槽の水位を正確に検知できる状態となり、使用者は、普段どおりに風呂装置を使用することができる。
【0009】
請求項に記載の発明は、水位センサーは、起動に電力を必要とするものであり、前記初期化機能は、水位センサーに対する電力供給を一旦停止し、再度電力供給を行うものであること特徴としている。
【0010】
IC等の電子機器を内蔵した水位センサーは、ノイズ等の影響で不具合か生じる場合がある。この不具合は、初期化することによって修復する場合が多い。ここでIC等の電子機器を内蔵した水位センサーを初期化するには、一旦、電力の供給を停止し、その後に、電力を再投入することによって行われる。
即ちIC等の電子機器を内蔵した水位センサーは、通常、電子機器を動作させるための電力を必要とする。そして、内蔵されている電子機器は、前記した電力の供給を一旦停止し、その後に再度電力供給を行うことによって初期化される。
【0011】
請求項に記載の発明は、水位センサーはスタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部を有し、当該スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に所定の電圧又は信号が入力されていることを条件として動作するものであり、前記初期化機能は、前記スタンバイ端子及び/又はスタンバイ信号入力部に対する入力を一旦停止し、再度入力を行うものであること特徴としている。
【0012】
水位センサーにはスタンバイ端子やスタンバイ信号入力部を有するものがある。この様な構造の水位センサーは、スタンバイ端子等に対する入力を一旦停止し、再度入力を行うことによって初期化される。
【0013】
関連発明の一つは、水位センサーは、基準電圧又は基準信号を入力可能なものであり、前記基準電圧又は基準信号が所定の条件に変更されたことを契機として水位センサーの初期化が実行されることを特徴とする風呂装置である。
【0014】
本発明の風呂装置で採用する水位センサーは、基準電圧又は基準信号を入力可能なものである。ここで基準電圧及び基準信号は、出力を補正するために入力する電圧や信号、あるいは測定レンジ等を決めるための電圧や信号である。
前者の電圧等は、圧力によって水位を検知する水位センサーに入力される場合がある電圧等である。即ち追い焚き配管内の圧力に基づいて、浴槽の水位を検知する水位センサーが知られている。この種の水位センサーは、浴槽の設置位置と、風呂装置の設置位置に落差がある場合に、その落差に基づく圧力差を補正する必要がある。基準電圧は、この落差分を補正するために入力される電圧である。
また水位センサーには、測定幅や、測定精度を変化させることができるものもあり、後者の基準電圧等は、この範疇に含まれる。
【0015】
請求項に記載の発明は、水位センサーに対する診断は、水位センサーによる水位検出処理を行う前に実行されることを特徴とする請求項に記載の風呂装置である。
【0016】
本発明の風呂装置では、水位センサーに対する診断を、水位センサーによる水位検出処理を行う前に実行するので、検出された水位に誤りが生じない。
【0017】
請求項に記載の発明は、水位センサーに対する診断及び/又は水位センサーの初期化が、定期的に実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置である。
【0018】
本発明の風呂装置では、水位センサーに対する診断等が定期的に実行されるので、水位センサーは、常時、正確に水位を検知できる状態に保たれる。
【0019】
請求項に記載の発明は、水位センサーによって定期的に浴槽の水位が検知され、水位センサーに対する診断及び/又は水位センサーの初期化が、浴槽の水位を検知していない時間帯に実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の風呂装置である。
【0020】
本発明の風呂装置では、浴槽の水位を検知していない時間帯に診断等が実行されるので、風呂装置の通常の動作に不都合を来さない。
【0021】
また風呂装置自体に対する電源投入に遅延して水位センサーが起動されることが望ましい(請求項)。
【0022】
電源投入後に各構成機器の一部又は全部を初期化及び/又は動作確認するイニシャル動作を実施する風呂装置であるならば、各構成機器の一部又は全部のイニシャル動作が完了したことを契機として水位センサーが起動されることが望ましい。
【0023】
この観点から発案された請求項に記載の発明は、風呂装置は、電源投入後に各構成機器の一部又は全部を初期化及び/又は動作確認するイニシャル動作を実施するものであり、各構成機器の一部又は全部のイニシャル動作が完了したことを契機として水位センサーが起動されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の風呂装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の風呂装置は、水位センサーの不具合を自動的に修復することができる効果がある。そのため使用者は、継続的に風呂装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態の風呂装置の配管系統図である。
図2図1の風呂装置の制御装置と電気機器の関係を示すブロック図である。
図3図1の風呂装置の水位センサー及びその周辺の関係を示すブロック図である。
図4図1の風呂装置の水位センサーに係る駆動電圧と、スタンバイ端子の端子電圧と、水位センサーの起動状況との関係を示すタイムチャートである。
図5図1の風呂装置の水位センサーに係る駆動電圧と、スタンバイ端子の端子電圧と、水位センサーの起動状況との関係を示すタイムチャートの変形例である。
図6図1の風呂装置の動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の他の実施形態における水位センサー及びその周辺の関係を示すブロック図である。
図8図7に示す実施形態における水位センサーに係る駆動電圧と、スタンバイ端子の端子電圧と、水位センサーの起動状況との関係を示すタイムチャートである。
図9】本発明の他の実施形態における風呂装置の動作を示すフローチャートである。
図10】本発明のさらに他の実施形態における風呂装置の動作を示すフローチャートである。
図11】本発明のさらに他の実施形態における風呂装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の風呂装置1は、図1の様に一缶二水路形式の燃焼装置2を内蔵するものである。
燃焼装置2は、図1の様に一つの燃焼空間(缶体8)内に2系統の熱交換器10,11が内蔵されている。2系統の熱交換器10,11の内の一つは、給湯用熱交換器11であり、他方は、追い焚き用熱交換器10である。
【0027】
燃焼装置2は、複数のバーナ12を内蔵している。複数のバーナ12は、5系統に区分されている。そして各系統ごとに電磁弁14が設けられている。
電磁磁弁14の上流側にガス比例弁15が設けられており、各バーナ12に供給する燃料ガスの量を制御することができる。
缶体8の上流部(下部)には、送風機16が取り付けられている。
【0028】
風呂装置1は、給湯回路20と、追い焚き回路(循環配管)21を有している。また両者の間に落とし込み流路23が設けられている。
【0029】
給湯回路20は、公知のそれと同一であり、外部から水の供給を受ける給水部25に連通し、給湯用の熱交換器11を通過する高温湯流路26と、給湯用の熱交換器11をバイパスするバイパス流路27を備え、高温湯流路26を流れる高温の湯にバイパス流路27を流れる冷水を湯水混合弁13で混合し、所望の温度に調整し、給湯口28から排出するものである。給湯回路20には、温度センサー65,66が設けられている。
給湯回路20の一部であって湯水混合弁13の下流側には、給湯出湯流量調整弁17が設けられている。
【0030】
追い焚き回路(循環配管)21は、浴槽5を含む循環流路18を形成するものであり、浴槽5側から追い焚き用熱交換器10に湯水を戻す風呂戻り流路30と、追い焚き用熱交換器10側から浴槽5側に湯水を送りだす風呂往き流路31を備えている。
そして風呂戻り流路30には、水位センサー33と、浴槽循環ポンプ32、温度センサー62等が設けられている。
水位センサー33は、浴槽5の水位を検知するものであり、具体的には圧力センサーである。
【0031】
本実施形態で採用する水位センサー33は、ダイアフラム等の圧力によって変形する部材(図示せず)を有し、ダイアフラム等の変形量を検知する検知部40(図3)を備えている。検知部40は、例えばストレインゲージであり、変形に応じて電気抵抗等の電気的特性が変化するものである。
検知部40は、所定の電圧を印加し、抵抗の変化を電圧の変化として出力するものである。また本実施形態で採用する水位センサー33は、温度補償機能と、高さ補償機能を有する。即ち本実施形態で採用する水位センサー33は、前記した検知部40の他に、信号制御部41を有し、信号制御部41で検知部40の検出値が補正される。そして補正された電圧が、出力部37を経て出力端子38に現れる。
【0032】
ここで、信号制御部41は、ICを含む電子回路であり、所定のソフトウェアが書き込まれている。そのためノイズ等によって不具合が生じる場合がある。また信号制御部41のソフトウェア上の都合により、不定期的に通常とは違う動作を行うものもある。
これらの不具合は、水位センサー33を初期化することによって回復する場合が多い。なおここで言う「初期化」は、内部のソフトウェアやデータを完全に消去してしまうという意味ではなく、通常の電源リセットの様に制御部の動作をリセットするという趣旨である。
【0033】
上記した様に、本実施形態の水位センサー33は、前記した検知部40の他に、信号制御部41を有する。そして信号制御部41で、検知部40から出力された電圧の信号の温度補償と、高さ補償を行い、検知部40から出力された電圧信号を補正する。
より詳細には、信号制御部41によって、気温や湯温の変化に係わらず、正確な水位を検知することができる様に、出力信号が補正される。
【0034】
また本実施形態で採用する水位センサー33は、浴槽5が設置された位置の地上高と、風呂装置1が設置された位置の地上高の差に起因する圧力差を補正することができる(高さ補償)。高さ補償は、基準電圧を変化させることによって行う。
【0035】
即ち水位センサー33は、基準電圧印加端子45及び基準電圧入力部46を有し、外部から基準電圧が入力される。入力された基準電圧は、基準電圧入力部46から信号制御部41に入力される。
【0036】
本実施形態で採用する水位センサー33では、基準電圧(Vref)を変化させることによって出力端子38から出力される信号電圧が変化する。即ち基準電圧(Vref)は、一種のバイアス電圧であり、基準電圧(Vref)を上昇させると信号電圧(Vo)が上方にシフトし、基準電圧(Vref)を降下させると信号電圧(Vo)が下方にシフトする。
【0037】
さらに水位センサー33には、検知部40に入力する電力や、信号制御部41で消費する電力が必要であり、電入力端子50と、電力入力部51を有している。
検知部40に入力する電力と信号制御部41で消費する電力は、電入力端子50を経て電力入力部51に入り、さらに電力入力部51から検知部40と信号制御部41に入力される。
【0038】
また本実施形態で採用する水位センサー33は、所定のスタンバイ電圧が信号制御部41に印加されていることを条件として起動するものであり、スタンバイ端子52とスタンバイ電圧入力部(スタンバイ信号入力部)53を有している。
スタンバイ電圧は、スタンバイ端子52及びスタンバイ電圧入力部53を経由して信号制御部41に印加される。
【0039】
本実施形態で採用する水位センサー33は、電入力端子50とスタンバイ端子52に所定の電圧が印加されることによって駆動する。
逆に電入力端子50及びスタンバイ端子52のいずれか一方の電圧が消失すると、停止する。
停止状態のときに、電入力端子50と基準電圧印加端子45の双方に所定の電圧が再度印加されると、水位センサー33は再起動する。そして水位センサー33は、再起動の際に初期化される。
【0040】
次に、本実施形態の風呂装置1の全体の電気回路について説明する。
本実施形態の風呂装置1は、図2の様に、電源回路部60と、制御装置61を有している。電源回路部60は、制御装置61及び水位センサー33を駆動させるための直流電源である。
【0041】
即ち電源回路部60は、制御装置61及び水位センサー33に直流電力を供給する。
ここで電源回路部60と水位センサー33との間の結線に注目すると、図3の様に、電源回路部60と水位センサー33の電源入力端子50との間が電力線68によって接続されており、その中途にスイッチ用のトランジスタ67が設けられている。
また本実施形態では、水位センサー33のスタンバイ電圧についても、図3の様に電源回路部60から供給される。
即ち本実施形態では、特異な部材としてリセット用IC70を有している。リセット用IC70は、その電源部71に電源回路部60から電力が供給される。ただし、リセット用IC70の電源部71と、電源回路部60の間には、前記したスイッチ用のトランジスタ67が介在されているから、リセット用IC70の電源部71と、水位センサー33の電源入力端子50とは並列関係にある。
そして前記したリセット用IC70の出力端子(オペアンプの出力端子)72が水位センサー33のスタンバイ端子52に接続されている。
【0042】
制御装置61は、前記した各機器を制御するものであり、各機器に対して駆動信号が発信される。また各機器からの信号を受信して所定の処理を行う。
図2は、制御装置61に接続される機器の中で代表的なものだけを記載しているが、実際には、より多くの機器が制御装置61によって制御されている。
【0043】
図2に従って説明すると、本実施形態では制御装置61に、水位センサー33、温度センサー62,65,66、給湯出湯流量調整弁17、湯水混合弁13、送風機16が接続されている。
また本実施形態では、前記した様に水位センサー33に電力を供給する回路にスイッチ用のトランジスタ67があり、当該トランジスタ67のベースに制御装置61の信号が入力される。
即ち本実施形態では、電源回路部60と水位センサー33の電入力端子50間が電力線68によって接続されており、その中途にスイッチ用のトランジスタ67がある。そのため、制御装置61の信号によって水位センサー33に供給される電力を断続することができる。またスイッチ用のトランジスタ67をオフにすることによって、リセット用IC70に供給される電力も遮断される。
【0044】
制御装置61には、前記した機器を円滑に動作させるプログラムに加え、本実施形態に特有の動作をさせるプログラムが格納されている。
即ち本実施形態では、制御装置61に、「水位センサーが正常に水位を検知し得る状態であるか否かを診断する」センサー診断プログラムが格納されている。さらに制御装置61には、「水位センサーを初期化する」ためのセンサー初期化プログラムが格納されている。
【0045】
センサー診断プログラムは、前記した水位センサー33に印加さる基準電圧(Vref)を変化させ、変化前後の水位センサー33の出力電圧(Vo)を比較するものである。
即ち、本実施形態の風呂装置1は、センサー診断機能を備え、水位センサー33が正常に水位を検知し得る状態であるか否かを診断することができる。
具体的には、現状の水位センサー33の出力電圧(Vo1)を記憶し、その後に基準電圧(Vref)を変化させる。より具体的には、基準電圧(Vref)を上限まで上昇させる。そして基準電圧(Vref)を上昇させた状態における水位センサー33の出力電圧(Vom)を検知し、先に記憶した基準電圧(Vref)変化前の出力電圧(Vo1)と比較する。
ここで前記した様に、基準電圧(Vref)は、一種のバイアス電圧であり、水位センサー33が正常であるならば、基準電圧(Vref)を上昇させると信号電圧が上方にシフトするはずである。
【0046】
そこで、基準電圧(Vref)の上昇前後の出力電圧(Vo1),(Vom)を比較し、後者の出力電圧(Vom)の方が高い場合には、「水位センサーが正常に水位を検知し得る状態である」と判定する。逆に、基準電圧(Vref)の上昇前後で出力電圧(Vo1),(Vom)が変化しなかった場合や、後者の出力電圧(Vom)の方が低い場合には、「水位センサーが正常に水位を検知し得ない状態である」と判断する。
【0047】
また前記した様に、制御装置61には、「水位センサーを初期化する」ためのセンサー初期化プログラムも格納されている。
センサー初期化プログラムは、具体的には、スイッチ用のトランジスタ67を一旦オフにし、直ちにスイッチ用のトランジスタ67を再度オンにするプログラムである。
【0048】
センサー初期化プログラムによってスイッチ用のトランジスタ67がオフになると、電源回路部60と水位センサー33の電源入力端子50との間が遮断される。その結果、水位センサー33を駆動させる電力が消失する。
また スイッチ用のトランジスタ67がオフになると、リセット用IC(オペアンプ)70の電源部71に供給される電力が消失し、結果的にリセット用IC70からの出力が無くなって、スタンバイ端子52の端子電圧が消失する。
その結果、水位センサー33は、オフ状態となる。
【0049】
そして直ちにスイッチ用のトランジスタ67が再度オンとなると、水位センサー33を駆動させる電力と、スタンバイ電圧が共に復活し、水位センサー33が再起動される。再起動に伴って、水位センサー33が初期化される。
【0050】
水位センサー33が初期化される際の各部の電圧の変化は、図4の通りである。即ち水位センサー33が駆動中にスイッチ用のトランジスタ67がオフになると、水位センサー33の電源入力端子50の電圧(Vcc)は急激に低下する。
またリセット用IC70の電源部71は、水位センサー33の電源入力端子50とは並列関係にあるから、リセット用IC70の電源部71に供給される電圧も低下し、スタンバイ電圧も低下する。
そしてリセット用IC70の電源部71に供給される電圧が、リセット用ICの最低作動電圧を下回ると、スタンバイ電圧は消失し、水位センサー33はオフ状態に入る。
そしてセンサー初期化プログラムでは、直ちにスイッチ用のトランジスタ67がオン状態となるから、水位センサー33の電源入力端子50の電圧(Vcc)と、リセット用IC70の電源部71に印加される電圧は、急激に回復する。
そしてリセット用IC70の電源部71に印加される電圧が、リセット用ICの最低作動電圧を上回ると、スタンバイ電圧が復活し、水位センサー33が再起動される。そして再起動に伴って、水位センサー33が初期化される。
【0051】
本実施形態では、前記したセンサー診断プログラムと、センサー初期化プログラムとは関連しており、センサー診断プログラムによって「水位センサーが正常に水位を検知し得ない状態である」と判断された場合に、センサー初期化プログラムが起動し、水位センサー33の初期化が行われる。逆に「水位センサーが正常に水位を検知し得る状態である」と判断された場合に、水位センサー33の初期化は、実行されない。
【0052】
以下、これらの一連の動作を図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
図6のフローチャートでは、ステップ2からステップ5までが「水位センサーが正常に水位を検知し得る状態であるか否かを診断する」センサー診断工程である。
本実施形態では、ステップ1で風呂自動運転が開始されたか否かを確認する。即ち、水位センサー33による水位検知は、風呂自動運転が実行されている際に実行される。そのため本実施形態では、風呂自動運転が開始された直後に、前記した一連の動作を実施することとしている。
即ち風呂自動運転では、浴槽5の水位を監視するため定期的に浴槽5の水位が検知されるから、風呂自動運転が開始された直後にセンサー診断工程を行うことによって、実際に水位センサー33による水位検出処理を行う前にセンサー診断工程が実行されることとなる。
【0053】
ステップ1で、風呂自動運転が開始されたことが確認されると、ステップ2に移行し、現状の水位センサー33の出力電圧(Vo1)を記憶する。
続いてステップ3に移行し、水位センサー33の基準電圧(Vref)を上限まで上昇させる。
【0054】
そしてステップ4で、そして基準電圧(Vref)を上昇させた状態における水位センサー33の出力電圧(Vom)を記憶する。
さらにステップ5に移行して先に記憶した出力電圧(Vo1)と、基準電圧(Vref)を上昇させた状態における水位センサー33の出力電圧(Vom)とを比較する。
そして後者の出力電圧(Vom)の方が高くない場合には、「水位センサーが正常に水位を検知し得ない状態である」と判定し、ステップ8に移行して水位センサー33が異常であると診断する。
その後、ステップ9に移行してカウンタを1だけ加算し、ステップ10に移行してカウンタの積算値が一定値となったか否かを判断する。この一定値は、水位センサー33のリセットを繰り返す回数の上限であり、例えば、5回とか、10回といった数が常識的である。
【0055】
カウンタの積算値がこの値に達していない場合は、ステップ11に移行して、水位センサー33の初期化処理を行う。より具体的には、スイッチ用のトランジスタ67を一旦オフにし、直ちにオン状態に戻す。
その結果、スタンバイ電圧が一時的に消失し、水位センサー33がオフ状態となり、その後、直ちに水位センサー33が再起動して初期化が行われる。
【0056】
その後、ステップ12に移行し、風呂自動運転が継続中であるか否かが判断される。風呂自動運転が継続中であるならば、ステップ2に戻り、再度、水位センサー33の診断工程を繰り返す。
そして、水位センサー33を初期化した結果、水位センサー33が正常に機能し始めた場合には、ステップ5がYes判定となり、ステップ6に移行して前記したカウンタをリセットし、さらにステップ7に移行して通常運転を行う。
【0057】
一方、水位センサー33を初期化したにも係わらず、水位センサー33が正常に機能しない場合は、再度ステップ8以降に進み、ステップ9でカウンタを1だけ加算し、ステップ10に移行してカウンタの積算値が一定値となったか否かを判断する。そしてステップ11に移行して、再度水位センサー33の初期化処理を行う。その後、ステップ12を経てステップ2に戻り、再度、水位センサー33の診断工程を繰り返す。
【0058】
こうして水位センサー33の初期化を繰り返し、繰り返し回数が一定値に達した場合には、もはや回復の可能性は低いので、ステップ13に移行し、異常報告を行って、風呂装置1の全体を停止する。
【0059】
以上説明した実施形態では、リセット用IC70の電源部71に電源回路部60から電力を供給し、リセット用IC70の電源部71に供給される電圧が、リセット用IC70の最低作動電圧を下回ることによって、スタンバイ電圧を消失させる構成を採用した。
しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、比較回路を設け、電源回路部60を比較回路のIN(プラス)に入力し、IN(マイナス)に一定の信号電圧を入力する構成も考えられる。
この構成によると、図5の様に、電源回路部60から供給される電圧が上限の閾値を下回った時点でスタンバイ端子52の端子電圧が消失し、水位センサー33は、オフ状態となる。
【0060】
そして直ちにスイッチ用のトランジスタ67が再度オンとなり、電源回路部60から供給される電圧が、上限の閾値を越えると、スタンバイ電圧が共に復活し、水位センサー33が再起動される。再起動に伴って、水位センサー33が初期化される。
【0061】
また基準電圧(Vref)の変化を契機として、水位センサー33の初期化を行ってもよい。
図7は、基準電圧の変化を契機として、水位センサー33の初期化を行う場合の回路の一例を示すものである。
【0062】
図7に示す回路では、比較器80のIN(プラス)に基準電圧Vrefを印加し、比較器80のIN(マイナス)には、電源回路部60から分圧した電圧を入力している。
そして比較器80の出力端子81は、先の実施形態と同様に、水位センサー33のスタンバイ端子52に接続されている。
【0063】
本実施形態においては、「水位センサーを初期化する」ためのセンサー初期化プログラムは、先の場合と少し異なる。
即ち、本実施形態におけるセンサー初期化プログラムでは、一時的に基準電圧Vrefを大幅に低下させる。
その結果、比較器80のIN(プラス)側に印加される電圧が低下し、比較器80の出力が消失する。そのためスタンバイ端子52の端子電圧が消失し、水位センサー33は、オフ状態となる。
【0064】
そして直ちに基準電圧Vrefを回復させると、比較器80のIN(プラス)側に印加される電圧が上昇し、比較器80の出力が復活して水位センサー33が再起動される。再起動に伴って、水位センサー33が初期化される。
【0065】
水位センサー33が初期化される際の各部の電圧変化は、図8の通りである。即ち基準電圧Vrefが低下すると、比較器80のIN(プラス)側に印加される電圧が低下し、比較器80の閾値を下回ったところでスタンバイ端子52の端子電圧が消失し、水位センサー33はオフ状態に入る。
そしてセンサー初期化プログラムでは、直ちに基準電圧Vrefが回復するから、スタンバイ電圧が復活し、水位センサー33が再起動される。そして再起動に伴って、水位センサー33が初期化される。
【0066】
この実施形態では、基準電圧Vrefを大幅に低下したことを契機としてスタンバイ端子52の端子電圧を消失させ、水位センサー33をオフ状態としたが、逆に基準電圧Vrefを大幅に上昇させ、これを契機として水位センサー33をオフにしてもよい。要するに、通常の使用状態では、出力することの無い基準電圧Vrefを出力し、これを契機として水位センサー33をオフ状態にする。
【0067】
以上説明した実施形態では、風呂自動運転が開始された場合にセンサー診断工程と、これに続くセンサー初期化を実行した。しかしながら、センサー診断工程等を行うタイミングは、これに限定されるものではなく、水位を測定する直前や、一定時間前に行ってもよい。
また定期的に実行してもよい。
ただし、水位を測定する時期にセンサー診断工程等を行うと混乱が生じるので、水位を測定する時期は、外すことが望ましい。
例えば風呂自動運転の際に、一定時間Bの間隔で水位検知が行われる場合には、それより短い、A時間が経過した後に、センサー診断工程等を行うことが考えられる。
【0068】
例えば図9に示すフローチャートの様に、自動風呂運転が開始されると、ステップ22に移行してタイマーの計時を開始し、時間Aが経過すると、ステップ24に移行して水位センサー33の診断等を行う。即ち前記したステップ2以下の工程を実行する。
そしてさらに時間が経過して、時間Bが経過したところで水位検知を行う。
【0069】
なお、風呂装置1に電源を投入した際における、最初の水位センサー33の起動は、水位センサー33に供給される電圧が安定した後に行うことが望ましい。
例えば風呂装置1に電源を投入した直後に、タイマーの計時を開始し、タイマーによって一定時間の経過が確認された後に水位センサー33を起動させることが考えられる。またタイマー等によらなくても、実質的に電源投入から遅延して水位センサーが起動されれば足りる。
【0070】
例えば、風呂装置1に電源を投入した直後に、前記した給湯出湯流量調整弁17等に対して通電し、給湯出湯流量調整弁17等の原点を確認するという様なイニシャル動作を実施するものである場合には、当該イニシャル動作が終了した後に、水位センサー33を起動させることが考えられる。
【0071】
図10に示すフローチャートは、イニシャル動作を実施した後に、水位センサー33を起動させた場合の例を示すものである。
【0072】
また制御装置のCPUを立ち上げる際に、プログラム上、各種の確認作業が実行されるが、この一連の工程の後に、水位センサー33を起動させることも考えられる。
【0073】
図11に示すフローチャートは、制御装置のCPUを初期化した後に、水位センサー33を起動させる例を示すものである。
【0074】
以上説明した実施形態では、水位センサーを診断するプログラムとして、水位センサー33に印加さる基準電圧(Vref)を最大値に変化させ、変化前後の水位センサー33の出力電圧(Vo)を比較したが、逆に基準電圧(Vref)を通常よりも低下させてその変化を見てもよい。また他の方策によって水位センサー33を診断してもよい。例えば水位センサー33が、通常ではあり得ない範囲の水位を示した場合に水位センサー33が異常であると判断し、水位センサー33を初期化してもよい。
【0075】
また以上説明した実施形態では、水位センサーの外部に設けた部品として、リセット用IC70を設けたが、水位センサー33自体の内部回路にリセット用IC70に相当する部材を設けてもよい。この構成を採用する場合には、外部端子としてのスタンバイ端子52は省略され、スタンバイ端子は回路基板上に仮想的に存在することとなる。
要するに、スタンバイ信号を処理する部分が、スタンバイ信号入力部であり、スタンバイ信号入力部に信号を供給する部分が、スタンバイ端子に相当する。
【0076】
本実施形態では、一缶二水路形式の燃焼装置2を内蔵するものを例にあげて説明したが、もちろん他の構造の燃焼装置を採用してもよい。例えば二缶二水路形式の燃焼装置であってもよい。また灯油を燃料とするものや、貯湯式と称される形式の給湯機能を備えたものであってもよい。
【0077】
上記した実施形態では、電力線68にスイッチ用のトランジスタ67のエミッタ−コレクター間を挿入する回路を採用したが、あくまでもこの回路は一例に過ぎない。例えば制御装置61の出力信号(Hi/Low)をトランジスタを介してオペアンプ(図示せず)の入力端子に入力する構成とし、制御装置61の出力信号に応じてこのオペアンプが電力線68に電力を提供したり、電力供給を停止したりする構成としてもよい。またトランジスタ67に代わってリレーを使用する回路であってもよい。
【0078】
上記した実施形態では、水位センサー33を再起動して初期化するが、信号制御部41だけを初期化してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 風呂装置
2 燃焼装置
5 浴槽
13 湯水混合弁
15 ガス比例弁
17 給湯出湯流量調整弁
20 給湯回路
21 追い焚き回路(循環配管)
33 水位センサー
40 検知部
41 信号制御部
45 基準電圧印加端子
46 基準電圧入力部
50 電源入力端子
51 電力入力部
52 スタンバイ端子
53 スタンバイ電圧入力部(スタンバイ信号入力部)
60 電源回路部
61 制御装置
62,65,66 温度センサー
67 スイッチ用のトランジスタ
70 リセット用IC
80 比較器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11