(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5958854
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】貯水タンク
(51)【国際特許分類】
E03B 11/02 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
E03B11/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-74987(P2012-74987)
(22)【出願日】2012年3月9日
(65)【公開番号】特開2013-185434(P2013-185434A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000189556
【氏名又は名称】上野 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】上野 佳祐
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−345593(JP,A)
【文献】
実開平04−061157(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3039679(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 1/00〜 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道管に接続され蛇口等水栓を開くと量水器等の上流からの水が蓋部材を介してタンク部材の中空部を通過するようされた蓋部材付貯水タンクにおいて、前記タンク部材の中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面とで隔室が形成されないようされた中空部の最高所に開口される開口部に、中空体の壁に孔が貫設される継手ベースと、前記孔を囲繞して継手ベースに連結され前記タンク部材開口部に密閉可能かつ着脱可能に接続される連結部と、基端が前記継手ベースの中空部天井面最高部に開口され先端が該継手ベースの外側に突出されて蛇口等水栓に接続される排水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の排水管と、基端が前記継手ベースの中空部に開口されて前記孔を介して前記タンク部材の中空部底部に延長可能とされ先端が前記継手ベースの外側に突出されて量水器が接続される給水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の給水管と、を備え前記継手ベースの中空部が、前記給水管の延長部基端を収容可能とされると共に接続される前記タンク部材の口天部より上方に存するようされる蓋部材を接続したことを特徴とする貯水タンク。
【請求項2】
水道管に接続され蛇口等水栓を開くと量水器等の上流からの水が蓋部材を介してタンク部材の中空部を通過するようされた蓋部材付貯水タンクにおいて、前記タンク部材の中空部に少なくとも2か所が開口され、中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面及び前記水面と中空部内面と前記開口を密閉する蓋部材とで隔室が形成されないようされた中空部最高所に開口される第1開口部と該第1開口部より低所の中空部側面に開口される少なくとも1か所の第2開口部とが設けられ、第1開口部を密閉する第1蓋部材に排水路へ着脱自在に接続され第1蓋部材の天面に開口される排水管を気密的に形成させると共に第2開口部を密閉する第2蓋部材に量水器が接続される給水路へ着脱自在に接続され前記タンク部材の中空部底部に伸びる給水管を気密的に形成したことを特徴とする貯水タンク。
【請求項3】
水道管に接続され蛇口等水栓を開くと量水器等の上流からの水が蓋部材を介してタンク部材の中空部を通過するようされた蓋部材付貯水タンクにおいて、前記タンク部材の中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面とで隔室が形成されないようされた中空部最高所に開口される少なくとも2か所の開口の内、一側開口部を密閉可能する給水側蓋部材に量水器が接続される給水路へ着脱自在に接続され前記タンク部材の中空部底部に伸びる給水管と排水路へ着脱自在に接続され該蓋部材の天面最高面に開口される給水側排水管とを気密的に形成すると共に他側開口部を密閉する排水側蓋部材に排水路へ着脱自在に接続され該蓋部材の天面最高面に開口される排水管とを気密的に形成し前記給水側蓋部材の給水側排水管と前記排水側蓋部材の排水管とをパイプで接続して該パイプと排水側蓋部材の配水管との接続位置の方が該パイプと前記給水側蓋部材の給水側排水管との接続位置より高所に接続されて連通されたことを特徴とする貯水タンク。
【請求項4】
飲料水を貯水可能なタンク部材に形成される中空部の最高所に開口される開口部を気密可能且つ着脱可能に接続される蓋部材であって、中空体の壁に孔が貫設される継手ベースと、前記孔を囲繞して継手ベースに連結され前記タンク部材開口部に密閉可能かつ着脱可能に接続される連結部と、基端が前記継手ベースの中空部天井面最高部に開口され先端が該継手ベースの外側に突出されて蛇口等水栓に接続される排水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の排水管と、基端が前記継手ベースの中空部に開口されて前記孔を介して前記タンク部材の中空部底部に延長可能とされ先端が前記継手ベースの外側に突出されて量水器が接続される給水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の給水管と、を備え前記継手ベースの中空部が、前記給水管の延長部基端を収容可能とされると共に接続される前記タンク部材の口天部より上方に存するようされたことを特徴とする貯水タンク用蓋部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯水タンクに関し、特に、非常時のために水を蓄えておくのに使用して好適な貯水タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
地震等の災害による長期断水の発生時における飲料水確保対策として、水道管に密閉水槽を連結して通常時は密閉水槽内へ水を流しこんで水を貯留させつつ密閉水槽内を通過した水を水道水として利用し、災害時には密閉水槽内の水を利用する循環備蓄貯水槽が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここでの構成によれば、水道管と直列に接続される供給管と密閉水槽及び密閉水槽と吐出し管とは分離できる構造となっていないので非常時に持ち運びができないし、浮子式気弁を必要とするなど装置が大掛かりとなり高価なものとなってしまう。
【0003】
これに対して、キャップを貯水タンクから外すだけで水道管に接続される給水管及び排水管から貯水タンクを分離でき、容易に持ち運び可能とされる貯水タンクを設けた貯水タンクおよび非常用貯水キャップも知られている(例えば、特許文献2参照)。
ここに開示されている発明は、貯水タンクの開口部を密閉可能とされ着脱自在とされるキャップを設け、このキャップを貯水タンクから外すだけで給水配管から貯水タンクを容易に分離可能取としている。また、貯水タンクは一般家庭でもよく利用されているポリタンクなので安価で持ち運びは自在である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 登録実用新案 第3017991号
【特許文献2】 特開平08−284213号
【特許文献3】 実開昭61−84769号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記先行技術には共通する欠点がある。すなわち、水道管の上流から供給される水道水は貯水タンク(又は密閉水槽)内を通過するので蛇口からの放水により貯水タンク内の水道水は新しい水道水によって置換されるとされている。
しかし、特許文献1では、密閉水槽1が満水状態の時に上流側から供給される新しい水に置換されるが密閉水槽から浮子式気弁4に至る水路では
図13(原理図で示す)に示すように浮子式気弁内の浮子90が水によって押し上げられて通路が遮断されるので密閉水槽1が満水状態の時は該水路内で水が滞留し、水面91が弁内に閉じ込められた空気と接触しているため空気中の細菌が浮子式気弁内から密閉水槽1と浮子式気弁4を結ぶ水路内の水中に繁殖してくる。断水時に、取水口3を開いて密閉水槽1内の水面が一定以上下降すると浮子式気弁内から密閉水槽1とを結ぶ水路内の水も密閉水槽内に入り当該水路内の細菌も密閉水槽内に入り、やがて取水口から取出されて人の口に入り健康を害す結果となる。
【0006】
同様に、特許文献2では、貯水タンクの開口部を密閉する円板13を貫通する排水側のパイプ13aの貯水タンク内に臨まされる先端が円板13から突出されているので貯水タンク内に進入した水道水の水面が上昇して排水側パイプ13aの貯水タンク内に臨まされる先端に達すると水面と貯水タンク内壁面と円板13とで形成される隔室の中に空気が閉じ込められて空気溜りができる。この状態で貯水タンク内にさらに進入する水道水は排水側パイプ13aを通って貯水タンクから排水されるので閉じ込められた空気中の細菌が空気と接触する水面を介して繁殖する。
【0007】
特許文献3では、可撓ホース5の内径に比べて接続される注入部2の内径の方がかなり大きい上に注入部2の開口面からタンク頂壁面8までの間に筒状の壁面が存することが図面から視認できる。このことから、注入部2の断面積から可撓ホース5から注水される水柱の断面積を差し引いた面積と注入部2の開口面からタンク頂壁面8までの高さとの積で表される空洞が存在することが分かる。したがって、特許文献2と同様に水面の上昇によりこの空洞部に空気溜りが発生する。この結果、空気溜り内の空気中の細菌が水中で時間を経る毎に繁殖する。
【0008】
以上のような背景のもとになされたもので、貯水タンクに注水されて上昇する水面と貯水タンク内壁面及び前記水面と前記内壁面と貯水タンク開口面を密閉する蓋部材との間に隔室が形成されないようにして空気溜りを防止し貯水タンク内水中に細菌が増殖しないようされた蓋付きの持ち運び自在な貯水タンクを提供しようとするものである。
また、蓋部材は貯水タンクとして流用できるよう市販の飲料ボトルに利用可能にして安価な貯水タンクを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
請求項1に示す貯水タンクは、水道管に接続され蛇口等水栓を開くと量水器等の上流からの水が蓋部材を介してタンク部材の中空部を通過するようされた蓋部材付貯水タンクにおいて、前記タンク部材の中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面とで隔室が形成されないようされた中空部の最高所に開口される開口部に、
中空体の壁に孔が貫設される継手ベースと、前記孔を囲繞して継手ベースに連結され前記タンク部材開口部に密閉可能かつ着脱可能に接続される連結部と、基端が前記継手ベースの中空部天井面最高部に開口され先端が該継手ベースの外側に突出されて蛇口等水栓に接続される排水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の排水管と、基端が前記継手ベースの中空部に開口されて前記孔を介して前記タンク部材の中空部底部に延長可能とされ先端が前記継手ベースの外側に突出されて量水器が接続される給水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の給水管と、を備え前記継手ベースの中空部が、前記給水管の延長部基端を収容可能とされると共に接続される前記タンク部材の口天部より上方に存するようされる蓋部材を接続したことを特徴とする。
【0011】
請求項2に示す貯水タンクは、水道管に接続され蛇口等水栓を開くと量水器等の上流からの水が蓋部材を介してタンク部材の中空部を通過するようされた蓋部材付貯水タンクにおいて、前記タンク部材の中空部に少なくとも2か所が開口され、中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面及び前記水面と中空部内面と前記開口を密閉する蓋部材とで隔室が形成されないようされた中空部最高所に開口される第1開口部と該第1開口部より低所の
中空部側面に開口される少なくとも1か所の第2開口部とが設けられ、第1開口部を密閉する第1蓋部材に排水路へ着脱自在に接続され第1蓋部材の天面に開口される排水管を気密的に形成させると共に第2開口部を密閉する第2蓋部材に量水器が接続される給水路へ着脱自在に接続され前記タンク部材の中空部底部に伸びる給水管を気密的に形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に示す貯水タンクは、水道管に接続され蛇口等水栓を開くと量水器等の上流からの水が蓋部材を介してタンク部材の中空部を通過するようされた蓋部材付貯水タンクにおいて、前記タンク部材の中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面とで隔室が形成されないようされた中空部最高所に開口される少なくとも2か所の開口の内、一側開口部を密閉可能する給水側蓋部材に量水器が接続される給水路へ着脱自在に接続され前記タンク部材の中空部底部に伸びる給水管と排水路へ着脱自在に接続され該蓋部材の天面最高面に開口される給水側排水管とを気密的に形成すると共に他側開口部を密閉する排水側蓋部材に排水路へ着脱自在に接続され該蓋部材の天面最高面に開口される排水管とを気密的に形成し前記給水側蓋部材の給水側排水管と前記排水側蓋部材の排水管とをパイプで接続して該パイプと排水側蓋部材の配水管との接続位置の方が該パイプと前記給水側蓋部材の給水側排水管との接続位置より高所に接続されて連通されたことを特徴とする
【0013】
請求項4に示す貯水タンク用蓋部材は、飲料水を貯水可能なタンク部材に形成される中空部の最高所に開口される開口部を気密可能且つ着脱可能に接続される蓋部材であって、
中空体の壁に孔が貫設される継手ベースと、前記孔を囲繞して継手ベースに連結され前記タンク部材開口部に密閉可能かつ着脱可能に接続される連結部と、基端が前記継手ベースの中空部天井面最高部に開口され先端が該継手ベースの外側に突出されて蛇口等水栓に接続される排水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の排水管と、基端が前記継手ベースの中空部に開口されて前記孔を介して前記タンク部材の中空部底部に延長可能とされ先端が前記継手ベースの外側に突出されて量水器が接続される給水路に着脱自在に接続可能とされる筒状の給水管と、を備え前記継手ベースの中空部が、前記給水管の延長部基端を収容可能とされると共に接続される前記タンク部材の口天部より上方に存するようされたことを特徴とする
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
1、貯水タンク内に空気が溜まらないようにしたので飲料水中の塩素の殺菌力が低下しない。
2、貯水タンク内に空気が溜まらないようにしたので緑藻等の有害菌が残存しない。
3、これにより、貯水タンク内の飲料水は常に水道管内の水道水と同等の清浄度が維持される。
4、非常時は水道管から貯水タンクを離脱させて任意の場所に持ち運び飲用に利用できる。
5、蓋部材を市販飲料ボトルに利用できるようにしたので市販飲料ボトルをタンク部材として転用できるので安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】 本発明の貯水タンクの第1実施例を示す要部側面図である。
【
図2】 本発明の貯水タンクの第2実施例を示す要部側面図。
【
図3】 本発明の貯水タンクの第3実施例を示す要部側面図である。
【
図4】 本発明の貯水タンクの第4実施例を示す要部側面図である。
【
図5】 本発明の貯水タンクの第5実施例を示す要部側面図である。
【
図6】 本発明の貯水タンクの第6実施例を示す要部側面図である。
【
図7】 本発明の蓋部材のほかの実施例を示す要部断面図である。
【
図8】 本発明の蓋部材のさらにほかの実施例を示す要部断面図である。
【
図9】 本発明の蓋部材のさらにほかの実施例を示す要部断面図である。
【
図10】 本発明の蓋部材のさらにほかの実施例を示す要部断面図である。
【
図11】 本発明の蓋部材のさらにほかの実施例を示す要部断面図である。
【
図12】 本発明の蓋部材とタンク部材との連結手段のほかの実施例を示す要部断面図である。
【
図13】 従来技術に構成される浮子式気弁の原理を示す要部断面図である。
【実施例1】
【0016】
本実施例の特徴とするところは、請求項1に係る貯水タンクである。
【0017】
図1を用いて本発明に係る貯水タンクの第1実施例について説明する。
1は中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面とで隔室が形成されないようされた容量3リットルの黒色の樹脂製タンク部材6の中空部最高所に開口される開口部
を密閉可能かつ着脱可能に接続される蓋部材であって、
中空部1aの平面視投影面積がタンク部材6の開口部平面視投影面積より大きくされた中空体とされる継手ベース1dの下面に貫通孔1bが設けられ該貫通孔1bを囲繞して継手ベース1dに一体的に接続されてタンク部材6の開口部をリング状のシール部材5を介して口部外周面に形成される雄ねじ6aに下方が開口される中空部1cの内周面に刻設される雌ねじ4を螺合させて密閉
可能かつ着脱可能に接続される連結部1eと、基端が継手ベース1dの中空部1aの天井面最高部に開口され先端が継手ベース1dの外側に突出されて蛇口E等水栓に接続される排水路Hに着脱自在に接続可能とされる筒状の排水管3と、基端が継手ベース1dの中空部1aに開口されて貫通孔1bを介してタンク部材6の中空部底部に延長可能とされ先端が継手ベース1dの外側に突出されて量水器Mが接続される給水路Pに着脱自在に接続可能とされる筒状の給水管2と、を備え継手ベース1dの中空部1aが、給水管2の延長部基端(延長パイプ7の基端を中空部1a内に侵入させることも可)を収容可能とされると共に接続されるタンク部材の口天部6cより上方に存して貫通孔1bを介してタンク部材6の中空部と連通されて接続されている。【0018】
以上の構成においてその作用を説明する。
まず、給水管2と量水器Mとを閉じられた止水弁W1が接続された水道管Pを介して接続する(量水器Mと止水弁W1の間に逆止弁を入れても良い)と共に排水管3と蛇口Eとを閉じられた止水弁W2が接続された水道管Hを介して接続する。
次いで、蛇口Eと止水弁W2を開いた後に止水弁W1を開くと水道水が水道管Pを介して給水管2を通り延長パイプ7を経てタンク部材6の中空部内に供給される。
時間経過するにつれてタンク部材6の中空部内水面が上昇する。水面の上昇に伴ってタンク部材6内の空気は上方に追われ、水面が口天部
6cを越えるとタンク部材6内から空気が完全に排出され空気は全て蓋部材1に形成される貫通孔1b、中空部1aに移動させられる。さらに水位が上昇すると空気は排水管3から水道管Hを経て蛇口Eから排出され、空気を押し出した水道水も蛇口Eから排出される。
このようにして、量水器Mからタンク部材6を経て蛇口Eに至る中空部から完全に空気が排出される作用を果たす。この後、特に水道水の使用の必要が無ければ蛇口Eを閉じる。次いで、必要に応じて蛇口Eを開くと水道管の上流からの水はタンク部材6を経由して蛇口Eから放水される。この際、蛇口Eから放水される度にタンク部材6内の水は水道管の上流から供給される新しい水道水に置換され、新鮮状態が維持されるという効果を奏す。
【0019】
災害等により断水状態が生じた場合は、止水弁W1,W2を閉じた後、水道管P,Hから外し、所要の場所に止水弁と蓋部材1とが接続されたタンク部材6を運んで利用に備える。(水道管から離脱後、蓋部材1を外して断面コ字状の通常使用されている蓋に交換しても良いことは言うまでもない。)
【0020】
なお、本実施例では水道管に1本の貯水タンクを配設したがこれに限定されるものではない。飲料水の必要備蓄量に応じて貯水タンクの接続数を増やせばよい。この際は量水器Mに最も近い1本目の貯水タンクの排水管3と2本目の貯水タンクの給水管2とを2個の止水弁を介して接続し、順次、n本目の貯水タンクの排水管を(n+1)本目の貯水タンクの給水管に2個の止水弁を介して接続し、n本目の最後の貯水タンクの排水管3を止水弁を介して蛇口側水道管Hに接続すればよい。
【0021】
なお、本実施例では給水管2や排水管3と止水弁を別体としたがこれに限定されるものではない。夫々の管に止水弁を一体化させても良いことは言うまでもない。
【0022】
本実施例で用いた蓋部材1は、タンク部材6に形成される開口部の平面視投影面積より大きい平面視投影面積を有す中空部1aを形成させて貫通孔1bを介してタンク部材の中空部6bと連通させたので次のような効果がある。
イ)開口部が1箇所しかないボトルにおいて、開口部内径が小さくて一般住宅に配設される水道管と同じ内径の給水管と排水管とを前記開口部に挿入する物理的スペースが無くても中空部1aの天面に給水管と排水管とを適宜離間させて配設させ給水管だけを前記開口部に挿入させて水道水がタンク部材6の中空部を通過できるようにされているので大量に市販されている飲料入りボトル類を利用できる。
これにより、飲料を飲んだ後のボトルをタンク部材として再利用できるので安価にタンク部材を入手できる。
ロ)市販の1〜2lボトルを流用すれば蓋付きの持ち運び自在な貯水タンクを提供できる。
【実施例2】
【0023】
本実施例の特徴とするところは、実施例1で示した蓋部材の変形例であり、請求項
1に係る貯水タンクである。
【0024】
図2を用いて本発明に係る貯水タンクの第2実施例について説明する。
なお、実施例1で使用した部位には同一符号を付し詳細説明を省略する。
10は大別して蓋部材11と継手部材16とが連結されて構成される蓋部材である。詳述すれば、11は黒色樹脂製の蓋部材であり、天面表面に適宜離間して突設される一対の連結
管12,13の端面から天面最高面に開口される一対の穴14,14に夫々連通する前記穴14より小径の孔が貫通されると共に内周面に雌ねじ15が刻設されている。
16は実施例1と同様にタンク部材6の開口部
平面視投影面積より大きい
平面視投影面積とされる大径の中空部16aを有す筒体の端面と小径の中空部16cを有す筒体の端面とが
連通孔16bが貫通された板体を介して連結されて各々の中空部が連通され小径の中空部16cの内面に実施例1で用いたタンク部材6の口部外周面に刻設される雄ねじ6aに螺合可能な雌ねじ18が刻設されると共に大径の中空部16aを有す筒体の外周面に蓋部材11に形成される雌ねじ15に螺合可能な雄ねじ17が形成される黒色樹脂製の継手部材。19は弾性を有す樹脂製の延長パイプ。50は弾性を有すリング状のシール部材。
【0025】
以上の構成においてその作用を説明する。
まず、蓋部材11に形成される一対の穴14,14の一方の穴に延長パイプ19を圧入した後、その先端を継手部材16に形成される
孔16bに挿通させて、蓋部材11と継手部材16とをシール部材50を介して雌ねじ15と雄ねじ17を螺合させると継手部材16の中空部16aの先端開口部が密閉される。
次に、継手部材16とタンク部材6の口部とをシール部材5を介して雌ねじ18と雄ねじ6aを螺合させるとタンク部材6の口部が密閉される。
次に、実施例1と同様に、連結
管12,13の内、延長パイプ19が接続された連結
管(本例では12)12を図示しない量水器Mが接続された水道管と接続すると共に排水管とされる連結
管13と図示しない蛇口Eが接続された水道管とを接続する。
次いで、実施例1と同様に、止水弁W1を開くと水道水が水道管Pを介して給水管とされる連結部12に貫通される孔を通り延長パイプ19を経てタンク部材6の中空部内に供給される。時間経過するにつれてタンク部材6の中空部内水面が上昇する。
水面の上昇に伴ってタンク部材6内の空気は上方に追われ、水面が口天部6cを越えるとタンク部材6内から空気が完全に排出され空気は全て継手部材16に形成される
連通孔16bを経て
中空部16aに移動させられる。さらに水位が上昇すると空気は蓋部材11に形成される穴14を経て排水管としての連結
管13から水道管Hを経て蛇口Eから排出され、空気を押し出した水道水も蛇口Eから排出される。
このようにして、実施例1と同様の作用と効果を果たす。
【0026】
実施例2で用いた蓋部材11は、天面に適宜離間されて開口される一対の穴14,14が大径側とされる段付き孔としたので次のような効果がある。
イ)
図11のものに比べて材料が少なく安価に出来る。
ロ)延長パイプが接続される大径穴14が2個あるので、一方が損傷してももう一方を利用できる。
ハ)段付き孔の大径側が蓋の天面最高所に開口しているので、貯水タンクが多少傾斜されて設置されても直孔に比べて水面とタンク部材の内面と蓋部材11とで形成される部屋内の空気を逃がせるので隔室が形成されない。
ニ)開口部を2箇所有し口部外周面に雄ねじが刻設されるタンク部材に対して大径穴14の一方にパイプを接続すれば給水側蓋部材、同穴14に何も接続しなければ排水側蓋部材として利用できるので汎用性が高い。
ホ)蓋部材10に設けた中空部16aの平面視投影面積がタンク部材6の開口部平面視投影面積より大きくされているので延長パイプ19の基端と給水管側の連結構造の選択肢が広がる
【実施例3】
【0027】
本実施例の特徴とするところは、請求項
2に係る貯水タンクである。
【0028】
図3を用いて本発明に係る貯水タンクの第3実施例について説明する。
なお、前述実施例で使用した部位には同一符号を付し詳細説明を省略する。
20はタンク部材26の中空部の最高所に開口される第1開口部26aと側面中央部に開口される第2開口部26bを図示しないリング状のシール部材を介して密閉可能とされ円筒体の一側端面が閉じられた黒色樹脂製蓋部材であり、内周面にタンク部材26の両開口部外周面に夫々刻設される雄ねじに螺合可能な雌ねじが刻設されると共に天面中央部に開口される大径穴に連通され、該穴より小径の貫通孔を有す管体20aが天面と対向する表面に突設される。
40は管体20aと連通される大径穴に着脱自在に圧入されタンク部材26の中空部底部に伸びる可撓性を有す樹脂製のL字状延長パイプ。
26は中空部の最高所に開口される第1開口部26aと中空部側面に設けられる第2開口26bが設けられ該開口部
26bは内径が中空部中央部に向けて漸増され軸が水平のテーパー孔を有す円
錐状とされ、中空部に注水されて上昇する水面と内壁面との間や上昇する水面と内壁面と蓋部材20との間に隔室が形成されず空気溜りが生じないようされた開口部が2ヶ所設けられた黒色の樹脂製タンク部材である。なお、26cはタンク部材26に一体成形される取っ手である。
【0029】
以上の構成においてその作用を説明する。
空気は水より軽いので上方に移動する。このため、低所に存する側面の第2開口部26b側を給水側として選択し、第2開口部26bを密閉する蓋部材20の管体20aと量水器Mとを閉じられた止水弁W1が接続された水道管Pを介して接続すると共に排水側とされる第1開口部26aを密閉する蓋部材20の管体20aと蛇口Eとを閉じられた止水弁W2が接続された水道管Hを介して接続する。
次いで、実施例1と同様に、止水弁W1を開くと水道水が水道管Pを介して第2開口部26bを密閉する蓋部材20の給水管としての管体2aを通り延長パイプ40を経てタンク部材26の中空部内に供給される。時間経過するにつれてタンク部材26の中空部内水面が上昇し第2開口部26bに達すると蓋部材20の天面は垂直に取付けられていると共に第2開口部26bの天井は
図中右上がりに傾斜されているので水面と中空部内壁面と蓋部材20とで隔室が形成されず空気が溜まることなく水面は上昇する。水面が第1開口部26aの蓋部材20の天面、すなわち、大径穴の開口面に達しても水面と中空部内壁面と蓋部材20との間に空気溜りが生じない形状とされているのでタンク部材26の中空部内空気は全て第1開口部26aを密閉する蓋部材20の管体20aに移動させられる。さらに水位が上昇すると空気は水道管Hを経て蛇口Eから排出され、空気を押し出した水道水も蛇口Eから排出される。
このようにして、実施例1と同様の作用と効果を果たす。
【0030】
なお、実施例3で用いたタンク部材26には
図11に示す(a)を給水側蓋部材、(b)を排水側蓋部材として利用しても同様の作用と効果がある。しかし、蓋部材20は、天面最高所に大径側の孔が開口される段付き孔を形成させたので次のような利点がある。
イ)
図11−(a)のものに比べて材料が少なく安価に出来る。
ロ)本実施例に示されるように、大径穴14にパイプを接続すれば給水側蓋部材、同穴14に何も接続しなければ排水側蓋部材として利用できるので汎用性が高い。(
図11に示す蓋部材を用いると(a)は給水側の使用に限定され、(b)も排水側蓋部材への使用に限定され蓋部材の種類が多くなりコストアップする欠点がある)
ハ)段付き孔の大径側が蓋の天面に開口しているので、貯水タンクが多少傾斜されて設置されても直孔に比べて水面とタンク部材の内面と蓋部材とで形成される部屋内の空気を逃がせるので隔室が形成されない。
【実施例4】
【0031】
本実施例の特徴とするところは、請求項3に係る貯水タンクである。
【0032】
図4を用いて本発明に係る貯水タンクの第4実施例について説明する。
なお、前述実施例で使用した部位には同一符号を付し詳細説明を省略する。
11は実施例2で用いたものと同じ蓋部材であり、タンク部材46の中空部上部右側の円筒状口部最高所に開口される開口部を実施例2と同様に図示しないシール材を介して密閉すると共に左側に隣接する円筒状口部最高所に開口される開口部も別の蓋部材11(以下、給水側と接続される方を給水側蓋部材、排水側と接続される方を排水側蓋部材と記す)により同様に密閉されている。
46は中空部に注水されて上昇する水面と中空部内面とで隔室が形成されないようされた中空部最高所に開口部が2ヶ所設けられた黒色の樹脂製タンク部材である。
なお、貯水タンク46の運搬用取っ手の図示は省略する。
【0033】
以上の構成においてその作用を説明する。
まず、給水側蓋部材11の給水管とされる連結部12と量水器Mとを閉じられた止水弁Wが接続された水道管Pを介して接続すると共に排水側蓋部材11の排水管とされる連結部13と蛇口Eとを閉じられた止水弁Wが接続された水道管Hを介して接続する。
さらに、給水側蓋部材11の排水管とされる連結部13と水道管Hとを止水弁Wを介してパイプGで接続すると共に排水側蓋部材11の連結部12とパイプGの中央部とを止水弁Wを介してパイプFで接続する。
この際、図で示すように給水側蓋部材11の排水管13とパイプGとの接続位置、パイプFとパイプGとの接続位置、排水側蓋部材11の排水管13と接続される水道管HとパイプGとの接続位置の順に高所にする。また、給水側蓋部材11の連結部13側のパイプGに絞り弁付きフローメータKを接続する。
次いで、蛇口Eを開いた後に蛇口側止水弁Wから上流側に向かって順次開き、最後に量水器M側止水弁Wを開くと水道水が水道管Pを介して給水側蓋部材11の給水管とされる連結部12を通り延長パイプ19を経てタンク部材46の中空部内に供給される。
【0034】
時間経過するにつれてタンク部材46の中空部内水面が上昇する。
水面が蓋部材11の天面、すなわち、穴14の開口面に達すると水面とタンク部材46の内壁面との間や水面とタンク部材46の内壁面と蓋部材11との間に空気溜りが生じない形状とされているのでタンク部材46の中空部内空気は全て給水側蓋部材11の穴14や連結部13の中空部及び排水側蓋部材11の穴14,14や連結部12及び連結部13の中空部に移動させられる。
さらに水位が上昇すると水面は給水側蓋部材1の排水管13とパイプGとの接続位置、パイプFとパイプGとの接続位置、排水側蓋部材11の排水管13と接続される水道管HとパイプGとの接続位置の順に上昇し、空気は排水側蓋部材11の排水管13が接続される水道管Hを経て蛇口Eから排出され、空気を押し出した水道水も蛇口Eから排出される。これにより、量水器Mからタンク部材46を経て蛇口Eに至る中空部から完全に空気が排出される。
【0035】
ここでは、開口部が上面に2ヶ所設けられたタンク部材46の給水側開口部に排水管とされる連結部13を有す蓋部材11を用いたので、水面とタンク部材46の内面と蓋部材11とで形成される中空部内の空気は排水管とされる連結部13を介して完全に排気されるので隔室は形成されない。
【0036】
次いで、延長パイプ19を経て供給される水道水の多くを排水側蓋部材11を経て排水させるために絞り弁付きフローメータKの絞り弁を絞り、パイプG内の流量を減らす。
この際、絞り弁の絞り量に応じて水の流れの勢いが視認できるので水流を止めない程度の流速に設定する。これにより、給水側蓋部材11の排水管とされる連結部13からパイプGを経て水道管Hに至る経路の水の滞留を防止できる。
【0037】
なお、事前のテストを行い、パイプGの内径を小さくしたもので水流を止めないことを確認しておけば該内径の小さいパイプGを用いればフローメータKを省略できる。
【0038】
この後、特に水道水の使用の必要が無ければ蛇口Eを閉じる。
次いで、必要に応じて蛇口Eを開くと水道管の上流からの水はタンク部材46を経由して蛇口Eから放水される。これにより、蛇口Eから放水される度にタンク部材46内の水は水道管の上流から供給される新しい水道水に置換され、新鮮状態が維持される。
【0039】
災害等により断水状態が生じた場合は、実施例1と同様に、水道管P,H及びパイプF,Gから止水弁Wを外し、所要の場所に止水弁と蓋部材が接続されたタンク部材46を運んで利用に備える。
【実施例5】
【0040】
本実施例の特徴とするところは、実施例4の変形例である。
【0041】
図5を用いて本発明に係る貯水タンクの第5実施例について説明する。
なお、前述実施例で使用した部位には同一符号を付し詳細説明を省略する。
前記実施例4におけるタンク部材の排水側蓋部材に実施例3で用いた蓋部材20を使用したものである。
【0042】
以上の構成においてその作用を説明する。
まず、給水側蓋部材11の給水管とされる連結部12と量水器Mとを閉じられた止水弁Wが接続された水道管Pを介して接続すると共に排水側蓋部材20の管体20aと蛇口Eとを閉じられた止水弁Wが接続された水道管Hを介して接続する。
さらに、給水側蓋部材11の排水管とされる連結部13と水道管Hを止水弁Wを介してパイプGで接続する。この際も実施例4と同様に、連結部13とパイプGとの接続位置より水道管HとパイプGとの接続位置の方を高所にする。
次いで、蛇口Eを開いた後に蛇口側止水弁Wから上流側に向かって順次開き最後に量水器M側止水弁Wを開くと実施例5と同様に水道水がタンク部材46の中空部内に供給されて中空部内水面が上昇しタンク部材46の中空部内空気は全て給水側蓋部材11の排水管とされる連結部13及び排水側蓋部材20の管体20aに移動させられる。さらに水位が上昇すると、水面は給水側蓋部材11の連結部13とパイプGとの接続位置、排水側蓋部材20の管体20aと接続される水道管HとパイプGとの接続位置の順に上昇し、実施例5と同様に空気は水道管Hを経て蛇口Eから排出され、空気を押し出した水道水も蛇口Eから排出される。
このようにして、実施例1と同様の作用と効果を果たす。
【実施例6】
【0043】
本実施例の特徴とするところは、実施例2で用いた貯水タンクと実施例4で用いた貯水タンクを接続したものである。
【0048】
図6を用いて本発明に係る貯水タンクの第6実施例について説明する。
なお、前述実施例で使用した部位には同一符号を付し詳細説明を省略する。
実施例2で示した貯水タンクの給水管とされる連結部12と実施例4で示した貯水タンクの排水側蓋部材11の排水管とされる連結部13とがパイプJで接続されたものである。
【0044】
以上の構成においてその作用を説明する。
図6のように配管した後、前述同様に、蛇口Eを開くと水道水がタンク部材46の中空部内に供給される。時間経過するにつれてタンク部材46の中空部内水面が上昇し、ついには、タンク部材46の中空部内空気は全てパイプJを通ってタンク部材6側に移動させられる。さらに水道水が供給されると、タンク部材6内の水位が上昇し、全ての空気がタンク部材6に取付けられた蓋部材11の排水管とされる連結部13から水道管Hを経て蛇口Eから排出され、空気を押し出した水道水も蛇口Eから排出される。
これにより、実施例1と同様の作用と効果を果たす。
【0045】
なお、上記実施例では実施例2と実施例4の貯水タンクを接続した例を示したが、これに限るものではない。すなわち、実施例1乃至実施例5に示した貯水タンク同士を接続してもよいし実施例1乃至実施例5に示した貯水タンクを組合わせて接続しても良い。
要するに、量水器に接続される最上流側貯水タンクの排水管とその下流側に接続される貯水タンクの給水管とを接続し該貯水タンクの排水管を下流側の貯水タンクの給水管にすることを繰り返し最下流の貯水タンクの排水管を蛇口に接続すれば良い。
【0046】
なお、上記蓋部材11の実施例では蓋の天面は平面状としたが、これに限るものではない。すなわち、
図7に示す蓋部材60のように、シール部材との当接面60aの端から排水管2bを貫通する段付き孔の大径穴開口縁を結ぶ凹面61を形成させても良い。
これにより、貯水タンクが多少傾いて設置されても蓋部材とタンク部材と水面との間の空気を確実に排出できる。
【0047】
同様に、蓋部材20の変形例として
図8に示す蓋部材70のように、シール部材との当接面70aの端から段付き排水孔の大径穴開口縁を結ぶ凹面71を形成させて天面最高所に開口させても良い。
これにより、貯水タンクが多少傾いて設置されても蓋部材とタンク部材と水面との間の空気を確実に排出できる
【0048】
また、上記実施例の蓋部材は外周壁と底面とが一体成形されたものを示したが、これに限るものではない。すなわち、蓋部材11の変形例として
図9に示すように、蓋部材80は天面に孔80aが貫通されると共に内周面にタンク部材の口部外周面に刻設される雄ねじに螺合可能な雌ねじが刻設されるリングキャップ81とリングキャップ81の中空部に収容され外径が前記孔80aの内径より大きくされた円板の前記孔80aに臨まされる一側端面に適宜離間されて段付き孔が貫通される給水管82aと排水管82bとが突設され段付き孔の大径穴が前記一側端面と対向する他側端面に開口される蓋82と構成されるものでもよい。
【0049】
同様に、蓋部材20の変形例として、前記リングキャップ81とリングキャップ81の中空部に収容され外径が前記孔80aの内径より大きくされた円板の前記孔80aに臨まされる一側端面中央部に1本の段付き孔が貫通される管体を突出させ大径穴が前記一側端面と対向する他側端面に関口される蓋とで構成されるものでも良い。
【0050】
また、蓋部材に貫通される孔は段付き孔に限られるものではない。すなわち、蓋部材11の変形例として
図10に示すように、直孔にして給水管側を蓋部材の内部に突出させる一方排水管は天面最高所に開口させる構成にすると給水側蓋部材専用に利用できる。この際は、延長パイプ中空部に給水管の外周面を挿入して接続する。
【0051】
また、蓋部材とタンク部材開口部及び蓋部材と継手部材開口部との連結手段は雄ねじと雌ねじを螺合させる構成としたがこれに限定されるものではない。すなわち、
図12に示すようにタンク部材の口部外周に周設されるフランジと蓋部材の口部外周に周設されるフランジとをシール材を介して気密的に連結しても良い。要するに、蓋部材とタンク部材開口部との接続面に空気溜りが生じないよう気密的に連結される構造であればどのような連結手段でも良い。
【0052】
また、蓋部材やタンク部材は黒色としたがこれに限定されるものではない。すなわち、透明や白色等太陽光を透過させる色でも良い。この際は、太陽光の透過を妨げる黒色のシートで蓋付貯水タンクを覆うか、あるいは暗室に保管するのが好ましい。要するに、貯水タンク内水中に侵入した緑藻菌等の光合成を妨げるよう太陽光を遮光する2次処置をすればどのような色でも良い。
【0053】
また、太陽光を透過させない色又は材質の貯水タンクにすれば屋根上や屋上に設置される太陽熱温水器の集熱部材として利用できるので通常は太陽熱温水器として利用し、非常時は非常用飲用水として利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
貯水タンクの製造・販売事業や設置事業に利用される。
【0060】
【符号の説明】
【0061】
1、11、20、
60、70 蓋部材
1a 中空部
1b 連通孔 1d 継手ベース
1e 連結部 2 給水管
3、2b 排水管
4 雌ねじ
7、
19、34 延長パイプ 5、
50 シール部材
6、26、46 タンク部材 16 継手部材
20a 管体 26c 取っ手
40 L字状延長パイプ
80 蓋部材
81 リングキャップ
82 蓋
82a 給水管
82b 排水管 E 蛇口
F、G、J パイプ K フローメータ
M 量水器 P 水道管
W 止水弁