(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の時点より後で前記第2の時点より前の第3の時点での自装置が存在する地理的位置である第3位置と前記第1位置とに基づいて、自装置の移動に用いられている移動交通手段を推定する手段と、
前記経路情報を記憶保持することを目的として、前記移動交通手段に基づいて前記経路情報を生成する手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
前記選択肢リストが、使用する周波数の切り替え回数をできるだけ少なくすることを優先するという観点の選択肢か、通信の速度をできるだけ速くすることを優先するという観点の選択肢かのいずれか一方または両方を少なくとも備えていることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【背景技術】
【0002】
免許事業のテレビ放送と同じ周波数帯を使用する、そのような免許不要で運用できる無線通信規格が検討されている。これらの規格では、テレビ事業者を1次ユーザとして、1次ユーザの免許周波数帯が使用されていない場合に限り、その周波数帯(使用されていない免許周波数帯=ホワイトスペース)で2次ユーザが無線通信を運用することを容認する。
【0003】
そのような環境下で使用される2次ユーザの通信装置は、TV信号が存在しないことを確認するために例えば、TVチャンネルに関しその専用のデータベースに問い合わせを行う。すなわち、通信装置の現在の位置情報をデータベースに送信し、データベースから、その位置で使用可能(有効)な周波数のリストを得る。そして、リストにある周波数の中から使用する周波数を選択し、2次ユーザとして無線通信の運用を行う。
【0004】
このようにして選択される2次ユーザの周波数は、データベースへ問い合わせを行ったときの現在位置のみに基づいたものであり、2次ユーザの通信装置が移動する場合、特に高速で移動する先の地域でも使用できる周波数になるとは限らない。そのような場合には、データベースとのやり取りを通じて、使用する周波数を移動中に切り替える必要が生じ、切り替えが多いほど通信を安定的に運用する上で不利になる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】IEEE802.11af Task Group, http://mentor.ieee.org/802.11/
【非特許文献2】IEEE802.22 Working Group, http://menter.ieee.org/22/
【非特許文献3】IEEE802.19.1 Task Group, http://mentor.ieee.org/802.802.19/documents
【非特許文献4】Federal Communications Commission, Unlicensed Operation in the TV Broadcast Bands, Second Memorandum Opinion and Order, FCC, 10-17-4, Sept. 23, 2010.
【非特許文献5】Ofcom, Digital Dividend: Cognitive Access, Consultation on License Exempting Cognitive Devices using Interleaved Spectrum, July 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、テレビジョンホワイトスペース環境下で動作するように構成された端末である通信装置およびその通信制御方法において、ある程度以上に高速に移動する場合にも有利に使用周波数の選択をすることが可能な通信装置およびその通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である通信装置は、通信機能部を有する通信装置であって、自装置が存在する、第1の時点での地理的位置である第1位置と、該第1の時点より後の第2の時点での地理的位置である第2位置とを定める手段と、前記第1位置から始まる自装置の移動予定経路である経路情報を記憶保持する手段と、利用しようとする周波数を選ぶに際しての観点である周波数選択ポリシーに関して、異なる観点にそれぞれ対応する選択肢を備えた選択肢リストを記憶保持する手段と、前記経路情報と前記選択肢リストとをデータベースに送信する手段と、前記経路情報と前記選択肢リストとに応じた情報として前記データベースから送られてくる、前記経路情報が示す経路上の各地点と前記選択肢のそれぞれとに対応づけられた、利用可能な周波数を示す有効周波数情報リストを受信する手段と、前記第2位置が前記データベースからもたらされた前記各地点のうちのどの地点に近いかを判別する手段と、自装置で行う情報処理の性質に基づいて、前記選択肢リストのうちから適当なものを適用ポリシーとして選択する手段と、前記有効周波数情報リストの中から、前記データベースからもたらされた前記各地点のうちの前記第2位置に近い地点と前記適用ポリシーとに対応して挙げられている周波数を利用周波数として選択する手段と、前記利用周波数を用いるべく前記通信機能部を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
この通信装置は、装置の移動予定経路である経路情報を記憶保持することができる。また、利用しようとする周波数を選ぶに際しての観点である周波数選択ポリシーに関して、異なる観点にそれぞれ対応する選択肢を備えた選択肢リストを記憶保持することができる。そして、この経路情報と選択肢リストとを伴って利用可能周波数の問い合わせをデータベースに対して行い、データベースから、経路情報が示す経路上の各地点と選択肢のそれぞれとに対応づけられた、利用可能な周波数を示す有効周波数情報リストを得る。
【0009】
次に、この通信装置は、そのときの位置(第2位置)が、データベースからもたらされた各地点のうちのどの地点に近いかを判別し、さらに、自装置で行う情報処理の性質に基づいて、選択肢リストのうちから適当なものを適用ポリシーとして選択する。これにより、有効周波数情報リストの中から、データベースからもたらされた各地点のうちの第2位置に近い地点と適用ポリシーとに対応して挙げられている周波数を利用周波数として選択することができる。つまり、ある程度以上に高速に移動する場合に対応できるように、あらかじめ得た各地点で使用できる周波数の情報に従って周波数を選択し、しかもそれが情報処理の性質に応じた有利な使用周波数の選択になる構成を備えている。
【0010】
また、本発明の別の態様である通信制御方法は、通信機能部を有する通信装置における通信制御方法であって、自装置が存在する、第1の時点での地理的位置である第1位置と、該第1の時点より後の第2の時点での地理的位置である第2位置とを定め、前記第1位置から始まる自装置の移動予定経路である経路情報を記憶保持し、利用しようとする周波数を選ぶに際しての観点である周波数選択ポリシーに関して、異なる観点にそれぞれ対応する選択肢を備えた選択肢リストを記憶保持し、前記経路情報と前記選択肢リストとをデータベースに送信し、前記経路情報と前記選択肢リストとに応じた情報として前記データベースから送られてくる、前記経路情報が示す経路上の各地点と前記選択肢のそれぞれとに対応づけられた、利用可能な周波数を示す有効周波数情報リストを受信し、前記第2位置が前記データベースからもたらされた前記各地点のうちのどの地点に近いかを判別し、自装置で行う情報処理の性質に基づいて、前記選択肢リストのうちから適当なものを適用ポリシーとして選択し、前記有効周波数情報リストの中から、前記データベースからもたらされた前記各地点のうちの前記第2位置に近い地点と前記適用ポリシーとに対応して挙げられている周波数を利用周波数として選択し、前記利用周波数を用いるべく前記通信機能部を制御することを特徴とする。
【0011】
この通信制御方法は、上記した通信装置に準拠した制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、テレビジョンホワイトスペース環境下で動作するように構成された端末である通信装置およびその通信制御方法において、ある程度以上に高速に移動する場合にも有利に使用周波数の選択をすることが可能な通信装置およびその通信制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施態様として、前記第1位置を定めることを目的として、該第1位置を示す情報を入力するための手段をさらに具備する、とすることができる。第1位置は、自装置の移動予定経路の始点に相当する位置である。この位置を定めるには、例えば、GPS(global positioning system)衛星を利用することができるが、これ以外に、利用者が手入力できるような入力部(ユーザインターフェース)を備えるようにしてもよい。
【0015】
また、実施態様として、前記経路情報を記憶保持することを目的として、該経路情報を別の装置から取り込むための手段をさらに具備する、とすることができる。これはつまり、例えばナビゲーション装置を用いて移動予定経路を作成し、その作成された移動予定経路との連動を図るように、通信装置として適切な周波数の選択を可能とするものである。
【0016】
また、実施態様として、前記第1の時点より後で前記第2の時点より前の第3の時点での自装置が存在する地理的位置である第3位置と前記第1位置とに基づいて、自装置の移動に用いられている移動交通手段を推定する手段と、前記経路情報を記憶保持することを目的として、前記移動交通手段に基づいて前記経路情報を生成する手段とをさらに具備する、とすることができる。
【0017】
これは、ユーザの側が意識的に移動予定経路を作成しなくても、自動的に移動予定経路を推定して経路情報を作成しようとするものである。例えば、高速道路や高速鉄道のような移動交通手段で移動する場合には、通信装置の最初の位置(第1位置)と例えばそのすぐあと時点の位置(第3位置)とから比較的容易に移動交通手段の推定が可能である。移動交通手段が推定できれば、移動予定経路である経路情報も必然性をもって生成できる。
【0018】
また、実施態様として、前記選択肢リストが、使用する周波数の切り替え回数をできるだけ少なくすることを優先するという観点の選択肢か、通信の速度をできるだけ速くすることを優先するという観点の選択肢かのいずれか一方または両方を少なくとも備えている、とすることができる。これはつまり、自装置で行う情報処理(アプリケーション)の性質に応じて、安定した通信であることを優先して周波数を選択することや、高速な通信であることを優先して周波数を選択することなどに対応できることを意味する。各種のアプリケーションは、このように優先を考えれば動作に都合がよい場合が多く、これに対応できる。
【0019】
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態である通信装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この通信装置は、位置特定部11、経路情報記憶保持部12、選択肢リスト記憶保持部13、データベース問合せ14、現地点判別部15、適用ポリシー選択部16、有効周波数情報リスト記憶保持部17、利用周波数選択部18、制御部19、位置入力部21、経路情報取り込み部22、移動交通手段推定部23、経路情報生成部24、通信機能部30を有する。
【0020】
図1は、機能ブロック図を示しているが、以下でこの図中の構成のそれぞれについて動作を説明する場合に、適宜
図2ないし
図6を参照する。
【0021】
位置特定部11は、例えばGPS衛星を利用して自装置の現在位置の特定を行う。特定された現在位置は、経路情報記憶保持部12、移動交通手段推定部23、現地点判別部15に渡される。経路情報記憶保持部12は、自装置の移動予定経路である経路情報を記憶保持するための記憶部であるが、移動予定経路の起点の情報として位置特定部11から渡された現在位置を活用することができる。移動交通手段推定部23、現地点判別部15での現在位置の利用については後述する。
【0022】
経路情報記憶保持部12は、上記のように、自装置の移動予定経路である経路情報を記憶保持する。このためには、そのひとつの方法として経路情報取り込み部22を介して他の装置から経路情報を得ることができ、あるいは、経路情報生成部24によって生成された経路情報を利用することができる。経路情報取り込み部22、経路情報生成部24の機能、動作については後述する。経路情報は、経路情報記憶保持部12からデータベース問合せ部14に渡される。
【0023】
図2は、
図1中に示した経路情報記憶保持部12が記憶保持し得る経路情報を例示するための説明図である。
図2に示すように、経路情報記憶保持部12には、地理的に特定した、自装置の移動予定経路の情報が保持される。より具体的には、例えば、経度、緯度(加えて高度)の情報の順序だった集合として保持できる。
【0024】
選択肢リスト記憶保持部13は、利用しようとする周波数を選ぶに際しての観点である周波数選択ポリシーに関して、異なる観点にそれぞれ対応する選択肢を備えた選択肢リストを記憶保持する。
図3は、選択肢リスト記憶保持部13が記憶保持し得る選択肢リストを例示している。
図3に示すように、選択肢としては、例えば、「使用する周波数の切り替え回数をできるだけ少なくすることを優先する」という選択肢や、「通信の速度をできるだけ速くすることを優先する」という選択肢が考えられる。これらの一方または両方を含んでさらに別の選択肢を備えてももちろんよい。選択肢リストは、選択肢リスト記憶保持部13から、データベース問合せ部14、適用ポリシー選択部16に渡され得る。
【0025】
ちなみに、「使用する周波数の切り替え回数をできるだけ少なくすることを優先する」という観点の周波数選択ポリシーによって選ばれた周波数を使用すれば、通信が途切れる可能性を排除して安定性を期待することができ、「通信の速度をできるだけ速くすることを優先する」という観点の周波数選択ポリシーによって選ばれた周波数を使用すれば、データ量のより大きな通信に対応可能になる。各種のアプリケーションは、このようないずれかを優先すれば動作に都合がよい場合が多い。
【0026】
データベース問合せ部14は、経路情報記憶保持部12から渡された経路情報と、選択肢リスト記憶保持部13から渡された選択肢リストとをデータベースに送信し、利用可能な周波数(加えてその最大送信電力のほか利用諸条件)について問い合わせを行う。このデータベースは、TVWS環境下で運用され得る通信装置(2次ユーザ)に、1次ユーザに影響を与えず利用可能な周波数に関する情報を少なくとも提供するようにインターネット上に設けられたサーバである。
【0027】
図4は、経路情報と、その途上を含む各領域での利用可能な周波数との関係を例示する説明図である。データベースは、送られてきた経路情報に基づき、経路途上を含んで利用可能である周波数を調べる。例えば
図2の経路情報、
図3の選択肢リストが送られてきた場合、
図4に示すごとく、「領域A、利用可能周波数a」、「領域B、利用可能周波数b」、「領域C、利用可能周波数c」、「領域D、利用可能周波数d」、「領域E、利用可能周波数e」、「領域F、利用可能周波数f」、「領域G、利用可能周波数g」のように各領域、各周波数が、データベースにおいてピックアップされる。
【0028】
なお、利用可能周波数a等のそれぞれは、必ずしもひとつではなく、複数である場合も一般的である。また、各領域A〜Gの形状は、1次ユーザとの相互関連、とりわけ地形などの影響もあり、一般的には図示より複雑な形状になり得る。各領域A〜Gの形状は、説明の都合に鑑みて模式的に図示してある。
【0029】
データベースでは、次に、各領域A〜Gにおける例えば名目的な中心地点(
図4を参照)に基づいて、経路情報が示す経路上の対応地点を定める。この対応地点は、例えば、中心地点との距離が最も近い経路上の地点とすることができる。これを
図5に示す。
図5は、経路情報と、その途上における各地点との関係を例示する説明図である。各地点は、
図5にあるように、地点AA〜地点GGのように定まる。
【0030】
データベースでは、次に、送られてきた選択肢リストに基づき、選択肢のそれぞれの意味を酌んで、上記の各地点で使用できる推奨周波数を決定する。これについて、
図6を参照して説明する。
図6は、経路情報が示す経路上の各地点と選択肢リストのそれぞれとに対応付けられた、利用可能な周波数を示す有効周波数情報リストを例示する説明図である。
【0031】
図6において、「選択肢1の場合」は、
図3に示した選択肢リストにあるように、「使用する周波数の切り替え回数をできるだけ少なくすることを優先する」という選択肢である。この選択肢の場合、データベースは、「地点AA、周波数a」、「地点BB、周波数b」、「地点DD、周波数d」、「地点EE、周波数e」というように、経路上の各地点とその使用できる周波数とを決定する。このように地点と周波数とを決めれば、経路上で通信が途切れないという条件の下、周波数の切り替え回数は少なくて済む(この場合3回)。この点は、
図4をもう一度参照することができる。
【0032】
また、
図6において、「選択肢2の場合」は、
図3に示した選択肢リストにあるように、「通信の速度をできるだけ速くすることを優先する」という選択肢である。この選択肢の場合、データベースは、「地点AA、周波数a」、「地点BB、周波数b」、「地点CC、周波数c」、「地点DD、周波数d」、「地点FF、周波数f」、「地点GG、周波数g」というように、経路上の各地点とその使用できる周波数とを決定する。このように地点と周波数とを決めれば、経路が各領域のより中心に近いところに留まるので、より高速の通信に対応できる。経路が各領域のより中心に近いところに留まる点については、
図4をもう一度参照することができる。
【0033】
ほかにも選択肢がある場合は、データベースは、選択肢のその意味を酌んで、経路上の各地点とその使用できる周波数とを決定する。データベースの以上の動作により、データベースは、
図6に示すように、経路情報が示す経路上の各地点と選択肢のそれぞれとに対応づけられた、利用可能な周波数を示す有効周波数情報リストを作成することができる。有効周波数情報リストは、データベースからデータベース問合せ部14に問い合わせの返答として送信される。データベース問合せ部14はこれを受信して有効周波数情報リスト記憶保持部17に記憶させるとともに、リストにある各地点を示す情報については現地点判別部15にもこれを渡す。
【0034】
現地点判別部15は、位置特定部11から渡された現在位置が、データベースを由来としてもたらされた上記の各地点のうちのどの地点に近いかを判別する。具体的には、例えば、近い順にいくつか候補を挙げるというような動作を採用することができる。このように挙げられた地点情報である候補は、利用周波数選択部18に渡される。
【0035】
適用ポリシー選択部16は、選択肢リスト記憶保持部13から渡された選択肢リスト(
図3)を参照して、自装置で行う情報処理の性質に基づいて、選択肢リストのうちから適当なものを適用ポリシーとして選択する。自装置で行う情報処理とは、端的には、アプリケーションに基づく処理であり、それぞれのアプリケーションは、その処理の性質に応じるように適当なポリシーを適用すると動作に有利であると考えられる。選ばれた適用ポリシーは利用周波数選択部18に渡される。
【0036】
利用周波数選択部18は、有効周波数情報リスト記憶保持部17に保持された有効周波数情報リストの中から、データベースを由来としてもたらされた各地点のうちの現在位置に近い地点と、適用ポリシーとに対応して挙げられている周波数を利用周波数として選択する。現在位置に近い地点については、最も近い地点だと選択肢の種類によっては、有効周波数情報リスト中に対応する周波数がない場合もあり得るので、その場合には、次に近い地点に対応する周波数を選択する。選択された利用周波数の情報は制御部19に渡される。
【0037】
制御部15は、利用周波数選択部18から渡された利用周波数の情報に基づき、通信機能部30を制御する。すなわち、通信機能部30は、この利用周波数を用いて無線の送受信を行う。通信機能部30は、本来の通信機能を担っている機能部である。
【0038】
以上、一実施形態の構成およびその基本的な動作について述べた。この通信装置によれば、あらかじめ得た各地点で使用できる周波数の情報に従って周波数を選択し、しかもそれが情報処理の性質に応じた有利な使用周波数の選択になる構成が備えられている。よって、ある程度以上に高速に移動する場合にも、データベースへの問い合わせ頻度を非常に少なくすることが可能(もっとも少ない場合は最初に1回)で、しかも移動の経路途上、アプリケーションの種類にも対応するように有利な周波数の選択ができる。
【0039】
次に、
図1中に示した各ブロックのうち、以上の説明で抜けている、または簡略的に説明したブロックの動作、作用について以下補足的に説明する。これらのブロックを設けるか否かは随意的である。
【0040】
位置入力部21は、利用者が現在位置を手入力できるように設けた入力部(ユーザインターフェース)である。入力された現在位置は、経路情報記憶保持部12に渡され得る。経路情報記憶保持部12は、移動予定経路の起点の情報として、位置特定部11からの現在位置に代えて、位置入力部21から渡された現在位置を使用することも場合によってはできる。例えば、高速鉄道の駅や高速道路のインターチェンジのようにあらかじめその位置情報を用意しておくことができるなどの場合は、ユーザがインターフェースから駅名やインターチェンジ名を選択しその対応の位置情報を位置入力部21から経路情報記憶保持部12に渡すことができる。
【0041】
経路情報取り込み部22は、経路情報を経路情報記憶保持部12に記憶保持させることを目的として、経路情報を別の装置、機器から取り込むためのインターフェースである。別の装置、機器としては、例えば、ナビゲーションシステム(特にカーナビゲーションシステム)や、グーグルマップを利用した経路検索ができる装置、あるいは経路案内アプリケーションを備えたスマートフォンなどを挙げることができる。経路情報取り込み部22を利用すれば、別の装置、機器を用いて移動予定経路をユーザが容易に作成し、その作成された移動予定経路との連動を図るように、通信装置として適切な周波数の選択が可能になる。
【0042】
移動交通手段推定部23は、位置特定部11から渡される地理的位置の変化情報に基づいて、現在の自装置の移動に用いられている移動交通手段を推定する。例えば、特定の高速鉄道や特定の高速道路が現在の移動交通手段である場合は、位置特定部11が特定する、移動予定経路の最初の位置とその後の間もない移動先の位置とから、そのような推定が可能である。特定の高速鉄道、高速道路の位置情報はあらかじめ記憶登録しておくことが可能なためである。推定された移動交通手段の情報は、移動交通手段推定部23から経路情報生成部24に渡される。
【0043】
経路情報生成部24は、移動交通手段推定部23から渡された移動交通手段の情報に基づいて、自装置の移動予定経路である経路情報を生成する。このような経路情報は、例えば、その特定の高速鉄道や特定の高速道路の終点までに至る情報であってもよいし、途中の地点までの情報であってもよい。実際に終点まで移動しない場合には、移動の外にある経路については利用されないという結果になるだけであり、途中の地点を超えて移動する場合は、その途中の地点を再度起点として扱えば同じ動作が可能だからである。生成された経路情報は、経路情報生成部24から経路情報記憶保持部12に渡され記憶保持される。
【0044】
以上の移動交通手段推定部23および経路情報生成部24を備えるようにすれば、ユーザの側が意識的に移動予定経路を作成しなくても、自動的に移動予定経路を推定して経路情報を作成でき、非常に使い勝手がよくなる。
【0045】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。