(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958813
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】バリケードカバー標識
(51)【国際特許分類】
E01F 13/00 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
E01F13/00 301
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-177551(P2012-177551)
(22)【出願日】2012年7月24日
(65)【公開番号】特開2014-25325(P2014-25325A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】504201590
【氏名又は名称】株式会社グリーンクロス
(72)【発明者】
【氏名】市村 彰弘
【審査官】
神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−347608(JP,A)
【文献】
特開2011−94466(JP,A)
【文献】
特開2011−137950(JP,A)
【文献】
特開2009−299331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00−15/14
E01F 9/00
G09F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のスタンドと、スタンド間に上下に間隔をおいて平行に渡される2本のパイプからなる単管バリケードのスタンド部を支持体とし、この支持体を台形状に覆うシート材からなる表示体とで構成され、表示体の両側端に複数箇所備えた留め具にて両側端同士を留め合わせ、支持体を覆い外被保持できるようにされ、表示体の中央部にパイプを通す開口部を備え、かつ開口部から表示体の下部まで連なるスリットを備えており、表示体の表面に文字や図形が表示されることを特徴とするバリケードカバー標識。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単管バリケードのスタンド部を利用して、車両走行者や歩行者などに対して注意喚起やガイド表示、広告表示などを行う媒体となるバリケードカバー標識に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、道路工事現場や駐車場などでは、通行の規制範囲を明確にするために、一対のスタンドと、スタンド間に平行に渡される2本のパイプからなる単管バリケードが用いられている。
【0003】
近時、この単管バリケードは、道路や駐車場などで、車両の通行規制範囲を確保するために用いられるほか、イベント会場における来場者の導線確保や、店舗前に行列する来店者の安全確保などにも利用されている。
【0004】
このような単管バリケードの規制範囲を明確にする機能を高めるために、単管バリケードの2本のパイプ部分に矢印板を取り付け表示することが特許文献1あるいは、特許文献2によって知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公開2000−347608号公報
【特許文献2】特許公開2009−299331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記先行技術にあって、特許文献1、特許文献2共に、プラスチック板を矢印の型に切り抜いた表示体である。したがって、道路工事現場などに設置されることで、車両走行者の注意喚起を行い、車両の通行規制範囲の方向を明確に表示する機能は備えるが、文字や図形など、方向以外の情報を自由に表示する機能は備えておらず、通行規制のみに用途が限定されている。
【0007】
本発明は、このような事情を鑑み、単管バリケードのスタンド部を支持体として、そのスタンド部の周囲を覆うシート材からなる表示体を持ち、表示体の表面に多様な文字や図形を表示できる機能を備えたバリケードカバー標識を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明によるバリケードカバー標識は、一対のスタンドと、スタンド間に上下に間隔をおいて平行に渡される2本のパイプからなる単管バリケードのスタンド部を支持体とし、この支持体を台形状に覆うシート材からなる表示体とで構成され、表示体の両側端に複数箇所備えた留め具にて両側端同士を留め合わせ、支持体を覆い外被保持できるようにされ、表示体の中央部にパイプを通す開口部を備え、かつ開口部から表示体の下部まで連なる切れ目を備えており、表示体の表面に文字や図形が表示されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、単管バリケードのスタンド部に所要の情報を表示した表示体を外被して道路などに設置すると、車両走行者や歩行者の進行方向に向かって垂直の方向に表示体の広い面が表示されることになる。こうすることによって、その広い表示面に使用時の状況に応じた表示内容を示すことによって、通行規制の標識として、あるいは、ガイド表示や広告表示の媒体として、様々な状況に応じた様々な情報を提供できるという効果を奏する。また、近時、市場に普及しつつある動物型や人型のスタンドに、それぞれのキャラクターに合った表示体を組み合わせることによって、より効果の高い情報伝達媒体として活用できるという効果を奏する。
【0010】
さらに、本発明では、現場に設置された単管バリケードのスタンド部に、表示体をそのまま覆いかぶせて留めることができるため、スタンド部からパイプを取り外す作業を行うことなく表示体のみを状況に合わせて交換することができる。
【0011】
このように、本発明によれば、単管バリケードを利用して、本来の通行規制や安全確保の機能に加えて、様々な使用状況に合わせたガイド表示や広告表示などの様々な表示を簡便に行うことができるという効果が得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態のバリケードカバー標識の一具体例全体斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明によるバリケードカバー標識の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1には本実施形態のバリケードカバー標識の一具体例全体斜視図が示されている。
図2には表示体の組み付け過程を表す斜視図が、
図3には表示体の展開図が、それぞれ示されている。
【0015】
このバリケードカバー標識1は、所要寸法の一対のスタンド3(本発明の支持体に相当)と、その上下に間隔をおいて平行に渡される所要寸法の2本のパイプ4とが接合されてなる単管バリケード2と、この単管バリケード2のスタンド部3を覆い装着される所要の文字・図形などを表示してなる表示体10とで構成されている。
【0016】
前記表示体10は、耐水性を備えたシート材(例えば、ターポリンなどの防水布、ラミネートで防水加工された板紙、その他プラスチックシートなど)で、前記単管バリケード2のスタンド前面部3aを覆い被せることのできる台形に形成された表示面11と、この表示面11と巻き付ける方向で折り目線bを介して縦長に形成される、スタンド側面部3bと同等の幅を持つ接合部12と接合縁部13、14とで形成されている。
【0017】
このようになる表示体10の接合縁部13、14には、所定の間隔で複数の締結用孔15が形成されており、この締結用孔15に締結用部材16(例えば、ハトメ金具やホックなど)をはめ込んで、両接合縁部13、14を閉じ合わせ固定できるようにされている。
【0018】
また、表示体10の表示面11の中央下部には開口部17と、この開口部17から表示面11の下部まで連なるスリット18とが形成されており、スタンド部3にパイプ4を取り付けたままの状態においてもスリット18から開口部17までパイプ4を通すことが可能であるため、スタンド部3からパイプ4を取り外す作業を行うことなく単管バリケード2に表示体10をそのまま覆いかぶせて留めることがでる。また、状況に合わせて表示体10のみを容易に取り替えることもできる。
【0019】
前記表示体10の表示面11には、通行の規制表示や注意喚起表示、あるいは、ガイド表示や広告表示など、使用目的に応じた文字や図形19を印刷して表示する。
【0020】
また、この表示体10については、その表示面11の外形を動物型や人型のスタンドに合わせた輪郭に形成してもよい。こうすることで、それぞれのキャラクターの形状に合った表示体10を組み合わせることができ、例えば、表示体10に警備服を印刷し人型のスタンドに被せるなど、より効果の高い情報伝達媒体として活用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 バリケードカバー標識
2 単管バリケード
3 スタンド部
3a スタンド前面部
3b スタンド側面部
4 パイプ
10 表示体
11 表示面
12 接合部
13、14 接合縁部
15 締結用孔
16 締結用部材
17 開口部
18 スリット
19 表示する文字・図形
b 折り目線