(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の実施形態によりレンガの列、行、及びレンガの片面のみに沿って引き回された接続トレースを含む規範的タッチセンサパネルを示す。
【
図1B】
図1Aの規範的タッチセンサパネルの一部分の拡大図で、本発明の実施形態によりシングルエスケープ形態で接続トレースを使用してバス線へ引き回されたレンガを示す。
【
図1C】本発明の実施形態により列C0及びC1に関連したレンガと、これらレンガをバス線に結合する接続トレースとを含む、
図1Aの規範的タッチセンサパネルの一部分を示す。
【
図2A】本発明の実施形態による接続トレースとバス線との間の接続を示す、規範的タッチセンサパネルの一部分の側面図である。
【
図2B】本発明の実施形態による
図2Aの規範的バス線の一部分の頂面図である。
【
図3】本発明の実施形態により接続トレースがインターリーブされたレンガの行を含む規範的タッチセンサパネルの一部分を示す。
【
図4A】本発明の実施形態によりレンガの列、行、及びレンガの両面に沿って引き回された接続トレースを含む規範的タッチセンサパネルを示す。
【
図4B】
図4Aの規範的タッチセンサパネルの一部分の拡大図で、本発明の実施形態によりダブルエスケープ形態で接続トレースを使用して下部バス線へ引き回されたレンガを示す。
【
図5A】本発明の実施形態により導電性材料の多角形エリアから発せられる電界線に対する規範的接地ガードの作用を示す上面図及び側面図である。
【
図5B】本発明の実施形態により導電性材料の多角形エリアから発せられる電界線に対する規範的接地ガードの作用を示す上面図及び側面図である。
【
図5C】本発明の実施形態により接続トレースから発せられる電界線に対する規範的接地ガードの作用を示す上面図及び側面図である。
【
図5D】本発明の実施形態により接続トレースから発せられる電界線に対する規範的接地ガードの作用を示す上面図及び側面図である。
【
図5E】本発明の実施形態により多角形導電性エリアから発せられて、接続トレースによりセンス線から分離された電界線に対する規範的接地ガードの作用を示す上面図及び側面図である。
【
図5F】本発明の実施形態により多角形導電性エリアから発せられて、接続トレースによりセンス線から分離された電界線に対する規範的接地ガードの作用を示す上面図及び側面図である。
【
図6】本発明の実施形態により接続トレースと列との間の漂遊キャパシタンスを更に減少できる規範的ジグザグ二重補間型タッチセンサパネルの一部分を示す。
【
図7】本発明の実施形態によるタッチセンサパネルで動作できる規範的コンピューティングシステムを示す。
【
図8A】本発明の実施形態によるタッチセンサパネルを含むことのできる規範的移動電話を示す。
【
図8B】本発明の実施形態によるタッチセンサパネルを含むことのできる規範的メディアプレーヤを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい実施形態の以下の説明において、本発明を実施できる特定の実施形態を例示した添付図面を参照する。他の実施形態を使用することもできるし、本発明の範囲から逸脱せずに、構造上の変更をなし得ることを理解されたい。
【0009】
本発明は、単一又は複数のタッチ事象(1つ又は複数の指或いは他の物体をタッチ感知面の個別の位置にほぼ同時にタッチさせること)を検出するために基板の片側に製造されたタッチセンサのアレイを有するタッチセンサパネルであって、接地ガード又は接地分離バーを使用して、タッチセンサパネルのタッチ事象検出能力を改善するようなタッチセンサパネルに係る。各センサ又はピクセルは、ドライブ線とセンス線との間の相互作用の結果である。センス(又はドライブ)線は、第1方向に列又はジグザグパターンとして製造することができ、一方、ドライブ(又はセンス)線は、第2方向に多角形(例えば、レンガ状又は五角形)導電性エリアの行として製造することができる。特定のドライブ線を表す多角形エリアは、タッチセンサパネルのボーダーエリアに形成された特定のバス線へ引き回される接続トレースにより一緒に結合することができる。
【0010】
導電性材料で形成されて接地又は別の基準電圧へ結合される接地分離バーを、接続トレースと隣接センス線との間に形成し、近電界線を接地へシャントすると共に、接続トレースとセンス線との間の望ましからぬ容量性結合を減少することができる。これも導電性材料で形成されて接地又は別の基準電圧へ結合される接地ガードを、ドライブ線とセンス線との間に形成して、センス線を部分的又は完全に取り巻き、近電界線を接地へとシャントし、センサのタッチ事象検出能力を改善することができる。
【0011】
センサパネルのタッチセンサは、ここでは、長方形レンガ(brick)又は五角形の行として形成されるドライブ線と、列又はジグザグパターンとして形成されるセンス線との一般的に直交する配列体に関して図示して説明するが、本発明の実施形態は、これに限定されず、他の形状の多角形エリア及び他のパターンで形成されたセンス線にも適用することができる。
【0012】
図1Aは、本発明の実施形態により多角形エリア(レンガ)102の列106及び行として形成されたセンス線(又はドライブ線)(C0−C5)を含む規範的タッチセンサパネル100を示し、レンガの各行は、個別のドライブ線(又はセンス線)(R0−R7)を形成する。
図1Aの例において、接続トレース104は、レンガの片側のみに沿って引き回される(いわゆる「シングルエスケープ(single escape)」構成)。6列8行のタッチセンサパネル100が示されているが、いかなる数の列及び行も使用できることを理解されたい。
図1Aの列106及びレンガ102は、導電性材料で共平面単層として形成できる。
【0013】
特定の行のレンガ102を一緒に結合するために、これも導電性材料で形成される接続トレース104を、シングルエスケープ構成のレンガの片側に沿ってレンガから特定バス線110へ引き回すことができる。導電性材料で形成される接地分離バー108を、接続トレース104と隣接列106との間に形成して、接続トレースと列との間の容量性結合を減少することができる。各バス線110及び列106のための接続は、フレックス回路112を介してタッチセンサパネル100から引き出すことができる。タッチスクリーンの実施形態では、センス線、ドライブ線、接続トレース及び接地分離バーは、インジウムスズ酸化物(ITO)のような実質的に透明な材料で形成できるが、他の材料を使用することもできる。ITO層は、カバーガラスの背面又は個別の基板に単層で形成することができる。
【0014】
図1Bは、
図1Aの規範的タッチセンサパネル100の一部分の拡大図であり、本発明の実施形態によりシングルエスケープ構成で接続トレース104を使用してレンガ102をバス線110にどのように引き回しできるかを示す。
図1Bにおいて、長い接続トレース104(例えば、トレースR7)は、短い接続トレース(例えば、トレースR2)より巾が広く、トレースの全体的な抵抗率を等しくすると共に、ドライブ回路から見た全容量性負荷を最小にしている。
【0015】
図1Cは、本発明の実施形態により列C0及びC1に関連したレンガ102と、レンガをバス線110に結合する接続トレース104(細い線として象徴的に示す)とを含む
図1Aの規範的タッチセンサパネル100の一部分を示す。象徴的に示され、例示の目的で正しいスケールでない
図1cの例では、バス線B0は、レンガR0C0(列C0に隣接するB0に最も近いレンガ)及びR0C1(列C1に隣接するB0に最も近いレンガ)に結合される。バス線B1は、レンガR1C0(列C0に隣接するB0に次に近いレンガ)及びR1C1(列C1に隣接するB0に次に近いレンガ)に結合される。他のバス線に対してこのパターンが繰り返され、バス線B7は、レンガR7C0(列C0に隣接するB0から最も遠いレンガ)及びR7C1(列C1に隣接するB0から最も遠いレンガ)に結合される。
【0016】
図2Aは、本発明の実施形態による規範的タッチセンサパネル200の一部分の側面図であり、接続トレース204とバス線210との間の結合を示す。
図2Aにおいて、バス線210及びパッド218(例えば、抵抗値が最大1Ω/平方の金属)を基板220(例えば、厚みが500ミクロン±50ミクロンのガラス)上に形成することができる。次いで、絶縁層214(例えば、厚みが最低3ミクロンの有機ポリマー)をバス線210及びパッド218上に形成し、そしてビア216の形成のためにパターン化することができる。次いで、接続トレース204を絶縁層214の上及びビア216内へ形成して、トレースとバス線210との間に接続をなすことができる。更に、接続トレース204を形成するのに使用された同じ導電性材料を位置222においてパッド218上に形成して、パッドを保護することができる。基板220の背面では、導電性シールド層224(例えば、厚みが50ミクロン±10ミクロンのITO)を基板220上に形成して、センス線(
図2Aには示さず)をシールドすることができる。次いで、PSAの25ミクロン層のような接着剤を使用して、特定厚み(例えば、75ミクロン±15ミクロン)の反射防止(AR)膜226をシールド層224に添付することができる。導電性ボンドを形成することのできる接着剤228(例えば、非等方性導電性膜(ACF))を使用して、タッチセンサパネル200の頂部及び底部の両方にフレックス回路212を取り付けることができる。最終的に、タッチセンサパネル200は、接着剤232(例えば、厚みが150ミクロン±25ミクロンの低酸感圧接着剤(PSA))を使用して、カバー材料230(例えば、厚みが800ないし1100ミクロンのガラス)に接合することができる。
【0017】
図2Bは、本発明の実施形態による
図2Aの規範的バス線210の一部分の上面図である。
図2Bの例では、ビア216がバス線210と接続トレースとの間に接続を与える点において上部バス線が巾広くなっている(例えば、100ミクロン)ことに注意されたい。
【0018】
再び
図1Cの例を参照すれば、バス線B0は、バス線B7(及びレンガR7C0及びR7C1へのその接続トレース)に比して、レンガR0C0及びR0C1への接続トレース104が非常に短いので、バス線B7のインピーダンス及びキャパシタンスがバス線B0より相当に大きくなる。このアンバランスのため、所与の量のタッチに対するタッチ測定が、タッチセンサパネルにわたって等しくならない。それ故、本発明のある実施形態では、各バス線がより均一な平均インピーダンス及びキャパシタンスを見るように特定のバス線に結合されるレンガをインターリーブすることができ、これは、タッチセンサパネルにわたってタッチ測定を等しくする上で助けとなる。
【0019】
図3は、本発明の実施形態により接続トレース304がインターリーブされるレンガ302として形成されたドライブ(又はセンス)線を含む規範的タッチセンサパネル300の一部分を示す。象徴的に示され、明瞭化の目的で正しいスケールでない
図3の例では、バス線B0は、レンガR0C0(列C0に隣接するB0に最も近いレンガ)及びR7C1(列C1に隣接するB0から最も遠いレンガ)に結合される。バス線B1は、レンガR1C0(列C0に隣接するB0に次に近いレンガ)及びR6C1(列C1に隣接するB0から次に遠いレンガ)に結合される。レンガR7C0(列C0に隣接するB0から最も離れたレンガ)及びR0C1(列C1に隣接するB0に最も近いレンガ)に結合されたバス線B7により明らかなように、この結合パターンが他のバス線に対して繰り返される。上述したように、特定バス線に結合されるレンガをインターリーブすることにより、各バス線は、より均一な平均インピーダンス及びキャパシタンスを見ることになり、タッチセンサパネルにわたりタッチ測定を等しくする上で助けとなる。しかしながら、この配列では、所与のバス線に対して、刺激されるレンガの位置が著しく変化することを理解されたい。それでも、それにより得られるタッチ映像の後処理で実際のタッチ位置を識別することができる。
【0020】
インターリーブすることで、電力の均一性を更に高めることができる。インターリーブしないと、あるドライバは、容量性負荷が小さくなり、一方、他のドライバは、容量性負荷が大きくなる。最大の負荷を適切に駆動できるように保証するために、全てのドライバは、最大の容量性負荷を駆動するよう設計され、その結果、全てのドライバが大きな負荷で駆動されなくても、全てのドライバに対する電流要件が高いものとなる。しかしながら、インターリーブすることで、各ドライバは、より適度でほぼ等しい容量性負荷をもつことになり、適度な容量性負荷を駆動するよう設計するだけでよくなる。
【0021】
図4Aは、本発明の実施形態により列406として形成されたセンス(又はドライブ)線、レンガ402の行として形成されたドライブ(又はセンス)線、及びレンガの両側に沿って(いわゆる「ダブルエスケープ」構成で)引き回された接続トレース404(細い線として象徴的に示す)を含む規範的タッチセンサパネル400を示す。
図4aの例では、センス(又はドライブ)線(C0−C3)は、列406として形成することができ、ドライブ(又はセンス)線(R0−R7)は、レンガ402の行として形成することができ、レンガの各行は、個別のドライブ(又はセンス)線を形成する。4列8行のタッチセンサパネル400が示されているが、いかなる数の列及び行も使用できることを理解されたい。
図4Aの列406及びレンガ402は、導電性材料の共平面単層で形成することができる。
【0022】
特定行のレンガ402を一緒に結合するために、これも導電性材料から形成された接続トレース404を、レンガからレンガの交互の側面に沿ってダブルエスケープ構成で特定の下部バス線410又は上部バス線414へ引き回すことができる(が、他の実施形態では、上部又は下部のいずれかにおいてバス線の単一グループだけを使用してもよいことを理解されたい)。導電性材料で形成された接地ガード416を接続トレース404と隣接列406との間に形成することができる。下部バス線410及び上部バス線414、並びに列406に対する接続トレースは、ボーダーエリアに沿って引き回し、そしてタッチセンサパネル400からフレックス回路を通して引き出すことができる。
【0023】
図4Bは、
図4Aの規範的タッチセンサパネル400の一部分の拡大図であり、本発明の実施形態によりダブルエスケープ構成で接続トレース404を使用してレンガ402を下部バス線410へどのように引き回せるかを示す。
図4Bの例では、接続トレース404−R0−Eを下部バス線410へ直接引き回すことができ、接続トレース404−R1−EをレンガR0−Eの右側に沿って引き回すことができ、接続トレース404−R2−EをレンガR0−E及びR1−Eの左側に沿って引き回すことができ、そして接続トレース404−R3−Eをダブルエスケープ構成でレンガR0−E、R1−E及びR2−E(図示せず)の右側に沿って引き回すことができる。
【0024】
図4Bの相互キャパシタンスダブルエスケープ実施形態では、各ピクセルを列と2つの隣接レンガとの間の相互キャパシタンスによって特徴付けることができる。例えば、R0−C3に対するピクセル又はセンサは、レンガR0−DとC3との間の相互キャパシタンス418、及びレンガR0−EとC3との間の相互キャパシタンス420により形成することができる。
【0025】
上述したように、任意の接地ガードを
図4A及び4Bにおける各列の周りに形成できると共に、
図1A、1B、1C及び3における各列の周りにも形成できる。一実施形態では、列は、ほぼ1000ミクロン巾であり、そして接地ガードは、ほぼ250ミクロン巾である。接地ガードを使用する1つの利点は、タッチセンサパネルのタッチ事象検出能力を改善することである。
【0026】
図5A及び5Bは、本発明の実施形態による導電性材料の多角形エリア502に対する規範的接地ガード500の作用の上面図及び側面図である。
【0027】
図5Aは、接地ガードをもたない例を示す。導電性材料502又は列504のいずれかの多角形エリアが刺激信号により駆動されると、多角形エリア502と列504との間にフリンジ電界線506が現れる。側面図に示すように、ある電界線がプロセス中にカバーガラス508から一時的に出ることができる。電界線506は、近電界線510を含み、これは、一般的に、カバーガラス508を出ず、それ故、カバーガラス上又はその付近に現れる指による影響をほぼ受けない。例えば、近電界線510は、約2.4pFの漂遊キャパシタンスCsigを発生するが、タッチ事象中の漂遊キャパシタンスの変化ΔCsigは、約0.05pfに過ぎず、これは、約2%の小さな変化である。又、電界線506は、遠電界線512も含み、その若干がカバーガラス506から一時的に出て、指で阻止される。近電界線510とは対照的に、遠電界線512は、約0.6pFのCsigを発生するが、タッチ事象中に約0.3pFの漂遊キャパシタンスの変化ΔCsigを受け、これは、約50%の非常に大きな変化である。この大きな変化は、優れた信号対雑音比(SNR)及び改善されたタッチ事象検出を表すものである。
【0028】
しかしながら、近電界線510及び遠電界線512の両方が存在するので、いずれかの多角形導電性エリア502又は列504が刺激されたときには、前記例で発生される合計Csigが約3.0pFであり、そしてタッチ事象中の漂遊キャパシタンスの全変化ΔCsigが約0.35pFであり、これは、約10%の変化しか表さない。タッチ事象中の漂遊キャパシタンスのパーセント変化を最大にするために、タッチ事象により影響されない相互キャパシタンスの量(即ち、近電界線510)を最小にし、タッチ事象により変化を受ける相互キャパシタンス(即ち、遠電界線512)にできるだけ大きく依存するようにすることが望まれる。
【0029】
図5Bは、接地ガード500を伴う例を示す。
図5Bに示すように、接地ガード500は、タッチ事象により影響を受けるほとんどの遠電界線512をそのままにして、ほとんどの近電界線510を、センス線504に結合できるようにするのではなく、直接接地へシャントさせることにより、ドライブ線とセンス線との間の望ましからぬ相互キャパシタンスを減少することができる。ほとんどの遠電界線512が相互キャパシタンス値に影響する状態では、タッチ事象中のキャパシタンスの変化が上述したように50%に接近し、SNRの改善を表す。
【0030】
図5C及び5Dは、本発明の実施形態による接続トレース514に対する規範的接地ガード500の作用を示す上面図及び側面図である。
図5Cは、接地ガードをもたない例を示す。接続トレース514は、多角形の導電性エリアに結合できるので、これも刺激信号で駆動することができる。
図5Cに示すように、接地ガードがない状態では、近電界線510を隣接センス線504に結合させて、センス線に意図されないキャパシタンス変化を生じさせる。しかしながら、
図5Dに示すように、接地ガード500が配置されると、近電界線510を、センス線504ではなく、接地ガードへシャントさせて、センス線における意図されないキャパシタンス変化を減少させることができる。
【0031】
図5E及び5Fは、本発明の実施形態により接続トレース514によってセンス線504から分離された多角形の導電性エリア502に対する規範的接地ガード500の作用を示す上面図及び側面図である。
図5Eに示すように、接地ガードがないと、タッチ事象が生じたときに、近電界線510がセンス線504に結合され、センス線におけるパーセントキャパシタンス変化を減少させる。しかしながら、
図5Fに示すように、接地ガード500が配置されると、タッチ事象が生じたときに、タッチ事象の影響を受けるほとんどの遠電界線512をそのままにして、近電界線510を、センス線504ではなく、接地ガードへシャントさせ、センス線におけるパーセントキャパシタンス変化を増加させることができる。
【0032】
再び
図1Aを参照すると、上述した接地分離バーは、接続トレースとセンス線との間の漂遊キャパシタンスCsigの量を最小にすることができる。それでも、トレースを非常に長く引き回す場合、約6pF程度のCsigが接続トレースからセンス線へ転送され、ダイナミックレンジバジェットを減少すると共に、校正を困難にする。接続トレースからセンス線への漂遊容量は、タッチ事象によりある程度影響を受けるので、タッチセンサパネルの1つの領域でのタッチ事象が、更に、パネルの離れたエリアにおいて漂遊キャパシタンスの減少及び見掛け上の(しかし偽の)タッチ事象を引き起こすという空間的クロス結合を生じさせる。
【0033】
図6は、本発明の実施形態により接続トレースとセンス線との間の漂遊キャパシタンスを更に減少できる規範的なジグザグダブル補間型タッチセンサパネル600の一部分を示す。
図6の例において、ドライブ(又はセンス)線を表す多角形エリア602は、一般的に、五角形で、向きが食い違っており、パネルの端末付近の幾つかのレンガは、切断された五角形である。センス(又はドライブ)線604は、ジグザグ形状であり、センス(又はドライブ)線と五角形602との間に接地ガード606がある。全ての接続トレース608は、五角形602間のチャンネル610に引き回される。相互キャパシタンス実施形態では、各ピクセル又はセンサは、五角形と隣接センス(又はドライブ)線604との間に形成される電界線616によって特徴付けられる。接続トレース608は、センス(又はドライブ)線604に沿って延びず、むしろ、五角形602間に延びるので、接続トレース608とセンス(又はドライブ)線604との間の漂遊キャパシタンスが最小にされ、空間的クロス結合も最小にされる。手前のものでは、接続トレース608とセンス(又はドライブ)線604との間の距離は、接地ガード606の巾に過ぎなかったが、
図6の実施形態では、この距離は、接地ガードの巾と、五角形602の巾(その形状の長さに沿って変化する)との和になる。
【0034】
図6の例に示すように、タッチセンサパネルの端末における行R14の五角形は、切頭することができる。従って、R14に対するタッチの計算された中心612は、それらの真の位置からy方向にオフセットすることができる。更に、2つの隣接する行に対するタッチの計算された中心は、オフセット距離だけx方向に食い違うことになる(互いにオフセットされる)。しかしながら、この不整列は、ピクセルを再マップして歪を除去するためにソフトウェアアルゴリズムでデワープ(de-warp)することができる。
【0035】
本発明の実施形態は、ここでは、相互キャパシタンスタッチセンサパネルに関して主として説明したが、本発明の実施形態は、自己キャパシタンスタッチセンサパネルにも適用できることを理解されたい。このような実施形態では、基準の接地平面を、基板の背面に形成することもできるし、多角形エリア及びセンス線と同じ基板面に誘電体により多角形エリア及びセンス線から分離して形成することもできるし、或いは個別の基板に形成することもできる。自己キャパシタンスタッチセンサパネルでは、各ピクセル又はセンサは、指の存在によって変化する基準接地点に対する自己キャパシタンスを有する。
【0036】
図7は、上述した本発明の1つ以上の実施形態を含むことのできる規範的コンピューティングシステム700を示す。このコンピューティングシステム700は、1つ以上のパネルプロセッサ702及び周辺装置704と、パネルサブシステム706とを備えている。周辺装置704は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の形式のメモリ又は記憶装置、ウオッチドッグタイマー、等を含むが、これに限定されない。パネルサブシステム706は、1つ以上のセンスチャンネル708、チャンネルスキャンロジック710、及びドライバロジック714を含むが、これに限定されない。チャンネルスキャンロジック710は、RAM712にアクセスし、センスチャンネルからデータを自律的に読み取り、そしてセンスチャンネルを制御することができる。更に、チャンネルスキャンロジック710は、タッチセンサパネル724のドライブ線に選択的に適用できる刺激信号716を種々の周波数及び位相で発生するようにドライバロジック714を制御することができる。ある実施形態では、パネルサブシステム706、パネルプロセッサ702、及び周辺装置704は、単一の特定用途向け集積回路(ASIC)へ一体化することができる。
【0037】
タッチセンサパネル724は、複数のドライブ線及び複数のセンス線を有する容量性感知媒体を含むことができるが、他の感知媒体も使用できる。相互キャパシタンスの実施形態では、ドライブ線とセンス線の各交点が容量性感知ノードを表し、タッチセンサパネル724がタッチの「映像」を捕獲するものとみなされるときに特に有用である画素(ピクセル)726とみなすことができる。換言すれば、タッチセンサパネルの各タッチセンサにおいてタッチ事象が検出されたかどうかをパネルサブシステム706が決定した後に、タッチ事象が生じたマルチタッチパネルにおけるタッチセンサのパターンは、タッチの「映像」(例えば、パネルにタッチする指のパターン)とみなすことができる。タッチセンサパネル724の各センス線は、パネルサブシステム706のセンスチャンネル708(ここでは、事象検出及び復調回路とも称される)に結合することができる。
【0038】
又、コンピューティングシステム700は、パネルプロセッサ702から出力を受け取りそしてその出力に基づいてアクションを遂行するためのホストプロセッサ728を含むこともでき、そのアクションは、カーソル又はポインタのような物体を移動し、スクロール又はパンし、制御設定を調整し、ファイル又はドキュメントをオープンし、メニューを見、選択を行い、インストラクションを実行し、ホスト装置に結合された周辺装置を操作し、電話コールに応答し、電話コールを発信し、電話コールを終了し、音量又は音声設定を変更し、住所、頻繁にダイヤルされる番号、受けたコール、逃したコールのような電話通信に関する情報を記憶し、コンピュータ又はコンピュータネットワークにログオンし、コンピュータ又はコンピュータネットワークの限定されたエリアへの許可された個々のアクセスを許し、コンピュータデスクトップのユーザの好ましい配列に関連したユーザプロフィールをロードし、ウェブコンテンツへのアクセスを許し、特定のプログラムを起動し、メッセージを暗号化又は解読し、等々を含むが、これらに限定されない。又、ホストプロセッサ728は、パネル処理に関連しない付加的な機能を遂行することもでき、そしてプログラム記憶装置732と、装置のユーザへUIを与えるためのLCDディスプレイのようなディスプレイ装置730とに結合することができる。ディスプレイ装置730は、タッチセンサパネル724のもとに一部分又は完全に位置されたときに、そのタッチセンサパネルと共に、タッチスクリーン718を形成することができる。
【0039】
上述した1つ以上の機能は、メモリ(
図7の周辺装置704の1つ)に記憶されたファームウェアにより遂行され、パネルプロセッサ702により実行され、或いはプログラム記憶装置732に記憶され且つホストプロセッサ728により実行されることに注意されたい。又、ファームウェアは、インストラクション実行システム、装置又はデバイス、例えば、コンピュータベースのシステム、プロセッサ収容システム、或いはそのインストラクション実行システム、装置又はデバイスからインストラクションをフェッチしてインストラクションを実行できる他のシステムにより使用するために、又はそれに関連して使用するために、コンピュータ読み取り可能な媒体内に記憶し及び/又は搬送することもできる。本書において、「コンピュータ読み取り可能な媒体」とは、インストラクション実行システム、装置又はデバイスにより又はそれに関連して使用するためのプログラムを収容し又は記憶することのできる媒体である。コンピュータ読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体システム、装置又はデバイス、ポータブルコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(磁気)、リードオンリメモリ(ROM)(磁気)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)(磁気)、ポータブル光学ディスク、例えば、CD、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、又はDVD−RW、或いはフラッシュメモリ、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、セキュアなデジタルカード、USBメモリデバイス、メモリスティック、等を含むが、これに限定されない。
【0040】
又、ファームウェアは、インストラクション実行システム、装置又はデバイス、例えば、コンピュータベースのシステム、プロセッサ含有システム、又はそれらインストラクション実行システム、装置又はデバイスからインストラクションをフェッチしてインストラクションを実行することができる他のシステムにより使用するために、又はそれらに関連して使用するために、トランスポート媒体内で搬送することもできる。本書において、「トランスポート媒体」とは、インストラクション実行システム、装置又はデバイスにより使用するために、又はそれに関連して使用するために、プログラムを通信し、伝播し又は搬送することのできる媒体である。読み取り可能なトランスポート媒体は、電子、磁気、光学、電磁、或いは赤外線のワイヤード又はワイヤレス伝播媒体を含むが、これに限定されない。
【0041】
図8Aは、タッチセンサパネル824及びディスプレイ装置830を含むことのできる規範的移動電話836を示し、タッチセンサパネルは、本発明の実施形態により上述したように形成される行及び列を有する。
【0042】
図8Bは、タッチセンサパネル824及びディスプレイ装置830を含むことのできる規範的デジタルメディアプレーヤ840を示し、タッチセンサパネルは、本発明の実施形態により上述したように形成される行及び列を有する。
【0043】
図8A及び8Bの移動電話及びメディアプレーヤは、好都合にも、上述したタッチセンサパネルから利益を得ることができる。というのは、タッチセンサパネルは、これら装置を、タッチにより敏感で、より薄く、且つより安価なものにすることができ、これらは、消費者の希望及び商業的成功に対して顕著な効果をもたらす重要な消費者ファクタだからである。
【0044】
以上、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、種々の変更や修正が明らかであろう。このような変更や修正は、特許請求の範囲に規定された本発明の範囲内に包含されると理解されたい。